JP2005320899A - 電磁駆動バルブ - Google Patents

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Abstract

【課題】開閉各駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルを冷却不足や過冷却を招くことなく適切に冷却することのできる電磁駆動バルブを提供する。
【解決手段】電磁駆動バルブ19は、コイル45,42への通電に伴い発生する電磁力をアーマチャ39に作用させることにより、アーマチャステム25を軸方向へ変位させてバルブ15を開閉駆動する開駆動用電磁アクチュエータ46及び閉駆動用電磁アクチュエータ43と、電磁アクチュエータ46,43毎に設けられ、かつそのコイル45,42を冷却する一対の冷却手段とを備える。冷却手段として、下部及び上部の両滑り軸受37,36を潤滑するための潤滑油38を利用する。そして、開駆動用電磁アクチュエータ46側の冷却手段の冷却能力を、閉駆動用電磁アクチュエータ43側の冷却手段の冷却能力よりも大きく設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブを構成する機構として好適な電磁駆動バルブに関し、特に電磁コイルを冷却する構造に関するものである。
例えば、内燃機関の吸気バルブ又は排気バルブとして、カムシャフトの回転に基づいて開閉駆動されるバルブに代えて、電磁力によって開閉駆動される電磁駆動バルブを採用することが考えられている。この電磁駆動バルブは、吸気バルブ又は排気バルブとして機能するバルブと、バルブと同軸上に配置され、かつアーマチャが固定されたアーマチャステムと、アーマチャを中立位置に付勢する一対のスプリングと、アーマチャの変位方向に配設される開駆動用電磁アクチュエータ及び閉駆動用電磁アクチュエータとを備える。開閉各駆動用電磁アクチュエータはコア及び電磁コイルを備えており、ケースに収容されている。そして、一方の電磁アクチュエータにおける電磁コイルへの通電により励磁電流が流れると、アーマチャに対しコアに向かう電磁力が作用する。この電磁力により、アーマチャステムが軸方向へ変位させられてバルブが駆動される。従って、両電磁アクチュエータに交互に励磁電流が流されることによりバルブが開閉駆動される(例えば特許文献1参照)。
上記構成の電磁駆動バルブでは、通電により各電磁アクチュエータの電磁コイルが発熱する。そのため、電磁コイルを冷却する対策が必要となる。これに対し、特許文献1では、電磁アクチュエータ毎の電磁コイルを冷却するための冷却液が流れる冷却通路を、その電磁コイルに隣接するように配置している。これらの冷却液及び冷却通路によって冷却手段が構成され、各冷却手段によって電磁コイルが冷却される。
なお、本発明にかかる先行技術文献としては、上述した特許文献1のほかに次に示す特許文献2及び3が挙げられる。
特開2003−269121号公報 特開2001−32706号公報 特開2001−20708号公報
ところで、上記電磁駆動バルブでは、バルブを開弁させるときには閉弁させるときよりも大きな力が必要となる。これは、開弁時には、燃焼に伴い高くなった筒内圧に抗してバルブを変位させなければならず、この筒内圧に打勝つ大きさの力が必要となるためである。この大きな力を生み出すために開駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルに流される電流は非常に多い。これに対し、閉弁時には、筒内圧による閉弁方向の力がバルブに加わるため、閉駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルに流される電流は少なくてすむ。従って、これらの量の電流が流された場合の電磁コイルでの発熱量、さらには電磁コイルを冷却するための冷却手段の冷却能力は、開駆動用電磁アクチュエータと閉駆動用電磁アクチュエータとで異なってくる。
ところが、上述した特許文献1を含む従来の電磁駆動バルブでは、こうした電磁コイルの通電に伴う発熱量の差が考慮されていないことから、同一の冷却能力を有する冷却手段が電磁アクチュエータ毎に設けられることになる。そのため、例えば開駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルの発熱量を基準に冷却能力を設定すれば、同電磁コイルの温度は確実に低下するが、閉駆動用電磁アクチュエータでは電磁コイルの温度が過剰に低下してしまう。また、閉駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルの発熱量を基準に冷却能力を設定すれば、開駆動用電磁アクチュエータでは電磁コイルを十分なレベルまで冷却することが難しい。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、開閉各駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルを冷却不足や過冷却を招くことなく適切に冷却することのできる電磁駆動バルブを提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明では、内燃機関の気筒に対応して設けられるバルブと、前記バルブと同軸上に配置され、かつアーマチャが設けられるアーマチャステムと、前記アーマチャの変位方向についての両側にそれぞれ配設されたコア及び電磁コイルを有し、同電磁コイルへの通電に伴い発生する電磁力を前記アーマチャに作用させることにより、前記アーマチャステムを軸方向へ変位させて前記バルブを開閉駆動する開駆動用電磁アクチュエータ及び閉駆動用電磁アクチュエータと、前記開閉各駆動用電磁アクチュエータ毎に設けられ、それらの電磁コイルを冷却する一対の冷却手段とを備える電磁駆動バルブにおいて、前記開駆動用電磁アクチュエータ側の冷却手段の冷却能力が、前記閉駆動用電磁アクチュエータ側の冷却手段の冷却能力よりも大きく設定されているとする。
上記の構成によれば、開駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルに通電されると、その通電に伴い電磁力が発生する。この電磁力がアーマチャに作用すると、アーマチャが開駆動用電磁アクチュエータに吸引されてアーマチャステムが軸方向へ変位し、そのアーマチャステムと同軸上のバルブが開弁される。通電により電磁コイルが発熱するが、この電磁コイルは冷却手段によって冷却される。
これに対し、閉駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルに通電されると、その通電に伴い発生した電磁力がアーマチャに作用する。アーマチャが閉駆動用電磁アクチュエータに吸引されてアーマチャステムが軸方向へ変位し、バルブが閉弁される。通電によって発熱する電磁コイルは冷却手段によって冷却される。
ところで、前述した開弁時にはバルブが筒内圧に抗する方向へ変位するため、アーマチャステムをこの筒内圧に打勝つ大きさの力で軸方向へ変位させることとなる。こうした大きな力を発生させるためには、電磁コイルに多くの電流を流して大きな電磁力を発生させる必要がある。反面、多くの電流を電磁コイルに流すとそれに伴う電磁コイルの発熱量も多くなる。
一方、前述した閉弁時には、筒内圧による閉弁方向の力がバルブに加わるため、アーマチャステムの変位には前記開弁時ほどの大きな電磁力は必要とされない。これに伴い、電磁コイルに流される電流も少なくてすむ。従って、通電に伴う電磁コイルの発熱量は少ない。
この点、請求項1に記載の発明では、開駆動用電磁アクチュエータ側の冷却手段の冷却能力が、閉駆動用電磁アクチュエータ側の冷却手段の冷却能力よりも大きく設定されている。従って、発熱量の多い開駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルについては、冷却能力の高い側の冷却手段によって冷却されて、同電磁コイルの温度が低下する。これに対し、発熱量の少ない閉駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルについては、冷却能力の低い側の冷却手段によって冷却されて、同電磁コイルの温度が低下する。このように、開閉両駆動用電磁アクチュエータの各電磁コイルをそれらの発熱量に応じた冷却能力で冷却することができ、冷却不足や過冷却を招くことなく両電磁コイルを適切に冷却することが可能となる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記開駆動用電磁アクチュエータ及び前記閉駆動用電磁アクチュエータをそれぞれ収容する一対のケースをさらに備え、前記アーマチャステムは前記開閉各駆動用電磁アクチュエータ毎の軸受を介して対応する前記ケースに支持されており、前記各冷却手段は、前記ケースの外部から供給される潤滑油と、同潤滑油を前記軸受に導く給油路とを含むものであるとする。
上記の構成によれば、ケースの外部から供給された潤滑油は各給油路を通り、アーマチャステムを各ケースに支持する軸受に導かれる。この潤滑油は軸受、特に軸受とアーマチャステムとの接触部分を潤滑するほか、開閉各駆動用電磁アクチュエータの電磁コイルを冷却する。このように、軸受の潤滑に用いられている潤滑油を利用して電磁コイルを冷却するため、同電磁コイル冷却のために新たな冷媒を用いたり、その冷媒の通路を別途設けたりしなくてすむ。
請求項3に記載の発明では、請求項2に記載の発明において、前記開駆動用電磁アクチュエータ側の給油路に前記閉駆動用電磁アクチュエータ側の給油路よりも多くの潤滑油が流れるように、各給油路への潤滑油の単位時間当りの供給量が設定されているとする。
給油路を流れる潤滑油と電磁コイルとの間での熱交換量は、その給油路を単位時間当りに流れる潤滑油の量が多くなるに従い多くなる。この点、請求項3に記載の発明では、開駆動用電磁アクチュエータ側の給油路への単位時間当りの供給量を、閉駆動用電磁アクチュエータ側の給油路への単位時間当りの供給量よりも多くなるよう設定することで、開駆動用電磁アクチュエータ側の冷却手段の冷却能力を、閉駆動用電磁アクチュエータ側の冷却手段の冷却能力よりも大きくしている。このように、潤滑油の単位時間当りの供給量を調整するだけで、開閉各駆動用電磁アクチュエータ毎の冷却手段の冷却能力について、上記関係を満たすように設定することができる。
請求項4に記載の発明では、請求項2又は3に記載の発明において、前記冷却手段は、前記内燃機関における前記開駆動用電磁アクチュエータ側の給油路の近傍に設けられた冷却水路と、同冷却水路を流れる冷却水とをさらに含み、前記開駆動用電磁アクチュエータ側の給油路における潤滑油の流通方向は、前記冷却水路における冷却水の流通方向と逆方向に設定されているとする。
上記の構成によれば、内燃機関ではこれを冷却するために冷却水が冷却水路を流れる。この冷却水路は開駆動用電磁アクチュエータの給油路の近傍に設けられているため、冷却水路を流れる冷却水と給油路を流れる潤滑油との間で熱交換が行われて潤滑油の温度が低下する。しかも、給油路における潤滑油の流通方向が冷却水路における冷却水の流通方向と逆方向に設定されていることから、両流通方向が互いに同一に設定されている場合に比べて潤滑油及び冷却水の温度差が大きくなり、熱交換が効率よく行われて潤滑油の温度が低下する。その結果、開駆動用電磁アクチュエータ側の冷却手段の冷却能力が一層高められる。
請求項5に記載の発明では、請求項4に記載の発明において、前記開駆動用電磁アクチュエータ側の給油路及び前記冷却水路は互いに同一方向へ傾斜しており、前記潤滑油が前記給油路の高所から低所へ向けて流れ、かつ前記冷却水が前記冷却水路の低所から高所へ向けて流れるように、前記潤滑油及び前記冷却水の各流通方向が設定されているとする。
ここで、一般的な内燃機関にあっては、潤滑油の供給先が開空間に設けられ、冷却水の供給先が閉空間に設けられていることが多い。そのため、潤滑油の供給先では、その潤滑油を上昇させることが難しいのに対し、冷却水の供給先では多少の高低差があっても冷却水を上昇させることが可能である。
この点、請求項5に記載の発明では、潤滑油が給油路の高所へ供給され、冷却水が冷却水路の低所へ供給される。高所に供給された潤滑油は重力により、傾斜した給油路内の低所へ向けて流れる。また、低所に供給された冷却水は、冷却水の供給源の供給圧によって、冷却水路内の低所から高所へ向けて流れる。従って、ともに傾斜している給油路及び冷却水路において潤滑油及び冷却水を互いに逆方向へ流すことができ、請求項4に記載の発明の効果を確実なものとすることができる。
以下、本発明を水冷式多気筒内燃機関用の電磁駆動バルブに具体化した一実施形態について、図面を参照して説明する。
図2に示すように、内燃機関のシリンダヘッド11には、吸気通路の一部又は排気通路の一部をなすポート12が、気筒毎に一対(図2では一方のみ図示)ずつ形成されている。各ポート12の燃焼室13側の端部にはバルブシート14が設けられている。シリンダヘッド11には、吸気バルブ又は排気バルブとして機能するバルブ15がポート12毎に設けられている。電磁駆動バルブが内燃機関に組込まれた状態では、各バルブ15は鉛直線に対して所定の角度をもって傾斜している。ここでは、バルブ15は鉛直線を基準として丁度図2の時計回り方向へ若干回転させたような傾斜状態となっている。
各バルブ15は、バルブガイド16により軸方向への往復動可能に支持されたバルブステム15Aと、そのバルブステム15Aの下端に設けられた弁体15Bとを備える。各ポート12は、バルブステム15Aが下方へ変位して弁体15Bがバルブシート14から離座することにより、燃焼室13と連通(開弁)状態となる。また、各ポート12は、バルブステム15Aが上方へ変位して弁体15Bがバルブシート14に着座することにより、燃焼室13と遮断(閉弁)状態となる。
各バルブステム15Aの上部にはロアリテーナ17が取付けられている。シリンダヘッド11と各ロアリテーナ17との間であって各バルブステム15Aの周りには、ロアスプリング18が圧縮状態で配置されており、このロアスプリング18によって各バルブ15が閉弁方向(略上方)へ常に付勢されている。
シリンダヘッド11において、各ロアリテーナ17から上方へ離間した箇所には、気筒毎に一対(図2では一方のみ図示)の電磁駆動バルブ19を有するケースが配置されている。各ケースは、その上半部を構成するアッパケース22と、下半部を構成するロアケース23とを備える。上述したようにバルブ15が傾斜していることから、これらのアッパケース22及びロアケース23は、図2の右側ほど低くなる(右下がりとなる)ように傾斜している。
図1及び図3に示すように、各アッパケース22は下面が開口されており、その下端部の気筒配列方向についての両側には、外側方へ突出するフランジ部22Aが形成されている。また、ロアケース23は上面が開口されており、その上端部の気筒配列方向についての両側には、外側方へ突出するフランジ部23Aが形成されている。これらアッパ及びロアの両ケース22,23は、いずれも板状の金属材料を剪断、曲げ、絞り等の加工を行うことによって形成されている。この金属材料として、電磁駆動バルブ19の軽量化の観点から薄板状をなすものが用いられている。そして、両ケース22,23は互いに上下に重ね合わされた状態で、上方から両フランジ部22A,23Aに挿通されたボルト24によってシリンダヘッド11に締結されている。
図2及び図3に示すように、各バルブステム15Aと同軸上には、非磁性材料からなるアーマチャステム25が、ロアケース23を貫通した状態で軸方向への往復動可能に配置されている。各アーマチャステム25の下端部にはアッパリテーナ26が取付けられている。各ロアケース23の直下にはスプリングシート27が配置されており、これらのアッパリテーナ26とスプリングシート27との間であって各アーマチャステム25の回りにはアッパスプリング28が圧縮状態で介装されている。アッパリテーナ26及びアーマチャステム25は、アッパスプリング28により常に開弁方向(略下方)へ付勢されている。 なお、アッパスプリング28が上記位置に代えてアッパコア32よりも上方に配置され、このアッパスプリング28によってアーマチャステム25が開弁方向へ付勢されてもよい。
各アーマチャステム25と各バルブステム15Aとの間にはラッシュアジャスタ29が配置されている。各ラッシュアジャスタ29は、弁体15Bとシリンダヘッド11との間の熱膨張差や、バルブシート14び弁体15Bの摩耗に起因するバルブステム15Aとアーマチャステム25との相対変位等を吸収することにより、これらバルブステム15A及びアーマチャステム25間に隙間が生ずるのを防止するためのものである。
アッパケース22内には、それぞれ上下に貫通する孔31を有する一対のアッパコア32が、気筒配列方向に並べられた状態で収容されている。同様に、ロアケース23内には、それぞれ上下に貫通する孔33を有する一対のロアコア34が、気筒配列方向に並べられた状態で収容されている。このように収容された状態では、各アッパコア32の上面の多くがアッパケース22の天井部22Bに接触し、各ロアコア34の底面の多くがロアケース23の底部23Bに接触している。各アッパコア32の側面はアッパケース22の側部22Cから若干離間し、各ロアコア34の側面はロアケース23の側部23Cから若干離間している。
図4及び図5に示すように、各アッパコア32及び各ロアコア34は、いずれも鋼板等の板材の積層体からなる。各積層体は、板材をプレス加工により所望の形状に加工し、これをアーマチャステム25の軸線に直交する方向(図2の左右方向)へ積層し、かつこれらの板材を溶接、接着等の方法に従って相互に連結させることによって形成したものである。
図2、図4及び図6に示すように、各孔31は各アッパコア32の長さ方向(積層方向)及び幅方向(積層方向に直交する方向)についての中央部分に設けられている。各アッパケース22の孔31に対応する箇所には上部滑り軸受36が取付けられている。上部滑り軸受36の大部分は孔31内に入り込んでおり、アーマチャステム25の上部が上部滑り軸受36を介してアッパケース22に対し軸方向への摺動可能に支持されている。同様に、図2、図5及び図7に示すように、各孔33は各ロアコア34の長さ方向及び幅方向についての中央部分に設けられている。各ロアケース23の孔33に対応する箇所には下部滑り軸受37が取付けられており、アーマチャステム25の下部が下部滑り軸受37を介してロアケース23に対し軸方向への摺動可能に支持されている。なお、各上部滑り軸受36と各孔31の壁面との間、及び各下部滑り軸受37と各孔33の壁面との間には、潤滑油38の通過を可能とする通路36A,37Aがそれぞれ形成されている(図6、図7参照)。
図2及び図3に示すように、相対向するアッパコア32及びロアコア34間であって各アーマチャステム25上には、高透磁率材料からなるアーマチャ39が固定されている。
各アッパコア32には、その下面において開口し、かつ板材の積層方向に延びる一対の溝41が設けられており、これらの溝41に電磁コイルとしてアッパコイル42が巻装されている。アッパコイル42は樹脂被膜48によって被覆されている。そして、アッパコア32及びアッパコイル42により、アーマチャステム25を軸方向上方へ変位させてバルブ15を閉弁方向に駆動するための閉駆動用電磁アクチュエータ43が構成されている。同様に、ロアコア34には、その上面において開口し、かつ板材の積層方向に延びる一対の溝44が設けられており、これらの溝44に電磁コイルとしてロアコイル45が巻装されている。ロアコイル45は樹脂被膜49によって被覆されている。そして、ロアコア34及びロアコイル45により、アーマチャステム25を軸方向下方へ変位させてバルブ15を開弁方向に駆動するための開駆動用電磁アクチュエータ46が構成されている。
さらに、図1及び図2に示すように、各電磁駆動バルブ19には、アーマチャ39の回転を防止するための手段が設けられている。この回転防止手段は、アーマチャステム25と略平行に配置され、かつアーマチャ39に摺動可能に挿通されたシャフト47を備えている。アッパケース22及びロアケース23にはそれぞれ取付孔47Aがあけられており、シャフト47の上端部及び下端部が対応する取付孔47Aに挿通され、抜落ち不能に係止されている。なお、アッパケース22及びロアケース23において、アーマチャステム25を挟んで取付孔47Aに対向する箇所にも取付孔47Bがあけられているが、これはシャフト47の取付けに関与しない孔であり、主としてアッパケース22及びロアケース23の部品の共通化を目的として設けられたものである。
また、各電磁駆動バルブ19は、各アーマチャステム25(バルブ15)の軸方向における変位量(リフト量)を検出するリフトセンサ51を備えている。各リフトセンサ51は、センサコア52及びセンサコイル53を備えている。センサコア52は棒状をなし、その下端部においてアーマチャステム25の上端部に固定されている。センサコイル53は筒状をなし、センサコア52を取り囲んだ状態で配置されている。センサコイル53の下部は上部滑り軸受36内に入り込み、上部はアッパケース22上に固定されたセンサホルダ54内に入り込んでいる。このリフトセンサ51では、センサコア52がアーマチャステム25と一体となって軸方向へ変位すると、その変位量(リフト量)に応じた信号がセンサコイル53から出力される。
ここで、シリンダヘッド11内の燃焼室周り等には冷却水路が設けられており、ウォータポンプ(図示略)から供給される冷却水60がこの冷却水路を循環する。図2及び図3に示すように、冷却水路の一部(図では55と表記)は、ロアケース23の各フランジ部23Aの下方近傍に位置し、ロアコア34の積層方向に延びている。前述したようにアーマチャステム25が鉛直線に対して傾斜していることから、この冷却水路55もまた傾斜している。具体的には、冷却水路55は、図2では右側ほど低くなるように、また図3では紙面の手前から奥に向けて低くなるように傾斜している。また、冷却水路55では冷却水60が低所から高所へ向けて流れるように、その流通方向が設定されている。このような流通方向の設定がなされても特に問題となることはない。それは、一般的な内燃機関では、冷却水60の供給先が閉空間に設けられていることから、多少の高低差があっても冷却水60にウォータポンプの吐出圧が作用し、傾斜した上記冷却水路55を低所から高所へ向けて確実に圧送されるからである。
さらに、各電磁駆動バルブ19には、アッパケース22の外部(上方)から供給される潤滑油38を上部滑り軸受36に導くための給油路として上部給油路56が設けられている。詳しくは、図6に示すように、アッパケース22の天井部22Bにおいて、高所側の箇所には上部給油口57Aがあけられている。上部給油口57Aには、圧入等の方法により上部パイプ58が接続されており、オイルポンプ(図示略)から供給された潤滑油38が上部パイプ58を通じて上部給油口57Aに導かれる。なお、図1及び図2に示すように、アッパケース22において、アーマチャステム25を挟んで上部給油口57Aに対向する箇所にも上部給油口57Bがあけられている。しかし、これは上部パイプ58が接続されず、主としてアッパケース22及びロアケース23の部品の共通化を目的として設けられたものである。
図4及び図6に示すように、アッパコア32の上部であって孔31よりも上部給油口57A側(図4の左側)には上部溝61が設けられている。また、アッパコア32の上部であって、孔31を挟んで上部給油口57Aの反対側(図2の右側)には、上部溝61と同様の上部溝63が設けられている。この上部溝63は潤滑油38の通過に関与しない溝であり、主としてアッパコア32及びロアコア34の部品の共通化を目的として設けられたものである。こうした上部溝61,63を有するアッパコア32は、孔31を中心として点対称の関係を満たす形状をなしている。
両上部溝61,63は、アッパコア32がアッパケース22内に収容されて、両上部溝61,63を除くアッパコア32の上面がアッパケース22の天井部22Bに接触させられることで閉鎖される。こうして閉鎖された上部溝61によって上部給油路56の大部分が構成されている。前述したように、アーマチャステム25及びアッパケース22が傾斜していることから、上部給油路56もまた上部給油口57Aに対応する箇所の近傍が最も高く、その上部給油口57Aからアーマチャステム25側へ離れるに従い低くなるように傾斜している。そのため、上部給油口57Aに供給された潤滑油38は、上部給油路56を通って上部滑り軸受36へ向けて流れることとなる。上部給油路56における潤滑油38の流通方向は、図1において矢印で示すように、前述した冷却水路55における冷却水60の流通方向と逆である。
同様に、電磁駆動バルブ19には、ロアケース23の外部(下方)から供給された潤滑油38を下部滑り軸受37に導くための下部給油路64が設けられている。詳しくは、図7に示すように、ロアケース23の底部23Bにおいて、高所側(図7の左側)の箇所には下部給油口65Aがあけられている。下部給油口65Aには、圧入等の方法により下部パイプ66が接続されており、オイルポンプから吐出された潤滑油38が下部パイプ66を通じて下部給油口65Aに導かれる。なお、図1及び図2に示すように、ロアケース23において、アーマチャステム25を挟んで下部給油口65Aに対向する箇所にも下部給油口65Bがあけられている。しかし、これは下部パイプ66が接続されず、主としてアッパケース22及びロアケース23の部品の共通化を目的として設けられたものである。
ここで、オイルポンプから上部パイプ58を通じて上部給油口57Aに対し単位時間当りに供給される潤滑油38の流量を供給量Quとし、同じくオイルポンプから下部パイプ66を通じて下部給油口65Aに対し単位時間当りに供給される潤滑油38の流量を供給量Qdとする。本実施形態では、Qd>Quの関係が満たされるように両供給量Qd,Quが設定されている。供給量Qdは、ロアコイル45を十分に冷却できる最小の値に設定されることが望ましい。
図5及び図7に示すように、ロアコア34の底部であって孔33よりも下部給油口65A側(図7の左側)には下部溝67が設けられている。また、ロアコア34の底部であって、孔33を挟んで下部給油口65Aの反対側(図5の右側)には、下部溝67と同様の下部溝69が設けられている。この下部溝69は潤滑油38の通過に関与しない溝であり、主としてアッパコア32及びロアコア34の部品の共通化を目的として設けられたものである。こうした下部溝67,69を含むロアコア34は、孔33を中心として点対称の関係を満たす形状をなしている。
両下部溝67,69は、ロアコア34がロアケース23内に収容されて、両下部溝67,69を除くロアコア34の底面がロアケース23の底部23Bに接触させられることで閉鎖される。こうして閉鎖された下部溝67によって下部給油路64の大部分が構成されている。前述したように、アーマチャステム25及びロアケース23が傾斜していることから、下部給油路64もまた下部給油口65Aに対応する箇所の近傍が最も高く、その下部給油口65Aからアーマチャステム25側へ離れるに従い低くなるように傾斜している。そのため、下部給油口65Aに供給された潤滑油38は下部給油路64を通って下部滑り軸受37へ向けて流れることとなる。下部給油路64における潤滑油38の流通方向は、前述した冷却水路55における冷却水60の流通方向と逆である。
なお、上部給油口57Aをアッパケース22の高所に設け、下部給油口65Aをロアケース23の高所に設けたのは、一般的な内燃機関では、潤滑油38の供給先が開空間に設けられているからである。仮に、上部給油口57Aがアッパケース22の低所に設けられ、下部給油口65Aがロアケース23の低所に設けられているとすると、傾斜している上部給油路56及び下部給油路64内の低所から高所へ潤滑油38を上昇させることが難しい。しかし、一旦、潤滑油38を供給先(高所)に供給すると、その供給先の周りが開空間であっても、その後は潤滑油38は重力によって高所から低所へ向けて流下する。このような理由から上下両給油口57A,65Aが高所に設けられている。そして、本実施形態では、潤滑油38、冷却水路55、上部給油路56、冷却水60及び下部給油路64によって冷却手段が構成されている。
上記のようにして本実施形態の各電磁駆動バルブ19が構成されている。この電磁駆動バルブ19では、図2に示すようにアーマチャ39が開閉両駆動用電磁アクチュエータ46,43の略中央(中立位置)に位置するときには、弁体15Bがバルブシート14から下方に離座してバルブ15が若干開弁している。
この状態からアッパコイル42への通電により吸引電流が流れると、アッパコア32及びアーマチャ39からなる磁気回路が形成され、アッパコイル42の周りに磁力線が生じ、アーマチャ39に対し閉駆動用電磁アクチュエータ43に向かう電磁力が作用する。この電磁力によりアーマチャ39が略上方へ変位し、その途中で弁体15Bがバルブシート14に着座し閉弁状態となる。アーマチャ39がさらに変位すると、アーマチャステム25がバルブステム15Aから上方へ離れ、アーマチャ39がアッパコア32に当接する。
前記の状態からアッパコイル42への通電が停止されると、アーマチャ39は、アッパスプリング28の付勢力により開弁方向に向けて変位する。これに伴いアーマチャステム25がバルブステム15Aに対して近づく側へ相対移動する。
さらに、アーマチャステム25及びアーマチャ39が変位すると、アーマチャステム25はロアスプリング18に抗してバルブステム15Aを同方向へ変位させるため、弁体15Bがバルブシート14から離座して開弁状態となる。そして、アーマチャステム25及びアーマチャ39が開弁方向に所定量変位したことがリフトセンサ51によって検出されてロアコイル45に通電されると、ロアコア34及びアーマチャ39からなる磁気回路が形成され、ロアコイル45の周りに磁力線が生じ、アーマチャ39に対し開駆動用電磁アクチュエータ46に向かう電磁力が発生する。アーマチャ39がロアコア34に当接する位置まで変位すると、弁体15Bは全開状態となる。
この状態からロアコイル45への通電が停止されると、アーマチャ39を全開状態に保持するための磁気吸引力が消滅する。このため、アーマチャ39は、ロアスプリング18の付勢力により閉駆動用電磁アクチュエータ43に向けて変位し始める。
その後、アーマチャ39の変位量が所定値に達したことがリフトセンサ51によって検出されると、アッパコイル42への通電が開始される。この通電によりアッパコイル42に吸引電流が流れると、アーマチャ39に対し閉駆動用電磁アクチュエータ43に向かう電磁力が作用し、アーマチャ39が上方へ変位する。アーマチャ39がさらに変位し弁体15Bがバルブシート14に着座して閉弁状態になると、バルブステム15Aはそれ以上閉弁方向に変位しなくなる。このため、その後は、アーマチャステム25のみがアッパスプリング28に抗して同方向へ変位する。その後、アーマチャ39がアッパコア32に当接すると、アーマチャステム25はそれ以上同方向に変位しなくなる。
従って、上記のようにアッパコイル42及びロアコイル45に交互に励磁電流が流されるように開閉両駆動用電磁アクチュエータ46,43に対する通電を制御することにより、バルブ15が開閉駆動されて吸気バルブ又は排気バルブとして機能する。
上記電磁駆動バルブ19ではアーマチャステム25が変位するとき、その上部が上部滑り軸受36に対し摺動し、下部が下部滑り軸受37に対し摺動する。前者の摺動部分には、次のようにして潤滑油38が供給される。図6に示すように、オイルポンプから供給された潤滑油38は、上部パイプ58及び上部給油口57Aを通じてアッパケース22内に導かれる。潤滑油38は、上部溝61の一端(上部給油口57A側端部)から他端(孔31側端部)に向けてその上部溝63内を流れることで、孔31に導かれる。孔31に至った潤滑油38は、その孔31の内壁面と上部滑り軸受36の外周面との間の通路36Aを通って自重等により流下し、アーマチャステム25に接触する。この潤滑油38はアーマチャステム25の往復動により跳ね上げられて同アーマチャステム25と上部滑り軸受36との間に流入する。この流入により上部滑り軸受36とアーマチャステム25との間に油膜が形成され、この油膜を通してアーマチャステム25の円滑な変位が可能となり、摩耗・焼き付き等の不具合が抑制される。
また、後者の摺動部分についても、上記と同様にして潤滑油38が供給されて潤滑が行われる。すなわち、オイルポンプから供給された潤滑油38は、図7に示すように下部パイプ66及び下部給油口65Aを通じてロアケース23内に導かれる。この潤滑油38の一部は、下部溝67の一端(下部給油口65A側端部)から他端(孔33側端部)に向けてその下部溝67内を流れることで孔33に導かれる。孔33に至った潤滑油38は、その孔33の内壁面と下部滑り軸受37の外周面との間の通路37Aを通って上昇し、アーマチャステム25等に接触する。この潤滑油38はアーマチャステム25の往復動に伴いそのアーマチャステム25と下部滑り軸受37との間に流入する。この流入により下部滑り軸受37とアーマチャステム25との間に油膜が形成され、この油膜を通してアーマチャステム25の円滑な変位が可能となり、摩耗・焼き付き等の不具合が抑制される。
ここで、本実施形態では供給量Qdが供給量Quよりも多く設定されていて、下部滑り軸受37にはその潤滑のために必要な量よりも多い量の潤滑油38が供給される。そのため、下部給油口65Aを通じてロアケース23内に導かれた潤滑油38の一部は、下部給油路64において上記とは逆方向である高所側へ流れる。潤滑油38は下部溝67の高所側の端に至るとそこから流下する。さらに、潤滑油38は前述した下部給油口65B、取付孔47B等(図1参照)から排出されてシリンダヘッド11内に落下し、フィルタ等を通過してオイルパンに戻される。排出しきれないほどの量の潤滑油38が下部給油路64を流れた場合には、その潤滑油38はロアケース23内に一時貯められ、ロアコア34を含めてロアケース23内の下部が潤滑油38に浸った状態となる。
ところで、上記電磁駆動バルブ19においては、アーマチャ39を吸引するための通電によりアッパコイル42及びロアコイル45が発熱し、同コイル42,45自身はもちろんのことその周辺の温度が上昇する。
ロアケース23では、ロアコイル45で発生した熱が、図3において矢印で示すように、同ロアコイル45→樹脂被膜49→ロアコア34→ロアケース23の底部23B→側部23C→フランジ部23Aの順に伝わった後に、同フランジ部23Aからシリンダヘッド11に放散される。ここで、ロアコイル45で発生する熱量は多い。これは、ロアコイル45に通電されるとき、すなわち、バルブ15の開弁時にはバルブ15が筒内圧に抗する方向へ変位するため、アーマチャステム25はこの筒内圧に打勝つ大きさの力で軸方向へ変位することとなる。こうした大きな力を発生させるためには、ロアコイル45に多くの電流を流して大きな電磁力を発生させる必要がある。反面、多くの電流をロアコイル45に流すと、それに伴いロアコイル45の発熱量も多くなる。
これに対し、ロアコア34と底部23Bとの間では、下部滑り軸受37の潤滑を主な目的として、下部給油口65Aを通じて供給された潤滑油38が下部給油路64内を流れている。この潤滑油38は冷却作用を発揮する。仮に、潤滑油38の単位時間当りの供給量が下部滑り軸受37の潤滑に必要な最小値に設定されているとすると、この潤滑油38の冷却作用のみではロアコイル45の発熱に伴い昇温した各部を冷却することが難しい。
一方、アッパケース22では、アッパコイル42で発生した熱が、図3において矢印で示すように、同アッパコイル42→樹脂被膜48→アッパコア32→アッパケース22の天井部22B→側部22C→フランジ部22Aの順に伝わった後に、同フランジ部22Aからフランジ部23Aを通じてシリンダヘッド11に放散される。しかし、アッパコイル42で発生する熱量は比較的少ない。これは、アッパコイル42に通電されるとき、すなわち、バルブ15の閉弁時には、筒内圧による閉弁方向の力がバルブ15に加わるため、アーマチャステム25の変位に開弁時ほどの大きな電磁力が必要とされず、アッパコイル42に流される電流が少なくてすむからである。
これに対し、アッパコア32と天井部22Bとの間では、上部滑り軸受36の潤滑を目的として、上部給油口57Aを通じて供給された潤滑油38が上部給油路56を流れている。この潤滑油38もまた冷却作用を発揮する。仮に、潤滑油38の単位時間当りの供給量が上部滑り軸受36の潤滑に必要な最小量であるとすると、この潤滑油38の冷却作用のみによって上記アッパコイル42の発熱に伴い昇温した各部を冷却することが可能である。
図8は、電磁駆動バルブ19の各部の温度を測定した結果を示している。測定部位は、電磁駆動バルブ19の下半部(図8では「ロア側」と表記)の複数箇所と、シリンダヘッド11におけるフランジ部22A,23Aの近傍と、同電磁駆動バルブ19の上半部(図8では「アッパ側」と表記)の複数箇所とである。下半部での測定箇所は、開駆動用電磁アクチュエータ46のロアコイル45、樹脂被膜49及びロアコア34と、ロアケース23の底部23B及びフランジ部23Aである。上半部での測定箇所は、アッパケース22のフランジ部22A及び天井部22Bと、閉駆動用電磁アクチュエータ43のアッパコア32、樹脂被膜48及びアッパコイル42である。
図8中の特性線L1は、上下各給油路56,64に対し、上下各滑り軸受36,37の潤滑のために単位時間当りに必要な最小量の潤滑油38を供給した場合について各部の温度分布を示している。冷却水60による冷却は行われていない。この特性線L1から、電磁駆動バルブ19の下半部では、ロアコイル45、樹脂被膜49、ロアコア34及び底部23Bの温度がいずれも高いことがわかる。これは、ロアコイル45の発熱量が多いことから、ロアコイル45を冷却するには上記量の潤滑油38では不十分なためである。
なお、底部23Bとフランジ部23Aとの間の温度差が大きくなっているのは、ロアケース23が軽量化のために薄板状の金属材料によって形成されていて、伝熱に関わる断面積が小さいためである。すなわち、熱伝導量は一般に熱伝達率と伝熱に関わる断面積との積で表されるところ、上述したように断面積が小さいことから熱伝導量が少なくなっているからである。
一方、電磁駆動バルブ19の上半部では、フランジ部22A、天井部22B、アッパコア32、樹脂被膜48及びアッパコイル42の各部の温度がシリンダヘッド11のそれと同程度に抑えられている。これは、アッパコイル42の発熱量が比較的少ないことから、上記量の潤滑油38でも十分冷却することができるためである。
上述したように、電磁駆動バルブ19の下半部では、仮に潤滑油38の単位時間当りの供給量Qdを下部滑り軸受37の潤滑に必要な最小量に設定すると、ロアコイル45及びその周辺箇所の温度が過度に高くなる。この点、本実施形態では、供給量Qdが供給量Quよりも多く設定されている。この設定により、下部滑り軸受37の潤滑のために必要な量よりも多くの潤滑油38が供給されて、ロアケース23の下部が潤滑油38に浸される。この潤滑油38によって、ロアコア34の下部、ロアケース23の底部23B、側部23Cの下部が直接冷却されるともに、樹脂被膜49及びロアコイル45が間接的に冷却される。
図8中の特性線L2は、単位時間当りの上部給油路56への潤滑油38の供給量Quを上部滑り軸受36の潤滑に必要な最小量とするとともに、同じく単位時間当りの下部給油路64への潤滑油38の供給量Qdを供給量Quよりも多くした場合の各部の温度分布を示している。冷却水60による冷却は行われていない。この特性線L2から、電磁駆動バルブ19の下半部では、ロアコイル45、樹脂被膜49、ロアコア34及び底部23Bの温度がいずれも低くなっていることがわかる。これは、ロアコイル45の発熱量が多いものの、上述したように供給量Qdを供給量Quよりも多くして冷却能力を高めたことによる。
ところで、上記のように潤滑油38が下部給油路64を流れて熱交換が行われる過程で、その潤滑油38は熱を奪ってゆく。そのため、潤滑油38の温度は、下部給油口65Aの近くで低く、下部滑り軸受37に近づくに従って高くなる。
この点、本実施形態では、ロアケース23の近傍に下部給油路64と略平行に冷却水路55が設けられていて、ここを下部給油路64での潤滑油38の流通方向とは逆方向に冷却水60が流れている。この冷却水60と潤滑油38との間で熱交換が行われる。すなわち、ロアケース23内の潤滑油38と冷却水路55内の冷却水60との間にはシリンダヘッド11及びロアケース23の側部23Cが介在しているため、これらを介して熱の授受が行われる。冷却水60は冷却水路55を流通する過程で潤滑油38の熱を奪ってゆく。そのため、冷却水60の温度は、反下部給油口65A側(図1の上側、図2の右側)で低く、下部給油口65Aに近づくに従って高くなる。このため、両流通方向が同一に設定されている場合に比べ、熱交換が効率よく行われて潤滑油38の温度が低下する。その結果、開駆動用電磁アクチュエータ46側の潤滑油38の冷却能力が一層高くなる。
上部給油路56を流れる潤滑油38についても同様に冷却水60との間で熱交換が行われる。この場合、潤滑油38は上部給油路56を流れる過程で熱を奪ってゆくため、上部給油口57Aの近くで温度が低く、上部滑り軸受36に近づくに従って温度が高くなる。また、アッパケース22内の潤滑油38と冷却水路55内の冷却水60との間では、シリンダヘッド11、両フランジ部23A,22A、側部22C及び天井部22Bを介して熱の授受が行われる。冷却水60は冷却水路55を流通する過程で潤滑油38の熱を奪ってゆくため、反上部給油口57A側で温度が低く、上部給油口57Aに近づくに従って温度が高くなる。そのため、この場合にも両流通方向が同一に設定されている場合に比べ、熱交換が効率よく行われて潤滑油38の温度が低下する。
図8中の特性線L3は、単位時間当りの上部給油路56への潤滑油38の供給量Quを上部滑り軸受36の潤滑に必要な最小量とするとともに、同じく単位時間当りの下部給油路64への潤滑油38の供給量Qdを供給量Quよりも多くし、さらに潤滑油38と冷却水60との間で熱交換を行った場合の各部の温度分布を示している。この特性線L3から、シリンダヘッド11の温度がさらに低くなっている。また、電磁駆動バルブ19の下半部では、ロアコイル45、樹脂被膜48、ロアコア34及びロアケース23(底部23B、フランジ部23A)の各温度がさらに低くなっている。同様に、電磁駆動バルブ19の上半部でも、アッパケース22(フランジ部22A、天井部22B)、アッパコア32、樹脂被膜48及びアッパコイル42の各温度がさらに低くなっていることがわかる。これは、前述したように、冷却水60によって潤滑油38の冷却能力が高められたことによる。
以上詳述した本実施形態によれば、次の効果が得られる。
(1)ロアコイル45にはアッパコイル42に対するよりも多くの電流が流され、その通電量の差異により多く発熱することに着目し、開駆動用電磁アクチュエータ46側の冷却手段の冷却能力を、閉駆動用電磁アクチュエータ43側の冷却手段の冷却能力よりも大きくしている。そのため、電磁アクチュエータ46,43毎のコイル45,42をそれらの発熱量に応じた冷却能力で冷却することができ、冷却不足や過冷却を招くことなく両コイル45,42を適切に冷却することができる。
(2)もともと滑り軸受36,37の潤滑のために供給されている潤滑油38を利用して電磁駆動バルブ19の各部を冷却するようにしている。そのため、冷却用として、特別な供給装置や配管を別途設けなくてもすむ。
(3)下部給油路64における潤滑油38の単位時間当りの供給量Qdを、上部給油路56における潤滑油38の単位時間当りの供給量Quよりも多く設定している。このように潤滑油38の供給量を調整するだけで、電磁アクチュエータ46,43毎のコイル45,42をそれらの発熱量に応じた冷却能力で冷却することができ、上記(1)の効果が確実に得られる。
(4)下部給油路64における潤滑油38の流通方向を、冷却水路55における冷却水60の流通方向と逆方向に設定している。このため、両流通方向が同一に設定されている場合に比べ、熱交換を効率よく行うことで潤滑油38の温度を低下させ、冷却能力を一層高くすることができる。
(5)互いに同一方向へ傾斜している下部給油路64及び冷却水路55について、潤滑油38が下部給油路64の高所から低所へ向けて流れ、かつ冷却水60が冷却水路55の低所から高所へ向けて流れるように、潤滑油38及び冷却水60の各流通方向を設定している。このため、下部給油路64内の潤滑油38を重力により高所から低所へ向けて確実に流すことができる。また、ウォータポンプの圧送により冷却水60を低所から高所へ向けて問題なく流すことができる。
なお、本発明は次に示す別の実施形態に具体化することができる。
・上部溝61,63を、アッパコア32の上面に代えてアッパケース22の天井部22Bに設けてもよいし、アッパコア32及び天井部22Bの両方に設けてもよい。同様に、下部溝67,69を、ロアコア34の底面に代えてロアケース23の底部23Bに設けてもよいし、ロアコア34及び底部23Bの両方に設けてもよい。
・上部給油路56を、アッパコア32及び天井部22B間とは異なる箇所に設けてもよい。同様に、下部給油路64を、ロアコア34及び底部23B間とは異なる箇所に設けてもよい。
・「上部溝61の一端が上部給油口57Aに繋がり他端が孔31に繋がること」を条件として、アッパコア32の幅方向における上部溝61,63及び上部給油口57Aの位置を適宜変更してもよい。例えば、上部溝61,63がアッパコア32の幅方向中央部分から側方へずれた箇所に設けられてもよい。同様に「下部溝67の一端が下部給油口65Aに繋がり他端が孔33に繋がること」を条件として、ロアコア34の幅方向における下部溝67,69及び下部給油口65Aの位置を適宜変更してもよい。
・潤滑油38の通過に直接関与しない上部溝63及び下部溝69の少なくとも一方を省略してもよい。
・上部溝61,63の少なくとも一方をアッパコア32に複数設けてもよい。同様に、下部溝67,69の少なくとも一方をロアコア34に複数設けてもよい。
・上部溝63を構成要素とする上部給油路を新たに設け、この上部給油路から上部滑り軸受36に潤滑油38を導くようにしてもよい。同様に、下部溝69を構成要素とする下部給油路を新たに設け、この下部給油路から下部滑り軸受37に潤滑油38を導くようにしてもよい。
・上下両滑り軸受36,37を潤滑するための潤滑油とは別の潤滑油を用いて、あるいは潤滑油とは別の冷媒を用いて、アッパコイル42及びロアコイル45を冷却するようにしてもよい。
・本発明は、下部給油路64の近傍に冷却水路55が設けられていない内燃機関にも適用可能である。
本発明を具体化した一実施形態における電磁駆動バルブの概略平面図。 図1の2−2線断面図。 図1の3−3線部分断面図。 アッパコアを上方から見た斜視図。 ロアココアを下方から見た斜視図。 図2におけるA部の拡大図。 図2におけるB部の拡大図。 電磁駆動バルブの温度特性を示す特性図。
符号の説明
15…バルブ、19…電磁駆動バルブ、22…アッパケース、23…ロアケース、25…アーマチャステム、32…アッパコア、34…ロアコア、36…上部滑り軸受、37…下部滑り軸受、38…潤滑油、39…アーマチャ、42…アッパコイル(電磁コイル)、43…閉駆動用電磁アクチュエータ、45…ロアコイル(電磁コイル)、46…開駆動用電磁アクチュエータ、55…冷却水路、56…上部給油路、60…冷却水、64…下部給油路、Qd,Qu…単位時間当りの供給量。

Claims (5)

  1. 内燃機関の気筒に対応して設けられるバルブと、
    前記バルブと同軸上に配置され、かつアーマチャが設けられるアーマチャステムと、
    前記アーマチャの変位方向についての両側にそれぞれ配設されたコア及び電磁コイルを有し、同電磁コイルへの通電に伴い発生する電磁力を前記アーマチャに作用させることにより、前記アーマチャステムを軸方向へ変位させて前記バルブを開閉駆動する開駆動用電磁アクチュエータ及び閉駆動用電磁アクチュエータと、
    前記開閉各駆動用電磁アクチュエータ毎に設けられ、それらの電磁コイルを冷却する一対の冷却手段と
    を備える電磁駆動バルブにおいて、
    前記開駆動用電磁アクチュエータ側の冷却手段の冷却能力が、前記閉駆動用電磁アクチュエータ側の冷却手段の冷却能力よりも大きく設定されていることを特徴とする電磁駆動バルブ。
  2. 前記開駆動用電磁アクチュエータ及び前記閉駆動用電磁アクチュエータをそれぞれ収容する一対のケースをさらに備え、
    前記アーマチャステムは前記開閉各駆動用電磁アクチュエータ毎の軸受を介して対応する前記ケースに支持されており、
    前記各冷却手段は、前記ケースの外部から供給される潤滑油と、同潤滑油を前記軸受に導く給油路とを含む請求項1に記載の電磁駆動バルブ。
  3. 前記開駆動用電磁アクチュエータ側の給油路に前記閉駆動用電磁アクチュエータ側の給油路よりも多くの潤滑油が流れるように、各給油路への潤滑油の単位時間当りの供給量が設定されている請求項2に記載の電磁駆動バルブ。
  4. 前記冷却手段は、前記内燃機関における前記開駆動用電磁アクチュエータ側の給油路の近傍に設けられた冷却水路と、同冷却水路を流れる冷却水とをさらに含み、
    前記開駆動用電磁アクチュエータ側の給油路における潤滑油の流通方向は、前記冷却水路における冷却水の流通方向と逆方向に設定されている請求項2又は3に記載の電磁駆動バルブ。
  5. 前記開駆動用電磁アクチュエータ側の給油路及び前記冷却水路は互いに同一方向へ傾斜しており、前記潤滑油が前記給油路の高所から低所へ向けて流れ、かつ前記冷却水が前記冷却水路の低所から高所へ向けて流れるように、前記潤滑油及び前記冷却水の各流通方向が設定されている請求項4に記載の電磁駆動バルブ。
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