JP2005320540A - インキ−ジェット印刷用の多濃度インキ−ジェットインキセット - Google Patents

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フランク・ド・ボークト
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ゲールト・デローバー
Roland Claes
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Abstract

【課題】 減じられたインキ消費量およびより速い乾燥時間を有する多濃度インキ−ジェットインキセットを提供すること、並びに減じられた合着、良好な色再現性および改良された耐光性を示す高い像品質の像を製造するインキ−ジェット印刷方法を提供すること。
【解決手段】 2種の黒色インキ組成物および少なくとも3種のカラーインキを含んでなる多濃度インキ−ジェットインキセットであって、第一の黒色インキ組成物が第一の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して35〜65の範囲内の明度Lを有し、そして第二の黒色インキ組成物が第二の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して70〜100の範囲内の明度Lを有する多濃度インキ−ジェットインキセット。インキ−ジェット印刷方法も開示されている。

Description

本発明は、インキ−ジェット印刷用のインキ組成物、さらに詳しくは多濃度(multi−density)インキ−ジェットインキセットに関する。
インキ−ジェット印刷では、印刷装置とインキ−受容体との間の物理的接触なしに、インキ流体の小滴がインキ−受容体表面上に直接発射される。印刷装置は印刷データを電子的に貯蔵しそしてインキ滴をインキ−受容体上に像通りに射出するための機構を調節する。印刷は、印刷ヘッドをインキ−受容体を越えてまたは逆に動かすことにより行うことができる。インキ−ジェット印刷機に関する初期の特許は特許文献1(ミード・コーポレーション(MEAD CORP))、特許文献2(ミード・コーポレーション)および特許文献3(ミード・コーポレーション)を包含する。
インキ小滴の噴射は数種の方法で行うことができる。連続的インキ−ジェット印刷と称する方法の第一のタイプでは、印刷ヘッドのオリフィスに圧力波パターンを適用することにより、このオリフィスから噴射されるインキ流が均一な寸法および間隔のインキ小滴に破壊され、それらは所望に応じて静電荷電することができたりまたはできない。1つの態様では、荷電された滴は電場により回復用ガターに偏向されるが、荷電されなかった滴は偏向されずそしてインキ−受容体上に降りて像を形成する。別の態様では、インキ−受容体上に降りて像を形成するものが荷電された小滴でありそして回復されるものが荷電されなかった小滴である。
第二の方法によると、インキ小滴を「ドロップオンデマンド」(“drop on demand”)法(DOD)により作成することができる。ドロップ−オン−デマンド装置がインキ小滴をインキ−受容体上での像形成用に必要とする時だけ射出し、それによって滴の荷電、偏向ハードウェア、およびインキ収集の複雑性を回避する。ドロップ−オン−デマンド・インキ−ジェット印刷では、インキ小滴は圧電変換器の機械的動作により(いわゆる「圧電法」)または別個の熱プッシュにより(いわゆる「バブルジェット」法もしくは「サーマルジェット」法)作成される圧力波により形成することができる。
インキの最適な組成は使用されるインキ噴射方法および印刷しようとするインキ−受容体の性質に依存することは容易に理解されるであろう。
インキ組成物はおおまかに、
・水−ベース、乾燥機構は吸収、浸透および蒸発を包含する;
・油−ベース、乾燥は吸収および浸透を包含する;
・溶媒−ベース、乾燥は主として蒸発を包含する;
・熱溶融または相変化、インキは射出温度においては液体であるが室温においては固体でありそして乾燥は固化により代替される;
・UV−硬化可能、乾燥は重合により代替される
に分類することができる。
インキ−ジェット印刷の多くの用途では、印刷された像が最終使用者が処理する場所での最終的生成物である。これは例えばいわゆるプルーフィング(proofing)用途におけるケースであり、そこでは顧客は印刷機により大規模に印刷される前の像のプレビューを所望する。数種のプルーフィング技術が利用可能であるが、印刷機により印刷される際の速度、費用および真の再現性における利点のためにインキ−ジェットが最も好ましい技術選択肢になってきている。像のこの真の再現性は多濃度インキ−ジェットインキセットを使用することにより実現される。多濃度インキ−ジェットインキセットは、ほぼ同じ色相を有するが異なる彩色および明度を有するインキ−ジェットインキの組み合わせを使用する。これらのインキ−ジェットインキは、同じ着色剤を異なる濃度で使用するかまたはほぼ同じ色相を有する異なる着色剤を使用することにより製造される。
そのような多濃度インキ−ジェットインキセットの一例は、特許文献4(セイコー・エプソン(SEIKO EPSON))により示されており、それは淡色インキの各々が少なくとも顔料、水および微細な重合体粒子を有する複数の色の淡色インキ;並びに濃色インキの各々が微細な重合体粒子を含有しないかまたは微細な重合体粒子を該淡色カラーインキのいずれかより少ない量で含有する少なくとも顔料および水を有する複数の色の濃色インキを含んでなるインキ−ジェット記録インキセットを開示している。特許文献4(セイコー・エプソン)では、インキ−ジェット記録インキセットは使用される記録媒体に適合させるためにインキを変える操作を必要としないシステム用に使用される。このインキセットが普通紙の上での印刷用に使用される場合には濃色インキの4色が使用されるが、特殊紙に関しては淡色インキの3色が黒色用に使用される淡色インキの3色から製造された複合黒色と共に使用される。
特許文献5(セイコー・エプソン)は、第一の黒色インキ組成物および第二の黒色インキ組成物を含んでなるインキセットを開示しており、そこでは第一の黒色インキ組成物は該第一の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して1〜30の範囲内の明度(L)を有しそして第二の黒色インキ組成物が該第二の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して35〜80の範囲内の明度Lを有し且つ特殊な着色剤を含有する。これらの2種の黒色インキ組成物を使用することにより、改良された耐光性および減じられた粒状性を示す黒色から白色の範囲にわたる勾配パターンを印刷することができる。
特許文献6(セイコー・エプソン)は、染料インキおよび顔料インキを組み合わせて含んでなるインキセットを開示しており、そこでは同じ色相を有するが少なくとも1つの色相に関して異なる濃度を有する複数のインキが含有されそして低濃度を有するインキの少なくとも1種は内部に含まれた顔料を着色剤として含んでなる。特許文献6(セイコー・エプソン)は、特殊な顔料インキ(淡色インキの少なくとも1種は顔料を着色剤として含有する)および染料インキの組み合わせが高い像品質、高い耐摩擦性および高い耐光性を同時に与えうることを示している。
特許文献7(セイコー・エプソン)は、互いに同じ色であるが異なる色濃度を有する濃色インキ組成物および淡色インキ組成物を含んでなるインキを開示しており、そして濃色インキ組成物および淡色インキ組成物が各々着色剤としての顔料および分散剤としての樹脂を含んでなること、濃色インキ組成物中の樹脂重量割合Bおよび顔料重量割合Pの間の比(すなわち、B/P)が淡色インキ組成物中の樹脂重量割合Bおよび顔料重量割合Pの間の比(すなわち、B/P)より低いこと、並びにBおよびBが互いに異なることにより特徴づけられる。ここでも顕著な耐光性を有する像を製造するために顔料が着色剤として使用される。
特許文献8(セイコー・エプソン)は、黒色顔料を有する黒色インキ組成物および黒色顔料を黒色インキ組成物中の顔料濃度より低い濃度で含有する淡黒色インキ組成物を少なくとも含んでなり、黒色インキ組成物中の顔料濃度対淡黒色インキ組成物中の顔料濃度の比が2〜4.5の範囲内にあるインキセットを開示している。濃い部分内の粒状性の悪化のない高い像品質を維持しながら、光源内の差による記録された像の色の差が減じられそして像の濃い部分内の色再現範囲が拡大される。
多濃度インキの使用は例えば発色および耐光性の如き性質を与え且つ改良するが、印刷用に使用されるインキ数を増加させることによるより多いインキ消費量に起因する新たな問題が同時に提起される。より多いインキ量は、インキの合着、滲出およびひげ(feathering)の問題を生ずる。
そのため、少ないインキ消費量を有する多濃度インキ−ジェットインキセットを使用しそしてその結果として例えば合着、滲出および飛散の如き像品質欠陥のない像を生ずるインキ−ジェット印刷方法があることが望ましい。
先行技術
これまでに、本発明の特許性に関連する下記の文献が既知である:
2000年10月4日に発行された特許文献9、
2002年1月30日に発行された特許文献10。
米国特許第3739393号明細書 米国特許第3805273号明細書 米国特許第3891121号明細書 米国特許第6670409号明細書 欧州特許出願公開第1176177号明細書 欧州特許出願公開第1132441号明細書 米国特許出願公開第20030008938号明細書 米国特許出願公開第20030226473号明細書 欧州特許第1041816号明細書 欧州特許第1176177号明細書
本発明の目的は、減じられたインキ消費量およびより速い乾燥時間を有する多濃度インキ−ジェットインキセットを提供することである。
本発明の別の目的は、減じられた合着、良好な色再現性および改良された耐光性を示す高い像品質の像を製造するインキ−ジェット印刷方法を提供することである。
本発明のこれらおよび他の目的は以下の記述から明らかになるであろう。
発明の要旨
できるだけ多い黒色インキを用いる発色がより少ないインキ消費量およびより少ない退色を示す像をもたらすことが驚くべきことに見出された。黒色インキは顔料および/または染料のより低い濃度に起因するより高い明度を有するため、そうでないことが予期されたであろう。
本発明の目的は、2種の黒色インキ組成物および少なくとも3種のカラーインキを含んでなる多濃度インキ−ジェットインキセットであって、第一の黒色インキ組成物が該第一の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して35〜65の範囲内の明度Lを有し、そして第二の黒色インキ組成物が該第二の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して70〜100の範囲内の明度Lを有する多濃度インキ−ジェットインキセットを用いて実現される。
本発明の目的は、(a)以上で定義された多濃度インキ−ジェットインキセットを準備し、
(b)該多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキをインキ−受容体上に噴射する
段階を含んでなるインキ−ジェット印刷方法によっても実現される。
本発明の別の利点および態様は以下の記述から明らかになるであろう。
発明の詳細な記述
定義
本発明の開示で使用される用語「インキ−ジェットインキセット」は、2種の黒色インキ並びに少なくとも3種のカラーインキ、例えば、マゼンタインキ(M)、シアンインキ(C)およびイエローインキ(Y)の組み合わせを意味する。
本発明の開示で使用される用語「多濃度インキ−ジェットインキセット」は、ほぼ同じ色相であるが異なる彩色および明度を有するインキ−ジェットインキの組み合わせを少なくとも含んでなる上記で定義されたインキ−ジェットインキセットを意味する。
本発明の開示で使用される用語「染料」は、それが適用される媒体中でそして関連する周囲条件下で10mg/L以上の溶解度を有する着色剤を意味する。
用語「顔料」は、引用することにより本発明の内容となるDIN55943では、関連する周囲条件下で適用媒体中に事実上不溶性であり、従ってその中で10mg/Lより低い溶解度を有する無機もしくは有機の発色性または非発色性着色剤として定義されている。
本発明の開示で使用される用語「充填剤」は、インキ−ジェット記録物質の層内に存在してその性質、例えば、ポリエステルフィルムに対する下塗り層の付着性、インキ−ジェット記録物質の不透明度および摩擦−電気性質を改変する無機または有機物質を意味する。
本発明の開示で使用される用語「粒状性」は、放出されたインキのドットが記録された像の中で可視的に同定されうる状態を意味する。
用語「UV」は本出願の開示では紫外線の略語として使用される。
本発明の開示で使用される用語「紫外線」は、4〜400ナノメートルの波長範囲内の電磁放射線を意味する。
本発明の開示で使用される用語「活性放射線」は、光化学反応を開始させうる電磁放射線を意味する。
用語「実質的に非吸収性のインキ−ジェットインキ−受容体」は、下記の2つの基準:
1)2μmより深くインキ−ジェットインキ−受容体中にインキが浸透しない、
2)インキ−ジェットインキ−受容体の表面上に噴射された100pLの小滴の20%より多くない部分がインキ−ジェットインキ−受容体中で5秒間内に消える、
の少なくとも1つを満たすインキ−ジェットインキ−受容体を意味する。1つもしくはそれ以上のコーティングされた層が存在する場合には、乾燥厚さは5μmより小さくすべきである。インキ−受容体が実質的に非吸収性のインキ−受容体の上記の基準の一方もしくは両方に入るかどうかを決めるための標準的分析方法を当業者は使用することができる。例えば、インキをインキ−受容体表面上に噴射した後に、インキ−受容体の片を採取しそして透過型電子顕微鏡により試験してインキの浸透深さが2μmより大きいかどうかを測定することができる。適切な分析方法に関するさらなる情報は、論文:DESIE,G.et al. Influence of Substrate Properties in Drop on Demand Printing. Proceedings of Imaging Science and Technology‘s 18th International Conference on Non Impact Printing.2002,p.360−365に見ることができる。
用語「アルキル」は、アルキル基中の各炭素数に関する可能な全ての変種、すなわち炭素数3に関してはn−プロピルおよびイソプロピル、炭素数4に関してはn−ブチル、イソブチルおよびターシャリー−ブチル、炭素数5に関してはn−ペンチル、1,1−ジメチル−プロピル、2,2−ジメチルプロピルおよび2−メチル−ブチルなど、を意味する。
用語「アシル基」は、−(C=O)−アリールおよび−(C=O)−アルキル基を意味する。
用語「脂肪族基」は、飽和された直鎖状、分枝鎖状および脂環式の炭化水素基を意味する。
用語「不飽和脂肪族基」は、少なくとも1個の二重または三重結合を含有する直鎖状、分枝鎖状および脂環式の炭化水素基を意味する。
本発明の開示で使用される用語「芳香族基」は、大きな共鳴エネルギーにより特徴づけられる環式共役炭素原子の集合体、例えばベンゼン、ナフタレンおよびアントラセンを意味する。
用語「脂環式炭化水素基」は、芳香族基を形成しない環式共役炭素原子の集合体、例えばシクロヘキサンを意味する。
本発明の開示で使用される用語「置換された」は、脂肪族基、芳香族基または脂環式炭化水素基中の1個もしくはそれ以上の炭素原子および/または1個もしくはそれ以上の炭素原子の水素原子が酸素原子、窒素原子、珪素原子、硫黄原子、燐原子、セレン原子またはテルル原子により置換されていることを意味する。そのような置換基はヒドロキシル基、エーテル基、カルボン酸基、エステル基、アミド基およびアミン基を包含する。
用語「ヘテロ芳香族基」は、環式共役炭素原子の少なくとも1個が窒素原子または燐原子により置換されている芳香族基を意味する。
用語「複素環式基」は、環式共役炭素原子の少なくとも1個が酸素原子、窒素原子、燐原子、珪素原子、硫黄原子、セレン原子またはテルル原子により置換されている脂環式炭化水素基を意味する。
多濃度インキ−ジェットインキセット
インキ−ジェット印刷機は多濃度インキ−ジェットインキセットを用いて像を再現することができる。像の色はインキにより調節され、それらは独立変数であると考えられる。各インキはある範囲の着色剤値を示す。インキ数はnにより表示される。印刷機に送ることができる全ての着色剤組み合わせ、すなわち多濃度インキ−ジェットインキセット中のインキからの着色剤値の全ての可能な組み合わせ、の範囲は着色剤空間と称するn−次元空間中のハイパーキューブ(hypercube)である。しかしながら、実際にはこれらの組み合わせは印刷システム自体により限定されうる。代表例は、インキ−受容体上に載せうるインキの量である。
他方で、色は一般に3つの色値により表示される。典型的にはヒューマン・ビジブル・システム(Human Visible System)(HVS)により見られるように色を表示するために色空間、例えばXYXZまたはCieL、が使用される。
着色剤値と色値との間の関係は印刷機モデルにより表示される。印刷機モデルは着色剤空間から色空間への変換である。印刷機モデルは可能ならインキ限定数を有する着色剤キューブでありそしてカラーガマット(colour gamut)と称する。インキ−ジェット印刷機の同定はこの印刷機モデルを規準とする。これはどちらかと言うと複雑な操作であるため、多くの場合、印刷機に送られる着色剤値をはるかに容易な方法であるしばしば検定(calibration)と称する段階で改えることにより印刷機は安定に保たれる。
多濃度インキに関しては、インキは検定段階としばしば組み合わされる。これは、多濃度インキセットに対応する着色剤値は検定段階により2つ以上の多濃度インキ値に分割される。検定段階前後の着色剤値を区別するために、検定前の値は全体的インキ値または全体的着色剤値と称し、検定後の値は単にインキ値または着色剤値と称する。一般に、全体的着色剤値はシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)およびブラック(K)である。シアンおよびマゼンタに関する全体的値はほとんどの場合に2つの多濃度インキ、すなわち淡いおよび濃いシアン並びにマゼンタ変種、に転換される。多くの場合、淡い黒色および濃い黒色インキ−ジェットインキを含んでなる多濃度インキセットも指定されていた。
本発明の目的は、2種の黒色インキ組成物および少なくとも3種のカラーインキを含んでなる多濃度インキ−ジェットインキセットであって、第一の黒色インキ組成物が該第一の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して35〜65の範囲内の明度Lを有し、そして第二の黒色インキ組成物が該第二の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して70〜100の範囲内の明度Lを有する多濃度インキ−ジェットインキセットを提供することにより実現された。第一の黒色インキ組成物は「淡い黒色」インキとして見ることができ、第二の黒色インキは「非常に淡い黒色」インキであるとみなすべきである。
好ましい態様では、本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットは、7種のインキ、すなわち2種の多濃度シアンインキ、2種の多濃度マゼンタインキ、1種のイエローインキおよび2種の多濃度黒色を含む。
インキ−ジェットインキ
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキは少なくとも1種の顔料、少なくとも1種の染料、またはそれらの組み合わせを含有して、所望する色をインキに付与する。顔料および/または染料はインキ組成物中に、一般的にはインキの約0.5〜20重量%の有効量で存在しうる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキはインキの蒸発速度を遅らせるその能力によるノズルの詰まりを防止するために少なくとも1種の湿潤剤を含有することができる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキは少なくとも1種の界面活性剤をさらに含有することができる。界面活性剤はアニオン系、カチオン系、非イオン系、または両性イオン系であることができ、そして一般的には合計インキ重量を基準として20重量%より少ない合計量で加えられる。
殺生物剤を本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキに加えて時間経過でインキ−ジェットインキ中で起きうる望ましくない微生物成長を防止することができる。殺生物剤は単独でまたは組み合わせて使用することができる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキはインキ−ジェットインキ中の粘度調節用に少なくとも1種の濃稠化剤をさらに含んでなることができる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキは像の貯蔵安定性を改良するための少なくとも1種の酸化防止剤をさらに含んでなることができる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキは水並びに/または有機溶媒、例えばはアルコール、弗素化された溶媒および双極性非プロトン性溶媒を含有することができる。好ましい溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ブタノール、t.−ブタノール、グリコール、グリコエーテル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、2,4−ペンタンジオンおよびヘキサフルオロアセトンが使用される。
1つの態様では、本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキは、放射線硬化可能化合物を含有する放射線硬化可能インキ−ジェットインキである。放射線硬化可能化合物は、インキ−ジェット印刷機の硬化手段により重合されうる単量体および/またはオリゴマーから選択することができる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットの放射線硬化可能インキ−ジェットインキは少なくとも1種の光−開始剤をさらに含んでなる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットの放射線硬化可能インキ−ジェットインキは少なくとも1種の抑制剤をさらに含んでなる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキは、添加剤、例えば緩衝剤、抗カビ剤、pH調節剤、電気伝導性調節剤、キレート化剤、抗サビ剤および光安定剤、単量体、デンドリマー(dendrimers)、重合体などをさらに含有することができる。所望に応じて、そのような添加剤は本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキ中に有効量で含むことができる。本発明のインキに適するpH調節剤の例は酸、並びにアルカリ金属の水酸化物、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムを包含する塩基を包含するが、それらに限定されない。その量は、もちろん、含まれる具体的成分に依存するであろう。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキは、伝導性または半伝導性重合体、例えばポリアニリン類、ポリピロール類、ポリチオフェン類、例えばポリ(エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、置換されたもしくは未置換のポリ(フェニレンビニレン)類(PPV類)、例えばPPVおよびMEH−PPV、ポリフルオレン類、例えばPF6などをさらに含んでなることができる。
顔料
顔料粒子は、インキ−ジェット印刷装置中を、特に一般には10μm〜50μmの範囲内の直径を有する噴射ノズルのところで、インキの自由流動が可能になるほど充分に小さくすべきである。粒子寸法は顔料分散安定性にも影響する。最大色強度に関しては小さい粒子を使用することも望ましい。
顔料の平均粒子直径は0.005μm〜15μmの間であるべきである。好ましくは、平均顔料粒子寸法は0.005〜5μmの間、より好ましくは0.005〜1μmの間、そして特に好ましくは0.005〜0.3μmの間である。本発明の目的が達成される限り、より大きい顔料粒子寸法を使用することができる。
顔料の非常に微細な分散液およびそれらの製造方法は例えば欧州特許出願公開第776952号明細書、米国特許第5538548号明細書、米国特許第5443628号明細書、欧州特許出願公開第259130号明細書、米国特許第5285064号明細書、欧州特許出願公開第429828号明細書および欧州特許出願公開第526198号明細書に開示されている。
顔料は黒色、シアン、マゼンタ、イエロー、赤色、青色、緑色、褐色、それらの混合物などでありうる。例えば、適する顔料物質は、カーボンブラック類、例えばカボット・Co.(CABOT Co.)からのリーガル(Regal)400R、モグル(Mogul)L、エルフテックス(Elftex)320、またはデグッサ(DEGUSSA)からのカーボンブラック(Carbon Black)FW18、スペシャル・ブラック(Special Black)250、スペシャル・ブラック350、スペシャル・ブラック550、プリンテックス(Printex)25、プリンテックス35、プリンテックス55、プリンテックス150T、およびピグメント・ブラック(Pigment Black)7、を包含する。適する顔料の別の例は、米国特許第5389133号明細書(ゼロックス)に開示されている。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキに適する顔料は、C.I.ピグメント・イエロー(Pigment Yellow)17、C.I.ピグメント・ブルー(Pigment Blue)27、C.I.ピグメント・レッド(Pigment Red)49:2、C.I.ピグメント・レッド81:1、C.I.ピグメント・レッド81:3、C.I.ピグメント・レッド81:x、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド49:1、C.I.ピグメント・バイオレット(Pigment Violet)23、C.I.ピグメント・グリーン(Pigment Green)7、C.I.ピグメント・ブルー61、ピグメント・レッド48:1、ピグメント・レッド52:1、C.I.ピグメント・バイオレット1、ピグメント・ホワイト(Pigment White)6、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー56、C.I.ピグメント・オレンジ(Pigment Orange)5、C.I.ピグメント・ブラック(Pigment Black)7、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・レッド48:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・イエロー1、C.I.ピグメント・イエロー3、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・オレンジ16、C.I.ピグメント・イエロー55、C.I.ピグメント・レッド41、C.I.ピグメント・オレンジ34、C.I.ピグメント・ブルー62、C.I.ピグメント・レッド22、C.I.ピグメント・レッド170、C.I.ピグメント・レッド88、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・ブルー1:2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・レッド23、C.I.ピグメント・レッド112、C.I.ピグメント・イエロー126、C.I.ピグメント・レッド169、C.I.ピグメント・オレンジ13、C.I.ピグメント・レッド1−10、12、C.I.ピグメント・ブルー1:X、C.I.ピグメント・イエロー42、C.I.ピグメント・レッド101、C.I.ピグメント・ブラウン(Pigment Brown)6、C.I.ピグメント・ブラウン7、C.I.ピグメント・ブラウン7:X、C.I.ピグメント・ブラック11、C.I.ピグメント・メタル(Pigment Metal)1、C.I.ピグメント・メタル2、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー154、C.I.ピグメント・イエロー185、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド184、橋架けされたアルミニウムフタロシアニン顔料並びに顔料の固体溶液を包含する。
その他に、顔料はHERBST,W.et al.Industrial Organic Pigments,Production,Properties,Applications.2nd edition.vch,1997により開示されているものから選択することができる。
最も好ましい顔料は、ピグメント・イエロー1、3、128、109、93、17、14、10、12、13、83、65、75、74、73、138、139、154、151、180、185;ピグメント・レッド122、22、23、17、210、170、188、185、146、144、176、57:1、184、202、206、207;ピグメント・ブルー15:3、ピグメント・ブルー15:2、ピグメント・ブルー15:1、ピグメント・ブルー15:4、ピグメント・ブルー15:6、ピグメント・ブルー16;カーボンブラックである。
顔料は、顔料安定剤とも称する分散剤を含んでなる分散液の形態で加えることができる。後者は、例えば、特に高分子量ブロック共重合体の形態の、ポリエステル、ポリアクリレートタイプのポリウレタンであることができ、そして典型的には顔料の2.5〜100重量%で加えられるであろう。適する例は、バイク・ヘミイ(BYK CHEMIE)から入手可能なディスパーバイク(DISPERBYK)TM分散剤またはゼネカ(ZENECA)から入手可能なソルスパース(SOLSPERSE)TM分散剤である。非重合体状または一部の重合体状分散剤の詳細なリストはHERBST,W.et al.Industrial Organic Pigments,Production,Properties,Applications.2nd edition.vch,1997に開示されている。
適する顔料安定剤は独国特許第19636382号明細書(バイエル(BAYER))、米国特許第5720802号明細書(ゼロックス)、米国特許第5713993号明細書(デュポン(DU PONT))、米国特許第5085689号明細書(バスフ(BASF))および米国特許第2303376号明細書(フジツウ・イソテック(FUJITSU ISOTEC))にも開示されている。
染料
本発明に従うインキ−ジェットインキに適する染料は、直接染料、酸性染料、塩基性染料および反応性染料を包含する。
本発明に従うインキ−ジェットインキに適する直接染料は下記のものを包含する:
・C.I.ダイレクト・イエロー(Direct Yellow)1、4、8、11、12、24、26、27、28、33、39、44、50、58、85、86、100、110、120、132、142、および144
・C.I.ダイレクト・レッド(Direct Red)1、2、4、9、11、134、17、20、23、24、28、31、33、37、39、44、47、48、51、62、63、75、79、80、81、83、89、90.94、95、99、220、224、227および343
・C.I.ダイレクト・ブルー(Direct Blue)1、2、6、8、15、22、25、71、76、78、80、86、87、90、98、106、108、120、123、163、165、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、236、および237
・C.I.ダイレクト・ブラック(Direct Black)2、3、7、17、19、22、32、38、51、56、62、71、74、75、77、105、108、112、117、154および195。
本発明に従うインキ−ジェットインキに適する酸性染料は下記のものを包含する:
・C.I.アシド・イエロー(Acid Yellow)2、3、7、17、19、23、25、20、38、42、49、59、61、72、および99
・C.I.アシド・オレンジ(Acid Orange)56および64
・C.I.アシド・レッド(Acid Red)1、8、14、18、26、32、37、42、52、57、72、74、80、87、115、119、131、133、134、143、154、186、249、254、および256
・C.I.アシド・バイオレット(Acid Violet)11、34、および75
・C.I.アシド・ブルー(Acid Blue)1、7、9、29、87、126、138、171、175、183、234、236、および249
・C.I.アシド・グリーン(Acid Green)9、12、19、27、および41
・C.I.アシド・ブラック(Acid Black)1、2、7、24、26、48、52、58、60、94、107、109、110、119、131、および155。
本発明に従うインキ−ジェットインキに適する反応性染料は下記のものを包含する:
・C.I.リアクティブ・イエロー(Reactive Yellow)1、2、3、14、15、17、37、42、76、95、168、および175
・C.I.リアクティブ・レッド(Reactive Red)2、6、11、21、22、23、24、33、45、111、112、114、180、218、226、228、および235
・C.I.リアクティブ・ブルー(Reactive Blue)7、14、15、18、19、21、25、38、49、72、77、176、203、220、230、および235
・C.I.リアクティブ・オレンジ(Reactive Orange)5、12、13、35、および95
・C.I.リアクティブ・ブラウン(Reactive Brown)7、11、33、37、および46
・C.I.リアクティブ・グリーン(Reactive Green)8および19
・C.I.リアクティブ・バイオレット(Reactive Violet)2、4、6、8、21、22、および25
・C.I.リアクティブ・ブラック(Reactive Black)5、8、31、および39。
本発明に従うインキ−ジェットインキに適する塩基性染料は下記のものを包含する:
・C.I.ベーシック・イエロー(Basic Yellow)11、14、21、および32
・C.I.ベーシック・レッド(Basic Red)1、2、9、12、および13
・C.I.ベーシック・バイオレット(Basic Violet)3、7、および14
・C.I.ベーシック・ブルー(Basic Blue)3、9、24、および25。
染料はpH値の適切な範囲内で理想色だけを表示する。従って、本発明のインキ−ジェットインキは好ましくはpH緩衝剤、例えば水酸化カリウム(KOH)、をさらに含んでなる。
湿潤剤
適する湿潤剤は、トリアセチン、N−メチル−2−ピロリドン、グリセロール、ウレア、チオウレア、エチレンウレア、アルキルウレア、アルキルチオウレア、ジアルキルウレアおよびジアルキルチオウレア;エタンジオール類、プロパンジオール類、プロパントリオール類、ブタンジオール類、ペンタンジオール類、およびヘキサンジオール類を包含するジオール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコールを包含するグリコール類、並びにそれらの混合物および誘導体を包含する。好ましい湿潤剤はポリエチレングリコールでありそしてインキ−ジェットインキ調合物に調合物の0.1〜20重量%、より好ましくは調合物の0.1〜10重量%、そして最も好ましくは約4.0〜6.0重量%、の量で加えられる。
界面活性剤
適する界面活性剤は、脂肪酸塩、高級アルコールのエステル塩、アルキルベンゼンスルホネート塩、高級アルコールのスルホ琥珀酸エステル塩および燐酸エステル塩(例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムおよびジオクチルスルホ琥珀酸ナトリウム)、高級アルコールのエチレンオキシド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキシド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加物、並びにそれらのアセチレングリコールおよびエチレンオキシド付加物(例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)、並びにエアー・プロダクツ・アンド・ケミカルズ・INC(AIR PRODUCTS & CHEMICALS INC.)から入手可能なサーフィノール(SURFYNOL)TM104、440、465およびTGを包含する。
殺生物剤
本発明のインキ−ジェットインキに適する殺生物剤は、デヒドロ酢酸ナトリウム、2−フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム、ナトリウムピリジンチオン−1−オキシド、p−ヒドロキシ安息香酸エチルおよび1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン並びにそれらの塩を包含する。本発明のインキ−ジェットインキ用に好ましい殺生物剤はゼネカ・カラーズ(ZENECA COLOURS)から入手可能なプロキセル(Proxel)TMGXLである。
殺生物剤は、各々インキ−ジェットインキを基準として、0.001〜3重量%、より好ましくは0.01〜1.00重量%の量で加えられる。
濃稠化剤
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキ中での使用に適する濃稠化剤は、ウレアまたはウレア誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、誘導化キチン、誘導化デンプン、カラゲナン、およびプルラン;DNA、蛋白質、ポリ(スチレンスルホン酸)、ポリ(スチレン−コ−無水マレイン酸)、ポリ(アルキルビニルエーテル−コ−無水マレイン酸)、ポリアクリルアミド、部分的に加水分解されたポリアクリルアミド、ポリ(アクリル酸)、ポリ(ビニルアルコール)、部分的に加水分解されたポリ(酢酸ビニル)、ポリ(アクリル酸ヒドロキシエチル)、ポリ(メチルビニルエーテル)、ポリビニルピロリドン、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)およびポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)を包含する。
濃稠化剤はインキ−ジェットインキを基準として好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%の量で加えられる。
好ましくは、本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキの粘度は、100s−1の剪断速度および20〜110℃の間の温度において、100mPa.sより低く、より好ましくは50mPa.sより低く、そして最も好ましくは30mPa.sより低い。
酸化防止剤
像の貯蔵安定性を改良するための酸化防止剤として、種々の有機および金属錯体タイプの退色防止剤を本発明で使用することができる。有機退色防止剤はヒドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クマロン類、アルコキシアニリン類および複素環を包含し、金属錯体はニッケル錯体および亜鉛錯体を包含する。より具体的には、”Research Disclosure,No.17643,VII,Section I or J,No.15162,No.18716,650頁左欄,No.36544,527頁,No.307105,872頁、およびNo.15162に引用された特許に記載されている化合物、並びに日本特許第62215272A号明細書(フジ(FUJI))の127〜137頁に記載されえたか代表的化合物の式に包括される化合物および化合物例。
安定剤はインキを基準として0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%、の量で加えられる。
単量体およびオリゴマー
インキ−ジェット印刷機による硬化により単量体および/またはオリゴマーが重合される。単量体、オリゴマーまたはプレポリマーは異なる官能度を有することができ、そして一−、二−、三−およびそれより多い官能性単量体、オリゴマーまたはプレポリマーの組み合わせを包含する混合物を使用することができる。これらの成分は好ましくはUV硬化可能である。
単量体およびオリゴマーの間の比の調節もインキの粘度の調節方法である。より高い官能度はより高い粘度を生ずる。
従来のラジカル重合、光酸もしくは光塩基発生剤を使用する光−硬化システム、または光誘発性交互共重合を使用することができる。一般に、ラジカル重合およびカチオン系重合が好ましく、そして開始剤を必要としない光誘発性交互共重合を使用することもできる。さらに、これらのシステムの組み合わせの混成システムも有効である。
ラジカル重合は最も広く使用されている方法である。しかしながら、カチオン系重合は酸素による重合の抑制がないため有効性において優れているが、それは遅く且つその費用がより高い。カチオン系重合が使用される場合には、エポキシ化合物を使用することが好ましい。
当該技術で普遍的に知られている重合可能化合物を使用することができる。一官能性および/または多官能性アクリレート単量体、オリゴマーまたはプレポリマー、例えばアクリル酸イソアミル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソアミルスチル、アクリル酸イソステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル−ジグリコール、アクリル酸2−ヒドロキシブチル、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、アクリル酸メトキシプロピレングリコール、アクリル酸フェノキシエチル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、アクリル酸ビニルエーテル、2−アクリロイルオキシエチル琥珀酸、2−アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−アクリルオキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸、ラクトン改質柔軟性アクリレート、およびアクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、二アクリル酸トリエチレングリコール、二アクリル酸テトラエチレングリコール、二アクリル酸ポリエチレングリコール、二アクリル酸ジプロピレングリコール、二アクリル酸トリプロピレングリコール、二アクリル酸ポリプロピレングリコール、二アクリル酸1,4ブタンジオール、二アクリル酸1,6ヘキサンジオール、二アクリル酸1,9ノナンジオール、二アクリル酸ネオペンチルグリコール、二アクリル酸ジメチロール−トリシクロデカン、二アクリル酸ビスフェノールAEO(エチレンオキシド)付加物、二アクリル酸ビスフェノールAPO(プロピレンオキシド)付加物、二アクリル酸ヒドロキシピバレートネオペンチルグリコール、プロポキシル化二アクリル酸ネオペンチルグリコール、アルコキシル化二アクリル酸ジメチロールトリシクロデカンおよび二アクリル酸ポリテトラメチレングリコール、三アクリル酸トリメチロールプロパン、EO改質三アクリル酸トリメチロールプロパン、三アクリル酸トリ(プロピレングリコール)、カプロラクトン改質三アクリル酸トリメチロールプロパン、三アクリル酸ペンタエリトリトール、四アクリル酸ペンタエリトリトール、四アクリル酸ペンタエリトリトールエトキシ、六アクリル酸ジペンタエリトリトール、四アクリル酸ジトリメチロールプロパン、三アクリル酸グリセリンプロポキシ、およびカプロラクタム改質六アクリル酸ジペンタエリトリトール、またはN−ビニルアミド、例えばN−ビニルカプロラクタムもしくはN−ビニルホルムアミド、またはアクリルアミドもしくは置換されたアクリルアミド、例えばアクリロイルモルホリンが本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセット中のインキ−ジェットインキに特に好ましい。
さらに、上記のアクリレート類に対応するメタクリレート類をこれらのアクリレート類と共に使用することもできる。メタクリレート類の中では、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸フェノキシエチル、メタクリル酸シクロヘキシル、二メタクリル酸テトラエチレングリコール、および二メタクリル酸ポリエチレングリコールが、それらの相対的に高い感度およびインキ−受容体表面に対するより高い付着性のために、好ましい。
さらに、インキ−ジェットインキは重合可能オリゴマーを含有することもできる。これらの重合可能オリゴマーの例はアクリル酸エポキシ、アクリル酸脂肪族ウレタン、アクリル酸芳香族ウレタン、アクリル酸ポリステル、および直鎖状アクリル系オリゴマーを包含する。
光−開始剤
光−開始剤と称する触媒は典型的には重合反応を開始させる。光−開始剤は活性化するために単量体およびオリゴマーより少ないエネルギーを必要として重合体を生成する。
光−開始剤は光を吸収しそしてフリーラジカルまたはカチオンの製造に寄与する。フリーラジカルまたはカチオンは単量体、オリゴマーおよび重合体の重合を誘発する高エネルギー種であり、そして多官能性単量体およびオリゴマーはそれにより架橋結合も誘発する。
開始剤の好ましい量は合計インキ重量の1〜10重量%であり、そしてより好ましくは合計インキ重量の1〜6重量%である。
活性放射線を用いる照射は二段階で波長または強度を変えることにより実現できる。そのような場合、2つのタイプの開始剤を一緒に使用することが好ましい。
光−開始剤はフリーラジカル硬化にとって必要であり、そして下記の化合物またはそれらの組み合わせ:ベンゾフェノンおよび置換されたベンゾフェノン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン類、例えばイソプロピルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、ビス(2,6−ジメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、2,4,6トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンまたは5,7−ジヨード−3−ブトキシ−6−フルオロン、弗化ジフェニルヨードニウムおよびヘキサフルオ燐酸トリフェニルスルホニウムを包含しうるが、それらに限定されない。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットセットの放射線硬化可能インキ−ジェットインキに適する光−開始剤は、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(CIBA SPECIALTY CHEMICALS)から入手可能なイルガキュア(Irgacure)TM184、イルガキュアTM500、イルガキュアTM907、イルガキュアTM369、イルガキュアTM1700、イルガキュアTM651、イルガキュアTM819、イルガキュアTM1000、イルガキュアTM1300、イルガキュアTM1870、ダロクル(Darocur)TM1173、ダロクルTM4265およびダロクルTMITX、バスフ・AG(BASF AG)から入手可能なルセリン(Lucerin)TPO、ランベルティ(LAMBERTI)から入手可能なエサキュア(Esacure)TMKT046、エサキュアTMKIP150、エサキュアTMKT37およびエサキュアTMEDB、スペクトラ・グループ・Ltd.(SPECTRA GROUP Ltd.)から入手可能なH−NuTM470およびH−NuTM470X、並びにイソプロピル−チオキサントンを包含する。
抑制剤
適する重合抑制剤はフェノールタイプ酸化防止剤、立体障害アミン光安定剤、蛍燐光体タイプ酸化防止剤、一般的に(メタ)アクリレート単量体中で使用されるヒドロキノンモノメチルエーテルを包含し、そしてヒドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロールを使用することもできる。これらの中で、アクリル酸から誘導される分子内に二重結合を有するフェノール化合物は閉鎖された酸素を含まない環境中での加熱時でも重合−抑制効果を有するために、それが特に好ましい。適する抑制剤は、例えば、スミトモ・ケミカル・Co.,Ltd.(Sumitomo Chemical Co.,Ltd.)により製造されるスミリザー(Sumilizer)TMGA−80、スミリザーTMGMおよびスミリザーTMGSである。
これらの重合抑制剤の過剰添加は硬化に対するインキ感度を低下させるであろうため、重合を防止できる量を配合前に決めることが好ましい。重合抑制剤の量は一般に合計インキ重量の200〜20,000ppmの間である。
ラジカル重合抑制剤と共に酸素重合抑制を下げる化合物の適する組み合わせは、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1および1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン;1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンおよびベンゾフェノン;2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンまたは2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オンおよびジエチルチオキサントンまたはイソプロピルチオキサントン;並びにベンゾフェノンおよび第三級アミノ基を有するアクリレート誘導体、並びに第三級アミン類の添加である。酸素重合抑制を減ずるためまたは感度を高めるためにはアミン化合物が一般に使用される。しかしながら、アミン化合物を高酸価化合物と組み合わせて使用する場合には、高温における貯蔵安定性が減少する傾向がある。従って、具体的には、インキ−ジェット印刷における高酸価化合物と一緒のアミン化合物の使用は回避すべきである。
硬化品質を改良しそして酸素抑制の影響を減少させるために相乗添加剤を使用することができる。そのような添加剤はアクゾ・ノベル(AKZO NOBEL)から入手可能なアクチラン(ACTILANE)TM800およびアクチランTM725、UCBケミカルズ(UCB CHEMICALS)から入手可能なエベクリル(Ebecryl)TMP115およびエベクリルTM350、並びにクレイ・バレイ(CRAY VALLEY)から入手可能なCD1012、クレイノル(Craynor)CN386(アミン改質アクリレート)およびクレイノルCN501(アミン改質エトキシル化トリメチロールプロパントリアクリレート)を包含するが、それらに限定されない。
相乗添加剤の含有量は、放射線−硬化可能インキ−ジェットインキの合計重量を基準として、0〜50重量%の範囲内、好ましくは5〜35重量%の範囲内である。
溶媒
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキは、水および/または有機溶媒、例えばアルコール、弗素化された溶媒および双極性非プロトン性溶媒、を溶媒として含有することができる。好ましくはインキ−ジェットインキは溶媒を各々インキ−ジェットインキの合計重量を基準として10〜80重量%の間のそして特に好ましくは20〜50重量%の間の濃度で含有する。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットの放射線硬化可能インキ−ジェットインキは好ましくは100%固体よりなる。UV硬化後のインキ−受容体表面に対する付着性を改良するために極端に少量の有機溶媒を加えることが時には有利でありうる。この場合、加えられる溶媒は溶媒耐性およびVOCの問題を引き起こさない範囲内の量で、そして好ましくは各々放射線−硬化可能インキ−ジェットインキの合計重量を基準として0.1〜5.0重量%の間のそして特に好ましくは0.1〜3.0重量%の間の量で、ありうる。
適する有機溶媒はアルコール、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、カルビトール、セロソルブ、高級脂肪酸エステルを包含する。適するアルコールはメタノール、エタノール、プロパノールおよび1−ブタノール、1−ペンタノール、2−ブタノール、t.−ブタノールを包含する。適する芳香族炭化水素はトルエンおよびキシレンを包含する。適するケトンはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2,4−ペンタンジオンおよびヘキサフルオロアセトンを包含する。グリコール、グリコエーテル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドを使用することもできる。
インキ−受容物質
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキと一緒に使用するためのインキ−受容物質は、支持体および1つもしくはそれ以上のインキ−受容層を含んでなる。インキ−受容層は少なくとも1種の結合剤を含んでなる。好ましくは、インキ−受容層は多孔性でありそして結合剤および充填剤を含有する。
結合剤は、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、水溶性エチルヒドロキシエチルセルロース、硫酸セルロース、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、アクリルアミド/アクリル酸共重合体、ポリスチレン、スチレン共重合体、アクリル系もしくはメタクリル系重合体、スチレン/アクリル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ビニルメチルエーテル/マレイン酸共重合体、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリ(ジエチレントリアミン−コ−アジピン酸)、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、改質されたポリエチレンイミンエピクロロヒドリン、エトキシル化されたポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、ポリウレタン、メラミン樹脂、ゼラチン、カラゲナン、デキストラン、アラビアゴム、カゼイン、ペクチン、アルブミン、デンプン、コラーゲン誘導体、コロジオンおよび寒天を包含する当該技術で既知の化合物のリストから選択することができる。
本発明の実施にとって好ましい結合剤は、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール共重合体または改質されたポリビニルアルコールである。
充填剤は、当該技術で既知の無機充填剤、例えばシリカ、タルク、クレイ、ハイドロタルク石、カオリン、珪藻土、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、アルミノシリケート、三水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫化亜鉛、シュス白、ベーム石(アルミナ水和物)、酸化ジルコニウムまたは金属酸化物、から選択することができる。
好ましい態様では、充填剤はシリカ、アルミノシリケート、アルミナ、炭酸カルシウム、アルミナ水和物、および三水酸化アルミニウムから選択される。
異なる充填剤の混合物を使用することもできる。
別の態様では、充填剤は有機粒子、例えばポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、シリコーン類、メラミン−ホルムアルデヒド縮合重合体、ウレア−ホルムアルデヒド縮合重合体、ポリエステル類およびポリアミド類、から選択することができる。無機および有機充填剤の混合物を使用することができる。しかしながら、最も好ましくは充填剤は無機充填剤である。
インキ−受容層は、既知の従来成分、例えば媒染剤として作用するカチオン系物質、コーティング助剤として作用する界面活性剤、硬化剤、可塑剤、安定剤、白色化剤および艶消し剤、をさらに含有することもできる。
異なる層を支持体上に従来のコーティング技術、例えば浸漬コーティング、ナイフコーティング、押し出しコーティング、回転コーティング、スライドホッパーコーティングおよびカーテンコーティングによりコーティングすることができる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットの放射線硬化可能インキ−ジェットインキは、実質的に非吸収性インキ−受容体、例えば下塗りされたもしくは下塗りされていないポリエチレンテレフタレート支持体並びに樹脂−コーティング紙、例えばポリエチレン−コーティング紙およびポリプロピレン−コーティング紙上での使用に適する。インキ−受容体は透明、半透明または不透明でありうる。
本発明に従う多濃度インキ−ジェットインキセットの放射線硬化可能インキ−ジェットインキと一緒の使用のために適するインキ−受容体は、重合体状基質、例えば酢酸プロピオン酸セルロール、酢酸酪酸セルロース、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンナフタレート(PEN);配向ポリスチレン(OPS);配向ナイロン(ONy);ポリプロピレン(PP)、配向ポリプロピレン(OPP);ポリ塩化ビニル(PVC);並びに種々のポリアミド類、ポリカーボネート類、ポリイミド類、ポリオレフィン類、ポリ(ビニルアセタール)類、ポリエーテル類およびポリスルホンアミド類、不透明な白色ポリエステル類、並びにポリエチレンテレフタレートおよびポリプロピレンの押し出し配合物である。アクリル系樹脂、フェノール樹脂、ガラスおよび金属をインキ−受容体として使用することもできる。他の適するインキ−受容体物質は、HERBST,W.et al.Industrial Organic Pigments,Production,Properties,Applications.2nd edition.VCH,1997に見ることができる。ポリエステルフィルム基質そして特にポリエチレンテレフタレートがある種の用途、特に優れた寸法安定性を有するタイプ、にとって好ましい。そのようなポリエステルがインキ−受容体として使用される時には、下塗り層が下塗りされなかった基質と一緒になって実質的に非吸収性インキ−受容体を構成する場合には噴射されたインキの基質に対する結合性を改良するために下塗り層を使用することができる。この目的のために有用な下塗り層は写真製版で既知であり、そして例えば塩化ビニリデンの重合体、例えば塩化ビニリデン/アクリロニトリル/アクリル酸三元共重合体または塩化ビニリデン/アクリル酸メチル/イタコン酸三元共重合体を包含する。安定剤、均一化用添加剤、艶消し剤、物理的フィルム性質の調節剤、例えばワックス、を必要に応じて下塗り層に加えることもできる。
本発明を次に以下の実施例により詳細に記載する。実施例は、「黒色インキ」だけを有する多濃度インキ−ジェットインキセットを「淡い黒色インキ」および「非常に淡い黒色インキ」を有する多濃度インキ−ジェットインキセットを比較している。
物質
実施例で使用された全ての物質は断らない限り標準的な商業的出所、例えばアルドリッヒ・ケミカル・Co.(Aldrich Chemical Co.)(ベルギー)、から容易に入手可能であった。下記の物質を使用した:
黒色染料はクラリアント(CLARIANT)から入手可能なジュアシン・シュワルツ(Duasyn Schwarz)KRL−SFである。
イエロー染料はクラリアントから入手可能なジュアシン・イエロー(Duasyn Yellow)3GF−SFである。
マゼンタ染料はクラリアントから入手可能なジュアシン・ブリルジャント・レッド(Duasyn Briljant Red)F3b−SFである。
シアン染料はクラリアントから入手可能なジュアシン・ダイレクト・ターコイズ・ブルー・コペルフタロシアニン(Duasyn Direct Turquoise Blue Koperftalocyanine)である。
オレオン(OLEON)から入手可能なグリセロール
デグッサ(DEGUSSA)から入手可能な1,2−ヘキサンジオール
アベシア(AVECIA)から入手可能なプロキセルTMウルトラ(ProxelTMUltra)5
アグファジェット・グランド・シェルパ(AgfaJet Grand Sherpa)インキ−ジェットインキセット(CMYK+淡いシアン+淡いマゼンタ)はアグファ(AGFA)から入手可能である。
アグファジェット・デジタル・プルーフィング・ベース(AgfaJet Digital Proofing Base)はアグファからの樹脂(PE)−コーティングされた写真等級インキ−ジェットインキ−受容体である。
測定方法
1.明度L
明度Lは水で1000倍に希釈されたインキ上で測定される。分光光度計アジレント(Agilent)8453(アジレント(AGILENT)製)の1cm石英セルに1000倍に希釈されたインキを充填する。
、aおよびbCIELAB−値はASTM Norm E179−90にR(45/0)形状で、ASTM Norm E308−90に従う評価と共に、定義されている。
明度Lは光源D65および2°の可視角度に従う。
2.インキ消費量
印刷前および42m□の像の印刷後の各インキ−ジェットインキカートリッジを重量測定することにより、インキ消費量を測定した。インキ消費量はmL/m□で表示される。
3.耐光性
耐光性は、印刷1時間後に測定された印刷試料とx日間後の周囲事務所条件下の同一印刷物との間の色相移動△Eとして測定することができる。印刷された試料を分光光度計DTP41(X−ライト(X−RITE)から)を用いて測定して、CIE(Commission International de l‘Eclairage)で指定された色差指示法のCieLカラーシステムの座標を決定した。測定は、光源D50、無光源フィルターの準備、対比白色としての絶対白色、および可視角度(angle of visibility)2°の条件下で行われた。
色相変化△Eは、下記式:
Figure 2005320540
においてL 、a およびb をインキ順序に関して印刷から1時間後に得られる明度値L 並びに色相値a およびb で代替することによりそしてL 、a およびb をインキ順序に関してx日間の周囲事務所条件後に同一印刷試料で得られる明度値L 並びに色相値a およびb で代替することにより、測定された。1.0以上の色相変化△E−値は肉眼により認識される。
4.乾燥時間
高いインキ充填量のパッチをインキ−受容体上に印刷しそして印刷後に印刷された試料を同じインキ−受容体の印刷されなかったシートに対してラミネーターAPL850(アグファから)を通して加圧してインキの移動を検査する評価が行われる。可視移動がなくなるのに必要な時間を測定する。試料は以下の基準に従い評価される。
基準:
1=非常に速い(5分以内に移動なし)
2=速い(10分以内に移動なし)
3=遅い(15分以内に移動なし)
4=非常に遅い(20分以内に移動なし)
多濃度インキ−ジェットインキセットの製造
撹拌下でグリセロール、1,2−ヘキサンジオールおよび一部の水を混合することにより、インキ組成物を製造した。次に染料を交互に加える。殺生物剤であるプロキセルTMウルトラ(ProxelTMUltra)5を加えた。pHをpH8.0に調節した。水を加えて差を100%にした。インキを1μミリポア(Millipore)TMフィルターを通して濾過した。
Ink−LBおよびInk−VLBのインキ組成を表1に示す。各化合物の量はインキの合計重量を基準とする重量%で表示される。
Figure 2005320540
2種の多濃度インキ−ジェットインキセットを表2に従い市販のアグファジェット・グランド・シェルパ・インキ−ジェットインキ並びに/または調合されたInk−LBおよびInk−VLBを用いて製造した。
Figure 2005320540
黒色インキに関して測定された明度L−値を表3に示す。
Figure 2005320540
評価
多濃度インキ−ジェットインキセットCOMP−1およびINV−1のインキ−カートリッジをアグファジェット・グランド・シェルパ(アグファから入手可能)の中に入れた。印刷機モデルを、設定:印刷解像度:720×720dpi、品質モード:一方向印刷、4回通過;デフォルト・インキ・スプリット(default ink split)、デフォルト・ICC・プロフィル、エラー拡散オン、としたプルーファーズ(Proofers)2.2ulb8(アグファから入手可能)用の像処理ソフトウエアであるアポギー(Apogee)PDVRIPを用いてそれぞれの多濃度インキ−ジェットインキセットに関する検定段階を通して適用した。
同じセットの像を多濃度インキ−ジェットインキセットCOMP−1およびINV−1を用いて印刷した。インキ−消費量を表4に示す。
Figure 2005320540
表4から、本発明の多濃度インキ−ジェットインキセットINV−1のインキ−消費量は比較用の多濃度インキ−ジェットインキセットCOMP−1のものより9%以上低いことが明らかである。さらに、像を印刷するために使用されるカラーインキの量も劇的に減じられそして黒色インキにより代替される。本発明の多濃度インキ−ジェットインキセットINV−1は比較用の多濃度インキ−ジェットインキセットCOMP−1におけるたったの7.3%だけと比べて47%以上多い黒色インキを使用する。
多濃度インキ−ジェットインキセットINV−1で印刷された試料は、多濃度インキ−ジェットインキセットCOMP−1で印刷された試料(20分以内に移動なし)より短い乾燥時間(5分以内に移動なし)を示した。
周囲光条件に対して4日間にわたり露出された、10%、20%、40%および80%灰色色調を含んでなる灰色スケール範囲を有する印刷された試料に関して、耐光性を測定した。
Figure 2005320540
コントラクト・プルーフィング(contract proofing)は、安定な印刷物に対する非常に過酷な用途である。人間の目は灰色の中性度に対して特に敏感である。一つの色(例えば、黄色がかった灰色)への小さい移動はコントラクト・プルーフにとって許容されない。表5は、たった4日間後の周囲光条件下でも比較用の多濃度インキ−ジェットインキセットCOMP−1で印刷された試料は1.0より大きい色相移動△Eを示し、それは中性色調における明らかに目に見える色変化である。本発明の多濃度インキ−ジェットインキセットINV−1で印刷された試料に関しては、△Eに関する全ての値は1.00より小さい。
本発明の詳細な好ましい態様を記載してきたが、特許請求の範囲で定義された発明の範囲から逸脱せずに多くの改変をここで行いうることは当業者に今後明らかになるであろう。

Claims (8)

  1. 2種の黒色インキ組成物および少なくとも3種のカラーインキを含んでなる多濃度(multi−density)インキ−ジェットインキセットであって、第一の黒色インキ組成物が該第一の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して35〜65の範囲内の明度Lを有し、そして第二の黒色インキ組成物が該第二の黒色インキ組成物の1000倍希釈物の分光透過率から計算して70〜100の範囲内の明度Lを有する多濃度インキ−ジェットインキセット。
  2. 少なくとも2種の多濃度シアンインキ、2種の多濃度マゼンタインキおよび1種のイエローインキを含んでなる請求項1に記載の多濃度インキ−ジェットインキセット。
  3. 該多濃度インキ−ジェットインキセットの少なくとも1種のインキ−ジェットインキが放射線硬化性である請求項1または2に記載の多濃度インキ−ジェットインキセット。
  4. 該多濃度インキ−ジェットインキセットの少なくとも1種のインキ−ジェットインキが光−開始剤を含有する請求項3に記載の多濃度インキ−ジェットインキセット。
  5. (a)請求項1により定義された多濃度インキ−ジェットインキセットを準備し、
    (b)該多濃度インキ−ジェットインキセットのインキ−ジェットインキをインキ−受容体上に噴射する
    段階を含んでなるインキ−ジェット印刷方法。
  6. 該多濃度インキ−ジェットが少なくとも2種の多濃度シアンインキ、2種の多濃度マゼンタインキおよび1種のイエローインキを含んでなる請求項5に記載の方法。
  7. 該多濃度インキ−ジェットインキセットの少なくとも1種のインキ−ジェットインキが放射線硬化性である請求項5または6に記載の方法。
  8. 該多濃度インキ−ジェットインキセットの少なくとも1種のインキ−ジェットインキが光−開始剤を含有する請求項7に記載の方法。
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