JP2005320402A - インクジェットプリンター用インク - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリマー分散剤のモノマー構成や酸価、中和剤の最適な組み合わせを検討し、画像堅牢性に優れた微粒子着色剤を、水性媒質中で安定に分散させ、吐出安定性に優れたインクジェットプリンター用インクを提供すること。
【解決手段】 少なくとも水不溶性の着色剤とポリマーと水性媒質とからなり、該ポリマーが、特定のモノマー構成と特定の酸価を有し、特定のアルカリで中和されていることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェットプリンター用の水性インクに関する。
コンピューターの普及に伴い広く利用されるようになっているインクジェットプリンター用のインクとしては、安全性などの面で水性インクが主流となっており、中でも水溶性染料を用いた水性インクは、発色性に優れることから最も普及している。しかし、前記水溶性染料を用いた水性インクは、染料が水溶性であるために該インクによって形成された画像は耐水性に劣り、また、染料が分子状であるために、光や、オゾンなどのガスによる劣化が速いという問題がある。
これらの問題を解決するために、着色剤が分子状ではなく、複数の分子が集合した形態をとる顔料などの不溶性着色剤を用いたインクが検討されている。これらの分散型のインクから形成された画像は、耐水性、耐光性、耐ガス性などのいわゆる画像堅牢性において水溶性色素を用いたインクによる画像よりも優れているが、保存安定性やインクジェットプリンターに用いた際のインクの吐出安定性、画像の色相の鮮鋭度向上などのためには、さらなる顔料粒子の高分散化が要求される。
微粒子状の着色剤を水性媒質中で安定に分散させるために各種の樹脂(ポリマー)分散剤が用いられているが、これらの樹脂分散剤には、着色剤に対する親和性、水性媒質に対する親和性、分子骨格の安定性、印字時の強固な膜形成性などが要求される。このような要求を満たすために、異なる性質を持ったモノマー単位を組み合わせた共重合体を用いるのが通常で、例えば、特許文献1においては、親水性ブロックと疎水性ブロックとからなり、親水性ブロックが10〜90質量%であるブロック共重合体が開示されている。
また、水溶性の程度を最適化するために樹脂の酸価を調節することも行なわれており、特許文献2ではカーボンブラックを分散させるのに酸価が250mg−KOH/g以下の樹脂が適することが、また、特許文献3では酸価が300mg−KOH/g以下で、酸性基の50%以上がアンモニアまたはアミンで中和され、親水部が20〜60モル%、疎水部が40〜80モル%である樹脂が開示されている。また、特許文献4では、酸価が50mg−KOH/g以上280mg−KOH/g以下で酸基の60%以上が中和されている樹脂に内包された着色剤からなるインクが開示されている。
これらの例で示されている樹脂のモノマー構成や酸価の範囲は極めて広く、より一層の最適化が望まれる。特にインクジェットプリンターに適用した時のインクの十分な吐出安定性の実現には、さらに詳細な検討が必要である。また、これらのパラメーターは単独ではなく相互に関係しているものであり、モノマー構成や酸価だけでなく、酸性基に対する中和剤の種類も含めて、最適な組み合わせを探索することが重要である。
特開平7−53841号公報 特開2000−290554公報 特開2003−171590公報 特開平8−183920号公報
上記の状況に鑑み、本発明は、ポリマー(樹脂)分散剤のモノマー構成や酸価、中和剤の最適な組み合わせを検討し、画像堅牢性に優れた微粒子着色剤を、水性媒質中で安定に分散させ、吐出安定性に優れたインクジェットプリンター用インク(以下単に「インク」という)を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明によって解決される。すなわち、本発明は、少なくとも水不溶性の着色剤とポリマーと水性媒質とからなり、該ポリマーが、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも1種類のモノマー単位(A)と、前記モノマー単位(A)以外の疎水性モノマー単位(B)2〜10質量%と、非イオン性の親水基を有するモノマー単位(C)5〜15質量%と、酸性基を有するモノマー単位(D)とを少なくとも含み、酸価が90〜200mg−KOH/gであり、該酸性基の少なくとも一部が塩基によって中和されていることを特徴とするインクを提供する。
上記本発明のインクにおいては、前記疎水性モノマー単位(B)の含有量が、2〜10質量%であり、前記酸価が110〜200mg−KOH/gであること;前記疎水性モノマー単位(B)の含有量が、2〜7質量%であり、前記酸価が110〜150mg−KOH/gであり、前記塩基の少なくとも一部がアンモニアであること;前記酸価が、130〜200mg−KOH/gであり、前記塩基の少なくとも一部がアルカノールアミンであること;および前記水不溶性の着色剤が顔料であることが好ましい。
本発明によれば、最適化されたモノマー構成と酸価、および中和剤の組み合わせからなるポリマー分散剤を使用することにより、画像堅牢性に優れた微粒子着色剤が水性媒質中に安定に分散した、吐出安定性に優れたインクを提供することができる。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で用いるポリマーは、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも1種類のモノマー単位(A)と、前記モノマー単位(A)以外の疎水性モノマー単位(B)と、非イオン性の親水基を有するモノマー単位(C)と、酸性基を有するモノマー単位(D)とを少なくとも含む。メタクリル酸メチルおよび/またはメタクリル酸エチルはポリマーの基本骨格を構成し、ポリマー分子中で他の成分を相互に接続する働きをする。
ポリマー中におけるモノマー単位(A)の含有量は54〜72質量%であることが好ましい。モノマー単位(A)の含有量が54質量%未満であると得られる色材分散体の粒子径が大きくなりやすくなるなどの点で不都合が生じる場合がある。一方、モノマー単位(A)の含有量が72質量%を超えると色材分散体の分散安定性の低下、特に長期の保存時の分散安定性の低下が起こりやすくなるなどの点で不都合が生じる場合がある。
疎水性モノマー単位(B)は主として微粒子着色剤と相互作用する働きを有し、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、イタコン酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステルなどの各種エステル類(エステル基は、炭素数3以上の置換または無置換の脂肪族エステル基、または置換または無置換の芳香族エステル基であり、具体的にはn−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ボルニル基、イソボルニル基、2−クロロエチル基、4−ブロモブチル基、フェニル基、ベンジル基、4−ブチルフェニル基などである)、アクリルアミド類、メタクリルアミド類(n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ボルニル基、イソボルニル基、2−クロロエチル基、4−ブロモブチル基、フェニル基、ベンジル基、4−ブチルフェニル基などで置換されたN−モノ置換アクリルアミド、N−ジ置換アクリルアミド、N−モノ置換メタクリルアミド、N−ジ置換メタクリルアミドなど)、オレフィン類(エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ブタジエン、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレンなど)などから誘導される。
ポリマー分子中におけるこれらの疎水性モノマー単位(B)の含有量は2〜10質量%が好ましく、2〜7質量%がさらに好ましい。疎水性モノマー単位(B)の量が2質量%よりも少なくなると着色剤粒子へのポリマーの付着力が弱くなり、裸の着色剤粒子表面が露出する確率が高くなるため、着色剤粒子の凝集が起こりやすい。また、逆に疎水性モノマー単位の量が多過ぎるとポリマーの親水性が不足して、ポリマー分子間、あるいは着色剤粒子を包含したポリマー間での凝集が起こりやすくなる。
非イオン性の親水基を有するモノマー単位(C)は、水性媒質中でのポリマーの安定な分散を助けると同時に、紙媒体などに印字された際の良好な膜形成性を与えるもので、側鎖にアルキレンオキシド鎖を有するアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルなどが好適である。これらの非イオン性の親水基を有するモノマー単位のポリマー分子中の含有量は5〜15質量%が適当である。これよりも少なくなるとポリマーの親水性が低くなり、着色剤粒子の分散安定性が損なわれる。親水性の不足を補うために酸性基を有するモノマー単位の量を増やすと、印字物の耐水性が劣化するなどの問題が発生するので、一定量以上の非イオン性親水性モノマー単位の存在は必須である。また、非イオン性親水性モノマー単位の量が15質量%を超えると、前記の疎水性モノマー単位と着色剤粒子との相互作用が阻害され、やはり安定な着色剤粒子の分散に支障をきたす。
酸性基を有するモノマー単位(D)は、アルカリで中和することによってポリマーに高い水溶性を付与し、水性媒質中で安定に着色剤粒子を分散させる働きを有する。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、エステル部位にカルボキシル基やスルホン基、ホスホン基などを有するアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどが挙げられる。酸性基を有するモノマー単位は、ポリマーの酸価が90〜200mg−KOH/gになる量が含まれていることが好ましく、酸価が110〜200mg−KOH/gになる量が含まれていることがさらに好ましい。酸価が上記の範囲よりも少ないと水性媒質へのポリマーの溶解性が不足し、着色剤粒子の安定な分散ができなくなる。酸性基含有モノマー単位による親水性は前記の非イオン性親水性モノマー単位では補うことはできず、一定量以上の酸性基含有モノマー単位が必要となる。一方、酸性基含有モノマー単位が多く酸価が高過ぎると、印字物の耐水性が劣化し、また、ポリマーの水溶性が高くなり過ぎてポリマー単独で溶解してしまい、着色剤粒子の分散に寄与しなくなる場合もある。
ポリマー中におけるモノマー単位(D)の含有量は、ポリマーが上記の酸価を有する量であるが、具体的にはモノマー単位(D)の含有量は15〜30質量%であることが好ましい。
本発明で使用するポリマーは周知の重合方法で製造することができる。例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などの種々の方法が採用できるが、前記モノマー(A)〜モノマー(D)の物性からして、適当なラジカル重合開始剤を用いる溶液重合が好ましい。なお、本発明において使用するモノマーは前記モノマー(A)〜モノマー(D)のみに限定されず、モノマー(A)の一部として前記以外のモノマーを、本発明の目的達成を阻害しない範囲で共重合させることができる。
酸性基を含有するポリマーの親水性を発現させるためにはアルカリを添加して中和することが必要である。アルカリの種類としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア、アルカノールアミンなどを用いることができる。特にインクジェットプリンターにおける長期にわたる安定な吐出を実現し、印字物の耐水性を高めるには、アンモニア、またはアルカノールアミンによる中和が好適である。アルカリの添加量は、最終的な着色剤分散液のpHが7〜9程度になるように調整することが必要で、ポリマーの酸価に対して当量〜2倍当量が適当である。
アルカリとしてアンモニアを用いた場合には、ポリマーの酸価は110〜150mg−KOH/gが好適で、アルカリとしてアルカノールアミンを用いた場合には、ポリマーの酸価は130〜200mg−KOH/gが好適である。このように中和に用いるアルカリの種類によって最適な酸価が異なる理由は明白ではないが、実質的に解離している酸性基の量がインク吐出安定性に影響することを考慮すると、アンモニアで中和した場合とアルカノールアミンで中和した場合とで、酸性基のイオン化度が異なることが影響していると推察される。
本発明で用いる色材としては顔料が好ましい。具体的には以下のようなものであるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
黒色顔料
Raven760Ultra、Raven1060Ultra、Raven1080Ultra、Raven1100Ultra、Raven1170、Raven1200、Raven1250、Raven1255、Raven1500、Raven2000、Raven2500Ultra、Raven3500、Raven5250、Raven5750、Raven7000、Raven5000UltraII、Raven1190UltraII(以上コロンビア・カーボン社製);Black Pearls L、MOGUL-L、Rega1400R、Rega1660R、Rega1330R、Monarch800、Monarch880、Monarch900、Monarch1000、Monarch1300、Monarch1400(以上キャボット社製);Color Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW200、Color Black 18、Color Black S160、Color Black S170、Special Black 4、Special Black 4A、Special Black 6、Special Black 550、Printex35、Printex45、Printex55、Printex85、Printex95、PrintexU、Printex140U、PrintexV、Printex140V(以上デグッサ社製);No.25、No.33、No.40、No.45、No.47、No.52、No.900、No.970、No.2200B、No.2300、No.2400B、MCF-88、MA600、MA77、MA8、MA100、MA220、MA230(以上三菱化学社製)など
青色顔料
C.I.ピグメント ブルー−1、C.I.ピグメント ブルー−2、C.I.ピグメント ブルー−3、C.I.ピグメント ブルー−15、C.I.ピグメント ブルー−15:2、C.I.ピグメント ブルー−15:3、C.I.ピグメント ブルー−15:4、C.I.ピグメント ブルー−16、C.I.ピグメント ブルー−22、C.I.ピグメント ブルー−60など
赤色顔料
C.I.ピグメント レッド−5、C.I.ピグメント レッド−7、C.I.ピグメント レッド−12、C.I.ピグメント レッド−48、C.I.ピグメント レッド−48:1、C.I.ピグメント レッド−57、C.I.ピグメント レッド−112、C.I.ピグメント レッド−122、C.I.ピグメント レッド−123、C.I.ピグメント レッド−146、C.I.ピグメント レッド−168、C.I.ピグメント レッド−184、C.I.ピグメント レッド−202、C.I.ピグメント レッド−207など
黄色顔料
C.I.ピグメント イエロー−12、C.I.ピグメント イエロー−13、C.I.ピグメント イエロー−14、C.I.ピグメント イエロー−16、C.I.ピグメント イエロー−17、C.I.ピグメント イエロー−74、C.I.ピグメント イエロー−83、C.I.ピグメント イエロー−93、C.I.ピグメント イエロー−95、C.I.ピグメント イエロー−97、C.I.ピグメント イエロー−98、C.I.ピグメント イエロー−114、C.I.ピグメント イエロー−128、C.I.ピグメント イエロー−129、C.I.ピグメント イエロー−151、C.I.ピグメント イエロー−154など。
また、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、シリカ、アルミナ、窒化珪素、炭化珪素などの、無機酸化物、窒化物、炭化物粒子、さらには、これらに有機顔料を被覆した複合粒子なども適用できる。
本発明のインクにおける着色剤の量は1〜20質量%が好ましく、ポリマーと着色剤の質量比率は9:1〜1:9が好ましい。着色剤の量が1質量%未満ではインクとしての着色力が十分でなく、前記のように印字画像に十分な濃度が得られず、着色剤の量が20質量%を超えると、画像濃度が大きく増加することがない反面、着色剤の分散が不安定になりやすく、ノズルにおけるインク目詰まりなどの吐出安定性の低下を招く。また、着色剤とポリマーの合計量に対するポリマーの比率が10質量%未満では着色剤の分散が不安定になり、インクとして印字した時の印字物の耐擦過性も悪くなる。一方、着色剤とポリマーの合計量に対するポリマーの比率が90質量%を超えると、印字物の着色力が低下すると同時に、インク粘度の増加などによる吐出不良を招く。
本発明の水性インクの主な液媒質は水であるが、その他の水溶性の有機物を含んでもよい。これらの有機物は、本発明のインクをインクジェットプリンターで使用した際に、ノズル部分での乾燥によるインクの固化を防止する働きをするもので、具体的には、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、チオジグリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、ポリエチレングリコールなどのジオール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレンブリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;グリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどのポリオール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル類;ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコール、グリセリンモノアリルエーテル、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、ウレア、β−ジヒドロキシエチルウレア、アセトニルアセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、フェノキシエタノールなどが挙げられる。
このような物質は、水溶性であれば固体でも液体でもよい。また、水が蒸発するような条件下でもインク中に残留することが要求されるので、沸点が水よりも高いことが望ましく、120℃以上であることが望ましいが、ポリマーとの相互作用があるために単独の場合よりも蒸発しにくくなることから、必ずしも高沸点物質には限定されない。これらの有機物は単独で使用してもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの有機物のインク中に占める割合としては、インク全質量に対して5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%である。
なお、本発明のインクには、前記成分以外にも、例えば、界面活性剤、pH調整剤、酸化防止剤、防黴剤などの各種添加剤を加えてもよい。
本発明におけるインクは、着色剤とポリマーとを混練し、所定の液体媒質中に添加して分散させた後に、さらに希釈用の水や前記の添加剤などを加えることで製造できる。混練にはニーダーやロールミルなどを用いることができ、分散には超音波印加やビーズミル、ボールミルなどの分散機を用いることができる。アルカリ添加によるポリマー中の酸性基の中和は、着色剤とポリマーとの混合前に行なっても混合後に行なってもよいが、混合後に行なうことが望ましい。
本発明のインクは、インクにエネルギーを与えて飛翔させて記録するインクジェット記録方法に好適に用いることができる。エネルギーとしては熱エネルギーや力学的エネルギーを用いることができるが、特に熱エネルギーを用いる方法が好ましい。
インクジェット記録用のプリンターとしては、A4サイズ紙を主に用いる一般家庭用のプリンターや、名刺やカードを印刷対象とするプリンター、あるいは業務用の大型プリンターなどに適用できるが、特に高い画像堅牢性が求められ多量のインクを使用する大型機に好適に用いられる。
本発明のインクで記録する被記録媒体としては、特別なコーティングを施していない普通紙、少なくとも一方の面にインクを受容する層をコーティングしたいわゆるインクジェット専用紙、ハガキや名刺用紙、ラベル用紙、ダンボール紙、インクジェット用フィルムなどが挙げられる。
以下に本発明の具体的な実施例について説明する。ただし本発明はこれらの実施例によってなんら制限されるものではない。なお、以下の記載で「部」および「%」とあるものは全て質量基準である。
[ポリマーAの合成]
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコに、メチルエチルケトン300部を仕込み、攪拌しながら、還流管からリフラックスが定常的に出るまで加熱した。この時の内温は84℃であった。この溶液にメタクリル酸エチル(A)、疎水性モノマー(B)(イソボルニルメタクリレート)、親水性モノマー(C)(カルビトールアクリレート)および酸性基を有するモノマー(D)(メタクリル酸)の混合物400部と重合開始剤(和光純薬製ABN−E)24部の混合溶液を180分かけて等速で滴下した。さらに30分エージングした後、メチルエチルケトン100部およびABN−E2部の混合溶液を120分かけて等速で滴下した。滴下終了後60分間内温を維持した後に冷却し、メチルエチルケトン100部を添加してポリマーAを作製した。表1に、各モノマーの配合量を変えて作製した一連のポリマーAを示す。なお、得られたポリマーの重量平均分子量はいずれも約15,000であった。
Figure 2005320402
[ポリマーBの合成]
還流管、滴下ロート、温度計および攪拌装置を備えたガラス製4つ口フラスコに、メチルエチルケトン300部を仕込み、攪拌しながら、還流管からリフラックスが定常的に出るまで加熱した。この時の内温は84℃であった。この溶液にメタクリル酸メチル(A)、疎水性モノマー(B)(tert−オクチルメタクリレート)、親水性モノマー(C)(トリエチレングリコールエチルエーテルアクリレート)、酸性基を有するモノマー(D)(メタクリル酸)の混合物400部、重合開始剤(和光純薬製ABN−E)24部の混合溶液を180分かけて等速で滴下した。さらに30分エージングした後、メチルエチルケトン100部、ABN−E2部の混合溶液を120分かけて等速で滴下した。滴下終了後60分間内温を維持した後に冷却し、メチルエチルケトン100部を添加してポリマーBを作製した。表2に、各モノマーの配合量を変えて作製した一連のポリマーBを示す。なお、得られたポリマーの重量平均分子量はいずれも約15,000であった。
Figure 2005320402
[ポリマーC−1の合成]
還流管、温度計および攪拌装置を備えた4つ口フラスコに、エチレングリコール56部、イソホロンジイソシアネート200部、ジメチロールプロピオン酸144部、メチルエチルケトン300部を仕込み、攪拌しながら内温60℃になるまで加熱し、120分かけて熟成後、冷却した。内温が40℃以下になってから、メチルアルコール200部を加え、さらに60分攪拌して反応を終了させ、ウレタン骨格を持つポリマーC−1を得た。得られたポリマーの重量平均分子量は15,000、酸価は150mg−KOH/gであった。
[ポリマーC−2の合成]
精留管、還流管、温度計および攪拌装置を備えた4つ口フラスコにジエチレングリコール100部、テレフタル酸156部をエステル交換触媒と共に仕込んで加熱し、原料が溶融し始めたら攪拌を開始し、さらに加熱を続けた。精留管で水と原料のリフラックス液が分離され、水分が出なくなるまで加熱攪拌を続けた。この時の内温は140℃であった。さらにジメチロールプロピオン酸144部を添加し、加熱攪拌を水分が出なくなるまで続けた。得られた液を、精留管を備えた減圧可能なフラスコに仕込み、減圧しながら加熱し、精留管でジエチレングリコールを除去した。得られたエステル骨格を有するポリマーC−2の重量平均分子量は14,000、酸価は150mg−KOH/gであった。
[分散液の調製]
上記の方法で合成したポリマーのメチルエチルケトン溶液と銅フタロシアニン顔料を2軸スクリューを有する混練機に仕込み、均一になるまで混練した後、内温を80℃に維持しながら減圧して溶媒を留去した。この混練物を2本ロールを用いてシート化し、所定量のイオン交換水と中和剤を加えて攪拌して、顔料濃度10質量%、ポリマー濃度10質量%の分散液を得た。
[インクの調製]
前記分散液を顔料濃度が5質量%になるようにイオン交換水で希釈した液8部に、グリセリン2部およびジエチレングリコール2部を添加してインクとした。
[実施例1〜20]
上記の方法で表3の組み合わせのインクを調製した。
Figure 2005320402
[比較例1〜19]
上記の方法で表4の組み合わせのインクを調製した。
Figure 2005320402
[評価]
分散液の分散安定性:
前記インクの調製に用いた水性分散液に関して、調製直後と、60℃で4週間保管した後の平均粒子径を、大塚電子社製PAR−III動的光散乱測定装置にて測定した。結果を表5に示す。なお、平均粒子径の増加率は[B−A/A]×100(%)である(ここでAは調製直後の平均粒子径(nm)であり、Bは保存後の平均粒子径(nm)である)。
Figure 2005320402
Figure 2005320402
インクの吐出特性:
各インクを、記録信号に応じた熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出させるオンデマンド型マルチ記録ヘッドを有するインクジェット記録装置BJF−660(キヤノン製)にそれぞれ搭載した。連続して普通紙に100%ベタ画像を印字し続け、吐出不良(白スジが定常的に見られる状態)が発生する印字枚数を調べた。評価結果を表6に示す。
Figure 2005320402
本発明によれば、最適化されたモノマー構成と酸価、および中和剤の組み合わせからなるポリマー分散剤を使用することにより、画像堅牢性に優れた微粒子着色剤が水性媒質中に安定に分散した、吐出安定性に優れたインクを提供することができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも水不溶性の着色剤とポリマーと水性媒質とからなり、該ポリマーが、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸エチルからなる群から選ばれる少なくとも1種類のモノマー単位(A)と、前記モノマー単位(A)以外の疎水性モノマー単位(B)2〜10質量%と、非イオン性の親水基を有するモノマー単位(C)5〜15質量%と、酸性基を有するモノマー単位(D)とを少なくとも含み、酸価が90〜200mg−KOH/gであり、該酸性基の少なくとも一部が塩基によって中和されていることを特徴とするインクジェットプリンター用インク。
  2. 前記疎水性モノマー単位(B)の含有量が、2〜10質量%であり、前記酸価が110〜200mg−KOH/gである請求項1に記載のインクジェットプリンター用インク。
  3. 前記疎水性モノマー単位(B)の含有量が、2〜7質量%であり、前記酸価が110〜150mg−KOH/gであり、前記塩基の少なくとも一部がアンモニアである請求項1に記載のインクジェットプリンター用インク。
  4. 前記酸価が、130〜200mg−KOH/gであり、前記塩基の少なくとも一部がアルカノールアミンである請求項3に記載のインクジェットプリンター用インク。
  5. 前記水不溶性の着色剤が、顔料である請求項1〜4の何れか1項に記載のインクジェットプリンター用インク。
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