JP2005320100A - 産業車両の油圧配管装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コンパクトに構成しながらも、オペレータの前方視界を拡大することのできる産業車両の油圧配管装置を提供する。
【解決手段】 産業車両に装備される油圧ホース20を上下2段に分けて掛装する産業車両の油圧配管装置40である。下段側の油圧ホース20を掛装する下段側のホース掛装部50は、一軸線L1上で回転可能なプーリー53により油圧ホース20を案内可能に構成される。また、上段側の油圧ホース20を掛装する上段側のホース掛装部60は、複数の軸線L2,L3,L4上でそれぞれ回転可能に設けられた複数のローラー63の協働により油圧ホース20を案内可能に構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フォークリフト等の産業車両の油圧配管装置に関する。
産業車両、例えば、一般的なフォークリフトでは、アタッチメントをリフト装置に装着して作業を行なう。そして、リフト装置には、通常、アタッチメントの油圧機器を駆動するための油圧配管が配管されている。図9は、従来例にかかる三段マスト式フォークリフトのリフト装置の概要を示す正面図で、2個の油圧アクチュエータを有するアタッチメントを装着可能な仕様のものが示されている。
図9に示すように、フォークリフトの車体の前部に、左右一対のアウタマスト102が装着されている。その両アウタマスト102の内側に、左右一対のミドルマスト103が昇降可能に設けられている。両ミドルマスト103の内側に、左右一対のインナマスト104が昇降可能に設けられている。その両インナマスト104の前側に、各種アタッチメントを装着するためのリフトブラケット105が昇降可能に設けられている。また、両インナマスト104の下部の間に架設されたタイビーム(図示省略)上には、前記リフトブラケット105をチェーン機構を介して昇降させるためのフロントシリンダ110が立設されている。
前記リフト装置には、前記リフトブラケット105に装着される各種アタッチメントの油圧機器を駆動するために、例えば計4本の油圧ホース120がフロント側の油圧配管装置130及びリヤ側の油圧配管装置140を介して配管される。
フロント側の油圧配管装置130は、前記フロントシリンダ110のピストンロッド111の上部に設けたチェーンホイールサポート115に車両左右方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられた左右各2個のホースプーリー127により構成されている。左右各組のホースプーリー127には、左右各2本の油圧ホース120がそれぞれ掛装されている。
また、前記リヤ側の油圧配管装置140は、例えば図9において、右側のミドルマスト103の後側の上部に車両前後方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられた2個1組のホースプーリー(図示省略)、及び、そのミドルマスト103の内側の上部に車両左右方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられた2個1組のホースプーリー157により構成されている。各組のホースプーリーには、それぞれ2本ずつ油圧ホース120がそれぞれ掛装されている。ちなみに、図9において、右側のミドルマスト103の後側の上部に設けられた2個1組のホースプーリーは、チェーンホイール153の後側に隠れた位置にあるため図示されてない。また、そのホースプーリーに掛装される油圧ホースも、チェーンホイール153に掛装されるチェーン122の後側に隠れた位置にあるため図示されてない。
なお、上記したような構成の油圧配管装置を有するリフト装置は、例えば特許文献1に記載されたものがある。
特開平9−40390号公報
しかしながら、前記フォークリフトにおける油圧配管装置、とくにリヤ側の油圧配管装置140によると、ミドルマスト103の内側に2個1組のホースプーリー157がはみ出した状態で配置されている。このため、ミドルマスト103の内側の開放空間が、ホースプーリー157やそのプーリー157に掛装される油圧ホース120によって遮られることになっている。したがって、フォークリフトのオペレータ(以下、単に「オペレータ」という。)の前方視界Rが、図9にハッチングで示すように狭くならざるを得ないという問題があった。
また、図10に示すように、ミドルマスト103に設けたリヤプレート140に車両前後方向に延びる軸線100L1,100L2回りに回転可能な上下2個のホースプーリー257,253を設け、各プーリー257,253に油圧ホース120を上下2段に分けて掛装することにより、オペレータの前方視界を拡大することが考えられる。
しかしながら、ホースプーリー257,253を上下に配置する対策では、下段側のホースプーリー253に対して上段側のホースプーリー257を配置するために、上下方向に関して多大な占有スペースが必要になるという問題を生じることから好ましくない。
本発明が解決しようとする課題は、コンパクトに構成しながらも、オペレータの前方視界を拡大することのできる産業車両の油圧配管装置を提供することにある。
前記した課題は、特許請求の範囲の欄に記載された構成を要旨とする産業車両の油圧配管装置により解決することができる。
すなわち、特許請求の範囲の請求項1にかかる産業車両の油圧配管装置によると、産業車両に装備される油圧ホースを下段側のホース掛装部と上段側のホース掛装部とに分けて掛装することにより、オペレータの前方視界を拡大することができる。
また、下段側のホース掛装部が一軸線上又は複数の軸線上で回転可能な回転体により、下段側の油圧ホースを案内可能に構成され、また、上段側のホース掛装部が複数の軸線上でそれぞれ回転可能に設けられた複数の回転体の協働により、上段側の油圧ホースを案内可能に構成されている。このため、上段側のホース掛装部における複数の回転体は、油圧ホースがほぼ折り返し状をなす部分すなわち約上半周部分に対応するように配置すればよく、その下半周部分に配置する必要がない。したがって、上段側のホース掛装部と下段側のホース掛装部とを互いの間隔を減少した状態でコンパクトに配置することができ、これにより、オペレータの前方視界を拡大することができる。
上記したように、油圧ホースを下段側のホース掛装部と上段側のホース掛装部とに分けて掛装することと、上段側のホース掛装部と下段側のホース掛装部とを互いの間隔を減少した状態で配置することとの相乗効果により、油圧配管装置をコンパクトに構成しながらも、オペレータの前方視界を拡大することができる。
また、下段側のホース掛装部が一軸線上で回転可能な回転体により構成される場合には、複数の回転体によりホース掛装部を構成する場合に比べて、部品点数及び組付工数の増加を抑制することができる。
また、特許請求の範囲の請求項2にかかる産業車両の油圧配管装置によると、下段側のホース掛装部のプーリーにより、折り返し半径の小さい下段側の油圧ホースを所定方向へ適正に送ることができる。また、上段側のホース掛装部を複数のローラーによってコンパクトに構成することができる。
また、特許請求の範囲の請求項3にかかる産業車両の油圧配管装置によると、上段側のホース掛装部における複数の回転体のうち、少なくとも1つが油圧ホースを受入可能な案内溝を有する溝付きローラーで形成されている。これにより、上段側の油圧ホースを溝付きローラーによって所定方向へ適正に送ることができる。
また、特許請求の範囲の請求項4にかかる産業車両の油圧配管装置によると、上段側のホース掛装部の複数の回転体が、下段側のホース掛装部における油圧ホースの曲率半径の中心を通る鉛直線上でその曲率半径内に位置する点を中心とする円周線の上側半周部に配置されているため、上段側のホース掛装部と下段側のホース掛装部とを互いの間隔を減少した状態でコンパクトに配置することができる。
また、特許請求の範囲の請求項5にかかる産業車両の油圧配管装置によると、三段マスト式フォークリフトの油圧配管装置をコンパクトに構成しながらも、そのフォークリフトのオペレータの前方視界を拡大することができる。
本発明の産業車両の油圧配管装置によれば、油圧ホースを下段側のホース掛装部と上段側のホース掛装部とに分けて掛装することと、上段側のホース掛装部と下段側のホース掛装部とを互いの間隔を減少した状態で配置することとの相乗効果により、コンパクトに構成しながらも、オペレータの前方視界を拡大することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について実施例を参照して説明する。
本発明の実施例1を図面にしたがって説明する。図1は、三段マスト式フォークリフトのリフト装置の概要を示す正面図で、2個の油圧アクチュエータを有するアタッチメントを装着可能な仕様のものが示されている。
フォークリフトの車体(図示省略)の前部に装着された左右一対のアウタマスト2の内側に、左右一対のミドルマスト3が昇降可能に支持されている。両ミドルマスト3の内側に、左右一対のインナマスト4が昇降可能に支持されている。両インナマスト4の前側には、各種アタッチメントを装着するためのリフトブラケット5が昇降可能に支持されている。
前記両ミドルマスト3の後側に、左右一対のリフトシリンダ6が配設されている。両リフトシリンダ6の本体側が両アウタマスト2に連結され、ピストンロッド側が両ミドルマスト3に連結されている。また、両ミドルマスト3の後側の上部には、それぞれチェーンホイール7が前後方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられている。両チェーンホイール7には、それぞれチェーン8が掛装されている。両チェーン8の一端部が両アウタマスト2の上部に連結され、その他端部が両インナマスト4の下部に連結されている。
したがって、両リフトシリンダ6が短縮状態から伸長作動されると、アウタマスト2に沿って両ミドルマスト3が上昇される。これとともに、両チェーン8がチェーンホイール7の回転により順方向へ送られることによって、両ミドルマスト3に沿って両インナマスト4が上昇される。
また、逆に、両リフトシリンダ6が伸長状態から短縮作動されると、アウタマスト2に沿って両ミドルマスト3が下降されるとともに、両チェーン8がチェーンホイール7の逆回転により逆方向へ送られることによって、両ミドルマスト3に沿って両インナマスト4が下降される。
前記両インナマスト4の下部の間に架設されたタイビーム(図示省略)上に、フロントシリンダ10が立設されている。フロントシリンダ10の上方に向けて突出されたピストンロッド11の上部に、チェーンホイールサポート15が設けられている。チェーンホイールサポート15の左右両側には、それぞれチェーンホイール12が左右方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられている。両チェーンホイール12には、それぞれリフトチェーン13が掛装されている。両リフトチェーン13の一端部がインナマスト4に連結され、その他端部がリフトブラケット5に連結されている。
したがって、フロントシリンダ10が短縮状態から伸長作動されると、両リフトチェーン13が両チェーンホイール7の回転により順方向へ送られることによって、両インナマスト4に沿ってリフトブラケット5が上昇される。
また、逆に、フロントシリンダ10が伸長状態から短縮作動されると、両リフトチェーン13が両チェーンホイール7の逆回転により逆方向へ送られることによって、両インナマスト4に沿ってリフトブラケット5が下降される。
次に、油圧配管装置について説明する。前記リフトブラケット5に装着される各種アタッチメントの油圧機器用の油圧配管は、アタッチメントにより異なるが、ここでは2個の油圧アクチュエータ(図示省略)を駆動するためにそれぞれ供給用と戻り用の2本を1組とする計4本のゴムホースからなる油圧ホース20を配管する場合を例示する。この計4本の油圧ホース20により、アタッチメントの2つの油圧アクチェータのそれぞれの駆動操作が可能になっている。
前記リフト装置には、計4本の油圧ホース20が、フロント側の油圧配管装置30及びリヤ側の油圧配管装置40を介して配管される。説明の都合上、フロント側の油圧配管装置30を述べた後、リヤ側の油圧配管装置40について詳述する。
フロント側の油圧配管装置30は、前記従来例と同様の構成であるので簡単に述べるにとどめる。その油圧配管装置30は、前記フロントシリンダ10のピストンロッド11に設けられた前記チェーンホイールサポート15の上部に、車両左右方向に延びる軸線回りに回転可能に設けられた左右各2個のホースプーリー27により構成されている。各ホースプーリー27に、左右各2本の油圧ホース20がそれぞれ掛装されている。その各油圧ホース20の一端部がインナマスト4の下部に配置されたそれぞれの配管に接続され、その他端部が前記リフトブラケット5側の各種アタッチメントの各油圧機器に接続されている。
上記のように構成されたフロント側の油圧配管装置30は、フロントシリンダ10の伸縮作動にともなって、計4本の油圧ホース20を各ホースプーリー27の正方向又は逆方向の回転によって所定方向へ送ることができる。
次に、リヤ側の油圧配管装置40について、図2〜図3を参照して詳述する。図2は油圧配管装置を示す正面図、図3は図2のIII−III線断面図、図4は油圧配管装置を示す斜視図である。
リヤ側の油圧配管装置40により配管される計4本の油圧ホース20(図3参照)は、一端部が前記フォークリフトの車体側の油圧機器(図示省略)に接続され、その他端部が前記インナマスト4の下部に配置されたそれぞれの油圧配管(図示省略)に接続されている。
図2及び図3に示すように、リヤ側の油圧配管装置40は、計4本の油圧ホース20を2本ずつ上下2段に分けて掛装するもので、略四角形平板状のリヤプレート41を備えている。
図3に示すように、リヤプレート41は、前記右側のミドルマスト3(図1参照)の後側の上部に設けられた取付部3aに対して、例えばボルト42により固定されている。このリヤプレート41は、右側のミドルマスト3と平行状をなすように配置されている。
そして、リヤプレート41の前側には、下段側の2本の油圧ホース20を掛装する下段側のホース掛装部50と、下段側の2本の油圧ホース20を取り囲むように上段側の2本の油圧ホース20を掛装する上段側のホース掛装部60が設けられている。
図2〜図4に示すように、前記下段側のホース掛装部50は、リヤプレート41の下部に設けられた支軸52と、その支軸52上に回転可能に支持されたプーリー53とを備えている。
図3に示すように、支軸52は、車両前後方向に延びる軸線L1上において、リヤプレート41の前側に向けて突出されている。
また、プーリー53の軸心部には軸孔53aが形成されており、その軸孔53aが支軸52に回転可能に嵌合されている。そして、その支軸52の軸端部にワッシャ54を介してC字状のスナップリング55が装着されることにより、プーリー53が支軸52に抜け止めされている。なお、スナップリング55は、支軸52の軸端部に形成した環状溝52aにその弾性変形を利用して装着されている。
また、プーリー53の外周部には、軸方向に並ぶ2つの断面ほぼU字状の案内溝56が形成されている。両案内溝56には、下段側の各油圧ホース20が前後に並ぶ状態で掛装されるようになっている。
図2〜図4に示すように、前記上段側のホース掛装部60は、リヤプレート41の上部に設けられた複数(図2は、3本を示す。)の支軸62と、その各支軸62上にそれぞれ回転可能に支持されたローラー63とを備えている。
図2に示すように、各支軸62は、車両前後方向に延びる複数の軸線L2,L3,L4上において、リヤプレート41の前側に向けて突出されている(図3参照)。また、各支軸62は、前記プーリー53の支軸52の軸線L1を通る鉛直線PL上で、下段側のホース掛装部50における油圧ホース20の曲率半径内に位置する点P1を中心とする円周線CLの上側半周部に配置されている。各支軸62のうち、中央の支軸62は円周線CLと鉛直線PLに交差する軸線L2上に配置されている。また、左側の支軸62は円周線CL上で中央の支軸62の左下方に位置する軸線L3上に配置されている。また、右側の支軸62は円周線CL上で中央の支軸62の右下方に位置する軸線L4上に配置されている。
なお、プーリー53の支軸52の軸線L1は、本明細書でいう「下段側のホース掛装部における油圧ホースの曲率半径の中心」に相当している。その「下段側のホース掛装部における油圧ホースの曲率半径の中心」は、下段側のホース掛装部50が複数の回転体で形成される場合には、それらの回転体の軸線が配置される円周線の中心が相当する。
また、「下段側のホース掛装部50における油圧ホース20の曲率半径」としては、油圧ホース20の内法側の曲率半径、または、油圧ホース20の外法側の曲率半径、または、油圧ホース20の中心線の曲率半径のいずれかを選択すればよい。
図3に示すように、前記各ローラー63は、前記プーリー53の外径(プーリー径)よりも小さい外径(ローラー径)の中空円筒状に形成されており、その中空孔63aが支軸62に回転可能に嵌合されている。そして、その支軸62の軸端部に形成した環状溝62aに、C字状のスナップリング64をその弾性変形を利用して装着することにより、ローラー63が抜け止めされている。なお、本実施例の場合、ローラー63の外径とスナップリング64の外径がほぼ等しい大きさになっている。
また、図3に示すように、各ローラー63には、上段側の2本の油圧ホース20が前後に並ぶ状態で掛装されるようになっている。
しかして、前記プーリー53は、下段側の油圧ホース20を無理なく折り曲げた状態で案内可能でかつ前記ローラー63の外径(ローラー径)よりも大きい外径(油圧ホース20の折れ曲がり部分における内径に相当する。)を有する大径の回転体であって、本明細書でいう「下段側のホース掛装部の回転体」に相当している。
また、前記ローラー63は、複数(本実施例では、3個)の協働によって油圧ホース20を無理なく折り曲げた状態で案内可能でかつ前記プーリー53の外径(プーリー径)よりも小さい外径を有する小径の回転体であって、本明細書でいう「上段側のホース掛装部の回転体」に相当している。なお、プーリー53のプーリー径とは、油圧ホース20の内側面が掛装される案内溝55の溝底面における径のことをいう。
なお、各ローラー63からの上段側の各油圧ホース20の前方への脱落は、例えば、前記ミドルマスト3(図1参照)の上部に対して上段側のホース掛装部60の前側に隣接して配置される部材等によって防止されるものとする。また、ミドルマスト3に配置されるチェーンホイール7を上段側のホース掛装部60の前側に隣接して配置すれば、そのチェーンホイール7によって、各ローラー63からの上段側の各油圧ホース20の前方への脱落を防止することができる。また、リヤプレート41に、上段側の各油圧ホース20の脱落を防止するための脱落防止部材を設けることもできる。
上記のように構成されたリヤ側の油圧配管装置40では、前記リフト装置(図1参照)における両リフトシリンダ6及びフロントシリンダ10の伸縮作動にともなって、下段側の2本の油圧ホース20をプーリー53の正方向又は逆方向の回転によって所定方向へ送るとともに、上段側の2本の油圧ホース20を複数(図2は、3本を示す。)のローラー63の正方向又は逆方向の回転の協働によって所定方向へ送ることができる。
上記したリヤ側の油圧配管装置40によると、フォークリフトに装備された計4本の油圧ホース20を下段側のホース掛装部50と上段側のホース掛装部60とに2本ずつに分けて掛装することにより、オペレータの前方視界を拡大することができる(図1参照)。
詳しくは、従来例(図9参照)において、ミドルマストの内側にはみ出していた2個のホースプーリーやそのプーリーに掛装された油圧ホースを排除することができる。したがって、オペレータ(以下、単に「オペレータ」という。)の前方視界Sが、図1にハッチングで示すように拡大されるため、オペレータの前方視界を拡大することができる。
また、下段側のホース掛装部50が一軸線L1上で回転可能なプーリー53により、下段側の2本の油圧ホース20を案内可能に構成され、また、上段側のホース掛装部60が複数の軸線L2,L3,L4上でそれぞれ回転可能に設けられた複数(本実施例では、3個)のローラー63の協働により、上段側の2本の油圧ホース20を案内可能に構成されている(図1及び図2参照)。このため、図2に示すように、上段側のホース掛装部60における3個のローラー63は、油圧ホース20がほぼ折り返し状をなす部分すなわち約上半周部分に対応するように配置すればよく、その下半周部分に配置する必要がない。したがって、上下2個のホースプーリーを配置する場合(図10参照)に比べて、上段側のホース掛装部60と下段側のホース掛装部50とを互いの間隔を減少した状態(図2参照)でコンパクトに配置することができ、これにより、オペレータの前方視界を拡大することができる。
上記したように、油圧ホース20を下段側のホース掛装部50と上段側のホース掛装部60とに分けて掛装することと、上段側のホース掛装部60と下段側のホース掛装部50とを互いの間隔を減少した状態で配置することとの相乗効果により、リヤ側の油圧配管装置40をコンパクトに構成しながらも、オペレータの前方視界を拡大することができる。
また、下段側のホース掛装部50が一軸線L1(図2及び図3参照)上で回転可能なプーリー53により構成されることにより、上段側のホース掛装部60と同様に、複数のローラーにより下段側のホース掛装部50を構成する場合に比べて、部品点数及び組付工数の増加を抑制することができる。
また、下段側のホース掛装部50のプーリー53により、折り返し半径の小さい下段側の油圧ホース20を所定方向へ適正に送ることができる(図2参照)。また、上段側のホース掛装部60を複数(本実施例では、3個)のローラー63によってコンパクトに構成することができる(図2参照)。
また、上段側のホース掛装部60の複数(図2は、3本を示す。)ローラー63が、下段側のホース掛装部50における油圧ホース20の曲率半径の中心(プーリー53の支軸52の軸線L1)を通る鉛直線PL上でその曲率半径内に位置する点P1を中心とする円周線CLの上側半周部に配置されている。このため、上段側のホース掛装部60と下段側のホース掛装部50とを互いの間隔を減少した状態でコンパクトに配置することができる。
また、上記したように、リヤ側の油圧配管装置40が三段マスト式フォークリフトに装備されていることにより、その油圧配管装置40をコンパクトに構成しながらも、そのフォークリフトのオペレータの前方視界を拡大することができる。
また、図5に示すように、リヤ側の油圧配管装置40において、下段側のホース掛装部50のみを使用することにより、油圧配管装置40を2本の油圧ホース20の仕様に対応させることができる。また同様に、上段側のホース掛装部60のみを使用することにより、油圧配管装置40を2本の油圧ホース20の仕様に対応させることができる。また、下段側のホース掛装部50と上段側のホース掛装部60にそれぞれ1本ずつの油圧ホース20を掛装することも考えられる。
本発明の実施例2におけるリヤ側の油圧配管装置40について、図6〜図8を参照して詳述する。図6は油圧配管装置を示す正面図、図7は図6のVII−VII線断面図、図8は油圧配管装置を示す斜視図である。なお、本実施例は、前記実施例1の一部を変更したものであるからその変更部分について詳述し、重複する説明は省略する。
実施例2は、図6〜図8に示すように、前記上段側のホース掛装部60における3個のローラー63のうちの1つ、例えば中央のローラー63(図4参照)を溝付きローラー68に代えたものである。溝付きローラー68の外周部には、軸方向に並ぶ2つの案内溝68aが形成されている。両案内溝68aには、上段側の各油圧ホース20が前後に並ぶ状態で掛装されるようになっている。
本実施例によっても、前記実施例1と同様の作用・効果が得られる。
さらに、上段側のホース掛装部60における複数(本実施例では、3個)のローラー63のうち、少なくとも1つが油圧ホース20を受入可能な案内溝68a(図7参照)を有する溝付きローラー68で形成されている(図6〜図8参照)。これにより、上段側の油圧ホース20を溝付きローラー68によって所定方向へ適正に送ることができる。なお、その他のローラー63を溝付きローラー68に代えてもよい。
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更が可能である。例えば、本発明は、フォークリフトのリヤ側の油圧配管装置40に限定されるものではなく、フロント側の油圧配管装置30、フォークリフト以外の産業車両の油圧配管装置、アタッチメント用以外の油圧配管装置にも適用することができる。また、前記実施例におけるリヤ側の油圧配管装置40をフロント側の油圧配管装置30に適用する場合には、プーリ−53及びローラー63を、車両左右方向に延びる各軸線上に配置することにより、オペレータの前方視界を拡大することが可能である。
また、油圧ホース20には、供給用と戻り用のホースが一体に構成された「ツインホース」と呼ばれる油圧ホース20を採用することができる。
また、前記実施例におけるリヤ側の油圧配管装置40では、プーリー53及びローラー63を、車両前後方向に延びる軸線L1〜L4上に配置したが、車両左右方向に延びる軸線上に配置することができる。また、前記実施例におけるリヤ側の油圧配管装置40では、上下2本ずつの油圧ホース20を掛装するものを例示したが、上下1本ずつあるいは3本ずつ以上の油圧ホース20を掛装するように構成することが可能である。また、リヤ側の油圧配管装置40に掛装する上下の油圧ホース20は、同数に限らず、異なる本数であっても差し支えない。
また、前記下段側のホース掛装部50には、プーリー53に代え、ローラーを採用することができる。
また、前記上段側のホース掛装部60は、3個のローラー63に限定されるものではなく、2個あるいは4個以上のローラー63等の回転体で構成することができる。また、前記実施例では、上段側のホース掛装部60に同一の外径の複数のローラー63を採用したが、異なる外径のローラー63を採用することもできる。また、上段側のホース掛装部60には、複数のローラー63に代え、複数のプーリーを採用したり、あるいはローラーとプーリーの組合せを採用することができる。
また、下段側のホース掛装部50についても、前記上段側のホース掛装部60と同様に、複数の軸線上で回転可能な複数のローラー、プーリー等の回転体で構成することができる。また、この場合も、同一の外径あるいは異なる外径の複数の回転体を採用したり、ローラーとプーリーの組合せを採用したりすることができる。
本発明の実施例1にかかるフォークリフトのリフト装置の概要を示す正面図である。 油圧配管装置を示す正面図である。 図2のIII−III線断面図である。 油圧配管装置を示す斜視図である。 油圧配管装置に2本の油圧ホースを掛装した例を示す正面図である。 実施例2にかかる油圧配管装置を示す正面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 油圧配管装置を示す斜視図である。 従来例にかかるフォークリフトのリフト装置の概要を示す正面図である。 上下2段のホースプーリーを設けた油圧配管装置を示す正面図である。
符号の説明
20 油圧ホース
40 リヤ側の油圧配管装置
50 下段側のホース掛装部
53 プーリー
60 上段側のホース掛装部
63 ローラー
68 溝付きローラー
68a 案内溝

Claims (5)

  1. 産業車両に装備される油圧ホースを上下2段に分けて掛装する産業車両の油圧配管装置であって、
    前記下段側の油圧ホースを掛装する下段側のホース掛装部は、一軸線上又は複数の軸線上で回転可能な回転体により油圧ホースを案内可能に構成され、
    また、前記上段側の油圧ホースを掛装する上段側のホース掛装部は、複数の軸線上でそれぞれ回転可能に設けられた複数の回転体の協働により油圧ホースを案内可能に構成されている
    ことを特徴とする産業車両の油圧配管装置。
  2. 請求項1に記載の産業車両の油圧配管装置であって、
    前記下段側のホース掛装部が1つの回転体であるプーリーで形成されているとともに、前記上段側のホース掛装部の複数の回転体がそれぞれローラーで形成されていることを特徴とする産業車両の油圧配管装置。
  3. 請求項2に記載の産業車両の油圧配管装置であって、
    前記上段側のホース掛装部における複数のローラーのうち、少なくとも1つが油圧ホースを受入可能な案内溝を有する溝付きローラーで形成されていることを特徴とする産業車両の油圧配管装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の産業車両の油圧配管装置であって、
    前記上段側のホース掛装部の複数の回転体が、下段側のホース掛装部における油圧ホースの曲率半径の中心を通る鉛直線上でその曲率半径内に位置する点を中心とする円周線の上側半周部に配置されていることを特徴とする産業車両の油圧配管装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の産業車両の油圧配管装置であって、
    三段マスト式フォークリフトに装備されることを特徴とする産業車両の油圧配管装置。

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