JP2005319794A - 輪転印刷機 - Google Patents

Abstract

【課題】 本発明の課題は、新規な輪転印刷機を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、１つのロール紙担体（１２）に静的な印刷画像を印刷するため連続的に接続された複数の印刷ユニット（１３，１４，１５，１６）と、これらの印刷ユニットに後置接続された１つの折り構造部（１７）と、この折り構造部に後置接続された１つの折り装置（２３）と、静的な印刷画線部を特にテキストおよび／またはイメージの要素を変化させて個別化するための１つのインプリント装置（２４）とを備えた輪転印刷機に関する。本発明によれば、前記インプリント装置（２４）が、輪転印刷機の折り構造部（１７）の領域に組み込まれている。
【選択図】図１

Description

本発明は、請求項１の前段に規定する構成による輪転印刷機に関する。

輪転印刷機では、印刷材料に対するロール紙担体を利用している。その場合、印刷材料は、ロール紙担体から引き出され、好ましくは複数の印刷ユニットを通過して順次移動し、どの印刷ユニットでも印刷材料、好ましくはその材料の下側および上側に印刷インクが塗布される。自動式印刷の場合には、通常、４つの印刷ユニットが連続配置されている。その場合、これらの印刷ユニットの各々では、処理用インク、黒色、シアン、マゼンタおよび黄色が印刷材料の上に塗布される。これらの印刷ユニットには、所謂折り構造部が後置接続されていて、その場合、この折り構造部の後ろに所謂折り装置が配設されている。折り構造部の中では、印刷された印刷材料が、主に裁断され、転回バーにより適当な相対位置とされて折り装置に導入される。この種の輪転印刷機は、例えば非特許文献１により周知である。

更に、この種の輪転印刷機には所謂インプリント装置（インプリンターとも称される）が組み込まれていることも、従来の技術により既に周知である。その場合、この種のインプリント装置は、印刷ユニットで印刷された静的な印刷画線部を特にテキスト要素もしくはイメージ要素を変化させて個別化するために使用されている。従来の技術によれば、このインプリント装置は、静的な印刷画線部を発生させるためこのインプリント装置がロール紙担体と第１印刷ユニットとの間に配置されるように輪転印刷機の中に組み込まれている。
ヘルムート・キッパン（Helmut Kipphan）著「印刷媒体のハンドブック」 (Handbuch der Printmedien)、 第１６０頁、２０００年、スプリンガー（Springer）出版社

上記の従来技術に鑑み、本発明の課題は、新規な輪転印刷機を提供することにある。

上記の課題は、請求項１による輪転印刷機によって解決されている。本発明によれば、インプリント装置は、輪転印刷機の折り構造部の領域に組み込まれている。

ここに提唱する発明によれば、インプリント装置を輪転印刷機の折り構造部の領域、特に折り構造部に設けられた裁断装置の後ろに組み込むことを提案している。ここに提唱する発明は、インプリント装置を折り構造部の領域に組み込んで得られる輪転印刷機が、１個のインプリント装置で簡単にしかも低コストで増強されるという認識に基づいている。更に、本発明は、通常、変化するテキスト要素もしくはイメージ要素を用いて印刷物の選択された面のみが個別化されるので、この観点の下でも、インプリント装置を折り構造部の領域に配置することは有利であるという認識に基づいている。

本発明の有利な構成によれば、折り構造部には１つの裁断装置と複数の転回バーとが設けられ、その場合、インプリント装置は、この装置が裁断装置によって切り離された印刷材料の一部のウェブのみに対応して設けられるように、輪転印刷機の中の裁断装置と転回バーとの間に組み込まれている。このインプリント装置が、直接画線部形成原理に従って動作するテジタル印刷ユニットとして形成されていると好ましい。

本発明の有利な構成は、従属請求項および以下の説明により明らかになる。本発明の実施例を、それに限定されることなく、図面に基づきより詳しく説明する。以下、図１〜３を参照してここに提唱する発明を非常に詳しく説明する。

図１は、印刷材料１１の水平なウェブを用いる輪転印刷機１０を示し、この場合、図１の輪転印刷機１０は、好ましくは端物印刷機である。図１によれば、この種の輪転印刷機１０では印刷材料１１が、ロール紙担体１２の上に保持され、このロール紙担体から巻き出され、連続的に配置されている複数の印刷ユニット１３，１４，１５および１６を通過して移動する。その場合、印刷ユニット１３〜１６は、印刷材料１１に静的な印刷画線部を画線部形成するために使用されている。自動式印刷の場合には、これらの印刷ユニット１３〜１６の各々では処理用インク、黒色、シアン、マゼンタおよび黄色が印刷材料１１の上に塗布される。つまり、好ましくはこの印刷材料の上側と下側に塗布される。

印刷ユニット１３〜１６の中で印刷材料１１に画線部形成することに続き、この印刷材料１１は、輪転印刷機１０の所謂折り構造部１７に導入される。図１によれば、印刷材料１１は、折り構造部１７の領域で裁断装置１８を使用して好ましくは真ん中で分離される。

つまり、ロール紙担体１２から引き出され、印刷ユニット１３〜１６を通過して移動する印刷材料は、例えば４つの紙面の幅になっているので、裁断装置１８によって印刷材料１１を分離した後、印刷材料１１の２つの部分ウェブ１９および２０が生じ、これらの部分ウェブはそれぞれ２つの紙面の幅になっている。更に、図１では折り構造部１７に複数の転回バー２１も設けられていることが示されている。これらの転回バー２１により、最初に隣接して位置決めされていた部分ウェブ１９および２０は、転回バーを離れると上下に整列するように調整される。これらの転回バーに続き、印刷材料１１のそのように調整された部分ウェブ１９および２０は折り装置２３のフォーマ２２に導入される。

ここに提唱する発明によれば、インプリンターとも称されるインプリント装置２４を、輪転印刷機１０の折り構造部１７の領域に、つまり折り構造部１７の裁断装置１８と転回バー２１との間に組み込むことを提案している。図１から分かるように、部分ウェブ２０のみが印刷ユニット２４の領域を通過して移動するが、印刷材料１１の部分ウェブ１９はインプリント装置２４の傍を通過する。従って、ここに提唱する発明によれば、折り構造部１７の中に組み込まれているインプリント装置２４は、裁断装置１８で分離された印刷材料１１の一部のウェブのみに、つまり部分ウェブ２０に対応して設けられている。

それ故、ここに提唱する発明によれば、印刷材料１１を、部分ウェブ２０の領域でのみテキストの要素もしくはイメージの要素を変化させて個別化している。本発明の上記態様は、輪転印刷機１０で生じる印刷物が、通常、動的なテキストの要素もしくはイメージの要素を有する幾つかの紙面の領域でのみ個別化されるという認識に基づいている。これに反して、他の紙面では完全に静的な印刷画線部で構成されている。

従って、印刷ユニット２４は、作成すべき印刷物の動的なテキストまたはイメージの要素で個別化されている紙面を有する部分ウェブ２０のみに対応して設けられている。

図２は、本発明による輪転印刷機２５の他の実施例を示す。この印刷機は、印刷材料が垂直に移動する点に特徴がある。図２の印刷機２５は、新聞印刷機である。図２から分かるように、輪転印刷機２５には、複数のロール紙担体１２と印刷ユニット１３，１４，１５および１６からなる複数のグループとがある。印刷ユニット１３〜１６のこれらのグループの各々では、印刷すべき新聞の異なる紙面が印刷される。図２の印刷機２５の構造は図１の印刷機１０の構造と大体のところ一致しているので、不要な繰り返しを避けるため、ここでは同じ構造グループに対して同じ参照符号を使用する。

図２から分かるように、図示する実施例では、印刷ユニット１３〜１６の１つのグループだけに折り構造部１７の領域でインプリント装置２４が設けられている。つまり、裁断装置１８によって分離された印刷材料１１の１つの部分ウェブ２０のみにインプリント装置２４が対応して設けられている。その限りでは、図２の第２実施例の本発明による輪転印刷機２５を用いても、印刷すべき新聞の幾つかの紙面だけが、変化するつまり動的なテキスト要素またはイメージ要素で個別化される。

図３は、可能性のあるインプリント装置２４をより詳しく示したものである。図３から分かるように、インプリント装置２４は、２つの版胴２６および２７と、２つのゴム胴２８および２９と、１つの圧胴３０とを用いている。ゴム胴２８は版胴２６と協働し、ゴム胴２９は版胴２７と協働する。これに対して、両方のゴム胴２８および２９は同一の圧胴３０と協働する。

図３のインプリント装置２４により、ただ１つの圧胴３０を使用して印刷画線部の複数の動的な要素を、印刷材料１１、つまりこの印刷材料の部分ウェブ２０の上に同時に印刷することができる。印刷時には、版胴２６と版胴２７との間で、あるいは対応するゴム胴２８や２９の間で選択的に切り替えることもできる。この場合、例えば版胴２６とゴム胴２８とにより、印刷材料１１の部分ウェブ２０の上に、変化するテキストまたはイメージの要素を付けることができるが、版胴２７およびゴム胴２９のところでは整列調整作業が行われる。

図３のインプリント装置の代わりに、１つの版胴と、１つのゴム胴と、１つの圧胴とを有するインプリント装置も採用でき、この装置は、所謂ゴム・サテライト原理に従って動作する。２つの版胴と２つのゴム胴とを有するインプリント装置を使用することもでき、この装置は、所謂ゴム・ゴム原理に従って動作する。これについては、インプリント装置の他の態様を当業者により選択することができる。このインプリント装置は、表面印刷処理法であるいは裏面印刷処理法でも動作させることができる。

インプリント装置２４をデジタル印刷装置として形成し、このデジタル印刷装置が、直接画線部形成原理に従う再書込可能および消去可能な印刷版で動作する、ここに提唱している本発明の構成は特に有利である。この種の印刷装置は本出願人により製品名称「ＤＩＣＯｗｅｂ（商標）」の下で販売されている。「ＤＩＣＯｗｅｂ（商標）」印刷装置のそれに応じた詳細はここに関連する当業者には周知であり、それ故にこれに関しては更に説明することは必要ない。

本発明の第１実施例における本発明による輪転印刷機の大幅に模式化した図面である。 本発明の第２実施例における本発明による輪転印刷機の大幅に模式化した図面である。 図１および２の輪転印刷機のインプリント装置の大幅に模式化した図面である。

符号の説明

１０ 輪転印刷機
１１ 印刷材料
１２ ロール紙担体
１３ 印刷システム
１４ 印刷システム
１５ 印刷システム
１６ 印刷システム
１７ 折り構造部
１８ 裁断装置
１９ 部分ウェブ
２０ 部分ウェブ
２１ 転回バー
２２ フォーマ
２３ 折り装置
２４ インプリント装置
２５ 輪転印刷機
２６ 版胴
２７ 版胴
２８ ゴム胴
２９ ゴム胴
３０ 圧胴

Claims (6)

1. １つのロール紙担体（１２）と、印刷材料（１１）に静的な印刷画線部を印刷するため連続的に接続された複数の印刷ユニット（１３，１４，１５，１６）と、これらの印刷ユニットに後置接続された１つの折り構造部（１７）と、この折り構造部に後置接続された１つの折り装置（２３）と、特にテキストおよび／またはイメージの要素を変化させて、静的な印刷画線部を個別化するための１つのインプリント装置（２４）と、を備えた輪転印刷機において、
   前記インプリント装置（２４）が、輪転印刷機の折り構造部（１７）の領域に組み込まれていることを特徴とする輪転印刷機。
2. 折り構造部（１７）には、１つの裁断装置（１８）と複数の転回バー（２０）とが設けられ、インプリント装置（２４）は、輪転印刷機の裁断装置（１８）と転回バー（２０）との間に組み込まれていることを特徴とする請求項１に記載の輪転印刷機。
3. インプリント装置（２４）は、裁断装置（１８）で分離された印刷材料（１１）の１つの部分ウェブ（２０）のみに対応して設けられていることを特徴とする請求項２に記載の輪転印刷機。
4. インプリント装置（２４）は、再書込可能で消去可能な印刷版を用いて直接画線部形成原理により動作するデジタル印刷装置として構成されていることを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の輪転印刷機。
5. インプリント装置（２４）は、デジタルＤＩＣＯｗｅｂ（商標）印刷装置として形成されていることを特徴とする請求項４に記載の輪転印刷機。
6. インプリント装置（２４）は、２つの版胴（２６，２７）と、２つのゴム胴（２８，２９）と、１つの圧胴（３０）とを有し、両方のゴム胴（２８，２９）は、両方の版胴（２６，２７）のそれぞれ一方および圧胴（３０）と協働することを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載の輪転印刷機。
   

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