JP2005319567A - ドリルの刃先研削機 - Google Patents

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健夫 板倉
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Abstract

【課題】心厚が30〜40%ある重切削用ツイストドリルの刃をセットするだけで簡単に研削できるドリルの刃研削機を提供する。
【解決手段】ドリルの刃先研削用のホイールは、両端の角の角度がほぼ60度と120度のCBN製のテーパーホイールで、テーパー面と、120度の角部を研削に使用するようにしてあり、それぞれの部分を使って研削をするためにドリルの刃をくわえて所定の角度と動きでホイールに押し当てるためのドリルの刃保持具が取り付けてあるドリルの刃先研削機。
【選択図】図1

Description

本発明はドリルの刃先の研削機に関する。
従来ドリルの刃は長年にわたって様々な改良が行なわれてきており、その形状も多種にわたる。厚い鋼材に穴を穿けるドリルの刃は強度を要求され、心厚の厚いものを使用する必要があった。心厚の厚いドリルの刃先端に逃げ面を作るだけの研削ではチゼルエッジの幅が大きくなり、穴あけ加工時のスラスト加重は大きく、食い付き性、求心性も悪かった。
上記の問題を解決するために様々なシンニングの方法が提案されているが、刃の欠けにくい重切削用ドリルを得るために、心厚、逃げ溝形状、逃げ面やチップポケットの形について研究を重ねた結果以下述べるようなドリルが最適であることを見出した。(特許文献1参照)心厚が直径に対し、30〜40%、ねじれ角が30°前後、のツイストドリルで特殊な逃げ溝の断面形状を持ったドリルの刃を使用し、その逃げ面を研削する際に、先端角が切れ刃部分から円周に沿って後方に行くに従って1度〜5度ほど小さくなるように、かつ逃げ面の下線がドリルの中心軸に対してほぼ垂直な円周上にあるようにドリルの刃をホイールに対して相対的に少しずつ後退させながら研削することにより、チゼル角を通常の研削より鋭角にし、ドリルを横から見たときドリルの先端を尖らせることができる。
特願2003−373424
更にドリルの刃の逃げ面後縁と切れ刃のチゼルエッジに近い部分を同時に削って、チゼルエッジの長さがドリルの直径のほぼ10%になるように、かつこの部分の刃先のすくい角が−10度〜−20度になるようにシンニングをおこなってチップポケットを設けるが、このチップポケットに接する刃先部分の幅がドリルの半径のほぼ半分ぐらいになるようにする。このように仕上げることにより、切れがよく、刃が欠けにくく、長持ちのするドリルの刃を得ることができることが解った。上記のようなドリルの刃を通常の角が直角のホイールをセットしたグラインダーで研削しようとすると、逃げ面の研削はかなり熟練すれば、あるいは高価なNC制御の装置を使用すれば不可能ではないが、チップポケットとマイナスのすくい角を持った刃の部分を同時に削りだすことはできない。
上記のような重切削用のドリルの刃を、熟練を要せず、セットして動かすだけで簡単に研削できる廉価なドリルの刃先研削機を提供する。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、ドリルの刃先研削用のホイールは両端の角の角度がほぼ60度と120度のCBN製のテーパーホイールを使用し、テーパー面と、120度の角部をそれぞれドリルの刃先の別部分の研削に使用するようになっている。実際的には双頭グラインダーの左右に同等のテーパーホイールを取り付け、定期的に左右のホイールを交換しながら使用するのが良い。それぞれの研削をするためにドリルの刃をくわえて所定の角度でホイールに押し当てるためのドリルの刃保持具が取り付けてある。
ホイールのテーパー面は60度の角から見てほぼ2/3ほどの面をドリルの刃の逃げ面を研削するのに使用するが、こちらの保持具はドリルの刃をセットした後ドリルの刃の切れ刃部分をホイールに押し当て、ドリルの刃を切削加工に使用するときと同じ回転方向にゆっくりと廻しながら逃げ面を研削するに当たり、ドリルの刃を廻すに従いドリルの刃の先端角が5度〜10度ほど小さくなると同時にドリルの刃はホイールのテーパー面から見て相対的に少しずつ後退するようなカム機構が備わっている。
また120度の角の方は、角を挟むテーパー面側と端面側の両面を使用するが、テーパー面側については120度の角からほぼ1/3を研削に使用する。こちら側のドリルの刃保持具は、ドリルの刃の、逃げ面後縁と切れ刃のチゼルエッジに近い部分を同時に削ってチップポケットを作り、切れ刃のすくい角を−10度〜−20度になるように研削できるような角度でドリルの刃を保持できて、押し付けられるようになっている。
上記のカム機構を備えたドリルの刃保持具を使用して逃げ面を研削することにより、先端角が切れ刃部分から円周に沿って後方に行くに従って5度〜10度ほど小さくなるように、かつ逃げ面の下線がドリルの中心軸に対してほぼ垂直な円周上にあるように研削することができ、チゼル角は通常の研削より鋭角になり、ドリルを横から見たときドリルの先端を尖らせることができる、かつチップポケットを設けてチゼルエッジの長さを短くしてあるので、穴あけ加工時のスラスト加重は大きくならない。
120度の角部分を使ってする研削はチップポケットを作る加工作業と切れ刃のすくい角を−10度〜−20度にする加工作業を同時に行うことができるので作業時間の短縮と加工精度の向上を図れる。
CBN製のホイールを使用するために水冷にする必要が無い。時々左右のホイールを交換して使用するので、ひとつのホイールについて言えばテーパー面の全面を研削に使用することになり、ホイールの全面を無駄なく使用できるので経済的である。
発明の実施するための最良の形態
双頭グラインダーの左右に同等のドリルの刃研削用ホイールを取り付ける。ホイールは両端の角の角度がほぼ60度と120度のCBN製のテーパーホイールを使用し、一方のホイールはテーパー面を、もう一方のホイールは120度の角部を、それぞれドリルの別部分の研削に使用するようになっている。テーパー面はドリルの刃の逃げ面を研削するのに使用し、120度の角部はチップポケットを研削するのに使用する。それぞれのホイールの前にはドリルの刃を所定の角度でホイールに押し当てるためのドリルの刃保持具が取り付けてある。ドリルの刃をいったんチャック機構を持ったホルダーに一定の長さ先端部を出し、切れ刃を定位置で装着し、チャックで固定した後、そのホルダーのままドリルの刃保持具にセットするようになっている。
テーパー面を使用する側の保持具は、ドリルの刃を装着したホルダーをセットした後、ドリルの刃の切れ刃部分をホイールに押し当て、ドリルの刃を切削加工に使用するときと同じ回転方向にゆっくりと廻しながら逃げ面を研削するに当たり、ドリルの刃を廻すに従って、ドリルの刃の先端角が1度〜5度ほど小さくなると同時に、ドリルの刃はホイールのテーパー面に対して相対的に少しずつ後退するようなカム機構が備えてある。
120度の角部を使用する側のドリルの刃保持具は、ドリルの刃の、逃げ面の後縁と切れ刃のチゼルエッジに近い部分を、同時に削ってチップポケットを作り、切れ刃のすくい角を−10度〜−20度になるように研削できるような角度でドリルの刃を保持できて、押し付けられるようにしてある。
本発明のドリル研削機を図面に基づいて説明すると、図1はドリルを既にセットした研削機の状態を示す斜視図である。双頭グラインダー1の両端には60度と120度の角を持ったテーパーホイール2,2′が取り付けてある。左側のホイール2はテーパー面3を使用してドリルの刃の逃げ面を研削する。ドリル4を装着したホルダー5が第1ドリルの刃保持具6にセットされている。ドリルの柄を持って時計回りに廻すと第一カム7が働いてドリルの刃先はホイールから右に逃げるように動き、同時に第2カム8が働いてドリルの刃は少し前に繰り出されるがホイールのテーパー面に対しては相対的には少し後退する。右回転、左回転を数回繰り返して研削を行う。
右側のホイール2′は120度の角9を研削に使用する。こちら側の第2ドリルの刃保持具10にホルダー5′をセットすると、自動的にホイールの120度の角9に、ドリルの刃の逃げ面後縁と切れ刃のチゼルエッジに近い部分に挟まれたところがあたるようになっており、ドリル4 の柄を持ってホイールに押し付けて切削するとチップポケットが形成できる。所定の位置まで研削できるとストッパー11で止まるようになっている。
以上述べてきた研削方法で研削した重切削用のドリルの刃は通常のドリルの刃と比べると倍の切削おくりで切削でき、刃が欠けにくいなど寿命も倍ほど長くもち、またクランク軸の油穴などの深穴を研削できるので、それを簡単に研削できる本発明のドリル刃先研削機は厚い鉄板の穴あけ加工には大変有用である。
またこの研削機は上記のドリルの刃の形状のみならずチゼルエッジを持たないゼロポイントドリルの刃の研削にも対応できる。
本発明のドリルの刃先研削機の斜視図
符号の説明
1 双頭グラインダー
2,2′テーパーホイール
3 テーパー面
4,4′ドリル
5,5′ホルダー
6 第1ドリルの刃保持具
7 第1カム
8 第2カム
9 120度の角
10 第2ドリルの刃保持具
11 ストッパー

Claims (5)

  1. 心厚が30〜40%ある重切削用ツイストドリルの刃を研削する研削機において、ホイールは両端の角の角度がほぼ60度とほぼ120度のテーパーホイールで、テーパー面と、120度の角部を研削に使用するようになっている。それぞれの研削をするためにドリルの刃を保持して所定の角度でホイールに押し当てるためのドリルの刃保持具が取り付けてある。ホイールのテーパー面はドリルの刃の逃げ面を研削するのに使用するが、こちらの保持具はドリルの刃をセットした後ドリルの刃の切れ刃部分をホイールに押し当て、ドリルの刃を切削加工に使用するときと同じ回転方向にゆっくりと廻しながら逃げ面を研削するに当たり、ドリルの刃を廻すに従いドリルの刃の先端角が小さくなると同時にドリルの刃はホイールに対して相対的に少しずつ後退するようなカム機構が備わっている。また120度の角を挟む両面を研削に使用する側のドリルの刃保持具は、ドリルの刃の、逃げ面後縁と切れ刃のチゼルエッジに近い部分を同時に削ってチップポケットを作り、切れ刃のすくい角を−10度〜−20度になるように研削できるような角度でドリルの刃を保持できて、押し付けられるようになっている。以上の特徴を備えたドリルの刃先研削機。
  2. 本体はホイールを左右に2つ持つ双頭グラインダーで、それぞれのホイールは両端の角の角度がほぼ60度とほぼ120度のテーパーホイールで、左右のホイールは同等のものであり、片一方のホイールではテーパー面をドリルの刃の研削に使用し、もう一方のホイールは120度の角部を挟む両面をドリルの刃の研削に使用するようになっており、それぞれのホイールの前にはドリルの刃保持具が設置されていることを特徴とする請求項1記載のドリルの刃先研削機。
  3. ドリルの刃をいったんチャック機構を持ったホルダーに一定の長さ先端部を出し、切れ刃を定位置で装着した後固定し、そのホルダーのままドリルの刃保持具にセットするようになっていることを特徴とする請求項1、2記載のドリルの刃先研削機。
  4. CBN(立法晶窒化ホウ素)材料のCBNホイールを使用することを特徴とする請求項1乃至3記載のドリルの刃先研削機。
  5. CBNとダイヤモンドの混合ホイールを使用することを特徴とする請求項1乃至3記載のドリルの刃先研削機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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