JP2005319211A - 蛍光観察内視鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蛍光分光測定の対象物を蛍光分光測定のための光学系を通じて観察することができる蛍光内視鏡装置を、提供する。
【解決手段】レーザーユニット40から射出されたレーザー光は、第1ビームスプリッタ22を透過して、CFB16によって導光された後に、第1結像レンズ11を通じて被検部に照射される。このレーザー光によって被検部の生体組織から発した蛍光は、第1結像レンズ11によって、CFB16の先端面に被検部の像を結ぶ。この像は、CFB16によってその基端面まで伝送される。CFB16の基端面に現れた像から発した蛍光は、第1ビームスプリッタ22によって反射され、第2ビームスプリッタ25によって分離され、撮像素子35の撮像面及び分光器30の受光面に夫々像を再結像する。撮像素子35によって撮像された蛍光画像と分光器30によって分光測定された分光スペクトルは、夫々、モニター60上に表示される。

Description

本発明は、内視鏡を通じて被検部に蛍光励起用の励起光を照射することによって被検部の生体組織から発した蛍光による像を撮像する蛍光観察内視鏡装置に、関する。
生体組織に対してある波長帯域の光を励起光として照射すると、生体組織から蛍光が発せられることが知られている(この蛍光は「自家蛍光」と言われる)。さらに、自家蛍光の強度は生体の病変組織(腫瘍,癌)から発生するものの方が正常組織から発生するものよりも低いので、画像として表されると、病変組織を内包した病変部位が正常組織のみからなる正常部位よりも暗く表示されることも、知られている。
このような知識をベースに、内視鏡を通じて生体の自家蛍光を撮像し、生体が正常であるか異常であるかの診断に供される蛍光画像を表示する蛍光観察内視鏡装置が、提案されている。このような蛍光観察内視鏡装置は、従来の内視鏡(電子内視鏡)及び光源プロセッサ装置(電子内視鏡から出力された映像信号を処理してビデオ信号として出力するプロセッサを備えた光源装置)を改変することによって、構成されている。具体的には、蛍光観察内視鏡装置に用いられる電子内視鏡は、そのライトガイドファイババンドル(以下、単に「ライトガイド」という)として青〜紫外帯域の光に対する透過性が良い石英ガラスファイバーからなるものが用いられ、その対物窓から撮像素子に至る光路中に励起光として用いる特定波長の光をカットするための励起光カットフィルタが挿入されたものとなっている。また、光源プロセッサ装置は、白色光又は励起光とを任意に切り替えて内視鏡のライトガイドに導入できるように構成されているとともに、白色光をライトガイドに導入する時(以下、「通常観察モード」という)と励起光をライトガイドに導入する時(以下、「蛍光観察モード」という)とで、電子内視鏡から出力される映像信号に対する画像処理内容を変更するように構成されている。
このように構成されている蛍光観察内視鏡装置を使用する術者(医師)は、光源プロセッサ装置を通常観察モードに設定した状態で、通常の内視鏡を用いる場合と同様にしてモニター上に表示される画像(即ち、体腔内挿入部先端から照射された白色光の体腔内壁表面での反射光による像を撮像素子が撮像することによって得られた通常カラー画像)を観察しながら、その体腔内挿入部の先端を被験者の体腔内に挿入して行く。そして、異状が生じている疑いのある部位(被検部)をその画像内に捉えると、術者は、光源プロセッサ装置を蛍光観察モードに切り替える。すると、白色光の代わりに励起光が体腔内挿入部先端から被検部に向けて照射され、その励起光によって励起された体腔内壁下の生体組織から生じた蛍光のみによる被検部の像が対物光学系によって形成され、これを撮像素子が撮像することによって得られた画像(蛍光画像)がモニター上に表示される。この蛍光画像では、上述したように異状部が暗くなっている他、元々励起光が届かない部位(例えば、体腔内の奥)も暗い陰となっている。但し、後者の部位は、通常観察モードにおいても照明光が届かないので、通常カラー画像でも暗くなっているはずである。そこで、術者は、一時的に通常観察モードに切り替えることによって蛍光画像と通常カラー画像とを比較して、蛍光画像中の暗部のうち陰の部分を特定し、陰でない暗部があれば、それを異状部位と特定するのである。
特開平09−131306号公報
しかしながら、上記構成を有する従来の蛍光観察内視鏡装置は、励起光カットフィルタを透過した蛍光が結ぶ像を撮像して、その像における蛍光強度分布をディスプレイ上に表示するものであったので、どのようなスペクトルの蛍光が生じているのかを正確に知ることは困難であった。
この点、内視鏡に通常備えられている鉗子チャンネルを通じて、体腔内挿入部の先端までファイバープローブを挿通し、そのファイバープローブを通して蛍光を分光測定器に導き、この分光測定器によって蛍光のスペクトルを測定するライトプローブ方式の蛍光内視鏡システムならば、既に実用されている。
しかしながら、このライトプローブ方式の蛍光内視鏡システムによると、鉗子チャンネルの先端から突出したライトプローブの先端と、体腔内挿入部の先端に組み込まれた対物光学系とが、体腔内挿入部の先端面内でずれている為に、このライトプローブ先端を正確に被検部に当接させことが困難であるという問題がある。つまり、術者は、対物光学系を通じて撮像される映像を見ながらライトプローブ先端を被検部に近づけるための操作をするのであるが、この映像を撮像中は、ライトプローブ先端を斜め手前から見ている構図になるので、このライトプローブ先端の軸がどこを向いているのかが見当付かない。その為に、ライトプローブ先端を目標としている被検部に正確に当接することが困難なのである。しかも、ライトプローブ先端を安定して保持するには、鉗子チャンネルからのライトプローブの突出量をできるだけ少なくする必要があるが、そのようにしてライトプローブの突出量を少なくしてしまうと、ライトプローブの先端が対物光学系及び撮像素子の視野から外れて全く見えなくなってしまうという問題も生じる。
そこで、本発明の課題は、蛍光分光測定の対象物を、この蛍光分光測定のための光学系を通じて観察することができ、もって、蛍光分光測定のための光学系を正確且つ容易に測定対象物に導いて接触させることが可能な蛍光内視鏡装置を、提供することである。
上記の課題を解決するために案出された本発明による蛍光観察内視鏡装置は、体腔内の被検部に励起光を照射し、この励起光によって励起した被検部の生体組織が発する蛍光による像を内視鏡によって撮像する蛍光観察内視鏡装置であって、その先端に結像光学系を備えると共に、この結像光学系によってその先端面に形成された被検部の像を基端面まで伝送するファイババンドルを内蔵した内視鏡と、励起光を発する励起光光源と、この励起光光源から発した励起光を前記ファイババンドルの基端面に導く光学系であって、この励起光を前記ファイババンドルの端面に収束させる集光レンズを含む励起光光学系と、前記ファイババンドルの端面と前記集光レンズとの間に配置され、前記ファイババンドルの端面から出射した光束を前記励起光の光路から分離する第1の分離光学素子と、この第1の分離光学素子によって分離された前記光束を収束させることによって前記ファイババンドルの基端面に伝送された像を再結像させる再結像光学系と、この再結像光学系によって再結像された像を撮像する撮像素子と、前記第1の分離光学素子と前記撮像素子との間に配置され、前記第1の分離光学素子によって分離された前記光束を更に分離する第2の分離光学素子と、この第2の分離光学素子によって分離された光束を分光測定する分光器と、前記第1の分離光学素子と前記撮像光学素子及び前記分光器との間に配置され、前記励起光と同じ波長帯域の光を遮断するフィルタ手段とを備えたことを特徴とする。
このように構成されると、励起光光源から発した励起光は、励起光光学系を通じて内視鏡内のファイババンドルの基端面に導かれ、集光レンズによって収束されることによって、このファイババンドルの基端面に入射する。ファイババンドルは、その基端面から入射した励起光をその先端面から射出する。すると、結像光学系が、この励起光を、被検部に照射する。この励起光が照射された被検部の生体組織が発する蛍光は、内視鏡の再結像光学系に入射することによって、ファイババンドルの先端面に被検部の像を結ぶ。この像は、ファイババンドルによってその基端面まで伝送され、その基端面に再現される。この基端面から発した前記像を形成する蛍光は、第1の分離光学素子によって励起光の光路から分離され、第2の分離光学素子によって更に分離される。この第2の分離光学素子によって分離された蛍光の一方は、再結像光学系によって、撮像素子の撮像面に、ファイババンドルの基端面に現れた像を再結像させる。この像は、この撮像素子によって撮像される。第2の分離光学系によって分離された蛍光の他方は、分光器によって再結像される。従って、撮像素子が像を撮像することによって得られた映像信号によって表示される映像の中心は、結像光学系の光軸の延長線に一致する。従って、術者がこの映像を見ながら、映像の中心に被検部の中心を捉えた状態を維持する様に内視鏡を操作すれば、簡単に、結像光学系の光軸を被検部の中心に接触させることができる。しかも、撮像素子によって撮像される像を形成する光束は、分光器に入射する光束と等価なので、術者は、分光器によって分光測定されている対象を常時認識することができる。
以上に説明したように、本発明の蛍光観察内視鏡装置によれば、蛍光分光測定の対象物を、この蛍光分光測定のための光学系を通じて観察することができ、もって、蛍光分光測定のための光学系を正確且つ容易に測定対象物に導いて接触させることが可能となる。
次に、添付図面に基づいて、本発明を実施するための形態を、説明する。
図1は、本発明による蛍光観察内視鏡装置の実施の形態である内視鏡システムの外観図である。図1に示されるように、この内視鏡システムは、蛍光観察内視鏡10,光源プロセッサ装置20,及び、モニター60を、備えている。
蛍光観察内視鏡10は、通常の電子内視鏡に蛍光観察用の改変を加えたものであり、図3に示すように、体腔内に挿入されるために細長く形成されている体腔内挿入部10a,その体腔内挿入部10aの先端部分を湾曲操作するためのアングルノブ等を有する操作部10b,操作部10bと光源プロセッサ装置20とを接続するためのライトガイド可撓管10e,及び、このライトガイド可撓管10eの基端に設けられたコネクタ10dを、備えている。
図2の概略図に示すように、体腔内挿入部10aの先端面には、第1結像レンズ(結像光学系に相当)11及び第2結像レンズ(対物光学系に相当)12が夫々嵌め込まれている。そして、この体腔内挿入部10aの内部には、第2結像レンズ12の光軸に沿って、この第2結像レンズ12によって形成された被写体の像を撮影する撮像素子13が、組み込まれている。この撮像素子13は、その撮像面にモザイクフィルタが被せられたカラー固体撮像素子(カラーCCD)である。第2結像レンズ12と撮像素子13との間には、第2結像レンズ12から射出された光束から所定波長帯域の光(後述する励起光1に相当する波長の光)を遮断する励起光カットフィルタ14が挿入されている。
撮像素子13から出力された映像信号を伝送するための信号ケーブル18は、体腔内挿入部10a,操作部10b及びライトガイド可撓管10e内を引き通されて、コネクタ10dの端面に設けられた電気コネクタ17に接続されている。
この信号ケーブル18と並行して、体腔内挿入部10a,操作部10b及びライトガイド可撓管10e内には、CFB(コヒーレントファイババンドル,即ち、レーザー光に対する透過性が優れた光ファイバから構成され、その両端における各光ファイバの並び順が互いに完全に一致しているファイババンドル)16が、引き通されている。このCFB16の先端は、体腔内挿入部10aの先端部内において第1結像レンズ11に対向し、その基端は、コネクタ10dの端面から突出した金属製のパイプ19内に挿入されて固定されている。
第1結像レンズ11は、第2結像レンズ12よりも短い焦点距離を有する正レンズである。よって、CFB16の先端面から射出された光は、第1結像レンズ11によって屈折されて、第2結像レンズ12の作動距離(即ち、通常の観察において被検部を置くべき位置)よりも手前で一旦CFB16の先端面の像を形成し、第2結像レンズ12の作動距離において、第2結像レンズ12及び撮像素子13による撮影範囲の全域に照射される。逆に、第1結像11の作動距離の位置に配置された被写体から発した光は、この第1結像レンズ11によって屈折されて、CFB16の先端面上に当該被写体の像を結ぶ。この被写体の像は、CFB16によって伝送され、CFB16の基端面に再現される。
光源プロセッサ装置20は、蛍光観察内視鏡10が着脱自在に接続され、接続された蛍光観察内視鏡10のCFB16の基端面に照明光(白色光)及びレーザー光を選択的に照射するとともに、蛍光観察内視鏡10の電気コネクタ17を通じて撮像素子13から受信した映像信号に対して画像処理を行い、さらに、CFB16の基端面に再現された像を撮像して映像信号に変換するとともに分光測定して分光スペクトル信号を生成し、得られた映像信号及び分光スペクトル信号に対して画像処理を行い、モニター60へ出力されるビデオ信号を合成する装置である。
この光源プロセッサ装置20の筐体の正面のパネルには、蛍光観察内視鏡10が着脱自在に接続される時に、蛍光観察内視鏡10のパイプ19がその外面側から挿入される筒であるソケット20aが、設けられている。このソケット20aに穿たれた貫通孔は、光源プロセッサ装置20の内部空間に通じている。この光源プロセッサ装置20の内部空間内には、ソケット20aの中心軸(即ち、ソケット20aに挿入されたパイプ19内のCFB16の中心軸)の延長線に沿って順番に、第1ビームスプリッタ22,ロッドレンズ23,集光レンズ28,ハーフミラー29,ロータリーシャッタ32,及び、ランプ33が、配置されている。
ランプ33は、ランプ用電源38によって電源電流が供給されて白色光を発光する電球(図示略)と、この電球から発散光として発した白色光を平行光にするためのレンズ又はリフレクター(図示略)とを備えている白色光光源である。そのため、ランプ33は、白色光を、集光レンズ28の光軸に沿った平行光として、ハーフミラー29に向けて射出する。
ハーフミラー29は、集光レンズ28の光軸に対して45度傾けて配置されている。このハーフミラー29は、ランプ33からの白色光を透過するとともに、集光レンズ28の光軸に対して垂直な方向からの光を、集光レンズ28の光軸に沿って反射して当該集光レンズ28に入射させるハーフミラーである。
これらランプ33とハーフミラー29との間に介在しているロータリーシャッタ32は、図4に示す正面形状を有する板である。即ち、このロータリーシャッタ32は、半径が比較的小さい半円板(以下、「小半径部32a」)と半径が比較的大きい半円板(以下、「大半径部32b」)とを同軸に接合した形状を有している。
このロータリーシャッタ32は、第1モータ34によって回転自在に保持されている。即ち、この第1モータ34は、撮像素子13が1フレームの撮像を行う間に丁度1回転するように回転している。そして、小半径部32aは常にランプ33からの白色光の光路の外に存在するが、大半径部32bはこの白色光の光路に侵入して白色光を遮光するように、このロータリーシャッタ32の回転軸の位置が定められている。
集光レンズ28は、その光軸に沿ってハーフミラー29側から入射してきた平行光を、ソケット20aに挿入されたパイプ19内のCFB16の基端面に向けて、集光する。ロッドレンズ23は、全体として負のパワーを有しているので、集光レンズ28の焦点距離を伸ばす機能を果たしている。
第1ビームスプリッタ22は、ロットレンズ23から射出された白色光及び後述のレーザー光をCFB16の基端面に向けて透過するとともにCFB16の基端面から射出された光を90度反射させる反射面を備えているプリズムであり、第1の分離光学素子に相当する。
一方、ハーフミラー29によって90度折り曲げられた集光レンズ28の光軸上には、順番に、コリメータレンズ39及びレーザーユニット40が、配置されている。レーザーユニット40は、3種類の波長から任意に選択された波長のレーザー光を発散光として射出する装置(励起光光源に相当)であり、コリメータレンズ39は、このレーザーユニット40から発散光として発したレーザー光を平行光とするレンズである。これらコリメータレンズ39,ハーフミラー29,集光レンズ28,ロッドレンズ23及び第1ビームスプリッタ22が、励起光光学系に相当する。
図5は、レーザーユニット40の詳細構成を示す図である。この図5に示されるように、このレーザーユニット40は、基板上に固定された第1乃至第3の半導体レーザー401〜403,同じく基板上に固定されたロッドレンズ404,各半導体レーザー401〜403の発光点から発したレーザー光を夫々ロッドレンズ404の基端に導く第1乃至第3の光ファイバー405〜407,各半導体レーザー401〜403に夫々駆動電流を供給する第1乃至第3のドライバ408〜410から、構成される。このロッドレンズ404は、その先端面がコリメータレンズ39の前側焦点と一致するように、そのコリメータレンズ39の光軸と同軸に設置されている。
図7乃至図9は、夫々、第1乃至第3の半導体レーザー401〜403が発するレーザー光(励起光1〜3)の波長スペクトルを、そのレーザー光(励起光1〜3)によって生体組織から生じる蛍光の波長スペクトル及び、そのレーザー光(励起光1〜3)に夫々対応した後述の各励起光カットフィルタA〜Cの透過波長帯域と対比して示すグラフであり、互いに、縦軸(強度)及び横軸(波長)のスケール及び原点の値を共通としている。これら各グラフには、具体的な値は示されていないが、概略的に説明すると、第1の半導体レーザー401が発するレーザー光(励起光1)の波長スペクトルは紫外帯域(波長λ1)にあり、それによって生体組織が発する蛍光のピークは青〜緑の帯域に生じる。また、第2の半導体レーザー402が発するレーザー光(励起光2)の波長スペクトルは青色帯域(波長λ2)にあり、それによって生体組織が発する蛍光のピークは緑〜赤の帯域に生じる。また、第3の半導体レーザー403が発するレーザー光(励起光3)の波長スペクトルは緑色帯域(波長λ3)にあり、それによって生体組織が発する蛍光のピークは赤〜赤外の帯域に生じる。
図2に戻り、CFB16の基端面から射出されて第1ビームスプリッタ22によって90度反射された光の光路上には、順番に、結像レンズ24,第2ビームスプリッタ25,回転フィルタ26及び分光器30が、配置されている。結像レンズ24は、CFB16の基端面に現れた像を、分光器30の受光面(及び後述する撮像素子35の撮像面)に結像させる正レンズ(再結像光学系に相当する)である。第2ビームスプリッタ25は、結像レンズ24から射出された光の一部を分光器30に向けて透過するとともに残りを90度反射させる部分反射面を有するプリズム(第2の分離光学素子に相当する)である。
回転フィルタ26は、図6の正面図に示す構造を有する円板であり、その中心(回転軸)に関して120度づつの等角度間隔で、3種類のフィルタ(励起光カットフィルタA,励起光カットフィルタB,励起光カットフィルタC)が嵌め込まれている。励起光カットフィルタAは、蛍光観察内視鏡10における第2結像レンズ12と撮像素子13との間に組み込まれた励起光カットフィルタ14と同じ透過波長特性を有しており、図7に示すように、励起光1の波長帯域(λ1)に相当する光は遮断するが、この励起光によって生じた蛍光は透過する。また、励起光カットフィルタBは、図8に示すように、励起光2の波長帯域(λ2)に相当する光は遮断するが、この励起光によって生じた蛍光は透過する。また、励起光カットフィルタCは、図9に示すように、励起光3の波長帯域(λ3)に相当する光は遮断するが、この励起光によって生じた蛍光は透過する。この回転フィルタ26は、結像レンズ24から射出された光の光路に各励起光カットフィルタA〜Cを挿入可能な位置に、第2モータ27によって回転自在に保持されている。この第2モータ27は、ステッピングモータ又はサーボモータであり、後述する制御回路42による制御に従って、各励起光カットフィルタA〜Cを選択的に上記光路に挿入して停止させるように、回転フィルタ26を回転させる。即ち、回転フィルタ26及び第2モータ27が、複数のフィルタを光束の光路中に選択的に挿入する機構に相当する。更に、制御回路としての制御回路42を合わせた全体がフィルタ手段の一方を構成する。
分光器30は、一般に利用されるものであるので詳細な説明は省略するが、その概要は、光センサにより検出した光のうちの幾つかの波長の強度を測定し、測定結果を電子情報(分光スペクトル信号)として出力する機器である。
一方、第2ビームスプリッタ25によって90度反射された光の光路上には、順番に、励起光カットフィルタ31及び撮像素子35が、配置されている。この励起光カットフィルタ31は、図9に示す励起光カットフィルタCと同じ透過波長特性を有しているので、本実施形態において用いる全てのレーザ光(励起光1〜3)を遮断し、励起光1によって生じた蛍光の一部,励起光2によって生じた蛍光のピーク波長及びそれよりも長い波長帯域の部分,励起光3によって生じた蛍光のほぼ全部を透過する。即ち、この励起光カットフィルタ31が、フィルタ手段の他方を構成する。
撮像素子35は、この励起光カットフィルタ31を透過した蛍光によって形成される像(CFB16の基端面に再現される像)を撮像する。なお、この撮像素子35は、モノクロ撮像素子で事足りるが、カラー撮像素子であっても良い。
光源プロセッサ装置20の筐体の正面側パネルには、パイプ19がソケット20aに挿入された状態において電気コネクタ17を構成する各端子と夫々導通する多数の電極からなる電気ソケット21と、外部から操作される複数のスイッチ(図2においては、通常観察モード/蛍光観察モード/分光測定準備モードのモード切替スイッチ23a,自家蛍光の分光測定開始スイッチ23b,レーザーユニット40の射出光の波長選択ボタン[λ1選択ボタン23c,λ2選択ボタン23d,λ3選択ボタン23e]のみ図示)を有する操作パネル23が、設けられている。そして、操作パネル23上の各スイッチ23a〜eは、夫々、制御回路42に接続されている。その結果、操作パネル(操作手段に相当)23上の各スイッチ23a〜eに対する操作によって生じた操作信号は、夫々、制御回路42に入力される。なお、波長選択ボタン23c〜eは、何れか一つが投入されると他が解除される構造となっているために、常に、何れか一つのみが投入されている。
この制御回路42には、上述した第1モータ34,第2モータ27,ランプ用電源38及び第1乃至第3のドライバ408〜410に接続されており、これらを制御するための信号を出力する。
具体的には、制御回路42は、何れの動作モードにおいても、ランプ用電源38を起動することによってランプ33から白色光を射出させる。そして、モード切替スイッチ23aが投入される毎に、その動作モードを、通常観察モード,蛍光観察モード,分光測定準備モードの順に、サイクリックに切り換える。
そして、制御回路42は、動作モードが通常観察モードに切り替わると、第1モータ34を制御することによって、ロータリーシャッタ32をその小径部32aの弧が白色光の光路に近接した回転位置にて停止させる。この結果、ランプ33から射出された白色光がロータリーシャッタ32を通過して、常時、CFB16に入射する。
また、制御回路42は、動作モードが蛍光観察モードに切り替わると、その内部において発生したタイミング信号(個々のフレームの先頭タイミングを示す垂直同期信号)に同期して第1モータ34を制御することによって、第1ロータリーシャッタ32を回転させる。その結果、図10に示すように、ランプ33から射出された白色光は、ロータリーシャッタ32の小径部32aの弧が白色光の光路に近接する期間(第2フィールドに相当する期間)のみこのロータリーシャッタ32を通過し、ハーフミラー29,集光レンズ28,ロッドレンズ23及び第1ビームスプリッタ22を透過して、CFB16に入射する。CFB16及び第1結像レンズ11を通じて配光された白色光は、被検部の表面で反射され、第2結像レンズ12により、励起光カットフィルタ14を通じて撮像素子13の撮像面上に被検部の像を形成し、第2フィールド分の映像信号に変換される。
同時に、制御回路42は、第1ドライバ408を制御することにより、ロータリーシャッタ32の大径部32bが白色光を遮光している期間(第1フィールドに相当する期間)のみ、この第1ドライバ408に接続されている第1半導体レーザー401からレーザー光(励起光1)を射出させる。その結果、図10に示すように、レーザーユニット40から射出された励起光1は、ハーフミラー29,集光レンズ28,ロッドレンズ23及び第1ビームスプリッタ22を透過して、CFB16に入射する。CFB16及び第1結像レンズ11を通じて導光された励起光1が照射された被検部は、図7に示す波長帯域の蛍光を発し、この蛍光及び被検部の表面で反射された励起光は、第2結像レンズ12により、励起光カットフィルタ14を通じて撮像素子13の撮像面上にこの蛍光のみに基づく被検部の像を形成し、第1フィールド分の映像信号に変換される。
また、制御回路42は、動作モードが分光測定準備モードに切り替わると、第1ロータリーシャッタ32を回転させる。同時に、制御回路42は、第3ドライバ410を制御することにより、ロータリーシャッタ32の大径部32bが白色光を遮光している期間(第1フィールドに相当する期間)のみ、この第3ドライバ410に接続されている第3半導体レーザー410からレーザー光(励起光3)を射出させる。その結果、図10に示すように、レーザーユニット40から射出された励起光3は、ハーフミラー29,集光レンズ28,ロッドレンズ23及び第1ビームスプリッタ22を透過して、CFB16に入射する。CFB16及び第1結像レンズ11を通じて励起光3が照射された被検部は、図9に示す波長帯域の蛍光を発し、この蛍光及び被検部の表面で反射された励起光は、第1結像レンズ11を通じて、CFB16の先端面上に被検部のそれぞれの像を形成する。この像は、CFB16の基端面まで伝送され、結像レンズ24によって、励起光カットフィルタ31を通じて撮像素子35の撮像面上にこの蛍光のみに基づく像が再結像され、第1フィールド分の映像信号に変換される。
さらに、制御回路42は、分光測定準備モード中に分光測定開始スイッチ23bが投入されると、動作モードを分光測定モードに切り替え、その時点で投入されている波長選択ボタン32c〜eに対応したドライバ408〜410を制御し、制御対象ドライバ408〜410に接続されている半導体レーザー401〜403からレーザー光を射出させる。その結果、図10に示すように、レーザーユニット40から射出されたレーザー光は、ハーフミラー29,集光レンズ28,ロッドレンズ23及び第1ビームスプリッタ22を透過して、CFB16に入射する。この時、同時に、制御回路42は、第2モータ27を制御することにより、制御対象ドライバ408〜410に対応した励起光カットフィルタA〜CをCFB16から分光器30に至る光路中に挿入する。CFB16及び第1結像レンズ11を通じてレーザー光が照射された被検部は、そのレーザー光の波長帯域に対応した波長帯域の蛍光を発し、この蛍光は、第1結像レンズ11を通じて、CFB16の先端面上に被検部の像を形成する。この像は、CFB16の基端面まで伝送され、結像レンズ24及び第2ビームスプリッタ25によって、励起光カットフィルタ31を通じて撮像素子35の撮像面上に再結像されて、第1フィールド分の映像信号に変換されるとともに、その時点で投入されている波長選択ボタン32c〜eに対応して駆動されたロータリーフィルタ26における励起光カットフィルタA〜Cを通じて分光器30の受光面上にレーザーユニット40から射出されたレーザー光に対応した蛍光による像が再結像されて、分光スペクトル信号に変換される。なお、分光測定モード中に再度分光測定開始スイッチ23bが投入されると、動作モードが分光測定準備モードに戻る。また、分光測定モード中にモード切替スイッチ23aが投入されると、動作モードが通常観察モードに切り替わる。
さらに、制御回路42は、映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43に接続されており、この映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43に対しても、タイミング信号を入力するとともに、現在の動作モード,及び、操作パネル23において現在投入されている励起光選択スイッチ23c〜eに相当する励起光の種類又は現時点でCFB16に導入されている光の種類を、通知する。
この映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43には、また、電気ソケット21を構成する各電極が接続されている。よって、蛍光観察内視鏡10内の撮像素子13から出力されたRGBの各映像信号は、電気コネクタ17及び電気ソケット21を通じて、映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43に入力される。同様に、この映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43には、光源プロセッサ装置20内の撮像装置35及び分光器30に接続されている。よって、この撮像装置35から出力された映像信号及び分光器30から出力された分光スペクトル信号が、制御回路42に入力される。さらに、この映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43には、モニター60が接続されている。映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43は、蛍光観察内視鏡10の撮像素子13から入力されたRGBの各映像信号,光源プロセッサ装置20内の撮像装置35から出力された映像信号及び分光器30から出力された分光スペクトル信号を処理することによって、通常観察モードにおいては通常カラー画像の動画を示す画面を、蛍光観察モードにおいては夫々蛍光観察内視鏡10の撮像素子13によって得られた通常カラー画像の動画及び蛍光画像の動画を並べて示す画面を、分光測定準備モードにおいては蛍光観察内視鏡10の撮像素子13によって得られた通常カラー画像の動画及び光源プロセッサ装置20内の撮像装置35によって得られた蛍光画像の動画の動画を並べて示す画面を、分光測定モードにおいては、これら通常カラー画像の動画及び蛍光画像の動画に加えて分光器30から入力された分光スペクトル信号が示すグラフを並べて示す画面を、モニター60上に表示する(図11参照)。
図12は、この映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43の内部構造を示すブロック図である。この図12に示されるように、映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43内において、撮像素子13から出力されたR,G,Bの各映像信号,及び、撮像素子35から出力された映像信号は、前段映像信号処理回路431に入力される。この前段映像信号処理回路431はメモリ432に接続され、このメモリ432はスキャンコンバータ433に接続され、このスキャンコンバータ433は後段映像信号処理回路434に接続され、この後段映像信号処理回路434にモニター60が接続される。また、制御回路42から出力された上記情報は、夫々、前段映像信号処理回路431及びスキャンコンバータ433に入力される。さらに、分光器30から出力された分光スペクトル信号は、AD変換器435に入力される。このAD変換器435はメモリ436に接続され、このメモリ436はグラフ生成ブロック437に接続され、このグラフ生成ブロック437はスキャンコンバータ433に接続されている。さらに、この映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路43内には、制御回路42から受け取ったタイミング信号に同期して、各回路431〜437を動作させる同期信号を発生させるタイミングコントローラ438が備えられている。
前段映像信号処理回路431は、撮像素子13から送られてくるRGBの各映像信号及び撮像素子35から送られてくる映像信号に対して所定の処理を施すための回路である。この前段映像信号処理回路431が各映像信号に施す処理としては、高周波成分除去,増幅,ブランキング,クランピング,ホワイトバランス,ガンマ補正,アナログデジタル変換,及び、色分離がある。
メモリ432の内部は、各モードにおいてCFB16に白色光が導入されている間に撮像素子13から前段映像信号処理回路431に入力されて上記処理が施された映像信号(R映像信号,G映像信号,B映像信号)が夫々格納(上書き)されるR映像信号領域432a,G映像信号領域432b,B映像信号領域432c,蛍光観察モードにおいてCFB16に励起光1が導入されている間に撮像素子13から前段映像信号処理回路431に入力されて上記処理が施された映像信号(R映像信号,G映像信号,B映像信号)が夫々格納されるR蛍光映像信号領域432d,G蛍光映像信号領域432e,B蛍光映像信号領域432fに、区分されている。なお、撮像素子35がカラー撮像素子である場合には、分光測定準備モード及び分光測定モードにおいてこの撮像素子35から前段映像信号処理回路431に入力されて上記処理が施された映像信号(R映像信号,G映像信号,B映像信号)は、夫々、R蛍光映像信号領域432d,G蛍光映像信号領域432e,B蛍光映像信号領域432fに格納される。これに対して、撮像素子35がモノクロ撮像素子である場合には、この撮像素子35から前段映像信号処理回路431に入力されて上記処理が施された映像信号は、全く同じ内容にて、R蛍光映像号領域432d,G蛍光映像信号領域432e及びB蛍光映像信号領域432fに格納される。
一方、AD変換器435は、アナログ信号として入力された分光スペクトル信号をデジタル信号に変換する回路である。このAD変換器435によってデジタル信号に変換された分光スペクトル信号は、一旦メモリ436に書き込まれ、グラフ生成ブロック437によって、横軸に波長をとるとともに縦軸に強度をとる分光スペクトルグラフのイメージデータに変換される。
スキャンコンバータ433は、通常観察モード下においては、各フレームに相当する期間毎に、R映像信号領域432a,G映像信号領域432b,B映像信号領域432cから夫々映像信号(R映像信号,G映像信号,B映像信号)を読み出して、後段映像信号処理回路434へ入力する。
また、スキャンコンバータ433は、蛍光観察モード下においては、各フレームに相当する期間毎に、R映像信号領域432a,G映像信号領域432b及びB映像信号領域432cから夫々映像信号(R映像信号,G映像信号,B映像信号)を読み出すとともに、R蛍光映像信号領域432d,G蛍光映像信号領域432e及びB蛍光映像信号領域432fから夫々映像信号を読み出す。そして、スキャンコンバータ433は、R映像信号領域432a,G映像信号領域432b及びB映像信号領域432cから読み出した映像信号とR蛍光映像信号領域432d,G蛍光映像信号領域432e及びB蛍光映像信号領域432fから読み出した映像信号とを互いに結合して、通常カラー画像と蛍光画像(第2結像レンズ12を通じて撮像された蛍光画像)とを並べて表示させる映像信号を生成して、後段映像信号処理回路434に入力する。
また、スキャンコンバータ433は、分光測定準備モード下においては、各フレームに相当する期間毎に、R映像信号領域432a,G映像信号領域432b及びB映像信号領域432cから夫々映像信号(R映像信号,G映像信号,B映像信号)を読み出すとともに、R蛍光映像信号領域432d,G蛍光映像信号領域432e及びB蛍光映像信号領域432fから夫々映像信号を読み出す。そして、スキャンコンバータ433は、R映像信号領域432a,G映像信号領域432b及びB映像信号領域432cから読み出した映像信号とR蛍光映像信号領域432d,G蛍光映像信号領域432e及びB蛍光映像信号領域432fから読み出した映像信号とを互いに結合して、通常カラー画像と蛍光画像(第1結像レンズ11を通じて撮像された蛍光画像)とを並べて表示させる映像信号を生成して、後段映像信号処理回路434に入力する。
また、スキャンコンバータ433は、分光測定モード下においては、上記分光測定準備モード下において読み出した映像信号に加えて、グラフ生成ブロック437から分光スペクトルグラフを示すイメージデータを受信する。そして、スキャンコンバータ433は、R映像信号領域432a,G映像信号領域432b及びB映像信号領域432cから読み出した映像信号とR蛍光映像信号領域432d,G蛍光映像信号領域432e及びB蛍光映像信号領域432fから読み出した映像信号とグラフ生成ブロック437から受信したイメージデータとを互いに結合して、通常カラー画像と蛍光画像(第1結像レンズ11を通じて撮像された蛍光画像)と分光スペクトルグラフを並べて表示させる映像信号を生成して、後段映像信号処理回路434に入力する。
後段映像信号処理回路434は、スキャンコンバータ433から入力された映像信号に対して、デジタルアナログ変換,エンコーディング,及び、インピーダンスマッチング等の処理を施してモニター60へ出力する。その結果、モニター60上には、通常観察モード下では通常カラー画像のリアルタイム動画が表示され、蛍光観察モード下では通常カラー画像のリアルタイム画像及び第2結像レンズ12を通じて撮像された蛍光画像のリアルタイム画像が並べて表示され、分光測定準備モード下では通常カラー画像のリアルタイム画像及び第1結像レンズ11を通じて撮像された蛍光画像のリアルタイム画像が並べて表示され、分光測定モード下では通常カラー画像のリアルタイム画像,第1結像レンズ11を通じて撮像された蛍光画像のリアルタイム画像及び分光スペクトルグラフが並べて表示される(図11参照)。
以上のように構成された内視鏡システムを用いる術者は、まず、制御装置42に主電源を投入した後で、モード切替スイッチ23aを適宜押下することによって、この制御装置42の動作モードを通常観察モードに切り替える。通常観察モードに切り替わると、蛍光観察内視鏡10の体腔内挿入部10aの先端(第1結像レンズ11)からは常時白色光が射出され、モニタ60上には第2結像レンズ12を通じて撮像された通常カラー画像が表示される。そこで、術者は、このモニター60上に表示された通常カラー画像を見ながら、蛍光観察内視鏡10を操作して、その体腔内挿入部10aを被験者の体腔内に挿入して、被検部に導いていく。
そして、通常カラー画像内に被検部を捕捉すると、術者は、モード切替スイッチ23aを一回投入することにより、制御装置42の動作モードを蛍光観察モードに切り替える。すると、体腔内挿入部10aの先端の第1結像レンズ11からは、白色光と励起光1とがフィールド毎に交互に射出され、モニター60には、共に第2結像レンズ12を通じて撮像された通常カラー画像と蛍光画像とが並べて表示される。
この蛍光画像中に異状部位である可能性の高い暗部を検出すると、術者は、モード切替スイッチ23aを一回投入することにより、制御装置42の動作モードを分光測定準備モードに切り替える。すると、体腔内挿入部10aの先端の第1結像レンズ11からは、白色光と励起光3とがフィールド毎に交互に射出されるようになり、モニター60上において表示されていた蛍光画像は、第1結像レンズ11を通じて撮像された蛍光画像に切り替わる。そこで、術者は、モニター60上に表示されている通常カラー画像と蛍光画像とを見ながら体腔内挿入部10aの先端の向きを微調整し、異常部位であると疑いをかけている被疑部位を、蛍光画像の中心に捕捉する。このようにして、被疑部位が蛍光画像の中心に捕捉されたということは、第1結像レンズ11の光軸上に被疑部位が存在しているということである。そこで、術者は、被疑部位が蛍光画像の中心から外れないように体腔内挿入部10aの先端の向きを微調整しながら、体腔内挿入部10aの先端を被疑部位に接近させていく。このようにして体腔内挿入部10aの先端を被疑部位に対して接近させて接触させると、第1結像レンズ11の表面が被疑部位に押しつけられることになる。
そこで、術者は、測定開始ボタン23bを投入することによって制御装置42の動作モードを分光測定モードに切り替えるとともに、任意の波長選択ボタン23cからeを押下することによって、任意の波長のレーザー光(励起光1〜3)を被疑部位に照射する。すると、そのレーザー光に起因して被疑部位の生体組織から生じた蛍光が分光器30によって分光測定され、その測定結果である分光スペクトルグラフが、モニター60上に表示される。術者は、この分光スペクトルグラフを見ながら、被疑部位が実際に異状であるのか否かの判断を下すのである。
以上に説明したように、本実施形態によれば、励起光としてのレーザー光を被検部に照射するためのCFB16及び第1結像レンズ11を通じて、被検部の像が撮像素子35によって撮像されるので、この撮像によって得られた映像信号によってモニター60上に表示された蛍光画像の中心は、第1結像レンズ11の中心と合致している。よって、この蛍光画像の中心に被検部を捕捉したまま体腔内挿入部10aを被検部に接近させれば、レーザー光を照射する第1結像レンズ11を被検部に押しつけることが可能となる。しかも、この蛍光画像は、分光器40による分光測定の対象そのものである。従って、術者は、分光測定対象となっている画像の範囲を正確に認識することができる。
本発明の実施形態による内視鏡システムの外観を示す外観図 内視鏡システムの内部構成を示す概略図 蛍光観察内視鏡の外観を示す側面図 ロータリーシャッタの正面図 レーザーユニットの構造を示す詳細図 回転フィルタの正面図 励起光1の波長スペクトルと励起光カットフィルタAの透過波長帯域とを示すグラフ 励起光2の波長スペクトルと励起光カットフィルタBの透過波長帯域とを示すグラフ 励起光3の波長スペクトルと励起光カットフィルタCの透過波長帯域とを示すグラフ 蛍光観察モード,分光測定準備モード及び分光測定モードにおいてライトガイドに導入される光の種類を示すシーケンス図 モニターの表示例を示す図 映像信号処理及び分光スペクトル信号処理回路の構成を示すブロック図
符号の説明
10 蛍光観察内視鏡
11 第1結像レンズ
12 第2結像レンズ
13 撮像素子
16 CFB
20 光源プロセッサ装置
22 第1ビームスプリッタ
24 結像レンズ
25 第2ビームスプリッタ
29 ハーフミラー
30 分光器
35 撮像素子
40 レーザーユニット
42 制御回路

Claims (6)

  1. 体腔内の被検部に励起光を照射し、この励起光によって励起した前記被検部の生体組織が発する蛍光による像を内視鏡によって撮像する蛍光観察内視鏡装置であって、
    その先端に結像光学系を備えると共に、この結像光学系によってその先端面に形成された前記被検部の像を基端面まで伝送するファイババンドルを内蔵した内視鏡と、
    前記励起光を発光する励起光光源と、
    この励起光光源から発した励起光を前記ファイババンドルの基端面に導く光学系であって、この励起光を前記ファイババンドルの端面に収束させる集光レンズを含む励起光光学系と、
    前記ファイババンドルの端面と前記集光レンズとの間に配置され、前記ファイババンドルの端面から出射した光束を前記励起光の光路から分離する第1の分離光学素子と、
    この第1の分離光学素子によって分離された前記光束を収束させることによって前記ファイババンドルの基端面に伝送された像を再結像させる再結像光学系と、
    この再結像光学系によって再結像された像を撮像する撮像素子と、
    前記第1の分離光学素子と前記撮像素子との間に配置され、前記第1の分離光学素子によって分離された前記光束を更に分離する第2の分離光学素子と、
    この第2の分離光学素子によって分離された光束を分光測定する分光器と、
    前記第1の分離光学素子と前記撮像光学素子及び前記分光器との間に配置され、前記励起光と同じ波長帯域の光を遮断するフィルタ手段と
    を備えたことを特徴とする蛍光観察内視鏡装置。
  2. 前記第1の分離光学素子は、前記励起光を透過するとともに前記ファイババンドルの基端面から発した光束を反射するビームスプリッタである
    ことを特徴とする請求項1記載の蛍光観察内視鏡装置。
  3. 前記励起光光源は、複数種類の波長の励起光を選択的に発光するとともに、
    前記フィルタ手段は、前記励起光と同じ各波長の光を夫々遮断する複数のフィルタと、前記第2の分離光学素子と前記分光器との間に前記複数のフィルタを前記第2の分離光学素子によって分離された光束の光路中に選択的に挿入する機構と、前記励起光光源が発光している励起光と同じ波長の光を遮断するフィルタを前記光束の光路に挿入させるように前記機構を制御する制御回路とを有する
    ことを特徴とする請求項1記載の蛍光観察内視鏡装置。
  4. 前記フィルタ手段は、前記第2の分離光学素子と前記撮像素子との間に配置されて前記励起光光源が発する全種類の励起光と同じ波長の光を遮断するフィルタを有する
    ことを特徴とする請求項3記載の蛍光観察内視鏡装置。
  5. 白色光を発する白色光光源と、
    前記内視鏡先端に備えられた対物光学系と、
    この対物光学系によって形成された被検部の像を撮像する第2の撮像素子とを
    更に備え、
    前記励起光光学系は、前記励起光と前記白色光光源から発した白色光とを選択的に前記ファイバーバンドルに導く
    ことを特徴とする請求項1記載の蛍光観察内視鏡装置。
  6. 前記対物光学系と前記第2の撮像素子との間に前記励起光と同じ波長帯域の光を遮断するフィルタを備えている
    ことを特徴とする請求項5記載の蛍光観察内視鏡装置。
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