JP2005318385A - 受信回路及び通信装置 - Google Patents

受信回路及び通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005318385A
JP2005318385A JP2004135607A JP2004135607A JP2005318385A JP 2005318385 A JP2005318385 A JP 2005318385A JP 2004135607 A JP2004135607 A JP 2004135607A JP 2004135607 A JP2004135607 A JP 2004135607A JP 2005318385 A JP2005318385 A JP 2005318385A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
data
load modulation
multiplication
phase change
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004135607A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4415253B2 (ja
Inventor
Tatsuo Maeda
龍男 前田
Susumu Kusakabe
進 日下部
Shigeru Arisawa
繁 有沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2004135607A priority Critical patent/JP4415253B2/ja
Publication of JP2005318385A publication Critical patent/JP2005318385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4415253B2 publication Critical patent/JP4415253B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】
格段と確実にデータ通信することができるようにする。
【解決手段】
リーダライタ装置3は、負荷変調信号S1から伝送データD1を復調するために、当該負荷変調信号S1の振幅変化だけでなく位相変化も検出するようにしたことにより、非接触ICカード2による負荷変調の結果が負荷変調信号S1の振幅に現れず位相に現れる場合であっても伝送データD1を得ることができ、かくして非接触ICカード2と確実にデータ通信することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は受信回路及び通信装置に関し、例えば、非接触IC(Integrated Circuit)カードとデータ通信するリーダライタ装置に適用して好適なものである。
近年、駅の改札機、セキュリティシステム、電子マネーシステム等の分野においては、非接触ICカードを用いた非接触ICカードシステムが普及し始めている。
一例として図30に示すように、このような非接触ICカードシステムは、非接触ICカードと、当該非接触ICカードに対してデータの読み出し/書き込みを行うリーダライタ装置とを有する。
このリーダライタ装置の内部に設けられた回路(以下、これをリーダライタ装置側回路と呼ぶ)CT1では、キャリア信号源50によって例えば13.56[MHz]の交流信号を生成し、これを抵抗R1、コンデンサC1及びコイルL1からなる共振回路を介して昇圧する。これにより、この共振回路のコイルL1に流れる交流信号に応じた交代磁界Hが、当該コイルL1から空間へ輻射される。
一方、非接触ICカードの内部に設けられた回路(以下、これを非接触ICカード側回路と呼ぶ)CT2では、かかる交代磁界Hに応じてコイルL2に誘起される電圧を、内部の整流回路(図示せず)によって整流し、これを非接触ICカードの駆動電力として利用することにより、バッテリーレスで動作するようになされている。
ここで、この非接触ICカードからリーダライタ装置へのデータ通信は、負荷変調方式により行われる。この場合、リーダライタ装置側回路CT1及び非接触ICカード側回路CT2は、それぞれに設けられたコイルL1及びL2の物理形状と位置関係とに基づいて決定される結合係数kにより、電気回路的に結合しているものとして考えることができる。
このような前提をもとに負荷変調方式について説明すると、非接触ICカードは、リーダライタ装置へ伝送する伝送データに応じてスイッチSW1をON状態又はOFF状態にし、これにより非接触ICカード側回路CT2の抵抗を、抵抗R3のみの状態と抵抗R3及びR4からなる並列抵抗の状態とに適宜切り替え、かくして電気回路的に結合しているリーダライタ装置側回路CT1の電流iLを変化させる。
リーダライタ装置は、このリーダライタ装置側回路CT1の電流iLの振幅変化を検出し、この振幅変化の検出結果に基づいて伝送データを復調する。
因みにこの検出の手法としては、例えば図31に示すように、コイルL1とグランドとの間に抵抗R5を挿入して、この部分の電圧変化を検出することが考えられる。この場合、電流iLに相当する交流電圧を、ダイオードD1、コンデンサC3、抵抗R6からなる検波回路を介して直流電圧に変換した後、これをバンドパスフィルタ101で処理して必要な帯域成分を抽出する。この後復調処理として、バンドパスフィルタ101からの出力をA/Dコンバータ102で処理することにより2値化(又は多値化)し、かくしてデジタル処理部103において伝送データを得ることができる。
ここで一般的な復調回路の処理について、図32に示す一例を用いて説明する。一般的に無線伝送路から検出された信号は、信号の開始、終了時間が不明な場合や、無線伝送路において波形に歪みを受けた場合、どのタイミングでデータを取り込むかが問題となる。またノイズの影響等によりデータ自体が誤っている可能性がある。このため復調回路においては、データ検出タイミングを決定し、その決定したタイミングに応じてデータを取り込むようになされている。また通信方式によっては、誤り訂正を行う場合もある。
図32に示した復調回路においては、同期検出・データ再生回路55が、データ検出タイミングを決定して、データを取り込むようになされており、誤り検出回路56が、誤り検出符号や伝送パケットの構造に基づいて、得られたデータに誤りがないか確認するようになされている。因みにA/Dコンバータ54については、前段の検出回路がデジタル回路で構成される場合、不要となる。
また一例として図33において、FeliCa(R)の伝送パケット構造を示し、さらに図34において、FeliCa(R)で採用されている伝送路符号(ビットコーディング)のマンチェスタ符号を示す。例えばFeliCa(R)においては、マンチェスタ符号化された、プリアンブルとシンクコードの特徴を利用することで、データの検出タイミングを決定することができる。続いてFeliCa(R)においては、再生されたデータのシンクコードによりデータの開始時間を認識し、データレングスによりデータの終了時間を認識し、さらにCRC(Cyclic Redundancy Check)によりデータの誤り検出を行うことができる。復調回路は、データについて誤りがなかった場合にのみ、再生されたデータに基づいて復調データを生成し、これを後段の制御回路等へ送出する。なおこの復調データは、再生されたデータそのものでも良いし、伝送パケット内のデータだけでも良い。またデータと取り込み信号とを別に送出することも可能である。
ここでは、FeliCa(R)方式についてのみ説明したが、通信方式の違いにより伝送パケットの構造や伝送路符号や誤り検出(又は誤り訂正)の手法は異なる。他の例を挙げるとすると、ISO14443のType-Bの場合、非接触ICカードからリーダライタ装置へのデータ通信には、図35に示すような伝送パケット構造が採用されている。
ところで近年、このような非接触ICカードシステムにおいては、非接触ICカードが複数枚重ねられて使用される状況に対応するために、アンチコリジョン対応の非接触ICカードを用いる場合がある。このアンチコリジョン対応の非接触ICカードでは、非接触ICカード側の共振周波数が、リーダライタ装置とのデータ通信で用いられるキャリア周波数(13.56[MHz])と異なる周波数(例えば19[MHz])に設定されている(特許文献1参照)。
特開2001−307039公報(第2頁)
ところで、アンチコリジョン対応の非接触ICカードを用いた従来の非接触ICカードシステムでは、図36に示すように、例えばリーダライタ装置から非接触ICカードを引き離すことによって、リーダライタ装置及び非接触ICカード間の距離を徐々に変化させたとき、リーダライタ装置から離れすぎて非接触ICカードの駆動電力が不足するポイント(距離d2)に至る前に、リーダライタ装置が非接触ICカードからの伝送データを得ることができなくなってしまう不具合ポイント(距離d1)が存在する場合があり、この場合にはリーダライタ装置及び非接触ICカード間のデータ通信が途絶えてしまう問題があった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、格段と確実にデータ通信することができる受信回路及び通信装置を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、受信回路において、受信した負荷変調信号からデータを復調するために負荷変調信号の振幅変化を検出する振幅変化検出手段と、振幅変化検出手段とは別個に設けられ、受信した負荷変調信号からデータを復調するために負荷変調信号の位相変化を検出する位相変化検出手段とを設けるようにした。
また本発明においては、通信装置において、外部からの負荷変調信号を受信する受信回路を設け、受信回路には、受信した負荷変調信号からデータを復調するために負荷変調信号の振幅変化を検出する振幅変化検出手段と、振幅変化検出手段とは別個に設けられ、受信した負荷変調信号からデータを復調するために負荷変調信号の位相変化を検出する位相変化検出手段とを設けるようにした。
このようにして受信回路及び通信装置は、受信した負荷変調信号からデータを復調するために、当該負荷変調信号の振幅変化だけでなく位相変化も検出するようにしたことにより、負荷変調の結果が負荷変調信号の振幅に現れず位相に現れる場合であっても、データを確実に復調することができる。またこの受信回路及び通信装置においては、振幅変化を検出するための振幅変化検出手段と位相変化を検出するための位相変化検出手段とが別個に設けられていることにより、それぞれ別々に調整を行って最適化することができるので、実装時の作業が容易になる等の効果を得ることができる。
本発明によれば、受信した負荷変調信号からデータを復調するために、当該負荷変調信号の振幅変化だけでなく位相変化も検出するようにしたことにより、負荷変調の結果が負荷変調信号の振幅に現れず位相に現れる場合であっても、データを確実に復調することができる。またこの受信回路及び通信装置においては、振幅変化を検出するための振幅変化検出手段と位相変化を検出するための位相変化検出手段とが別個に設けられていることにより、それぞれ別々に調整を行って最適化することができるので、実装時の作業が容易になる等の効果を得ることができる。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)第1の実施の形態
(1−1)非接触ICカードシステム
図1において、1は全体として非接触ICカードシステムを示し、アンチコリジョン対応の非接触ICカード2と、当該非接触ICカード2に対するデータの読み出し/書き込みを行うリーダライタ装置3と、当該リーダライタ装置3に接続されたサーバ装置4とによって構成されている。例えばリーダライタ装置3は、非接触ICカード2に書き込むべきデータをサーバ装置4から取得したり、非接触ICカード2から読み出したデータをサーバ装置4へ送信するようになされている。
因みに本実施の形態の場合、非接触ICカード2からリーダライタ装置3へのデータ通信は、キャリア周波数13.56[MHz]を用いた負荷変調方式により行われる。また非接触ICカード2側の共振周波数は、キャリア周波数13.56[MHz]と異なる周波数(例えば19[MHz])に設定されている。
実際上このリーダライタ装置3は、全体を統括的に制御する制御部10に対し、サーバ装置4と通信するための通信インターフェース部11と、非接触ICカード2に対しアンテナ部12を介してデータを送信するための送信部13と、非接触ICカード2からアンテナ部12を介してデータを受信するための受信部14とが接続されて構成されている。
一方、非接触ICカード2は、その内部に図30に示した非接触ICカード側回路CT2を有し、これによりリーダライタ装置3に伝送すべき伝送データを負荷変調し、この結果得られた負荷変調信号S1をリーダライタ装置3へ送信する。
リーダライタ装置3においては、図30に示したリーダライタ装置側回路CT1の共振回路に相当するアンテナ部12が、非接触ICカード2からの負荷変調信号S1(電流iLに相当する)を受信し、これを受信部14へ送出する。この受信部14は、アンテナ部12からの負荷変調信号S1を復調処理し、この結果得られた伝送データD1を制御部10へ供給するようになされている。
(1−2)リーダライタ装置の受信部
本実施の形態の場合、図2〜図4に示す解析結果を受けて、リーダライタ装置3の受信部14が図5に示すように構成されている。
まずこの解析結果について説明する。図30との対応部分に同一符号を付して示す図2においては、解析に用いたリーダライタ装置側回路CT1及び非接触ICカード側回路CT2を表している。
図2(A)に示す非接触ICカード側回路CT2については、図30におけるスイッチSW1がOFF状態の場合を表している。一方図2(B)に示す非接触ICカード側回路CT2については、図30におけるスイッチSW1がON状態の場合を表している(つまり図2(B)に示す抵抗R3´の値は、図30における抵抗R3及びR4の並列抵抗を想定して設定されている)。
さらにこの場合、コイルL1及びL2の物理形状と位置関係とに基づいて決定される結合係数kの値については、図36に示す不具合ポイント(距離d1)を想定して設定した。
以上の条件により解析を行うと、図3及び図4に示すような解析結果が得られる。
つまりキャリア周波数が13.56[MHz]の状態では、図3に示すように、スイッチSW1がOFF状態(図2(A)の状態)のときにリーダライタ装置側回路CT1に流れる電流iLの振幅と、スイッチSW1がON状態(図2(B)の状態)のときにリーダライタ装置側回路CT1に流れる電流iLの振幅との間に、差が生じない。
これにより、不具合ポイントにある非接触ICカード2が、リーダライタ装置3へ伝送する伝送データD1に応じて、スイッチSW1をON又はOFF状態にすることにより負荷変調したとしても、この負荷変調の結果が、リーダライタ装置側回路CT1に流れる電流iL(負荷変調信号S1)の振幅に現れないことがわかる。
従って従来のリーダライタ装置は、負荷変調信号S1から伝送データD1を復調するために、当該負荷変調信号S1の振幅変化だけを検出するので、非接触ICカード2が不具合ポイントにあると、伝送データD1を得ることができない。
ところがキャリア周波数が13.56[MHz]の状態では、図4に示すように、スイッチSW1がOFF状態(図2(A)の状態)のときにリーダライタ装置側回路CT1に流れる電流iLの位相と、スイッチSW1がON状態(図2(B)の状態)のときにリーダライタ装置側回路CT1に流れる電流iLの位相との間に、差が生じる。
これにより、不具合ポイントにある非接触ICカード2が、リーダライタ装置3へ伝送する伝送データD1に応じて、スイッチSW1をON又はOFF状態にすることにより負荷変調したとき、この負荷変調の結果が、リーダライタ装置側回路CT1に流れる電流iL(負荷変調信号S1)の位相に現れることがわかる。
本実施の形態の場合、以上の解析結果を受けてリーダライタ装置3の受信部14が図5に示すように構成されている。すなわちこの受信部14において振幅変化検出回路15は、非接触ICカード2からアンテナ部12を介して負荷変調信号S1を受信すると、この負荷変調信号S1の振幅変化を検出した後、この振幅変化の検出結果を表す振幅変化検出結果信号S2を、受信部14内の選択復調回路17へ供給する。因みにこの振幅変化検出回路15については、図31に示したような従来構成等を適用することができる。
一方、位相変化検出回路16は、非接触ICカード2からアンテナ部12を介して負荷変調信号S1を受信すると、この負荷変調信号S1の位相変化を検出した後、この位相変化の検出結果を表す位相変化検出結果信号S3を、受信部14内の選択復調回路17へ供給する。
選択復調回路17は、非接触ICカード2による負荷変調の結果が負荷変調信号S1の振幅に現れている場合には、振幅変化検出結果信号S2に基づいて復調したデータを、非接触ICカード2からの伝送データD1として制御部10へ出力し、これに対し非接触ICカード2による負荷変調の結果が負荷変調信号S1の振幅に現れず位相に現れている場合には、位相変化検出結果信号S3に基づいて復調したデータを、非接触ICカード2からの伝送データD1として制御部10へ出力する。
このようにこのリーダライタ装置3の受信部14は、負荷変調信号S1の振幅変化だけでなく位相変化も検出し、負荷変調の結果が負荷変調信号S1の振幅に現れず位相に現れている場合には、位相変化検出回路16による位相変化の検出結果に基づいて復調したデータを非接触ICカード2からの伝送データD1として選択するようにしたことにより、非接触ICカード2が不具合ポイントにある場合であっても、非接触ICカード2からの伝送データD1を確実に得ることができる。
(1−3)位相変化検出回路
次に図6を用いて、位相変化検出回路16の構成を説明する。この位相変化検出回路16は、遅延検波する際に用いられる遅延検波回路に相当する。
すなわちこの位相変化検出回路16は、アンテナ部12から入力される負荷変調信号S1を乗算器21へ供給する。またこの位相変化検出回路16は、アンテナ部12から入力される負荷変調信号S1を遅延回路22に通し、この結果得られた信号(以下、これを遅延信号と呼ぶ)S1´を乗算器21へ供給する。
因みに本実施の形態の場合この遅延回路22は、非接触ICカード2から送信される伝送データD1の伝送量(データレート)に応じて遅延量が設定されるようになされている。この場合この遅延回路22は、負荷変調信号S1を1シンボル分だけ遅延させるように、その遅延量が設定されている。
乗算器21は、負荷変調信号S1と遅延回路22からの遅延信号S1´とを乗算し、この乗算結果をローパスフィルタ23を介して、上述の位相変化検出結果信号S3として出力する。ここでこの位相変化検出結果信号S3は、図7に示すように、負荷変調信号S1の位相変化に応じて値が変動する。
かくして後段の選択復調回路17は、位相変化検出回路16から当該位相変化検出結果信号S3を受信すると、これに基づいて復調処理を実行することにより、伝送データD1に相当する復調データを得ることができる。
ここで、この復調データを例えば図7のように表したとき、最初のタイムスロットの復調データaに対し、1ではなく0が割り当てられてしまうと、正しく得られるべき伝送データD1に対して復調データの値が反転してしまう。しかしながら本実施の形態の場合、かかる選択復調回路17では、復調処理して得られた復調データのシンクコード等に基づいて、当該復調データが反転してしまっているか否かを判定し、反転している場合には当該復調データを補正することにより、正しい復調データ(つまり、正しい伝送データD1)を得ることができる。
また本実施の形態の場合、非接触ICカード2からの伝送データD1がマンチェスタ符号化されていても良い。このマンチェスタ符号においては、信号がLowレベルからHiレベルになったときを「1」とし、HiレベルからLowレベルになったときを「0」として表すようになされており、この結果、1[bit]のデータが2[bit]で表現される。
この場合、図6に示した位相変化検出回路16は、マンチェスタ符号化された伝送データD1に相当する負荷変調信号S1を受信すると、当該負荷変調信号S1と、当該負荷変調信号S1を遅延回路22に通すことにより得られた遅延信号S1´とを、乗算器21に対して供給する。
この場合、図8に示すように1[bit]の伝送データD1が2[bit]で表現されているので、かかる遅延回路22の遅延量については、例えば1/2[bit]の伝送データD1に相当する分だけ負荷変調信号S1を遅延させるように設定されている。
乗算器21は、負荷変調信号S1と遅延回路22からの遅延信号S1´とを乗算し、この乗算結果をローパスフィルタ23を介して、上述の位相変化検出結果信号S3として出力する。ここでこの位相変化検出結果信号S3は、図8に示すように、負荷変調信号S1の位相変化に応じて値が変動する。
かくして後段の選択復調回路17は、位相変化検出回路16から当該位相変化検出結果信号S3を受信すると、これに基づいて復調処理を実行することにより、伝送データD1に相当する復調データを得ることができる。
(1−4)選択復調回路
次に図9を用いて、選択復調回路17の構成を説明する。この選択復調回路17に対しては、振幅変化検出回路15から振幅変化検出結果信号S2が入力されると共に、位相変化検出回路16から位相変化検出結果信号S3が入力される。
選択復調回路17内のA/Dコンバータ17a及びA/Dコンバータ17bは、入力された振幅変化検出結果信号S2及び位相変化検出結果信号S3に対してそれぞれアナログデジタル変換処理を施し、この結果得られたデータD2及びデータD3を、それぞれ伝送路符号検出部17c及び伝送路符号検出部17dへ供給する。
伝送路符号検出部17cは、データD2に対して伝送路符号(例えばマンチェスタ符号)の検出処理を実行し、この結果を選択器17eへ通知すると共に、かかるデータD2を選択器17eへ供給する。同じように伝送路符号検出部17dは、データD3に対して伝送路符号の検出処理を実行し、この結果を選択器17eへ通知すると共に、かかるデータD3を選択器17eへ供給する。
選択器17eは、伝送路符号検出部17c及び伝送路符号検出部17dから通知される伝送路符号の検出結果に基づいて、伝送路符号検出部17c及び伝送路符号検出部17dから供給されるデータD2及びデータD3のうち、伝送路符号が検出されたデータD2若しくはデータD3を選択する。
そして選択器17eは、選択したデータD2若しくはデータD3を、同期検出部17fへ供給する。同期検出部17fは、供給されたデータD2若しくはデータD3に対して同期検出・データ再生処理を実行し、得られた再生データを誤り検出部17gへ供給する。誤り検出部17gは、供給された再生データについて誤りを検出しない場合、これを非接触ICカード2からの伝送データD1として、制御部10へ出力するようになされている。
なお本実施の形態の場合、選択器17eは、データD2及びデータD3の両方について、伝送路符号が検出された旨の通知を受ける場合があり得るが、この場合は、例えば予め設定した優先度に基づいて何れかを選択するようになされている。
また本実施の形態の場合、図9に示す選択復調回路17に代えて、図10に示すような選択復調回路17Lを適用するようにしても良い。
すなわち、この選択復調回路17L内のA/Dコンバータ17La及びA/Dコンバータ17Lbは、入力される振幅変化検出結果信号S2及び位相変化検出結果信号S3に対してそれぞれアナログデジタル変換処理を施し、この結果得られたデータD2及びデータD3を、それぞれ同期検出部17Lc及び同期検出部17Ldへ供給する。
同期検出部17Lcは、データD2に対して同期検出・データ再生処理を実行し、同期検出処理の結果を選択器17Leへ通知すると共に、得られた再生データD2Xを選択器17Leへ供給する。同じように同期検出部17Ldは、データD3に対して同期検出・データ再生処理を実行し、同期検出処理の結果を選択器17Leへ通知すると共に、得られた再生データD3Xを選択器17Leへ供給する。
選択器17Leは、同期検出部17Lc及び同期検出部17Ldから通知される同期検出処理の結果に基づいて、同期検出部17Lc及び同期検出部17Ldから供給される再生データD2X及び再生データD3Xのうち、同期が検出されて再生された再生データD2X若しくは再生データD3Xを選択する。
そして選択器17Leは、選択した再生データD2X若しくは再生データD3Xを、誤り検出部17Lfへ供給し、当該誤り検出部17Lfにより誤りが検出されない場合、これを非接触ICカード2からの伝送データD1として、制御部10へ出力するようになされている。
なお本実施の形態の場合、選択器17Leは、再生データD2X及び再生データD3Xの両方について、同期が検出された旨の通知を受ける場合があり得るが、この場合は、例えば予め設定した優先度に基づいて何れかを選択するようになされている。
また本実施の形態の場合、図9や図10に示す選択復調回路17、17Lに代えて、図11に示すような選択復調回路17Mを適用するようにしても良い。
すなわち、この選択復調回路17M内のA/Dコンバータ17Ma及びA/Dコンバータ17Mbは、入力される振幅変化検出結果信号S2及び位相変化検出結果信号S3に対してそれぞれアナログデジタル変換処理を施し、この結果得られたデータD2及びデータD3を、それぞれ同期検出部17Mc及び同期検出部17Mdを介して、再生データD2X及び再生データD3Xとして、誤り検出部17Me及び誤り検出部17Mfへ供給する。
誤り検出部17Meは、再生データD2Xについて伝送パケット構造を検出する処理を実行し、この結果を選択器17Mgへ通知すると共に、かかる再生データD2Xを選択器17Mgへ供給する。同じように誤り検出部17Mfは、再生データD3Xについて伝送パケット構造を検出する処理を実行し、この結果を選択器17Mgへ通知すると共に、かかる再生データD3Xを選択器17Mgへ供給する。
選択器17Mgは、誤り検出部17Me及び誤り検出部17Mfから通知される伝送パケット構造の検出結果に基づいて、誤り検出部17Me及び誤り検出部17Mfから供給される再生データD2X及び再生データD3Xのうち、例えば図12に示すような構造の伝送パケットが正常に検出された再生データD2X若しくは再生データD3Xを選択する。
そして選択器17Mgは、選択した再生データD2X若しくは再生データD3Xを、非接触ICカード2からの伝送データD1として、制御部10へ出力するようになされている。
なお本実施の形態の場合、選択器17Mgは、再生データD2X及び再生データD3Xの両方について、伝送パケットが正常に検出された旨の通知を受ける場合があり得るが、この場合は、例えば予め設定した優先度に基づいて何れかを選択するようになされている。
(2)第2の実施の形態
この第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と位相変化検出回路16の構成が異なるだけなので、ここでははこの点のみを説明する。
すなわち図13に示すように、第2の実施の形態における位相変化検出回路16Xは、負荷変調信号S1の位相変化に応じた出力信号So1を出力し得るコスタスループ(Costas Loop)でなる。
つまりこの位相変化検出回路16Xは、アンテナ部12からの負荷変調信号S1が入力信号Sinとして入力されると、これを第1の乗算器41及び第2の乗算器42へ供給する。
第1の乗算器41は、供給された入力信号SinをVCO43から供給される信号と乗算し、得られた乗算結果をローパスフィルタ44に通した後、第3の乗算器46へ供給する。因みにこのローパスフィルタ44を通過した後の信号を出力させた場合、負荷変調信号S1の振幅変化に応じた出力信号SoXが得られる。
第2の乗算器42は、供給された入力信号SinをVCO43から90°位相シフタ部48を介して供給される信号と乗算し、得られた乗算結果をローパスフィルタ45に通した後、出力信号So1として出力すると共に、第3の乗算器46へ供給する。
第3の乗算器46は、第1の乗算器41からローパスフィルタ44を介して供給された信号と、第2の乗算器42からローパスフィルタ45を介して供給された信号とを乗算し、得られた乗算結果を制御信号Scとして、ループフィルタ47を通してVCO43へ供給するようになされている。
ここで、この位相変化検出回路16Xに対する入力信号Sinを、次式(1)、
Figure 2005318385
により表し、またVCO43の初期状態がcos(ωt)であるとすると、このときに得られる出力信号So1及び制御信号Scは、次式(2)〜(3)、
Figure 2005318385
Figure 2005318385
により表される。因みに出力信号SoXについては、次式(4)、
Figure 2005318385
により表される。そしてかかる制御信号Scをループフィルタ47に通してVCO43へ供給し、これによりVCO43を制御するようにすると、このVCO43はsin(ωt+θ(t)+a・π)[a=0又は1]の状態に引き込まれ、その結果この状態でロックする。因みにこの場合のVCO43及びループフィルタ47の特性は、例えば図14のように表される。
次に図15により、出力信号SoX、出力信号So1及び制御信号Scの位相関係を示す。なおこの図15においてΔθは、VCO43の位相を基準としたときの入力信号Sinの位相を表している。
例えば、非接触ICカード2から受信した負荷変調信号S1(入力信号Sin)の位相が変化していない場合、この位相変化検出回路16Xはロックされた状態が続き、このとき出力信号SoX、出力信号So1及び制御信号Scの値は、次式(5)〜(7)
Figure 2005318385
Figure 2005318385
Figure 2005318385
により表される。つまり出力信号SoXには、(5)式で表されるように入力信号Sinの振幅変化が現れる。
ここで、不具合ポイントにある非接触ICカード2がスイッチSW1をON状態又はOFF状態にすることにより負荷変調を行うと、これに応じてリーダライタ装置3側の位相変化検出回路16Xに入力される負荷変調信号S1(入力信号Sin)の位相が変化する。
これまで入力信号Sinの位相が変化していなかったためにロック状態にあった位相変化検出回路16Xでは、このように入力信号Sinの位相が変化すると、ロック状態へ戻るための調整が開始される。
このとき図16(A)に示すように、入力信号Sinの位相変化が発生した時点からロック状態へ戻るまでの間、出力信号So1がHi若しくはLowに変化する。
これにより、非接触ICカード2による負荷変調の結果が負荷変調信号S1(入力信号Sin)の位相に現れている場合には、出力信号So1に基づいて非接触ICカード2からの伝送データD1を復調し得ることがわかる。
かくするにつきこの位相変化検出回路16Xは、かかる出力信号So1を上述の位相変化検出結果信号S3として後段の選択復調回路17へ送出する。例えば選択復調回路17では、位相変化検出結果信号S3として入力された出力信号So1を、図17に示すような抵抗R51及びコンデンサC51を有する積分回路51に通すことにより、図16(B)に示すような波形の出力信号(以下、これを積分後出力信号と呼ぶ)So1´を得た後、これを図示しないハイパスフィルタに通して直流成分をカットし、続けてゼロクロスコンパレータに入力することにより、伝送データD1を復調する。
なお本実施の形態の場合、入力信号Sinの位相が変化する以前に位相変化検出回路16XがΔθ=0°の状態でロックされていたか又はΔθ=180°の状態でロックされていたかによって、図16に示したように出力信号So1が逆相になってしまう場合があり、この場合にはこの出力信号So1に基づいて復調された伝送データD1が反転してしまう。しかしながらこのリーダライタ装置3は、出力信号So1を復調した際、得られた伝送データD1のシンクコード等に基づいて出力信号So1が逆相になっていたか否かを判定し、逆相になっていた場合には当該伝送データD1を補正するようにしたことにより、常に正しい伝送データD1を得ることができる。
また本実施の形態の場合、この位相変化検出回路16Xにおいては、負荷変調信号S1の振幅変化が現れる出力信号SoXを利用しないので、振幅に対する線形性が要求されず、この結果この位相変化検出回路16Xを格段と容易に実現することができる。
(3)第3の実施の形態
この第3の実施の形態においては、第1の実施の形態と位相変化検出回路16及び選択復調回路17の構成が異なるだけなので、ここではこの点のみを説明する。
図18に示すように、第3の実施の形態における位相変化検出回路16Yは、入力された負荷変調信号S1に対し、当該負荷変調信号S1のキャリア周波数と同じ周波数であってそれぞれ位相の異なる2つの信号(以下、これを第1の乗算用信号及び第2の乗算用信号と呼ぶ)S11、S12を乗算することにより、負荷変調信号S1の位相変化を検出するようになされている。
つまりこの位相変化検出回路16Yは、アンテナ部12からの負荷変調信号S1を、乗算部61及び62へ供給する。各乗算部61及び62は、供給された負荷変調信号S1と、所定の信号源から入力される第1の乗算用信号S11及び第2の乗算用信号S12とをそれぞれ乗算し、この乗算結果をローパスフィルタ63及び64に通した後、位相変化検出結果信号(以下、これを第1の位相変化検出結果信号と呼ぶ)S3a及び位相変化検出結果信号(以下、これを第2の位相変化検出結果信号と呼ぶ)S3bとして出力する。
ここで、負荷変調信号S1の位相変化をΔθで表すと共に、負荷変調信号S1、第1の乗算用信号S11及び第2の乗算用信号S12を、次式(8)〜(10)、
Figure 2005318385
Figure 2005318385
Figure 2005318385
により表すと、第1の位相変化検出結果信号S3aは、次式(11)
Figure 2005318385
により表される。そして負荷変調信号S1の位相変化Δθが0及びΔθaの間を変化した場合、この第1の位相変化検出結果信号S3aの変化量(振幅の差)ΔS3aは、次式(12)、
Figure 2005318385
により表される。ただし、次式(13)、
Figure 2005318385
に当てはまる場合は、第1の位相変化検出結果信号S3aの値は得られない。
同じようにして、第2の位相変化検出結果信号S3bも、次式(14)
Figure 2005318385
により表される。そして同じように負荷変調信号S1の位相変化Δθが0及びΔθaの間を変化した場合、この第2の位相変化検出結果信号S3bの変化量ΔS3bも、次式(15)、
Figure 2005318385
により表される。ただし、次式(16)、
Figure 2005318385
に当てはまる場合は、第2の位相変化検出結果信号S3bの値は得られない。
ここで本実施の形態の場合この位相変化検出回路16Yは、上述したθ1及びθ2の値が、次式(17)
Figure 2005318385
を満たすように設定されているので、少なくとも第1の位相変化検出結果信号S3a及び第2の位相変化検出結果信号S3bの何れかに対し、負荷変調信号S1の位相変化(Δθ)が現れるようになされている。これにより例えば後段の回路において、この第1の位相変化検出結果信号S3a若しくは第2の位相変化検出結果信号S3bの直流成分をカットし、続けてゼロクロスコンパレータ等に入力すれば、2値化されたデータ(伝送データD1)を得ることができる。
実際上、本実施の形態の場合、位相変化検出回路16Yの後段の選択復調回路17Nは、例えば図19のように構成されている。
すなわち、この選択復調回路17N内のA/Dコンバータ17Naは、入力される振幅変化検出結果信号S2に対してアナログデジタル変換処理を施し、この結果得られたデータD2を、同期検出部17Ndを介して、再生データD2Xとして誤り検出部17Nhへ供給する。このとき誤り検出部17Nhは、供給された再生データD2Xについて伝送パケット構造を検出する処理を実行し、この結果を選択器17Njへ通知すると共に、かかる再生データD2Xを選択器17Njへ供給する。
一方、選択復調回路17N内のA/Dコンバータ17Nb及びA/Dコンバータ17Ncは、入力される位相変化検出結果信号S3a、S3bに対してそれぞれアナログデジタル変換処理を施し、この結果得られたデータD3a、D3bを、それぞれ同期検出部17Ne及び同期検出部17Nfへ供給する。
同期検出部17Neは、データD3aに対して同期検出・データ再生処理を実行し、同期検出処理の結果を選択器17Ngへ通知すると共に、得られた再生データD3aXを選択器17Ngへ供給する。同じように同期検出部17Nfは、データD3bに対して同期検出・データ再生処理を実行し、同期検出処理の結果を選択器17Ngへ通知すると共に、得られた再生データD3bXを選択器17Ngへ供給する。
選択器17Ngは、同期検出部17Ne及び同期検出部17Nfから通知される同期検出処理の結果に基づいて、同期検出部17Ne及び同期検出部17Nfから供給される再生データD3aX及び再生データD3bXのうち、同期が検出されて再生された再生データD3aX若しくは再生データD3bXを選択する。
そして選択器17Ngは、選択した再生データD3aX若しくは再生データD3bX(例えば、ここでは再生データD3aXを選択したとする)を、誤り検出部17Niへ供給する。このとき誤り検出部17Niは、供給される再生データD3aXについて伝送パケット構造の検出処理を実行し、この結果を選択器17Njへ通知すると共に、かかる再生データD3aXを選択器17Njへ供給する。
選択器17Njは、誤り検出部17Nh及び誤り検出部17Niから通知される伝送パケット構造の検出結果に基づいて、誤り検出部17Nh及び誤り検出部17Niから供給される再生データD2X及び再生データD3aXのうち、例えば図12に示すような構造の伝送パケットが正常に検出された再生データD2X若しくは再生データD3aXを選択する。
そして選択器17Njは、選択した再生データD2X若しくは再生データD3aXを、非接触ICカード2からの伝送データD1として、制御部10へ出力するようになされている。
因みに本実施の形態の場合、この選択復調回路17Nにおいては、再生データD3aX若しくは再生データD3bXを選択する選択器17Ngと、当該選択器17Ngによって選択された例えば再生データD3aX若しくは再生データD2Xを選択する選択器17Njとを設ける場合について述べたが、この選択復調回路17Nに入力される位相変化検出結果信号S3が2つ程度であれば、1つの選択器を設けるだけにしても良い。このように1つの選択器のみを設ける場合、例えば、再生データD2X、D3aX、D3bXのそれぞれに対して伝送パケット構造の検出を行う3つの誤り検出部を設け、これら誤り検出部からの通知に基づいて当該1つの選択器が、再生データD2X、D3aX、D3bXのうちの一を選択するようにすれば良い。
(4)第4の実施の形態
最初に、第3の実施の形態の位相変化検出回路16Y(図18)から出力される第1の位相変化検出結果信号S3a及び第2の位相変化検出結果信号S3bについて考える。因みに、第1の位相変化検出結果信号S3aの変化量ΔS3aについては、Δθが0及びΔθaの間を変化した場合、上述したように式(12)により表され、第2の位相変化検出結果信号S3bの変化量ΔS3bについては、式(15)により表される。
図20に基づいて、例えば第1の位相変化検出結果信号S3aの値を最大にすることを考えると、次式(18)
Figure 2005318385
を満たす必要がある。
従って、第3の実施の形態における位相変化検出回路16Yにおいては、第1の位相変化検出結果信号S3aが当該式(18)を満たすか、第2の位相変化検出結果信号S3bが当該式(18)と同様の条件を満たすと、このとき第1の位相変化検出結果信号S3a若しくは第2の位相変化検出結果信号S3bにおいて負荷変調信号S1の位相変化が最も大きく現れるので、後段の選択復調回路17における復調処理が効率良くなることがわかる。
またここで、第3の実施の形態の位相変化検出回路16Yにおける処理を、図21のベクトル図を用いて整理する。なおここでは、位相変化検出回路16Y内の基準クロックと当該位相変化検出回路16Yに入力される負荷変調信号S1との位相差をθiと考え、当該負荷変調信号S1をsin(ωt+θi+Δθ)と表した。
つまり図21によれば、図18に示した位相変化検出回路16Yでは、例えば第1の乗算用信号S11(sin(ωt+θ1+θi))に対する負荷変調信号S1(sin(ωt+θi+Δθ))の射影が、ローパスフィルタ63を通した後の出力(第1の位相変化検出結果信号S3aに相当し、図中においてその変化量をΔS3aで表す)として得られることが分かる。すなわち負荷変調信号S1の位相が、例えばΔθ=0からΔθ=Δθaに変化した場合、その変化量ΔS3aは図21に図示するように射影の振幅の変化として現れる。そしてこの場合、当該出力ΔS3aが最大になる軸(以下、これを出力最大軸と呼ぶ)と、当該出力が0になる軸(以下、これを出力0軸と呼ぶ)とは、図22のように示される。また図23において、それぞれ位相の異なる乗算用信号を多数用意した場合を示す。
第4の実施の形態においては、以上を踏まえて図24に示すように位相変化検出回路16Zが構成されている。なおこの第4の実施の形態では、第3の実施の形態と比べて主に位相変化検出回路16Zと選択復調回路17Pの構成が異なるだけなので、以下ではこの点のみを説明する。
この位相変化検出回路16Zでは、負荷変調信号S1の位相変化が大きく現れる位相変化検出結果信号S3(S3a、S3b、S3c、……)を選択復調回路17Pへ供給すべく、入力された負荷変調信号S1に対し、当該負荷変調信号S1のキャリア周波数と同じ周波数であってそれぞれ位相の異なる多数の乗算用信号S11、S12、S13……を乗算するようになされている。
つまりこの位相変化検出回路16Zは、アンテナ部12からの負荷変調信号S1を、各乗算部71、72、73……へ供給する。各乗算部71、72、73、……は、供給される負荷変調信号S1と、所定の信号源SS1、SS2、SS3、……から入力される乗算用信号S11、S12、S13……をそれぞれ乗算し、この乗算結果をローパスフィルタ81、82、83……に通した後、位相変化検出結果信号S3a、S3b、S3c……として選択復調回路17Pへ出力する。
このようにしてこの位相変化検出回路16Zでは、負荷変調信号S1に対してそれぞれ位相の異なる多数の乗算用信号S11、S12、S13……を乗算するようにしたことにより、この結果得られる位相変化検出結果信号S3a、S3b、S3c……の何れかにおいて負荷変調信号S1の位相変化が大きく現れるようにすることができ、この結果後段の選択復調回路17Pにおける復調処理を効率良くすることができる。
ここで図23を参照しながら、各乗算器71、……に対して入力される乗算用信号S11、……について考える。例えば乗算器71に対して入力される乗算用信号S11の符号が反転したとき、これに対応して出力される位相変化検出結果信号S3aの振幅は反転してしまうが、その振幅変化の量は変化しない。従って、当該振幅が反転した位相変化検出結果信号S3aを復調した場合でも正常なデータ(伝送データD1)を得ることができるので、このことから各乗算器71、……に入力される乗算用信号S11、……が、sin(ωt+0°)であってもsin(ωt+180°)であっても結果に優劣は生じないことがわかる。かくしてこの位相変化検出回路16Zにおいては、sin(ωt+0°)〜sin(ωt+180°)間をできるだけ均等にカバーするようにして、それぞれ位相の異なる複数の乗算用信号S11、……を生成することが望ましい。
これを受けて本実施の形態の位相変化検出回路16Zにおいては、信号源SS1、……がN−1個(N≧3)設けられており、各信号源SS1、……がそれぞれΔθ´ずつ位相の異なる乗算用信号S11、……を生成するとしたとき、このΔθ´とNとを乗算した値が180°を超えるように当該Δθ´及びNの値を選定した。つまり、位相差Δθ´を180°/Nとした場合、軸として、sin(ωt+0°)、sin(ωt+(180/N)°)、……、sin(ωt+(180・(N-1)/N)°)の乗算用信号S11、……が生成される。このようにすることにより、この位相変化検出回路16Zにおいては、生成した複数の乗算用信号S11、……が、sin(ωt+0°)〜sin(ωt+180°)間をほぼ均等にカバーするようにすることができる。なおこの場合、生成した複数の乗算用信号S11、……のうちの最大出力軸に最も近いものと、この最大出力軸との間に生じるずれの最大量(以下、これを最大位相誤差量と呼ぶ)は、Δθ´/2により表される(図23等を参照)。
また、信号源SS1、……から出力される乗算用信号S11、……にばらつきが生じることを予め見込んで、Δθ´及びNの値を選定するようにしても良い。つまりこのΔθ´が、例えばΔθ´typから±20%ばらつく場合、次式(19)、
Figure 2005318385
を満たすようにNの値を決定する。このようにすることにより、この位相変化検出回路16Zにおいては、生成される乗算用信号S11、……にばらつきが生じる場合であっても、これら複数の乗算用信号によって、sin(ωt+0°)〜sin(ωt+180°)間をほぼ均等にカバーするようにすることができる。なおこの場合の最大位相誤差量については、(Δθ´typ×1.2)/2に抑えることができる。因みに、この位相変化検出回路16ZをIC(Integrated Circuit)内に設けて図25に示すように所定の基準クロックからゲート遅延を利用して複数の乗算用信号S11、……を生成する場合、その遅延量を正確に制御することが難しいので、このような手法が有用となる。
因みに、位相変化検出回路16Zにおいて複数の乗算用信号S11、……を生成する手法としては、図26に示すように、抵抗及びコンデンサからなる遅延回路を用いるようにしても良い。
さらにこの位相変化検出回路16Zにおいて、乗算器71、……の数を効率良く設けたい場合は、1周期(360°)の1/(2・N)倍(N≧2)の位相差Δθ´からなるN個の乗算用信号S11、……を、生成するようにすれば良い。例えばN=2とすると、sin(ωt+0°)の乗算用信号S11とsin(ωt+90°)の乗算用信号S12とを生成させることになる。この場合この位相変化検出回路16Zにおいては、負荷変調信号S1に対して4つの乗算用信号(つまり、sin(ωt+0°)、sin(ωt+90°)、sin(ωt+180°)、sin(ωt+270°))を乗算している場合と、等価であると考えることができる。
また、1周期の1/(2・N)倍(N≧2)の位相差Δθ´からなるN個の乗算用信号S11、……を生成する場合、キャリア周波数のN倍の周波数でなる信号を生成すれば良い。例えば、図27に示すようにD型フリップフロップを2つ接続した回路を利用することにより、キャリア周波数の2倍の周波数でなる信号から、90°位相差のある信号を生成することができる。
次に図28を用いて、選択復調回路17Pの構成を説明する。因みに、ここでは説明を簡略化するため、位相変化検出回路16Zから選択復調回路17Pに対して、4つの位相変化検出結果信号S3(S3a〜S3d)が入力されるものとする。
すなわち、この選択復調回路17P内のA/Dコンバータ17Paは、振幅変化検出回路15から入力される振幅変化検出結果信号S2に対してアナログデジタル変換処理を施し、この結果得られたデータD2を、同期検出部17Pfを介して、再生データD2Xとして誤り検出部17Plへ供給する。このとき誤り検出部17Plは、供給された再生データD2Xについて伝送パケット構造を検出する処理を実行し、この結果を選択器17Pnへ通知すると共に、かかる再生データD2Xを選択器17Pnへ供給する。
一方、選択復調回路17P内のA/Dコンバータ17Pb〜17Peは、入力される位相変化検出結果信号S3a〜S3dに対してそれぞれアナログデジタル変換処理を施し、この結果得られたデータD3a〜D3dを、それぞれ同期検出部17Pg〜17Pjへ供給する。
同期検出部17Pg〜17Pjは、データD3a〜D3dに対してそれぞれ同期検出・データ再生処理を実行し、同期検出処理の結果を選択器17Pkへ通知すると共に、得られた再生データD3aX〜D3dXを選択器17Pkへ供給する。
選択器17Pkは、同期検出部17Pg〜17Pjからそれぞれ通知される同期検出処理の結果に基づいて、同期検出部17Pg〜17Pjから供給される再生データD3aX〜D3dXのうち、同期が検出された例えば再生データD3aXを選択する。
因みに本実施の形態の場合、選択器17Pkは、再生データD3aX〜D3dXのうちの幾つかについて、同期を検出した旨の通知を受ける場合があり得るが、この場合は、同期検出部17Pg〜17Pjの何れかから1番最初に通知を受けたものを選択するようになされている。
そして選択器17Pkは、選択した再生データD3aXを、誤り検出部17Pmへ供給する。このとき誤り検出部17Pmは、供給される再生データD3aXについて伝送パケット構造の検出処理を実行し、この結果を選択器17Pnへ通知すると共に、かかる再生データD3aXを選択器17Pnへ供給する。
選択器17Pnは、誤り検出部17Pl及び誤り検出部17Pmから通知される伝送パケット構造の検出結果に基づいて、誤り検出部17Pl及び誤り検出部17Pmから供給される再生データD2X及び再生データD3aXのうち、例えば図12に示すような構造の伝送パケットが正常に検出された再生データD2X若しくは再生データD3aXを選択する。
そして選択器17Pnは、選択した再生データD2X若しくは再生データD3aXを、非接触ICカード2からの伝送データD1として、制御部10へ出力するようになされている。
(5)第1乃至第4の実施の形態における動作及び効果
以上の構成においてリーダライタ装置3の受信部14は、負荷変調信号S1の振幅変化だけでなく位相変化も検出し、非接触ICカード2による負荷変調の結果が負荷変調信号S1の振幅に現れず位相に現れている場合には、位相変化の検出結果に基づいて復調したデータを非接触ICカード2からの伝送データD1として、制御部10へ出力するようにした。
これにより、非接触ICカード2が不具合ポイントにあるため、当該非接触ICカード2による負荷変調の結果が負荷変調信号S1の振幅に現れず位相に現れる場合であっても、非接触ICカード2からの伝送データD1を確実に得ることができる。
以上の構成によれば、リーダライタ装置3は、負荷変調信号S1から伝送データD1を復調するために、当該負荷変調信号S1の振幅変化だけでなく位相変化も検出するようにしたことにより、非接触ICカード2による負荷変調の結果が負荷変調信号S1の振幅に現れず位相に現れる場合であっても伝送データD1を得ることができ、かくして非接触ICカード2と確実にデータ通信することができる。
特に、駅に設けられた券売機等では、ユーザにより挿入された非接触ICカード2が券売機内部において機械的に位置固定され、その上で当該券売機内部のリーダライタ装置により非接触ICカード2に対するデータの読み出し/書き込みが行われる。従ってこの場合には、非接触ICカード2が、リーダライタ装置から距離d1だけ離れた不具合ポイントで、位置固定されてしまう可能性がある。本実施の形態のリーダライタ装置3は、このような状況になった場合であっても、非接触ICカード2とのデータ通信を確実に行うことができる。
また本実施の形態の場合、このリーダライタ装置3の受信部14では、負荷変調信号S1の振幅変化を検出する振幅変化検出回路15と、負荷変調信号S1の位相変化を検出する位相変化検出回路16とを別個に設けるようにしたことにより、それぞれ別々に調整を行って最適化することができるので、実装時の作業が容易になる等の効果を得ることができる。
また、負荷変調信号S1の振幅変化を検出するための回路を既に有する従来のリーダライタ装置(図31)に対し、位相変化検出回路16を設けるだけで、本実施の形態のリーダライタ装置3と同様のリーダライタ装置を実現することができる。
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、コスタスループでなる位相変化検出回路16Xが、出力信号So1を位相変化検出結果信号S3として後段の選択復調回路17へ送出し、これによりこの出力信号So1を選択復調回路17に復調処理させる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、位相変化検出回路16Xは、制御信号Scを位相変化検出結果信号S3として後段の選択復調回路17へ送出するようにしても良い。この場合、この制御信号Scにも負荷変調信号S1(入力信号Sin)の位相変化が現れているので、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
また上述の実施の形態においては、コスタスループでなる位相変化検出回路16Xが、Δθ=0°又は180°にロックされる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、Δθ=90°又は270°にロックされるようにしても良い。また、このコスタスループでなる位相変化検出回路16Xの実現方法については、アナログ回路又はデジタル回路の何れでも実装することが可能である。
さらに上述の実施の形態においては、図6に示すように、遅延検波回路構成でなる位相変化検出回路16を適用する場合について述べたが、これに代えて、例えば図29に示すようなデジタル回路を適用するようにしても良い。この場合このデジタル回路は、入力される負荷変調信号S1と、当該負荷変調信号S1を遅延回路に通して得られた遅延信号S1´とを、EXOR(Exclusive-OR:排他的論理和)部により処理し、この結果を位相変化検出結果信号S3として出力するようになされている。
さらに上述の実施の形態においては、それぞれ位相の異なる複数の乗算用信号S11、……を生成するに当たり、図27に示すようなD型フリップフロップが2つ接続されて構成された回路を利用し、又は図26に示すような抵抗及びコンデンサを有する遅延回路を利用し、又は図25に示すようにIC内部のゲート遅延を利用したりする場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これらを組み合わせて用いるようにしても良い。
さらに上述の実施の形態においては、図9に示す選択復調回路17を適用するか、若しくは図10に示す選択復調回路17Lを適用するか、若しくは図11に示す選択復調回路17Mを適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、これら選択復調回路17、選択復調回路17L、選択復調回路17Mを適宜組み合わせて適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態において、誤り検出部17g、17Lfは、CRCに基づいて誤り検出処理する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、プリアンブル及びシンクコード等に基づいて誤り検出処理するようにしても良い。
良い。
さらに上述の実施の形態においては、図10に示す同期検出部17Lc、17Ldが、同期検出のみを実行する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、同期検出部17Lc、17Ldは、伝送路符号を検出する処理も実行するようにしても良い。この場合後段の選択器16Leは、同期検出部17Lc、17Ldから通知される同期検出の結果と伝送路符号検出の結果とに基づいて、データD2又はデータD3を選択するようにすれば良い。
さらに上述の実施の形態においては、選択復調回路17、17L、17M、17N、17Pにおいて、A/Dコンバータ17a、17b、17La、17Lb、17Ma、17Mb、17Na〜17Nc、17Pa〜17Peを設ける場合について述べたが、前段の振幅変化検出回路15や位相変化検出回路16がデジタル回路で構成される場合、これらについては設けなくても良い。
さらに上述の実施の形態では、非接触ICカード2とデータ通信する通信装置として、リーダライタ装置3を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、負荷変調された負荷変調信号S1を受信して復調処理を行うものであれば、非接触ICカード2とデータ通信するようになされた携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)等、この他種々の装置を適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態では、振幅変化検出手段(振幅変化検出回路15)と位相変化検出手段(位相変化検出回路16、16X、16Y、16Z)を有する受信回路として、図5に示すような構成でなる受信部14を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態では、第1の生成データ(D2)及び第2の生成データ(D3)に対し伝送路符号の検出を行う伝送路符号出手段として伝送路符号検出部17c、17dを適用し、同期検出を行う同期検出手段として同期検出部17Lc、17Ldを適用し、伝送パケット構造の検出を行うパケット構造検出手段として誤り検出部17Me、17Mfを適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を適用することができる。
さらに上述の実施の形態では、乗算用信号S11、S12、……を各乗算部71、72、……へ供給する信号生成手段として、信号源SS1、SS2、……を適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を適用するようにしても良い。
さらに上述の実施の形態では、搬送波に対する位相同期を行う位相同期回路として、コスタスループでなる位相変化検出回路16Xを適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、搬送波に対する位相同期を行うものであれば、この他種々の構成を適用することができる。
本発明は、非接触ICカードとデータ通信するリーダライタ装置等に利用することができる。
非接触ICカードシステムの構成を示す略線図である。 解析対象を示す略線図である。 振幅変化についての解析結果を示す略線図である。 位相変化についての解析結果を示す略線図である。 受信部の構成を示す略線図である。 位相変化検出回路の構成(1)を示す略線図である。 各部の位相の様子(1)を示す略線図である。 各部の位相の様子(2)を示す略線図である。 選択復調回路(1)の構成を示す略線図である。 選択復調回路(2)の構成を示す略線図である。 選択復調回路(3)の構成を示す略線図である。 バケット構造を示す略線図である。 位相変化検出回路の構成(2)を示す略線図である。 VCO及びループフィルタの概略特性を示す略線図である。 各出力の位相関係を示す略線図である。 出力信号の位相変化を示す略線図である。 パッシブ積分回路の構成を示す略線図である。 位相変化検出回路の構成(3)を示す略線図である。 選択復調回路(4)の構成を示す略線図である。 sin波の様子を示す略線図である。 ベクトル図(1)を示す略線図である。 ベクトル図(2)を示す略線図である。 ベクトル図(3)を示す略線図である。 位相変化検出回路の構成(4)を示す略線図である。 ICのゲート遅延の様子を示す略線図である。 遅延回路の一例を示す略線図である。 D型フリップフロップにより構成された回路を示す略線図である。 選択復調回路(5)の構成を示す略線図である。 デジタル回路の一例を示す略線図である。 従来の非接触ICカードシステムを示す略線図である。 従来の検出回路及び復調回路を示す略線図である。 従来の復調回路を示す略線図である。 従来の伝送パケット(1)を示す略線図である。 マンチェスタ符号を示す略線図である。 従来の伝送パケット(2)を示す略線図である。 リーダライタ装置に対し非接触ICカードを鉛直上方に移動させた場合の通信特性を示す略線図である。
符号の説明
1……非接触ICカードシステム、2……非接触ICカード2、3……リーダライタ装置、4……サーバ装置、10……制御部、12……アンテナ部、14……受信部、15……振幅変化検出回路、16……位相変化検出回路、17、17L、17M、17N、17P……選択復調回路、CT1……リーダライタ装置側回路、CT2……非接触ICカード側回路。

Claims (28)

  1. 受信した負荷変調信号からデータを復調するために上記負荷変調信号の振幅変化を検出する振幅変化検出手段と、
    上記振幅変化検出手段とは別個に設けられ、上記受信した負荷変調信号から上記データを復調するために上記負荷変調信号の位相変化を検出する位相変化検出手段と
    を具えることを特徴とする受信回路。
  2. 上記検出した振幅変化に基づいて生成した第1の生成データ及び上記検出した位相変化に基づいて生成した第2の生成データに対し、伝送路符号の検出を行う伝送路符号検出手段と、
    上記伝送路符号検出手段により伝送路符号が検出された上記第1の生成データ又は上記第2の生成データを、上記データを復調するために選択する選択手段と
    を具えることを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
  3. 上記検出した振幅変化に基づいて生成した第1の生成データ及び上記検出した位相変化に基づいて生成した第2の生成データに対し、同期検出を行う同期検出手段と、
    上記同期検出手段により同期が検出された上記第1の生成データ又は上記第2の生成データを、上記データを復調するために選択する選択手段と
    を具えることを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
  4. 上記検出した振幅変化に基づいて生成した第1の生成データ及び上記検出した位相変化に基づいて生成した第2の生成データに対し、伝送パケット構造の検出を行うパケット構造検出手段と、
    上記パケット構造検出手段により上記伝送パケット構造が検出された上記第1の生成データ又は上記第2の生成データを、上記データを復調するために選択する選択手段と
    を具えることを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
  5. 上記位相変化検出手段は、遅延検波回路でなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
  6. 上記遅延検波回路は、
    上記データのデータレートに応じて上記負荷変調信号を所定シンボル分遅延させる遅延部と、
    上記遅延部からの出力と上記負荷変調信号とを乗算する乗算部と
    を具えることを特徴とする請求項5に記載の受信回路。
  7. 上記位相変化検出手段は、搬送波に対する位相同期回路でなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
  8. 上記位相変化検出手段は、
    上記負荷変調信号がそれぞれ入力される複数の乗算部と、
    上記負荷変調信号と同周波数であってそれぞれ位相の異なる複数の乗算用信号を生成する信号生成手段と
    を具え、
    上記信号生成手段は、
    生成した各上記乗算用信号を各上記乗算部へ供給し、
    各上記乗算部は、
    上記入力される負荷変調信号と上記供給される乗算用信号とを乗算する
    ことを特徴とする請求項1に記載の受信回路。
  9. 各上記乗算部の乗算結果として得られる複数の乗算結果データのそれぞれに対し、同期検出を行う複数の同期検出部と、
    上記複数の乗算結果データのうち上記同期検出部により同期が検出された乗算結果データを選択する乗算結果データ選択部と
    を具えることを特徴とする請求項8に記載の受信回路。
  10. 上記信号生成手段は、
    各上記乗算用信号の位相差がΔθになるように上記乗算用信号をN−1個(N≧3)生成する場合、上記Δθと上記Nとを乗算した結果が180°を超えるように、上記Δθ及び上記Nの値が設定されてなる
    ことを特徴とする請求項8に記載の受信回路。
  11. 上記信号生成手段は、
    上記負荷変調信号と同周波数の信号を半導体集積回路のゲート遅延を利用して順次遅延させることにより、それぞれの位相差がΔθでなるN−1個の上記乗算用信号を生成する
    ことを特徴とする請求項10に記載の受信回路。
  12. 上記信号生成手段は、
    抵抗及びコンデンサを有する遅延回路を具え、上記負荷変調信号と同周波数の信号を上記遅延回路を介して順次遅延させることにより、それぞれの位相差がΔθでなるN−1個の上記乗算用信号を生成する
    ことを特徴とする請求項10に記載の受信回路。
  13. 上記信号生成手段は、
    N個(N≧2)の上記乗算用信号を生成する場合、生成される各上記乗算用信号の位相差Δθが、

    Figure 2005318385
    になるように設定されてなる
    ことを特徴とする請求項8に記載の受信回路。
  14. 上記信号生成手段は、上記負荷変調信号の周波数をN倍した信号を生成し、当該生成した信号を基に上記位相差Δθの乗算用信号を生成する
    ことを特徴とする請求項13に記載の受信回路。
  15. 外部からの負荷変調信号を受信する受信回路を有し、
    上記受信回路は、
    上記受信した負荷変調信号からデータを復調するために上記負荷変調信号の振幅変化を検出する振幅変化検出手段と、
    上記振幅変化検出手段とは別個に設けられ、上記受信した負荷変調信号から上記データを復調するために上記負荷変調信号の位相変化を検出する位相変化検出手段と
    を具えることを特徴とする通信装置。
  16. 上記検出した振幅変化に基づいて生成した第1の生成データ及び上記検出した位相変化に基づいて生成した第2の生成データに対し、伝送路符号の検出を行う伝送路符号検出手段と、
    上記伝送路符号検出手段により伝送路符号が検出された上記第1の生成データ又は上記第2の生成データを、上記データを復調するために選択する選択手段と
    を具えることを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  17. 上記検出した振幅変化に基づいて生成した第1の生成データ及び上記検出した位相変化に基づいて生成した第2の生成データに対し、同期検出を行う同期検出手段と、
    上記同期検出手段により同期が検出された上記第1の生成データ又は上記第2の生成データを、上記データを復調するために選択する選択手段と
    を具えることを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  18. 上記検出した振幅変化に基づいて生成した第1の生成データ及び上記検出した位相変化に基づいて生成した第2の生成データに対し、伝送パケット構造の検出を行うパケット構造検出手段と、
    上記パケット構造検出手段により上記伝送パケット構造が検出された上記第1の生成データ又は上記第2の生成データを、上記データを復調するために選択する選択手段と
    を具えることを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  19. 上記位相変化検出手段は、遅延検波回路でなる
    ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  20. 上記遅延検波回路は、
    上記データのデータレートに応じて上記負荷変調信号を所定シンボル分遅延させる遅延部と、
    上記遅延部からの出力と上記負荷変調信号とを乗算する乗算部と
    を具えることを特徴とする請求項19に記載の通信装置。
  21. 上記位相変化検出手段は、搬送波に対する位相同期回路でなる
    ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  22. 上記位相変化検出手段は、
    上記負荷変調信号がそれぞれ入力される複数の乗算部と、
    上記負荷変調信号と同周波数であってそれぞれ位相の異なる複数の乗算用信号を生成する信号生成手段と
    を具え、
    上記信号生成手段は、
    生成した各上記乗算用信号を各上記乗算部へ供給し、
    各上記乗算部は、
    上記入力される負荷変調信号と上記供給される乗算用信号とを乗算する
    ことを特徴とする請求項15に記載の通信装置。
  23. 各上記乗算部の乗算結果として得られる複数の乗算結果データのそれぞれに対し、同期検出を行う複数の同期検出部と、
    上記複数の乗算結果データのうち上記同期検出部により同期が検出された乗算結果データを選択する乗算結果データ選択部と
    を具えることを特徴とする請求項22に記載の通信装置。
  24. 上記信号生成手段は、
    各上記乗算用信号の位相差がΔθになるように上記乗算用信号をN−1個(N≧3)生成する場合、上記Δθと上記Nとを乗算した結果が180°を超えるように、上記Δθ及び上記Nの値が設定されてなる
    ことを特徴とする請求項22に記載の通信装置。
  25. 上記信号生成手段は、
    上記負荷変調信号と同周波数の信号を半導体集積回路のゲート遅延を利用して順次遅延させることにより、それぞれの位相差がΔθでなるN−1個の上記乗算用信号を生成する
    ことを特徴とする請求項24に記載の通信装置。
  26. 上記信号生成手段は、
    抵抗及びコンデンサを有する遅延回路を具え、上記負荷変調信号と同周波数の信号を上記遅延回路を介して順次遅延させることにより、それぞれの位相差がΔθでなるN−1個の上記乗算用信号を生成する
    ことを特徴とする請求項24に記載の通信装置。
  27. 上記信号生成手段は、
    N個(N≧2)の上記乗算用信号を生成する場合、生成される各上記乗算用信号の位相差Δθが、

    Figure 2005318385
    になるように設定されてなる
    ことを特徴とする請求項22に記載の通信装置。
  28. 上記信号生成手段は、上記負荷変調信号の周波数をN倍した信号を生成し、当該生成した信号を基に上記位相差Δθの乗算用信号を生成する
    ことを特徴とする請求項27に記載の通信装置。
JP2004135607A 2004-04-30 2004-04-30 受信回路及び通信装置 Expired - Fee Related JP4415253B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004135607A JP4415253B2 (ja) 2004-04-30 2004-04-30 受信回路及び通信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004135607A JP4415253B2 (ja) 2004-04-30 2004-04-30 受信回路及び通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005318385A true JP2005318385A (ja) 2005-11-10
JP4415253B2 JP4415253B2 (ja) 2010-02-17

Family

ID=35445337

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004135607A Expired - Fee Related JP4415253B2 (ja) 2004-04-30 2004-04-30 受信回路及び通信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4415253B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009009187A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Felica Networks Inc 情報処理装置、およびデータ処理方法
JP2009239842A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Renesas Technology Corp 無線通信システム
JP2009271775A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Toshiba Corp 受信装置
JP2011087212A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Sony Corp 復調装置および方法、並びに電子機器
JP2011254156A (ja) * 2010-05-31 2011-12-15 Sony Corp 情報処理装置及び受信方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009009187A (ja) * 2007-06-26 2009-01-15 Felica Networks Inc 情報処理装置、およびデータ処理方法
JP2009239842A (ja) * 2008-03-28 2009-10-15 Renesas Technology Corp 無線通信システム
JP2009271775A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Toshiba Corp 受信装置
US8310345B2 (en) 2008-05-08 2012-11-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Receiving apparatus
JP2011087212A (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 Sony Corp 復調装置および方法、並びに電子機器
JP2011254156A (ja) * 2010-05-31 2011-12-15 Sony Corp 情報処理装置及び受信方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4415253B2 (ja) 2010-02-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10187100B2 (en) Apparatus and method for direct radio frequency (RF) sampling in near field communication (NFC) devices
US20170373726A1 (en) Receiver and communication system
EP2234356A2 (en) Near-field wireless communication device, communication method and program
CN108141251A (zh) Nfc卡仿真模式的异步传输
US20160315646A1 (en) Wireless receiver and method
JP3565966B2 (ja) 通信装置
JP4468434B2 (ja) 通信装置、非接触icカード、信号選択方法、及びプログラム
EP3005578A1 (en) Non-contact communication method determination circuit, non-contact communication circuit, and ic card
CN107437987A (zh) 通信设备、检测接收信号的边沿的方法和接收数据的方法
JP4415253B2 (ja) 受信回路及び通信装置
KR100858350B1 (ko) 무선신호 수신장치
JP4415254B2 (ja) 受信回路及び通信装置
JP5464418B2 (ja) 復調装置および方法、並びに電子機器
JP4793372B2 (ja) 通信装置、復調方法
JP2008035104A (ja) 通信装置及び信号処理方法
US8310345B2 (en) Receiving apparatus
CN101141427B (zh) 一种利用同步时钟信号对数字信号进行解调的方法和装置
JP4352326B2 (ja) 受信装置及び半導体集積回路
US9137062B2 (en) Wireless communication apparatus and wireless communication method
JP2013016909A (ja) 同期検波回路、受信装置及び検波方法
US8073082B2 (en) Mirror sub-carrier demodulation circuit, receiving device with the same, and mirror sub-carrier demodulating method
CN110521127A (zh) 射频收发器的峰值自适应采样解调
JP2009009187A (ja) 情報処理装置、およびデータ処理方法
JP4758164B2 (ja) 情報処理装置、通信回路、および通信回路の処理方法
US20110084810A1 (en) Rfid transponder

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070418

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090422

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090430

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091029

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121204

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees