JP2005317598A - 光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 透光性蓋体と絶縁基体とが強固に接合されて、光半導体素子を収納する密閉空間の気密性に優れ、光半導体素子に外光を長期にわたって歪を生じることなく正常に受光させることができ、正常な電気信号を外部の機器や素子などに送ることが可能な信頼性の高い光半導体装置を提供すること。
【解決手段】 光半導体装置9は、上面に光半導体素子3を収容し搭載するための凹部1aを有する絶縁基体1と、絶縁基体1の凹部1aの内側から外側に導出された配線導体2と、凹部1aの底面に接合されて搭載されるとともに電極が配線導体2に電気的に接続された光半導体素子3と、絶縁基体1の上面に凹部1aを塞ぐように接合材7を介して取着された透光性蓋体5とを具備し、透光性蓋体5は、側面の厚さ方向の中央部に全周にわたって溝5aが形成されているとともに溝5a中に接合材7の一部が入り込んでいる。
【選択図】 図1
【解決手段】 光半導体装置9は、上面に光半導体素子3を収容し搭載するための凹部1aを有する絶縁基体1と、絶縁基体1の凹部1aの内側から外側に導出された配線導体2と、凹部1aの底面に接合されて搭載されるとともに電極が配線導体2に電気的に接続された光半導体素子3と、絶縁基体1の上面に凹部1aを塞ぐように接合材7を介して取着された透光性蓋体5とを具備し、透光性蓋体5は、側面の厚さ方向の中央部に全周にわたって溝5aが形成されているとともに溝5a中に接合材7の一部が入り込んでいる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、フォトダイオード、ラインセンサ、イメージセンサ等の受光素子である光半導体素子またはこれらの受光部を有する光半導体素子等を具備した光半導体装置に関する。
従来のフォトダイオード(PD)、ラインセンサ、イメージセンサ等の受光素子である光半導体素子またはこれらの受光部を有する光半導体素子を具備した光半導体装置を構成する絶縁基体は、上面に光半導体素子を収容するための凹部が形成されている。また、絶縁基体の凹部の内側から外側に配線導体が導出されている。
光半導体素子は絶縁基体の凹部内に収容されるとともに凹部の底面に樹脂接着剤等により接合されて搭載されており、その光半導体素子の上面の外周部等には電極が設けられている。光半導体素子の電極と上記配線導体のうち凹部の内側に露出した部位とが、Au,Al等から成るボンディングワイヤにより電気的に接続される。また、平板状の透光性蓋体が絶縁基体の上面に凹部を塞ぐようにして接合材を介して取着されている。
このように従来の光半導体装置は、透光性蓋体を有することにより、光半導体装置の内部空間にゴミなどの異物が侵入することを防止するとともに、光半導体装置の内部空間を密閉空間とすることで、外部雰囲気の湿気が光半導体装置内に侵入するのを極力防ぐようにして、光半導体素子の耐久性を向上させるようにしている。
なお、一般的な光半導体装置では、外部機器との電気的接続を行うために絶縁基体の外周部に外部接続端子が配設されており、その外部接続端子は、配線導体のうち凹部の外側に導出された部位と接続され、配線導体等を介して電極パッドに接続されている。
そして、光半導体素子により透光性蓋体を通して外光を受光して変換されて生じた電気信号は、配線導体および外部接続端子を経由して光半導体装置の外部に配置された各種の機器や素子などに送られる。
なお、従来のPD、ラインセンサ、イメージセンサ等の受光素子である光半導体素子またはこれらの受光部を有する光半導体素子を具備した光半導体装置において、絶縁基体と透光性蓋体とを接合する接合材としては、一般的にシリカフィラーを混入させたエポキシ樹脂やフェノール樹脂,クレゾール樹脂,粉体カーボンとシリコン樹脂粒子の混合体等が使用されている。また、接合材は、通常、透光性蓋体を絶縁基体の上面に接合し取着しておくのに必要な程度の量が用いられており、蓋体と絶縁基体との間に介在するとともに、蓋体と絶縁基体との接合面の外側から蓋体の側面にかけてはみ出すようにして被着されている。
特開平10−116940号公報
しかしながら、従来の光半導体装置においては、透光性蓋体が平板状であるため、透光性蓋体の側面から絶縁基体の上面の外周部にかけて接合材のメニスカスを大きく形成することが難しいこと、絶縁基体と透光性蓋体とを接合している接合材が透光性蓋体と絶縁基体との間に介在するとともに、透光性蓋体と絶縁基体との接合面の外側から蓋体の側面にかけてはみ出す程度であるため、十分な量の接合材の溜まりを形成することが難しく、絶縁基体と蓋体との接合材を介しての接合を効果的に強固なものとすることが難しいこと、また近時、光半導体装置の小型化にともない絶縁基体と透光性蓋体との接合面積が小さくなってきていること等から、絶縁基体と透光性蓋体との接合強度が不十分になる傾向があるという問題があった。
透光性蓋体の絶縁基体に対する接合が弱くなると、光半導体素子を収納する密閉空間の気密性が劣化し、密閉空間内に外部雰囲気の湿気等が侵入しやすくなって光半導体装置としての信頼性が低くなってしまう。
特に、近時、PD、ラインセンサ、イメージセンサ等の光半導体素子は、画像の精細化や、センサとしての検知精度の高精度化等の要求に応じて受光部が非常に精細に形成されているため、透光性蓋体の接合強度のわずかな劣化によっても、このような信頼性の低下等の問題点を生じてしまう。
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、透光性蓋体と絶縁基体とが強固に接合されて、光半導体素子を収納する密閉空間の気密性に優れ、光半導体素子に外光を長期にわたって歪を生じることなく正常に受光させることができ、正常な電気信号を外部の機器や素子などに送ることが可能な信頼性の高い光半導体装置を提供することである。
本発明の光半導体装置は、上面に光半導体素子を収容し搭載するための凹部を有する絶縁基体と、該絶縁基体の前記凹部の内側から外側に導出された配線導体と、前記絶縁基体の前記凹部の底面に接合されて搭載されるとともに電極が前記配線導体に電気的に接続された光半導体素子と、前記絶縁基体の上面に前記凹部を塞ぐようにして接合材を介して取着された透光性蓋体とを具備しており、前記透光性蓋体は、側面の厚さ方向の中央部に全周にわたって溝が形成されているとともに該溝の中に前記接合材の一部が入り込んでいること特徴とする。
また、本発明の光半導体装置は好ましくは、前記透光性蓋体は、四角板状であり、その各角部が平面視で円弧状とされていることを特徴とする。
また、本発明の光半導体装置は好ましくは、前記溝は、その底面が前記凹部よりも外側に位置するようにして形成されていることを特徴とする。
また、本発明の光半導体装置は好ましくは、前記接合材は、前記透光性蓋体の上面の外周部を覆っていることを特徴とするものである。
本発明の光半導体装置によれば、透光性蓋体は、側面の厚さ方向の中央部に全周にわたって溝が形成されていることから、絶縁基体と透光性蓋体の間の接合材が透光性蓋体と絶縁基体との接合面の外側から透光性蓋体の側面にかけてはみ出すようにして形成される際に、その接合面からはみ出た接合材の一部が透光性蓋体の溝に入り込んでいるため、接合材と透光性蓋体との間の接合の面積を溝の内面の面積の分大きくすることができるとともに、その接合面のうち剥がれ等の起点となり易い外周部分を複雑に入り組んだ形状として大きなアンカー効果を得ることができ、透光性蓋体を絶縁基体に接合材を介して強固に接合することができる。その結果、光半導体装置が小型化されたとしても、絶縁基体と透光性蓋体とから成る密閉空間の気密性を良好に確保し、光半導体素子に外光を長期にわたって正常に受光させることができ、正常な電気信号を外部の機器や素子などに送ることが可能な信頼性の高い光半導体装置を作製することができる。
また、本発明の光半導体装置は好ましくは、透光性蓋体が四角板状であり、その各角部が平面視で円弧状とされているため、一般に破損が生じやすい各角部において、透光性蓋体に剥離等の破損が生じることをより確実に防止することができ、透光性蓋体による気密封止の信頼性をより一層優れたものとすることができるとともに、剥離にともなうガラス等の破片(カレット)が透光性蓋体の表面に付着すること等により正常な受光が妨げられることを有効に防止することができ、信頼性や受光特性により一層優れた光半導体装置とすることができる。
また、本発明の光半導体装置は好ましくは、溝は、その底面が凹部よりも外側に位置するようにして形成されていることから、凹部の内側に底面が位置するように溝が深くなりすぎることはなく、透光性蓋体のうち絶縁基体の上面に取着されている部分の強度をより確実に確保することができ、透光性蓋体による気密性の確保をより確実なものとすることができる。また、溝による光の散乱の影響が光半導体素子に及ぶのを抑制することができる。
また、本発明の光半導体装置は好ましくは、接合材は、透光性蓋体の上面の外周部を覆っていることから、例えば透光性蓋体がガラスから成る場合でも、ガラスの破片が剥離しやすいエッジ部が接合材で被覆されていることになり、外部からの衝撃、接触等により、そのエッジ部でガラスの破片が剥離することをより一層効果的に防止することができる。その結果、破片が透光性蓋体の表面に付着することがより効果的に防止され、歪を生じることなく外光が透光性蓋体を通過するようにでき、受光特性に極めて優れた光半導体装置を提供することができる。
本発明の光半導体装置について以下に詳細に説明する。図1は本発明の光半導体装置について実施の形態の例を示す断面図である。図1において、1は絶縁基体、2は配線導体、3は光半導体素子、4は光半導体素子の電極、5は透光性蓋体、6は光半導体素子3を絶縁基体1に接合し搭載するための接着材、7は接合材、8はボンディングワイヤである。これらの絶縁基体1、配線導体2、半導体素子3、透光性蓋体5、接合材7およびボンディングワイヤ8により、光半導体装置9が主に構成されている。
本発明の絶縁基体1は、その上面に形成された凹部1aに光半導体素子3が収容されて凹部1aの底面に接着剤6により接合されて搭載される。この光半導体素子3は上面に受光部が設けられており、また光半導体素子3の上面の外周部には電源用や信号用等の電極4が設けられている。また、凹部1aの内側から外側に配線導体2が導出されており、凹部1aの内側に露出した配線導体2と光半導体素子3の電極4とがAu,Al等から成るボンディングワイヤ8で電気的に接続されている。
さらに、絶縁基体1の上面の凹部1aの周囲の全周に樹脂接着剤等から成る接合材7を塗布し、ガラス,石英,サファイア,透明樹脂等から成る透光性蓋体5が接合されて取着される。
本発明における絶縁基体1は、アルミナ質焼結体(アルミナセラミックス),窒化アルミニウムセラミックス,炭化珪素セラミックス,窒化珪素セラミックス,ガラスセラミックス等のセラミックス、樹脂等から成る。そして、絶縁基体1はその底板部の上面の外周部に別体の枠状の側壁部が設けられているか、または絶縁基体1の底板部と側壁部とが一体的に形成されていてもよい。
絶縁基体1は、例えば、アルミナ質焼結体から成り、底板部と側壁部とが一体焼成して形成されている場合、アルミナ,シリカ等の原料粉末を有機溶剤,樹脂バインダーとともにシート状に成形して複数のセラミックグリーンシート(グリーンシート)を作製するとともに、一部のものを枠状に打ち抜いて枠状のグリーンシートを作製し、その後、枠状のグリーンシートが上層に位置するようにしてグリーンシートを積層し、原料粉末の組成に応じて約1300〜1600℃の温度で焼成することにより形成される。
絶縁基体1の上面には、光半導体素子3を収容し底面に載置するための凹部1aが形成されており、配線導体2が凹部1aの内側から外側に導出されるとともに、この配線導体2のうち凹部1aの内側に露出した部位に光半導体素子3の電極4がボンディングワイヤ8を介して接続されることにより、絶縁基体1に搭載された光半導体素子3は、電極4、ボンディングワイヤ8および配線導体2を介して外部電気回路に電気的に接続される。
この配線導体2は、タングステン,モリブデン,銅,銀等のメタライズ導体等により形成されている。そして、配線導体2は、例えば絶縁基体1となるグリーンシートに必要に応じて予め所定のスルーホールを形成し、タングステン,モリブデン,銅,銀等の金属ペーストをグリーンシートの表面やスルーホールの内面に印刷塗布したり充填しておくことにより形成される。
また、光半導体素子3は、その上面の中央部に受光部が設けられており、その上面の受光部の周囲である外周部には、電源用や信号用の電極4が設けられている。光半導体素子3は、PD,ラインセンサ,イメージセンサ,CCD(Charge Coupled Device)、EPROM(Erasable and Programmable ROM)等の受光素子、またはこれらの受光部を有する光半導体素子などからなるものである。
光半導体素子3は絶縁基体1の凹部1aの底面に載置され、樹脂接着剤,ろう材,低融点ガラス等から成る接着材6によって接着されており、光半導体素子3の上面の外周部には電極4が設けられている。光半導体素子3の電極4と、配線導体2の凹部1aの内側に露出している部分とは、Au,Al等からなるボンディングワイヤ8により電気的に接続される。
なお、ボンディングワイヤ8は、その長さが0.3〜3mmであることが好ましい。0.3mm未満では、ボンディングワイヤ8が短すぎて十分なループを形成することが難しくなるため、光半導体素子3の電極4と配線導体2とを確実に接続することが難しくなり、接続不良が生じやすくなる。3mmを超えると、ボンディングワイヤ8が長くなりすぎてループが不要に高くなる傾向があり、ボンディングワイヤ8に不要なインダクタンスが発生して高周波信号の伝送性が劣化しやすくなるとともにコスト高となる。
また、光半導体素子3の電極4と配線導体2との接続は、ボンディングワイヤ8により行うものに限らず、いわゆるリボン等の帯状の接続線等を用いてもよい。
また、透光性蓋体5が樹脂接着剤等からなる接合材7を介して絶縁基体1の上面に接合されて取着されており、これにより、光半導体素子3を収容し搭載した凹部1aが気密封止される。この接合材7は、例えば樹脂接着剤からなる場合、アクリル系樹脂,エポキシ系樹脂,フェノール系樹脂,クレゾール系樹脂,シリコン系樹脂,ポリエーテルアミド系樹脂等から成る。また接合材7は、余計な外光の入射を遮断するために、黒色,茶褐色,暗褐色,暗緑色,濃青色等の暗色系の顔料や染料を混入させてもよい。また、接合材7は、ガラス等の無機材料からなるものや、無機材料からなるフィラー粉末を樹脂接着剤に添加したものでもよい。
また、透光性蓋体5の上下面の少なくとも一方に、紫外線を遮断するための光学膜を形成してもよい。
本発明の光半導体装置9は、画像認識装置,センサ等の光学機器や電子機器の部品として使用される。例えば、光学機器や電子機器を構成する電気回路基板の所定位置に実装され、外光を受光するとともに光半導体素子3で電気信号に変換し、その電気信号を光学機器や電子機器を構成する電気回路基板の電気回路に供給する。
なお、光半導体装置9の外部電気回路基板への実装の際には、複数の光半導体装置9を搬送用トレイ等に収納し、まとめて実装用の装置まで搬送する必要があり、また、光半導体装置9をチャック等の保持装置で保持し、外部電気回路基板の所定位置に位置合わせする必要がある。また、光半導体装置9のトレイへの出し入れは、手作業による方法や自動搬送装置等の設備を用いる方法により行われる。
本発明の半導体装置9において、透光性蓋体5は、側面の厚さ方向の中央部に全周にわたって溝5aが形成されている。これにより、絶縁基体1と透光性蓋体5との間の接合材7が透光性蓋体5と絶縁基体1との接合面の外側から透光性蓋体5の側面にかけてはみ出すようにして形成される際に、その接合面からはみ出た接合材7の一部が透光性蓋体5の溝5aに入り込んでいるため、接合材7と透光性蓋体5との間の接合の面積を溝5aの内面の面積の分大きくすることができる。また、その接合面のうち剥がれ等の起点となり易い外周部分を複雑に入り組んだ形状として大きなアンカー効果を得ることができ、透光性蓋体5を絶縁基体1に接合材7を介して強固に接合することができる。その結果、光半導体装置9が小型化されても、絶縁基体1と透光性蓋体5とから成る密閉空間の気密性を良好に確保し、光半導体素子3に外光を長期にわたって正常に受光させることができ、正常な電気信号を外部の機器や素子などに送ることが可能な信頼性の高い光半導体装置9を作製できる。
このような、側面の厚さ方向の中央部に全周にわたって溝5aが形成されている透光性蓋体5は、透光性のガラスや樹脂等からなり、例えばガラスからなる場合、板状のガラス材を所定の蓋体の寸法に切断した後、その側面の厚さ方向の中央部に全周にわたって切削加工を施して溝を形成する方法等により作製することができる。
なお、溝5aは、その上下方向の幅を透光性蓋体5の厚さの10〜60%の範囲としておくとよく、その場合、溝5aの内部に十分な量の接合材7を入り込ませて、より確実に透光性蓋体5の接合を強固なものとすることができるとともに、透光性蓋体5の側面にも十分な量の接合材7を残して、良好な形状のメニスカスを形成することができ、透光性蓋体5の絶縁基体1に対する接合をより一層確実に強固なものとすることができる。
また、本発明の光半導体装置9は、透光性蓋体5が四角板状であり、その各角部が平面視で円弧状とされていることが好ましい。この構成により、一般に破損が生じやすい各角部において、透光性蓋体5に剥離等の破損が生じることをより確実に防止することができ、透光性蓋体5による気密封止の信頼性をより一層優れたものとすることができる。また、剥離にともなうガラス等の破片が透光性蓋体5の表面に付着すること等により正常な受光が妨げられるのを有効に防止することができ、より一層信頼性や受光特性に優れた光半導体装置9とすることができる。
また、本発明の光半導体装置9は好ましくは、溝5aは、その底面(最奥面)が凹部1aよりも外側に位置するようにして形成されていることから、凹部1aの内側に底面が位置するように溝5aが深くなりすぎることはなく、透光性蓋体5のうち絶縁基体1の上面に取着されている部分の強度をより確実に確保することができ、透光性蓋体5による気密性の確保をより確実なものとすることができる。
また溝5aの形状は、図1に示すように断面形状が四角形状であってもよいが、溝5aの内面の下側の側面が下側に傾斜する傾斜面とされて、開口に向かって開いた形状であってもよい。この場合、溝5aの傾斜面を接合材7が這い上がって接合材7が溝5a内に入り込み易くなる。また、溝5aの断面形状は円弧状等の曲面であってもよく、例えば円弧状の場合、接合材7が溝5a内面を濡れる距離が最短となり、接合材7を透光性蓋体5の上面の外周部へ速やかに確実に導くことができる。
また、溝5a内面の上側の側面の底面からの長さが、溝5a内面の下側の側面の底面からの長さよりも短いことがよい。この場合、接合材7が透光性蓋体5の上面の外周部に這い上がって外周部を覆うのが容易になる。
また、本発明の光半導体装置9は、接合材7が透光性蓋体5の上面の外周部を覆っていることが好ましい。この構成により、例えば透光性蓋体5がガラスから成る場合でも、ガラスの破片が剥離しやすいエッジ部が接合材7で被覆されていることになり、外部からの衝撃、接触等により、そのエッジ部でガラスの破片が剥離するのをより一層効果的に防止することができる。その結果、破片が透光性蓋体5の表面に付着することがより効果的に防止され、歪を生じることなく外光が透光性蓋体5を通過するようにでき、受光特性に極めて優れた光半導体装置9を作製できる。
また、接合材7が透明な樹脂接着剤から成る場合、接合材7の屈折率が透光性蓋体5と同じであってもよい。この場合、接合材7と透光性蓋体5との界面で光の反射や散乱等が発生するのを効果的に抑制することができ、光半導体素子3に余分な反射光や散乱光が入射するのを防ぐことができる。また、接合材7が透明な樹脂接着剤から成る場合、その内部に含まれる気泡の体積が30体積%以下であることがよい。30体積%を超えると、接合材7の接合力が低下するとともに、気泡によって光が散乱され光半導体素子3に余分な散乱光が入射し易くなる。接合材7に含まれる気泡の割合を小さくするには、減圧室や真空装置内で接合材7を使用する方法、予め接合材7に含まれる気泡を真空脱泡する方法等がある。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更は可能である。例えば、透光性蓋体5は、その全面が一様に透光性を有するものである必要は無く、光半導体素子3の受光部に受光される外光が通る部分を透光性に優れたものとするとともに、接合材7を介して絶縁基体1に接合される部位を粗面とし、アンカー効果で接合をより強固にして、気密封止の信頼性により一層優れる光半導体装置9としてもよい。
また、透光性蓋体5の外周部分を、遮光性の樹脂膜を貼り付ける等の手段で遮光性とし、余計な外光が凹部5内に入り込んだり、凹部5内で光が乱反射したりすることを防止し、余計な光が受光面で受光されることをより確実に防止して受光特性を向上させるようにしてもよい。
1・・・絶縁基体
1a・・・凹部
2・・・配線導体
3・・・光半導体素子
4・・・電極
5・・・透光性蓋体
5a・・・溝
7・・・接合材
9・・・光半導体装置
1a・・・凹部
2・・・配線導体
3・・・光半導体素子
4・・・電極
5・・・透光性蓋体
5a・・・溝
7・・・接合材
9・・・光半導体装置
Claims (4)
- 上面に光半導体素子を収容し搭載するための凹部を有する絶縁基体と、該絶縁基体の前記凹部の内側から外側に導出された配線導体と、前記絶縁基体の前記凹部の底面に接合されて搭載されるとともに電極が前記配線導体に電気的に接続された光半導体素子と、前記絶縁基体の上面に前記凹部を塞ぐようにして接合材を介して取着された透光性蓋体とを具備しており、前記透光性蓋体は、側面の厚さ方向の中央部に全周にわたって溝が形成されているとともに該溝の中に前記接合材の一部が入り込んでいること特徴とする光半導体装置。
- 前記透光性蓋体は、四角板状であり、その各角部が平面視で円弧状とされていることを特徴とする請求項1記載の光半導体装置。
- 前記溝は、その底面が前記凹部よりも外側に位置するようにして形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光半導体装置。
- 前記接合材は、前記透光性蓋体の上面の外周部を覆っていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光半導体装置。
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JP2004130903A JP2005317598A (ja) | 2004-04-27 | 2004-04-27 | 光半導体装置 |
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- 2004-04-27 JP JP2004130903A patent/JP2005317598A/ja active Pending
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