JP2005316636A - 故障頻度計算式導出方法、故障頻度計算式導出装置及び故障頻度計算式導出プログラム - Google Patents

故障頻度計算式導出方法、故障頻度計算式導出装置及び故障頻度計算式導出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、システムの稼働率Rがいかなる形式で与えられても、システムの故障頻度を計算できるようにする新たな技術の提供を目的とする。
【解決手段】システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶装置から読み出す。そして、その読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換えるとともに、その読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率のそれぞれを、該装置の不稼働率と、0と、該装置の不稼働率と該装置の修理率との積の符号を反転させたものと、該装置の不稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換えることで、システムの故障頻度を計算できる計算式を導出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、システムの故障頻度を高速に計算できるようにする故障頻度計算式導出方法及びその装置と、その故障頻度計算式導出方法の実現に用いられる故障頻度計算式導出プログラムとに関する。
さらに、具体的に述べれば、本発明は、システムとシステムを構成する装置の故障の因果関係から、システムが正常に機能している確率(以下、システムの稼働率と呼ぶ)を計算する計算式が知られているときに、そのシステムの故障頻度(システムが目的の機能を果たせなくなるような故障が発生する、単位時間当たりの平均故障回数)を計算する計算式を導出する技術に関するものである。
本発明が対象とするシステムの範囲は広範であり、装置間の故障の関係が不自然(例えば、ある装置が故障するとかえってシステムの信頼性が向上するようなシステム)でない限り、殆どの機械システム、交通網システム、通信システムに適用可能である。
稼働率とともに故障頻度は、システム構成決定のための重要な評価尺度となっており、本発明によって、システム設計の作業効率の大幅な改善が見込まれる。
ここでは、システムを『ある一定の目的を果たすために構成された装置の集まり』と定義する。
例えば、通信システムとは、遠く離れたユーザ間で情報を交換するために構成された通信装置の集まりである。通信装置が広範囲に配置されている場合には、通信システムは、特に通信ネットワークと呼ばれる。通信ネットワークは、ノードとノード間の通信を確保するためのリンクとから構成されている。
図11に、通信ネットワークのイメージを示す。
通信ネットワークが正常に機能することを、例えば、特定の2つのノード(図11のT1,T2 )間に通信が確保できることと考えるならば、T1,T2 の間に正常なリンクとノードとで構成される経路が存在することが、通信ネットワークの信頼性確保のために必要であり、そのような経路が存在する確率(稼働率)、存在しない確率(不稼動率)、及び、存在しなくなるような事態の発生頻度(故障頻度)がネットワーク構成によってどのように変化するかを推定した上で、最も低コストで最も故障しにくいネットワーク構成を明らかにすることが、通信ネットワーク設計の重要な技術となっている。
通信ネットワーク設計をはじめとするシステム設計において、稼働率、不稼動率、故障頻度の3つの評価尺度が重要な役割を果たす。
稼働率と不稼働率と故障頻度との関係は、以下の式で表される。
稼働率 =MTBF/(MTBF+MTTR)
不稼働率=MTTR/(MTBF+MTTR)
故障頻度=1/(MTBF+MTTR)
ここで、図12に示すように、MTBFとは『修理されてから再び修理されるまでに要する時間の平均値』であり、MTTRとは『故障が発生してから、修理されるまでに要する時間の平均値』とする。
この式から、修理の効率化によってMTTRを短くすれば、不稼働率は大幅に改善されることが分かるが、稼動率、故障頻度は必ずしも大幅に改善されるとは限らない。この場合、故障している確率は小さいが故障頻度は大きいシステム、すなわち、すぐ故障するが、すぐ直るシステムになることが分かる。
このことから分かるように、システムの故障発生の状況をより実態に即した形で推定し、適切なシステム設計を行うためには、稼動率、不稼働率、故障頻度という3つの評価尺度の計算を行うことが重要である。
ところが、『不稼動率=1−稼動率』の関係は明らかなので、実際問題としては、稼動率と故障頻度を計算することが問題となる。
以下、これらの評価尺度の計算を行うための従来技術について説明する。
(1)計算対象システム
まず、ここで対象としているシステムの条件と、計算に用いるパラメータについて説明する。システムは、以下の条件を満足する。
(A)システムは装置の集まりである。各装置は番号1〜Nで識別される。各装置は正常状態か故障状態の2つの状態をとる。各装置は互いに独立に故障する。
(B)各装置iの故障率(正常状態から故障状態への遷移率:1/MTBF)をλi と記載し、修理率(故障状態から正常状態へ移る遷移率:1/MTTR)をμi と記載する。これらの数値から、装置iの稼働率(すなわち、正常状態にある確率)Ai 、不稼働率(正常状態にない確率)Ui は、以下の式で簡単に定義される。ここで、本発明においては、システムを構成する各々の装置の稼動率と故障率とは知られているとする。
i =μi /(λi +μi ), Ui =λi /(λi +μi
i =1−Ai
(C)システムが正常に機能するために、正常状態になければならない装置の集まりをタイセットと呼ぶ(タイセットは1つとは限らない)。これらをT1,T2,・・・, TM と書く。
(D)システムが正常であるとは、少なくとも1つのタイセットに属する装置が全て正常であることと定義される。
次に、タイセットについて、例を挙げて説明する。
例えば、3つの装置1,2,3からなるシステムで、3つの装置の内の2つが正常状態であれば、システム全体が機能するような場合(2 out-of 3:G系)、そのタイセットは、以下の3つとなる。
1 ={1, 2}, T2 ={2, 3}, T3 ={3, 1}
図11の例では、S、T間を結ぶ経路がタイセットとなり、ノード故障を無視すれば、以下のようなタイセットが得られる。
1 ={1, 4}, T2 ={2, 5},
3 ={1, 3, 5},T3 ={2, 3, 4}
このように、タイセットとは、そのシステムが正常であるために必要なぎりぎりのシステム構成のパターンと考えてよい。
以上に述べた前提を満足するシステムSが与えられた場合に、Sが正常である確率(即ちSの稼働率)をR(S)、Sが故障する単位時間当たりの平均回数(即ち故障頻度)をF(S)と記載するときに、R(S)、F(S)の値を、システムSを構成する装置の稼動率と故障率とから計算する方法について以下に述べる。まず、R(S)の計算法について解説する。
(2)稼働率R(S)の計算法
(2−1)基本的な技法
稼動率R(S)は、Sが正常である確率であり、少なくとも1つのタイセットに属する装置が全て正常である確率を意味する。
システムSにおいて、1つのタイセットTj (ここで、j=1, 2, ・・・, Mとする)に属する装置が全て正常である事象もまたTj で表し、事象の結びを∪で表せば、
R(S)=Pr(T1 ∪T2 ∪....∪TM ) ・・・・・ 式(A)
と書ける。
もし、タイセットがTj という1つしかなければ、Tj ={t(1),t(2),・・・, t(k) }とすると、
R(S)=Pr(Tj )=At(1)t(2)・・・At(k)
で求められるが、タイセットが複数ある場合には、簡単ではない。
従来知られている、式(A)の右辺の値を求める具体的なやり方について以下に述べる。
(2−1−1)包除原理による方法
上述の式(A)を、初等的な確率の関係式(包除原理)で展開すれば、
R(S)=Pr(T1 )+Pr(T2 )+・・・+Pr(TM )
−Pr(T1 ∩T2 )−Pr(T1 ∩T3 )−・・・−Pr(TM-1 ∩TM
・・・・・
+(−1)n+1 Pr(T1 ∩T2 ∩....∩TM
となり、右辺の各Pr( )の値は、( )内のタイセットに所属する装置の稼働率の積で求められる。
例として、2 out of 3:G系の場合には、
R(S)=Pr(T1 ∪T2 ∪T3
=Pr(T1 )+Pr(T2 )+Pr(T3
−Pr(T1 ∩T2 )−Pr(T1 ∩T3 )−Pr(T2 ∩T3
+Pr(T1 ∩T2 ∩T3
=A1 2 +A2 3 +A3 1
−A1 2 3 −A1 2 3 −A1 2 3
+A1 2 3
となる。
(2−1−2)排他論理和による方法
上述の式(A)の右辺をどのような形で展開するかによって、計算の効率は変わってくる。多くの手法が考えられているが、排他論理和による方法が実装の容易さと計算スピードのバランスから相当効率的だと考えられる(例えば、非特許文献1参照)。
この方法を用いると、2 out of 3:G系の稼働率は以下の式で与えられる。
R(S)=A1 2 +U1 2 3 +A1 2 3
この方法は、計算の途中で装置の不稼働率を挿入することで、包除原理によって生じる無駄な引き算の操作が発生しないようにしている。
排他論理和を用いれば、R(S)は、“幾つかの装置の不稼働率の積×幾つかの装置の稼働率の積”を単純に合計した形式で与えられる。
(2−2)ネットワークの稼働率計算方法
システムが図11のような通信ネットワーク(以下、単にネットワークと呼ぶ)の場合には、排他論理和を直接用いる方法は必ずしも適切ではない。それは、ネットワークの大きさ(ノード数、リンク数)が少し大きくなると、タイセットの数(つまり、この場合は経路の数)が膨大になり、極めて計算効率が悪くなるからである。
そこで、ネットワーク特有の計算法が開発されてきた。なお、説明を簡単なものにするために、ノード故障については考えないとする。以下にその概要を示す(例えば、非特許文献2参照)。
(2−2−1)縮退法
ネットワークの稼働率を変えずに、ネットワークの単純化を行う操作である。以下の縮退法が代表的である。
(縮退法1)直列の縮退
図13に示すように、直列構成の装置を1つの装置に置き換える方法である。縮退後のリンクの稼働率は、以下の式で与える。
x =Ai j
(縮退法2)並列の縮退
図14に示すように、並列構成の装置を1つの装置に置き換える方法である。縮退後のリンクの稼働率は、以下の式で与える。
x =Ai +Aj −Ai j
(縮退法3)デルタ・スター変換
図15に示すように、デルタ型のネットワークをスター型に置き換える方法である。縮退後のリンクの稼働率は、以下の式で与える。ここで、ノードが故障しないという前提ではデルタ・スター変換は近似法である(例えば、特許文献1参照)。
X =γα/(αβγ)1/2
Y =αβ/(αβγ)1/2
Z =βγ/(αβγ)1/2
ただし、α=Ai +Aj k −Ai j k
β=Aj +Ak i −Ai j k
γ=Ak +Ai j −Ai j k
図16に、これらの縮退によって1リンクに変形される例を示す。このようにして縮退された1リンクの稼働率は縮退前のネットワークの稼働率に等しいことから、ネットワークの稼働率を簡単に計算することができる。
(2−2−2)分解法
ネットワークが縮退できない場合には、分解法が用いられる。分解法は、ネットワークSの1つのリンクeに着目し、そのリンクを短絡除去(リンクを取り除き、両端点を一つのノードと見なす)した通信ネットワークS *e と、そのリンクを開放除去(単にリンクを取り除く)した通信ネットワークS -e とを生成するものである。
この操作(以下、“分解する”と呼ぶ)によって得られた2つの通信ネットワークの稼働率が縮退によって求められれば、以下の式によって、ネットワークSの稼働率R(S)を求めることができる。
R(S)=Ae R(S *e )+(1−Ae )R(S -e
もし、S *e かS -e が縮退によって1リンクにならなければ、再び分解の操作が適用される。図17に、分解のイメージを示す(分かり易さのためにデルタ・スター変換を使っていない)。
以上でシステムの稼働率R(S)の計算法の概要を説明した。次に、システムの故障頻度F(S)の計算法について解説する。
(3)故障頻度F(S)の計算法
F(S)の計算法は、R(S)の計算式を一定のルールで変換することで得られる。下記に示す非特許文献3では、以下のルールが提案された。
ルール1:
システムを構成する装置番号の全体の部分集合V={v(1),v(2),・・・, v(m) }に対し、Av(1)v(2)....Av(m)を、Av(1)v(2)....Av(m)(λv(1)+λv(2)+・・・+λv(m))に置き換える。
例えば、
R(S)=A1 2 +A2 3 +A3 1 −2A1 2 3
ならば、
F(S)=A1 2 (λ1 +λ2 )+A2 3 (λ2 +λ3
+A3 1 (λ3 +λ1 )−2A1 2 3 (λ1 +λ2 +λ3
というように置き換えるのである。
このやり方で、包除原理を用いた稼働率計算法は故障頻度計算法として利用することができる。
しかし、このルール1は、排他論理和を用いた稼働率計算法には直接適用することが出来ない。何故ならば、排他論理和の式中にはAi で表される項だけでなくUi も含んでいるからである。
この困難を克服するために、下記に示す非特許文献4では、以下のルールが提案された。
ルール2:
システムを構成する要素番号の全体の2つの部分集合V={v(1),v(2),・・・, v(m) }, W={w(1),w(2),・・・, w(n) }に対し、Av(1)v(2)....Av(m)w(1)w(2)....Uw(n)を、
v(1)v(2)....Av(m)w(1)w(2)....Uw(n)
×(λv(1)+λv(2)+・・・+λv(m)−μw(1)−μw(2)−・・・−μw(n)
に置き換える。
例えば、
R(S)=A1 2 +U1 2 3 +A1 2 3
ならば、
F(S)=A1 2 (λ1 +λ2 )+U1 2 3 (−μ1 +λ2 +λ3
+A1 2 3 (λ1 −μ2 +λ3
となる。
このルール2によって、排他論理和に基づくR(S)の計算法はF(S)の計算法としても利用することができる。
しかし、ネットワークにおけるデルタ・スター変換や分解法には、ルール2は直接使うことが出来ない。何故ならば、デルタ・スター変換では、割り算や1/2乗などのルール2では扱わない演算を含み、分解法では、R(S *e )のような未だ最終的な式が得られていない形式を含んでいるからである。
このような困難を克服するため、本発明者は、上述の非特許文献2で、微分作用素Dを用いる方法を提案した。Dは以下のように定義される。
〔Dの定義〕
Dは、R(S)の全体RXからF(S)の全体FYへの写像で、以下の2つの条件を満足する。
条件1. D(Ai )=Ai λi
条件2. 任意のf, g∈RXに対し、D(f+g)=D(f)+D(g),
D(fg)=D(f)g+fD(g)
このDの定義から、任意のf, g∈RXと実数定数c, dとに対し、
D(1)=0, D(f−g)=D(f)−D(g),
D(cf)=cD(f), D(fd)=dfd-1 D(f),
D(f/g)=(D(f)g−fD(g))/g2
という関係式の成立することが微分作用素の性質から導かれる。
さらに、
F(S)=D(R(S))
が成り立つ。
これらの性質より、R(S)がどのような式で与えられていても、F(G)に変形することできる。
例えば、分解法の式
R(S)=Ae R(S *e )+(1−Ae )R(S -e
は、以下のように変形できる。
F(S)=D(R(S))
=D(Ae )R(S *e )+Ae D(R(S *e ))
+D(1−Ae )R(S -e )+(1−Ae )D(R(S -e ))
=D(Ae )R(S *e )+Ae D(R(S *e ))
−D(Ae )R(S -e )+(1−Ae )D(R(S -e ))
=Ae λe R(S *e )+Ae F(S *e
−Ae λe R(S -e )+(1−Ae )F(S -e
このように、Dによって、R(S)の表現形式によらず、F(S)を求めることができる。しかし、Dにも以下のような限界がある。
(限界1)Dによって得られた式は、ルール1, 2に比べて必ずしも単純ではない。例 えば、分解法の式にDを作用させて得られた式は、以前には無かった負の演 算を含む形に変形されている。
つまり、ルール1, 2によってR(S)が変換される場合には、R(S)を求める手続きを殆ど変形せずにF(S)を求められるが、Dを用いた場合には、手続きの相当な変更が必要となる。
(限界2)Dの定義から、D(fg)=D(f)g+fD(g)であるので、一般にR (S)が一つの掛け算を含めば、Dによって得られた式は掛け算が2個にな る。2つの掛け算を含めば、最大4つの掛け算を含む形が得られる。
一般には、掛け算の数が指数関数的に増大し、R(S)が計算可能であってもF(S)は計算時間の観点からすぐに計算不能となる。
このようなことを背景にして、本発明者らは、下記に示す非特許文献5で、分解法については行列表現を用いて限界1, 2を克服できることを示したが、その方法の導出は、分解法の計算式特有の計算に基いており、その適用領域は分解法のみに限定されたものであった。
W.G.Shneeweis, "Boolean function with engineering application and computer programs", Spring Verlag, Berlin, 1989 M.Hayashi, "System failure-frequency analysis using a differential operator", IEEE Trans. R-40, Dec.1991, pp.601-614 C.Singh, "Tie set approach to determine the frequency of system failure", Microelectronics and Relliability, vol.14, 1975, pp.293-294 Ding-Hue Shi, "General formula for calculating the steady-state frequency of system failure", IEEE Trans. R-30, 1981, pp.444-447 M.Hayashi et al, "An efficient factoring algorithm of computing the failure-frequency of telecommunication networks", Reliability and Maintainability Symposium 2004, Proceeding, Session 7A, 2004 特公平7−71150号公報
上述したように、微分作用素Dを用いる方法では、システムSの稼働率R(S)がいかなる形式で与えられても、自動的に、システムの故障頻度F(S)に変換することができる手段を与えるものの、式の形が大きく変わってしまうことと計算量の観点から、その実用性に問題があった。
本発明の目的は、システムSの稼働率R(S)がいかなる形式で与えられても、その形式を大きく変えずに、かつ計算量の増大を防ぎながら、システムSの故障頻度F(S)を計算できるようにする新たな技術の提供を目的とする。
この目的を達成するために、本発明では、以下の写像ψを導入する。
ψは、R(S)の全体RXから2行2列の行列全体への写像であり、任意のf∈RXに対し、下式で定義される。
Figure 2005316636
ψは、以下の性質を満足する。
ψの性質1:
任意のf, g∈RX、実数定数c, dに対し、
ψ(f+g)=ψ(f)+ψ(g), ψ(fg)=ψ(f)ψ(g),
ψ(cf)=cψ(f), ψ(fd )=ψ(f)d ,
ψ(f/g)=ψ(f)/ψ(g)
が成り立つ。
ψの性質2:
特別な場合として、下式が成り立つ。
Figure 2005316636
ψの定義と性質1, 2とから、容易に、任意のR(S)を表す式をF(S)に変換することができる。
すなわち、ψ(R(S))を計算することで求められる2行2列の行列の持つ第2行第1列は、上述の〔数1〕の定義から分かるようにD(R(S))であり、さらに、DがR(S)の全体RXからF(S)の全体FYへの写像であることで、
F(S)=D(R(S))
が成り立つ。
したがって、ψ(R(S))を計算することで求められる2行2列の行列の持つ第2行第1列を計算することで、F(S)を計算することができるようになる。
例えば、
R(S)=A1 2 +A2 3 +A3 4 −2A1 2 3
ならば、ψ(R(S))は、下式に示すように求まる。
Figure 2005316636
そして、この式の右辺を計算した結果として得られた行列の2行1列目の値が、
F(S)=D(R(S))
となる。
また、例えば、
R(S)=A1 2 +U1 2 3 +A1 2 3
ならば、ψ(R(S))は、下式に示すように求まる。
Figure 2005316636
そして、この式の右辺を計算した結果として得られた行列の2行1列目の値が、
F(S)=D(R(S))
となる。
より複雑な場合の例を以下に示す。なお、この式はR(S)の正確な式ではないが、近似法あるいはR(S)の計算の途中解(例えば縮退によって得られたリンクのパラメータ)としては有りうる形式である。
R(S)=(Ak +Ai j −Ai j k )(Ai +Aj k −Ai j k
/{(Ai +Aj k −Ai j k )(Aj +Ak i −Ai j k
(Ak +Ai j −Ai j k )}1/2
この場合には、
F(S)=ψ(R(S))
=(ψ(Ak )+ψ(Ai )ψ(Aj )−ψ(Ai )ψ(Aj )ψ(Ak ))
(ψ(Ai )+ψ(Aj )ψ(Ak )−ψ(Ai )ψ(Aj )ψ(Ak ))
/{(ψ(Ai )+ψ(Aj )ψ(Ak )−ψ(Ai )ψ(Aj )ψ(Ak ))
(ψ(Aj )+ψ(Ak )ψ(Ai )−ψ(Ai )ψ(Aj )ψ(Ak ))
(ψ(Ak )+ψ(Ai )ψ(Aj )−ψ(Ai )ψ(Aj )ψ(Ak ))}1/2
となる。ただし、演算はすべて行列演算である。
この式に下式の具体的な行列を代入すれば、F(S)を求める式が得られる。
Figure 2005316636
次に、ψの持つ性質1, 2の正当性を示す。
まず、性質1について述べる。
ψとDの定義より下式が成立する。したがって、
ψ(f+g)=ψ(f)+ψ(g)
が言える。
Figure 2005316636
同様に、ψとDの定義より下式が成立する。したがって、
ψ(fg)=ψ(f)ψ(g)
が言える。
Figure 2005316636
性質1で記載したψ(cf)=cψ(f), ψ(fd )=ψ(f)d , ψ(f/g)=ψ(f)/ψ(g)についても、同様に導くことができる。
次に、性質2について述べる。
ψとDの定義より下式が成立する。
Figure 2005316636
また、ψとDの定義より下式が成立する。
Figure 2005316636
また、上述したように、
i =μi /(λi +μi ), Ui =λi /(λi +μi
であることで、
i λi =Ui μi
の関係があることを考慮すると、ψとDの定義より下式が成立する。
Figure 2005316636
このようにして、性質2の成立することが分かる。
ψを用いることの利点は、Dを直接用いる場合に比べて、掛け算の数、割り算の数、足し算の数、引き算の数が変わらないことと、累乗の形式が変化しないことにある。もちろん、加減乗除の演算と累乗とは行列の加減乗除の演算と累乗とに置き換わっているが、それに伴う計算量の増大は、高々、2行2列の演算に関する量だけ増えるだけであって、決して指数関数的に増大することはない。
しかも、得られた式は、行列の形ではあるが、ψを作用させる前の形式と極めて類似しており、計算の困難性は全く増加していない。
このようにして、本発明は、上述のような性質を持つ写像ψを導入し、システムSの稼働率R(S)に対して、この写像ψを施したψ(R(S))を計算することで求められる2行2列の行列の持つ第2行第1列の行列要素がシステムの故障頻度F(S)になることを利用して、システムの故障頻度F(S)を求めるという構成を採るものである。
次に、本発明を具備する故障頻度計算式導出装置の構成について具体的に説明する。
なお、上述したように、装置の稼働率Ai と装置の不稼働率Ui との間には、『Ai +Ui =1』という関係が成立し、装置の故障率λi と装置の修理率μi との間には、『Ai λi =Ui μi 』という関係が成立する。
〔1〕第1の構成
以下に示す第1の構成は、システムの稼働率を表す式情報がシステムを構成する装置の稼働率で記述される場合に適用される。
本発明を具備する故障頻度計算式導出装置は、システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式を導出するために、(イ)システムを構成する装置の稼働率で記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶手段と、(ロ)記憶手段からシステムの稼働率の式情報を読み出す読出手段と、(ハ)読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える置換手段と、(ニ)置換手段の置き換えた行列について、読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報の規定する演算形態に従って行列演算を行い、その演算結果の2行2列の行列の特定の行列要素を抽出することでシステムの故障頻度を計算する計算手段と、(ホ)置換手段の置き換えた行列により記述されるシステムの故障頻度の算出に用いられる式情報を出力する出力手段とを備える。
この構成を採るときに、記憶装置は、計算順序の順に、その計算順序で実行する演算の種類と、その計算順序で実行する演算対象となるものの情報とを記憶することで、システムの稼働率の式情報を記憶するように構成されることがある。
以上の各処理手段が動作することで実現される本発明の故障頻度計算式導出方法はコンピュータプログラムで実現できるものであり、このコンピュータプログラムは、半導体メモリなどのような適当な記録媒体に記録して提供されたり、ネットワークを介して提供され、本発明を実施する際にインストールされてCPUなどの制御手段上で動作することにより本発明を実現することになる。
〔2〕第2の構成
以下に示す第2の構成は、システムの稼働率を表す式情報がシステムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述される場合に適用される。
本発明を具備する故障頻度計算式導出装置は、システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式を導出するために、(イ)システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶手段と、(ロ)記憶手段からシステムの稼働率の式情報を読み出す読出手段と、(ハ)読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換えるとともに、上記読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率のそれぞれを、該装置の不稼働率と、0と、該装置の不稼働率と該装置の修理率との積の符号を反転させたものと、該装置の不稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える置換手段と、(ニ)置換手段の置き換えた行列について、読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報の規定する演算形態に従って行列演算を行い、その演算結果の2行2列の行列の特定の行列要素を抽出することでシステムの故障頻度を計算する計算手段と、(ホ)置換手段の置き換えた行列により記述されるシステムの故障頻度の算出に用いられる式情報を出力する出力手段とを備える。
この構成を採るときに、記憶装置は、計算順序の順に、その計算順序で実行する演算の種類と、その計算順序で実行する演算対象となるものの情報とを記憶することで、システムの稼働率の式情報を記憶するように構成されることがある。
以上の各処理手段が動作することで実現される本発明の故障頻度計算式導出方法はコンピュータプログラムで実現できるものであり、このコンピュータプログラムは、半導体メモリなどのような適当な記録媒体に記録して提供されたり、ネットワークを介して提供され、本発明を実施する際にインストールされてCPUなどの制御手段上で動作することにより本発明を実現することになる。
〔3〕第3の構成
以下に示す第3の構成は、システムの稼働率を表す式情報がシステムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述される場合に適用され、さらに、その不稼働率を稼働率表現に書き換える構成を採ることで実現される。
本発明を具備する故障頻度計算式導出装置は、システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式を導出するために、(イ)システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶手段と、(ロ)記憶手段からシステムの稼働率の式情報を読み出す読出手段と、(ハ)読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率を稼働率表現に書き換える書換手段と、(ニ)書換手段の書き換えたシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える置換手段と、(ホ)置換手段の置き換えた行列について、読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報の規定する演算形態に従って行列演算を行い、その演算結果の2行2列の行列の特定の行列要素を抽出することでシステムの故障頻度を計算する計算手段と、(ヘ)置換手段の置き換えた行列により記述されるシステムの故障頻度の算出に用いられる式情報を出力する出力手段とを備える。
この構成を採るときに、記憶装置は、計算順序の順に、その計算順序で実行する演算の種類と、その計算順序で実行する演算対象となるものの情報とを記憶することで、システムの稼働率の式情報を記憶するように構成されることがある。
以上の各処理手段が動作することで実現される本発明の故障頻度計算式導出方法はコンピュータプログラムで実現できるものであり、このコンピュータプログラムは、半導体メモリなどのような適当な記録媒体に記録して提供されたり、ネットワークを介して提供され、本発明を実施する際にインストールされてCPUなどの制御手段上で動作することにより本発明を実現することになる。
〔4〕第4の構成
以下に示す第4の構成は、システムの稼働率を表す式情報がシステムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述される場合に適用され、さらに、その稼働率を不稼働率表現に書き換える構成を採ることで実現される。
本発明を具備する故障頻度計算式導出装置は、システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式を導出するために、(イ)システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶手段と、(ロ)記憶手段からシステムの稼働率の式情報を読み出す読出手段と、(ハ)読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率を不稼働率表現に書き換える書換手段と、(ニ)書換手段の書き換えたシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率のそれぞれを、該装置の不稼働率と、0と、該装置の不稼働率と該装置の修理率との積の符号を反転させたものと、該装置の不稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える置換手段と、(ホ)置換手段の置き換えた行列について、読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報の規定する演算形態に従って行列演算を行い、その演算結果の2行2列の行列の特定の行列要素を抽出することでシステムの故障頻度を計算する計算手段と、(ヘ)置換手段の置き換えた行列により記述されるシステムの故障頻度の算出に用いられる式情報を出力する出力手段とを備える。
この構成を採るときに、記憶装置は、計算順序の順に、その計算順序で実行する演算の種類と、その計算順序で実行する演算対象となるものの情報とを記憶することで、システムの稼働率の式情報を記憶するように構成されることがある。
以上の各処理手段が動作することで実現される本発明の故障頻度計算式導出方法はコンピュータプログラムで実現できるものであり、このコンピュータプログラムは、半導体メモリなどのような適当な記録媒体に記録して提供されたり、ネットワークを介して提供され、本発明を実施する際にインストールされてCPUなどの制御手段上で動作することにより本発明を実現することになる。
本発明によって、システムの稼動率を計算する式に対応するデータを、システムの故障頻度を計算する式に対応するデータに容易に変換することができる。
この変換は、システムの稼動率を計算する式を木構造に展開し、その木構造を特定の表形式に表すことで実現できるものであり、これから、変換装置の実現性を高め、手法の適用範囲を汎用的かつ広範囲にすることができる。
その結果として、これまで、多大な計算時間を要していたシステムの故障頻度計算の大幅な時間短縮を実現できるようになる。
以下、実施の形態に従って本発明を詳細に説明する。
図1に、本発明を具備するシステム故障頻度計算装置1の装置構成の一例を図示する。
この図に示すように、本発明のシステム故障頻度計算装置1は、システムSの稼働率R(S)を表す式情報を記憶する記憶部10と、記憶部10に記憶されるシステムSの稼働率R(S)に基づいてシステムの故障頻度F(S)を計算する計算部11と、計算部11に展開されて、システムSの稼働率R(S)に記述される稼働率Ai や不稼働率Ui に対して写像ψを作用させることで、システムSの故障頻度F(S)の導出に用いられる計算式を導出する変換部12と、計算全体を統括する制御部13とを備えるとともに、入力装置としてキーボード14を備え、出力装置として表示制御部15/表示メモリ16/CRT17を備える。
次に、記憶部10について説明する。
記憶部10には、R(S)を表す式に関するデータが入力格納される。
R(S)を表す式は、一般に、システム構成要素の稼働率と不稼働率と定数に対して、加減乗除演算と累乗の演算を加えて構成されている。加減乗除の演算は必ず二つの式を結びつける構造をしている。また、累乗は一つの式の累乗を表す係数付きの式構造をしている。
この構造に着目すれば、R(S)を表す式は木構造で表すことができる。例えば、
R(S)=A3 1/2 (A1 +U1 2 )/A3 1/2
という式は、図2のような木構造に展開される。
この木構造の演算(累乗を含む)に番号を割り付けて、各番号の演算の種類と機能とをリストアップすれば、この式を表現する表データが得られる。すなわち、図2に示す木構造に、木構造の底部から順に番号(< >付き)を与えれば、図3に示すように、この式を表現する表データが得られるのである。
図3に示すこの木構造は、以下のように表現できる。
<1>は掛け算の演算を示し、U1 とA2 との演算結果を与える。<2>は足し算の演算を示し、A1 と<1>の演算結果との演算結果を与える。<3>は累乗の操作を示し、A3 を1/2乗している。<4>は掛け算の演算を示し、<3>の操作結果と<2>の演算結果との演算結果を与える。<5>は累乗の操作を示し、A3 を1/2乗している。<6>は割り算の演算を表し、<4>の演算結果と<5>の演算結果との演算結果を与える。
記憶部10は、この情報を図4に示すような形式で記憶するようにしている。すなわち、記憶部10は、計算順序の順に、その計算順序で実行する演算の種類と、その計算順序で実行する演算対象となるものの情報とを記憶することで、R(S)を表す式に関するデータを記憶するという構成を採っているのである。
ここで、図4に示す表データでは、第1列目で操作の番号(演算順序の番号)、第2列目で操作の種類(演算の種類)、第3列目で加減乗除の演算の引数1、第4列目で加減乗除の演算の引数2、第5列目で累乗の演算の引数1(累乗の対象となる引数)、第6列目で累乗の値を管理するようにしている。
次に、変換部12について説明する。
変換部12は、入力変数としてAi が入力される場合には、上述の〔数9〕に記載した式(2)に示す2行2列の行列を出力し、入力変数としてUi が入力される場合には、上述の〔数10〕に記載した式(3)に示す2行2列の行列を出力し、入力変数として定数hが入力される場合には、上述の〔数8〕に記載した式(1)に示す2行2列の行列を出力する。
図5及び図6に、変換部12の実行する処理フローの一例を図示する。
変換部12は、図5及び図6の処理フローに示すように、先ず最初に、ステップ10で記憶部10の表データの格納位置(行番号)を示す変数jに初期値1をセットする。
続いて、ステップ11で、図4に示すような表データの形式でR(S)を表す式を格納する記憶部10から、j行のデータを読み出し、続くステップ12で、そのj行のデータの第3,4,5列目に、Ai またはUi または定数が存在するのかをチェックする。
続いて、ステップ13で、このチェック処理に従って、j行のデータの第3,4,5列目にAi の存在することが得られたのかを判断して、Ai が存在する場合には、ステップ14に進んで、上述の〔数9〕に記載した式(2)に従って、そのAi を2行2列の行列に変換して、記憶部10に格納される対応するAi をその行列に書き換える。
続いて、ステップ15で、jの値を1つインクリメントし、続くステップ16で、jの値が記憶部10の表データの最大行数NLを超えたのか否かを判断して、超えない場合にはステップ11に戻り、超えた場合には、処理を終了する。
一方、ステップ13で、j行のデータの第3,4,5列目にAi が存在しないことを判断する場合には、ステップ17に進んで、ステップ12のチェック処理に従って、j行のデータの第3,4,5列目にUi の存在することが得られたのかを判断して、Ui が存在する場合には、ステップ18に進んで、上述の〔数10〕に記載した式(3)に従って、そのUi を2行2列の行列に変換して、記憶部10に格納される対応するUi をその行列に書き換える。
続いて、ステップ19で、jの値を1つインクリメントし、続くステップ20で、jの値が記憶部10の表データの最大行数NLを超えたのか否かを判断して、超えない場合にはステップ11に戻り、超えた場合には、処理を終了する。
一方、ステップ17で、j行のデータの第3,4,5列目にUi が存在しないことを判断する場合には、ステップ21に進んで、ステップ12のチェック処理に従って、j行のデータの第3,4,5列目に定数の存在することが得られたのかを判断して、定数が存在する場合には、ステップ22に進んで、上述の〔数8〕に記載した式(1)に従って、その定数を2行2列の行列に変換して、記憶部10に格納される対応する定数をその行列に書き換える。
続いて、ステップ23で、jの値を1つインクリメントし、続くステップ24で、jの値が記憶部10の表データの最大行数NLを超えたのか否かを判断して、超えない場合にはステップ11に戻り、超えた場合には、処理を終了する。
一方、ステップ21で、j行のデータの第3,4,5列目に定数が存在しないことを判断する場合には、ステップ22の処理を省略して、直ちにステップ23に進んで、jの値を1つインクリメントし、続くステップ24で、jの値が記憶部10の表データの最大行数NLを超えたのか否かを判断して、超えない場合にはステップ11に戻り、超えた場合には、処理を終了する。
このようにして、変換部12の処理に従って、図4に示すR(S)の式を示す表データ(記憶部10に格納される表データ)は、図7に示すように変換されることになる。
また、R(S)が、
R(S)=2A1 −A1 2
という式の場合には、記憶部10には図8に示すような表データが格納されることになるが、この場合には、図9に示すように変換されることになる。
これを受けて、制御部13は、ユーザから、システムSの故障頻度F(S)を導出する式の表示要求が発行されると、記憶部10に格納されるこの変換された表データをCRT17に表示するように処理することになる。
また、計算部11は、ユーザから、システムSの故障頻度F(S)の計算要求があると、記憶部10に格納される表データの順番に従って行列演算を行うことで、その変換されたR(S)の式を行列演算し、これにより、その演算結果として求まる2行2列の第2行第1列の行列要素を抽出することで、システムSの故障頻度F(S)の計算して、それを出力するように処理することになる。
以上に説明した実施形態例では、図10(a)に示すように、システムSを構成する装置の稼働率Ai /不稼働率Ui で記述されるシステムSの稼働率R(S)についての式が記憶部10に格納される場合について説明したが、記憶部10に格納される際に、『Ai +Ui =1』という関係に従って、R(S)がAi のみで記述されるものに変換されてから記憶部10に格納されることもある。
このような場合には、図10(b)に示すように、Ai のみが変換対象となることになる。
一方、システムSを構成する装置の稼働率Ai /不稼働率Ui で記述されるシステムSの稼働率R(S)についての式が記憶部10に格納される場合にあって、図10(c)に示すように、記憶部10から読み出したUi を、『Ai +Ui =1』という関係に従ってAi に書き換えて変換部12に与える書換部100を用意することも可能であり、この場合には、Ai のみが変換対象となることになる。
また、システムSを構成する装置の稼働率Ai /不稼働率Ui で記述されるシステムSの稼働率R(S)についての式が記憶部10に格納される場合にあって、図10(d)に示すように、記憶部10から読み出したAi を、『Ai +Ui =1』という関係に従ってUi に書き換えて変換部12に与える書換部200を用意することも可能であり、この場合には、Ui のみが変換対象となることになる。
図10に示す構成は、いずれも、結局のところ等価な構成である。また、図10には示していないが、記憶部10に格納される際に、『Ai +Ui =1』という関係に従って、R(S)がUi のみで記述されるものに変換されてから記憶部10に格納されることもあるが(この場合にはUi のみが変換対象となる)、結局のところ、この構成も等価な構成である。
本発明を具備するシステム故障頻度計算装置の装置構成図である。 システムの稼動率の式構造の説明図である。 システムの稼動率の式構造の説明図である。 記憶部に格納されるデータの説明図である。 変換部の実行する処理フローである。 変換部の実行する処理フローである。 記憶部に格納されるデータの説明図である。 記憶部に格納されるデータの説明図である。 記憶部に格納されるデータの説明図である。 本発明の構成の説明図である。 通信ネットワークの一例を示す図である。 システムの状態とMTBF・MTTRの関係を示す図である。 直列の縮退の説明図である。 並列の縮退の説明図である。 デルタ・スター変換の説明図である。 縮退の適用例を示す図である。 分解の説明図である。
符号の説明
1 システム故障頻度計算装置
10 記憶部
11 計算部
12 変換部
13 制御部
14 キーボード
15 表示制御部
16 表示メモリ
17 CRT

Claims (15)

  1. システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式の導出に用いられる故障頻度計算式導出方法であって、
    システムを構成する装置の稼働率で記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶装置から、該システムの稼働率の式情報を読み出す過程と、
    上記読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える過程とを備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出方法。
  2. システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式の導出に用いられる故障頻度計算式導出方法であって、
    システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶装置から、該システムの稼働率の式情報を読み出す過程と、
    上記読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換えるとともに、上記読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率のそれぞれを、該装置の不稼働率と、0と、該装置の不稼働率と該装置の修理率との積の符号を反転させたものと、該装置の不稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える過程とを備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出方法。
  3. システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式の導出に用いられる故障頻度計算式導出方法であって、
    システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶装置から、該システムの稼働率の式情報を読み出す過程と、
    上記読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率を稼働率表現に書き換える過程と、
    上記書き換えたシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える過程とを備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出方法。
  4. システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式の導出に用いられる故障頻度計算式導出方法であって、
    システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶装置から、該システムの稼働率の式情報を読み出す過程と、
    上記読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率を不稼働率表現に書き換える過程と、
    上記書き換えたシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率のそれぞれを、該装置の不稼働率と、0と、該装置の不稼働率と該装置の修理率との積の符号を反転させたものと、該装置の不稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える過程とを備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の故障頻度計算式導出方法において、
    上記記憶装置は、計算順序の順に、その計算順序で実行する演算の種類と、その計算順序で実行する演算対象となるものの情報とを記憶することで、システムの稼働率の式情報を記憶するように構成されることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の故障頻度計算式導出方法において、
    上記置き換えた行列について、上記読み出したシステムの稼働率の式情報の規定する演算形態に従って行列演算を行い、その演算結果の2行2列の行列の特定の行列要素を抽出することでシステムの故障頻度を計算する過程を備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出方法。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の故障頻度計算式導出方法において、
    上記置き換えた行列により記述されるシステムの故障頻度の算出に用いられる式情報を出力する過程を備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出方法。
  8. システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式の導出に用いられる故障頻度計算式導出装置であって、
    システムを構成する装置の稼働率で記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段からシステムの稼働率の式情報を読み出す読出手段と、
    上記読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える置換手段とを備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出装置。
  9. システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式の導出に用いられる故障頻度計算式導出装置であって、
    システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段からシステムの稼働率の式情報を読み出す読出手段と、
    上記読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換えるとともに、上記読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率のそれぞれを、該装置の不稼働率と、0と、該装置の不稼働率と該装置の修理率との積の符号を反転させたものと、該装置の不稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える置換手段とを備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出装置。
  10. システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式の導出に用いられる故障頻度計算式導出装置であって、
    システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段からシステムの稼働率の式情報を読み出す読出手段と、
    上記読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率を稼働率表現に書き換える書換手段と、
    上記書換手段の書き換えたシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率のそれぞれを、該装置の稼働率と、0と、該装置の稼働率と該装置の故障率との積と、該装置の稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える置換手段とを備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出装置。
  11. システムを構成する装置の稼働率と故障率とが与えられている場合に、システムの故障頻度を算出する故障頻度計算式の導出に用いられる故障頻度計算式導出装置であって、
    システムを構成する装置の稼働率と不稼働率とで記述されるシステムの稼働率を表す式情報を記憶する記憶手段と、
    上記記憶手段からシステムの稼働率の式情報を読み出す読出手段と、
    上記読出手段の読み出したシステムの稼働率の式情報に記述される装置の稼働率を不稼働率表現に書き換える書換手段と、
    上記書換手段の書き換えたシステムの稼働率の式情報に記述される装置の不稼働率のそれぞれを、該装置の不稼働率と、0と、該装置の不稼働率と該装置の修理率との積の符号を反転させたものと、該装置の不稼働率とを行列要素とする2行2列の行列に置き換える置換手段とを備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出装置。
  12. 請求項8ないし11のいずれか1項に記載の故障頻度計算式導出装置において、
    上記記憶装置は、計算順序の順に、その計算順序で実行する演算の種類と、その計算順序で実行する演算対象となるものの情報とを記憶することで、システムの稼働率の式情報を記憶するように構成されることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出装置。
  13. 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の故障頻度計算式導出装置において、
    上記置換手段の置き換えた行列について、上記読み出したシステムの稼働率の式情報の規定する演算形態に従って行列演算を行い、その演算結果の2行2列の行列の特定の行列要素を抽出することでシステムの故障頻度を計算する計算手段を備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出装置。
  14. 請求項8ないし12のいずれか1項に記載の故障頻度計算式導出装置において、
    上記置換手段の置き換えた行列により記述されるシステムの故障頻度の算出に用いられる式情報を出力する出力手段を備えることを、
    特徴とする故障頻度計算式導出装置。
  15. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の故障頻度計算式導出方法の実現に用いられる処理をコンピュータに実行させる故障頻度計算式導出プログラム。
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