JP2005316184A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト定着器を搭載させた画像形成装置において、記録材のコシ(剛度)が強いものであっても、定着器106に搬送される際に該記録材が定着ローラ101に直接に直接衝突することを防止して、未定着画像の乱れを防ぐ。
【解決手段】記録材にトナー像を形成する像形成手段と、互いに圧接したニップ部Nにてトナー像を記録材に定着する定着回転体31及び加圧ベルト33と、前記像形成手段によりトナー像が形成された記録材を前記加圧ベルト33に向けて搬送する搬送手段19と、を有する画像形成装置において、前記搬送手段19の上方に傾斜した記録材搬送方向Aに対し、前記加圧ベルト33の前記ニップ部Nに向けた記録材搬送方向Bを20°以内に設定したこと。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子写真方式や静電記録方式を用いた画像形成装置に関し、特に、ベルト定着器を搭載させた、複写機、プリンタ、FAXなどの画像形成装置に関する。
ベルト定着器(ベルト定着装置)は、加熱手段により加熱され、駆動手段により回転駆動される定着回転体(以下、定着ロ−ラと記す)と、複数のベルト懸架部材間に懸回支持され、定着ロ−ラと接触して従動回転する無端状の加圧ベルト(以下、定着ベルトと記す)と、を有し、定着ロ−ラと定着ベルトとの接触部である定着ニップ部でトナー像を担持した記録材(記録紙)を挟持搬送してトナー像を熱と圧力で記録材面に定着させるものである。
ベルト定着器は、定着ロ−ラと加圧ロ−ラとの圧接ロ−ラ対タイプの定着装置との対比において、定着ニップ部幅を定着ベルトの定着ロ−ラに対する腹当て幅の調整により容易に大きく設定することが可能である。また定着ニップ部幅を定着ロ−ラの径に依存させずに確保できるため、定着ロ−ラを小径、小熱容量にすることが可能となり、立ち上げ時間を短縮できる。定着ニップ部幅を広くとれるため、記録材上のトナーをより溶融でき、カラー画像形成装置における多量のトナーを使用する画像形成装置には適した定着装置構成である。
従来、ベルト定着器を搭載している画像形成装置の構成は、非特許文献1に代表される図10のような構成であった。すなわち、不図示の像形成手段部で未定着トナー像を形成された記録材Pは、搬送手段102によって、案内部材103を通過し、ベルト定着器106に搬送される。ベルト定着器106は上部が定着ローラ101で、下部が定着ベルトユニット104で構成されている。定着ベルトユニット104は、複数のベルト懸架ローラ104b〜104dと、このローラ104b〜104d間に懸回支持され、定着ロ−ラ101と接触して従動回転する無端状の定着ベルト104aと、を有し、定着ロ−ラ101と定着ベルト104aとの接触部である定着ニップ部Nでトナー像を担持した記録材Pを挟持搬送してトナー像を熱と圧力で記録材面に定着させるものである。
富士ゼロックス社の2060(日本画像学会誌 第42巻 第4号(2003))
上記図10のような構成の、ベルト定着器106を搭載した画像形成装置は、搬送手段102の記録材搬送方向Aの延長線A´が定着ローラ101に対して直接に交差している。そのため、記録材Pのコシ(剛度)が強いと、該記録材Pは案内部材103に接触しないで該案内部材103の上を通過し、定着器106に搬送される際に定着ローラ101に記録材Pが直接衝突し、未定着画像を乱す可能性がある。
本発明は、この問題を解消することを目的としている。
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
(1)記録材にトナー像を形成する像形成手段と、互いに圧接したニップ部にてトナー像を記録材に定着する定着回転体及び加圧ベルトと、前記像形成手段によりトナー像が形成された記録材を前記加圧ベルトに向けて搬送する搬送手段と、を有する画像形成装置において、前記搬送手段の上方に傾斜した記録材搬送方向に対し、前記加圧ベルトの前記ニップ部に向けた記録材搬送方向を20°以内に設定したことを特徴とする画像形成装置。
(2)記録材にトナー像を形成する像形成手段と、互いに圧接したニップ部にてトナー像を記録材に定着する定着回転体及び加圧ベルトと、前記加圧ベルトへの記録材搬送をガイドするガイド部材と、前記像形成手段によりトナー像が形成された記録材を拘束しながら前記ガイド部材に向けて搬送する搬送手段と、を有する画像形成装置において、
前記搬送手段の記録材拘束最下流点と、前記ガイド部材の記録材ガイド最下流点を結んだ上方に傾斜した直線が、前記加圧ベルトの前記ニップ部に向けた記録材搬送面と交差するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
すなわち、記録材搬送手段と、ベルト定着器の加圧ベルト、もしくは記録材搬送手段と、ガイド部材と、ベルト定着器の加圧ベルトの関係構成を上記のようにして、各部分の高さを徐々に高くしていくことにより、加圧ベルトの定着ニップ部手前側の記録材搬送面に対して記録材が平面的に載りやすくなり、記録材がコシの強いものであっても、該記録材を、定着回転体に最初に突き当てることなく、加圧ベルトの定着ニップ部手前側の記録材搬送面に対して穏やかに載せることができる。したがって、記録材が定着回転体に最初に突き当てることによる記録材上の未定着画像のショック乱れが防止される。
さらに、加圧ベルトの定着ニップ部手前側の記録材搬送面に対して載った記録材は定着ニップ部に突入する以前において、加圧ベルトによって温められることにより記録材の水分を飛ばすことができて定着時のシワや画像不良に対して効果があり、良好な画質を提供することができる。
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す。本実施例によると本発明は、電子写真方式のカラーレーザプリンタ(以下、単にプリンタと記す)にて具現化されているが、本発明はこれに限定されるものではないことを理解されたい。
本実施例のプリンタの動作概略は次に示す通りである。即ち、像担持体としての電子写真感光体上に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの1色毎のトナー像を順次形成し、この感光体上の各色のトナー像を更に中間転写体上に1色毎に転写することを繰り返して、中間転写体上に例えばフルカラーのトナー像を形成し、その後斯かるフルカラーのトナー像を一括に記録材(記録材)上に転写し、次いで定着して永久画像を得る。以下に、更に詳しく説明する。
プリンタは、その概略中心部に回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラム)1を備えており、矢印の反時計方向に所定の速度で回転駆動される。画像形成動作が開始すると、感光ドラム1の表面を帯電手段としての帯電装置2が所定極性、所定電圧に帯電する。
3は露光系としてのレーザスキャナ(レーザ走査露光装置)である。レーザ光Lを発光させるレーザユニット3a、レーザ光Lを水平走査させるポリゴンミラー3b、ポリゴンミラー3bを回転させるスキャナモータ3c、レーザ光Lを結像させるfθレンズ3d、水平走査開始点を示すBD信号を検知する光検知器3e、レーザ光Lを感光ドラム1に導く反射ミラー3fなどから成る。3Aはビデオコントローラであり、レーザユニット3aに画像信号(VDO信号)を入力する。レーザユニット3aの発光レーザ光Lは、ビデオコントローラ3Aからレーザユニット3aへの入力信号である上記の画像信号でオンオフ変調される。
後述する中間転写体としての中間転写ベルト5上に感光ドラム1上のトナー像を転写する際の転写位置を考慮して決定される画像書き出し位置を検知器(不図示)が検知する。レーザスキャナ3はこの画像書き出し位置検知器からの基準信号(TOP信号)に同期して画像信号(により変調されたレーザ光Lを出力して回転感光ドラム1の一様帯電面を走査露光する。これにより感光ドラム面に走査露光パターンに対応した静電潜像が形成される。
先ず、1色目の画像信号に対応する静電潜像が感光ドラム1上に形成される。この時、露光の水平走査開始点を示す信号(BD信号)を検知器3eが検知することで、BD信号に同期した露光が行われる。
4はロータリー式の現像ユニットであり、回動型現像体4aには、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックそれぞれの色現像剤(トナー)を有する4つの現像装置4Y、4M、4C、4Bkを装着させてある。所定のタイミングにて回動型現像体4aが回転することによって、それぞれの現像装置(4Y、4M、4C、4Bk)が感光ドラム1と対向する位置に配置される。このようにして、先ず1色目の静電潜像を現像するためにイエロー現像装置4Yが感光ドラム1と対向する位置に配置され、1色目のイエロートナー像が感光ドラム1上に形成される。
5は中間転写体としての可撓性を有するエンドレスの中間転写ベルトであり、複数のローラ5a〜5e間に懸回張設させてある。その外周面の一部をローラ5bと5cの間において感光ドラム面に接触させて1次転写ニップ部を形成させている。中間転写ベルト5はローラ5aを駆動ローラとして、感光ドラム1の回転速度とほぼ同じ速度で矢印の時計方向に回転駆動される。
感光ドラム1上に形成された1色目のイエロートナー像は、1次転写ニップ部において、1次転写ローラ7にて中間転写ベルト5にトナーと逆極性の転写バイアス電圧が印加されることによって、中間転写ベルト5上に転写される。
上記と同様の画像形成工程を、2色目、3色目、4色目であるそれぞれマゼンタ、シアン、ブラックについて繰り返して、中間転写ベルト5上に、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像の順次重畳転写からなる未定着のフルカラー合成トナー画像を形成する。
一方、検知器8からの基準信号(TOP信号)に基づいた所望のタイミングで、第1〜第3の給紙カセット11〜13、およびマルチ給紙トレイ14の内の予め選択された給紙部の給紙ローラ15が駆動されることで、その給紙部に収容された記録材(記録紙)Pが1枚分離されて送り出されてシートパス16からレジストレーションローラ17へ送られる。マルチ給紙トレイ14及びマルチ給紙トレイ用の給紙ローラ15を用いることにより、複数種類の記録材Pの給紙が行える。
レジストレーションローラ17は、中間転写ベルト5から記録材Pへのトナー像の2次転写のタイミングを制御するためのものである。レジストレーションローラ17は上記の給紙部側から給紙された記録材Pの先端を受け止めて一旦停止させる。
18は2次転写ローラである。この2次転写ローラ18は、中間転写ベルト5の複数のローラ5a〜5eの内のローラ5eを対向ローラとして、該ローラ5eに対して中間転写ベルト5を挟んで所定に圧接した第1状態と、中間転写ベルト5の外面から離間した第2状態とに不図示のシフト機構により切換え制御される。2次転写ローラ18は常時は中間転写ベルト5の外面から離間した第2状態に切換えられて保持されている。第1状態に切換えられることで、中間転写ベルト5の外面との間に2次転写ニップ部が形成される。
2次転写ローラ18は前記の画像書き出し位置検知器からの基準信号(TOP信号)に基づいた所望のタイミングでローラ5eに対して中間転写ベルト5を挟んで所定に圧接した第1状態に切り変えられる。また、レジストレーションローラ17の位置で一旦停止されている記録材Pは所定の転写タイミングに同期してレジストレーションローラ17から再給紙され、第1状態に切り変えられた2次転写ローラ18と中間転写ベルト5との間の2次転写ニップ部に導入されて、この2次転写ニップ部を挟持搬送されていく。その間、2次転写ローラ18には所定の転写バイアスが印加されて、中間転写ベルト5上のフルカラーのトナー像が記録材P上に静電的に一括転写され、記録材P上には未定着のフルカラートナー像が形成される。
2次転写ニップ部を出た記録材Pは中間転写ベルト5の面から分離して、記録材搬送手段としての搬送ベルトユニット19によって定着器(ベルト定着装置)20へ搬送され、未定着フルカラートナー像は熱及び圧力により記録材P上に融着されて永久画像となる。定着器20を出た記録材Pは、記録材搬送手段としての搬送ローラ21、22によって、プリンタ外の排紙トレイ23上に排出される。
6は感光ドラム1のクリーニング装置であり、1次転写ニップ部にて中間転写ベルト5上への転写(各色毎)が終了した感光ドラム1の表面に残留する転写残トナーなどはこのクリーニング装置6のブレード状のクリーニング部材によって除去されて、画像形成を繰り返し行うことができる。
9は中間転写ベルト5のクリーニング装置であり、常時は中間転写ベルト5の外面から離間した状態に保持されている。2次転写ニップ部にて中間転写ベルト5から記録材Pに対するトナー像の2次転写がなされるときに所定の制御タイミングにて中間転写ベルト55の外面に接触した状態に切換えられて保持されている。記録材P上へのフルカラートナー像の転写が終了した中間転写ベルト5の表面に残留する転写残トナーなどは、このクリーニング装置9のブレード状のクリーニング部材によって除去されて、画像形成を繰り返し行うことができる。
24・25は両面画像形成モードや多重画像形成モードが選択された場合に、定着器20を出た、片面画像形成済みの記録材または1回目画像形成済みの記録材を表裏反転させて、もしくは表裏反転させないで、2次転写ニップ部へ再搬送するシートパス機構部である。
(2)定着器20および定着器20への記録材導入搬送構成
ここで、2次転写後から定着器20までの構成について説明する。本実施例において、上記の像形成手段部の2次転写ニップ部を出た記録材Pを定着器20に搬送する搬送手段としての搬送ベルトユニット19と未定着のトナーを定着する定着器20の構成は図2のようになっている。
搬送ベルトユニット19は、可撓性を有するエンドレスの搬送ベルト19aを複数のローラ19b〜19eによって懸架したもので、ローラ19b〜19eの一つを駆動ローラとしてこれを駆動モータ(不図示)によって回転駆動することで搬送ベルト19aを記録材搬送方向に回転させるものである。記録材Pはこの搬送ベルト19aの上行側のベルト部分19a1に載って定着器20へと搬送される。
定着器20は、定着回転体としての定着ローラ31と、この定着ローラ31の下側に配設した定着ベルトユニット32で構成されている。
定着ローラ31は、例えば、アルミニウム等の金属からなる中空体を芯金とし、その外周面にシリコンゴム等からなる弾性層を設け、さらにその外周面にPFAヒューブ等からなる、定着ローラとトナーの離型性を高める離型層を設けたものである。この定着ローラは、その長手方向(軸線方向)の両端部側を装置シャシーの側板間に軸受を介して回転自由に支持させて配設してあり、駆動機構(不図示)により矢印の時計方向に所定の速度で回転駆動される。また、この定着ローラ31の内空の中心部近傍にはハロゲンヒーター等の熱源(不図示)を配設してあり、この熱源に給電部から通電されて該熱源の発熱により定着ローラ31が内部から加熱される。この定着ローラ31の表面温度がサーミスタ等の温度検知素子(不図示)で検知され、その検知温度情報が制御回路部(不図示)に入力する。制御回路部は温度検知素子から入力する電気的検知温度情報が所定の定着温度に対応する略一定値に維持されるように給電部から熱源への供給電力を制御する。すなわち、制御回路部は定着ローラ31の表面温度を所定の定着温度に温調制御する。
定着ベルトユニット32は、無端状(エンドレス)で可撓性を有する、加圧ベルトとしての定着ベルト33、該定着ベルト33を懸回張設させた複数のベルト懸架部材としての第1〜第3の3本のローラ34〜36等からなる。
定着ベルト33は、例えば、ポリイミド等の耐熱性樹脂材料を無端ベルト状に成形したものである。
第1〜第3のローラ34〜36は略並行に配列し、それぞれその両端部側を回転自由に且つ軸受保持させて配設してある。第1のローラ34は定着ローラ31よりも記録材搬送方向上流側に位置させて、定着ローラ31とは離間させて配置してある。以下、この第1のローラ31を入り口ローラと記す。第2のローラ35はSUS等の金属からなり、グリップローラとして加圧機構(不図示)により定着ベルト33を介して定着ローラ31に対して所定の押圧力で圧接させてある。この第2のローラ35は定着ローラ31から記録材を分離する機能を有している。以下、この第2のローラ35を分離ローラと記す。第3のローラ36は分離ローラ35の下方に配設してあり、定着ベルト33の寄り補正ローラとして機能させている。以下、この第3のローラ36をステアリングローラと記す。
入り口ローラ34から分離ローラ35との間の定着ベルト部分の記録材搬送方向下流側略半分部34bは定着ローラ31の下面部分に対して腹当てに圧接させて定着ローラ31との間に記録材搬送方向において幅広の定着ニップ部Nを形成させている。また上記定着ベルト部分の記録材搬送方向上流側略半分部34aは、搬送ベルトユニット19から定着器20に導入された記録材を上記の定着ニップ部Nに搬送する、定着ニップ部手前側の記録材搬送面として機能させている。
定着ベルト33は定着ローラ31の回転駆動に従動して定着ニップ部Nにおける定着ローラ31と定着ベルト33との接触摩擦力で矢印の反時計方向に回転する。またこの定着ベルト33の回転に従動して、該定着ベルト33を懸回張設している、入り口ローラ34、分離ローラ35、ステアリングローラ36が回転する。
入り口ローラ34は定着ベルト33を加熱するヒートローラとして機能させている。即ち、該入り口ローラ34は中空ローラにしてその内空にハロゲンヒーター等の熱源を挿入して配設してある。この熱源の発熱により入り口ローラ34が内側より加熱される。この入り口ローラ34の熱により定着ベルト33が加熱される。定着ベルト33の表面温度がサーミスタ等の温度検知素子(不図示)により検知され、その電気的検知温度情報が制御回路部に入力する。制御回路部は温度検知素子から入力する電気的検知温度情報が所定の定着ベルト温度に対応する略一定値に維持されるように給電部から熱源への供給電力を制御する。すなわち、制御回路部は定着ベルト33の温度を所定の定着ベルト温度に温調制御する。
而して、定着ローラ31が回転駆動され、これに従動して定着ベルト33が回転し、熱源への通電により定着ローラ31と入り口ローラ34が加熱され、定着ローラ31が所定の定着温度に立ち上って温調され、また入り口ローラ34の熱で定着ベルト33が所定の定着ベルト温度に加熱温調されている状態において、図3(a)のように、搬送ベルトユニット19から定着器20に未定着トナー像を担持した記録材Pが導入され、図3(b)のように、定着ベルト33の、定着ニップ部手前側の前記記録材搬送面33aに載って図3(c)のように定着ニップ部Nに導入される。
定着ニップ部Nに導入された記録材Pは定着ローラ31と定着ベルト33との間に挟持されて搬送されていく。この記録材Pの定着ニップ部Nにおける挟持搬送過程で、記録材Pの未定着トナー像面が定着ローラ31の表面に密着して定着ローラ31の熱により加熱され、また記録材Pの裏面が定着ベルト33の熱で加熱されて、未定着トナー像が定着ローラ31と定着ベルト33の熱により溶融され、また定着ニップ部Nの圧により記録材に押し付けられて永久固着像として定着される。
そして、記録材Pは定着ニップ部Nの記録材出口部において定着ローラ31の弾性層に対する分離ローラ35の食い込み(侵入)により定着ローラ31の表面から自然に分離されて、搬送ローラ21によって定着器20から排出搬送されていく。
ステアリングローラ36は定着ベルト33に張りを与えるテンションローラとして機能していると共に、ステアリングローラ変位機構(不図示)により定着ベルト33の寄り移動に応じてその寄りを修正する方向に変位される。すなわち、定着ベルト33は回転過程において該定着ベルト33のベルト懸架部材としての、入り口ローラ34、分離ローラ35、ステアリングローラ36の軸線方向(ローラ長手方向、あるいはベルト回転方向を横切るベルト幅方向)の一方側または他方側にローラに沿って大なり小なり片寄り移動する現象を生じる。これは複数のベルトベルト懸架部材34、35、36間の並行度やねじれ等が原因しているもので、これらの精度を高めるのは限界があり、精度向上だけでは上記のベルト片寄り移動を無くしてベルトの走行安定化を図ることは困難である。そこで、複数のベルトベルト懸架部材34、35、36の少なくとも1つのベルト懸架部材36を揺動部材として他のベルト懸架部材34、35に対する相対位置を変位させる(並行度やねじれを変化させる)ことで、定着ベルト33の回転時の寄り移動を修正制御するものである。具体的には、定着ベルト33の回転時の寄り移動量が許容を超えたことがベルト寄り位置検知センサ(不図示)検知されると、制御回路部はステアリングローラ変位機構(不図示)によりステアリングローラ36をベルト戻し方向に変位させる。この制御の繰り返しにより、定着ベルト33の寄り方向を交互に修正して定着ベルト33の寄り移動運動を所定の許容領域幅内に納めるものである。
定着ベルトユニット32は不図示のシフト機構により、分離ローラ35と定着ベルト33を定着ローラ31に対して所定に圧接させた定着動作可能な第1状態と、分離ローラ35と定着ベルト33を定着ローラ31から非接触に退避させた第2状態とに切換え制御される。画像形成装置の画像形成シーケンス制御において,定着器20に記録材がこない状態時や、画像出力待ちのようなスタンバイ状態時では第2状態に切換えられている。
定着ベルトユニット32は、定着ニップ部Nにおいて定着ベルト部分を定着ローラ31に積極的に加圧する加圧パッド部材や、この加圧パッド部材と定着ベルト内面との摺動抵抗を低減化させるために定着ベルト内面にシリコンオイル等の潤滑剤を塗布するパッド部材を具備させて構成することもできる。
2次転写ニップ部を出た記録材Pを定着器20に搬送する搬送手段としての搬送ベルトユニット19において、搬送ベルト19aの記録材搬送面である上行側ベルト部分19a1は、図4のように、その記録材搬送方向Aを上方に傾斜させてある。すなわち、上行側ベルト部分19a1を前上りの傾斜面姿勢にしてある。αは上記の記録材搬送方向Aの前上りの傾斜角である。Oは水平線である。この前上りの傾斜角αは具体的には0°〜15°程度に設定するのが好ましい。前下がりの傾斜角度であると、重力による記録材への影響を期待できなくなり、定着前に定着ベルトに記録材を沿わせることが難しくなり、定着ローラに対して記録材が衝突してしまう。記録材搬送方向Aが水平方向ならば問題ない。従って傾斜角αには0°も含ませてある。
また、定着器20の定着ベルトユニット32において、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aは、その前記定着ニップ部Nに向けた記録材搬送方向Bを、上記の搬送ベルト19aの記録材搬送方向Aの前上りの傾斜角αよりも大きい傾斜角にて上方に傾斜させてある。この場合、搬送ベルト19aの上記記録材搬送方向Aに対して、定着ベルト33の上記記録材搬送方向Bのなす角β(すなわち、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aに対する記録材Pの進入角)を20°以内に設定する。
Cは搬送ベルト19aの上行側ベルト部分19a1の記録材搬送方向下流側端部の位置、Dは定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aの記録材搬送方向上流側端部の位置である。搬送ベルトユニット19から定着器20へ導入される記録材Pの先端が定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aの記録材搬送方向上流側端部に突き当たらないように、この記録材搬送方向上流側端部の位置Dを上記の記録材搬送方向Aの延長線A´よりも下位に位置させてある。また、上記の記録材搬送方向Aの延長線A´が定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aと交差する関係構成に設定してある。Eは上記の交差点である。
このように、搬送ベルト19aの記録材搬送面である上行側ベルト部分19a1と、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aの各部分の高さを徐々に高くしていくことにより、搬送ベルトユニット19から定着器20への記録材Pの搬送において、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aに対して、搬送ベルト19aで搬送された記録材Pが平面的に載りやすくなる。
すなわち、搬送ベルトユニット19により搬送された記録材が定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向上流側において定着ベルト33に載り、記録材Pがコシの強いものであっても、該記録材Pを、定着ローラ31に最初に突き当てることなく、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aに対して穏やかに載せることができる。
したがって、記録材Pが定着ローラ31に最初に突き当てることによる、記録材P上の未定着画像のショック乱れが防止される。
さらに、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aに対して載った記録材Pは定着ニップ部Nに突入する以前において、定着ベルト33によって温められることにより記録材Pの水分を飛ばすことができて定着時のシワや画像不良に対して効果があり、良好な画質を提供することができる。
このような観点から、搬送ベルトユニット16の記録材搬送方向Aに対して、定着ベルト33の定着ニップ部Nに向けた記録材搬送方向Bのなす角度βを、0°以上20°以下とするのが好ましい。
図5は上記角度βを0°に設定した場合を示してる。定着ベルト33の定着ニップ部Nに向けた記録材搬送方向Bの前上がり傾斜角を、搬送ベルト19aの記録材搬送方向Aの前上りの傾斜角αと同じ設定(β=0°)したものである。この場合も図4の設定の場合と同様な効果がある。
角度βを20°よりも大きい設定にすると、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aに対する記録材Pの進入角が大きくなることで、記録材Pがコシの強いものである場合に該記録材Pの突き当たりショックが大きくなる。
逆に角度βを0°よりも小さい負の角度に設定にすると、搬送ベルトユニット19の記録材搬送方向Aの延長線A´が定着ローラ31と交差する関係になって、記録材Pがコシの強いものである場合に該記録材Pが定着ローラ31に最初に突き当たることになる。
図6は、搬送ベルトユニット19の記録材搬送方向Aの延長線A´が定着ローラ31と交差する関係にある場合を示しており、記録材Pのコシが強いと定着ローラ31に直接突き当たってしまい、記録材P上の未定着画像は突き当たるショックで乱れてしまう可能性がある。
次に、図7〜9により第2の実施例について説明する。
本実施例では、搬送ベルトユニット19について、搬送ベルト19aの記録材搬送面である上行側ベルト部分19a1に記録材Pを拘束するための吸引ファン37を搬送ベルト19aの内側に配置している。
また、定着器20に、搬送ベルトユニット19からの記録材Pを定着ベルト33に中継ガイドするガイド部材(案内部材)38を配設してある。
搬送ベルトユニット19と定着器20のその他の装置構成は前述した実施例1のものと同様であるので再度の説明は省略する。
像形成手段部の2次転写ニップ部より搬送された記録材Pは、図8(a)のように、搬送ベルトユニット19の搬送ベルト19a上に吸引ファン37の吸引力により拘束されながら定着器20へ搬送される。定着器20へ搬送された記録材Pは、ガイド部材38から、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aに載って定着ニップ部Nに導入される。定着ニップ部Nに導入された記録材Pは、図8(b)のように、定着ローラ31と定着ベルト33との間に挟持されて搬送されていく。
本実施例では、像形成手段部の2次転写ニップ部と定着ニップ部の距離を250mmとし、記録材PのサイズがA4では2次転写ニップ部と定着ニップ部にかむことはなく、A3では2次転写ニップ部と定着ニップ部がお互いにかむことがある距離に設定している。
ここで、図9を参照して、2次転写ニップ部を出た記録材Pを定着器20に搬送する搬送手段としての搬送ベルトユニット19において、搬送ベルト19aの記録材搬送面である上行側ベルト部分19a1は記録材搬送方向を上方に傾斜させてある。すなわち、上行側ベルト部分19a1を前上りの傾斜面姿勢にしてある。
また、この搬送ベルトユニット19からの記録材Pを定着器20の定着ベルト33に中継ガイドするガイド部材38は、上記の搬送ベルト19aの記録材搬送方向の前上りの傾斜角よりも大きい傾斜角にて上方に傾斜させてある。
また、定着ベルトユニット32において、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aも、その前記定着ニップ部Nに向けた記録材搬送方向を上方に傾斜させてある。
また、搬送ベルトユニット19の記録材搬送方向の延長線A´がガイド部材38の記録材搬送面と交差する関係構成に設定してある。Jは上記の交差点である。
そして、搬送ベルトユニット19の内部に配置されている吸引ファン37によって記録材Pを拘束する最終ポイントEと、ガイド部材38の最下流の位置での記録材をガイドする最終ポイントFを結んだ、上方に傾斜した直線Gが、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の定着ニップ部Nに向けた記録材搬送搬送面と交差する、すなわち、上記直線Gと定着ベルト33との交点Hが、定着ニップ部Nと記録材搬送方向上流側のベルト懸架ローラ34との間にある関係構成にしてある。
このことによって、記録材Pのこし(剛度)が強い場合でも最初に定着ローラ31に突き当たることがなく、さらに定着ベルトユニット32によって定着ニップ部N以前に記録材Pが温められることにより、記録材Pの水分を飛ばすことができ定着時のシワや画像不良に対して効果があり、良好な画質を提供することができる。
ここで、搬送ベルトユニット19とガイド部材38のなす角度γは図9上で150〜180°にすることで未定着画像を載せた記録材Pの搬送性がより良好になる。150°よりも小さい角度にすると、ガイド部材38に対する記録材Pの進入角が大きくなることで、記録材Pがコシの強いものである場合に該記録材Pの突き当たりショックが大きくなる。
また、直線Gと、定着ベルト33の定着ニップ部手前側の記録材搬送面33aとのなす角βも、実施例1の搬送ベルトユニット16の記録材搬送方向Aに対して、定着ベルト33の定着ニップ部Nに向けた記録材搬送方向Bのなす角度βと同様の理由で、0°〜20°に設定するのが好ましい。特に最適な角度範囲は0°〜15°になる。
なお、本実施例では、搬送ベルトユニット19の記録材の拘束手段は吸引ファン37であることとしたが、静電吸着等の別の手段であっても本発明は適用される。
実施例1における画像形成装置を示す概略構成図である。 記録材搬送ベルトユニットとベルト定着器部分の拡大模式図である。 記録材搬送過程の説明図である。 要部の説明図である。 他の構成例の要部の説明図である。 対比例の、記録材搬送ベルトユニットとベルト定着器部分の拡大模式図である。 実施例2の記録材搬送ベルトユニットとベルト定着器部分の拡大模式図である。 記録材搬送過程の説明図である。 要部の説明図である。 従来例の定着周りの紙搬送図である。
符号の説明
19・・搬送ベルトユニット、20・・ベルト定着器、31・・定着ローラ、32・・定着ベルトユニット、33・・定着ベルト、37・・吸引ファン、38・・ガイド部材(案内部材)

Claims (2)

  1. 記録材にトナー像を形成する像形成手段と、互いに圧接したニップ部にてトナー像を記録材に定着する定着回転体及び加圧ベルトと、前記像形成手段によりトナー像が形成された記録材を前記加圧ベルトに向けて搬送する搬送手段と、を有する画像形成装置において、
    前記搬送手段の上方に傾斜した記録材搬送方向に対し、前記加圧ベルトの前記ニップ部に向けた記録材搬送方向を20°以内に設定したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録材にトナー像を形成する像形成手段と、互いに圧接したニップ部にてトナー像を記録材に定着する定着回転体及び加圧ベルトと、前記加圧ベルトへの記録材搬送をガイドするガイド部材と、前記像形成手段によりトナー像が形成された記録材を拘束しながら前記ガイド部材に向けて搬送する搬送手段と、を有する画像形成装置において、
    前記搬送手段の記録材拘束最下流点と、前記ガイド部材の記録材ガイド最下流点を結んだ上方に傾斜した直線が、前記加圧ベルトの前記ニップ部に向けた記録材搬送面と交差するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
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