JP2005314731A - ボトル缶用有底円筒体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 飲料用アルミニウム製ボトル缶に関するもので、カール部分の加工によってもダメージの少ない化成処理をした、ボトル缶としたときに漏れや腐食のおそれのないボトル缶用有底円筒体、それを用いたボトル缶、有底円筒体の製造方法並びにそのための化成装置の提供。
【解決手段】 アルミニウム合金板に絞り・しごき加工を施して有底円筒体を形成し、該有底円筒体にネッキング加工によりキャップ取付部を形成し、該キャップ取付部にネジ部を形成するボトル缶の製造方法において、ネッキング加工に先立ち、前記有底円筒体の内外の全表面に不溶性の化成皮膜を形成するに際し、有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段を適用する、化成皮膜を設けたアルミニウム合金製ボトル缶用有底円筒体の製造方法及びそのための装置。
【選択図】 図3
【解決手段】 アルミニウム合金板に絞り・しごき加工を施して有底円筒体を形成し、該有底円筒体にネッキング加工によりキャップ取付部を形成し、該キャップ取付部にネジ部を形成するボトル缶の製造方法において、ネッキング加工に先立ち、前記有底円筒体の内外の全表面に不溶性の化成皮膜を形成するに際し、有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段を適用する、化成皮膜を設けたアルミニウム合金製ボトル缶用有底円筒体の製造方法及びそのための装置。
【選択図】 図3
Description
本発明は、ネジキャップによって密封する形式のソフトドリンク、ビール、コーヒー類、ビールなどの飲料用アルミニウム製ボトル缶に関するもので、極めて過酷な加工が行われるカール部分の加工によってもダメージの少ない化成処理をした、ボトル缶としたときに漏れや腐食のおそれのないボトル缶用有底円筒体、それを用いたボトル缶、有底円筒体の製造方法並びにそのための化成装置に関する。
飲料用に使用されているアルミニウム合金製ボトル缶は、アルミニウム合金板のドローイング・アイアニング成形(DI成形)により有底円筒に成形し、次いで順序に若干の前後があるも、外面に塗膜との密着性を向上させるためのサイズコート処理及びその焼付工程、印刷・クリアーニスによるオーバーコート処理及びその焼付工程、さらに内面塗装及びその焼付工程を順次行った後に、有底円筒の開口部側を縮径するとともにキャップ取付け部を形成するネッキング加工工程及び該キャップ取付け部にキャップを螺合するためのネジ部を形成するネジ加工工程の順で行われるのが普通である。
従来のDI缶は、DI加工したアルミの付着油を脱脂し、化成液を内外面にスプレーして、化成皮膜の下地処理を行っている。アルミニウム缶の場合、現在ではリン酸ジルコニウム系化成皮膜(以下化成皮膜と略)が一般的である。但し、化成皮膜量が薄いと内容物充填後の殺菌処理でボトム部外面の変色が発生し、化成皮膜量が厚いとネックとフランジ加工による塗膜剥離が発生するので、上下限値は概ね8〜15mg/m2程度とするのが一般的であった。
しかしボトル缶においては、DI缶にないボトル缶の口部のカール部は加工変形量が極めて大きいため、化成皮膜の上に塗布する塗膜の剥離が問題になる。
単に従来の化成皮膜処理方法では、内面側と外面側の化成皮膜量及び缶ボトム部と有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)の化成皮膜量はほとんど同じ量になる。ボトム部外面側は塗装も行われないため、殺菌処理などの熱水処理において黒色に変色するのを防止する目的で、化成皮膜厚さ(以下、化成皮膜厚さは、蛍光X線法で測定したジルコニウムの量で示す。)8〜15mg/m2必要と言われている。
しかしボトル缶においては、DI缶にないボトル缶の口部のカール部は加工変形量が極めて大きいため、化成皮膜の上に塗布する塗膜の剥離が問題になる。
単に従来の化成皮膜処理方法では、内面側と外面側の化成皮膜量及び缶ボトム部と有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)の化成皮膜量はほとんど同じ量になる。ボトム部外面側は塗装も行われないため、殺菌処理などの熱水処理において黒色に変色するのを防止する目的で、化成皮膜厚さ(以下、化成皮膜厚さは、蛍光X線法で測定したジルコニウムの量で示す。)8〜15mg/m2必要と言われている。
この時、上端部外面側は、ジルコメート化成皮膜量が厚い場合でも、カール加工前に密着性の良いサイズ塗料をロール塗装しその上に外面塗料をロール塗装するため、幸いにして塗膜へのダメージはほとんど無い。但し、しかし円筒体上端部内は、化成液が外面側から内面側に回り込むため、化成皮膜量が必要以上に厚くなるので、DI缶よりも過酷な加工であるボトル口部のカール部は、15mg/m2以下の皮膜量でも化成皮膜上に塗布される内面塗膜が剥離し、内面塗膜シワが発生しやすかった。そのため内容物を充填しキャッピング後、このシワ発生箇所から内容物が漏れ出すことがあった。その他の皮膜面は加工度が低い上サイズコート塗料で被覆されているため塗膜剥離の危険はほとんどない。
カール加工の際のカール部の化成皮膜剥離を防止ことについては検討されてはいない。カール部の化成皮膜上に形成される塗膜の割れや剥離を防止するために、ネジ部を形成する表面に予めメジウム層等を形成しておくという提案(例えば、特許文献1参照)や内面塗膜の割れ等を補修するために口部の天面または/及び口部の内面に補正内面塗料を塗装するという提案(例えば、特許文献2参照)がなされているが、化成皮膜については検討されていない。
特開2003−181577号公報
特開2003−011979号公報
本発明は、アルミニウム合金製ボトル缶用有底円筒体の有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)の化成皮膜がカール加工においても、剥離しない化成皮膜を設けたアルミニウム合金製ボトル缶用有底円筒体の製造方法、それを用いたボトル缶、剥離しない化成皮膜を設けた有底円筒体並びにそれのための化成装置を提供することを目的とする。
本発明は、
[1] アルミニウム合金板に絞り・しごき加工を施して有底円筒体を形成し、該有底円筒体の開口部近傍にネッキング加工により該開口部を密封するためのキャップを取り付けるキャップ取付部を形成し、該キャップ取付部に前記キャップを螺着させるためのネジ部を形成するボトル缶の製造方法において、ネッキング加工に先立ち、前記有底円筒体の内外の全表面にリン酸ジルコニウム系化成液をスプレーして不溶性の化成皮膜を形成するに際し、有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段を適用することを特徴とする化成皮膜を設けたアルミニウム合金製ボトル缶用有底円筒体の製造方法、
[1] アルミニウム合金板に絞り・しごき加工を施して有底円筒体を形成し、該有底円筒体の開口部近傍にネッキング加工により該開口部を密封するためのキャップを取り付けるキャップ取付部を形成し、該キャップ取付部に前記キャップを螺着させるためのネジ部を形成するボトル缶の製造方法において、ネッキング加工に先立ち、前記有底円筒体の内外の全表面にリン酸ジルコニウム系化成液をスプレーして不溶性の化成皮膜を形成するに際し、有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段を適用することを特徴とする化成皮膜を設けたアルミニウム合金製ボトル缶用有底円筒体の製造方法、
[2] 有底円筒体上端部内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段として、リン酸ジルコニウム系化成液をスプレーした後直ちに円筒体内面に水をスプレーして水洗することからなる上記[1]に記載のボトル缶用有底円筒体の製造方法、
[3] 有底円筒体上端部内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段として、リン酸ジルコニウム系化成液をスプレーした後直ちに円筒体内面に付着している化成液をブローオフする上記[1]に記載のボトル缶用有底円筒体の製造方法、
[4] 有底円筒体の内外の全表面にリン酸ジルコニウム系化成液をスプレーして不溶性の化成皮膜を形成するに際し、該円筒体の開口部を下に向け、その上面から複数段のライザーノズルで化成液をスプレーすると共に、該円筒内面にライザーノズルから化成液をスプレーして化成反応を行い、円筒体内面のみは直ちに化成液による反応の進行を停止または遅延させる手段を適用することからなる上記[1]〜[3]のいずれかに記載のボトル缶用有底円筒体の製造方法、
[3] 有底円筒体上端部内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段として、リン酸ジルコニウム系化成液をスプレーした後直ちに円筒体内面に付着している化成液をブローオフする上記[1]に記載のボトル缶用有底円筒体の製造方法、
[4] 有底円筒体の内外の全表面にリン酸ジルコニウム系化成液をスプレーして不溶性の化成皮膜を形成するに際し、該円筒体の開口部を下に向け、その上面から複数段のライザーノズルで化成液をスプレーすると共に、該円筒内面にライザーノズルから化成液をスプレーして化成反応を行い、円筒体内面のみは直ちに化成液による反応の進行を停止または遅延させる手段を適用することからなる上記[1]〜[3]のいずれかに記載のボトル缶用有底円筒体の製造方法、
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかに記載のアルミニウム合金製ボトル缶用有底円筒体を用いて製造したボトル缶、
[6] 有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)のリン酸・ジルコニウム化成皮膜を2〜7mg/m2(ジルコニウムとして)の化成皮膜を設けたボトル缶用有底円筒体、及び
[6] 有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)のリン酸・ジルコニウム化成皮膜を2〜7mg/m2(ジルコニウムとして)の化成皮膜を設けたボトル缶用有底円筒体、及び
[7] 有底円筒体を開口部を下向きにして移送させる手段、移送される該外有底円筒体の外表面に化成液をスプレーするための複数段のライザーノズル、有底円筒体内面に化成液をスプレーするための内面用ライザーノズル、該内面用ライザーノズルに隣接して設けられた化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段及び円筒体全体の化成反応全体を停止させるためのリンス手段からなるボトル缶用有底円筒体の化成装置、を開発することにより上記の目的を達成した。
本発明は、有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分:図2参照)内面の化成皮膜量を2〜7mg/m2と薄く形成することにより、ボトル缶ネジ加工によってもカール部での内面塗膜シワが発生しなくなった。従って、内容物を充填してキャップをした後、内面塗膜シワに沿って内容物が外へ漏れ出すことが無くなった。また、ボトルの他の部分は従来とおりの化成皮膜厚みを確保できたため、ボトム外面のアルミニウム面も内容物充填後の殺菌処理で変色することはない。
今回新たにボトル缶化成処理装置においても、有底円筒体内面の化成用ライザーノズルを減らすと共に、水洗ライザーまたはエアーノズル等の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段を設置した化成処理装置を開発することにより上記の有底円筒体を効率よく生産できるようになった。
今回新たにボトル缶化成処理装置においても、有底円筒体内面の化成用ライザーノズルを減らすと共に、水洗ライザーまたはエアーノズル等の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段を設置した化成処理装置を開発することにより上記の有底円筒体を効率よく生産できるようになった。
以下図1を参照して本発明に係るボトル缶の製缶工程の1例を説明するが、他の製缶工程であっても本発明方法を適用することができる。
ボトル缶は、コイル状に巻かれた潤滑油を塗布したアルミニウム合金板から円形のブランクを打ち抜き、これをプレスなどでカップを成形し、さらにドローイング・アイアニング加工(DI加工)により有底円筒成形体とする。
洗浄により缶胴内外面の潤滑油を除去し、次いで化成処理して化成皮膜を有底円筒成形体の内外表面に形成させた後乾燥する。その後サイズコート(10〜30mg/dm2)及びその焼付工程、印刷・オーバーコート(45〜100mg/dm2)及びその焼付工程、内面塗装及びその焼付工程、ネッキング加工工程(トリミング加工、スカート成形を含む)、ネジ加工工程(カール・スロット成形を含む)を経て洗浄・乾燥を行い、ボトル缶製品とする。
ボトル缶は、コイル状に巻かれた潤滑油を塗布したアルミニウム合金板から円形のブランクを打ち抜き、これをプレスなどでカップを成形し、さらにドローイング・アイアニング加工(DI加工)により有底円筒成形体とする。
洗浄により缶胴内外面の潤滑油を除去し、次いで化成処理して化成皮膜を有底円筒成形体の内外表面に形成させた後乾燥する。その後サイズコート(10〜30mg/dm2)及びその焼付工程、印刷・オーバーコート(45〜100mg/dm2)及びその焼付工程、内面塗装及びその焼付工程、ネッキング加工工程(トリミング加工、スカート成形を含む)、ネジ加工工程(カール・スロット成形を含む)を経て洗浄・乾燥を行い、ボトル缶製品とする。
この場合、ボトル缶はDI缶に比して、厳しいネッキング加工、更にネジ加工カール部加工など、より変形度の大きい加工、特に変形量の大きいカール部加工が行われるため、これらの加工前に行われた塗装面は大きな変形を受け、塗膜面にダメージを受けやすい。そしてこの内面塗料が損傷した部位は金属部位が内容物と接触した場合、腐食したり、金属が溶出したりする危険があった。
金属缶(ボトル缶も含む。)は、その内面に主として水性塗料をスプレー塗布して金属の腐食や溶出を防止している。該水性塗料は、樹脂成分と有機溶剤と水とからなる分散媒から成り立っている。樹脂成分としては、通常使用されているエポキシ樹脂とアクリル樹脂とフェノール樹脂が含まれものが多い。通常有機溶剤としてはn−ブタノール、イソブタノール、ブチルセロソルブ、ジメチルエタノールアミンが含まれるのが、DI缶用スプレー内面塗料として使用されている。
本発明において使用するDI缶用リン酸ジルコニウム系化成液は、主成分として、六ふっ化ジルコニウム酸とふっ化水素及びその水溶性塩とリン酸等が含まれている。DI加工後付着した潤滑油を脱脂処理した後、化成処理工程でリン酸ジルコニウム系化成液を缶の内外面にスプレーして、缶表面に不溶性の化成皮膜を形成する。
従来は、缶を倒立(開口部を下向きにする)にしてネットコンベアで搬送し、脱脂処理工程後、化成処理工程で上側ライザー3本と下側ライザー1本ないし3本で化成液を缶にスプレーして化成皮膜を生成させている。その後、ブローオフファンにてエアーでボトムの化成液をエアーブローし、2ndリンス槽で水洗するのが従来のDI缶の化成処理方法である。
これに対して、本発明では化成工程を図3の化成工程のフロー図のように改善した。
アルミニウム合金板から成形され、洗浄・脱脂した有底円筒体(1)を、化成装置の移送ライン(2)に開口部を下向きにして化成ライン(3)を通過させる。化成ライン(3)は、有底円筒体(1)の外表面に化成液をスプレーするための複数のライザーノズル(4−1)〜(4−3)を備えており(図3においては3個のライザーノズルを示す。)、最後のライザーノズル(4−3)の下部または下流側に有底円筒体(1)の内面に化成液をスプレーするための内面用ライザーノズル(4−4)を設ける。
アルミニウム合金板から成形され、洗浄・脱脂した有底円筒体(1)を、化成装置の移送ライン(2)に開口部を下向きにして化成ライン(3)を通過させる。化成ライン(3)は、有底円筒体(1)の外表面に化成液をスプレーするための複数のライザーノズル(4−1)〜(4−3)を備えており(図3においては3個のライザーノズルを示す。)、最後のライザーノズル(4−3)の下部または下流側に有底円筒体(1)の内面に化成液をスプレーするための内面用ライザーノズル(4−4)を設ける。
該内面用ライザーノズル(4−4)の下流に近接して、円筒体内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段(5)を設ける。この手段としては化成液による反応の進行を停止または遅延するものであれば特に限定する必要はないが、例えば水スプレー用ノズル(5−1)で円筒体内面に水スプレーすることであっても良いし、円筒体内面に空気をブローオフして円筒体内壁にたまる化成液を吹き落とすとか、円筒体に振動を与えて化成液を振り落とすなどの手段であっても良い。また、これらの手段を組み合わせることによっても、同様の効果が得られる。
化成液による化成反応は、円筒体表面では化成皮膜厚さが8〜15mg/m2ほしい。特にボトル体外底面は塗料の塗布が行われないこともあり、殺菌操作時におけるアルミニウムの黒変を防止するためには最低8mg/m2は必要とされているために化成反応はある程度長く行う必要がある。これに対し、円筒体内面は化成皮膜が薄くとも黒変の問題はなく、内面塗料がつけばよいのであるので薄くとも問題がない。逆に有底円筒体上部内面の化成皮膜が厚いときには塗膜シワの発生の原因となる危険があるため7mg/m2以下、最低限の厚さは2mg/m2程度と考えられるが、相当うまくやったときでも4mg/m2程度となる。
従って、内面用ライザーノズル(4−4)に近接して設ける円筒体内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段は円筒体内面に化成液がスプレーされた直後であって良い。
従って、内面用ライザーノズル(4−4)に近接して設ける円筒体内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段は円筒体内面に化成液がスプレーされた直後であって良い。
これらのスプレーして落下する化成液は化成液槽(6)に戻し、再循環して化成反応に使用する。従って水スプレー用ノズル(5−1)を用いるときは、このリンス水は化成液槽(6)に戻しても良いが、化成液濃度の低下が避けられないのでセカンドリンス水タンクまたは排水として廃棄する方が好ましい。これが空気をブローオフまたは振動による化成液を振り落とす場合には振り落とす液はそのまま化成液槽(6)に戻すことになる。
化成処理に必要な時間が確保できたあとで有底円筒体の底部にたまっている化成液をブローオフ(7)して化成液槽(6)に戻し、続いて有底円筒体の内外面を洗浄機(8)で水洗して化成液を完全に洗い流す。続いて乾燥し、次のサイズコート工程に送出する。この結果、外面側の化成皮膜量は通常の化成処理時間を確保できるので、DI缶と同様の化成皮膜厚さを8〜15mg/m2とすることができ、有底円筒体上端部内面の化成皮膜量を7mg/m2以下に薄くすることができた。
以下実施例により発明を具体的に説明する。
以下実施例により発明を具体的に説明する。
(実施例1〜3)
脱脂・洗浄された310CC用有底円筒体を各50個ずつ準備した。化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段として実施例1においては、水洗ライザーを、実施例2ではブローオフのためにエアーノズルを、実施例3においてはこの両者を併用した有底円筒体化成装置を用い、化成処理を行った。
これらの化成処理済み有底円筒体を通常のボトル体成形ラインによりボトル体を成形し、ボトル体底部外面の沸水黒変テスト、カール部内面塗膜のシワ発生率、内容物保存試験における漏れの発生率を試験した。結果を表1に示す。
脱脂・洗浄された310CC用有底円筒体を各50個ずつ準備した。化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段として実施例1においては、水洗ライザーを、実施例2ではブローオフのためにエアーノズルを、実施例3においてはこの両者を併用した有底円筒体化成装置を用い、化成処理を行った。
これらの化成処理済み有底円筒体を通常のボトル体成形ラインによりボトル体を成形し、ボトル体底部外面の沸水黒変テスト、カール部内面塗膜のシワ発生率、内容物保存試験における漏れの発生率を試験した。結果を表1に示す。
(比較例1)
化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段を用いない他は実施例と同様に化成処理を行い、得られた化成処理済み有底円筒体を通常のボトル体成形ラインによりボトル体を成形し、同様に各種のテストを行った。結果を表1に示す。
化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段を用いない他は実施例と同様に化成処理を行い、得られた化成処理済み有底円筒体を通常のボトル体成形ラインによりボトル体を成形し、同様に各種のテストを行った。結果を表1に示す。
[測定方法]
A.Zr量;蛍光X線法による測定量。
B.沸水黒変レベル;0(最も良い)〜5(最も悪い)で評価されるが全て合格ライン。沸騰水に30min浸漬した結果を評価。
C.内容物保存試験;スポーツドリンクを50℃、2ヶ月保存した後に評価。
A.Zr量;蛍光X線法による測定量。
B.沸水黒変レベル;0(最も良い)〜5(最も悪い)で評価されるが全て合格ライン。沸騰水に30min浸漬した結果を評価。
C.内容物保存試験;スポーツドリンクを50℃、2ヶ月保存した後に評価。
本発明は、極めて過酷な加工が行われるカール部分の加工によっても、有底円筒体上端部内面の化成皮膜量を2〜7mg/m2と薄く形成することにより、ダメージの少ない化成処理が行われ、ボトル缶ネジ加工によってもカール部での内面塗膜シワが発生せず内容物を充填してキャップをした後、内面塗膜シワに沿って内容物が外へ漏れ出すことがないボトル缶用有底円筒体、それを用いたボトル缶、有底円筒体の製造方法並びにそのための化成装置を提供するものである。
1 有底円筒体
2 有底円筒体移送ライン
3 化成ライン
4 化成液ライザーノズル
4−4 内面用ライザーノズル
5 化成反応停止または遅延手段
5−1 水スプレー用ノズル
6 化成液槽
7 ブローオフ装置
8 洗浄機
2 有底円筒体移送ライン
3 化成ライン
4 化成液ライザーノズル
4−4 内面用ライザーノズル
5 化成反応停止または遅延手段
5−1 水スプレー用ノズル
6 化成液槽
7 ブローオフ装置
8 洗浄機
Claims (7)
- アルミニウム合金板に絞り・しごき加工を施して有底円筒体を形成し、該有底円筒体の開口部近傍にネッキング加工により該開口部を密封するためのキャップを取り付けるキャップ取付部を形成し、該キャップ取付部に前記キャップを螺着させるためのネジ部を形成するボトル缶の製造方法において、ネッキング加工に先立ち、前記有底円筒体の内外の全表面にリン酸ジルコニウム系化成液をスプレーして不溶性の化成皮膜を形成するに際し、有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段を適用することを特徴とする化成皮膜を設けたアルミニウム合金製ボトル缶用有底円筒体の製造方法。
- 有底円筒体上端部内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段として、リン酸ジルコニウム系化成液をスプレーした後直ちに円筒体内面に水をスプレーして水洗することからなる請求項1に記載のボトル缶用有底円筒体の製造方法。
- 有底円筒体上端部内面の化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段として、リン酸ジルコニウム系化成液をスプレーした後直ちに円筒体内面に付着している化成液をブローオフする請求項1に記載のボトル缶用有底円筒体の製造方法。
- 有底円筒体の内外の全表面にリン酸ジルコニウム系化成液をスプレーして不溶性の化成皮膜を形成するに際し、該円筒体の開口部を下に向け、その上面から複数段のライザーノズルで化成液をスプレーすると共に、該円筒内面にライザーノズルから化成液をスプレーして化成反応を行い、円筒体内面のみは直ちに化成液による反応の進行を停止または遅延させる手段を適用することからなる請求項1〜3のいずれか1項に記載のボトル缶用有底円筒体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミニウム合金製ボトル缶用有底円筒体を用いて製造したボトル缶。
- 有底円筒体上端部(ボトル缶ネジ加工後において、ボトル口部のカール外側及びカール天面となる部分)のリン酸・ジルコニウム化成皮膜を2〜7mg/m2(ジルコニウムとして)の化成皮膜を設けたボトル缶用有底円筒体。
- 有底円筒体を開口部を下向きにして移送させる手段、移送される該外有底円筒体の外表面に化成液をスプレーするための複数段のライザーノズル、有底円筒体内面に化成液をスプレーするための内面用ライザーノズル、該内面用ライザーノズルに隣接して設けられた化成液による反応の進行を直ちに停止または遅延させる手段及び円筒体全体の化成反応全体を停止させるためのリンス手段からなるボトル缶用有底円筒体の化成装置。
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Cited By (2)
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