JP2005314632A - 高輝度鏡面スクリーンインキ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】蒸着アルミニウム顔料:100重量部に対し、少なくとも、バインダーポリマーとしてブチラール系樹脂:1〜8重量部と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:10〜100重量部、溶剤としてイソホロン:50〜250重量部、コハク酸ジメチルとグルタミン酸ジメチルとアジピン酸ジメチルの混合物:50〜250重量部、グリコールエーテル系溶剤:500〜1500重量部を含む組成の高輝度鏡面スクリーンインキとした。
【選択図】 なし
Description
したがって、密着性が有り、印刷適正の良い、安定した鏡面光沢やカラー鏡面光沢を発現できるスクリーン印刷用の鏡面インキが望まれていた。
ここで言う印刷適正の良い鏡面インキとは、印刷物におけるギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥の発生が非常に少ないもので有って、且つ印刷素材(基材)に対して密着性の良い高輝度鏡面スクリーンインキを意味している。
また、本発明の他の目的は、スクリーン印刷において高度な鏡面性と密着性を同時に満たすことが困難な素材である、表面処理されたポリエチレンテレフタレート等の基材に対しても、高度な鏡面性と密着性を発現する印刷物を製造し得る高輝度鏡面スクリーンインキを提供することである。
また、本発明の他の目的は、既存のインキや塗料の印刷された印刷物の上に重ねて印刷しても、該重ねて印刷された部分が侵されて密着性、色相に影響を与えることがなく、安定した印刷適正を有し、且つ高度な鏡面光沢、カラー鏡面光沢を発現する高輝度鏡面スクリーンインキを提供することである。
また、本発明の他の目的は、表面に高輝度鏡面部分を有する合成樹脂成形体を容易に得ることにある。
また、イソホロンの含有量が250重量部を超えた場合、又は、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物の含有量が250重量部を越えた場合、既存のインキや塗料で印刷された印刷物の上に重ねて印刷された部分が侵されて密着性、色相に影響を与える。
グリコールエーテル系溶剤が500重量部未満では、インキ粘度が高く印刷適正が悪くなり、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが発生し、1500重量部を超えるとインキ粘度が低く印刷適正が悪くなり、印刷面にダレ、ギザ、カスレ、ピンホールが発生する。
また、ブチラール系樹脂の含有量が1重量部未満では、印刷適正が悪く、印刷物におけるギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥が発生する。ブチラール系樹脂の含有量が8重量部を超えると、塗膜性能が低下して、インサート成形や重ね印刷をした場合に密着性、色相に影響を与える。
塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーの含有量が10重量部未満では、基材に対する密着性が低下し、100重量部を超えると印刷面の鏡面性が低下する。
また、バインダーポリマーとして、本発明に係るバインダーポリマー以外のものを用いた場合、本発明の課題を達成することはできない。
蒸着アルミニウム顔料の厚みが0.5μmを超えた場合、又は、蒸着アルミニウム顔料の面積が20μm2未満の場合、より高輝度の鏡面光沢を有する印刷物を得ることは難しい。
蒸着アルミニウム顔料の面積が2000μm2を超えた場合、印刷物にギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥が発生する虞れがある。
この場合、印刷適正がより向上し、安定した鏡面光沢やカラー鏡面光沢を発現するより高輝度の鏡面印刷物を製造することができる。
インキ粘度が100cps未満である場合、又は2500cpsを超える場合は、印刷物にギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥が発生する虞れがあり、印刷適正が低下する虞れがある。
但し、バインダーポリマーを溶解する溶剤として、バインダーポリマーに対して溶解力の無い、所謂助溶剤や希釈剤よりも沸点の高い溶剤を用いる方が好ましい。助溶剤や希釈剤よりも沸点の低い溶剤を用いると、印刷作業中の時間経過に伴いインキ粘度が2500cpsを超えて、印刷物にギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥を発生する虞れがあり、印刷適正が低下する虞れがある。しかし、上記基本配合に使用する溶剤がバインダーポリマーを溶解する場合はこの限りでない。
これらグリコールエーテル系溶剤を単独で又は複数混合して、500〜1500重量部の範囲で含むことが好ましい。
但し、溶剤以外の各種添加剤の含有量は、インキ全体量の1%以下であることが望ましい。各種添加剤の1%以上の添加は、鏡面性が低下する虞れがある。
厚み0.01〜0.5μmで面積20μm2〜2000μm2の蒸着アルミニウム顔料を75%以上含有する蒸着アルミニウム顔料100重量部に対し、バインダーポリマーとして塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:40重量部、ブチラール樹脂:6重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノエチルエーテル(グリコールエーテル系溶剤):700重量部、イソホロン:120重量部、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(デュポン(株)製のエステル系溶剤:DBE):178重量部、蒸着アルミニウム顔料に含有される溶剤としてアセトン:30重量部、安定剤:1重量部を含有した高輝度鏡面スクリーンインキを用いた。
基材として、密着性などをあげるために表面処理されたポリエチレンテレフタレートからなる透明シート(東洋紡績(株)社製のCosmoshine A4100,A4300、又は、東山フィルム(株)社製のHK-31WF,CHCハードコート)の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、高度な鏡面光沢を有すると共に、基材に対する印刷部の密着性も良好であり、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった。
さらに、この印刷物の前記裏面側に、インサート成形により合成樹脂成形体を一体成形して得られた樹脂成形物は、表面側に高度な鏡面光沢を有すると共に、合成樹脂成形体に対する印刷物の密着性も良好であり、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった(図1参照)。
着色顔料としてのC.I.Pigment Red149:12重量部と、C.I.Pigment Yellow83:18重量部を含有したこと以外は、実施例1と同様の配合の高輝度鏡面スクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。得られた印刷物は、高度な鏡面光沢を有すると共に、基材に対する印刷部の密着性も良好であり、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった。
また、この印刷物を用いて、実施例1と同様にして得られた樹脂成形物は、表面側に高度な鏡面光沢を有すると共に、合成樹脂成形体に対する印刷物の密着性も良好であり、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった(図2参照)。
前記プロピレングリコールモノエチルエーテル:700重量部及びコハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(DBE):178重量部を含むことに代えて、プロピレングリコールモノエチルエーテル:618重量部、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(DBE):260重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた(図3参照)。
前記プロピレングリコールモノエチルエーテル:700重量部及びイソホロン:120重量部を含むことに代えて、プロピレングリコールモノエチルエーテル:560重量部、イソホロン:260重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
前記プロピレングリコールモノエチルエーテル:700重量部及びコハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(DBE):178重量部を含むことに代えて、プロピレングリコールモノエチルエーテル:848重量部、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(DBE):30重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
前記プロピレングリコールモノエチルエーテル:700重量部及びイソホロン:120重量部を含むことに代えて、プロピレングリコールモノエチルエーテル:848重量部、イソホロン:30重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
前記塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:40重量部、ブチラール樹脂:6重量部を含むことに代えて、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:46重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
前記塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:40重量部、ブチラール樹脂:6重量部を含むことに代えて、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:34重量部、ブチラール樹脂:12重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、基材に対する密着性の低下が見られた。
また、実施例1,2と比較例5,6との対比により、バインダーポリマーとしてのブチラール系樹脂含有量が本願の範囲未満であると、ギザ、カスレ、ピンホールが発生し易く、ブチラール系樹脂含有量が本願の範囲を超えると、基材に対する密着性と重ね印刷をした場合の鏡面性が低下することが確認できた。
前記蒸着アルミニウム顔料に代えて、厚み0.01〜0.5μm以下で面積が20μm2〜2000μm2の鱗片状アルミニウム顔料を75%以上含有する鱗片アルミニウム顔料100重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
実施例1の特殊スクリーンインキを使用し、既存のスクリーンインキや塗料などを塗布した印刷物の上に、一部が重なるようにスクリーン印刷を施した。得られた印刷物は、重ねて印刷された部分において高度な鏡面光沢を有し、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった。
比較例1,2のスクリーンインキを使用し、既存のスクリーンインキや塗料などを塗布した印刷物の上に、一部が重なるようにスクリーン印刷を施した。得られた印刷物は、鏡面光沢の著しい低下が見られた。
Claims (8)
- 蒸着アルミニウム顔料:100重量部に対し、少なくとも、バインダーポリマーとしてブチラール系樹脂:1〜8重量部と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:10〜100重量部、及び溶剤:600〜2000重量部を含み、前記溶剤が、イソホロン:50〜250重量部、コハク酸ジメチルとグルタミン酸ジメチルとアジピン酸ジメチルの混合物:50〜250重量部、グリコールエーテル系溶剤:500〜1500重量部である高輝度鏡面スクリーンインキ。
- 前記蒸着アルミニウム顔料が、厚み0.01〜0.5μmで顔料面積20μm2〜2000μm2の蒸着アルミニウム顔料を75%以上含有することを特徴とする請求項1記載の高輝度鏡面スクリーンインキ。
- 前記蒸着アルミニウム顔料:100重量部に対し、着色顔料及び/又はパール顔料:150重量部以下をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2記載の高輝度鏡面スクリーンインキ。
- 請求項1〜3のいずれか記載のスクリーンインキにより基材に印刷を施した印刷物。
- 前記基材が、密着性などをあげるために表面処理されたポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項4記載の印刷物。
- 既存のスクリーンインキや塗料などを使用して印刷が施された基材に対し、請求項1〜3のいずれか記載の高輝度鏡面スクリーンインキを使用して、前記印刷の上に一部が重なるよう鏡面印刷を施した印刷物。
- 前記基材が透明又は半透明であり、該基材の印刷面の反対面を表面として鑑賞することを特徴とする請求項4〜6のいずれか記載の印刷物。
- 請求項1〜3のいずれか記載の高輝度鏡面スクリーンインキを用いて透明又は半透明の合成樹脂フィルムやシートの裏面に印刷を施し、該印刷が施されたシートの前記裏面側に合成樹脂成形体を一体成形してなる樹脂成形物。
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