JP2005314632A - 高輝度鏡面スクリーンインキ - Google Patents

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Abstract

【課題】安定した印刷適正を有し、且つ高度な鏡面光沢、カラー鏡面光沢を発現する印刷物を製造し得る高輝度鏡面スクリーンインキを提供する。
【解決手段】蒸着アルミニウム顔料:100重量部に対し、少なくとも、バインダーポリマーとしてブチラール系樹脂:1〜8重量部と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:10〜100重量部、溶剤としてイソホロン:50〜250重量部、コハク酸ジメチルとグルタミン酸ジメチルとアジピン酸ジメチルの混合物:50〜250重量部、グリコールエーテル系溶剤:500〜1500重量部を含む組成の高輝度鏡面スクリーンインキとした。
【選択図】 なし

Description

本発明は、鏡面光沢、カラー鏡面光沢を備えた印刷物の製造に用いる高輝度鏡面性を有するスクリーン印刷用のインキ、およびそのインキによりスクリーン印刷が施された印刷物、樹脂成形物に関する。
鏡面光沢を有する印刷物を製造する際、鱗片状アルミニウム、箔状アルミニウムなどの各種アルミニウム素材を添加したインキを用いることが従来から知られているが、この種のインキを用いてスクリーン印刷を行った場合、印刷物に対しての密着性が劣ると共に、印刷物にギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥が発生するという問題があり、安定した鏡面光沢、カラー鏡面光沢を得ることが困難であった。
したがって、密着性が有り、印刷適正の良い、安定した鏡面光沢やカラー鏡面光沢を発現できるスクリーン印刷用の鏡面インキが望まれていた。
ここで言う印刷適正の良い鏡面インキとは、印刷物におけるギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥の発生が非常に少ないもので有って、且つ印刷素材(基材)に対して密着性の良い高輝度鏡面スクリーンインキを意味している。
前述の要望に対応するために、例えば特許文献1には、真空蒸着法で得られたアルミニウム箔100重量部に対し、所定量のバインダーポリマーと溶剤を含んでなるインキが提案されている。
特開2003−221538号公報
しかし、前記従来のインキを用いてスクリーン印刷を行った場合、印刷適正や密着性に問題が残り、高輝度の鏡面光沢を備えた鏡面印刷物、カラー鏡面印刷物を得るのは困難であった。
すなわち、従来の鏡面インキは、所定サイズのアルミニウム箔を含有することで鏡面性の向上を図っているが、該アルミニウム箔に対するバインダーポリマーや溶剤の相性、印刷素材(基材)に対するアルミニウム箔,バインダーポリマー,溶剤同士の相性、印刷素材に既存のインキや塗料等による印刷面上に鏡面印刷をする際の前記印刷面に対するアルミニウム箔,バインダーポリマー,溶剤同士の相性といった技術事項については詳細に検討されておらず、このような技術事項が、印刷物にギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥が発生する要因となると共に、印刷後の塗膜の密着性と鏡面性を同時に発現させることを難しくし、結果として印刷適正が劣ると推定される。
また、近年においては、密着性などをあげるために表面処理されたポリエチレンテレフタレート等からなる印刷素材(基材)に対して、安定した印刷適正を発現できる高輝度鏡面スクリーンインキが望まれている。しかし、前記した従来の鏡面インキを用いてスクリーン印刷を行った場合、前述の理由等により、高度な鏡面性と密着性を得ることができないという問題があった。
また、既存のインキや塗料などを使用して印刷が施された上に鏡面インキを用いて重ね印刷を施すと、重ねて印刷された部分が侵されて密着性、色相に影響を与えるという問題があった。
本発明はこのような従来事情に鑑みてなされたもので、その主たる目的とする処は、安定した印刷適正を有し、且つ高度な鏡面光沢、カラー鏡面光沢を発現する印刷物を製造し得る高輝度鏡面スクリーンインキを提供することである。
また、本発明の他の目的は、スクリーン印刷において高度な鏡面性と密着性を同時に満たすことが困難な素材である、表面処理されたポリエチレンテレフタレート等の基材に対しても、高度な鏡面性と密着性を発現する印刷物を製造し得る高輝度鏡面スクリーンインキを提供することである。
また、本発明の他の目的は、既存のインキや塗料の印刷された印刷物の上に重ねて印刷しても、該重ねて印刷された部分が侵されて密着性、色相に影響を与えることがなく、安定した印刷適正を有し、且つ高度な鏡面光沢、カラー鏡面光沢を発現する高輝度鏡面スクリーンインキを提供することである。
また、本発明の他の目的は、表面に高輝度鏡面部分を有する合成樹脂成形体を容易に得ることにある。
以上の目的を達成するために、本願発明者は、鏡面インキの主たる原材料であるアルミニウム素材、溶剤、バインダーポリマーに着目して鋭意研究を重ね、アルミニウム素材として表面の平滑性に優れる蒸着アルミニウム顔料を用いると共に、所定の条件を備えた溶剤とバインダーポリマーを選択して組み合わせることが、前述の課題に対し極めて有効であることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る高輝度鏡面スクリーンインキは、蒸着アルミニウム顔料:100重量部に対し、少なくとも、バインダーポリマーとしてブチラール系樹脂:1〜8重量部と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:10〜100重量部、溶剤:600〜2000重量部を含み、前記溶剤が、イソホロン:50〜250重量部、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物:50〜250重量部、グリコールエーテル系溶剤:残部(500〜1500重量部)であることを特徴とする。
このような構成になる本発明の高輝度鏡面スクリーンインキは、表面の平滑性に優れる蒸着アルミニウム顔料を用いると共に、スクリーン印刷用としての有機溶剤の中から、イソホロン:50〜250重量部、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物:50〜250重量部、グリコールエーテル系溶剤:500〜1500重量部を含有し、且つバインダーポリマーとしてブチラール系樹脂:1〜8重量部と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:10〜100重量部を含有することから、印刷基材に対する密着性に優れると共に印刷物におけるギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥の発生が非常に少なく、印刷適正に優れると共に安定した鏡面光沢やカラー鏡面光沢を発現する印刷物を製造することができる。
前記溶剤としてのイソホロンの含有量が50重量部未満、又は、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物の含有量が50重量部未満では、前記バインダーポリマーに対する溶解力が十分でなく、印刷適正が悪くなる。
また、イソホロンの含有量が250重量部を超えた場合、又は、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物の含有量が250重量部を越えた場合、既存のインキや塗料で印刷された印刷物の上に重ねて印刷された部分が侵されて密着性、色相に影響を与える。
グリコールエーテル系溶剤が500重量部未満では、インキ粘度が高く印刷適正が悪くなり、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが発生し、1500重量部を超えるとインキ粘度が低く印刷適正が悪くなり、印刷面にダレ、ギザ、カスレ、ピンホールが発生する。
また、ブチラール系樹脂の含有量が1重量部未満では、印刷適正が悪く、印刷物におけるギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥が発生する。ブチラール系樹脂の含有量が8重量部を超えると、塗膜性能が低下して、インサート成形や重ね印刷をした場合に密着性、色相に影響を与える。
塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマーの含有量が10重量部未満では、基材に対する密着性が低下し、100重量部を超えると印刷面の鏡面性が低下する。
溶剤として、スクリーンインキで通常用いられる本願記載の溶剤以外のものを用いた場合、本発明の課題を達成することはできない。
また、バインダーポリマーとして、本発明に係るバインダーポリマー以外のものを用いた場合、本発明の課題を達成することはできない。
本発明で用いる蒸着アルミニウム顔料は、顔料厚み0.01〜0.5μmで顔料面積20μm〜2000μmの蒸着アルミニウム顔料を75%以上含有するものであることが好ましく、この場合、より高輝度の鏡面光沢を発現する印刷物を得ることができる。
蒸着アルミニウム顔料の厚みが0.5μmを超えた場合、又は、蒸着アルミニウム顔料の面積が20μm未満の場合、より高輝度の鏡面光沢を有する印刷物を得ることは難しい。
蒸着アルミニウム顔料の面積が2000μmを超えた場合、印刷物にギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥が発生する虞れがある。
本発明に係る高輝度鏡面スクリーンインキのインキ粘度は、100〜2500cps(測定温度30℃においてE型回転粘度計により回転数100r.p.mで測定。本明細書中では単に「30℃」と表記する。)であることが好ましい。
この場合、印刷適正がより向上し、安定した鏡面光沢やカラー鏡面光沢を発現するより高輝度の鏡面印刷物を製造することができる。
インキ粘度が100cps未満である場合、又は2500cpsを超える場合は、印刷物にギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥が発生する虞れがあり、印刷適正が低下する虞れがある。
また、上記蒸着アルミニウム顔料:100重量部に対し、着色顔料及び/又はパール顔料を150重量部以下の範囲で含んでも良い。この場合、各種の色彩を持ちながら高度な鏡面光沢を発現する印刷物を製造することができる。
また、上記蒸着アルミニウム顔料:100重量部に対し、蒸着アルミニウム顔料を製造するときに混入される溶剤、及び/又はバインダーポリマーを溶解する溶剤が250重量部以下の範囲で含まれても良い。
但し、バインダーポリマーを溶解する溶剤として、バインダーポリマーに対して溶解力の無い、所謂助溶剤や希釈剤よりも沸点の高い溶剤を用いる方が好ましい。助溶剤や希釈剤よりも沸点の低い溶剤を用いると、印刷作業中の時間経過に伴いインキ粘度が2500cpsを超えて、印刷物にギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥を発生する虞れがあり、印刷適正が低下する虞れがある。しかし、上記基本配合に使用する溶剤がバインダーポリマーを溶解する場合はこの限りでない。
また、本発明に係る高輝度鏡面スクリーンインキは、印刷素材としての基材が、密着性などをあげるために表面処理されたポリエチレンテレフタレート(例えば、東洋紡績(株)社製のCosmoshine A4100,A4300等、東山フィルム(株)社製のHK-31WF,CHCハードコート等)等に対しても所定の効果を得ることができる。
但し、これら基材は、より高度な鏡面性と密着性を得ることが困難であるので、前記したグリコールエーテル系溶剤の中でも、メチルイソブチルカルビノール、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメトキシメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メチル-3-メトキシ-1-ブタノール、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルを用いることが好ましい。
これらグリコールエーテル系溶剤を単独で又は複数混合して、500〜1500重量部の範囲で含むことが好ましい。
これら溶剤を用いた場合、前記基材に対し、より高度な鏡面性と密着性を発現し、印刷適正が良く安定した鏡面光沢やカラー鏡面光沢を有する高輝度鏡面印刷物を製造することができる。また、既存のスクリーンインキや塗料などを使用して印刷が施された印刷物に対しても同様の効果を発揮し、これら印刷物の上に一部が重なるよう高輝度鏡面印刷することができる。
なお、本発明に係る高輝度鏡面スクリーンインキは、必要に応じて、スクリーンインキに添加可能なレベリング剤や沈降防止剤などの各種添加剤、インキ粘度を調整するための低沸点の溶剤等を含むことができる。
但し、溶剤以外の各種添加剤の含有量は、インキ全体量の1%以下であることが望ましい。各種添加剤の1%以上の添加は、鏡面性が低下する虞れがある。
本発明に係る高輝度鏡面スクリーンインキは以上説明したような組成としたので、通常のスクリーン印刷によって安定的に鏡面光沢、カラー鏡面光沢を発現できる。しかも、ギザ、カスレ、ピンホール、透け等の欠陥の発生が非常に少なく、印刷適正も良いことから、印刷効率が格段に高まることにより、安価で品質の良い鏡面光沢、カラー鏡面光沢を持つ印刷物を製造することができる。
また、密着性などをあげるために表面処理されたポリエチレンテレフタレート等の基材に対しても、高度な鏡面性と密着性を発現することができる。
また、既存のインキや塗料で印刷された印刷物の上に重ねて印刷しても、重ねて印刷された部分が侵されて密着性、色相に影響を与えることがなく、安定した印刷適正を有し、且つ高度な鏡面光沢、カラー鏡面光沢を発現するなどの効果を奏する。
また、本発明に係る高輝度鏡面スクリーンインキを用いてポリエチレンテレフタレートなどの透明又は半透明の合成樹脂フィルムやシートの裏面に印刷を施し、該印刷が施されたシートの前記裏面側に、インサート成形や他の成形法により合成樹脂成形体を一体成形することで、表面に高度な鏡面光沢、カラー鏡面光沢を発現する樹脂成形物を容易に得ることができる。
以下、実施例、比較例を参照して、本発明をより詳細に説明する。
〔実施例1〕
厚み0.01〜0.5μmで面積20μm〜2000μmの蒸着アルミニウム顔料を75%以上含有する蒸着アルミニウム顔料100重量部に対し、バインダーポリマーとして塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:40重量部、ブチラール樹脂:6重量部、溶剤としてプロピレングリコールモノエチルエーテル(グリコールエーテル系溶剤):700重量部、イソホロン:120重量部、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(デュポン(株)製のエステル系溶剤:DBE):178重量部、蒸着アルミニウム顔料に含有される溶剤としてアセトン:30重量部、安定剤:1重量部を含有した高輝度鏡面スクリーンインキを用いた。
基材として、密着性などをあげるために表面処理されたポリエチレンテレフタレートからなる透明シート(東洋紡績(株)社製のCosmoshine A4100,A4300、又は、東山フィルム(株)社製のHK-31WF,CHCハードコート)の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、高度な鏡面光沢を有すると共に、基材に対する印刷部の密着性も良好であり、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった。
さらに、この印刷物の前記裏面側に、インサート成形により合成樹脂成形体を一体成形して得られた樹脂成形物は、表面側に高度な鏡面光沢を有すると共に、合成樹脂成形体に対する印刷物の密着性も良好であり、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった(図1参照)。
〔実施例2〕
着色顔料としてのC.I.Pigment Red149:12重量部と、C.I.Pigment Yellow83:18重量部を含有したこと以外は、実施例1と同様の配合の高輝度鏡面スクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。得られた印刷物は、高度な鏡面光沢を有すると共に、基材に対する印刷部の密着性も良好であり、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった。
また、この印刷物を用いて、実施例1と同様にして得られた樹脂成形物は、表面側に高度な鏡面光沢を有すると共に、合成樹脂成形体に対する印刷物の密着性も良好であり、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった(図2参照)。
〔比較例1:DBEが本願の範囲を超える〕
前記プロピレングリコールモノエチルエーテル:700重量部及びコハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(DBE):178重量部を含むことに代えて、プロピレングリコールモノエチルエーテル:618重量部、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(DBE):260重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた(図3参照)。
〔比較例2:イソホロンが本願の範囲を超える〕
前記プロピレングリコールモノエチルエーテル:700重量部及びイソホロン:120重量部を含むことに代えて、プロピレングリコールモノエチルエーテル:560重量部、イソホロン:260重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
〔比較例3:DBEが本願の範囲未満〕
前記プロピレングリコールモノエチルエーテル:700重量部及びコハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(DBE):178重量部を含むことに代えて、プロピレングリコールモノエチルエーテル:848重量部、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物(DBE):30重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
〔比較例4:イソホロンが本願の範囲未満〕
前記プロピレングリコールモノエチルエーテル:700重量部及びイソホロン:120重量部を含むことに代えて、プロピレングリコールモノエチルエーテル:848重量部、イソホロン:30重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
〔比較例5:ブチラール系樹脂が本願の範囲未満〕
前記塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:40重量部、ブチラール樹脂:6重量部を含むことに代えて、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:46重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
〔比較例6:ブチラール系樹脂が本願の範囲を超える〕
前記塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:40重量部、ブチラール樹脂:6重量部を含むことに代えて、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー樹脂:34重量部、ブチラール樹脂:12重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。
得られた印刷物は、基材に対する密着性の低下が見られた。
上記した実施例1,2と比較例1〜4との対比により、イソホロン:50〜250重量部、コハク酸ジメチル・グルタミン酸ジメチル・アジピン酸ジメチルの混合物:50〜250重量部、グリコールエーテル系溶剤:500〜1500重量部の溶剤を用いた本発明の実施例になる高輝度鏡面スクリーンインキで製造した印刷物に比べ、本願から外れる溶剤を用いた比較例のスクリーンインキで製造した印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の低下が確認できた。
また、実施例1,2と比較例5,6との対比により、バインダーポリマーとしてのブチラール系樹脂含有量が本願の範囲未満であると、ギザ、カスレ、ピンホールが発生し易く、ブチラール系樹脂含有量が本願の範囲を超えると、基材に対する密着性と重ね印刷をした場合の鏡面性が低下することが確認できた。
〔比較例7:鱗片状アルミニウム顔料を用いた〕
前記蒸着アルミニウム顔料に代えて、厚み0.01〜0.5μm以下で面積が20μm〜2000μmの鱗片状アルミニウム顔料を75%以上含有する鱗片アルミニウム顔料100重量部を含有したこと以外は実施例1と同様の配合のスクリーンインキを用い、実施例1と同様の基材の裏面にスクリーン印刷を行った。得られた印刷物は、印刷面にギザ、カスレ、ピンホールが存在し、且つ鏡面光沢の著しい低下が見られた。
上記した実施例1,2と比較例7の対比により、アルミニウム素材として蒸着アルミニウム顔料を用いた本発明の実施例になる高輝度鏡面スクリーンインキで製造した印刷物に比べ、鱗片状アルミニウムを用いた比較例のスクリーンインキで製造した印刷物は、印刷適正が悪く、且つ鏡面光沢に劣ることが確認できた。
〔実施例3〕
実施例1の特殊スクリーンインキを使用し、既存のスクリーンインキや塗料などを塗布した印刷物の上に、一部が重なるようにスクリーン印刷を施した。得られた印刷物は、重ねて印刷された部分において高度な鏡面光沢を有し、且つ印刷面にギザ、カスレ、ピンホールのないものであった。
〔比較例8〕
比較例1,2のスクリーンインキを使用し、既存のスクリーンインキや塗料などを塗布した印刷物の上に、一部が重なるようにスクリーン印刷を施した。得られた印刷物は、鏡面光沢の著しい低下が見られた。
上記した実施例3と比較例8の対比により、本発明の請求項1に係る溶剤を用いた特殊スクリーンインキは、既存のインキや塗料の印刷された印刷物の上に重ねて印刷しても、重ねて印刷された部分が侵されて密着性、色相に影響を与えることがなく、安定した印刷適正を有し、且つ高度な鏡面光沢、カラー鏡面光沢を発現することが確認できた。
以上、本発明に係る特殊スクリーンインキと印刷物の実施形態の数例を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず、特許請求範囲の各請求項に記載された技術的思想の範疇において種々の変更が可能であることは言うまでも無い。
本発明に係る高輝度鏡面スクリーンインキ(実施例1)による印刷物の印刷面の450倍拡大写真。 本発明に係る高輝度鏡面スクリーンインキ(実施例2)による印刷物の印刷面の450倍拡大写真。 比較例としてのスクリーンインキ(比較例1)による印刷物の印刷面の450倍拡大写真。

Claims (8)

  1. 蒸着アルミニウム顔料:100重量部に対し、少なくとも、バインダーポリマーとしてブチラール系樹脂:1〜8重量部と塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー:10〜100重量部、及び溶剤:600〜2000重量部を含み、前記溶剤が、イソホロン:50〜250重量部、コハク酸ジメチルとグルタミン酸ジメチルとアジピン酸ジメチルの混合物:50〜250重量部、グリコールエーテル系溶剤:500〜1500重量部である高輝度鏡面スクリーンインキ。
  2. 前記蒸着アルミニウム顔料が、厚み0.01〜0.5μmで顔料面積20μm〜2000μmの蒸着アルミニウム顔料を75%以上含有することを特徴とする請求項1記載の高輝度鏡面スクリーンインキ。
  3. 前記蒸着アルミニウム顔料:100重量部に対し、着色顔料及び/又はパール顔料:150重量部以下をさらに含むことを特徴とする請求項1又は2記載の高輝度鏡面スクリーンインキ。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載のスクリーンインキにより基材に印刷を施した印刷物。
  5. 前記基材が、密着性などをあげるために表面処理されたポリエチレンテレフタレートからなることを特徴とする請求項4記載の印刷物。
  6. 既存のスクリーンインキや塗料などを使用して印刷が施された基材に対し、請求項1〜3のいずれか記載の高輝度鏡面スクリーンインキを使用して、前記印刷の上に一部が重なるよう鏡面印刷を施した印刷物。
  7. 前記基材が透明又は半透明であり、該基材の印刷面の反対面を表面として鑑賞することを特徴とする請求項4〜6のいずれか記載の印刷物。
  8. 請求項1〜3のいずれか記載の高輝度鏡面スクリーンインキを用いて透明又は半透明の合成樹脂フィルムやシートの裏面に印刷を施し、該印刷が施されたシートの前記裏面側に合成樹脂成形体を一体成形してなる樹脂成形物。
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