JP2005314606A - ケイ素含有重合体の製造方法およびケイ素含有重合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ビニル基が直接結合したケイ素原子を含む単量体を用いた重合体の製造方法であって、高分子量の重合体を製造できる方法を提供する。
【解決手段】 単量体(A)と単量体(B)とを含む複数種の単量体を重合する重合工程を含み、単量体(A)は、以下の式(1)で表される少なくとも1種類の化合物であり、単量体(B)は、2つ以上の炭素−炭素二重結合を含む少なくとも1種類の化合物である。
【化1】

[式中、R1は水素原子またはアルキル基である。R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基および水酸基から選ばれる1つの原子団であり、R2、R3およびR4から選ばれる少なくとも1つはハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基である。]
【選択図】 なし

Description

本発明は、ケイ素含有重合体の製造方法およびケイ素含有重合体に関する。
ビニルトリアルコキシシランのようにビニル基が直接結合したケイ素原子を含む単量体の重合体は、該重合体に含まれるアルコキシシリル基を活用して架橋構造を導入できる。そのような架橋構造によって重合体の主鎖の運動性を強く拘束できるため、耐熱性や硬度などの高い材料が得られることが期待される。そのため、ビニル基が直接結合したケイ素原子を含む単量体を用いた重合体については、従来から検討されている。
たとえば、過酸化ジ−t−ブチルを重合開始剤として、150℃の温度でビニルトリメトキシシランをラジカル塊状重合する方法が開示されている(非特許文献1)。この文献には、97%以上の収率で数平均分子量4000の重合体が得られたことが報告されている。
一方、ビニル基を有するアルコキシシラン類をスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、酢酸ビニル、エチレン、無水マレイン酸などの単官能性のビニル化合物と共重合させて、アルコキシシリル基を有する共重合体を製造する方法も開示されている(たとえば特許文献1および2参照)。また、このようなアルコキシシリル基を有する共重合体を安定な水性分散液として調製する方法も開示されている(特許文献2参照)。
特公昭63−60046号公報 特開平2−228308号公報 高分子論文集,Vol.57,No.4,pp198〜207(2000)
しかしながら、従来から用いられてきたビニルトリアルコキシシランなどの単量体は重合反応性が非常に低く、分子量の低い重合体しか得られなかったため、実用性は低かった。上記非特許文献1では、数平均分子量が4000まで高められた重合体が得られるようになったが、本発明者らが検討したところ、そのような重合体でも、引張り強度や引張り伸度といった力学的物性は低く、実用性は低かった。
また、特許文献1および2に記載された共重合体は、アルコキシシリル基の加水分解性を利用して分子間で架橋を生じさせて硬化させることができるとされ、塗料、コーティング材、接着剤などに有用であると記載されている。しかし、これらの共重合体では、分子内に存在するアルコキシシリル基の含有量は少量に抑えることがよいとされている。アルコキシシリル基の含有量が多くなると、分子間での架橋密度が高くなりすぎ、脆いフィルムを与えることがその理由とされている。これらの共重合体は、ビニル系重合体を主体としてビニルシラン類によって変性された変性重合体と理解すべきものである。
このような状況に鑑み、本発明は、ビニル基が直接結合したケイ素原子を含む単量体を用いた重合体の製造方法であって、高分子量の重合体を製造できる方法を提供することを目的の1つとする。
上記目的を達成するために検討した結果、本発明者らは、ビニル基が直接結合したケイ素原子を含む単量体に特定の単量体を共重合させることによって、従来よりも分子量が大きいケイ素含有重合体が得られることを見出した。本発明はこの新たな知見に基づくものである。
すなわち、ケイ素含有重合体を製造するための本発明の方法は、単量体(A)と単量体(B)とを含む複数種の単量体を重合する重合工程を含み、前記単量体(A)は、以下の式(1)で表される少なくとも1種類の化合物であり、前記単量体(B)は、2つ以上の炭素−炭素二重結合を含む少なくとも1種類の化合物である。
[式中、R1は水素原子またはアルキル基である。R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基および水酸基から選ばれる1つの原子団であり、R2、R3およびR4から選ばれる少なくとも1つはハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基である。]
また、本発明は、上記本発明の製造方法で製造されたケイ素含有重合体を含む。
本発明は、特に、単量体(A)に由来する構造単位(A)と単量体(B)に由来する構造単位(B)とを含むケイ素含有重合体であって、前記単量体(A)は、以下の式(1)で表される少なくとも1種類の化合物であり、前記単量体(B)は、2つ以上の炭素−炭素二重結合を含む少なくとも1種類の化合物であり、前記構造単位(A)/前記構造単位(B)のモル比が70/30〜99.5/0.5の範囲であり、数平均分子量が10000以上であるものを包含する。
[式中、R1は水素原子またはアルキル基である。R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基および水酸基から選ばれる1つの原子団であり、R2、R3およびR4から選ばれる少なくとも1つはハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基である。]
本発明によれば、高分子量のケイ素含有重合体が容易に得られる。このケイ素含有重合体およびそれを含む組成物は、様々な分野、例えば、塗料、インク、接着剤、粘着剤に適用できる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において具体的な化合物を例示する場合があるが、本発明はこれに限定されない。また、例示される材料は、特に説明がない限り、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ケイ素含有重合体の製造方法)
以下、本発明の製造方法について説明する。本発明は、本発明の製造方法で製造されたケイ素含有重合体を含む。
本発明の製造方法は、単量体(A)と単量体(B)とを含む複数種の単量体を重合する重合工程を含む。単量体(A)は、以下の式(1)で表される少なくとも1種類の化合物であり、単量体(B)は、2つ以上の炭素−炭素二重結合を含む少なくとも1種類の化合物である。なお、2つの炭素−炭素二重結合は、共役していないことが好ましい。
[式中、R1は水素原子またはアルキル基である。R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基および水酸基から選ばれる1つの原子団であり、R2、R3およびR4から選ばれる少なくとも1つはハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基である。]
1、R2、R3およびR4に適用できるアルキル基としては、メチル基、エチル基およびプロピル基といったアルキル基が挙げられる。R2、R3およびR4に適用できるハロゲン原子としては、たとえば塩素や臭素が挙げられる。R2、R3およびR4に適用できるアルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルキルオキシ基;2−メトキシエトキシ基などのアルコキシアルキレンオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基が挙げられる。R2〜R4の典型的な一例では、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に、ハロゲン原子またはアルコキシ基である。
2、R3およびR4から選ばれる少なくとも1つはハロゲン原子またはアルコキシ基であることが好ましい。単量体(A)の好ましい一例である単量体(A−1)では、R1が水素原子であり、R2〜R4がハロゲン原子である。単量体(A)の好ましい他の一例である単量体(A−2)では、R1が水素原子であり、R2〜R4がアルコキシ基である。単量体(A)の好ましい他の一例である単量体(A−3)では、R1が水素原子であり、R2〜R4がアルコキシ基およびハロゲン原子のいずれかであり、少なくとも1つがアルコキシ基で、少なくとも1つがハロゲン原子である。単量体(A)の具体例としては、たとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビニルジエトキシメチルシラン、ビニルジエトキシエチルシラン、ビニルエトキシジメチルシラン、ビニルエトキシジエチルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシランが挙げられる。
単量体(B)としては、たとえば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレンデート、アジピン酸ジビニル、コハク酸ジビニル、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、フタル酸ジビニル、フタル酸ジアリル、ジビニルベンゼン、または以下に述べる化合物が挙げられる。
単量体(B)は、(CR5=CH2)で表される基(ただしR5は水素原子またはアルキル基である)および(CR6=CH2)で表される基(ただしR6は水素原子またはアルキル基である)が結合したケイ素原子を含む少なくとも1種類の化合物であることが好ましい。このような化合物は2つの炭素−炭素二重結合を含むため、それを用いることによって、主鎖に架橋構造が導入された重合体が得られる。また、単量体(B)としてケイ素原子を含む化合物を用いる場合、構造単位(A)および(B)がともにケイ素原子を含むため、ケイ素含有重合体に期待される力学的特性、たとえば引張り強度、引張り伸度および屈曲性といった力学的特性がより良好な重合体が得られる。特に、(CR=CH2)で表される基(ただしRは水素原子またはアルキル基である)が直接ケイ素原子に結合している単量体を用いることによって、得られたケイ素含有重合体は、該ケイ素原子を利用して架橋構造を導入した場合に、重合体の主鎖が強く拘束されることによって力学的物性が向上するという効果が得られる。
また、単量体(B)は、以下の式(2)で表される少なくとも1種類の化合物であることが好ましい。
[式中、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基および(CR9=CH2)で表される基(ただしR9は水素原子またはアルキル基である)から選ばれる1つの原子団である。]
7およびR8から選ばれる少なくとも1つは、ハロゲン原子、アルコキシ基、水酸基、または(CR9=CH2)で表される基であることが好ましく、ハロゲン原子またはアルコキシ基であることが特に好ましい。
5、R6、R7、R8およびR9に適用できるアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基およびプロピル基が挙げられる。R7およびR8に適用できるハロゲン原子としては、たとえば塩素や臭素が挙げられる。R7およびR8に適用できるアルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのアルキルオキシ基;2−メトキシエトキシ基などのアルコキシアルキレンオキシ基;ベンジルオキシ基などのアラルキルオキシ基が挙げられる。
式(2)で表される単量体(B)の例を以下に説明する。第1の単量体(B−1)は、R7およびR8の少なくとも1方がアルコキシ基であり、好ましくはR7およびR8がともにアルコキシ基である。第2の単量体(B−2)は、R7およびR8の少なくとも1方がハロゲン原子であり、好ましくはR7およびR8がともにハロゲン原子である。第3の単量体(B−3)は、R7がビニル基であり、R8がアルコキシ基、ハロゲン原子またはアルキル基である。単量体(B−1)〜(B−3)において、R5およびR6は水素原子であってもアルキル基であってもよい。
式(2)で表される化合物の具体例としては、たとえば、ジエトキシジビニルシラン、ジメトキシジビニルシラン、メトキシメチルジビニルシラン、ジクロロジビニルシラン、メチルトリビニルシラン、クロロトリビニルシラン、メトキシトリビニルシラン、エトキシトリビニルシランが挙げられる。
上述した単量体(A)と上述した単量体(B)とは任意に組み合わせることができる。たとえば、単量体(A−1)と、単量体(B−1)、(B−2)または(B−3)とを組み合わせてもよい。また、単量体(A−2)と、単量体(B−1)、(B−2)または(B−3)とを組み合わせてもよい。また、単量体(A−3)と、単量体(B−1)、(B−2)または(B−3)とを組み合わせてもよい。そのような組み合わせの一例は実施例に示される。
なお、単量体(A)および単量体(B)は、市販されているものを利用してもよいし、公知の方法で合成してもよい。
上記重合工程は、アニオン重合、カチオン重合、ラジカル重合などの公知の重合方法に従って実施することが可能であるが、ラジカル重合によって実施することが好ましい。ラジカル重合によって実施する場合、その重合工程は、重合開始剤の存在下において80℃以上の温度で実施することが好ましい。また、使用する重合開始剤は特に限定されないが、重合開始剤の分解の活性化エネルギーが30kcal/mol以上であることが好ましい。該活性化エネルギーは35kcal/mol以上であることがより好ましい。該活性化エネルギーが30kcal/mol以上である重合開始剤の具体例としては、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、sec−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−アミルパーオキサイド、t−ブチル−α−クミルパーオキサイド、1,4−ジメチルヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などが挙げられる。特に、上記重合工程が重合開始剤の存在下において80℃以上の温度で行われ、該重合開始剤がクメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエートおよび1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。これらの重合開始剤は、分解の活性化エネルギーが35kcal/mol以上である。
重合開始剤の使用量は、全単量体(複数種の単量体)1モルあたり、好ましくは0.01〜0.5モルの範囲であり、より好ましくは0.02〜0.2モルの範囲であり、さらに好ましくは0.03〜0.1モルの範囲である。重合開始剤の使用量が好ましい範囲にある場合、より高分子量のケイ素含有重合体が得られやすい。
全単量体(複数の単量体)に占める単量体(A)および単量体(B)の好ましい割合は、単量体(A)および単量体(B)の種類やケイ素含有重合体の使用目的に応じて変化するため、一概に規定することはできない。典型的な例では、全単量体(複数の単量体)に占める単量体(A)の割合が70〜99.5モル%の範囲であり、全単量体に占める単量体(B)の割合が0.5〜30モル%の範囲である。また、単量体(A)/単量体(B)のモル比は、好ましくは70/30〜99.5/0.5の範囲であり、より好ましくは85/15〜97/3の範囲であり、さらに好ましくは85/15〜95/5の範囲である。本発明の製造方法では、典型的には、単量体(A)および単量体(B)のみ、または実質的に単量体(A)および単量体(B)のみを重合するが、本発明の効果が得られる限り、単量体(A)および単量体(B)とは異なる他の単量体が重合されてもよい。他の単量体としては、それに含まれるビニル基が1つのみであるビニル化合物(以下、ビニル化合物(C)という場合がある)を用いることができ、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステルや、窒素含有複素環を有するビニル化合物(たとえば、N−ビニルピロリドンなどのピロリドンの部分構造を有するビニル化合物やN−ビニルイミダゾールなどのイミダゾールの部分構造を有するビニル化合物)といったビニル化合物が例示できる。これらのなかでも、単量体(A)および単量体(B)との重合性の面から、窒素含有複素環を有するビニル化合物(C)が好ましい。全単量体(複数種の単量体)に占める他の単量体(たとえばビニル化合物(C))の割合は、好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下である。
本発明の製造方法では、溶媒を用いない塊状重合で重合工程を実施してもよいし、溶媒の存在下で重合工程を実施してもよい。溶媒の存在下で重合工程を実施する場合は、溶媒として有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤としては、たとえば、ジオキサン、クロロベンゼン、安息香酸メチル、トルエン、キシレン、メシチレン、デカリン、エチレングリコールジメチルエーテル、アセトニトリルを用いることができる。
溶媒の存在下で重合工程を実施する場合には、単量体(A)、単量体(B)および有機溶剤を含む重合性の混合物を調製する。重合工程中において、該混合物には、不活性ガスによるバブリングを行うことが好ましい。また、重合工程は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、たとえば窒素ガスやアルゴンガスを用いることができる。重合工程における該混合物の温度は、80℃以上に調整することが好ましく、100℃以上(たとえば120℃以上)に調整することがより好ましい。該混合物の温度は、単量体(A)の沸点の50℃以下に調整することが好ましく、単量体(A)の沸点の40℃以下(たとえば30℃以下)に調整することがより好ましい。
重合開始剤は、単量体(A)や単量体(B)に予め混合しておいてもよいし、上述の重合性の混合物に添加してもよい。重合開始剤は、全量を一度に加えてもよいし、何回かに分割して加えてもよい。重合開始剤を添加するタイミングに特に限定はないが、不活性ガスによるバブリングを開始した後に、重合開始剤を添加することが好ましい。重合開始剤は、混合物を重合温度に調整した後に添加してもよいし、混合物を重合温度に調整する前に添加してもよい。特に、活性化エネルギーが30kcal/mol以下の重合開始剤を用いる場合には、混合物を重合温度に調整した後に重合開始剤を添加することが好ましい。
本発明の製造方法では、単量体(A)と単量体(B)とを共重合させており、単量体(B)の存在によって、得られるケイ素含有重合体の分子量を飛躍的に大きくできる。本発明の製造方法によれば、数平均分子量が10000以上、より好ましくは12000以上、さらに好ましくは15000以上のケイ素含有重合体を製造することができる。また、単量体(B)として、ケイ素原子を含有する単量体を用いることによって、ケイ素含有重合体に期待される特性(たとえば耐熱性や硬度)が高い重合体が得られる。
本発明の製造方法は、上記重合工程によって得られた重合体から、炭化水素系溶媒に溶解する成分を除去する工程をさらに含んでもよい。この工程によれば、炭化水素系溶媒に溶解する低分子量成分を除去できるため、数平均分子量がより大きい重合体、たとえば数平均分子量が15000以上の重合体が得られる。低分子量成分は、たとえば、重合体を炭化水素系溶媒に浸漬したのち濾過を行うことによって除去できる。高分子量のケイ素含有重合体は、通常、炭化水素系溶媒には溶解しないため、濾過によって容易に分離できる。このようにして得られる数平均分子量がより大きい重合体は、通常、極性有機溶媒(たとえばテトラヒドロフラン;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド;メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールなどのアルコール;クロロホルム;ジメチルスルホキシド;アセトン;スルホランなど)に溶解する重合体であり、ゲル化(重合体同士の加水分解縮合反応)によって生成したものではない。
炭化水素系溶媒は炭化水素からなる溶媒であり、たとえばn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、ベンゼンおよびキシレンから選ばれる少なくとも1つを用いることができる。これらの中でも、n−ヘキサンが好ましい。使用する炭化水素系溶媒の量に特に限定はないが、ケイ素含有重合体の5〜100倍の範囲の重量であることが好ましく、10〜50倍の範囲の重量であることがより好ましい。使用する炭化水素系溶媒の温度に特に限定はないが、炭化水素系溶媒の沸点をT℃とすると、20℃〜T℃の範囲であることが好ましく、20℃〜(T−20)℃の範囲であることがより好ましい。ケイ素含有重合体を炭化水素系溶媒に浸漬する時間に特に限定はないが、30分以上浸漬することが好ましく、60分以上浸漬することがより好ましい。また、ケイ素含有重合体の炭化水素系溶媒への浸漬は、撹拌下または振盪下で実施することが好ましい。
(ケイ素含有重合体)
次に、本発明のケイ素含有重合体について説明する。このケイ素含有重合体は、上記した本発明の製造方法によって製造できる。本発明のケイ素含有重合体は、単量体(A)に由来する構造単位(A)と単量体(B)に由来する構造単位(B)とを含む共重合体である。
単量体(A)および単量体(B)に適用できる化合物については、上述したため説明は省略する。
全構造単位に占める構造単位(A)および構造単位(B)の好ましい割合は、材料である単量体(A)および単量体(B)の種類や、重合体の使用目的に応じて変化するため、一概に規定することはできない。典型的な例では、全構造単位に占める構造単位(A)の割合が70〜99.5モル%の範囲であり、全構造単位に占める構造単位(B)の割合が0.5〜30モル%の範囲であることが好ましい。また、構造単位(A)/構造単位(B)のモル比は、70/30〜99.5/0.5の範囲である。構造単位(A)/構造単位(B)のモル比をこの範囲とすることによって、重合時のゲル化を防ぐことができ、高分子量の重合体を得ることができる。また、該モル比は、好ましくは85/15〜97/3の範囲であり、より好ましくは85/15〜95/5の範囲である。本発明のケイ素含有重合体は、典型的には、構造単位(A)および構造単位(B)のみ、または実質的に構造単位(A)および構造単位(B)のみからなるが、本発明の効果が得られる限り、他の構造単位を含んでいてもよい。他の構造単位としては、それに含まれるビニル基が1つのみであるビニル化合物(ビニル化合物(C))に由来する構造単位を例示することができ、例えば、酢酸ビニルなどのビニルエステルや、窒素含有複素環を有するビニル化合物(たとえば、N−ビニルピロリドンなどのピロリドンの部分構造を有するビニル化合物やN−ビニルイミダゾールなどのイミダゾールの部分構造を有するビニル化合物)といったビニル化合物に由来する構造単位を例示できる。全構造単位に占める他の構造単位(たとえばビニル化合物(C)に由来する構造単位)の割合は、好ましくは60モル%以下であり、より好ましくは50モル%以下である。
本発明のケイ素含有重合体は、数平均分子量が10000以上であり、好ましくは12000以上、より好ましくは15000以上である。数平均分子量が10000以上である場合、引張り強度、引張り伸度および屈曲性といった力学的物性が特に良好となる。数平均分子量10000以上のケイ素含有重合体は上述した製造方法を採用することによって初めて可能になった。数平均分子量の上限は、特に制限されないが、上記した極性有機溶剤に溶解する範囲内であることが好ましい。なお、本明細書でいう数平均分子量および重量平均分子量は、実施例で述べるように、GPC(Gel Permeation Chromatography)で測定したポリスチレン換算の値である。
本発明のケイ素含有重合体では、分子量分布、すなわち重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比「Mw/Mn」で表される値は、好ましくは2〜15であり、より好ましくは3〜12の範囲であり、さらに好ましくは4〜12の範囲である。分子量分布が好ましい範囲にある場合、ケイ素含有重合体の引張り強度や屈曲性といった力学的物性が良好となる。
本発明のケイ素含有重合体は、単独で使用してもよいし、他の重合体と混合して組成物としてもよい。他の重合体としては、たとえば、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン、ポリスチレン、スチレン系ブロック共重合体、シリコーン樹脂が挙げられる。組成物として使用する場合、安定剤、滑剤、顔料、耐衝撃性改良剤、加工助剤、結晶核剤、補強剤、着色剤、難燃剤、耐候性改良剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐加水分解性向上剤、防かび剤、抗菌剤、光安定剤、耐電防止剤、シリコンオイル、ブロッキング防止剤、離型剤、発泡剤、香料などの各種添加剤;ガラス繊維、ポリエステル繊維、カーボン繊維等の各種繊維;タルク、木粉等の充填剤;各種カップリング剤などの成分を必要に応じて配合してもよい。
本発明のケイ素含有重合体またはそれを用いた組成物は、公知の方法で成形できる。成形方法としては、たとえば、(1)重合体または組成物を有機溶剤に溶解させて溶液とし、この溶液をキャスト法やコート法などによって成形する方法、(2)重合体または組成物を溶融して射出法や押出法などによって成形する方法を適用できる。
本発明のケイ素含有重合体またはそれを用いた組成物では、成形過程または成形後に、ケイ素含有重合体が有する官能基(たとえばアルコキシシリル基)同士の反応や、該官能基とケイ素含有重合体以外の成分が有する官能基(たとえば水酸基)との反応を生じさせてもよい。このような反応によって、引張り強さ、曲げ強さ、耐熱性などに優れた材料を得ることができる。ケイ素含有重合体のアルコキシシリル基同士の反応、ケイ素含有重合体のアルコキシシリル基と他の官能基との反応は、アルコキシシリル基が一旦加水分解しシラノール基に変換された後に生じさせてもよい。
本発明のケイ素含有重合体は、塗料、インク、接着剤、粘着剤、相溶化剤、シーリング材などの種々の用途に使用できる。また、繊維状に成形して布帛などの繊維構造物とすることもできる。さらに、各種熱可塑性樹脂またはその組成物、熱硬化性樹脂、紙、布帛、金属、木材、セラミックスなどの他の材料との積層体として、種々の用途に使用できる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されない。以下の実施例で用いられているシラン化合物には、信越化学工業株式会社製のものを用いた。また、以下の実施例における測定は、次に示す方法で実施した。
(1)数平均分子量および重量平均分子量の測定
濃度が0.5重量%となるようにケイ素含有重合体をテトラヒドロフランに溶解し、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定用サンプルとした。GPCの測定は、株式会社島津製作所製のクロマトパックCR−4A(本体)、RID−6A(屈折率検出器)、CIO−6A(カラムオーブン)を用いて行った。カラムは、HSG−4OH(株式会社島津製作所)を用いた。溶離液にはテトラヒドロフランを用い、1.0mL/分の流量で溶離液を流した。カラムオーブンは40℃に設定した。分子量を求めるための検量線は、ポリスチレンスタンダード(株式会社ケムコ製のポリスチレン標準試料)を用いて作成した。即ち、分子量が既知であるポリスチレンをテトラヒドロフランに、濃度が0.5重量%となるように溶解し、GPC測定を行い、溶出時間と分子量との関係を示す検量線を作成した。ケイ素含有重合体のGPCの溶出曲線(溶出時間−溶出量)と検量線とから、ケイ素含有重合体の数平均分子量および重量平均分子量を求めた。さらに分子量分布、即ち、「重量平均分子量/数平均分子量」の値を計算した。
<実施例1>
1740ミリモルのトリメトキシビニルシラン(単量体(A))と、260ミリモルのジエトキシジビニルシラン(単量体(B))とを、窒素雰囲気下、還流管を付けたフラスコに加えた。単量体(A)と単量体(B)との混合物は、窒素ガスによってバブリングした。このバブリングは、重合反応を停止するまで続けた。バブリングを開始してから30分後に、130℃に調整された油浴にフラスコを浸漬し、続いて即座に100ミリモルのジクミルパーオキサイド(重合開始剤)を混合物に加えて重合を開始した。油浴にフラスコを浸漬してから5分後には、混合物の温度は130℃に達した。重合開始剤を添加してから5時間、混合物を攪拌しながら且つ油浴中において、重合反応を続けた。その後、油浴からフラスコを取り出し、フラスコ内の温度を室温まで下げた。フラスコ内の反応生成物には、単量体(A)および単量体(B)がともに残存していないことをガスクロマトグラフィーで確認した。得られた重合体の一部をテトラヒドロフランに溶解し、GPCによって分子量の測定を行なった。その結果、得られた重合体は、数平均分子量が12500、重量平均分子量が113000、分子量分布が9.0であった。
また、得られた重合体の一部を、内部標準としてテトラメチルシランを含有した重クロロホルムに溶解し、1H−NMRによって構造解析を行った。その結果、ケイ素原子に結合したメチンプロトンに対応するピークが0.7ppmに確認され、主鎖のメチレンプロトンに対応するピークが1.2ppmに観察され、エトキシシリル基におけるメチル基に対応するピークが1.5ppmに観察され、メトキシシリル基におけるメチルプロトンとエトキシシリル基におけるメチレンプロトンに対応するピークが3.6ppmに観察された。それぞれのピークの積分値から、単量体(A)に由来する構造単位(A)と単量体(B)に由来する構造単位(B)とのモル比、[構造単位(A)/構造単位(B)]の値は、およそ9/1と計算された。
<実施例2>
1940ミリモルのトリメトキシビニルシラン(単量体(A))と、60ミリモルのジエトキシジビニルシラン(単量体(B))とを、窒素雰囲気下、還流管を付けたフラスコに加えた。単量体(A)と単量体(B)との混合物は、窒素ガスによってバブリングした。このバブリングは、重合反応を停止するまで続けた。バブリングを開始してから30分後に、130℃に調整された油浴にフラスコを浸漬し、続いて即座に100ミリモルのジクミルパーオキサイド(重合開始剤)を混合物に加えて重合を開始した。油浴にフラスコを浸漬してから5分後には、混合物の温度が130℃に達した。重合開始剤を添加してから5時間、混合物を攪拌しながら且つ油浴中において重合反応を続けた。その後、油浴からフラスコを取り出し、フラスコ内の温度を室温まで下げた。フラスコ内の反応生成物に単量体(A)および単量体(B)がともに残存していないことを、ガスクロマトグラフィーによって確認した。
次に、得られた重合体の全量を1000mlのn−ヘキサンに投入し、60分間撹拌した。60分後、n−ヘキサンに溶解しなかった重合体をろ過によって回収した。回収された重合体は減圧下、室温で乾燥した。回収された重合体の乾燥後の重量は、単量体(A)と単量体(B)の合計の重量の15%であった。このようにして得られた重合体の一部をテトラヒドロフランに溶解し、GPCによって分子量の測定を行なった。その結果、得られた重合体は、数平均分子量が15500、重量平均分子量が60000、分子量分布が3.9であった。
<比較例1>
2000ミリモルのトリメトキシビニルシラン(単量体(A))を、窒素雰囲気下、還流管を付けたフラスコに加えた。単量体(A)は、窒素ガスによってバブリングした。このバブリングは、重合反応を停止するまで続けた。バブリングを開始してから30分後に、130℃に調整された油浴にフラスコを浸漬し、続いて即座に100ミリモルのジクミルパーオキサイド(重合開始剤)を加えて重合を開始した。油浴にフラスコを浸漬してから5分後には、混合物の温度が130℃に達した。重合開始剤を添加してから5時間、混合物を攪拌しながら且つ油浴中において重合反応を続けた。その後、油浴からフラスコを取り出し、フラスコ内の温度を室温まで下げた。フラスコ内の反応生成物に単量体(A)が残存していないことを、ガスクロマトグラフィーによって確認した。このようにして得られた重合体の一部をテトラヒドロフランに溶解し、GPCによって分子量の測定を行なった。その結果、得られた重合体は、数平均分子量が3200、重量平均分子量が6100、分子量分布が1.9であった。
本発明によれば、数平均分子量が従来のものよりも大きいケイ素含有重合体が得られる。この重合体およびそれを含む組成物は、様々な分野、代表的にはたとえば、塗料、インク、接着剤、粘着剤に適用できる。

Claims (16)

  1. 単量体(A)と単量体(B)とを含む複数種の単量体を重合する重合工程を含み、
    前記単量体(A)は、以下の式(1)で表される少なくとも1種類の化合物であり、
    前記単量体(B)は、2つ以上の炭素−炭素二重結合を含む少なくとも1種類の化合物であるケイ素含有重合体の製造方法。
    [式中、R1は水素原子またはアルキル基である。R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基および水酸基から選ばれる1つの原子団であり、R2、R3およびR4から選ばれる少なくとも1つはハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基である。]
  2. 前記単量体(B)は、(CR5=CH2)で表される基(ただしR5は水素原子またはアルキル基である)および(CR6=CH2)で表される基(ただしR6は水素原子またはアルキル基である)が結合したケイ素原子を含む少なくとも1種類の化合物である請求項1に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
  3. 前記単量体(B)が、以下の式(2)で表される少なくとも1種類の化合物である請求項1に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
    [式中、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基および(CR9=CH2)で表される基(ただしR9は水素原子またはアルキル基である)から選ばれる1つの原子団である。]
  4. 前記R7および前記R8から選ばれる少なくとも1つが、ハロゲン原子またはアルコキシ基である請求項3に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
  5. 前記重合工程が重合開始剤の存在下において80℃以上の温度で行われ、
    前記重合開始剤の分解の活性化エネルギーが30kcal/mol以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
  6. 前記重合工程が重合開始剤の存在下において80℃以上の温度で行われ、
    前記重合開始剤が、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、および1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)から選ばれる少なくとも1つである請求項1〜4のいずれか1項に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
  7. 前記単量体(A)/前記単量体(B)のモル比が70/30〜99.5/0.5の範囲である請求項1〜6のいずれか1項に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
  8. 前記複数種の単量体が、前記単量体(A)および前記単量体(B)とは異なるビニル化合物(C)を含み、
    前記ビニル化合物(C)に含まれるビニル基は1つであり、
    前記複数種の単量体に占める前記ビニル化合物(C)の割合が60モル%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
  9. 前記ビニル化合物(C)が窒素含有複素環を有する請求項8に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
  10. 前記重合工程によって得られた重合体から、炭化水素系溶媒に溶解する成分を除去する工程をさらに含む請求項1〜9のいずれか1項に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
  11. 前記炭化水素系溶媒がn−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、ベンゼンおよびキシレンから選ばれる少なくとも1つである請求項10に記載のケイ素含有重合体の製造方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたケイ素含有重合体。
  13. 単量体(A)に由来する構造単位(A)と単量体(B)に由来する構造単位(B)とを含むケイ素含有重合体であって、
    前記単量体(A)は、以下の式(1)で表される少なくとも1種類の化合物であり、
    前記単量体(B)は、2つ以上の炭素−炭素二重結合を含む少なくとも1種類の化合物であり、
    前記構造単位(A)/前記構造単位(B)のモル比が70/30〜99.5/0.5の範囲であり、
    数平均分子量が10000以上であるケイ素含有重合体。
    [式中、R1は水素原子またはアルキル基である。R2、R3およびR4はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基および水酸基から選ばれる1つの原子団であり、R2、R3およびR4から選ばれる少なくとも1つはハロゲン原子、アルコキシ基または水酸基である。]
  14. 前記単量体(B)は、(CR5=CH2)で表される基(ただしR5は水素原子またはアルキル基である)および(CR6=CH2)で表される基(ただしR6は水素原子またはアルキル基である)が結合したケイ素原子を含む少なくとも1種類の化合物である請求項13に記載のケイ素含有重合体。
  15. 前記単量体(B)が、以下の式(2)で表される少なくとも1種類の化合物である請求項13に記載のケイ素含有重合体。
    [式中、R5およびR6はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基である。R7およびR8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、水酸基および(CR9=CH2)で表される基(ただしR9は水素原子またはアルキル基である)から選ばれる1つの原子団である。]
  16. 前記R7および前記R8から選ばれる少なくとも1つが、ハロゲン原子またはアルコキシ基である請求項15に記載のケイ素含有重合体。
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