JP2005314468A - 化合物および組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ゴミや粉塵の付着抑制効果、タックフリー性および巻き取り圧力に対する耐ブロッキング性に優れる未硬化塗膜が得られ、かつ優れた外観および耐溶剤性に優れる硬化塗膜が得られる組成物を得る。
【解決手段】 質量平均分子量が30,000を超え100,000以下で、ガラス転移温度が60℃以上である、2.0×10−3モル/g以上の側鎖アクリロイルオキシ官能基を有する化合物(I)、および該化合物(I)(固形分)100質量部に対して10〜1000質量部の有機溶剤(II)を含む組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は未硬化塗膜のタックフリー性と耐ブロッキング性、およびその硬化塗膜の耐溶剤性に優れることを特徴とする化合物およびそれを含む組成物に関する。
近年、建築材料、プラスチック製品、印刷物等の物品に用いられている塗料やインク等の被覆材料の硬化塗膜から、重合開始剤、紫外線吸収剤、および酸化防止剤等の添加剤や有機溶剤等の物質が空気中に放散されるのを防止するために、様々な検討が行われている。
例えば、塗装化粧板を特定の積層構造とする方法(例えば、特許文献1を参照)、予め有機溶剤を含まない電子線硬化性フィルムを作成しこれを塗装代替材料として用いる方法(例えば、特許文献2を参照)、および前述したような空気中に放散される物質を含まず、かつ生産性よく硬化塗膜が得られる電子線硬化性樹脂組成物を用いる方法等が挙げられる。
そのうち、後者の電子線硬化性フィルムは、フィルムや紙等の支持体上に電子線硬化性樹脂を塗布しそれを乾燥させた後、一旦ロール状に巻き取り保存し、必要に応じてそれを広げて被塗物に積層し電子線を照射して硬化塗膜を形成できることから、利便性が高く好ましく用いられている。
そのような電子線硬化性フィルムに用いられる電子線硬化性樹脂としては、熱、光、電子線等に対して感度が高く、タックフリー性に優れることから、エポキシ基に開環付加することのできる官能基を有する樹脂(A)にエポキシ基含有不飽和化合物(B)を開環付加反応させて得られる側鎖に不飽和基を有する重合体(例えば、特許文献3および特許文献4を参照)が挙げられる。
特開2002−337276号公報 特開平11−189611号公報 特開平10−87725号公報 特開平11−100418号公報
前述した中でも、特許文献1記載の方法では適用できる用途に限りがあり汎用性が低いことから、汎用性の高い特許文献2記載の電子線硬化性フィルムが所望されている。
しかしながら、特許文献2記載の電子線硬化性樹脂は、分子量が400〜5000程度と低い電子線硬化性有機不飽和化合物を構成成分としているため、電子線にて硬化する前の塗膜は、液状もしくは表面が未乾燥の状態となり、表面にタック性が残る傾向にある。
そのため電子線硬化性樹脂組成物の支持体への塗装工程において、硬化前の塗膜にごみや粉塵等が付着すると硬化塗膜の外観不良が生じたり、ロール状に巻き取ると、硬化前塗膜と支持体との間でブロッキングが生じる傾向にある。
また、特許文献3記載の硬化性樹脂は、その硬化塗膜の耐溶剤性やロール状に巻き取る場合の耐ブロッキング性が十分ではなかった。
本発明は、未硬化塗膜のタックフリー性と耐ブロッキング性、およびその硬化塗膜の耐溶剤性に優れる化合物、および組成物を得ることを課題とする。
本発明は、質量平均分子量が30,000を超え100,000以下で、ガラス転移温度(以下、Tgという)が60℃以上である、2.0×10−3モル/g以上の側鎖アクリロイルオキシ官能基を有する化合物(I)、およびそれと該化合物(I)100質量部(固形分)に対して10〜1000質量部の有機溶剤(II)を含む組成物である。
本発明の化合物および組成物は、未硬化塗膜のタックフリー性と耐ブロッキング性、およびその硬化塗膜の耐溶剤性に優れることから、特に電子線硬化性フィルムに用いると、未硬化塗膜表面に対するゴミや粉塵の付着抑制や得られる硬化塗膜の外観改善効果に優れ、またフィルムや紙等の基材上に形成した未硬化塗膜をロール状にして保存してもロールにする際の巻き取り圧力によるブロッキングを引き起こさない未硬化塗膜が得られ、硬化後には耐溶剤性に優れる塗膜を提供できる。
本発明の化合物(I)は、質量平均分子量が30,000を超え100,000以下で、Tgが60℃以上である、2.0×10−3モル/g以上の側鎖アクリロイルオキシ官能基を有するものである。
化合物(I)の質量平均分子量は、30,000より小さい場合に得られる未硬化塗膜の耐ブロッキング性が十分ではなく、特にロール状に巻き取り保存する場合にブロッキングが生じる傾向にあり、また得られる硬化塗膜の耐溶剤性が低下する傾向にある。一方、その質量平均分子量が100,000より大きい場合に、硬化性や塗装作業性、および硬化塗膜の外観等が低下する傾向にある。
その中でも、化合物(I)の質量平均分子量の下限値は40,000以上であることが好ましく、その上限値は90,000以下であることが好ましい。
また本発明の化合物(I)のTgは60℃以上である。このTgが60℃より低い場合には、未硬化塗膜のタックフリー性が十分に発現しても、未硬化塗膜を有するフィルムをロール状に巻き取り保管した場合には、ロール状にする際の巻き取り圧力と温度によりブロッキングが生じる傾向にある。また、この化合物のTgの上限値および下限値は、本発明の用途に応じて適宜選択すればよく限定されない。
その中でも、Tgの上限値は、未硬化塗膜の硬化性、塗装作業性、および硬化塗膜の外観等が低下する傾向にあることから、100℃以下であることが好ましい。また、より好ましくはその上限値が90℃であり、その下限値が75℃以上であることがより好ましい。
さらに、本発明において化合物(I)の側鎖に有するアクリロイルオキシ官能基量は、2.0×10−3モル/g以上である。
このアクリロイルオキシ官能基量が2.0×10−3モル/gより少ない場合には、化合物(I)の硬化性が十分ではなくなり、硬化後の耐薬品性が低下する傾向にある。
本発明の化合物(I)は、未硬化塗膜のタックフリー性や耐ブロッキング性が十分に発現されない傾向にあることから、酸価が0であることが望ましい。そのため、化合物(d)を化合物(c)に付加反応させる際に、酸価(固形分)の上限値が6mgKOH/g以下であることが好ましく、0であることが特に好ましい。
以下、本発明の化合物(I)を得る方法の具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸グリシジルエステル(a)(以下、化合物(a)という)とその他の共重合可能なモノマー(b)(以下、化合物(b)という)とを共重合させて得られる化合物(c)(以下、化合物(c)という)に、1個のカルボキシル基と少なくとも1個のアクリロイルオキシ基を有する化合物(d)(以下、化合物(d)という)を付加して得る方法が挙げられる。
化合物(a)は、化合物(d)と反応してアクリロイル基を化合物(I)中に導入するための必須成分であり、かつその硬化塗膜に優れた耐溶剤性を発現させる成分である。
化合物(b)は、所望のTgに調整する目的で用いる化合物であり、その他の所望する特性が得られるよう適宜選択すればよく特に限定されない。
化合物(b)の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;
エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート等のアルコキシ(ポリ)アルキレングリコール(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシ(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等のビニル化合物;グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、エチレングリコールモノアリルエーテル等のアリルエーテルアルコール化合物;等が挙げられる。
これらは、1種単独で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。
本発明の化合物(I)を得るために用いる化合物(c)を得る方法は特に限定されず、具体的には、例えば、化合物(a)と化合物(b)とを、ラジカル重合開始剤の存在下で、溶液重合法等の公知の方法で反応させればよい。
化合物(d)は、前述した化合物(a)と化合物(b)とを反応させて得られる化合物(c)に付加させて、化合物(I)を得るために用いる成分である。
この化合物(d)は、1個のカルボキシル基と少なくとも1個のアクリロイルオキシ基とを有するものであればよく、特に限定されない。その中でも、化合物(I)の反応性が良好であるという点から、アクリル酸、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−アクリロイルエチルオキシフタル酸、2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が好ましい。さらにそれらの中でも、化合物(I)中の重量あたりの官能基数を多くできることから、アクリル酸が特に好ましい。
化合物(c)を得るために用いる化合物(a)と化合物(b)との使用比率は、得られる化合物(I)のアクリロイルオキシ官能基量が2.0×10−3モル/g以上になるように適宜選択すればよく、特に限定されない。
例えば、化合物(d)としてアクリル酸を用いる場合には、化合物(a)および化合物(b)の使用比率は、化合物(a)と(b)の合計量を100質量%とした場合、化合物(a)/化合物(b)=33/67〜80/20(単位:質量%)であることが好ましく、化合物(a)/化合物(b)=40/60〜65/35(単位:質量%)であることがより好ましい。
この場合、化合物(a)の使用比率が33質量%より少ないと、得られる化合物の硬化性が低下し、また硬化塗膜の耐薬品性が低下する傾向にある。一方化合物(a)の使用比率が80質量%を超えると、得られる化合物のTgが60℃より低くなる傾向にあり、またその硬化物は、耐ブロッキング性が十分に発現しない傾向にある。
また化合物(d)としてアクリル酸以外の化合物、特に分子量の大きい2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸など用いる場合には、アクリロイルオキシ官能基量が2.0×10−3に達しない傾向にあるため、アクリル酸のような分子量の低い化合物と併用する必要がある。
例えば、化合物(a)と化合物(b)の合計量100質量部に対して2−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸を30質量部用いる場合には、アクリル酸を13質量%以上併用することが好ましい。その際の化合物(a)および化合物(b)の使用比率は、化合物(a)と化合物(b)の合計量を100質量%とした場合、化合物(a)/化合物(b)=40/60〜80/20(単位:質量%)であることが好ましく、化合物(a)/化合物(b)=45/55〜70/30(単位:質量%)であることがより好ましい。
本発明の化合物(I)を得るには、化合物(c)を合成する際に用いた化合物(a)のモル量と化合物(d)のモル量との比率が、化合物(a)のモル量/化合物(d)のモル量=1/0.8〜1/1の範囲であることが好ましい。化合物(d)のモル量が0.8よりも少ない場合には、得られる化合物(I)の硬化塗膜の耐薬品性が低下する傾向にある。また、化合物(d)のモル量が1を超える場合には、得られる化合物(I)の未硬化塗膜のタックフリー性が低下し、ロール状に巻き取り保管するとブロッキングが生じやすくなる傾向にあり、さらにそれを用いた硬化塗膜の耐薬品性も低下する傾向にある。
次に本発明の組成物について以下、説明する。
本発明の組成物は、前述した本発明の化合物(I)と、該化合物(I)100質量部(固形分)に対して10〜1000質量部の有機溶剤(II)を含むものである。
この有機溶剤(II)の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、スワゾール1000(商品名、丸善石油化学社製)等の高沸点芳香族溶剤等の炭化水素系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;エチルエーテル等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸アミル、酢酸メトキシプロピル、酢酸エトキシエチル等のエステル系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メトキシプロパノール、メトキシブタノール、エチルジグリコール等の多価アルコール誘導体系溶剤等が挙げられる。
これらは、1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
それらの中でも、塗膜の乾燥性や、乾燥による未硬化塗膜中の残存溶剤量の低減効果に極めて優れるため、タックフリー性や耐ブロッキング性に優れる未硬化塗膜が得られることから、メタノール、エタノール、アセトン、酢酸エチル等、沸点が100℃より低く、かつ、酢酸ブチルの蒸発速度を100とした場合の比蒸発速度が150以上である有機溶剤を用いることが好ましい。
本発明の組成物は、塗膜形成成分として前述した化合物(I)を含むものであればよいが、本発明のタックフリー性および耐ブロッキング性等の特性を損なわない範囲であれば、必要に応じてラジカル重合性単量体;光重合開始剤;紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、顔料、染料等の改質剤;等を添加しても良い。
本発明の組成物は、用いる物質の融点が40℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。
そのような融点を有する物質からなる組成物であれば、得られる未硬化塗膜のタックフリー性と耐ブロッキング性に優れる傾向にある。
ここでいうラジカル重合性単量体の具体例としては、トリヒドロキシルエチルイソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレートやテトラブロモビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート等、特に限定されない。但し、ラジカル重合性単量体は、その添加量が多いと、タックフリー性や耐ブロッキング性が低下する傾向にあるため、必要に応じて適宜調整して用いることが好ましい。
光重合開始剤としては、ミヒラーケトン、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾイルフォルメート、2,2−ジメトキ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルーフェニルケトン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンキサイド等が挙げられる。
これらは、1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
本発明において光重合開始剤の含有量は特に限定されず、得られる未硬化塗膜のタックフリー性や耐ブロッキング性が損なわれない範囲で用いればよい。
例えば、本発明の組成物を電子線により硬化させる場合には、光重合開始剤は不含有で硬化可能であるため添加しなくてもよい。また、紫外線により硬化させる場合には、硬化塗膜形成成分100質量部に対して適宜適量添加してもよく、特定されない。
以下に本発明の実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中の部は、「質量部」を意味する。
〔試験サンプルの作成〕
・試験サンプル1(硬化塗膜)の作成法
ガラス板上に得られた組成物をバーコーターにて塗布した後、25℃で5分間放置して、該塗膜中の有機溶剤を揮発させた。その塗膜を、電子線照射装置(日新ハイボルテージ株式会社製、商品名:キュアトロンEBC−200−AA3)を用い、加速電圧175kV、照射エネルギー50kGy、残存酸素濃度500ppm以下の条件で硬化させて、10μm厚の硬化塗膜を得る。
・試験サンプル2(未硬化塗膜)の作成法
上質紙上に得られた組成物をバーコーターにて塗布した後、25℃で5分間放置して、該塗膜中の有機溶剤を揮発させて、2μm厚の未硬化塗膜を得る。
〔評価方法/評価基準〕
実施例の評価方法および評価基準は下記の通りである。
・表面タック性
試験サンプル2の未硬化塗膜表面に手で触れて、下記基準に基づき表面タック性を評価する。
○:べたつきなし
×:べたつきあり
・ 耐ブロッキング性
試験サンプル2を5cm×5cm角に切り取った試験紙を、未硬化塗膜面が上になるように5枚重ね、未硬化塗膜の最表面に中心部分2cmφの円状に3kg/cmの荷重をかけた状態で、それを60℃の乾燥機中に24時間放置する。このような試験を行った後、試験紙間での剥離状態を下記基準に基づき評価する。
○:試験紙同士が付着せずに剥離する
×:試験紙同士が付着し、試験紙間が剥離しない、または破れる
・外観
試験サンプル1の硬化塗膜の外観を目視にて観察し、下記基準に基づき評価する。
○:硬化塗膜に異常がなく、平滑性に優れる
×:硬化塗膜の表面が柚肌状、または凹凸が多数認められ、平滑性に劣る
・耐溶剤性:
試験サンプル1の硬化塗膜表面を、メチルエチルケトンを十分に染み込ませたガーゼを用い500g荷重で50往復させた後、該塗膜表面の外観を目視で評価した。
○:全く変化なし
△:傷が付く、もしくは硬化塗膜が曇る
×:硬化塗膜が膨潤する、もしくは溶解する
<実施例1>
メタクリル酸グリシジル516部、メタクリル酸シクロヘキシル204部、メタクリル酸t−ブチル480部、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂(株)製「パーヘキシルO」)12部の混合溶液を調製した。
次に、5リットルのオートクレーブに、酢酸エチル1200部を仕込み、窒素で100kPaに加圧して100℃に昇温後、同条件下で該混合溶液を3時間かけて滴下し攪拌反応させた後、さらに100℃で4時間攪拌した。攪拌終了後40℃まで温度を下げて大気圧にもどし、テトラエチルホスホニウムブロマイド(日本化学工業(株)製「ヒシコーリンPX−2B」)24部とアクリル酸240部の混合物を投入・攪拌し、さらに酢酸エチル720部を投入・攪拌した後、窒素で100kPaに加圧して90℃に昇温後、同条件下で10時間加熱攪拌して、組成物(A1)を得た。
得られた組成物(A1)の評価結果は、表1に示す。
<実施例2>
表1に記載する組成および組成比とする以外は、実施例1と同様にして混合溶液を調製し、さらに実施例1と同様にして組成物(A2)を得た。
得られた組成物(A2)の評価結果は、表1に示す。
<実施例3>
表1に示す組成・組成比で、実施例1で用いたのと同じ混合溶液を調製した。
次に、5リットルのフラスコに、酢酸ブチル1200部を仕込み、120℃に昇温後、同条件下で前述した混合溶液を3時間かけて滴下し攪拌反応させた後、さらに130℃で2時間攪拌した。攪拌終了後40℃まで温度を下げて、テトラエチルホスホニウムブロマイド(日本化学工業(株)製「ヒシコーリンPX−2B」)24部とアクリル酸240部の混合物を投入・攪拌し、さらに酢酸エチルブチル240部を投入・攪拌した後、90℃に昇温後、同条件下で10時間加熱攪拌して組成物(A3)を得た。
得られた組成物(A3)の評価結果は、表1に示す。
<比較例1〜4>
表1に記載する組成および組成比とする以外は、実施例1と同様にして混合溶液を調製し、さらに実施例1と同様にして組成物(A4)〜(A7)を得た。
得られた組成物(A4)〜(A7)の評価結果は、表1に示す。
Figure 2005314468
このように、本発明の組成物(実施例1〜実施例3)を用いた未硬化塗膜の表面はべたつきがないだけでなく、ロール等の圧力がかかる状態になってもブロッキングせず、また硬化塗膜の耐溶剤性に優れる塗膜であった。
比較例1は、得られた化合物の側鎖アクリロイルオキシ官能基の量が2.0×10−3モル/gより少ないため、硬化塗膜の耐溶剤性が低下した。
比較例2は、得られた化合物の質量平均分子量が本発明の範囲外(高分子量)であり、硬化塗膜の外観が不良であった。
比較例3は、得られた化合物の質量平均分子量が本発明の範囲外(低分子量)であり、未硬化塗膜の耐ブロッキング性と硬化塗膜の耐溶剤性が不良であった。
比較例4は、得られた化合物のTgが60℃よりも低かったため、ロール等の圧力がかかる状態での未硬化塗膜の耐ブロッキング性が低下した。

Claims (2)

  1. 質量平均分子量が30,000を超え100,000以下で、ガラス転移温度が60℃以上である、2.0×10−3モル/g以上の側鎖アクリロイルオキシ官能基を有する化合物(I)。
  2. 請求項1記載の化合物(I)と、該化合物(I)100質量部(固形分)に対して10〜1000質量部の有機溶剤(II)を含む組成物。
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JP2012224796A (ja) * 2011-04-08 2012-11-15 Okamoto Kagaku Kogyo Kk 感光性組成物およびそれを用いた平版印刷版用原版

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