JP2005314313A - 過敏性腸症候群を予防又は治療するための医薬 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、過敏性腸症候群を予防又は治療するための医薬に関する。
本発明の一般式(1)を有する化合物は公知である(特許文献1乃至4参照)。しかしながら、これらの化合物の過敏性腸症候群に対する作用は知られていない。
米国特許第6159967号明細書
米国特許第6362179号明細書
米国特許第6511975号明細書
特開2000−34288号公報
本発明者らは、モルホリン誘導体の薬理効果について鋭意検討を行った結果、モルホリン誘導体が過敏性腸症候群の動物モデルで有効であることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、
(1) 下記一般式(1)
(1) 下記一般式(1)
(式中、Ar1は、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Ar2は、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSO2を示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、過敏性腸症候群を予防又は治療するための医薬に関する。
を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する、過敏性腸症候群を予防又は治療するための医薬に関する。
上記のうち、好適なものは、
(2)Ar1が、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである医薬、
(3)Ar1が、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである医薬、
(4)Ar1が、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである医薬、
(5)Ar2が、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基である医薬、
(6)Ar2が、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルである医薬、
(7)Ar2が、3,4−ジクロロフェニルである医薬、
(8)Xが、CH(OH)又はSOである医薬、及び
(9)nが、2である医薬
である。
(2)Ar1が、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである医薬、
(3)Ar1が、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである医薬、
(4)Ar1が、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである医薬、
(5)Ar2が、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基である医薬、
(6)Ar2が、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルである医薬、
(7)Ar2が、3,4−ジクロロフェニルである医薬、
(8)Xが、CH(OH)又はSOである医薬、及び
(9)nが、2である医薬
である。
これらのうち、特に好適なものは、
(10)一般式(1)を有する化合物が、下記から選択されるいずれか1つの化合物である医薬:
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド、及び
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド
であり、最も好適なものは、
(11) 1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩、又は1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩を有効成分として含有する医薬である。
更に、本発明は、
(12)過敏性腸症候群を予防又は治療するための医薬を製造するための、下記一般式(1)
(10)一般式(1)を有する化合物が、下記から選択されるいずれか1つの化合物である医薬:
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド、及び
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド
であり、最も好適なものは、
(11) 1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩、又は1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩を有効成分として含有する医薬である。
更に、本発明は、
(12)過敏性腸症候群を予防又は治療するための医薬を製造するための、下記一般式(1)
(式中、Ar1は、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Ar2は、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSO2を示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
を有する化合物又はその薬理上許容される塩の使用、及び、
(13)下記一般式(1)
を有する化合物又はその薬理上許容される塩の使用、及び、
(13)下記一般式(1)
(式中、Ar1は、置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基を示し、Ar2は、1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基を示し、Xは、CH(OH)、SO又はSO2を示し、nは1又は2を示し、置換基群αは、水酸基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4ハロゲン化アルキル基及びテトラゾリルからなる群を示す。)
を有する化合物又はその薬理上許容される塩の有効量を哺乳動物(好適には、ヒト)に投与することによる、過敏性腸症候群を予防又は治療する方法に関する。
上記一般式中、
Ar2の定義における「1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基」のハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり得、好適には、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好適には、塩素原子である。
を有する化合物又はその薬理上許容される塩の有効量を哺乳動物(好適には、ヒト)に投与することによる、過敏性腸症候群を予防又は治療する方法に関する。
上記一般式中、
Ar2の定義における「1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基」のハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であり得、好適には、フッ素原子又は塩素原子であり、特に好適には、塩素原子である。
置換基群αの定義における「C1−C4アルコキシ基」は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ又はブトキシのような直鎖状若しくは分枝鎖状のアルコキシ基であり得、好適には、メトキシ、エトキシ又はプロポキシであり、更に好適には、メトキシ又はエトキシであり、特に好適には、メトキシである。
置換基群αの定義における「C1−C4ハロゲン化アルキル基」は、C1−C4アルキル基の1個若しくは2個以上の水素原子が前記「ハロゲン原子」で置換された基であり、好適には、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、フルオロメチル、2,2,2−トリクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−ブロモエチル、2−クロロエチル、2−フルオロエチル又は2,2−ジブロモエチルであり、更に好適には、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル又はフルオロメチルであり、特に好適には、トリフルオロメチルである。
Ar1の定義における「置換基群αから選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基」は、好適には、水酸基、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル及びテトラゾリルからなる群から選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基であり、更に好適には、水酸基、メトキシ、トリフルオロメチル、及びテトラゾリルからなる群から選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基(例えば、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニル)であり、より更に好適には、メトキシ、トリフルオロメチル、及びテトラゾリルからなる群から選択される1乃至3個の基で置換されたフェニル基(例えば、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニル)であり、特に好適には、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである。
Ar2の定義における「1又は2個のハロゲン原子で置換されたフェニル基」は、好適には、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基であり、更に好適には、2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基であり、より更に好適には、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルであり、特に好適には、3,4−ジクロロフェニルである。
「その薬理上許容される塩」とは、前記一般式(1)で表される化合物はその分子内にアミン構造を含み、酸と反応させることにより酸付加塩にすることができるので、そのような塩を示す。例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩若しくは沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩又は燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩若しくはエタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩若しくはp−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩又は酢酸塩、りんご酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩若しくはマレイン酸塩のようなカルボン酸塩等の有機酸塩;或いは、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩又はアスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり得、好適には、ハロゲン化水素酸塩又はカルボン酸塩であり、更に好適には、塩酸塩又はコハク酸塩である。
「その薬理上許容される塩」とは、前記一般式(1)で表される化合物はその分子内にアミン構造を含み、酸と反応させることにより酸付加塩にすることができるので、そのような塩を示す。例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩若しくは沃化水素酸塩のようなハロゲン化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩又は燐酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩若しくはエタンスルホン酸塩のような低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩若しくはp−トルエンスルホン酸塩のようなアリ−ルスルホン酸塩又は酢酸塩、りんご酸塩、フマ−ル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酒石酸塩、蓚酸塩若しくはマレイン酸塩のようなカルボン酸塩等の有機酸塩;或いは、グリシン塩、リジン塩、アルギニン塩、オルニチン塩、グルタミン酸塩又はアスパラギン酸塩のようなアミノ酸塩であり得、好適には、ハロゲン化水素酸塩又はカルボン酸塩であり、更に好適には、塩酸塩又はコハク酸塩である。
前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩は、大気中に放置したり、又は、再結晶をすることにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となる場合があり、そのような水和物も本発明に包含される。
[発明の実施の形態]
前記一般式(1)を有する化合物及びその薬理上許容される塩は、例えば、米国特許第6159967号、米国特許第6362179号、米国特許第6511975号及び特開2000−34288号に記載されている方法にしたがって製造することができる。
[発明の実施の形態]
前記一般式(1)を有する化合物及びその薬理上許容される塩は、例えば、米国特許第6159967号、米国特許第6362179号、米国特許第6511975号及び特開2000−34288号に記載されている方法にしたがって製造することができる。
前記一般式(1)を有する化合物及びその薬理上許容される塩の投与形態は、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又はシロップ剤等による経口投与、或いは、注射剤又は座剤等による非経口投与であり得、そのための製剤は賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤などの添加剤を用いて周知の方法で製造される。
賦形剤は、例えば、乳糖、白糖、ぶどう糖、マンニット若しくはソルビットのような糖誘導体、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、α−デンプン、デキストリン若しくはカルボキシメチルデンプンのような澱粉誘導体、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム若しくは内部架橋カルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体、アラビアゴム、デキストラン、又は、プルラン等の有機系賦形剤;或いは、軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム若しくはメタ珪酸アルミン酸マグネシウムのような珪酸塩誘導体、燐酸カルシウムのような燐酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、又は、硫酸カルシウムのような硫酸塩等の無機系賦形剤であり得る。
滑沢剤は、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム若しくはステアリン酸マグネシウムのようなステアリン酸金属塩;タルク;コロイドシリカ;ビーガム若しくはゲイ蝋のようなワックス類;硼酸;アジピン酸;硫酸ナトリウムのような硫酸塩;グリコール;フマル酸;安息香酸ナトリウム;DL−ロイシン;脂肪酸ナトリウム塩;ラウリル硫酸ナトリウム若しくはラウリル硫酸マグネシウムのようなラウリル硫酸塩;無水珪酸若しくは珪酸水和物のような珪酸類;又は、上記澱粉誘導体であり得る。
結合剤は、例えば、ポリビニルピロリドン若しくはマクロゴール、或いは、前記賦形剤と同様の化合物であり得る。
崩壊剤は、例えば、前記賦形剤と同様の化合物、又は、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム若しくは架橋ポリビニルピロリドンのような化学修飾されたデンプン・セルロース類であり得る。
安定剤は、例えば、メチルパラベン若しくはプロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール若しくはフェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール若しくはクレゾールのようなフェエノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;又は、ソルビン酸であり得る。
矯味矯臭剤は、通常使用される甘味料、酸味料若しくは香料等であり得る。
本発明の一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩の使用量は症状、年齢、投与方法等によって異なるが、例えば経口投与の場合には、成人に対して1日あたり、下限として0.1mg(好ましくは1mg)、上限として、1000mg(好ましくは100mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。静脈内投与の場合には、成人に対して1日当たり、下限として0.01mg(好ましくは0.1mg)、上限として、100mg(好ましくは10mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
本発明の一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩の使用量は症状、年齢、投与方法等によって異なるが、例えば経口投与の場合には、成人に対して1日あたり、下限として0.1mg(好ましくは1mg)、上限として、1000mg(好ましくは100mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。静脈内投与の場合には、成人に対して1日当たり、下限として0.01mg(好ましくは0.1mg)、上限として、100mg(好ましくは10mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩は、過敏性腸症候群(特に、過敏性腸症候群に起因する内臓痛又は便通異常)を予防又は治療するための医薬の有効成分として有用である。
以下に、実施例及び製剤例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例]
[実施例1] モルモット内臓痛実験
モルモットをエーテル麻酔下に、腹部の皮膚を切開し、腹直筋にフォーストランスデューサーを縫着した。肛門から直腸にバルーンを挿入し、固定した後、ボールマンケージに入れた。フォーストランスデューサーは収縮測定のためブリッジボックスを介して、プリアンプに接続した。バルーンは直腸内圧を測定するために血圧測定用トランスデューサーに接続した。モルモットが十分に麻酔から覚醒した後(麻酔から約2-3時間後)、実験を開始した。シリンジポンプを用いて、直腸に挿入したバルーンに0.08 ml/minの速度で水を注入し、徐々に拡張させて直腸内圧を上昇させ、腹直筋の収縮が観察された時の直腸内圧を腹直筋収縮発生の閾値とした。
[実施例]
[実施例1] モルモット内臓痛実験
モルモットをエーテル麻酔下に、腹部の皮膚を切開し、腹直筋にフォーストランスデューサーを縫着した。肛門から直腸にバルーンを挿入し、固定した後、ボールマンケージに入れた。フォーストランスデューサーは収縮測定のためブリッジボックスを介して、プリアンプに接続した。バルーンは直腸内圧を測定するために血圧測定用トランスデューサーに接続した。モルモットが十分に麻酔から覚醒した後(麻酔から約2-3時間後)、実験を開始した。シリンジポンプを用いて、直腸に挿入したバルーンに0.08 ml/minの速度で水を注入し、徐々に拡張させて直腸内圧を上昇させ、腹直筋の収縮が観察された時の直腸内圧を腹直筋収縮発生の閾値とした。
溶媒又は1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩(以下「化合物A」という。)を皮下投与し、投与4時間後まで1時間ごとに上記のようにバルーンを拡張させ、腹直筋収縮の閾値を観察した。投与2時間後の閾値は以下の通りであった。
[表1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
薬物投与量(mg/kg) 閾値(mmHg) p値
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
0(溶媒のみ) 13.8 ±2.13
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
10 25.88±4.55 0.0379
30 28.81±3.16 0.0080
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(表1中、p値は、溶媒投与群に対するp値を示す。)
表1から明らかなように、化合物A投与により、腹直筋収縮の閾値は有意に上昇した。
[実施例2] モルモット排便実験
モルモットに金網で拘束ストレスを負荷し、排便を誘発した。拘束後6時間まで1時間ごとに排便数を測定した。溶媒又は化合物Aは拘束ストレス負荷の1時間前に皮下投与した。溶媒又は化合物Aの投与から2時間後の排便数は以下の通りであった
[表2]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
処置 閾値(mmHg) p値
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
無拘束+溶媒 1.9±0.8 <0.0001
拘束ストレス+溶媒 29.6±4.4
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
拘束ストレス+化合物A(10mg/kg) 17.1±5.0 0.1882
拘束ストレス+化合物A(30mg/kg) 8.8±3.4 0.0221
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(表2中、p値は、「拘束ストレス+溶媒」群に対するp値を示す。)
表2から明らかなように、拘束ストレス負荷では無拘束に比較して、有意に排便数が増加し、化合物A(10, 30 mg/kg)の皮下投与では拘束ストレス負荷による排便数の増加を用量依存的に抑制した。
[製剤例]
本発明の前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬は、例えば次の方法により製造することができる。
[製剤例1] 散剤
−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩 5g、乳糖 895gおよびトウモロコシデンプン 100gをブレンダーで混合すると、散剤が得られる。
[製剤例2] 顆粒剤
1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩 5g、乳糖 865gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 100gを混合した後、10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液300gを加えて練合する。これを押し出し造粒機を用いて造粒し、乾燥すると顆粒剤が得られる。
[製剤例3] カプセル剤
1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩 5g、乳糖 115g、トウモロコシデンプン 58gおよびステアリン酸マグネシウム 2gをV型混合機を用いて混合した後、3号カプセルに180mgずつ充填するとカプセル剤が得られる。
[製剤例4] 錠剤
化合物A 5g、乳糖 90g、トウモロコシデンプン 34g、結晶セルロース 20gおよびステアリン酸マグネシウム 1gをブレンダーで混合した後、錠剤機で打錠すると錠剤が得られる。
[表1]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
薬物投与量(mg/kg) 閾値(mmHg) p値
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
0(溶媒のみ) 13.8 ±2.13
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
10 25.88±4.55 0.0379
30 28.81±3.16 0.0080
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
(表1中、p値は、溶媒投与群に対するp値を示す。)
表1から明らかなように、化合物A投与により、腹直筋収縮の閾値は有意に上昇した。
[実施例2] モルモット排便実験
モルモットに金網で拘束ストレスを負荷し、排便を誘発した。拘束後6時間まで1時間ごとに排便数を測定した。溶媒又は化合物Aは拘束ストレス負荷の1時間前に皮下投与した。溶媒又は化合物Aの投与から2時間後の排便数は以下の通りであった
[表2]
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
処置 閾値(mmHg) p値
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
無拘束+溶媒 1.9±0.8 <0.0001
拘束ストレス+溶媒 29.6±4.4
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
拘束ストレス+化合物A(10mg/kg) 17.1±5.0 0.1882
拘束ストレス+化合物A(30mg/kg) 8.8±3.4 0.0221
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−(表2中、p値は、「拘束ストレス+溶媒」群に対するp値を示す。)
表2から明らかなように、拘束ストレス負荷では無拘束に比較して、有意に排便数が増加し、化合物A(10, 30 mg/kg)の皮下投与では拘束ストレス負荷による排便数の増加を用量依存的に抑制した。
[製剤例]
本発明の前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩を有効成分として含有する医薬は、例えば次の方法により製造することができる。
[製剤例1] 散剤
−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩 5g、乳糖 895gおよびトウモロコシデンプン 100gをブレンダーで混合すると、散剤が得られる。
[製剤例2] 顆粒剤
1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩 5g、乳糖 865gおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロース 100gを混合した後、10%ヒドロキシプロピルセルロース水溶液300gを加えて練合する。これを押し出し造粒機を用いて造粒し、乾燥すると顆粒剤が得られる。
[製剤例3] カプセル剤
1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩 5g、乳糖 115g、トウモロコシデンプン 58gおよびステアリン酸マグネシウム 2gをV型混合機を用いて混合した後、3号カプセルに180mgずつ充填するとカプセル剤が得られる。
[製剤例4] 錠剤
化合物A 5g、乳糖 90g、トウモロコシデンプン 34g、結晶セルロース 20gおよびステアリン酸マグネシウム 1gをブレンダーで混合した後、錠剤機で打錠すると錠剤が得られる。
前記一般式(1)を有する化合物又はその薬理上許容される塩は、過敏性腸症候群(特に、過敏性腸症候群に起因する内臓痛又は便通異常)を予防又は治療するための医薬の有効成分として有用である。
Claims (14)
- Ar1が、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル、3−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシフェニル、4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである、請求項1に記載された医薬。
- Ar1が、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、3,4,5−トリメトキシフェニル又は2−メトキシ−5−(1−テトラゾリル)フェニルである、請求項1に記載された医薬。
- Ar1が、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル又は3,4,5−トリメトキシフェニルである、請求項1に記載された医薬。
- Ar2が、1又は2個のフッ素原子又は塩素原子で置換されたフェニル基である、請求項1乃至請求項4から選択されるいずれか1項に記載された医薬。
- Ar2が、3,4−ジフルオロフェニル又は3,4−ジクロロフェニルである、請求項1乃至請求項4から選択されるいずれか1項に記載された医薬。
- Ar2が、3,4−ジクロロフェニルである、請求項1乃至請求項4から選択されるいずれか1項に記載された医薬。
- Xが、CH(OH)又はSOである、請求項1乃至請求項7から選択されるいずれか1項に記載された医薬。
- nが、2である、請求項1乃至請求項8から選択されるいずれか1項に記載された医薬。
- 一般式(1)を有する化合物が、下記から選択されるいずれか1つの化合物である、請求項1に記載された医薬:
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン]、
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド、及び
・1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド。 - 1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[((2S)−ヒドロキシ)インダン−1,4’−ピペリジン] 塩酸塩、1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゾイル]モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩、又は1−{2−[(2R)−(3,4−ジクロロフェニル)−4−(3,4,5−トリメトキシベンゾイル)モルホリン−2−イル]エチル}スピロ[ベンゾ(c)チオフェン−1(3H),4’−ピペリジン]−(2S)−オキシド 塩酸塩を有効成分として含有する、請求項1に記載された医薬。
- 哺乳動物がヒトである、請求項13に記載された方法。
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JP2004135291A JP2005314313A (ja) | 2004-04-30 | 2004-04-30 | 過敏性腸症候群を予防又は治療するための医薬 |
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