JP2005314200A - 廃材利用の漆喰材、およびその硬化体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】石灰、ふのり、すさ、樹脂などからなる混和材に、家屋の内装に用いられる廃材の石膏ボードを粉砕して、石膏粉末の20%(重量比)以上が2mm以下の粒径に、紙のパルプ繊維の10%(重量比)以上が8mm以下の繊維長に粉砕して漆喰材に混合分散させて再利用する。
さらに、瓦廃材を破砕して30%(重量比)以上の粒径が、3〜6mmの範囲内である破砕瓦を骨材として混合分散された廃材利用の漆喰材、及び少なくとも20%(重量比)以上の粒径が、4mm以下である破砕瓦を骨材として混合分散された漆喰材、および前記漆喰材に加水したスラリーを、混練し施工してなる漆喰硬化体を形成する。
【選択図】 なし
Description
硫酸カルシウムには水和形式で、二水石膏(CaSO4・2H2O),半水石膏(CaSO4・1/2H2O),無水石膏(CaSO4)の三種類あるが、通常は二水石膏が用いられている。
昨今、省資源、環境問題が重要視されるようになり、廃棄物の処理方法が再検討されている。 特開平6−142633号では石膏ボード廃材を、240〜360℃で加熱して原紙を炭化させて除去する方法が開示されている。
石膏粉末はセメントに混ぜて使用するなどされてきたが、原紙を含めた石膏ボード廃材の再利用は提唱されていなかった。
瓦廃材を破砕して、セメントの骨材としての再利用は提唱されていた。
「瓦と屋根構造」佐藤滋朗著には、「フィラーとしての砂は、単に岩石が風化した砂でなく、風化した山土が若干含まれた山砂がよく、乾けば良く締まり密着度も強くなる。良質な山砂が得にくい場合は川砂を用いるが、その場合は乾くと良く締まって固まるものの密着性が弱く、山砂を用いた場合よりも早く分解し易い。」と記されている。
また、砂の比重は大きく重いために、砂の混合物である漆喰の比重も大きく重い物になっていた。
屋根瓦を固定するために漆喰を屋根の斜面に盛り上げたり、また壁材として垂直面に塗布する場合に、漆喰の粘度、あるいは下地への接着強度にくらべて塗布量の自重が重いと、盛り上げた漆喰が扁平に変形したり重力でずり落ちたりするため、一回に盛り上げる量や壁に塗布できる厚みが制限されるため、乾燥するのを待って数回に分けて塗布せざるをえないので、作業能率を向上させることは困難であった。
このため、一回に盛り上げる量や塗布できる厚みを厚くするには、漆喰スラリーの粘度を上げ、また接着性を高めるか、あるいは比重が小さく軽い材料を混合して、自重を軽くする必要があった。
漆喰の付着量を多くするためには漆喰への水の添加量が微妙であり、水の添加量が多いと流れ易く、水の添加量が少ないと硬くなるため、いずれの場合も施工し難くなっていた。
まず、家屋の内装に用いられる石膏ボード廃材の両面の原紙を剥離除去し、粉砕した石膏粉末の少なくとも20%(重量比)以上が2mm以下の粒径になるまで粉砕した石膏粉末を得る。 次ぎに、石灰に、ふのり、すさ、樹脂などを混合した混和材に、フィラーとして前記石膏粉末を加え混合分散させて廃材利用の漆喰材を得る。
石膏粉末の粒度は、粉砕方法および時間で決まり、用途に適合した粒度の石膏粉末を用いる。 また、石膏粉末の配合割合も用途に適した割合に配合する。
石膏粉末を多めに添加した場合は、増粘材にニカワ、ふのりなどの天然糊材や、水系アクリル系樹脂や水系ウレタン系樹脂などの合成樹脂を混合させるとよい。
次ぎに、石灰、ふのり、すさ、樹脂などからなる混和材に、前記石膏粉末と原紙のパルプ繊維を加えて混合分散させて廃材利用の漆喰材を得る。
特に、屋根瓦補強用の漆喰材の石膏粒子は粗大粒子でよく、紙のパルプ繊維が長くても構わない。 さらに、多少の鱗片状の紙片が残っていても差し支えない。
また、壁面への塗布や、屋根瓦の敷設に本発明の漆喰を用いることで作業能率が向上し、漆喰の材料費を低減することができる。
さらに、瓦の固定のための屋根土に用いる場合は、瓦と同材質の破砕瓦が骨材として混合されているので、温度サイクルに絶えて長期間にわたり地震や台風に強い効果的な下地材が得られる。
次ぎに、石灰、布海苔、すさ、樹脂などの組成物から成る混和材に、前記の石膏ボード廃材を粉砕した石膏粉をフィラーとして加えて混合分散させて、粉末状の廃材利用の漆喰材を得る。
しかる後、石灰、ふのり、すさ、樹脂などの組成物から成る混和材に、前記の石膏ボード廃材を粉砕した石膏粉末、および紙のパルプ繊維をフィラーとして加えて混合分散させ、粉末状の廃材利用の漆喰材を得る。
次ぎに、前記石膏粉末を、石灰、ふのり、すさ、樹脂などの組成物からなる混和材に、重量比で1:5の割合で混合分散させ、増量された廃材利用の漆喰材を得た。
次いで、石灰、ふのり、すさ、樹脂などからなる混和材に、前記混合材を重量比で10:3の割合で配合し混合分散させて、増量された廃材利用の漆喰材を得た。
また、原紙を含めた石膏ボード廃材の再利用ができ、従来のように原紙を焼却することなく、パルプ繊維を有効に再利用することができる。
また、原紙のパルプ繊維がバインダーとして、漆喰の乾燥硬化時のひび割れを防止して強度を増すことができる。 さらに、廃材石膏ボードを用いて増量するので、材料費も廉価となる。
これにより、屋根瓦の敷設施工に、野地板上に厚く盛り上げて施工することができるので作業効率を向上させることができる。
Claims (7)
- 石灰、ふのり、すさ、樹脂などからなる混和材に、家屋の内装などに用いられる石膏ボード廃材を粉砕した石膏粉末および、あるいはボード両面の原紙を粉砕した紙繊維を混合分散させたことを特徴とする廃材利用の漆喰材。
- 石灰、ふのり、すさ、樹脂などからなる混和材に、家屋の内装などに用いられる石膏ボード廃材を粉砕して混合分散させた漆喰材において、前記石膏ボード廃材を粉砕した石膏粉末の少なくとも20%(重量比)以上が、2mm以下の粒径であることを特徴とする廃材利用の漆喰材。
- 石灰、ふのり、すさ、樹脂などからなる混和材に、家屋の内装などに用いられた石膏ボード廃材および原紙を粉砕して混合分散させた漆喰材において、前記石膏ボード廃材を破砕および粉砕した石膏粉末の少なくとも20%(重量比)以上が、2mm以下の粒径であり、紙のパルプ繊維の少なくとも10%(重量比)以上が、8mm以下の繊維長であることを特徴とする廃材利用の漆喰材。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の漆喰材に、さらに骨材として瓦廃材を粉砕した破砕瓦を混合してなることを特徴とする廃材利用の漆喰材。
- 請求項4に記載の漆喰材において、さらに骨材として瓦廃材を粉砕した破砕瓦の少なくとも30%(重量比)以上の粒径が、3〜6mmの範囲内であることを特徴とする廃材利用の漆喰材。
- 請求項4に記載の漆喰材において、さらに骨材として瓦廃材を粉砕した破砕瓦の少なくとも20%(重量比)以上の粒径が、4mm以下であることを特徴とする廃材利用の漆喰材。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の廃材利用の漆喰材に水を加えたスラリーを混練し、施工してなる廃材利用の漆喰硬化体。
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JP2004163823A JP2005314200A (ja) | 2004-04-30 | 2004-04-30 | 廃材利用の漆喰材、およびその硬化体 |
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- 2004-04-30 JP JP2004163823A patent/JP2005314200A/ja active Pending
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