JP2005313716A - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車載装置の衝突予備動作後、衝突が検知されない場合に、車載装置を衝突予備動作前の状態に自動的に復帰させる乗員保護装置を提供する。
【解決手段】 衝突を予知するための衝突予知手段と、衝突を検出する衝突検知手段と、衝突予知手段からの出力に基づいて車載装置の衝突予備動作の制御を行う制御手段と、車載装置の衝突予備動作前の状態を記憶する記憶手段とを備え、制御手段は、車載装置を衝突予備動作させた後、衝突検知手段からの出力に基づいて衝突回避したと判断及び/又は衝突予知が誤判断と判断した場合に、車載装置を記憶手段に記憶した衝突予備動作前の状態に戻す復帰制御を行う。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車両の乗員保護装置に関する。
衝突事故時の乗員の安全性を高めるための技術として、他の車両等の障害物との衝突を予知し、衝突回避不可能であると判断したとき、衝突前に、シートベルトやシート、サイドウィンドウ等を制御する衝突予備動作を行うものがある。例えば、衝突を予知し衝突回避不可能であると判断したときに、シートバックの傾斜角度を予め設定した所定の範囲の傾斜角度に動作させる乗員保護装置がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−334437号公報
しかし、レーダ等を用いて障害物を検知する場合、すれ違う対向車両やコーナー入口の路側物等を検知して誤判断することがある。特許文献1の装置は、このように衝突予知手段が誤判断した場合にも、シートやサイドウィンドウ等の車載装置の衝突予備動作を実施する。また、衝突予備動作後、車載装置を元の状態に復帰させることについて考慮されていない。このため、特に、誤判断時は、車両の乗員が、衝突予備動作した車載装置を手動で元の状態に戻さなければならず、わずらわしさを伴っている。また、衝突回避不可能と判断された後、障害物との衝突を回避したときにも、車両の乗員が、衝突予備動作した車載装置を手動で元の状態に戻さなければならなかった。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車載装置の衝突予備動作後、衝突が検知されない場合に、車載装置を衝突予備動作前の状態に自動的に復帰させる乗員保護装置を提供する点にある。
〔特徴構成1〕
この目的を達成するための本発明に係る車両の乗員保護装置の第一特徴構成は、衝突を予知するための衝突予知手段と、衝突を検出する衝突検知手段と、前記衝突予知手段からの出力に基づいて車載装置の衝突予備動作の制御を行う制御手段と、前記車載装置の衝突予備動作前の状態を記憶する記憶手段とを備え、前記制御手段は、前記車載装置を衝突予備動作させた後、前記衝突検知手段からの出力に基づいて衝突回避したと判断及び/又は衝突予知が誤判断と判断した場合に、前記車載装置を前記記憶手段に記憶した衝突予備動作前の状態に戻す復帰制御を行う点にある。
即ち、上記第一特徴構成によれば、衝突回避したと判断及び/又は衝突予知が誤判断と判断したときに、衝突予備動作を行った車載装置を自動的に衝突予備動作前の状態に戻すので、乗員が手動で車載装置を元の状態に戻す必要がなくなる。このため、衝突予知が誤判断の場合や衝突を回避した時に、運転を継続することができ、乗員のわずらわしさを解消することができる。
〔特徴構成2〕
同第二特徴構成は、前記制御手段は、前記衝突予知手段からの出力に基づいて求められた衝突予測時間経過後、若しくは、前記衝突予測時間から所定時間経過後までに、前記衝突検知手段から衝突信号が出力されない場合に、衝突回避したと判断及び/又は衝突予知が誤判断と判断する点にある。
ここでの所定時間は、衝突予測時間の算出誤差や、車両の速度やブレーキ操作等によって衝突予測時刻が変化すること等を考慮して、確実に衝突回避した及び/又は衝突予知が誤判断と判断できる時間を設定する。このように構成することにより、衝突回避判断の信頼性を向上させることができる。
〔特徴構成3〕
同第三特徴構成は、前記制御手段は、前記衝突予知手段からの出力に基づいて求められた衝突予測時間経過後、若しくは、前記衝突予測時間から所定時間経過後までに、前記衝突検知手段から衝突信号が出力されず、ブレーキ操作の検出信号が検出されない場合に、衝突回避したと判断及び/又は衝突予知が誤判断と判断する点にある。
ここでのブレーキ操作の検出信号は、例えば、ブレーキ圧を観測して、急ブレーキをかけたと判断したときに出力し、通常のブレーキ操作の場合には出力しないように構成する。
即ち、本特徴構成によれば、衝突予測時間だけでなく、ブレーキ操作の検出信号に基いて衝突回避を判断する。衝突予知が誤判断であった場合には、衝突信号及びブレーキ操作の検出信号の何れも出力されないといえるため、より正確に衝突回避判断を実施でき、信頼性を向上させることができる。
以下、本発明に係る車両の乗員保護装置(以下、適宜「本発明装置」と略称する)の第一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る車両の乗員保護装置の構成を示している。本発明装置は、衝突を予知するための衝突予知手段としてのプリクラッシュセーフティコンピュータ3(以下、PCSセーフティコンピュータ3)と、衝突を検出する衝突検知手段としてのエアバッグセンサ4と、衝突予知手段からの出力に基づいて車載装置の衝突予備動作の制御を行う制御手段と、車載装置の衝突予備動作前の状態を記憶する記憶手段としてのメモリ8a、9a、10aとを備えている。
PCSセーフティコンピュータ3は、ミリ波レーダ2を用いて、他の車両等の障害物との衝突の判断を行い、衝突回避不能と判断した場合に、プリクラッシュ信号(以下、PCS信号)を出力する。ミリ波レーダ2は、障害物との距離及び相対速度を検出し、障害物との距離情報及び相対速度情報をPCSセーフティコンピュータ3に出力する。ここで、図2は、障害物との距離情報及び相対速度情報と、衝突回避不能領域との関係を示している。PCSセーフティコンピュータ3は、例えば、図2に示すようなマップを有しており、ミリ波レーダ2から取得した距離情報及び相対速度情報が、当該マップの衝突回避不能領域に在る間、衝突回避不能と判断して、PCS信号を出力する。距離情報及び相対速度情報が衝突回避不能領域外となったときは、PCS信号の出力を停止する。
エアバッグセンサ4は、衝突を検知したとき、つまり、エアバッグが展開されたときに、衝突信号を出力する。
制御手段は、各車載装置の衝突予備動作の制御及び復帰制御を行う。本実施形態の制御手段は、シートベルトの巻回を制御するシートベルトコントロールコンピュータ7、シートの位置及びシートバックの傾斜角度を制御するシートコントロールコンピュータ8、サイドウィンドウの開閉を制御するサイドウィンドウコントロールコンピュータ9、及び、サンルーフの開閉を制御するサンルーフコンピュータ10を備えている。
シートベルトコントロールコンピュータ7は、PCS信号を受信すると、プリクラッシュシートベルトアクチュエータ11を制御し、シートベルトを巻取る衝突予備動作を行う。尚、図1では省略しているが、シートベルトコントロールコンピュータ7及びプリクラッシュシートベルトアクチュエータ11は、シート毎に設けられており、助手席16、後席右17、後席左18にも夫々設けられている。
シートコントロールコンピュータ8は、メモリ8aを備えており、PCS信号を受信すると、プリクラッシュシートアクチュエータ12を制御して、シートの位置及びシートバックの傾斜角度を予め設定した適正範囲内に入るように動作させる衝突予備動作を行う。復帰制御時には、メモリ8aに記憶した衝突予備動作前の位置にシートをスライドさせ、シートバッグの傾斜角度を衝突予備動作前の角度に戻す。尚、図1では省略しているが、シートコントロールコンピュータ8及びプリクラッシュシートアクチュエータ12は、シート毎に設けられており、助手席16、後席右17、後席左18にも夫々設けられている。
サイドウィンドウコントロールコンピュータ9は、メモリ9aを備えており、PCS信号を受信すると、サイドウィンドウの開き量を評価し、一定量以上開いている場合に、ウィンドウレギュレータアクチュエータ13を制御してサイドウィンドウの閉じ動作を行う。このとき、サイドウィンドウは全閉状態になるまで閉動作させる。復帰制御時には、ウィンドウレギュレータアクチュエータ13を制御して、メモリ9aに記憶した開位置までサイドウィンドウを開き動作させる。尚、図1では省略しているが、サイドウィンドウコントロールコンピュータ9及びウィンドウレギュレータアクチュエータ13は、サイドウィンドウ毎に設けられており、助手席16、後席右17、後席左18にも夫々設けられている。
サンルーフコンピュータ10は、メモリ10aを備えており、PCS信号を受信すると、サンルーフの開き量を評価し、一定量以上開いている場合に、サンルーフアクチュエータ14を制御してサンルーフを全閉状態になるまで閉動作させる。復帰制御時には、メモリ10aに記憶した開位置までサンルーフを開き動作させる。
制御手段による衝突予備動作及び復帰制御について、図3を基に説明する。ここでは、衝突の可能性が高いことを示すPCS作動フラグを設定している。
制御手段は、先ず、マニュアルスイッチ(以下、マニュアルSW)が操作されているかを確認する(#101)。マニュアルSWが操作されているときは、マニュアル作動処理を行い(#102)、PCS作動フラグをOFFに設定し(#103)、その後ステップ#101に移行する。
ステップ#101においてマニュアルSWが操作されていない場合には、車載装置の現在の状態をメモリ8a、9a、10aに記憶する(#104)。本実施形態では、各シートの前後スライド位置及びシートバックの傾斜角度、各サイドウィンドウの開き量及びサンルーフの開き量をメモリ8a、9a、10aに記憶する。
続いて、制御手段は、PCS作動フラグがONであるかOFFであるかを確認する(#105)。ステップ#105において、PCS作動フラグがOFFのときは、PCS信号が出力されているか否かを確認し(#106)、PCS信号が検出されないときは、ステップ#101に移行する。ステップ#106において、PCS信号が検出されたときは、PCS作動フラグをONに設定する(#107)。ステップ#105において、PCS作動フラグがONの場合には、PCS信号が出力されているか否かを確認する(#114)。
ステップ#107の実行後、若しくは、ステップ#114においてPCS信号が検出された場合、制御手段は、車載装置の衝突予備動作の制御を行う。即ち、先ず、制御手段は、各車載装置が所定の適正状態に達しているかを判断する(#108)。各車載装置が適正状態に達していれば衝突予備動作を停止させ(#109)、適正状態に達していなければ衝突予備動作を開始若しくは継続させる(#110)。例えば、ステップ#108において、シートの前後スライド位置及びシートバックの傾斜角度が予め設定した適正範囲内にある場合には、シートのスライド動作及びシートバックの傾斜角度の変更動作を停止する。これに対し、シートの前後スライド位置及びシートバックの傾斜角度が、所定の適正範囲内に無い場合に、適正範囲内に入るようにシートのスライド動作及びシートバックの傾斜角度の変更動作を開始若しくは継続する。
続いて、制御手段は、エアバッグセンサ4から衝突信号が出力されたか否かを確認する(#111)。衝突信号が検出されなかった場合には、急ブレーキ信号が出力されたか否かを確認する(#112)。本実施形態では、急ブレーキ信号は、スキッドコントロールコンピュータ6により、ブレーキアクチュエータ5のブレーキ圧を観測し、急ブレーキをかけたと判断したときに出力される。ステップ#111において衝突信号が検出された場合、若しくは、ステップ#112において急ブレーキ信号が検出された場合には、PCS作動フラグをOFFに設定する(#113)。ステップ#113実行後、若しくは、ステップ#112において急ブレーキ信号が検出されない場合、ステップ#114に移行する。
ステップ#114において、PCS信号が検出されない場合、PCS作動フラグがONであるかOFFであるかを確認する(#115)。PCS作動フラグがONの場合には、衝突を回避したと判断し、復帰制御を行う。制御手段は、メモリ8a、9a、10aから各車載装置の衝突予備動作前の状態を読出し(#116)、車載装置の現在の状態とメモリ8a、9a、10aに記憶された衝突予備動作前の状態とを比較する(#117)。車載装置の現在の状態がメモリ8a、9a、10aに記憶された衝突予備動作前の状態と異なるときは、復帰制御を開始若しくは継続し(#118)、その後、ステップ#114に移行する。ステップ#117において、車載装置の現在の状態がメモリ8a、9a、10aに記憶された衝突予備動作前の状態と同じである場合には、復帰制御を停止し(#119)、PCS作動フラグをOFFに設定して(#120)、ステップ#101に移行する。
ステップ#115において、PCS作動フラグがOFFの場合には、ステップ#101に移行する。
次に、本発明に係る車両の乗員保護装置の第二実施形態について図4を基に説明する。
上述した第一実施形態では、PCS信号が検出されている間、つまり、実際に衝突回避不能と判断されている間、衝突信号及び急ブレーキ信号の検出を行うが、本実施形態では、PCSセーフティコンピュータ3からの出力に基づいて求められた衝突予測時間経過後、若しくは、衝突予測時間から所定時間経過後までに、エアバッグセンサ4から衝突信号が出力されない場合に、衝突を回避したと判断する。尚、衝突信号と共に、ブレーキ操作の検出信号を確認し、衝突信号の検出されず、急ブレーキ信号が検出されないときに衝突回避したと判断する構成にするのも好ましい実施態様である。
本実施形態の制御手段は、ステップ#107の実行後、及び、ステップ#114においてPCS信号が検出された後に、衝突予測時間を算出し、タイマーをセットする(#121)。衝突予測時間の算出は、PCSセーフティコンピュータ3から障害物との距離情報及び相対速度情報を取得すると共に、車速センサ(図示せず)から車両1の速度を取得して行う。
更に、本実施形態の制御手段は、ステップ#114においてPCS信号が検出されなかった場合に、タイマーを確認し、衝突予測時間若しくは衝突予測時間から所定時間経過したか否かを判定する(#122)。そして、衝突予測時間若しくは衝突予測時間から所定時間経過している場合には、ステップ#115に移行する。ここで、衝突予測時間は変化することから、衝突予測時間若しくは衝突予測時間から所定時間経過していない場合には、ステップ#121に移行し、再度衝突予測時間の算出及びタイマーのセットを行う。これによって、衝突予測時間の変化に対応することができる。
本実施形態では、衝突予測時間若しくは衝突予測時間から所定時間経過するまで衝突信号及びブレーキ操作の検出信号の検出を実施するので、衝突回避の判断の信頼性を向上させることができる。
本発明に係る車両の乗員保護装置の構成図 障害物との距離及び相対速度と衝突回避判断との関係図 第一実施形態の制御例を示すフロー図 第二実施形態の制御例を示すフロー図
符号の説明
1 車両
2 ミリ波レーダ
3 プリクラッシュセーフティコンピュータ
4 エアバッグセンサ
5 ブレーキアクチュエータ
6 スキッドコントロールコンピュータ
7 シートベルトコントロールコンピュータ
8 シートコントロールコンピュータ
9 サイドウィンドウコントロールコンピュータ
10 サンルーフコンピュータ
11 プリクラッシュシートベルトアクチュエータ
12 プリクラッシュシートアクチュエータ
13 ウィンドウレギュレータアクチュエータ
14 サンルーフアクチュエータ

Claims (3)

  1. 衝突を予知するための衝突予知手段と、衝突を検出する衝突検知手段と、前記衝突予知手段からの出力に基づいて車載装置の衝突予備動作の制御を行う制御手段と、前記車載装置の衝突予備動作前の状態を記憶する記憶手段とを備え、
    前記制御手段は、前記車載装置を衝突予備動作させた後、前記衝突検知手段からの出力に基づいて衝突回避したと判断及び/又は衝突予知が誤判断と判断した場合に、前記車載装置を前記記憶手段に記憶した衝突予備動作前の状態に戻す復帰制御を行う車両の乗員保護装置。
  2. 前記制御手段は、前記衝突予知手段からの出力に基づいて求められた衝突予測時間経過後、若しくは、前記衝突予測時間から所定時間経過後までに、前記衝突検知手段から衝突信号が出力されない場合に、衝突回避したと判断及び/又は衝突予知が誤判断と判断する請求項1に記載の車両の乗員保護装置。
  3. 前記制御手段は、前記衝突予知手段からの出力に基づいて求められた衝突予測時間経過後、若しくは、前記衝突予測時間から所定時間経過後までに、前記衝突検知手段から衝突信号が出力されず、ブレーキ操作の検出信号が検出されない場合に、衝突回避したと判断及び/又は衝突予知が誤判断と判断する請求項1に記載の車両の乗員保護装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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