JP2005313211A - 鋼/アルミニウムの接合構造体 - Google Patents

鋼/アルミニウムの接合構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】 脆弱なAl-Fe二元合金層に起因する継手強度の低下を抑え、継手強度の高い鋼/アルミニウムの接合構造体を得る。
【解決手段】 溶融アルミニウムめっき鋼板にアルミニウム又はアルミニウム合金をスポット溶接で積層した接合構造体であり、溶融アルミニウムめっき鋼板がSi:3〜12質量%,Fe:0.5〜3質量%,残部実質的にAlのめっき層を表面に形成しており、スポット溶接で形成されたナゲットの平均Fe,Si濃度がアルミニウム又はアルミニウム合金のFe,Si含有量よりも共に0.1質量%以上高くなっている。好ましくは、めっき層の厚さを5μm以上とし、平均厚さ0.2μm以上のAl-Fe-Si三元合金層を接合界面に存在させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミニウム材料の優れた軽量性,耐食性と鋼材の優れた機械強度を兼ね備えた鋼/アルミニウムの接合構造体に関する。
アルミニウム,アルミニウム合金等のアルミニウム材料は、軽量で耐食性に優れていることを活用し種々の分野で使用されているが、強度が要求される用途では厚肉化によって要求強度を満足させている。しかし、厚肉化はアルミニウム材料の長所である軽量性が損ない、コンパクトな設計に対応する構造部材としても適当でない。機械強度の良好な鋼材をアルミニウム材料と積層するとき、厚肉化の要なく必要強度が得られる。
アルミニウム材料と鋼材との積層には、ボルトナット,リベット,嵌め合せ等の機械的結合法が採用されてきたが、機械的結合法では優れた継手が得られがたく、生産性も低い。アルミニウム材料/鋼材の溶接接合が可能になると、機械的結合法に比較して生産性が格段に高く、良好な特性をもつ鋼/アルミニウムの接合構造体が得られる。ところが、通常の溶融接合法で鋼材,アルミニウム材料を接合すると、非常に脆弱な金属間化合物が接合界面に多量生成し継手強度が著しく低下する。
金属間化合物は、鋼材,アルミニウム材料の原子が界面で相互拡散反応することにより生成する。特許文献1では、拡散反応を律則する反応温度,時間等を摩擦溶接時に適正管理することにより金属間化合物の生成を抑えている。しかし、摩擦溶接による接合であることから、継手設計に工夫を要し、接合工程を簡略化する上では改善の余地がある。スポット溶接の適用も検討されており、特許文献2では溶融アルミニウムめっき鋼板をアルミニウム材料に抵抗溶接する方法を紹介している。
溶融アルミニウムめっき鋼板は、表層に溶融アルミニウムめっき層があることから接合時にアルミニウム材料と同様な挙動を示すと考えられがちである。しかし、接合界面は、スポット溶接時にAlの融点(660℃)を超える高温に加熱される。高温加熱で生成した溶融Alに下地鋼/めっき層界面のAl−Fe−Si三元合金層からFe,Si等が拡散するが、溶接時の冷却過程でFeが再析出し、拡散係数の大きなSiはめっき層全体に分散される。その結果、冷却後の接合界面を観察すると接合界面全域に脆弱なAl−Fe二元合金層が生成したナゲットが検出され、継手強度も著しく低い。
継手強度に及ぼすAl−Fe二元合金層の悪影響を抑制するため、特許文献3では接合界面に占める金属間化合物の割合を規制している。金属間化合物の生成抑制には、溶融アルミニウムめっき鋼板を正極側,アルミニウム材料を負極側にしてスポット溶接時の発熱を溶融アルミニウムめっき鋼板に偏らせる方法を採用しているが、依然として金属間化合物の多量生成が避けられない。
特開2003−33885号公報 特開平6−39588号公報 特開2003−145278号公報
本発明は、このような問題を解消すべく案出されたものであり、スポット溶接時の高温加熱で形成されるAl-Fe二元合金層が継手強度に及ぼす影響の調査・検討する過程で得られた知見をベースとし、めっき層組成及びナゲットのFe,Si濃度を規制することにより、接合部を硬質化して継手強度の高い鋼/アルミニウムの接合構造体を提供することを目的とする。
本発明は、溶融アルミニウムめっき鋼板にアルミニウム又はアルミニウム合金をスポット溶接で積層した接合構造体であり、溶融アルミニウムめっき鋼板がSi:3〜12質量%,Fe:0.5〜5質量%,残部:実質的にAlのめっき層を表面に形成しており、スポット溶接で形成されたナゲットの平均Fe,Si濃度がアルミニウム又はアルミニウム合金のFe,Si含有量よりも共に0.1質量%以上高くなっていることを特徴とする。
溶融アルミニウムめっき鋼板としては、厚さ5μm以上の溶融アルミニウムめっき層が形成されためっき鋼板が好ましい。相手材には、好ましくはFe濃度を1.0質量%以下に規制したアルミニウム材料が使用され、Mg:0.1〜6.0質量%,Si:3.0質量%以下を含むアルミニウム合金も使用可能である。
ナゲットの平均Fe,Si濃度は、めっき層組成,アルミニウム材料のFe,Si規制,溶接条件の制御等によってアルミニウム材料のFe,Si含有量よりも共に0.1質量%以上高く維持される。また、接合界面に平均厚さ0.2μm以上のAl-Fe-Si三元合金層が存在すると、継手強度が向上する。
溶融アルミニウムめっき鋼板,アルミニウム材料を重ね合わせてスポット溶接すると、高温加熱された接合部のアルミニウム材料,溶融アルミニウムめっき層が溶融し、相互拡散反応によって融合する。生成した溶融Alに溶融アルミニウムめっき層,下地鋼が溶け込むので、アルミニウム材料の母材部に比較してFe濃度が高くなったナゲットが形成される。めっき層/下地鋼の界面に生成しているAl-Fe-Si三元合金層が溶融Alに溶け込むことも、Fe濃度上昇の一因である。
Feの濃化によってナゲットが硬質化するものの、継手強度を低下させる脆弱なAl-Fe二元合金層が接合界面に生じやすくなる。すなわち、スポット溶接時に溶融Alが急冷されナゲット8となるとき、溶融AlからFeが接合界面に再析出し、脆弱なAl-Fe二元合金層7が生成する(図1)。Al-Fe二元合金層7が接合界面全域に成長すると継手強度が極端に低下し、僅かな応力で接合界面が破壊され溶融アルミニウムめっき鋼板からアルミニウム材料2が分離する。
本発明者等は、継手強度に有害なAl-Fe二元合金層の生成条件を調査・検討した結果、Alめっき層の組成,ナゲットの平均Fe,Si濃度がAl-Fe二元合金層の生成抑制に重要な要件であることを見出した。すなわち、めっき層をSi:3〜12質量%,Fe:0.5〜5質量%を含む組成とし、アルミニウム材料の母材部に比較してナゲットの平均Fe,Si濃度を共に0.1質量%以上高く設定するとき、Al-Fe二元合金層の生成が抑えられ、継手強度の高い接合構造体となることを見出した。
めっき層の組成及びナゲットの平均Fe,Si濃度が継手強度の向上に及ぼす影響は次のように推察され、後述の実施例でも支持される。
Si:3〜12質量%,Fe:0.5〜5質量%を含むめっき層4が設けられた溶融アルミニウムめっき鋼板1をアルミニウム材料2と重ね合わせ、電極3を押し付けてスポット溶接したときに形成される接合界面には、継手強度に有害なAl-Fe二元合金層7の他に下地鋼5,アルミニウム材料2に対して接合力のあるAl-Fe-Si三元合金層6も形成される(図2)。接合界面に占めるAl-Fe-Si三元合金層6の割合が多くなるほど、継手強度が高くなることが予想される。
Al-Fe-Si三元合金層の十分な生成には、下地鋼から溶融Alに溶出するFe,Si量だけでは足りないので、めっき層のFe,Si含有量を高め、めっき層から接合界面にFe,Siを補給する。特に拡散係数の大きなSiに関しては、めっき層のSi含有量を3質量%以上と高く設定し、Al-Fe-Si三元合金層の生成に必要なSi量を確保する。
めっき層組成の調整は、Al-Fe-Si三元合金層の生成を促進させるばかりでなく、溶融AlのFe,Si濃度を高くすることにも働く。Fe,Si濃度が高い溶融Alの急冷でできたナゲットは、Fe,Siの固溶強化及び急冷効果によって硬質化し、高い継手強度を示す。しかも、脆弱なAl-Fe二元合金層の生成が抑えられているため、信頼性の高い継手強度をもつ接合構造体が得られる。
めっき原板には、低炭素鋼,中炭素鋼,低合金鋼,ステンレス鋼等があり、用途に応じてSi,Mn,Cr,Ni等を添加した鋼種が使用される。なかでも、Al-Feの相互拡散を抑制するNを0.002〜0.020質量%添加しためっき原板が好ましい。
めっき原板を溶融アルミニウムめっき浴に浸漬して引き上げると、めっき原板に随伴して溶融めっき浴から持ち上げられた溶融めっき金属が凝固して溶融アルミニウムめっき層を形成する。溶融アルミニウムめっき層の厚みは、引上げ直後の鋼帯に対するワイピングガス吹付け等の付着量制御によって調整されるが、厚膜にするほどAl-Fe二元合金層の成長が遅延するので5μm以上にすることが好ましい。
接合強度の高い鋼/アルミニウムの接合構造体を得るため、溶融アルミニウムめっき層に含まれるSi,Fe濃度を、下地鋼/溶融アルミニウムめっき層の界面に形成される合金層を含まない値としてそれぞれSi:3〜12質量%,Fe:0.5〜5質量%に規制する。過剰量のSiを含むめっき層では溶融アルミニウムめっき鋼板の加工性が損なわれるので、Si濃度の上限を12質量%に規制している。溶接以外の特性向上が必要な場合、Al-Feの相互拡散反応に大きな影響を及ぼさないTi,Sr,B,Cr,Mn,Zn等の元素を溶融アルミニウムめっき層に適宜含ませることができる。
N:0.002〜0.020質量%を含む鋼板をめっき原板として溶融アルミニウムめっきした後、特定条件下で加熱処理すると溶融めっき時に生成した合金層と下地鋼の界面にN濃縮層が生成する。濃縮層のN含有量が3.0原子%以上になるとAl-Feの相互拡散が著しく抑制され、鋼/アルミニウム接合構造体として好適な溶融アルミニウムめっき鋼板が得られる。N濃縮層によるAl-Feの相互拡散抑制作用は、溶融めっき後の加熱処理条件を一定にすると下地鋼のN含有量が多くなるほど向上する。しかし、0.02質量%を超える過剰量のNを含む場合、めっき原板自体の製造性が低下する。
相手材のアルミニウム材料は、材質に特段の制約が加わるものではないが、展伸材である限り大半のアルミニウム又はアルミニウム合金を使用できる。アルミニウム材料に含まれるFeも、溶融アルミニウムめっき層と同様にAl-Fe二元合金層の生成・成長を抑制する作用を呈するが、下地鋼/溶融アルミニウムめっき層の界面反応であるAl-Fe二元合金層の生成・成長に関しては溶融アルミニウムめっき層中のFeに比較して遥かに影響が小さい。したがって、アルミニウム材料自体の耐食性,加工性等を考慮してアルミニウム材料のFe濃度を1.0質量%以下に規制することが好ましい。
アルミニウム合金は、3.0質量%以下,特に1質量%前後のSi及び0.1〜1.5質量%のMgを添加し、時効処理等の熱処理で微細なMg2Siを析出させると必要強度が付与される。Mg2Si析出による強度向上を図る上では、Si含有量の下限を0.1質量%に設定することが好ましい。1.5〜6.0質量%のMgを添加すると、固溶強化によっても高い強度が得られる。このような効果は0.1〜6.0質量%のMg,3.0質量%以下のSiでみられ、要求強度に応じてMg,Si含有量が定められる。しかし、6質量%を超える過剰量のMgが含まれるとスポット溶接時に欠陥が発生しやすくなり、3.0質量%を超える過剰量のSiが含まれるとアルミニウムマトリックスに粗大な析出物又は晶出物が生成して接合強度が低下する場合がある。
接合構造体は、所定サイズに裁断された溶融アルミニウムめっき鋼板,アルミニウム材料を重ね合わせ、所定ピッチでスポット溶接することにより製造される。接合構造体に形成されるナゲットのFe,Si濃度は、溶融アルミニウムめっき層の厚さ,溶接電流,通電時間,電極形状の組合せに応じて変わる。ナゲットへのFe,Si供給源となる溶融アルミニウムめっき層が厚いほど、ナゲットのFe,Si濃度が上昇する。たとえば、先端径75mmの銅合金チップを用いて溶接電流:25kA,通電時間:12サイクルの条件でスポット溶接すると、膜厚:5μm以上の溶融アルミニウムめっき層ではナゲットの平均Fe,Si濃度がアルミニウム合金のFe,Si含有量よりも共に0.1質量%以上高くなり、良好な接合強度が得られる。得られた接合構造体には、ナゲット径に対して5%以上の線分率でAl-Fe-Si三元合金層が存在し、著しい強度低下を招くAl-Fe二元合金層のない接合界面が形成される。
C:0.04質量%,Si:0.01質量%,Mn:0.20質量%,P:0.01質量%,S:0.007質量%,Al:0.010質量%,N:120ppmを含む板厚1.0mmの冷延鋼板にSi:9.2質量%,Fe:1.8質量%を含む膜厚:3.2〜58.1μmの溶融アルミニウムめっき層を形成した後、450℃×15時間のポスト加熱で下地鋼/めっき層界面にNを5原子%濃化させた溶融アルミニウムめっき鋼板を一方の被接合材に使用した。該溶融アルミニウムめっき鋼板では、Al−10.9質量%Si−35.8質量%FeのAl−Fe−Si三元合金層が下地鋼/めっき層界面に生成していた。
相手材には、Si:0.11質量%,Fe:0.25質量%,Mg:5.52質量%,Cu:0.35質量%,Cr:0.02質量%,Zn:0.01質量%,残部Alで板厚1.0mmのアルミニウム合金板を使用した。
溶融アルミニウムめっき鋼板,アルミニウム合金板から切り出した試験片を脱脂・洗浄した後、重ね合わせてスポット溶接用の電極間に挟み込み、3kNの圧力を加えた。電極には径:16mm,先端アール:75mmの銅合金チップを用い、溶接電流:25kA,通電時間:12サイクルの条件でスポット溶接した。
作製された接合構造体の接合強度を引張り剪断試験及び十字引張試験で測定した。
ナゲットのFe,Si濃度は、エネルギー分散走査型電子顕微鏡(SEM/EDX)により1.5mm2の面積をランダムに10ヶ所定量分析し、分析値を平均化して求めた。ナゲットを除くアルミニウム合金母材の組成も、同様な定量分析によって求めた。
また、ナゲットの半径方向に沿ってAl−Fe−Si三元合金層の長さを測定し、ナゲット径に対する比を線分率として算出した。
表1の試験結果にみられるように、ナゲットの平均Fe又はSi濃度がアルミニウム合金板のFe又はSi含有量に比べて0.1質量%以上増加している接合構造体(本発明例)は、引張り剪断強度:3.2kN以上,十字引張り強度:1.2kN以上と良好な接合強度をもっていた。また、ナゲット径の5%以上の線分率でAl-Fe-Si三元合金層が接合界面に生成していることが確認された。
他方、アルミニウム合金板のFe又はSi含有量に比較してナゲットの平均Fe又はSi濃度の増加量が0.1質量%に達しない接合構造体(比較例)では、ナゲット径に対するAl-Fe-Si三元合金層の線分率が2%にも満たず、ほぼ全域がAl-Fe二元合金層になっている合金層が接合界面に生成していた。その結果、引張り剪断強度:2.3kN以下,十字引張り強度:0.8kN以下と接合強度に劣っていた。低い接合強度は、スポット溶接に用いた溶融アルミニウムめっき鋼板のめっき層が5μm未満と薄く、スポット溶接時に生成するAl-Fe二元合金層の成長を抑制できなかったことに原因があると推察される。
Figure 2005313211
C:0.05質量%,Si:0.1質量%,Mn:0.25質量%,P:0.012質量%,S:0.006質量%,Al:0.006質量%を含む冷延鋼板を溶融アルミニウムめっきした。溶融アルミニウムめっきでは、溶融アルミニウムめっき層のSi含有量が1.8質量%,3.5質量%,9.2質量%の三水準、Fe含有量が0.2〜0.3質量%,0.7〜0.9質量%,1.8〜2.3質量%,3.9〜4.5質量%,5.5〜6.1質量%の五水準となるように溶融アルミニウム浴の組成,溶融めっき条件を調整した。
相手材には、Si:0.10質量%,Fe:0.22質量%,Mg:2.67質量%,Cu:0.01質量%,Cr:0.19質量%,Mn:0.02質量%,Zn:0.01質量%,残部Alで板厚1.0mmのアルミニウム合金板を使用した。
溶融アルミニウムめっき鋼板,アルミニウム合金板から切り出した試験片を脱脂・洗浄した後、交流スポット溶接機(60Hz)でスポット溶接した。溶接条件としては、径:16mm,先端アール:75mmの銅合金チップを電極に用い、溶接電流を21kA,通電時間を12サイクルに設定した。
作製された接合構造体の接合強度を引張り剪断試験及び十字引張試験で測定すると共に、ナゲットのFe,Si濃度を実施例1と同様に測定した。
表2の試験結果に見られるように、溶融アルミニウムめっき層のFe,Si濃度が適正範囲(Si:3〜12質量%,Fe:0.5〜5質量%)に維持されると、引張り剪断強度:3.3kN以上,十字引張り強度:1.3kN以上と接合強度の高い接合構造体が得られた。良好な接合強度を示す接合構造体では、アルミニウム合金母材のFe,Siに比較してナゲットの平均Fe,Si濃度が0.1質量%以上高くなっていた。接合界面には、平均厚さ0.2μm以上のAl-Fe-Si三元合金層が存在していた。
他方、Fe,Si濃度が低いと、Al-Fe-Si三元合金層が接合界面にほとんど存在せず、アルミニウム合金母材のFe,Siに比較してナゲットの平均Fe,Si濃度の増加量が0.1質量%未満に留まっていた。
逆に、ナゲットのFe,Si濃度が高すぎる接合構造体では、Al-Fe-Si三元合金層が厚いものの接合強度が低い値であった。低い接合強度は、溶接部のFe,Si濃度が高すぎたため脆性的な破壊が生じた結果と推察される。
Figure 2005313211
以上に説明したように、本発明の接合構造体は、めっき層の組成及びナゲットのFe,Si濃度を規制することにより、鋼/アルミニウムの接合界面における脆弱なAl-Fe二元合金層の生成・成長を抑え、Al-Fe-Si三元合金層を接合界面に生成させている。しかも、ナゲットのFe,Si濃度を高くしているので、継手が硬質化される。そのため、鋼材,アルミニウム材料が強固に接合され、アルミニウム材料,鋼材の長所を活かした接合構造体として、車輌構造体,熱交換器等、種々の構造部材に使用される。
普通鋼板にアルミニウム合金板をスポット溶接したときの接合部断面を示す模式図 溶融アルミニウムめっき鋼板にアルミニウム合金板をスポット溶接したときの接合部断面を示す模式図
符号の説明
1:溶融アルミニウムめっき鋼板 2:アルミニウム材料 3:電極 4:溶融アルミニウムめっき層 5:下地鋼 6:Al-Fe-Si三元合金層 7:Al-Fe二元合金層 8:ナゲット

Claims (3)

  1. 溶融アルミニウムめっき鋼板にアルミニウム又はアルミニウム合金をスポット溶接で積層した接合構造体であり、溶融アルミニウムめっき鋼板がSi:3〜12質量%,Fe:0.5〜5質量%,残部:実質的にAlのめっき層を表面に形成しており、スポット溶接で形成されたナゲットの平均Fe,Si濃度がアルミニウム又はアルミニウム合金のFe,Si含有量よりも共に0.1質量%以上高くなっていることを特徴とする鋼/アルミニウムの接合構造体。
  2. めっき層の厚さが5μm以上である請求項1記載の接合構造体。
  3. 平均厚さ0.2μm以上のAl-Fe-Si三元合金層が接合界面に存在している請求項1記載の接合構造体。
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