JP2005312361A - 農作物の管理方法と管理装置 - Google Patents

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泰久 堀口
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Abstract

【課題】
本発明では、上記のような課題により、農薬を使用せずに、農作物に寄生する害虫(成虫、幼虫、さなぎ、卵など)を駆除するための方法や装置を提供することを目的としている。
【解決手段】
給水手段と、給水手段の水を農作物に噴出するための散水ホースと、散水ホースの先端に取り付けた散水ノズルと、給水手段の水を散水ノズルへ送るときに圧力をかける高圧ポンプとより構成し、散水ノズルより水を農作物へ噴出して、農作物に接近、付着する害虫を駆除する農作物の管理装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、農作物の害虫の駆除をして畑を管理するための方法と装置に関するものである。
従来の農作物の害虫を駆除する方法は、農薬を農作物に散布するのが一般的である。最近では、天敵を利用して駆除する方法もあるが、全ての害虫を駆除することができるものではない。
茶園の場合を例にすると、茶園防除機は、多数のものがある(例えば、特許文献1、2参照)。これらは、茶畝を跨いだ機体に薬液タンクをのせ、機体後部に薬液散布用の噴霧ノズルのついた散布装置を取付けて、ポンプによって噴霧ノズルから薬液を噴出させることによって霧状にし、茶樹の表面に薬液を散布し、防除を行なっている。果実や野菜などの農作物も、霧状にした薬液を農作物に散布して防除を行なう方法が一般的である。
特開2003−265088号公報 特開平11−299409号公報
近年、農薬の過剰な使用により、残留農薬による人体への悪影響の危険性が社会問題にもなり、トレーサビリティーなどで管理しているものもあるため、無農薬栽培が強く求められている。また、農作物へ農薬を散布するときに、作業者にも、多少なりとも農薬がかかってしまい、作業者への悪影響もあった。
本発明では、上記のような課題により、農薬を使用せずに、農作物に寄生する害虫(成虫、幼虫、さなぎ、卵など)を駆除するための方法や装置を提供することを目的としている。
本発明の第1手段は、農作物へ、圧力水を当てることにより、農作物に接近、付着する害虫を駆除する農作物の管理方法。第2手段は、第1手段の圧力水の圧力を1〜5MPaとする農作物の管理方法。第3手段は、第1手段の圧力水の圧力を2〜3.5MPaとする農作物の管理方法。第4手段は、第1、2または3手段において、農作物へ、圧力水とともに、圧力風を当てることにより、農作物全体に圧力水を当て、農作物に接近、付着する害虫を駆除する農作物の管理方法。
第5手段は、給水手段と、給水手段の水を農作物に噴出するための散水ホースと、散水ホースの先端に取り付けた散水ノズルと、給水手段の水を散水ノズルへ送るときに圧力をかける高圧ポンプとより構成し、散水ノズルより水を農作物へ噴出して、農作物に接近、付着する害虫を駆除する農作物の管理装置。第6手段は、走行装置を備え、農作物の間を走行する機体と、水を貯えた貯水タンクと、貯水タンク内の水を農作物に噴出するための散水ホースと、散水ホースの先端に取り付けた散水ノズルと、貯水タンクの水を散水ノズルへ送るときに圧力をかける高圧ポンプとより構成し、農作物の間を走行させながら農作物へ水を噴出して、農作物に接近、付着する害虫を駆除する農作物の管理装置。第7手段は、第5または6手段に、散水ノズルの散水付近へ送風をするための送風手段を設け、農作物に圧力水とともに圧力風を当てて、農作物に接近、付着する害虫を駆除する農作物の管理装置。第8手段は、第5、6または7手段において、散水ノズルを複数装備し、散水ノズルの向きを変えて取付ける農作物の管理装置。
本発明により、害虫の成体だけでなく、害虫の幼虫、さなぎ、卵も駆除することができる。また、農薬を使用せずに害虫の駆除が可能となり、水は安全なので、農薬による消費者及び作業者の健康を害することから守ることができる。水で駆除するため、農薬を使用する駆除と比べると、安価な方法を提供できる。
更に、農作物にとって、水は大事なもので、夏の雨が少ないときには、スプリンクラーなどを使用して水を撒いている場合があるが、本発明によれば、害虫駆除と同時に農作物に水を与えることができる。
本発明では、農作物へ、圧力水を当てることにより、圧力水が農作物に接近、付着した害虫を洗い落とすようにして、害虫を駆除する。この時の圧力水の圧力を1〜5MPaとすることが望ましいが、他の圧力でも害虫を駆除することができる。農作物を痛めず、害虫を駆除するためには、この程度の圧力がよい。圧力が低い場合、ノズルの数が多く必要になるなど、経済的効果が低く、実用的でない。特に、農作物が茶の場合は、2〜3.5MPaが茶の葉を痛めずに害虫を駆除するための圧力として、望ましい。また、農作物へ、圧力水とともに、圧力風を当てることにより、農作物全体(葉の表や裏、茎等)に圧力水を当てることができ、満遍なく駆除できる。また、害虫には、成虫や幼虫、さなぎ、卵などがあり、さなぎや卵は水を当てるだけや、送風するだけでは駆除しにくいが、圧力水(場合によっては、圧力風も)を当てることで成虫のみならず、さなぎや卵も駆除することができる。圧力水の圧力を上げすぎると農作物の種類によっては、農作物を痛めてしまうので、農作物の種類により圧力を変える。葉が密集していない農作物は、圧力水のみでも十分効果がある。
実施例1を図1〜4にて説明する。1は農作物であり、本実施例は、茶樹のように畝になっているものの例である。2は走行装置であり、農作物1を挟んで、設けられている。3は機枠であり、走行装置2を門型でつないでいる。本実施例では農作物1を跨いだ形になっているが、農作物1の横を移動する形状でもよい。4は貯水タンク、5は高圧ポンプ、6は散水ホース、7は散水ノズルであり、貯水タンク4の水を高圧ポンプを利用して圧力水(望ましくは、1〜5MPa、茶の場合は、2〜3.5MPa)にして、散水ホース6を通り、散水ノズル7より噴出する。貯水タンク4は給水手段の一種であり、機枠3上に載せずに別の場所に設置して、ホース等でつないでもよい。散水ノズル7は農作物1の幅全体に水が行き渡るように、幅方向に複数設ける。8は送風手段のファンであり、ファン8で発生した圧力風を送風ダクト11を経由して、送風管12の送風ノズル13から農作物へ噴出する。送風ノズル13も農作物1の幅全体に送風が行き渡るように、幅方向に複数設ける。14は高さ調節シリンダであり、農作物1の高さや効果的な噴出高さにより散水ノズル7や送風ノズル13の高さを変更するシリンダである。16は走行装置2を駆動する駆動装置である。17は運転ハンドルであり、本実施例の装置は作業者が乗って、走行するタイプのものである。運転ハンドル17がついていない(作業者が乗らない)タイプで、自動で走行するものや遠隔操作できるものでもよい。
上記のような装置を起動すると、農作物1の間を走行装置2が走りながら、農作物1へ圧力水を散水ノズル7より噴出する。このときに、圧力水のみの場合は、農作物1の一方方向のみに圧力水が当たるが、圧力風を同時に噴出することで風により農作物1の方向が変わり、様々な方向から圧力水を当てることができる。農作物1へ圧力水を噴出することで、農作物に接近、付着した害虫(成虫、幼虫、さなぎ、卵など)が圧力水に当たり、洗い落とされ、駆除される。圧力水の圧力を上げすぎると農作物1の種類によっては、農作物1を痛めてしまうので、農作物1の種類により圧力を変える。葉が密集していない農作物1は、圧力水のみでも十分効果がある。
図4のように、散水ノズル7、送風ノズル13の向きを変えたものを、前後に複数装備することにより、害虫(成虫、幼虫、さなぎ、卵など)をより確実に駆除することができる。前についている散水ノズル7で圧力水を噴出したときに、圧力により農作物1が倒れた場合、送風ノズル13で圧力風を送風しても農作物1の方向が変化しないことがある。その時に、後ろについている散水ノズル7で前と反対方向に圧力水を噴出することで、農作物1の方向を変えて、満遍なく圧力水を当てることができる。
農作物1を茶とする場合、1時間に約30アールの畑を管理する速度が適当であり、ゆっくり走行するほうが効果的である。また、使用する水の量は、10アール当たり1500〜3000リットル程度である。これらの害虫駆除は、通常では農薬を散布する時期、一茶前の2〜3月、二茶前の5月、害虫が発生しやすい7月、秋番茶前の9月、秋番茶後の10月あたりに行なうのが効果的である。
次に、実施例2について、図5〜8により説明する。21は農作物であり、本実施例は、茶樹のように畝になっているものの例である。22は走行装置であり、農作物21を挟んで、設けられている。23は機枠であり、走行装置22を門型でつないでいる。本実施例では農作物21を跨いだ形になっているが、農作物21の横を移動する形状でもよい。24は貯水タンク、25は高圧ポンプ、26は散水ホース、27は散水ノズルであり、貯水タンク24の水を高圧ポンプを利用して圧力水(望ましくは、1〜5MPa、茶の場合は、2〜3.5MPa)にして、散水ホース26を通り、散水ノズル27より噴出する。貯水タンク24は給水手段の一種であり、機枠23上に載せずに別の場所に設置して、ホース等でつないでもよい。34は高さ調節シリンダであり、農作物21の高さや効果的な噴出高さにより散水ノズル27の高さを変更する。36は走行装置22を駆動する駆動装置である。37は運転ハンドルであり、本実施例の装置は作業者が乗って、走行するタイプのものである。運転ハンドル37がついていない(作業者が乗らない)タイプで、自動で走行するものや遠隔操作できるものでもよい。
上記のような装置を起動すると、農作物21の間を走行装置22が走りながら、農作物21へ圧力水を散水ノズル27より噴出する。茶のような農作物21の場合、上側は葉が密集しているため、中側の枝や幹に寄生する害虫には上からの圧力水・圧力風は届かない。上側は葉に覆われているが、下側には葉が少ないため、本実施例のように、農作物21の側面から圧力水を当てることにより、枝や幹に寄生する害虫(成虫、幼虫、さなぎ、卵など)を駆除することができる。高さや向きを変えて散水ノズル27を複数個設けたり、先端が回転する散水ノズル27を用いると、様々な方向、位置へ圧力水が当たり、より効果的である。
実施例3について、図9を参照して説明する。41は農作物である。42は水道、43は蛇口、44は高圧ポンプ、45は散水ホース、46は散水ノズルである。蛇口43をひねって、水道42から出てきた水に高圧ポンプ44により圧力(望ましくは、1〜5MPa、茶の場合は、2〜3.5MPa)をかけ、散水ホース45を通って、散水ノズル46より農作物41へ噴出する。圧力風が必要なときは、送風手段を用意して、送風ノズルより送風する。
実施例4について、図10を参照して説明する。51は農作物である。52は水道、53は蛇口、54は高圧ポンプ、55は散水配管、56は散水ノズルである。蛇口53をひねって、水道52から出てきた水に高圧ポンプ54により圧力(望ましくは、1〜5MPa、茶の場合は、2〜3.5MPa)をかけ、散水配管55を通って、散水ノズル56より農作物51へ噴出する。散水配管55は支柱57により固定されており、作業者が作業をしなくても、蛇口53をひねるだけで、圧力水の噴出が行なわれる。
実施例1の管理装置の正面図。 実施例1の管理装置の側面図。 実施例1の管理装置の後面図。 実施例1の管理装置の一部詳細図。 実施例2の管理装置の正面図。 実施例2の管理装置の側面図。 実施例2の管理装置の後面図。 実施例2の管理装置の一部詳細図。 実施例3の図。 実施例4の図。
符号の説明
1 農作物
2 走行装置
3 機枠
4 貯水タンク
5 高圧ポンプ
6 散水ホース
7 散水ノズル
8 ファン
9 ベルト
10 プーリ
11 送風ダクト
12 送風管
13 送風ノズル
14 高さ調節シリンダ
15 油圧ポンプ
16 エンジン
17 運転ハンドル
18 支持枠
19 ベルト
20 プーリ
21 農作物
22 走行装置
23 機枠
24 貯水タンク
25 高圧ポンプ
26 散水ホース
27 散水ノズル
34 高さ調節シリンダ
35 油圧ポンプ
36 エンジン
37 運転ハンドル
41 農作物
42 水道
43 蛇口
44 高圧ポンプ
45 散水ホース
46 散水ノズル
47 作業者
51 農作物
52 水道
53 蛇口
54 高圧ポンプ
55 散水配管
56 散水ノズル
57 支柱

Claims (8)

  1. 農作物へ、圧力水を当てることにより、農作物に接近、付着する害虫を駆除することを特徴とする農作物の管理方法。
  2. 圧力水の圧力を1〜5MPaとすることを特徴とする請求項1記載の農作物の管理方法。
  3. 圧力水の圧力を2〜3.5MPaとすることを特徴とする請求項1記載の農作物の管理方法。
  4. 農作物へ、圧力水とともに、圧力風を当てることにより、農作物全体に圧力水を当て、農作物に接近、付着する害虫を駆除することを特徴とする請求項1、2または3記載の農作物の管理方法。
  5. 給水手段と、給水手段の水を農作物に噴出するための散水ホースと、散水ホースの先端に取り付けた散水ノズルと、給水手段の水を散水ノズルへ送るときに圧力をかける高圧ポンプとより構成し、散水ノズルより水を農作物へ噴出して、農作物に接近、付着する害虫を駆除することを特徴とする農作物の管理装置。
  6. 走行装置を備え、農作物の間を走行する機体と、水を貯えた貯水タンクと、貯水タンク内の水を農作物に噴出するための散水ホースと、散水ホースの先端に取り付けた散水ノズルと、貯水タンクの水を散水ノズルへ送るときに圧力をかける高圧ポンプとより構成し、農作物の間を走行させながら農作物へ水を噴出して、農作物に接近、付着する害虫を駆除することを特徴とする農作物の管理装置。
  7. 散水ノズルの散水付近へ送風をするための送風手段を設け、農作物に圧力水とともに圧力風を当てて、農作物に接近、付着する害虫を駆除することを特徴とする請求項5または6記載の農作物の管理装置。
  8. 散水ノズルを複数装備し、散水ノズルの向きを変えて取付けることを特徴とする請求項5、6または7記載の農作物の管理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010104274A (ja) * 2008-10-29 2010-05-13 Matsumoto Kiko Kk 農園用不要物回収装置
JP2015039306A (ja) * 2013-08-20 2015-03-02 井関農機株式会社 薬液散布車両

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