JP2017153434A - 散布機の飛散防止装置および散布方法 - Google Patents

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裕信 深水
Hironobu Fukamizu
裕信 深水
聡 鹿子木
Satoru Kanokogi
聡 鹿子木
敏弘 田中
Toshihiro Tanaka
敏弘 田中
松元 芳見
Yoshimi Matsumoto
芳見 松元
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Abstract

【課題】散布液の飛散防止効果が高く、散布効果を高めることが可能な散布機の飛散防止装置と散布方法を提供する。
【解決手段】走行しながら、本体フレームに搭載した散布剤タンクから供給される散布液を散布対象物Tに向けて噴霧する噴口部133,134を備える散布機100と、噴口部の散布方向を除く周囲を囲むと共に噴口部から進行方向後方に延在する覆いユニット151,152を備える飛散防止装置を用いる。散布機を散布対象物に跨らせて走行し、噴口部から散布剤を散布対象物に向けて噴霧しながら、噴霧後に浮遊する未付着の散布剤を覆いユニット内部の、噴口部と進行方向後端の間にのれん部材を吊下げて形成した細霧誘導路の狭空間に誘導して未付着の散布剤を散布対象物へ落下させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、茶園の茶樹や圃場の農作物等に散布した薬液や液肥等の飛散を防止するための散布機の飛散防止装置と散布方法に関するものである。
近年は、消費者の食の安全安心に対する関心の高まりとともに、圃場で栽培される農作物の残留農薬が問題となっている。茶園においても、大型の乗用型管理機械等で薬液を大量に散布することから、散布時に薬液が飛散するドリフト現象が問題となっている。このドリフト現象により出荷される製品から使用履歴のない薬剤や他品目の圃場から飛散したと推察される農薬が検出される事態が生じていた。
また、近年、農産物の輸出に向けた取り組みが盛んになってきているが、農産物を輸出するには相手国の残留農薬基準に適合させる必要がある。そのため、有機栽培や基準で定められた農薬のみを使用した茶の生産等が増加しているが、上に述べたドリフト(農薬の飛散)対策が大きな課題となっている。このドリフトは、茶園から茶以外の品目圃場へ、反対に茶以外の品目圃場から茶園へも起こり、さらに周囲の住宅や道路等への飛散の懸念もあるため、対策の強化を望む声が多かった。
上記背景から、本出願人は、先にドリフト対策の一環として、狭幅カバー内に散布液を下向きに噴出する噴出管と圧力風を下向きに吹出す送風管を隣接配置し、狭幅カバー内で散布液と圧力風と混合させて散布ムラを減少し、散布量の減少と飛散防止効果を高めた散布装置を提案した(特許文献1)。また、従来より、除草剤の散布機の分野で、散布した除草剤を吸引装置で吸引し回収する散布機が提案されている(特許文献2)。
特開2015−154719号公報 特開2011−250777号公報
しかしながら、本出願人が先に提案した特許文献1の散布装置は、散布液の抑制範囲が噴口部近くにとどまり、飛散防止効果は一定に留まっている。また、特許文献2の散布機は、散布後すぐに除草剤を吸引するため、除草剤の散布効率が悪く、結果として大量の除草剤の散布を必要とする点で従来の散布方法と大きな違いがなかった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、散布液の飛散防止効果が高く、散布効果を高めることが可能な散布機の飛散防止装置と散布方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る散布機の飛散防止装置は、
走行しながら、本体フレームに搭載した散布剤タンクから供給される散布液を散布対象物に向けて噴霧する噴口部を備える散布機において、
前記噴口部の散布方向を除く周囲を囲むと共に前記噴口部から進行方向後方に延在する覆い部を備え、
当該覆い部は、前記噴口部と進行方向後端の間に、噴霧後に浮遊する散布剤を狭空間に誘導して散布対象物へ落下させる細霧誘導路を備えることを主要な特徴とする。
本発明に係る散布機の飛散防止装置によると、茶園や圃場を走行しながら、散布機の本体フレームに搭載した散布剤タンクの散布剤を噴口部から散布対象物に向け霧状に噴霧すると、噴霧した散布剤のうち散布対象物の表面で跳ね返る等してあるいは自然風の流入により浮遊する散布剤が生じる。この浮遊する散布剤は、散布機の走行に伴って、覆い部内部に閉じ込められると共に、覆い部内部の、噴口部と進行方向後端の間に設けた細霧誘導路に通過させることにより、散布剤の粒子どうしの衝突、狭空間内壁への付着等により落下し、散布対象物へ付着する。
本発明に係る散布機の飛散防止装置は、前記覆い部における細霧誘導路を、噴口部と進行方向後端の間に吊り下げた複数ののれん部材または板部材により、蛇行状、螺旋状または迷路状に連続する狭空間に区画してなることを第2の特徴とする。
本発明に係る散布機の飛散防止装置は、散布剤の吸引部を備え、当該吸引部は、前記細霧誘導路の出口近くの吸引口から残存する散布剤を吸引することを第3の特徴とする。
本発明に係る散布機の飛散防止装置は、前記吸引部が、前記噴口部に噴霧用の圧力風を送る送風部を兼用していることを第4の特徴とする。
本発明に係る散布機の飛散防止装置は、散布機が、散布対象物を跨るように配置される略門型の本体フレームと左右の走行部を備え、前記覆い部が、本体フレームの中心位置および/または左右の走行部の側方位置に配置されていることを第5の特徴とする。
本発明に係る散布方法は、
本体フレームに搭載した散布剤タンクから供給される散布剤を散布対象物に向けて噴霧する噴口部を備える散布機と、前記噴口部の散布方向を除く周囲を囲むと共に前記噴口部から進行方向後方に延在する覆い部を備える飛散防止装置を用い、
前記散布機を散布対象物に跨らせて走行し、噴口部から散布剤を散布対象物に向けて噴霧しながら、噴霧後に浮遊する未付着の散布剤を前記覆い部内部の、前記噴口部と進行方向後端の間にのれん状部材または板状部材を吊下げて形成した細霧誘導路の狭空間に誘導して当該未付着の散布剤を散布対象物へ落下させるようにしたことを特徴とする。
本発明に係る散布方法は、
本体フレームに搭載した散布剤タンクから供給される散布剤を散布対象物に向けて噴霧する噴口部を備える散布機と、前記噴口部の散布方向を除く周囲を囲むと共に前記噴口部から進行方向後方に延在する覆い部と、噴霧後に浮遊する未付着の散布剤を吸引する吸引部を備える飛散防止装置を用い、
前記散布機を散布対象物に跨らせて走行し、噴口部から散布剤を散布対象物に向けて噴霧しながら、噴霧後に浮遊する未付着の散布剤を前記覆い部内部の、前記噴口部と進行方向後端の間にのれん状部材または板状部材を吊下げて形成した細霧誘導路の狭空間に誘導して当該未付着の散布剤を散布対象物へ落下させ、前記細霧誘導路の出口近くに設けた吸引口から残存する散布剤を吸引部により吸引するようにしたことを特徴とする。
以上説明したように、本発明に係る散布機の飛散防止装置によれば、散布作業走行時に、噴霧後に散布対象物の表面に跳ね返る等して浮遊する散布剤を覆い部内部に閉じ込め、覆い部内部に設けた細霧誘導路に誘導し落下させるようにしたので、散布剤の飛散防止効果を高めると共に、散布剤の付着効率を高めることができる。これにより、農薬等の散布量の低減と散布効果の向上、ひいてはドリフト対策の強化を図ることができる。
また、本発明によると、覆い部内で落下付着できなかった散布剤を、覆い部の細霧誘導路の出口近くに設けた吸引口から吸引部により吸引するようにしたので、回収した未付着の散布剤を再使用し、散布剤の使用効率を高め、散布量のより一層の低減を図ることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態を示すもので、本発明に係る飛散防止装置を備えた乗用型茶園散布機の正面図、 図1に示す乗用型茶園散布機の側面図、 図1に示す乗用型茶園散布機の平面図、 側部の支持ブームを上方に折り畳んだ状態を示す正面図、 噴口カバー内の噴出管および送風管から薬液および圧力風が同時に噴出される様子を示す説明図、 覆い部内部の細霧誘導路を示すもので、噴霧後に浮遊する散布剤がのれん部材に付着し、落下する様子を示す垂直断面図、 覆い部内部の細霧誘導路を示すもので、噴霧後に浮遊する散布剤が狭空間を蛇行して通る様子を示す水平断面図、 本発明の他の実施形態を示すもので、本発明に係る飛散防止装置を備えた農業作業機型散布機の側面図を示す図である。
本発明を実施するための一実施形態を図1ないし図7を参照して説明する。図1において符号100は乗用型茶園散布機、符号150は飛散防止装置、符号Tは茶樹を示している。
まず、乗用型茶園用散布機について説明すると、図1ないし図3に示すように、乗用型茶園用散布機100(以下、散布機100という)は、 略門型の本体フレーム110と、本体フレーム110の下部に取り付けられた走行部120と、本体フレーム110に搭載された薬液散布部130と、本体フレーム110に搭載された送風・吸引部140を備えている。
本体フレーム110は、茶園の畝に植えられた茶樹Tを跨ぐ大きさを有し、オペレータ用の運転席111と操作ハンドル112と薬剤散布等の操作を行う操作盤113が設けられている。本体フレーム110には、走行部120、薬剤散布部130および送風・吸引部140、各種シリンダを駆動する原動機160が搭載されている。
走行部120は、本体フレーム110の左右の脚部114に支持された走行体121からなり、各走行体121は、前後車輪と車輪間に巻回された無限軌道から構成され、茶園の畝間に接地し、原動機160からの駆動力によって駆動され、畝に沿って散布機100を前後方向に走行させる。
薬液散布部130は、本体フレーム110の左右両側に搭載された薬液タンク131と、薬液タンク131内の薬液を送り出すポンプ(動力噴霧器)132と、本体フレーム110の前部中央に配置された噴口部133と前部左右側部に配置された噴口部134を備えている。中央の噴口部133と側部の噴口部134は、薬液タンク131の薬液を茶樹Tの表面に向け噴霧するもので、ホース137を介してポンプ132に接続される噴出管135(図5参照)をそれぞれ備えている。側部の噴口部134は上方に折り畳み可能となっている。噴出管135は多数(図示例の場合は8〜9固)の噴出ノズル136が一定間隔で下向きに取り付けられている。各噴出ノズル136は噴出口136A(から噴出する薬液を微細な粒子(75マイクロメートル以下)に調整し、後述する圧力風と混合する。
送風・吸引部140は、本体フレーム110に搭載された吸引送風機141を備えている。吸引送風機141は、送風ダクト142を介して本体フレーム110の前部中央に配置された送風管143と前部左右側部に配置された送風管143に接続されている。また、吸引送風機141は、吸引ダクト144を介して本体フレーム110の後部中央に配置された吸引管145と後部左右側部に配置された吸引管145に接続されている。
図2および図5に示すように各送風管143は各噴出管135に隣接して進行方向後方に配置されている。各送風管143は一定間隔で下向きの吹出口143Aが多数(図示例の場合は16〜18個)設けられ、各吹出口143Aから圧力風を下向きに吹き出す。前部側の噴出管135および送風管143は、下向きに開口する噴口カバー138により囲まれている。噴出管135および送風管143は、噴口カバー138の天板に吊下げ支持されている。噴口カバー138は、天板と周囲を囲む側板からなり、下面に開口部が設けられている。中央の噴出管135と送風管143、噴口カバー138は中央の噴口部133を、側部の噴出管135と送風管143、噴口カバー138は側部の噴口部134を構成する。
噴口カバー138内において、噴出管135の噴出ノズル136は、噴出口136Aを茶樹Tの葉表面(摘採面)Tに対し進行方向の前方および後方に若干傾斜するように千鳥配置され、これにより、薬液Wを茶樹Tの葉表面T近く(新芽および摘採面から約10cm内方付近)に十分行き渡らせ、また、送風管143は吹出口143Aを下向きとして、噴口カバー138内で薬液Wと圧力風Aを混合し、均一な細霧状の薬液として噴霧する。
中央の噴口カバー138は、本体フレーム110の前部に、本体フレーム110に支持された支持フレーム115を介して片持ち支持されたアーチ状の支持ブーム116により水平支持されている。支持ブーム116の両端は連結部を介して図4に示すように上向きに折り畳み可能な側部の支持ブーム116と連結されている。側部の支持ブーム116は左右の噴口カバー138を支持し、伸縮シリンダ117の動作によって、図4に示す上向きの折り畳み姿勢と図1に示す水平姿勢をとることができる。伸縮シリンダ117は原動機160を駆動源とする。
本体フレーム110の後部中央に配置された吸引管145は、本体フレーム110の後部に、本体フレーム110に支持された支持フレーム115を介して片持ち支持されたアーチ状の支持ブーム147により水平支持されている。支持ブーム147の両端は連結部を介し上向きに折り畳み可能な側部の支持ブーム147と連結されている。側部の支持ブーム147は側部の吸引管145を水平支持し、伸縮シリンダ117の動作によって、前部の支持ブーム116に連動して上向きの折り畳み姿勢と水平姿勢をとることができる。各吸引管145は一定間隔で多数(図示例は4〜5個)の吸引口145Aが設けられている。
前部の噴口部133、134および後部の各吸込管145は左右の高さ調整機構170により、茶樹Tの葉表面Tに対する高さを調整することができる。左右の高さ調整機構170は、本体フレーム110に取付支持された高さ調整ガイド171と、ブーム上下用シリンダ172と、ブーム上下用シリンダ172によって高さ調整ガイド171に沿って上下する上下部材173を備え、上下部材173により前記の支持フレーム115が水平支持されている。上下部材173と支持フレーム115の間には支持フレーム115を水平支持する支持部材174が設けられている。
飛散防止装置150は、噴口部133、134から茶樹Tに対し噴霧された薬液Wの周囲への飛散を防止する装置であり、中央の噴口部133の周囲を覆う覆いユニット(覆い部)151と、左右の噴口部134の周囲を覆う覆いユニット(覆い部)152を備えている。中央の覆いユニット151は、上カバー部153Aと前垂れ部153Bと後垂れ部153Cを備え、左右の覆いユニット152は、上カバー部153Aと前垂れ部153Bと後垂れ部153Cに加え、地面Gに達する側垂れ部153Dを両端に備える。前垂れ部153Bと後垂れ部153Cは図6に示すように茶樹Tの表面に接する高さに調整されている。これら上カバー部153A〜側垂れ部153Dは、透明で軽量、容易に屈曲可能な樹脂シートなどからなり、強風対策として散布剤は通過しないが通風可能なメッシュ素材を適用してもよい。噴口部133、134の後方近くの素材を透明化することで運転席から噴口高さを容易に視認できるようになる。
覆いユニット151、152は、噴口部133、134と後垂れ部153Dの間に、上カバー部153Aから一定間隔で茶樹Tの表面に接する高さののれん部材154が吊り下げられ、これにより細霧誘導路155が形成されている。細霧誘導路155は、噴霧後に付着せず浮遊する細霧状の薬液を狭空間に誘導し落下させる区域で、図6および図7に示すように、噴口部133、134の後方に一定間隔で配置されたのれん部材154により連続する多数の狭空間Kに区画されている。のれん部材154は進行方向と直角方向に延び、端部に連通部156が設けられている。連通部156は互い違いに設けられ、狭空間Kの入口に誘導された散布剤は、狭空間Kを図7の矢印のように蛇行しながら後方の狭空間Kへ向けて誘導され、その間に散布剤の粒子どうしの衝突やのれん部材154への付着により落下し、茶樹Tに付着する。
のれん部材154は、透明で軽量、容易に屈曲可能な樹脂シートなどからなるが、噴霧後の散布剤が多く付着して反り返り、同様素材の上カバー部153Aに付着するおそれがある。このため、のれん部材154の裾部にやや硬度のある芯部材や重り部材を取り付けることが望ましい。上記覆いユニット151、152は、噴口部133、134の前方(例えば10〜20cm前方)に前垂れ部153Bを配置したので、散布本体100が停止時にあるとき噴霧した薬液が前方から飛散するのを防ぐことができる。
上記覆いユニット151、152は、前側が中央および左右側部の支持ブーム116によって、後側が中央および左右側部の支持ブーム147によって水平姿勢に保持されている。上記覆いユニット151、152は、強風対策として、上に述べたように細霧状の散布剤は通過しないが通風可能なメッシュ素材を適用してよく、また、周囲にファスナー(面ファスナー含む)を設け、強風時の茶園間移動時や散布機100の格納時に上部カバー153Aや側垂れ部153Dを取り外しできるようにしてよい。さらに、コンパクトに巻き取りして噴口部133、134の後方に収納配置(吊下げ収納)してよい。
次に上記構成の散布機100および飛散防止装置150を用いて、茶園内に薬液を散布する方法について、以下に述べる。
まず、茶園内において、図4に示す折り畳み姿勢の散布機100を茶園の畝に植えられた茶樹Tに対し位置決めし、高さ調整機構170により、前後中央の支持ブーム116、147を上昇位置から下降させ、伸縮シリンダ117の伸長動作により、前後左右の支持ブーム116、147を図4の折り畳み姿勢から図1の水平姿勢に降ろし、茶樹Tの葉表面Tに対する各噴口カバー138の隙間高さh1および各噴出口136Aの隙間高さh2を設定する(図5参照。例えばh1=約5cm、h2=約10cm)。薬液Wの散布量は、例えば10アールあたり約100リットル以下に設定する。そして、茶樹Tを跨るようにして散布機100を低速で前進させながら、オペレータの操作により茶樹Tの葉表面Tに向けて薬液Wを散布する。
原動機160からの駆動力によりポンプ132が駆動されると、左右の薬液タンク131から薬液がホース137を介して中央と側部の噴出管135に送り出される。送り出された薬液は、中央と側部の噴口カバー138内部で垂直下向きから若干の傾斜角度(α=10度以下)で進行方向と反対方向を交互に向く噴出口136Aから茶樹Tの葉表面Tに噴出される。同時に原動機160からの駆動力により油圧モータ146を介して吸引送風機141が駆動され、圧力風が送風ダクト142を介して中央と側部の送風管143に圧送され、各吹出口143Aから茶樹Tの葉表面Tに垂直下向きに吹出される。また、同時に吸引ダクト144を介して後部の吸引管145に吸引力が作用する。
噴口部133、134において、噴出管135から薬液Wと送風管143から圧力風Aが同時に噴出(吹出)されると、図5に示すように噴口カバー138内でムラなく混合し、幅全体にわたり細霧状に均一化された薬液が茶樹Tの葉表面Tに噴霧され付着する。このとき、噴霧後に、図6に示すように茶樹Tの葉表面Tで跳ね返る(矢印R)等してあるいは自然風の流入により付着せず浮遊する薬液(以下、浮遊薬液Wという)が生じる場合がある。
しかし、噴霧後の浮遊薬液Wは、噴口部133、134を囲む覆いユニット151、152の内部で、散布機100の前進により、多くが先頭ののれん部材154に衝突して付着し落下する。また、図6および図7に示すように、のれん部材154に沿って狭空間Kを通り、奥方へ蛇行状に誘導される(覆いユニット151、152内部に後部の吸引管145からの弱い吸引力が働く)。その間に狭空間K内で浮遊薬液Wどうしが衝突し、あるいは2番目以降ののれん部材154に順次付着し、茶樹Tの葉表面Tに順次落下する。
覆いユニット151、152は、噴口部133、134の周囲をその前方から散布機100の後部にかけて覆い部材で囲っているので、浮遊薬液Wの飛散防止効果が高く、覆い部材で閉じ込められた浮遊薬液Wを、細霧誘導路155の区間で効率よく落下させ、茶樹Tに対する付着効率を高めることができる。
細霧誘導路155の区間で落下し切れなかった浮遊薬液Wは、細霧誘導路155の出口近くに設けられた吸込口145Aから吸引管145に吸引され、吸引ダクト144を介して吸引送風機141に付属された捕集器(図示せず)で回収される。その後、薬液タンク131に戻される。このように覆いユニット151、152内で落下できなかった薬液は最後に吸引され回収されるから、再使用により薬液の使用効率を高めることができる。
複数列(図示例では3列)の畝に対する薬液散布が終了したら、畝の端部から散布機100を旋回させ、隣接する未散布の畝に対し散布機100を位置決めする。散布機100を旋回させるにあたり、図4に示すように、伸縮シリンダ117の縮小動作により前後左右の支持ブーム116、147を上方に折り畳み、高さ調整機構170により中央の支持ブーム116、147を上昇させる等して、茶樹Tの端部との干渉を回避する。未散布の畝に対し散布機100を位置決めしたら、再び前後中央の支持ブーム116、147を下降させ、前後左右の支持ブーム116、147を水平姿勢に戻し、散布機100を他方向に低速走行させながら、薬液散布を継続して行う。
上記散布機100および飛散防止装置150によると、以下の効果を奏する。
(1)散布機100を低速走行させながら、飛散防止装置150により薬液の飛散を防止しつつ、茶樹Tに対し薬液を効果的に散布し、散布効率を高めることができる。
(2)飛散防止装置150の個々の覆いユニット151、152により効果的に薬液の飛散を防止し、ドリフトに伴う残留農薬や使用履歴のない農薬の検出等の諸問題を防ぐことができる。また、のれん部材154や狭空間に区画される細霧誘導路155により、薬液の付着効果を高めることができる。
(3)散布機100の前部に噴口部133、134を配置したので、オペレータは、走行中に噴口部133、134からの薬液の散布状況を確認することができ、薬液の散布作業を効率よく行うことができる。
(4)飛散防止装置150の中央の覆いユニット151を散布機100の中心位置(進行方向中央位置)に配置したので収まりがよい。また、側部の覆いユニット152の折り畳みや収納、脱着をスムーズに行える。
(5)飛散防止装置150の覆いユニット151、152の覆い部材は、透明かつ軽量で、柔軟な樹脂シートなどから構成したので、散布作業走行時に散布対象物の表面に追従しやすく、また、散布対象物の表面を傷付けることがなく、安心して散布作業を行える。また、透明なので、覆いユニット151、152内の浮遊散布剤の付着落下状況をオペレータや周囲の作業者が確認しやすい。
(6)送風・吸引部140により、薬液の均一でムラのない散布と、未付着の薬液の回収を同時に実現することができ、回収した薬液の再使用によって薬液の使用効率を高めることができる。
(7)送風吸引機141により、薬液に圧力風を供給する送風機と、未付着薬液を吸引する吸引機を兼用したので、専用の吸引機を必要とせず、機体のコンパクト化、製作コストの低減に寄与できる。
本実施形態では、飛散防止覆い装置150を散布機100の中心位置に配置したが、配置レイアウトはこれに限らず、散布機100の前方または散布機100の後方に配置してよい。散布剤に用いる薬液は、水和剤、水溶剤、乳剤等のタイプがあり、散布剤は、薬液に限らず、液体肥料や水等であってもよい。
本実施形態では、飛散防止装置150の覆いユニット151、152内に残留する浮遊薬液を吸引口145Aから吸引するが、吸引ダクト144の途中を原動機160の排気マフラー161付近に配設することで、原動機160の排気熱を利用して吸引した薬液粒子を乾燥させあるいは高温の下で気化させることができる。
本実施形態では、乗用型茶園散布機の例を挙げたが、本発明はこれに限らず、圃場で用いるトラクタや農業用作業機に散布機を装備し、液肥等を圃場に散布する作業に適用してもよい。
図8は本発明の他の実施形態を示すもので、農業用作業機を散布機として用いた例である。図中、符号200は散布機、符号201は作業機本体を示す。なお、前記第1の実施形態で説明した部材と同一部材には同一符号を付してその説明は省略する。
図8に示すように、本体フレーム110および走行部120を備える作業機本体201において、本体フレーム110の上に薬液タンク202と、ポンプ(動力噴霧器)203と、吸引機204が搭載されている。本体フレーム110の前部のブーム116に噴出管135および噴口カバー138を備えた噴口部139が支持されており、高さ調整機構170によって噴口高さが調整可能となっている。そして、噴口部139の周囲を覆う飛散防止覆い部150が、噴口部139の前方から作業機本体201の後部にかけて設けられている。図示例は上カバー部153Aと前垂れ部153Bと後垂れ部153Cと側垂れ部153Dを備える側部の覆いユニット152が表示されているが、中央の覆いユニット151も装備されている。各覆いユニット151、152内にはのれん部材154が一定間隔で吊下げられ、細霧誘導路155が形成されている。細霧誘導路155の後部には吸引管145が配置され、吸引管145から吸引ダクト144が吸引機204に接続されている。
そして、作業機本体201の運転席111に着座したオペレータが図示しない原動機を作動させ、田畑内を低速で走行させながら、原動機からの駆動力によりポンプ203を駆動することにより、中央と側部の覆いユニット151,152内部の噴口部139から薬液や液肥を噴霧して田畑内に散布し、同時に覆いユニット151、152内部で浮遊する薬液等をのれん部材154により衝突落下させ、あるいは細霧誘導路155を案内しながら粒子どうしを衝突させる等して落下させ、田畑表面あるいは作物表面に付着させることができる。落下できなかった残留の浮遊粒子は吸引管145から吸引ダクト144を通して吸引機204側へ回収することができる。オペレータは前方の散布状況を見ながら作業機本体201を運転操作できる。
かくして、本発明に係る散布機の飛散防止装置を用いることで、噴霧後に浮遊する未付着の散布剤の飛散を防止しつつ、付着効果を高めることができ、散布効果の高い散布作業を実現できる。そして、従来のドリフトに伴う残留農薬や使用履歴のない農薬の検出等の諸問題を解決することができるようになる。
本発明は茶園用の散布作業に利用可能である他、圃場で栽培する作物・野菜・果樹・花卉・芝生等の農業用、造園用等に利用可能である。
100,200 散布機
110 本体フレーム
111 運転席
112 操作ハンドル
113 操作盤
114 脚部
115 支持フレーム
116,147 支持ブーム
117 伸縮シリンダ
118 支柱
120 走行部
121 走行体
130 薬液散布部
131,202 薬液タンク
132,203 ポンプ
133,134,139 噴口部
135 噴出管
136 噴出ノズル
137 ホース
138 噴口カバー
140 送風・吸引部(送風部、吸引部)
141 吸引送風機
142 送風ダクト
143 送風管
143A 吹出口
144 吸引ダクト
145 吸引管
145A 吸引口
146 油圧モータ
150 飛散防止装置
151,152 覆いユニット(覆い部)
154 のれん部材
153A 上カバー部
153B 前垂れ部
153C 後垂れ部
153D 側垂れ部
155 細霧誘導路
156 連通部
160 原動機
170 高さ調整機構
171 高さ調整ガイド
172 ブーム上下用シリンダ
173 上下部材
174 支持部材
201 作業機本体
204 吸引機
G 地面
T 茶樹
葉表面
W 薬液(散布剤)
浮遊薬液
A 圧力風

Claims (7)

  1. 走行しながら、本体フレームに搭載した散布剤タンクから供給される散布液を散布対象物に向けて噴霧する噴口部を備える散布機において、
    前記噴口部の散布方向を除く周囲を囲むと共に前記噴口部から進行方向後方に延在する覆い部を備え、
    当該覆い部は、前記噴口部と進行方向後端の間に、噴霧後に浮遊する散布剤を狭空間に誘導して散布対象物へ落下させる細霧誘導路を備えることを特徴とする散布機の飛散防止装置。
  2. 前記覆い部における細霧誘導路が、噴口部と進行方向後端の間に吊り下げられた複数ののれん部材または板部材により、蛇行状、螺旋状または迷路状に連続する狭空間に区画されていることを特徴とする、請求項1記載の散布機の飛散防止装置。
  3. 散布剤の吸引部を備え、当該吸引部は、前記細霧誘導路の出口近くの吸引口から残存する散布剤を吸引することを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の散布機の飛散防止装置。
  4. 前記吸引部は、前記噴口部に噴霧用の圧力風を送る送風部を兼用していることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の散布機の飛散防止装置。
  5. 散布機が、散布対象物を跨るように配置される略門型の本体フレームと左右の走行部を備え、前記覆い部が、本体フレームの中心位置および/または左右の走行部の側方位置に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の散布機散布機の飛散防止装置。
  6. 本体フレームに搭載した散布剤タンクから供給される散布剤を散布対象物に向けて噴霧する噴口部を備える散布機と、前記噴口部の散布方向を除く周囲を囲むと共に前記噴口部から進行方向後方に延在する覆い部を備える飛散防止装置を用い、
    前記散布機を散布対象物に跨らせて走行し、噴口部から散布剤を散布対象物に向けて噴霧しながら、噴霧後に浮遊する未付着の散布剤を前記覆い部内部の、前記噴口部と進行方向後端の間にのれん状部材または板状部材を吊下げて形成した細霧誘導路の狭空間に誘導して当該未付着の散布剤を散布対象物へ落下させるようにしたことを特徴とする散布方法。
  7. 本体フレームに搭載した散布剤タンクから供給される散布剤を散布対象物に向けて噴霧する噴口部を備える散布機と、前記噴口部の散布方向を除く周囲を囲むと共に前記噴口部から進行方向後方に延在する覆い部と、噴霧後に浮遊する未付着の散布剤を吸引する吸引部を備える飛散防止装置を用い、
    前記散布機を散布対象物に跨らせて走行し、噴口部から散布剤を散布対象物に向けて噴霧しながら、噴霧後に浮遊する未付着の散布剤を前記覆い部内部の、前記噴口部と進行方向後端の間にのれん状部材または板状部材を吊下げて形成した細霧誘導路の狭空間に誘導して当該未付着の散布剤を散布対象物へ落下させ、前記細霧誘導路の出口近くに設けた吸引口から残存する散布剤を吸引部により吸引するようにしたことを特徴とする散布方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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