JP2005309124A - ズームレンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望の変倍比を有しつつ、広画角、大口径でありながらも、良好なる光学性能を有するズームレンズを提供すること。
【解決手段】 物体側から順に、負の第1レンズ群L1、正の第2レンズ群L2、負の第3レンズ群L3、正の第4レンズ群L4を有し、広角端から望遠端への変倍の際、第1レンズ群L1と第2レンズ群L2の間隔が小となり、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3の間隔が大となり、第3レンズ群L3と第4レンズ群L4の間隔が小となる光学系において、第1レンズ群L1は、物体側から順に、負の1a群L1a、最も大なる空気間隔をはさんで負の1b群L1bを有し、1a群L1aは最も物体側に負レンズを有し、1a群L1aの焦点距離をf1a、負レンズの焦点距離をfg1,広角端の焦点距離をfwとした時、以下の条件を満足するよう構成する。
1.0 <|f1a|/fw< 3.5
5.0 <|fg1|/fw< 50.0
【選択図】 図1

Description

本発明はズームレンズに関し、特に超広角域を含みかつ2倍程度の変倍比を有し、比較的大口径のズームレンズに関するものである。
従来より、広角域を含み大口径のズームレンズに好適な光学系として、物体側から順に、負・正・負・正のレンズ群を有するズームタイプが知られており、中でも広角端の画角が比較的大なるズームレンズが、特許文献1〜4等に開示されており、本出願人も特許文献5〜7等に開示している。
特開平 4−235514号公報 特開平 5−173071号公報 特開平10− 82954号公報 特開平10−325923号公報 特開平 2−201310号公報 特開平 2−296208号公報 特開平 7−261084号公報
しかしながら、上記従来例の多くは広角端の画角が100°程度であり、超広角ズームレンズとしては不十分なものであった。特許文献1には広角端の画角が110°程度のズームレンズが開示されているが、Fナンバーが4程度と暗いため、大口径ズームレンズとしては不適当であった。また特許文献4のズームレンズは、広角端の歪曲収差が、中間像高から周辺にかけて正から負に大きく変化しているという欠点を有していた。
本発明は、上記を鑑みてなされたものであり、広角端の画角が110°を超え、かつ2倍程度の変倍比を有し、Fナンバーが2.8程度と大口径でありながらも、良好なる光学性能を有するズームレンズを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のズームレンズは、物体側から順に負の第1レンズ群、正の第2レンズ群、負の第3レンズ群、正の第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍の際、前記負の第1レンズ群と前記正の第2レンズ群の間隔が小となり、前記正の第2レンズ群と前記負の第3レンズ群の間隔が大となり、前記負の第3レンズ群と前記正の第4レンズ群の間隔が小となる光学系において、前記負の第1レンズ群は物体側から順に、負の1a群、最も大なる空気間隔をはさんで負の1b群を有し、前記負の1a群は最も物体側に負レンズG1を有し、前記負の1a群の焦点距離をf1a、負レンズG1の焦点距離をfg1,広角端の焦点距離をfwとした時、以下の条件を満足することを特徴としている。
1.0 <|f1a|/fw< 3.5 …(ア)
5.0 <|fg1|/fw< 50.0 …(イ)
以上説明したように、本発明によれば、広角端の画角が110°を超え、かつ2倍程度の変倍比を有し、Fナンバーが2.8程度と大口径でありながらも、良好なる光学性能を有するズームレンズを提供することが可能となる。
図1〜5の本発明の実施形態である数値実施例1〜5のズームレンズのレンズ断面図を示す。図6〜10はそれぞれ数値実施例1〜5のズームレンズの諸収差図であり、(a)は広角端、(b)は中間焦点距離、(c)は望遠端の状態を表している。
図1において、L1は負の屈折力の第1レンズ群、L2は正の屈折力の第2レンズ群、L3は負の屈折力の第3レンズ群、L4は正の屈折力の第4レンズ群である。L1aは第1レンズ群L1中の最も大なる空気間隔を挟んで第1レンズ群L1の前方成分を構成する負の屈折力の第1a群、L1bは第1レンズ群L1中の最も大なる空気間隔を挟んで第1レンズ群L1の後方成分を構成する負の屈折力の第1b群である。SPは開口絞り、SSPは開放Fナンバー絞り、FCはフレアーカッター、IPは像面である。
本実施形態のズームレンズは、広角端から望遠端へのズーミングに際し、第1レンズ群L1は像面IPに対し凸状の軌跡で移動し、第2レンズ群L2は第1レンズ群L1との間隔を小としつつ物体側に移動し、第3レンズ群L3は第2レンズ群L2との間隔を大としつつ、開口絞りSP及び開放Fナンバー絞りSSPと一体に物体側に移動し、第4レンズ群L4は第2レンズ群L2と一体に移動する。フレアーカッターFCは像面IPに対して固定である。なお、無限遠物体から近距離物体へのフォーカシングは第1b群L1bを物体側に移動させて行っている。
図2〜5に示した数値実施例2〜5のズームレンズのズーミングの際の各レンズ群の移動及び相対関係は図1に示したものと同様である。
周知のとおり超広角ズームレンズを設計する際には、適切な前玉径と良好なる光学性能を両立させることが課題となり、特に広角端における歪曲収差の補正については、最も注意がはらわれるところである。一般に前玉径を小型化しようとした際、入射瞳を物体側に近づけるために、光学系全系のうち最も物体側のレンズを含んで物体側に位置するレンズグループの負の屈折力を強めた屈折力配置をとることがおこなわれる。しかしながら、前記レンズグループの負の屈折力を強め過ぎると前記歪曲収差の補正が困難となってくる。
本発明では上記を解決するために、負の屈折力の第1レンズ群L1を、物体側から順に、負の屈折力の1a群L1a、最も大なる空気間隔をはさんで負の屈折力の1b群L1bを配置するよう構成し、1a群L1aは最も物体側に負レンズG1を有し、1a群L1aの焦点距離をf1a、負レンズG1の焦点距離をfg1,広角端の焦点距離をfwとした時、以下の条件を設定した。
1.0 <|f1a|/fw< 3.5 …(1)
5.0 <|fg1|/fw< 50.0 …(2)
条件式(1)は、負の1a群の屈折力を適切に設定するための条件であり、上限をこえると、前玉径の小型化が困難となり、下限をこえると広角端における負の歪曲収差の補正が困難となる。
さらに前玉径を小型化するためには、前記負の1a群のうち最も物体側に負レンズG1を配置し、負レンズG1の負の屈折力を強めるとよいが、ここでも負レンズG1の負の屈折力を強め過ぎると前記歪曲収差の補正が困難となるといった問題が起こってくる。
条件式(2)は、前記負レンズG1の負の屈折力を適切に設定するための条件であり、上限をこえると、前玉径の小型化が困難となり、下限をこえると広角端における負の歪曲収差の補正が困難となる。
望ましくは条件式(1),(2)を各々以下の範囲とすると良い。
1.8 <|f1a|/fw< 2.8 …(1a)
9.0 <|fg1|/fw< 15.0 …(2a)
さらに望ましくは、前記負の第1レンズ群の焦点距離をf1、前記正の第2レンズ群の焦点距離をf2、前記負の第3レンズ群の焦点距離をf3、前記正の第4レンズ群の焦点距離をf4とした時、以下の条件を満足するとよい。
0.9 <|f1|/fw< 2.0 …(3)
1.5 < f2 /fw< 3.3 …(4)
2.2 <|f3|/fw< 5.0 …(5)
2.2 < f4 /fw< 4.9 …(6)
条件式(3)は前記負の第1レンズ群の屈折力を適切に設定するための条件であり、上限をこえると、広角端においてレトロフォーカスタイプの屈折力配置をとりずらくなり、像面湾曲の補正が困難となる。下限をこえると広角端における負の歪曲収差の補正が困難となる。
条件式(4)は前記正の第2レンズ群の屈折力を適切に設定するための条件であり、上限をこえると、望遠端においてテレフォトタイプの屈折力配置をとりずらくなり、明るいFナンバーの確保が困難となる。下限をこえると望遠端における球面収差の補正が困難となる。
条件式(5)は前記負の第3レンズ群の屈折力を適切に設定するための条件であり、上限をこえると、十分な変倍比を確保することが、明るいFナンバーの確保が困難となる。下限をこえると望遠端における球面収差の補正が困難となる。
条件式(6)は前記正の第2レンズ群の屈折力を適切に設定するための条件であり、上限をこえると、広角端におけるバックフォーカスの確保が困難となる。下限をこえると広角端における負の歪曲収差の補正が困難となる。
望ましくは条件式(3)〜(6)を各々以下の範囲とすると良い。
1.1 <|f1|/fw< 1.6 …(3a)
1.9 < f2 /fw< 2.7 …(4a)
2.8 <|f3|/fw< 4.0 …(5a)
2.7 < f4 /fw< 3.9 …(6a)
さらに望ましくは、1a群L1aの最も物体側に負レンズを少なくとも2枚配置し、且つ中心から周辺に向かって負の屈折力が小となる非球面を少なくとも1面配置することで、広角端における負の歪曲収差の補正が容易となる。
さらに望ましくは、第4レンズ群L4に中心から周辺に向かって正の屈折力が小となる非球面を少なくとも1面配置することで、広角端における負の歪曲収差の補正が容易となる。
さらに望ましくは、1b群L1bを物体側に移動させて近距離へのフォーカシングをおこなえば、前玉径の小型化が容易となるうえ、1b群L1bは第1レンズ群L1の中でも比較的小型であるので、本光学系をオートフォーカスカメラに採用した場合、フォーカスアクチュエータへの負担を小とできるため、迅速なるフォーカシングが可能となる。
さらに1b群L1bの焦点距離をf1bをしたとき、以下の条件を満足すると良い。
3.9 <|f1b|/fw< 10.0 …(7)
条件式(7)は、前記負の1b群の屈折力を適切に設定するための条件であり、上限をこえると、フォーカシングのための移動量が大となりすぎるため、前記負の1a群との空気間隔が大となり、前玉径の大型化をひきおこす。下限をこえると望遠端において、フォーカシングにともなう球面収差の変動を抑制するのが困難となる。
望ましくは条件式(7)を以下の範囲とすると良い。
4.8 <|f1b|/fw< 8.0 …(7a)
(実施例)
次に数値実施例1〜5のズームレンズの数値データを示す。表中、fは焦点距離、FnoはFナンバー、ωは半画角である。また、Riは物体側より第i番目の面の曲率半径、Diは、第i番目の面と第(i+1)番目の面の間隔、Niとνiは各々物体側より順に第i番目の光学部材のd線を基準とした屈折率とアッベ数である。
非球面形状は光軸方向にX軸、光軸と垂直方向にH軸、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、A,B,C,D,Eを各々非球面係数としたとき
Figure 2005309124
で表す。
各数値実施例の条件式(1)〜(7)に対応する値は表1に示す。
(数値実施例1)
Figure 2005309124
(数値実施例2)
Figure 2005309124
(数値実施例3)
Figure 2005309124
(数値実施例4)
Figure 2005309124
(数値実施例5)
Figure 2005309124
Figure 2005309124
数値実施例1のズームレンズのレンズ断面図 数値実施例2のズームレンズのレンズ断面図 数値実施例3のズームレンズのレンズ断面図 数値実施例4のズームレンズのレンズ断面図 数値実施例5のズームレンズのレンズ断面図 数値実施例1のズームレンズの収差図 数値実施例2のズームレンズの収差図 数値実施例3のズームレンズの収差図 数値実施例4のズームレンズの収差図 数値実施例5のズームレンズの収差図
符号の説明
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
L1a 第1a群
L1b 第1b群
SP 開口絞り
SSP 開放Fナンバー絞り
IP 像面
d d線
g g線
ΔS サジタル像面
ΔM メリジオナル像面

Claims (6)

  1. 物体側から順に、負の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群を有し、広角端から望遠端への変倍の際、前記第1レンズ群と前記第2レンズ群の間隔が小となり、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群の間隔が大となり、前記第3レンズ群と前記第4レンズ群の間隔が小となる光学系において、前記第1レンズ群は、物体側から順に、負の屈折力の第1a群、最も大なる空気間隔をはさんで負の屈折力の第1b群を有し、前記第1a群は最も物体側に負レンズG1を有し、前記第1a群の焦点距離をf1a、負レンズG1の焦点距離をfg1,広角端の焦点距離をfwとした時、以下の条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
    1.0 <|f1a|/fw< 3.5
    5.0 <|fg1|/fw< 50.0
  2. 前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記第2レンズ群の焦点距離をf2、前記第3レンズ群の焦点距離をf3、前記第4レンズ群の焦点距離をf4とした時、以下の条件を満足することを特徴とする請求項1記載のズームレンズ。
    0.9 <|f1|/fw< 2.0
    1.5 < f2 /fw< 3.3
    2.2 <|f3|/fw< 5.0
    2.2 < f4 /fw< 4.9
  3. 前記第1a群は、最も物体側に負レンズを少なくとも2枚有し、且つ中心から周辺に向かって負の屈折力が小となる非球面を少なくとも1面有していることを特徴とする請求項1又は2記載のズームレンズ。
  4. 前記第1レンズ群は中心から周辺に向かって負の屈折力が大となる非球面を少なくとも1面有していることを特徴とする請求項1乃至3記載のズームレンズ。
  5. 前記第4レンズ群は中心から周辺に向かって正の屈折力が小となる非球面を少なくとも1面有していることを特徴とする請求項1乃至4記載の広角ズームレンズ。
  6. 前記第1b群を物体側に移動させて近距離へのフォーカシングをおこない、前記第1b群の焦点距離をf1bをしたとき、以下の特徴とする請求項1乃至5記載のズームレンズ。
    3.9 <|f1b|/fw< 10.0
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