JP2005308406A - 走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents

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武則 広木
Yuichi Kunitomo
裕一 國友
Yoshihito Inanobe
慶仁 稲野辺
Yukio Kenbo
行雄 見坊
Takeshi Murayama
健 村山
Toru Kurenuma
榑沼  透
Hiroaki Yanagimoto
裕章 柳本
Hiroshi Kuroda
浩史 黒田
Yasushi Minomoto
泰 美野本
Shigeru Miwa
茂 三輪
Yoshiyuki Nagano
好幸 永野
Takashi Morimoto
高史 森本
Toru Shinaki
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Abstract

【課題】 測定装置での各種パラメータを、カンチレバーに応じて自動的に適正化でき、測定作業の効率化、測定結果の安定化と信頼性向上を企図した走査型プローブ顕微鏡を提供する。
【解決手段】 この走査型プローブ顕微鏡は、探針1を備えたカンチレバー2を取付け部4に着脱自在に設け、探針を試料に対して接近させて試料表面の情報を得る測定装置を備え、カンチレバーを測定条件に応じて変更するように構成され、変更されたカンチレバーについてカンチレバーの種類またはばらつきを検出する検出手段と、検出手段で得られた検出情報に基づき測定装置で設定されるパラメータの値を決定するパラメータ決定手段と、決定されたパラメータの値で測定装置のパラメータの設定値を変更するパラメータ変更手段を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は走査型プローブ顕微鏡に関し、特に、使用されるカンチレバーの種類に応じて測定装置に設定された各種パラメータを自動的に適正化するのに好適な走査型プローブ顕微鏡に関する。
走査型プローブ顕微鏡は、原子サイズの微細な対象物を観察できる測定分解能を有する測定装置として知られる。近年、走査型プローブ顕微鏡は、半導体デバイス等が作り込まれる基板やウェハの表面の微細な凹凸形状の測定など各種の分野に適用されている。測定に利用する検出物理量に応じて各種のタイプの走査型プローブ顕微鏡がある。例えばトンネル電流を利用する走査型トンネル顕微鏡、原子間力を利用する原子間力顕微鏡、磁気力を利用する磁気力顕微鏡等があり、それらの応用範囲も拡大しつつある。
上記のうちとりわけ原子間力顕微鏡は、試料表面の微細な凹凸形状を高分解能で検出するのに適し、半導体基板、ディスクなどの分野で実績を上げている。最近ではインライン自動検査工程の用途でも使用されてきている。
原子間力顕微鏡は、基本的な構成として、原子間力顕微鏡の原理に基づく測定装置の部分を備える。通常、圧電素子を利用して形成されたトライポッド型またはチューブ型のXYZ微動機構を備え、このXYZ微動機構の下端に、先端に探針が形成されたカンチレバーが取り付けられている。探針の先端は試料の表面に対向している。上記カンチレバーに対して例えば光てこ式光学検出装置が配備される。すなわち、カンチレバーの上方に配置されたレーザ光源から出射されたレーザ光がカンチレバーの背面で反射され、光検出器より検出される。カンチレバーにおいて撓みや捩れが生じると、光検出器の受光面におけるレーザ光の入射位置が変化する。従って探針およびカンチレバーで変位が生じると、光検出器から出力される検出信号で当該変位の方向および量を検出できる。上記の原子間力顕微鏡の構成について、制御系として、通常、減算器(または比較器)、制御器が設けられる。減算器は、光検出器から出力される検出電圧信号と基準電圧(目標撓み量を与える電圧)とを比較し、その差を求めて偏差信号を出力する。制御器は、当該偏差信号が0になるように制御信号を生成し、この制御信号をXYZ微動機構内のZ微動機構に与える。こうして、試料と探針の間の距離を一定に保持するフィードバックサーボ制御系が形成される。上記の構成によって探針を試料表面の微細凹凸に追従させながら走査し、その形状を測定することができる。測定された試料の表面形状は画像化され、計測結果としてモニタに表示される。
上記の原子間力顕微鏡に対して観察対象である試料が用意される。試料は、例えば、表面に多数の半導体デバイスが作り込まれた基板またはウェハである。この試料は試料ステージ上に設けられた試料ホルダ(試料チャック機構)の上に配置され、例えば静電力で固定される。試料ステージは、通常、それ自体、試料を移動させるための移動機構としてXY移動機構およびZ移動機構を備える。XY移動機構およびZ移動機構は、前述したXYZ微動機構に比較して、探針と試料の間で相対的に大きな距離の移動を可能にする粗動機構である。
さらに上記原子間力顕微鏡では、必要に応じて、例えば、試料表面等で広い範囲の観察を可能にする光学顕微鏡、および光学顕微鏡で得られた像を撮影するTVカメラ等が装備される。このTVカメラは、探針の位置の確認、あるいはパターン認識を行うための画像取込みを行うのに使用される。
上記のカンチレバーは、通常、片持ち支持機構で支持されたの曲がり易いスプリングレバーである。カンチレバーの基端は上記のごとくXYZ微動機構の下端に取り付けられる。カンチレバーの先端には探針が形成され、探針は試料の表面の測定領域に臨む。探針と試料表面の間に距離に依存して生じる探針の変位に基づいてカンチレバーが撓むまたは捩れ、これを上記光てこ計測することにより試料表面の凹凸形状を測定することが可能となる。
上記のカンチレバーは、上記のXYZ微動機構に対して、その取付け部(カンチレバーホルダ等)を介して着脱自在であり、測定の条件や事情等に応じて各種の任意のカンチレバーが使用される。カンチレバーは、走査型プローブ顕微鏡の測定方法の違い、または試料の種類の違いに応じて、使用する種類が異なる。そしてカンチレバーの種類により、カンチレバーの形状(厚み、長さ、幅、先端形状等)、カンチレバーのバネ定数、光てこ式光学検出装置の光てこ感度やカンチレバー背面の表面反射率が異なるという特性を有している。さらに同じ種類のカンチレバーであっても、製造時の条件・状況に応じてばらつき(製造ばらつき)が生じ、形状、バネ定数、光てこ感度、表面反射率などに若干の差が生じる。その結果、走査型プローブ顕微鏡のXYZ微動機構に取り付けられるカンチレバーについて、必要に応じて、種類を変更して異なるカンチレバーを取り付けるとき、または、同種類のカンチレバーであっても交換を行うとき、測定装置に設定された各種のパラメータを適正に設定し直すことが必要となる。
XYZ微動機構に取り付けられるカンチレバーについて種類の変更または同種カンチレバーの交換と同様な場合に、測定に必要なパラメータを設定するための従来技術として特許文献1に記載された発明を挙げる。特許文献1に記載された原子間力顕微鏡では、探針に働く力とカンチレバーの撓み量を少なくとも2点に関して検出を行って、力設定値に相当するカンチレバー変位検出値を求め、これを制御の基準となる力設定値として設定する。つまり、カンチレバーの特性に応じた測定に必要なパラメータすなわち力設定値を測定条件を作って算出し、得られた算出値に基づき適正な値に設定し直している。
上記のごとく、走査型プローブ顕微鏡においてXYZ微動機構に取り付けられるカンチレバーについて種類の変更または同種カンチレバーの交換の際に、測定装置の各種のパラメータを逐一算出して適正値に設定し直すことは、効率が悪い。他方、測定に必要なパラメータが適正値に設定されない場合には、測定結果を信頼することができないという問題を提起する。
特許第3364531号公報
走査型プローブ顕微鏡におけるカンチレバーのパラメータ設定の従来の一般的方法では次のような問題がある。
第1に、適正なパラメータを算出するため、試料を測定し、測定結果を確認しながら手動でパラメータを可変させ、最適な値に設定する必要がある。そのための測定では不適切なパラメータで走査型プローブ顕微鏡の測定装置を動作させなければならないので、カンチレバーの探針の先部が摩耗したりまたは破損したりする可能性がある。
第2に、手動によりパラメータを設定する場合、測定者の判断により、設定値が異なる可能性が生じる。そのため、測定者により測定結果に差が生じる可能性がある。
第3に、走査型プローブ顕微鏡の測定装置に装着されるカンチレバーを変更した場合、必ず必要なパラメータを変更する必要があるが、このときカンチレバー毎のデフォルト値(予め用意されたパラメータ設定値)を使用した場合、同種カンチレバーの製造ばらつきには対応できない可能性もある。
以上に各問題に鑑みて、本発明が解決しようとする課題は、原子間力顕微鏡等の走査型プローブ顕微鏡で、種類の異なるカンチレバーを取り付けるとき、または同種カンチレバーであって交換を行うとき等のごとくカンチレバーを変更するときに、測定装置に取り付けられたカンチレバー毎に対応する適正なパラメータを自動的に算出して設定し、探針の摩耗・破損をなくし、測定者に依存する誤差をなくし、製造ばらつきにも対応でき、測定作業の負担軽減、効率のよい測定、安定した信頼性の高い測定結果を得るようにすることである。
従って本発明の目的は、上記の課題に鑑み、測定装置における各種のパラメータを、装着されたカンチレバーに応じて自動的に適正化でき、測定作業の効率化、測定結果の安定化と信頼性向上を企図した走査型プローブ顕微鏡を提供することにある。
本発明に係る走査型プローブ顕微鏡は、上記目的を達成するために、次のように構成される。
第1の走査型プローブ顕微鏡(請求項1に対応)は、先端に探針を備えたカンチレバーを取付け部に着脱自在に設け、探針を試料に対して接近させて試料表面の情報を得る測定装置を備え、カンチレバーを測定条件に応じて変更するように構成された走査型プローブ顕微鏡であり、さらに、変更されたカンチレバーについてカンチレバーの種類またはばらつきを検出する検出手段と、この検出手段で得られた検出情報に基づき測定装置で設定されるパラメータの値を決定するパラメータ決定手段と、決定されたパラメータの値で測定装置のパラメータの設定値を変更するパラメータ変更手段を備えるように構成される。
第2の走査型プローブ顕微鏡(請求項2に対応)は、先端に探針を備えたカンチレバーを取付け部に着脱自在に設け、探針を試料に対して接近させて試料表面の情報を得る測定装置を備え、カンチレバーを測定条件に応じて変更するように構成された走査型プローブ顕微鏡であり、変更されたカンチレバーの画像を得る画像取得手段と、得られたカンチレバーの前記画像をパターン認識するパターン認識手段と、認識されたパターンに基づき、測定装置で設定されるパラメータの値を決定するパラメータ決定手段と、決定されたパラメータの値で測定装置のパラメータの設定値を変更するパラメータ変更手段を備えるように構成される。
第3の走査型プローブ顕微鏡(請求項3に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、測定装置は、カンチレバーの背面にレーザ光を照射するレーザ光源とカンチレバーの背面で反射されたレーザ光を受光する受光器から成る光学検出装置を含み、パラメータはレーザ光源から出力されるレーザ光の出力値であるで特徴づけられる。
第4の走査型プローブ顕微鏡(請求項4に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、光学検出装置は光てこ式光学検出装置であり、パラメータは、カンチレバーと光学検出装置によって決まる光てこ感度であることで特徴づけられる。
第5の走査型プローブ顕微鏡(請求項5に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、測定装置は、カンチレバーの変位量を検出する変位検出手段と、この変位検出手段から出力される検出信号と基準値との差をとる減算手段と、この減算手段から出力される偏差信号に対応する制御信号を出力する制御手段とから成る制御系を含み、パラメータは基準値であることで特徴づけられる。
第6の走査型プローブ顕微鏡(請求項6に対応)は、上記の各構成において、好ましくは、パラメータは、制御系で設定される制御ゲインである。
本発明によれば、走査型プローブ顕微鏡においてカンチレバーの種類を変更するとき、または同種カンチレバーであっても交換するとき、測定装置の各種パラメータに関してカンチレバーの特性に応じたカンチレバー毎の適正値を自動的に設定したため、測定作業の効率化を達成し、安定しかつ信頼性の高い測定結果を得ることができ、さらに測定者による測定結果の差をなくすことができる。またパラメータ算出時のカンチレバーの探針の針先の消耗および破損を少なくすることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1に従って本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の基本的構成を説明する。この実施形態では、走査型プローブ顕微鏡の代表例として原子間力顕微鏡(AFM)に基づくAFM測定の例について説明する。原子間力顕微鏡は、探針・試料間で生じる原子間力を利用して試料表面の凹凸形状等を測定する測定装置の部分を含む。なお走査型プローブ顕微鏡は原子間力顕微鏡には限定されない。
本実施形態による原子間力顕微鏡の測定動作は、先端に探針1を有するカンチレバー2を備え、その探針1で試料3の表面の凹凸形状をなぞるものである。カンチレバー2の撓み変形や捩れ変形等によって生じるカンチレバー2または探針1の図1中の高さ方向等の変位量は、光てこ式光学検出装置を利用して検出される。
図1で、試料3は試料ホルダ11上に固定されている。試料3は例えば半導体デバイス作製用の基板(またはウェハ)である。
試料3の上側にはカンチレバー2が配置され、カンチレバー2の先端には、試料3の表面に対向するように位置する探針1が備えられている。カンチレバー2は、その基部2aがZ微動機構12に固定されている。Z微動機構12は例えば圧電素子で形成され、図1中高さ方向(垂直方向)に微小距離で伸縮する機能を有している。これによりZ微動機構12はカンチレバー2および探針1の高さ方向の位置を微動動作に基づき変化させる。Z微動機構12は、探針・試料間を一定の距離に保持するため試料表面に対して探針1を接近させたりまたは退避させる機構である。
カンチレバー2はZ微動機構12の下部に着脱自在である。Z微動機構12の下部には一般的にカンチレバー2の基部2aを吸着する機能を有する取付け部4が設けられる。通常、カンチレバー2については複数種類のカンチレバーが用意され、測定の条件や状況に応じて任意のカンチレバーが選択され、Z微動機構12の下部に取り付けられる。
上記Z微動機構12は、例えば、固定されたXY微動機構(図示せず)の下部に取り付けられている。XY微動機構は探針1等を図1中水平方向に微動させる機能を有し、これにより探針1は試料3の表面を走査することが可能となる。
カンチレバー2の上方にはレーザ光源13と受光器(光検出器)14から成る光てこ式光学検出装置が配置される。レーザ光源13から出射されたレーザ光13aはカンチレバー2の背面(反射面)で反射され、受光器14の受光面に入射する。受光器14の受光面は4分割されており、4分割された各要素ごとに受光量に対応する電気信号が得られ、カンチレバーの撓みまたは捩れ方向に対向する要素の電気信号の差分である差信号Sdにより、カンチレバーの撓みまたは捩れ状態を検出することができる。光てこ式光学検出装置は、カンチレバー2の撓みまたは捩れの状態(変位量)を検出することにより、探針1の変位を検出する働きを有している。探針1と試料3の表面との間に生じる物理的作用(原子間力)の変化に基づいて探針1が変位すると、カンチレバー2が例えば撓み、その撓み量等に依存して受光器14の受光面におけるレーザ光13aの入射スポットの位置が変化し、受光面の撓み方向に対向する要素の差信号Sdが変化し、これにより探針1の変位量を電気信号的に取り出すことができる。すなわち受光器14の出力信号SI1をモニタすることにより、探針1の変位量を求めることが可能となる。試料3の表面と探針1との間で作用する物理量としては原子間力顕微鏡では原子間力であり、当該原子間力に応じて探針1の位置が変化し、さらにカンチレバー2が撓み変形することにより、カンチレバー2で生じる変形量は、前述の通り、光てこ式光学検出装置により測定され、取り出される。
上記において、レーザ光源13から出力されるレーザ光13aのレベルはレーザ出力調整回路15によって決定される。従ってレーザ光源13から出力されるレーザ光13aのレベルはレーザ出力調整回路15によって調整される。
次に、制御系の構成と測定に関する信号処理系の構成とを説明する。図1において、試料3の表面の凹凸等の形状を測定するときには、まず最初、探針1をZ微動機構12により試料3に対し原子間力が作用する高さ位置まで接近させる。探針1と試料3が接近したとき、探針1が試料3の表面から原子間力を受け、カンチレバー2に撓み変形等が生じる。カンチレバー2はかかる微弱な原子間力で撓む程度の非常に柔らかい曲がり易い材料を利用している。通常、半導体の薄膜作製技術を利用して作られる。
光てこ式光学検出装置により検出されるカンチレバー2の変位量(すなわち探針1の高さ位置変化量)は、受光器14から出力信号SI1として出力される4分割された各要素の信号を、アンプ等のゲインG1が設定された変位信号検出回路16に入力し、差信号Sdとした後に増幅されて電圧信号Vdとして取り出される。電圧信号Vdは演算・制御装置17に入力される。
変位信号検出回路16からは、この他に受光器14の4分割された受光面の各要素の電気信号の総和である和信号Saと前述の差信号Sdが出力され、演算・制御装置17に入力される。
上記の変位信号検出回路16と演算・制御装置17の詳細な構成は図3に示される。変位信号検出回路16は加減算器30とアンプ31から構成され、演算・制御装置17は、減算器32と、制御器33と、基準値設定器34と、演算処理部35と、記憶部36から構成されている。
受光器14の出力信号SI1は加減算器30に入力され、和信号Saと差信号Sdが出力される。差信号SdはゲインG1が設定されたアンプ31で増幅されて電圧信号Vdとなり、減算器32に入力される。減算器32には、さらに基準値設定器34から予め基準値(力設定値)として設定されたVrefが入力される。減算器32では、基準値として設定されたVrefと上記電気信号Vdとの差が偏差信号Δsとして演算される。当該偏差信号Δsは制御器33に供給される。制御器33はZ微動機構12の伸縮動作を制御する制御要素である。制御器33によれば、減算器32から出力される上記偏差信号Δsが0になるように、制御信号s1を生成し出力する。制御器33から出力される制御信号s1は、カンチレバー2の撓み変形等による変位量を常に基準値Vrefに一致するように制御するためのものであり、探針1を試料3の表面に対し一定の力で押付けられた状態に保つためZ微動機構12の伸縮動作すなわち探針1の変位を制御する駆動制御信号である。こうして減算器32と制御器33等を含むフィードバックサーボ制御系が形成される。フィードバックサーボ制御系の制御器33では、サーボゲインG2が設定されている。
演算処理部35は、コンピュータで構成される。演算処理部35は、加減算器30から出力される和信号Saおよび差信号Sdと、後述するように画像認識装置18からのカンチレバーに係る画像認識情報とを入力し、和信号Saまたは差信号Sdと画像認識情報のうちのいずれか一方または両方を用いることにより、Z微動機構12に装着されたカンチレバー2の種類または特性(製造ばらつき等)を自動的に判別し、測定装置に設定される後述の各種パラメータについて当該カンチレバー2に応じた適正値を求め、当該パラメータを自動的に変更する。パラメータの適正値の求め方としては、記憶部36に用意された和信号や光てこ感度などの基準値が用いられる。また記憶部36には、カンチレバーの種類または特性に応じた適正なパラメータ値(デフォルト)が格納されている。このパラメータとしては、レーザ光の出力レベル、光てこ感度、基準値Vref、ゲインG1、サーボゲインG2などがある。
演算処理部35は、上記機能を実行するため、機能部として、カンチレバー2の種類またはばらつき等を検出する検出手段と、検出手段で得られた検出情報に基づき測定装置で設定される各種パラメータの値を最適に決定するパラメータ決定手段と、決定されたパラメータの値で測定装置のパラメータの設定値を変更するパラメータ変更手段を備える。さらに演算処理部35は、得られたカンチレバーの画像情報に基づきパターン認識するパターン認識手段と、認識されたパターンに基づき、測定装置で設定されるパラメータの適正値を決定するパラメータ決定手段とを備える。
図1において画像認識装置18は、Z微動機構12に装着されるカンチレバー2の種類をモニタするための装置であり、カンチレバー2の形状等に係る画像認識情報が出力される。当該画像認識情報は、演算・制御装置17の演算処理部35に入力される。
静電容量変位計19は、Z微動機構12の伸縮に係る変位量(移動量)を検出する。検出されたZ微動機構12の移動量に係る検出信号は、演算・制御装置17の演算処理部35に入力される。
図2は、測定に使用される各種のカンチレバー2A〜2Dの平面図を示す。図2で21はカンチレバー基部である。第1のタイプのカンチレバー2Aは比較的に短い形状を有するカンチレバーである。第2のタイプのカンチレバー2Bは中間的な長さの形状を有するカンチレバーである。第3のタイプのカンチレバー2Cは、第2のタイプと同様に中間的な長さの形状を有し、かつ背面がレーザ反射膜コーティングが形成されているカンチレバーである。第4のタイプのカンチレバー2Dは長い長さ形状を有しかつ若干幅が狭くなっているカンチレバーである。
次に、図4〜図7を参照して、Z微動機構12に種類の異なるカンチレバー2を新たに取り付けるとき、または同種のカンチレバー2であって他のものに交換するときに、カンチレバー2の種類または製造ばらつき等に応じて測定装置の各種のパラメータを自動的に適正値に設定する手順(調整手順)の例について説明する。
図4は、カンチレバー毎のレーザ反射信号(和信号Sa)の違いに対する調整手順を示している。カンチレバーの種類を変更等した場合(ステップS11)、画像認識情報の分析(パターン認識)に基づくカンチレバーの形状およびレーザ反射信号(和信号Sa)に基づいてカンチレバーの種別等を自動的に認識する(ステップS12)。次に、カンチレバーの種類毎にレーザ光13aの反射光に対応する反射光信号のレベルに差が生じるため、調整信号s2に基づきレーザ出力調整回路15の動作を制御してレーザ光源13から出力されるレーザ光のレベルを例えば4段階(前述のカンチレバー2A〜2Dに対応するレベル)に切り換え(ステップS13)、カンチレバーの種類に応じた光レベルに設定する。次にカンチレバーからのレーザ反射信号(和信号Sa)を検出する(ステップS14)。同種類のカンチレバーの製造ばらつきにおけるレーザ反射信号の差を吸収するために和信号Saがカンチレバー毎の或る基準電圧(基準値)になるように再び調整信号s2によってレーザ光の出力レベルを自動的に調整する(ステップS15)。
図5は、カンチレバー毎のレーザ反射信号(和信号Sa)の違いに対する別の調整手順を示している。カンチレバーの種類を変更等した場合(ステップS21)、画像認識情報の分析(パターン認識)に基づくカンチレバーの形状およびレーザ反射信号(和信号Sa)によってカンチレバーの種別等を自動的に認識し、カンチレバーの種別毎のサーボゲインG2やゲインG1等のデフォルト値を記憶部36から取得し、調整信号s3,s4によりパラメータとして設定する(ステップS22)。次にカンチレバーからのレーザ反射信号(和信号Sa)を検出する(ステップS23)。同種類のカンチレバーの製造ばらつき等におけるレーザ反射信号の差を吸収するために和信号Saがカンチレバー毎の或る基準電圧になるように再び調整信号s4によって制御器33のサーボゲイン(G2)を自動的に調整する(ステップS24)。
図6は、カンチレバー毎の光てこ感度の違いに対する調整手順を示している。図7は、この調整手段で利用されるフォースカーブ特性41を示す。図7で、横軸はZ方向の移動量(Z移動量:nm)を意味し、縦軸は差信号Sd(電圧信号:mV)を意味する。図7ではカンチレバー接近停止位置P1が示される。さらに図7では光てこ感度がΔV/Δdとして定義されている。
図6で、カンチレバーの種類を変更した場合、種類毎に光てこ感度に差が生じる。そこで、カンチレバーの種類を変更等した場合(ステップS31)、画像認識情報の分析(パターン認識)に基づくカンチレバーの形状およびレーザ反射信号(和信号Sa)によってカンチレバーの種別等を自動的に認識し、カンチレバーの種別毎の光てこ感度等のデフォルト値を記憶部36から取得し、調整信号によりパラメータとして設定する(ステップS32)。次にカンチレバーを試料に接近させる(ステップS33)。次のステップS34では、カンチレバーが試料に接触してから、規定の力設定値(基準値Vref)が加わるまでの反射信号(差信号Sb)を検出する。そしてこの差信号の電圧とZ微動機構12の移動量(静電容量変位計19の出力信号に基づく)に基づいて光てこ感度を自動的に算出する(ステップS35)。次に、カンチレバー毎の光てこ感度が一定基準になるように調整信号s2によってレーザ光の出力レベルを自動的に調整する(ステップS36)。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、走査型プローブ顕微鏡でカンチレバーを変更したときカンチレバー毎の適正値を自動的に設定し、カンチレバーが変更されても安定した測定結果を得るのに利用される。
本発明に係る走査型プローブ顕微鏡の基本的構成を示す構成図である。 各種のカンチレバーの例を示す平面図である。 演算・制御装置の内部構成を示すブロック図である。 本発明に係る走査型プローブ顕微鏡のパラメータ自動調整の第1の実施例を示すフローチャートである。 本発明に係る走査型プローブ顕微鏡のパラメータ自動調整の第2の実施例を示すフローチャートである。 本発明に係る走査型プローブ顕微鏡のパラメータ自動調整の第3の実施例を示すフローチャートである。 フォースカーブ特性を示すグラフである。
符号の説明
1 探針
2 カンチレバー
3 試料
4 取付け部
11 試料ステージ
12 Z微動機構
13 レーザ光源
14 受光器

Claims (6)

  1. 先端に探針を備えたカンチレバーを取付け部に着脱自在に設け、前記探針を試料に対して接近させて試料表面の情報を得る測定装置を備え、前記カンチレバーを測定条件に応じて変更するように構成された走査型プローブ顕微鏡において、
    変更された前記カンチレバーについて前記カンチレバーの種類またはばらつきを検出する検出手段と、
    前記検出手段で得られた検出情報に基づき前記測定装置で設定されるパラメータの値を決定するパラメータ決定手段と、
    前記決定されたパラメータの値で前記測定装置の前記パラメータの設定値を変更するパラメータ変更手段と、を備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  2. 先端に探針を備えたカンチレバーを取付け部に着脱自在に設け、前記探針を試料に対して接近させて試料表面の情報を得る測定装置を備え、前記カンチレバーを測定条件に応じて変更するように構成された走査型プローブ顕微鏡において、
    変更された前記カンチレバーの画像を得る画像取得手段と、
    得られた前記カンチレバーの前記画像をパターン認識するパターン認識手段と、
    認識されたパターンに基づき、前記測定装置で設定されるパラメータの値を決定するパラメータ決定手段と、
    前記決定されたパラメータの値で前記測定装置の前記パラメータの設定値を変更するパラメータ変更手段と、を備えることを特徴とする走査型プローブ顕微鏡。
  3. 前記測定装置は、前記カンチレバーの背面にレーザ光を照射するレーザ光源と前記カンチレバーの背面で反射されたレーザ光を受光する受光器から成る光学検出装置を含み、前記パラメータは前記レーザ光源から出力される前記レーザ光の出力値であることを特徴とする請求項1または2記載の走査型プローブ顕微鏡。
  4. 前記光学検出装置は光てこ式光学検出装置であり、前記パラメータは、前記カンチレバーと前記光学検出装置によって決まる光てこ感度であることを特徴とする請求項3記載の走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記測定装置は、前記カンチレバーの変位量を検出する変位検出手段と、この変位検出手段から出力される検出信号と基準値との差をとる減算手段と、この減算手段から出力される偏差信号に対応する制御信号を出力する制御手段とから成る制御系を含み、前記パラメータは前記基準値であることを特徴とする請求項1または2記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記パラメータは、前記制御系で設定される制御ゲインであることを特徴とする請求項5記載の走査型プローブ顕微鏡。
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