JP2005305990A - 人工石材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 軽くて圧縮及び曲げに強く、大理石やオニックスのように深みのある人工石材の製造方法を提供する。
【解決手段】 型枠12の内側底面13と内側垂直面14に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程と、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、不飽和ポリエステル樹脂、低収縮剤、微粉の無機質充填材、硬化剤、及び着色顔料をそれぞれ所定量配合し、撹拌と脱泡処理を行った樹脂材からなるベースコンパウンドを、型枠12に入れて所定の厚みの下地層18を形成する工程と、型枠12に隙間を有して装入可能でかつ製品厚みに応じた厚みの積層合板19を下地層18の上に載せる工程と、積層合板19の周囲及び上に樹脂材を型枠12上面まで注型する工程と、常温硬化後、型枠12より脱型して成型物15を得る工程とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、不飽和ポリエステル樹脂を使用した人工石材の製造方法に関する。
従来、大理石等を模した人工石材としては、大理石の粒子を白セメントで固めて表面を研磨するテラゾウや、大理石あるいは御影板等の石粒を樹脂に混入して固めたもの等が知られている。
また、特許文献1には、底部が平面状の台ガラスとなった型枠の内側に離型剤を塗布する第1工程と、型枠内の台ガラス上に透明樹脂を塗布し、この透明樹脂が生乾きの状態で模様紙を置き空気を抜きながら透明樹脂と模様紙を密着接合する第2工程と、模様紙の上に石粒と樹脂の混合物であるバックアップ材を敷く第3工程と、このバックアップ材の上に木製芯材を入れ、更にその上及び周囲を前記バックアップ材で覆う第4工程と、適当時間放置した後できあがった人工大理石を型枠から外す第5工程とを有する人工大理石の製造方法が開示されている。
特許第2551858号公報
しかしながら、従来の方法で製造した全体に石粒を含む人工石材は、比重が大きく重くなり、工事に手間取るという問題があった。また、このような人工石材は、圧縮には強いが曲げには弱いという問題もあった。
次に、特許文献1の発明に係る人工大理石では、中に入れた木製芯材により比重が軽く、圧縮及び曲げに強い人工大理石を製造できたが、この人工大理石の角を丸くするような場合、研磨又は研削等を行うと模様紙の端が出てくるため加工がし難いという問題があった。また、この人工大理石は模様紙による同じ模様しかできず、天然の大理石又はオニックスに比べ深みがない、即ち立体感に欠け平面的であるという問題もあった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、軽くて圧縮及び曲げに強く、天然の大理石やオニックスのように深みのある人工石材の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の人工石材の製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を有している。
(1)予め準備された厚みを有するフロートガラス又はステンレス製平板からなる成型台に、フロートガラス又は硬質合成樹脂素材を用いた壁材を枠組した型枠の内側底面と内側垂直面に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程。
(2)前記ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った樹脂材からなるベースコンパウンドを、前記型枠に入れて所定の厚みの下地層を形成する工程。
(3)更に、前記型枠に隙間を有して装入可能でかつ製品厚みに応じた厚みの積層合板を前記下地層の上に載せる工程。
(4)前記積層合板の周囲及び上に、前記樹脂材を型枠上面まで注型する工程。
(5)前記樹脂材の常温硬化後、前記型枠より脱型し、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい成型物を得る工程。
前記目的に沿う請求項2記載の人工石材の製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を有している。
(1)予め準備された厚みを有するフロートガラス又はステンレス製平板からなる成型台に、フロートガラス又は硬質合成樹脂素材を用いた壁材を枠組した型枠の内側底面と内側垂直面に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程。
(2)前記ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、(a)不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った樹脂材と、(b)不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の前記着色顔料とは別の色の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った模様表出材とを、色が融合しない程度に混ぜ込んで混合したベースコンパウンドを、前記型枠に入れて所定の厚みの下地層を形成する工程。
(3)更に、前記型枠に隙間を有して装入可能でかつ製品厚みに応じた厚みの積層合板を前記下地層の上に載せる工程。
(4)前記積層合板の周囲及び上に、前記樹脂材又は前記ベースコンパウントを型枠上面まで注型する工程。
(5)前記樹脂材の常温硬化後、前記型枠より脱型し、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい成型物を得る工程。
前記目的に沿う請求項3記載の人工石材の製造方法は、以下の(1)〜(5)の工程を有している。
(1)予め準備された厚みを有するフロートガラス又はステンレス製平板からなる成型台に、フロートガラス又は硬質合成樹脂素材を用いた壁材を枠組した型枠の内側底面と内側垂直面に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程。
(2)前記ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、(a)不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った樹脂材と、(b)不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の前記着色顔料とは別の色の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った模様表出材とを、前記型枠の内側底面より所定の厚みまで隙間なく入れて下地層を形成する工程。
(3)更に、前記型枠に隙間を有して装入可能でかつ製品厚みに応じた厚みの積層合板を前記下地層の上に載せる工程。
(4)前記積層合板の周囲及び上に、前記樹脂材又は前記模様表出材を型枠上面まで注型する工程。
(5)前記樹脂材の常温硬化後、前記型枠より脱型し、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい成型物を得る工程。
以上の請求項1〜3記載の人工石材の製造方法において、成型台は、例えば8〜10mm程度の厚みのあるフロートガラス又はステンレス製平板で形成され、型枠は、成型台の上に、例えば厚み2.5〜6mm(例えば3mm程度)のフロートガラス又は硬質合成樹脂素材(例えば、塩化ビニール又はポリエチレン樹脂等)を用いた壁材を枠組して形成される。型枠は、平面視して3角形、4角形以上の多角形、円形、楕円形、及びその他任意の形状の何れか1に形成することができ、更にこれらの形状を組み合わせた形状とすることができる。
硬質合成樹脂素材を用いた壁材には、例えば、薄手のベニヤ板等で形成した側壁の内側に硬質合成樹脂素材を貼り付ける場合も含まれる。また、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂としては、透明(内部が透けて見える程度の多少の色彩を有してもよい)の樹脂を用い、その厚みが0.5mm程度(0.3〜1mmでもよい)となるように塗布する。なお、型枠の内側底面と内側垂直面には、予め離型剤を塗布して脱型を容易にすることが好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の着色顔料を配合し、例えば混合機で撹拌して混合しながら、例えば真空による脱泡を行って適度の流動性を有する樹脂材を作る。脱泡を行なうことで樹脂材にピンホール状の穴が形成されるのを防止できる。
不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて十分に混合すると、不飽和ポリエステル樹脂に重合反応が生じ、不飽和ポリエステル樹脂は徐々に硬化して硬質状態となる。配合する微粉の無機質充填材及び着色顔料によって、種々の石材の色合いや質感を人工的に調整することができる。また、不飽和ポリエステル樹脂を、硬化剤、好ましくは硬化促進剤と共に混合して硬化させることにより任意の形状、及び寸法の人工石材(成型物)を製造することができる。
不飽和ポリエステル樹脂は、1)例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸、アコニット酸、及びジヒドロムコン酸の何れか1又は2以上からなる不飽和二塩基酸(その無水物も含む)と、2)例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及び水素添加ビスフェノールAの何れか1又は2以上からなる多価アルコールとの縮重合体を作り、3)例えば、エチレンモノマー及びスチレンモノマーの何れか1又は2からなる架橋剤を加えて作成される。
また、不飽和ポリエステル樹脂は、例えば粘度250〜500mPa・s(パスカル秒)が好適に使用される。不飽和ポリエステル樹脂の粘度が250mPa・s未満では粘度が低くさらさらして使い難く、500mPa・sを超えると硬くなり過ぎると共に、気泡を巻き込み易くなる。不飽和ポリエステル樹脂は透光性があるので、内部の構造を透して見ることができ、奥行感のある人工石材を得ることができる。
低収縮剤は、硬化体積収縮率が約6〜10%である不飽和ポリエステル樹脂の収縮を低減し、成型物の反りや捻れを少なくするために配合する。低収縮剤としては、一般の不飽和ポリエステル樹脂用の低収縮剤が使用できる。低収縮剤は、不飽和ポリエチレン樹脂100重量部に対して、10〜40重量部、好ましくは20〜30重量部配合する。低収縮材の配合量が不飽和ポリエチレン樹脂100重量部に対して、10重量部未満では成型物の反りや捻れが起こり易くなり、40重量部を超えると反応が鈍くなり、硬化しない恐れがある。
低収縮剤としては、1)アクリル酸又はメタクリル酸の低級アルキルエステル類(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メチルアクリレート、及びエチルアクリレートの何れか1又は2以上からなる)、2)スチレン、塩化ビニル、及び酢酸ビニルの何れか1からなる単独重合体又はこれらの何れか2以上からなる共重合体類がある。更に、前記低収縮剤としては、前記ビニル単量体の少なくとも1種と、ラウリルメタクリレート、イソビニルメタクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシルアルキルアクリレート又はメタクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、及びセチルステアリルメタクリレートの何れか1を含む単量体の少なくとも1種との共重合体であってもよい。また、前記低収縮剤としては、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、及び飽和ポリエステルの何れか1からなるものがある。
微粉の無機質充填材は、不飽和ポリエステル樹脂の硬化時の収縮緩和及び人工石材の質感の向上のために使用する。無機質充填材としては、例えば、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、及び寒水石粉の何れか1又は2以上で、粒径が50〜100μm程度の微粉末を使用できる。無機質充填材は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して200〜400重量部の範囲で加えるのがよい。無機充填材の配合量が不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、200重量部未満では不飽和ポリエステル樹脂の硬化時の収縮緩和効果が不十分であり、400重量部を超えると人工石材の強度が低下してしまう。
硬化剤としては、市販のジアリルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、及びパーカーボネート系の何れか1からなる硬化剤があり、例えば、ケトンパーオキサイド系(有機過酸化物系)である55%濃度の過酸化メチルエチルケトンが使用できる。また、低温で不飽和ポリエステル樹脂を硬化させる場合には、硬化を促進するために、コバルト系、バナジウム系、又はマンガン系等の金属石鹸類、第3級アミン類、第4級アンモニウム塩、及びメルカプタン類の少なくとも何れか1からなる硬化促進剤を併用するのが好ましく、例えば、1%濃度のナフテン酸コバルトが使用できる。
配合する硬化剤の量は、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.4〜3.5重量部、好ましくは0.5〜3.0重量部とすることができる。硬化剤の配合量が不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.4重量部未満では硬化が起こり難くなり、3.5重量部を超えるとゲル化は急速に起こるが未硬化を起こす場合もあり、不飽和ポリエステル樹脂が変色する。また、硬化促進剤を使用する場合には、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.4〜1.3重量部、好ましくは0.4〜1.0重量部配合するとよく、硬化促進剤の配合量が不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.4重量部未満では硬化が促進されず、1.3重量部を超えるとゲル化は急速に起こるが未硬化を起こす場合もあり、不飽和ポリエステル樹脂が変色する。硬化促進剤の添加によって、夏場と冬場を通じて十分な可使時間を確保して不飽和ポリエステル樹脂を硬化させることができる。
着色顔料としては、市販のポリエステル用顔料を使用することができ、人工石材に種々の色を付与することができる。着色顔料は適量でよいが、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して0.04〜5.0重量部の範囲で配合するのが好ましい。
請求項2及び3記載の人工石材の製造方法において、模様表出材としては、前記した樹脂材とは異なった着色顔料を使用して製造すればよい。なお、模様表出材に使用する不飽和ポリエステル樹脂は、模様表出材の色と樹脂材の色とが混ざり合わないように、その粘度が樹脂材に使用する不飽和ポリエステル樹脂の粘度よりも高いものが好ましい。模様表出材によって、人工石材に複数の色を着けることができ、より立体感のあるオニックス紋様を創出することができる。また、積層合板を載せる際に、例えばバイブレーターで積層合板を振動させることにより、模様表出材と樹脂材とが自然に融合し、深みを出すこともできる。
また、請求項2記載の人工石材の製造方法において、色が融合しない程度に混ぜ込むとは、色が混じって別の色にならない程度に混ぜ合わせることをいう。
請求項1〜3記載の人工石材の製造方法において樹脂材を製造する工程で、更に、請求項2、3記載の人工石材の製造方法において模様表出材を製造する工程で、不飽和ポリエステル樹脂、低収縮剤、微粉の無機質充填材、硬化剤、及び着色顔料を撹拌する際に消泡剤を配合してもよく、これらを撹拌する際に巻き込まれる空気を短時間に効率的に除去できる。消泡剤としては、市販のポリエステル用消泡剤が使用できる。
また、下地層の厚みは6〜15mmに形成するのが好ましい。下地層の厚みが6mm未満であると中の積層合板が見えることがあり、また反り又は捻れを起こすことがある。また、下地層の厚みが15mmを超えると樹脂材の使用量が増えコストが高くなると共に、下地層の硬化時間が短縮されるが発熱量が大きくなり、反り又はクラック等が発生し易く、人工石材の品質が低下する。
また、下地層に載せる積層合板はベニヤ板が好適に用いられ、型枠に隙間(型枠の内側面とそれに対応する積層合板の面との間隔が、例えば8〜15mmとなるように)を有して装入できる大きさとし、その厚みは、例えば、製品厚みより12〜30mm差し引いた値とする。なお、製品の厚みが薄い場合には、装入する積層合板の厚みを製品厚みの半分程度にしてもよい。
積層合板によって、人工石材の縮みや反りが少なくなり、強度が増すと共に、重量を軽くできる。また、人工石材をテーブル等に使用する場合には、人工石材に木ネジを直接螺着することができ、受け木が不要になる。
なお、積層合板の上に錘を載置して、その重みで下地層と積層合板とを圧着することが好ましい。例えば錘を載置した状態で、常温(例えば、15〜30℃)で、例えば20〜60分放置して不飽和ポリエステル樹脂を重合させて下地層を硬化させると共に、下地層と積層合板を接合させる。更に、積層合板の周囲及び上に、例えば樹脂材を型枠上面まで注型した後、例えば4〜15時間程度、常温硬化を行い、更に型枠より脱型し成型物を得ることができる。
また、請求項1〜3の人工石材の製造方法において、下地層を形成する樹脂材と、積層合板の周囲及び上に注入する樹脂材との成分は同一でもよいし、その配分を本発明の要旨内の範囲で変える場合も本発明は適用される。更に、請求項2記載のベースコンパウンド及び請求項3記載の模様表出材において、下地層と積層合板の周囲及び上に注入するものとの成分を本発明の要旨内の範囲で変える場合も本発明は適用される。
請求項4記載の人工石材の製造方法は、請求項3記載の人工石材の製造方法において、前記下地層を形成する工程で前記模様表出材は注型器具(即ち、注入容器)によって注型される。請求項4記載の人工石材の製造方法において、注型器具としては、模様表出材を貯留する容器と、容器に設けられたノズルとを有するもの、注射器のようなピストン付のシリンダ、ポンプ等によって模様表出材を吹き出すもの等があり、注型器具の模様表出材の吐出口の口径、また、模様表出材の注型速度(吐出速度)を変化させることにより様々な模様を作り出すことができる。なお、注型器具を使用して、例えばベースコンパウンド、樹脂材を注型してもよい。
請求項5記載の人工石材の製造方法は、請求項2〜4記載の人工石材の製造方法において、前記下地層を形成する工程で前記樹脂材と前記模様表出材との境目を色が融合しない程度に混ぜ合わせる。請求項5記載の人工石材の製造方法において、境目の撹拌は、例えばへら等で行うことができ、人工石材に渦状の模様を形成することができる。
請求項6記載の人工石材の製造方法は、請求項2〜5記載の人工石材の製造方法において、前記模様表出材は複数あり、それぞれ異なった着色顔料によって彩色されている。
請求項7記載の人工石材の製造方法は、請求項1〜6記載の人工石材の製造方法において、前記成型物は加熱炉でアフターキュアが施される。請求項7記載の人工石材の製造方法において、アフターキュアは、例えば30〜50℃、好ましくは40〜50℃で3〜4時間加熱処理して行うことができる。加熱炉としては、例えばエアバスが使用できる。アフターキュアは、作業場の雰囲気温度が30℃未満である場合に行うことが好ましく、作業場の雰囲気温度が30〜40℃となる場合、特に夏季においては省略することができる。アフターキュアにおいて、その加熱温度が、30℃未満では成型物が完全に硬化せず、50℃を超えると、積層合板と、不飽和ポリエステル樹脂及び無機質充填材とを有する樹脂材との熱膨張係数が異なるため、反りや捻れの原因となる。
請求項8記載の人工石材の製造方法は、請求項1〜7記載の人工石材の製造方法において、前記成型物は、前記積層合板と所定厚みを残すようにして加工され、更に加工表面にゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する。請求項8記載の人工石材の製造方法において、残す厚み、即ち積層合板の周囲の厚みは、例えば6〜15mmとするのが好ましい。所定厚みが6mm未満であると中の積層合板が見えることがあり、また反り、捻れを起こすことがある。
請求項1及びこれに従属する請求項7及び8記載の人工石材の製造方法は、(1)型枠の内側底面と内側垂直面に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程と、(2)ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、樹脂材からなるベースコンパウンドを、型枠の内側底面より所定の厚みまで入れて下地層を形成する工程と、(3)積層合板を下地層の上に載せる工程と、(4)積層合板の周囲及び上に樹脂材を型枠上面まで注型する工程と、(5)常温硬化後、型枠より成型物を脱型し、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい成型物を得る工程とを有するので、軽くて圧縮及び曲げに強く、天然の大理石やオニックスのように深みのある単色の人工石材を得ることができる。
請求項2及びこれに従属する請求項5〜8記載の人工石材の製造方法は、(1)型枠の内側底面と内側垂直面に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程と、(2)ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、樹脂材と模様表出材とを色が融合しない程度に混ぜ込んで、混合したベースコンパウンドを、型枠の内側底面より所定の厚みまで入れて下地層を形成する工程と、(3)積層合板を下地層の上に載せる工程と、(4)積層合板の周囲及び上に樹脂材又はベースコンパウンドを型枠上面まで注型する工程と、(5)常温硬化後、型枠より成型物を脱型し、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい成型物を得る工程とを有するので、軽くて圧縮及び曲げに強く、天然の大理石やオニックスのように自然な模様や深みのある複数の色を有する人工石材を得ることができる。
請求項3及びこれに従属する請求項4〜8記載の人工石材の製造方法は、(1)型枠の内側底面と内側垂直面に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程と、(2)ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、樹脂材と模様表出材とを型枠の底面より所定の厚みまで隙間なく配置して下地層を形成する工程と、(3)積層合板を下地層の上に載せる工程と、(4)積層合板の周囲及び上に樹脂材又は模様表出材を型枠上面まで注型する工程と、(5)常温硬化後、型枠より成型物を脱型し、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい成型物を得る工程とを有するので、軽くて圧縮及び曲げに強く、天然の大理石やオニックスのように自然な模様に自由に加工でき、深みのある複数の色を有する人工石材を得ることができる。
請求項4記載の人工石材の製造方法は、下地層を形成する工程で模様表出材は注型器具によって注型されるので、例えば、吐出口の口径、又は注型速度を変化させることで、様々な模様を作り出すことができる。
請求項5記載の人工石材の製造方法は、下地層を形成する工程で樹脂材と模様表出材との境目を色が融合しない程度に混ぜ合わせるので、渦状の模様を形成できる。
請求項6記載の人工石材の製造方法は、模様表出材は複数あり、それぞれ異なった着色顔料によって彩色されているので、天然の大理石やオニックスにより近づいた風合いとすることができる。
請求項7記載の人工石材の製造方法は、成型物は加熱炉でアフターキュアが施されるので、成型物を完全に硬化させることができる。
請求項8記載の人工石材の製造方法は、成型物は積層合板と所定厚みを残すようにして加工するので、成型物を様々な形状に加工できる。また、加工表面にゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布するので、成型物の表面に光沢を出すことができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る人工石材の製造方法の説明図、図2は同製造方法における積層合板の下地層への圧着方法の説明図、図3は同製造方法により製造した成型物の説明図、図4は同製造方法により製造した成型物を加工したテーブルの説明図、図5は本発明の第2の実施の形態に係る人工石材の製造方法の説明図、図6は同製造方法により製造した成型物の説明図、図7は本発明の第3の実施の形態に係る人工石材の製造方法の説明図、図8は同製造方法の模様表出材の注型器具による注型の説明図である。
図1〜図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る人工石材の製造方法について説明する。
(第1の工程)
厚みが8〜10mm程度の厚みを有するフロートガラスからなる成型台10上に、厚み3mm程度の硬質合成樹脂素材の一例である塩化ビニールの壁材11を枠組して形成した型枠12の内側底面13と内側垂直面14に、予め成型物15の脱型を容易にする図示しない離型剤を塗布した後、透明なゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を、厚みが0.5mm程度となるように塗布する。ここで、透明とは内部が透けて見える程度の多少の色彩を有するものも含む。
また、型枠12は内側の寸法が製造する成型物15(製品)の大きさ(縦600mm、横1000mm、厚み30mm)と同じ大きさになるように形成される。また、成型台10は、壁材11を枠組できる程度、例えば縦620mm、横1200mmに形成する。更に、型枠12の強度を増すために、補強材16(例えば、熱可塑性の接着剤)を壁材11の外側下部に装填する。
(第2の工程)
ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂が硬化してゲルコート層17が形成された後、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の着色顔料を配合し、撹拌処理と真空脱泡処理を行った樹脂材aからなるベースコンパウンドを作成する。
ここで、不飽和ポリエステル樹脂は、マレイン酸と、エチレングリコールとの縮重合体を作り、スチレンモノマーを加えて作成され、粘度が250〜500mPa・s、例えば400mPa・mのものを使用した。また、低収縮剤は、メチルメタクリレートを使用した。微粉の無機質充填材は、平均粒径が65μmで白色度90以上の水酸化アルミニウムと平均粒径が300μmで白色度が90以上の炭酸カルシウムを同重量比で混合したものを使用した。
硬化剤は、例えば、ケトンパーオキサイド系の55%濃度の過酸化メチルエチルケトンを使用し、更に硬化促進剤の一例である1%濃度のナフテン酸コバルトも配合した。着色顔料は、市販の白色のポリエステル用顔料を使用し、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、0.04〜5.0重量部配合した。市販のポリエステル用消泡剤を配合すると、撹拌する際に巻き込まれる空気を短時間に効率的に除去できるので好ましい。
ここで、これらを撹拌する装置としては、混合機の一例である回転型ミキサーが使用でき、約10分間の撹拌と脱泡を行い樹脂材aを製造する。自動反転機能を備えた回転型ミキサーを使用すると短時間で完全に混合できるので好ましく、ミキサーの回転数は60rpm程度が好ましい。脱泡を行なうことで樹脂材aにピンホール状の穴が形成されるのを防止できる。不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて十分に混合すると、不飽和ポリエステル樹脂に重合反応が生じ徐々に硬化して硬質状態となる。
適量のベースコンパウンドをステンレス製の薄いへらですくい取り、へらを返してベースコンパウンドを型枠12内に置き、この作業を繰り返して型枠12の内側底面13を隙間なく埋め、更にガラス製又はステンレス製の板状の伸ばしゲージを使用して、ベースコンパウンドの上面を平滑にして、最終的に型枠12の底面より所定の厚み、6〜15mm、例えば厚さ7mmの下地層18を形成する。また、ベースコンパウンドを注型器具によって注型し、伸ばしゲージでその上面を平滑にして下地層18を形成してもよい。
(第3の工程)
型枠12に隙間を有して装入可能でかつ製品の厚みに応じた厚みを有する積層合板(例えば、ベニヤ板)19を下地層18の上に載せる。積層合板19は、各面が成型物15の外側の対応する面からそれぞれ8〜15mm内側に位置するように、例えば厚みが16mm、縦が570mm、横が970mmのものを使用した。
図2に示すように、積層合板19を下地層18に圧着するために、型枠12の対向する壁材11に跨がるようにして、複数、例えば10本のステンレス製の角パイプ20を所定間隔で配置する。なお、成型物15の上面から積層合板19上面までの距離を7mmとするために、厚み7mmのステンレス製の押さえ材21を積層合板19の上に装填し、例えば重量10〜15kgの鉄製の錘22を角パイプ20の上に載置して加圧する。これによって、型枠12の上端から一定の距離の隙間を有して積層合板19を水平に配置することができる。常温(例えば、15〜30℃)で20〜90分間放置して不飽和ポリエステル樹脂の硬化と共に、積層合板19が下地層18に圧着される。その後、角パイプ20、押さえ材21、及び錘22を除去する。
(第4の工程)
積層合板19の周囲及び上に、樹脂材aを型枠12の上面まで注型する。
(第5の工程)
4〜15時間程度、常温で硬化させて樹脂層23を形成した後、型枠12より成型物15を脱型する(図3参照)。型枠12の内側底面13と内側垂直面14には、予め離型剤が塗布されているので、成型物15の脱型が容易である。
成型物15は、積層合板19が装入されているので比重1.0〜1.1の軽量であり、成型物15の縮みや反りを少なくできると共に、成型物15の強度が増し、割れ難くすることができる。更に、成型物15は、加熱炉(例えば、エアバス)内で、30〜50℃、3〜4時間加熱処理を行うアフターキュアを施して不飽和ポリエステル樹脂を完全に硬化させる。型枠12内に配置されている成型物15では、下部となっているゲルコート層17によって形成された面が、製品の上面(表面)となる。
次に、図4を参照して、本発明の一実施の形態に係る人工石材の製造方法により製造した成型物15を加工したテーブル25について説明する。
まず、積層合板19から、所定厚み例えば6〜15mmを残すようにして、即ち積層合板19の周囲に6〜15mmの樹脂層を確保できるようにして、成型物15の角を面取り加工し、更にゲルコート層17が除去された加工表面にゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布してテーブル台26を形成する。更に、テーブル台26の下部には、テーブル台26を支える複数、例えば2本の脚27が、テーブル台26を載置する板状の固定部28を介して設けられている。更に、固定部28の下部から積層合板19に複数本の木ねじ29を螺着してテーブル台26を固定し、テーブル25を製造した。
図5及び図6を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る人工石材の製造方法について説明する。なお、第1の実施の形態の人工石材と同一の構成要素については同一の番号を付してその詳しい説明を省略する(以下の実施の形態についても同様)。
(第1の工程)
成型台10上に壁材11を枠組した型枠12の内側底面13と内側垂直面14に離型剤を塗布した後、透明なゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を、厚みが0.5mm程度となるように塗布する。更に、壁材11の強度を増すために、補強材16を壁材11の外側下部に装填する。
(第2の工程)
ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂が硬化してゲルコート層17が形成された後、樹脂材aと、樹脂材aとは同じ配合材料で着色顔料のみ異なった色、例えば茶色を使用した模様表出材bとを作成する。なお、模様表出材bに使用する不飽和ポリエステル樹脂は、模様表出材bの色が、樹脂材aの色と混ざり合わないように、その粘度が樹脂材aに使用する不飽和ポリエステル樹脂の粘度よりも高いものがよい。
樹脂材aと模様表出材bとを色が融合しない程度、すなわち色が混じって別の色にならない程度に混ぜ込み、混合したベースコンパウンドを型枠12内に入れ、へらで型枠12の内側底面13を隙間なく埋め、更に伸ばしゲージを使用して、ベースコンパウンドの上面を平滑にして、厚さ7mmの下地層30を形成する。なお、下地層30を形成する工程で樹脂材aと模様表出材bとの境目をへら等で色が融合しない程度に混ぜ合わせ、渦状の模様を形成することもできる。樹脂材a及び模様表出材bを製造する際に消泡剤を添加してもよい。
(第3の工程)
型枠12に隙間を有して装入可能でかつ製品の厚みに応じた積層合板19を下地層30の上に載せる。積層合板19を下地層30に第1の実施の形態と同様に圧着する。積層合板19を加圧する際にバイブレーター等で積層合板19を振動させると、樹脂材aと模様表出材bとが自然に融合して深みを出すことができるので好ましい。
(第4の工程)
積層合板19の周囲及び上に、ベースコンパウンド(樹脂材aと模様表出材bとの混合物)を型枠12の上面まで注型する。なお、ベースコンパウンドの代わりに樹脂材aを注型してもよい。
(第5の工程)
4〜15時間程度、常温硬化を行って樹脂層32を形成させた後、型枠12より成型物31を脱型する(図6参照)。
型枠12の内側底面13と内側垂直面14には、予め離型剤が塗布されているので、成型物31の脱型が容易である。成型物31は、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい。更に、成型物31は、加熱炉内で、30〜50℃、3〜4時間加熱処理を行うアフターキュアが施され、不飽和ポリエステル樹脂を完全に硬化させる。型枠12内に配置されている成型物31では、下部となっているゲルコート層17が形成された面が、製品の上面(表面)となる。
図7及び図8を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る人工石材の製造方法について説明する。
(第1の工程)
成型台10上に壁材11を枠組した型枠12の内側底面13と内側垂直面14に離型剤を塗布した後、透明なゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を、厚みが0.5mm程度となるように塗布する。更に、壁材11の強度を増すために、補強材16を壁材11の外側下部に装填する。
(第2の工程)
ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂が硬化してゲルコート層17が形成された後、樹脂材aと模様表出材bとを作成する。図8に示すように、模様表出材bを貯留する容器34と容器34に設けられたノズル35とを有する注型器具36によって模様表出材bを型枠12の内側底面上に注入する。注型器具36のノズル35の吐出口37の口径、また、模様表出材bの注型速度(吐出速度)を変化させることにより様々な模様を作り出すことができる。
次に、樹脂材aを型枠12内に入れ、へらで型枠12の内側底面上を隙間なく埋め、更に伸ばしゲージを使用して上面を平滑にして、厚さ7mmの下地層38を形成する。なお、下地層38を形成する工程で樹脂材aと模様表出材bとの境目をへら等で撹拌し、渦状の模様を形成することができる。樹脂材a及び模様表出材bを製造する際に消泡剤を添加してもよい。
(第3の工程)
更に、積層合板19を下地層38の上に載せる。積層合板19を下地層38に第1の実施の形態と同様に圧着する。積層合板19を加圧する際にバイブレーター等で積層合板19を振動させると、樹脂材aと模様表出材bとが自然に融合して深みを出すことができるので好ましい。
(第4の工程)
積層合板19の周囲及び上に、樹脂材aを型枠12の上面まで注型する。なお、樹脂材aの代わりに、下地層38と同様に樹脂材aと模様表出材bを別々に入れてもよい。
(第5の工程)
4〜15時間程度、常温硬化を行って樹脂層32aを形成させた後、型枠12より成型物39を脱型する。
型枠12の内側底面13と内側垂直面14には、予め離型剤が塗布されているので、成型物39の脱型が容易である。成型物39は、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい。更に、成型物39は、加熱炉内で30〜50℃、3〜4時間加熱処理を行うアフターキュアが施され、不飽和ポリエステル樹脂を完全に硬化させる。型枠12内の成型物39では、下部となっているゲルコート層17が形成された面が、製品では上面(表面)となる。
本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の人工石材の製造方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、前記実施の形態の人工石材の製造方法において、成型台を厚みを有するフロートガラスで形成したがステンレス製平板を使用してもよい。また、成型台上に硬質合成樹脂素材の一例である塩化ビニールを用いた壁材を枠組みして型枠を形成したが、ポリエチレン樹脂等の高湿合成樹脂素材やフロートガラスで壁材を形成してもよい。また、型枠を平面視して、矩形としたが、正方形でもよく、3角形、5角形以上の多角形、円形、及び楕円形の何れか1に形成することができ、更にこれらの形状を組み合わせた形状とすることもできる。また、壁材を硬質合成樹脂素材で形成する場合には、その外側を薄手のベニヤ板で形成し、その内側に硬質合成樹脂素材を貼り付けることもできる。
不飽和ポリエステル樹脂、低収縮剤、無機質充填材、硬化剤、及び着色顔料は、それぞれ以上に説明したもの以外のものを使うことができる。模様表出材は、一色のみで一種類形成したが、異なった着色顔料によって彩色された複数の模様表出材を作成し、それらを使用して人工石材を形成し、天然の大理石やオニックスにより近づいた風合いとしてもよい。また、板状に形成した成型物の角を面取りして、積層合板と所定厚みを残すようにして加工して、更に加工表面にゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布したが、これらの樹脂を塗布することなく、積層合板と所定厚みを残すようにして加工することもできる。
本発明の第1の実施の形態に係る人工石材の製造方法の説明図である。 同製造方法における積層合板の下地層への圧着方法の説明図である。 同製造方法により製造した成型物の説明図である。 同製造方法により製造した成型物を加工したテーブルの説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る人工石材の製造方法の説明図である。 同製造方法により製造した成型物の説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る人工石材の製造方法の説明図である。 同製造方法の模様表出材の注型器具による注型の説明図である。
符号の説明
10:成型台、11:壁材、12:型枠、13:内側底面、14:内側垂直面、15:成型物、16:補強材、17:ゲルコート層、18:下地層、19:積層合板、20:角パイプ、21:押さえ材、22:錘、23:樹脂層、25:テーブル、26:テーブル台、27:脚、28:固定部、29:木ねじ、30:下地層、31:成型物、32、32a:樹脂層、34:容器、35:ノズル、36:注型器具、37:吐出口、38:下地層、39:成型物

Claims (8)

  1. 以下の(1)〜(5)の工程を有することを特徴とする人工石材の製造方法。
    (1)予め準備された厚みを有するフロートガラス又はステンレス製平板からなる成型台に、フロートガラス又は硬質合成樹脂素材を用いた壁材を枠組した型枠の内側底面と内側垂直面に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程。
    (2)前記ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った樹脂材からなるベースコンパウンドを、前記型枠に入れて所定の厚みの下地層を形成する工程。
    (3)更に、前記型枠に隙間を有して装入可能でかつ製品厚みに応じた厚みの積層合板を前記下地層の上に載せる工程。
    (4)前記積層合板の周囲及び上に、前記樹脂材を型枠上面まで注型する工程。
    (5)前記樹脂材の常温硬化後、前記型枠より脱型し、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい成型物を得る工程。
  2. 以下の(1)〜(5)の工程を有することを特徴とする人工石材の製造方法。
    (1)予め準備された厚みを有するフロートガラス又はステンレス製平板からなる成型台に、フロートガラス又は硬質合成樹脂素材を用いた壁材を枠組した型枠の内側底面と内側垂直面に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程。
    (2)前記ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、(a)不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った樹脂材と、(b)不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の前記着色顔料とは別の色の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った模様表出材とを、色が融合しない程度に混ぜ込んで混合したベースコンパウンドを、前記型枠に入れて所定の厚みの下地層を形成する工程。
    (3)更に、前記型枠に隙間を有して装入可能でかつ製品厚みに応じた厚みの積層合板を前記下地層の上に載せる工程。
    (4)前記積層合板の周囲及び上に、前記樹脂材又は前記ベースコンパウントを型枠上面まで注型する工程。
    (5)前記樹脂材の常温硬化後、前記型枠より脱型し、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい成型物を得る工程。
  3. 以下の(1)〜(5)の工程を有することを特徴とする人工石材の製造方法。
    (1)予め準備された厚みを有するフロートガラス又はステンレス製平板からなる成型台に、フロートガラス又は硬質合成樹脂素材を用いた壁材を枠組した型枠の内側底面と内側垂直面に、ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程。
    (2)前記ゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂の硬化後、(a)不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った樹脂材と、(b)不飽和ポリエステル樹脂100重量部に対して、低収縮剤10〜40重量部、微粉の無機質充填材200〜400重量部、硬化剤0.4〜3.5重量部、及び適量の前記着色顔料とは別の色の着色顔料を配合し、撹拌及び脱泡処理を行った模様表出材とを、前記型枠の内側底面より所定の厚みまで隙間なく入れて下地層を形成する工程。
    (3)更に、前記型枠に隙間を有して装入可能でかつ製品厚みに応じた厚みの積層合板を前記下地層の上に載せる工程。
    (4)前記積層合板の周囲及び上に、前記樹脂材又は前記模様表出材を型枠上面まで注型する工程。
    (5)前記樹脂材の常温硬化後、前記型枠より脱型し、比重1.0〜1.1の軽量で割れにくい成型物を得る工程。
  4. 請求項3記載の人工石材の製造方法において、前記下地層を形成する工程で前記模様表出材は、注型器具によって注型されることを特徴とする人工石材の製造方法。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の人工石材の製造方法において、前記下地層を形成する工程で前記樹脂材と前記模様表出材との境目を色が融合しない程度に混ぜ合わせることを特徴とする人工石材の製造方法。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の人工石材の製造方法において、前記模様表出材は複数あり、それぞれ異なった着色顔料によって彩色されていることを特徴とする人工石材の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の人工石材の製造方法において、前記成型物は加熱炉でアフターキュアが施されることを特徴とする人工石材の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の人工石材の製造方法において、前記成型物は前記積層合板と所定厚みを残すようにして加工され、更に加工表面にゲルコート用不飽和ポリエステル樹脂を塗布することを特徴とする人工石材の製造方法。
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