JP2005305908A - プリンタのプリントヘッドへのインク供給機構、ヘッドユニット、プリンタ、およびインク供給機構の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクタンク等の配列ピッチをプリントヘッドのインク受入口の配列ピッチに合わせる変換部でのインクの漏洩を防止する。
【解決手段】インク供給機構は、プリンタのプリントヘッド3へのインク供給機構であって、インク供給部101から供給されたインクが通るインク受入開口15が配置されたインク受入部材4と、インク受入部材4のインク受入開口15の出口側の面4bに対向し、密着して設けられた変換プレート2とを有している。変換プレート2は、一端がインク受入開口15と連通し、出口側の面4bに沿って延び、他端がプリントヘッド3と接続するインク排出口21を有するインク流路16を、出口側の面4bとともに形成する。そして、インク流路16の外周が、外周路17に囲まれている。
【選択図】 図1
【解決手段】インク供給機構は、プリンタのプリントヘッド3へのインク供給機構であって、インク供給部101から供給されたインクが通るインク受入開口15が配置されたインク受入部材4と、インク受入部材4のインク受入開口15の出口側の面4bに対向し、密着して設けられた変換プレート2とを有している。変換プレート2は、一端がインク受入開口15と連通し、出口側の面4bに沿って延び、他端がプリントヘッド3と接続するインク排出口21を有するインク流路16を、出口側の面4bとともに形成する。そして、インク流路16の外周が、外周路17に囲まれている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プリンタ、特にインクジェットプリンタのプリントヘッドにインクを供給するインク供給機構に関し、さらに、かかるインク供給機構を用いたヘッドユニット等、および、かかるインク供給機構の製造方法に関する。
インクジェット記録装置では、インクタンクやインク室などのインク供給部からプリントヘッドにインクを供給して記録を行う。近年はカラープリントのために、色毎に専用のインクタンクと素子とを有することも多い。通常、インクタンク等の配列ピッチは、プリントヘッドのインク受入口の配列ピッチとは異なっている。このため、インクジェット記録装置のインク供給機構には、インクタンク等の配列ピッチをインク受入口の配列ピッチに変換したり、ときにはインクタンク等の配列順序とインク受入口の配列順序を変更するために、変換プレ−トが用いられている。
変換プレ−トは、例えば、インクタンクを保持するタンクホルダの底面に溶着でとりつけられている。変換プレートの一方の面と、これと対向するタンクホルダの底面には、インクタンク等の配列ピッチをインク受入口の配列ピッチに変換する流路を形成する所定の凹凸形状が設けられており、変換プレートとタンクホルダの底面のいずれか一方には溶着用のリブが、他方には対応する溝が形成されている。溶着用のリブを溝にはめ合わせて位置決めし、溶着用のリブを超音波溶着等で潰して、溝と接合することによって、変換プレートがタンクホルダに固定され、変換プレートとタンクホルダとの間に所定のインク流路が形成される。インク流路は、タンクホルダの底面に沿って延び、一端には、タンクホルダからのインク受入開口が、他端には、プリントヘッドへのインク排出口が形成される。このようにして、インクは、インク流路を介してインクタンク等の配列ピッチからインク受入口の配列ピッチに変換されながら、タンクホルダからプリントヘッドのインク受入口まで流れる。
特開平10−286972号公報
しかしながら従来技術では、以下のような課題があった。
まず、タンクホルダと変換プレ−トとを超音波溶着にて接合する場合、タンクホルダと変換プレ−トの材質が異なるとそれぞれの熱溶解温度が異なり、溶着時に熱溶解温度の低い部材の方が先に潰れてしまう。このため、溶着用のリブと溝との接合が部分的に不完全となり、タンクホルダと変換プレ−トとの間に微小隙間が生じ、その部分から微少漏洩を起こすことがある。漏れ出したインクは記録媒体やプリンタ本体の汚染の原因となるおそれがある。
また、カラープリンタのように複数のインクが用いられる場合において、2つのインク流路に微小隙間があると、漏れ出したインクが他のインク流路に流入して、インクの混色が生じるおそれもある。
さらに、従来、溶着用のリブの接合状態を検査する際には、インク受入開口またはインク排出口のどちらかを一時的に塞ぎ、もう一方の開口部から圧縮空気を注入し各インク流路内の圧力変動をモニタすることで、接合部の接合状態の適否を判定していた。このため、検査時に、インク流路内が加圧され、タンクホルダと変換プレ−トとの接合部に引張力が掛かり、場合によっては接合部を破壊し、破壊が生じないまでも微小隙間が生じるおそれもある。
本発明は、以上の状況に鑑みて、インクタンク等の配列ピッチをインク受入口の配列ピッチに変換する変換部でインクの漏洩が容易に生じない、信頼性の高いインク供給機構およびヘッドユニット等と、インク供給機構の製造方法とを提供することを目的とする。
本発明のインク供給機構は、プリンタのプリントヘッドへのインク供給機構であって、インク供給部から供給されたインクが通るインク受入開口が配置されたインク受入部材とと、インク受入部材のインク受入開口の出口側の面に対向し、密着して設けられた変換プレートとを有している。変換プレートは、一端がインク受入開口と連通し、出口側の面に沿って延び、他端にプリントヘッドと接続するインク排出口を有するインク流路を、出口側の面とともに形成する。そして、インク流路の外周が、外周路に囲まれている。
このように構成されたインク供給機構にあっては、インク流路から微少漏洩が起きても、漏洩したインクが外周部に留まるので、外部に漏れ出すおそれは少ない。このため、特に、長期保管時や長時間停止時、インクが継続してにじみ出たり、漏れ出するなどして、再使用する際に、インクが記録媒体やプリンタを汚染する問題を解消することができる。
本発明の、プリンタのプリントヘッドへのインク供給機構の製造方法は、インク供給部から供給されたインクが通るインク受入開口が配置されたインク受入部材と、インク受入部材のインク受入開口の出口側の面に対向し、密着して設けられた変換プレートであって、一端がインク受入開口と連通し、出口側の面に沿って延び、他端にプリントヘッドに接続するインク排出口を有するインク流路を、出口側の面とともに形成する変換プレートとを有する、プリンタのプリントヘッドへのインク供給機構であって、インク流路の外周が、外周路に囲まれているインク供給機構の製造方法に関するものである。本製造方法は、インク受入部材または変換プレートのいずれかに、インク流路の側壁を構成する側壁リブを設け、他方に、側壁リブと対向する位置に、側壁リブを受け入れてインク流路を形成する側壁接合溝を設ける工程と、インク受入部材または変換プレートのいずれかに、外周路の外壁を構成する外周リブを設け、他方に、外周リブと対向する位置に、外周リブを受け入れて外周路を形成する外周接合溝を設ける工程と、側壁リブと側壁接合溝とを、および、外周リブと外周接合溝とを溶着して、インク流路と外周路とを形成する工程とを有している。
以上説明したように、本発明の、プリンタのプリントヘッドへのインク供給機構およびその製造方法によれば、インク受入開口からインク排出口までのインク流路が外周路に囲まれているため、インク流路からインクが漏洩してもインクは外周路に留まり、外部に漏れて記録媒体等を汚染する可能性が低減し、より一層信頼性が高まる。
本以下に本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の、プリンタのプリントヘッドのインク供給機構に係る、インク供給部であるインクタンクと、タンクホルダと、変換プレートと、プリントヘッドとの位置関係を示した模式的な分解斜視図である。タンクホルダ、変換プレート、およびプリントヘッドは一体となって、プリンタの一構成要素であるヘッドユニットを構成し、プリンタはヘッドユニットを保持する保持部(図示せず)を有している。タンクホルダ1は、各色のインク毎に専用に設けられたインクタンク101(本実施形態では4体)が内部に挿入可能なように上方が開放された、ボックス形状の部材である。本実施形態では、インクタンク101はタンクホルダ1から脱着可能に構成されているが、インクタンクとタンクホルダとが一体に構成された形態でも構わない。インクタンク101はインクタンク配列ピッチTpで配列している。ただし、すべてのインクタンク101が同一の配列ピッチで配列している必要はない。タンクホルダ1の底面は平板状のインク受入部材4となっており、インク受入開口15が、インクタンク101が挿入される入口側の面4aから、その反対面である出口側の面4bへ貫通して延びている。インク受入開口15は、インクタンク101がタンクホルダ1に挿入されたときに、インクタンク101のインク供給口102と連結され、インクタンク101の内部に貯蔵されたインクはインク受入開口15に流入することができる。
なお、図1では、最も手前側のインクタンク101を例に説明しているが、他のインクタンクも同様である。また、以下の説明は、インクタンクを有するプリンタを例に行うが、インク室を設けたプリンタでも同様である。
タンクホルダ1の下方には、変換プレート2が設けられている。変換プレート2には、色毎に、インク受入開口15と連絡するインク流路16が設けられている。図中1点鎖線は、インク受入開口15とインク流路16との連絡を示している。インク流路16は変換プレート2に沿って延び、先端でインク排出口21が下向きに開口している。
変換プレート2の下方には、プリントヘッド3が設けられている。プリントヘッド3は、前述のように、インクに吐出エネルギーを与える素子を搭載しており、ピエゾ素子等の電気機械変換素子を用いるもの、レーザー等の電磁波を照射してインクを発熱させ、この発熱による作用でインク滴を吐出させるもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換素子によってインクを加熱し、膜沸騰の作用によりインク滴を吐出させるものなどを用いることができる。インク受入口31はインク排出口21と接続しており、図中2点鎖線は、インク排出口21とインク受入口31との連絡を示している。プリントヘッド3は、各色別にインクを受け入れるインク受入口31を有しており、インク受入口31は、インク受入口配列ピッチEpで配列している。ただし、すべてのインク受入口31が同一の配列ピッチで配列している必要はない。
インクタンク配列ピッチTpがインク受入口配列ピッチEpに変換されるのは、通常、これらが異なるためである。本発明のインク供給機構は、このような配列ピッチ変換のためのインク流路16を有しているとともに、インク流路16からのインクの漏洩を防止する外周路17をさらに有している。以下、その詳細を図2〜5を用いて説明する。
図2は、インク供給機構の各要素を示す概念図であり、図2(a)は、タンクホルダの底面および変換プレートを図1の2a−2a線の方向からみた平面図である。また、図2(b)は、変換プレートのインクタンクに面する側の面を図1の2b−2b線の方向からみた平面図であり、変換プレートをその長軸を中心に180°回転させた(裏返した)ときにタンクホルダと接合する向きで表示している。
インクタンク101は、インク供給口102の設けられている面がタンクホルダ1のインク受入部材4と対向する向きで、タンクホルダ1内に装着されている(図中右側部)。インク受入開口15は、インク供給口102と対向する位置に設けられており(したがって、インク受入開口15は、インクタンク配列ピッチTpで配列している。)、インクタンク101のインクが流入する。
タンクホルダ1の出口側の面4bには、色毎に設けられた複数の側壁接合溝11と、これらの側壁接合溝11の側面を取り囲む外周接合溝12とが設けられている(図中中央部)。図3(a)には、図2(a)中の3−3線の方向からみたタンクホルダのインク受入部材の断面図を示している(なお、図3ではタンクホルダを下側に示している。)。外周接合溝12と側壁接合溝11との間は外周路形成凸部14となり、側壁接合溝11同志の間はインク流路形成凸部13となってる。
変換プレート2は、上記の各溝、各凸部と対応した凹凸形状を有し、タンクホルダ1と接合して所定のインク流路16と外周部17とを形成する部材である。図2(b)の3−3線の方向からみた変換プレートの断面図が、図3(a)に同様に示されている。また、図4(a)には、変換プレートの全体平面図を示している。側壁リブ22が、側壁接合溝11と対向する位置に形成され、外周リブ23が、外周接合溝12と対向する位置に形成されている。そして、この結果、インク流路形成溝24が、側壁リブ22同志の間に、インク流路形成凸部13と対向する位置に形成され、外周路形成溝25が、側壁リブ22と外周リブ23との間に、外周路形成凸部14と対向する位置に形成されている。外周リブ23は、個々のインク流路16に沿って、かつ、4つのインク流路16全体を囲うように延びている。しかし、外周リブを、個々のインク流路16毎に別々に、または、2以上のインク流路16をまとめて囲うようにしてもよい。
図3(a)に示すように、側壁リブ22と側壁接合溝11とは、はめ合わせしやすいように同程度の大きさの断面形状を有している。側壁リブ22は、超音波溶着での接合に適するように、先端が細くなる形状としている。しかし、例えば接着剤を用いて接合する場合には、先端は平坦な形状としてもよい。
図3(b)は、インク流路および外周路の断面図を示している。図3(a)のタンクホルダ1と変換プレート2とを、外周リブ23を外周接合溝12に合わせて、側壁リブ22を側壁接合溝11に合せて接合することによって、インク流路接合部18および外周路接合部19において、タンクホルダ1と変換プレート2とが接合され、インク流路16および外周路17が形成される。また、インク流路16は、外周のすべてが、外周路17に囲まれるように形成される。なお、最終的にこのようなインク流路と外周路とが形成されれば、側壁リブ22および外周リブ23をともに変換プレート2に設ける必要はなく、両方をタンクホルダ1に設けたり、一方ずつを変換プレート2とタンクホルダ1とに設ける構成でもよい。また、複数の側壁リブ22の一部を変換プレート2に、残りをタンクホルダ1に分けて設けてもよい。
変換プレート2のタンクホルダ1と反対側の面(図1におけるプリントヘッド3側)には、インク排出口21と連通口26とが設けられている(図2(a)左側部)。インク排出口21は、インク流路16毎に、プリントヘッド3のインク受入口31と対向する位置に1つずつ設けられている。連通口26は両端部が外周路17と大気とに開口しており、外周路17と大気とを連絡している。連通口26は、1つであっても2以上であってもよく、設置位置も任意である。大気と連通できれば、タンクホルダ1側に設けてもよい。ただし、後述の検査方法を考慮した場合、連通口26は、変換プレート2のタンクホルダ1と反対側の面に2つ設けるのが最も望ましく、2つ以上設ける場合には、形状やサイズの異なる変換プレートでも相対的な位置関係(距離、方向)は同一とすることが望ましい。
以上のようにして、インク流路16は、タンクホルダ1の出口側の面4bに沿って延び、一端がインク受入開口15と連通し、他端がインク受入口31と連通する。また、外周路17は、インク流路16の外周を囲い、大気と連通する連通口26を有する。
図4(b)は、変換プレートの他の実施形態を示す平面図である。側壁リブ22とインク形成溝24は図4(a)に示す実施形態と同様であり、したがって、インク流路16も同一である。一方、外周リブ23aは、変換プレート2aの外周に沿って形成されており、外周路形成溝25aも広げられている。また、図示していないが、タンクホルダの外周接合溝は外周リブ23aの形状に合せた矩形状の形状をなしており、外周路形成凸部は外周路形成溝25aに合せて広げられている。このように外周リブ23aの形状を単純化することによって、外周リブ23aの製作が容易となり、外周接合溝にはめ合わせる際の精度の確保も容易となり、信頼性が向上する。
図5(a)には、図4(a)に示す変換プレートにおいて、外周路に封止剤を注入した状態を示す平面図である。外周路17にシリコ−ン製の封止剤41を充填することで、インク流路接合部18に微少隙間が生じても、封止剤41で微小隙間を封止して微少漏洩を防止するので、インク流路16からのインクの漏洩の可能性が減少し、インクをより確実にプリントヘッド3に供給することができる。封止剤41は、使用するインクに対する耐久性を有し、変換プレ−ト2、タンクホルダ1の材質に適し、注入の容易な液状体であり、注入後硬化するものであればシリコ−ンに限定されない。また、図5(b)は、図4(b)に示す変換プレートにおいて、同様に外周部に封止剤を注入した状態を示す平面図である。
次に、図6に示す流れ図にしたがって、本発明のインク供給機構の製造方法について説明する。
まず、タンクホルダ1および変換プレート2に、上述した各種のリブや溝等を形成しておく(ステップ61)。次に、タンクホルダ1と変換プレート2とを超音波溶着によって接合する(ステップ62)。具体的には、タンクホルダ1を固定側として、変換プレート2をタンクホルダ1の上にあて、側壁リブ22を側壁接合溝11にはめ合せ、外周リブ23を外周接合溝12にはめ合わせて、位置決めする。そして、これらのはめあい位置の上部の、変換プレ−ト2のタンクホルダ1と反対側の面に超音波溶着ホ−ン(図示せず)を押し当て、変換プレ−ト2を音波溶着ホ−ンで振動させ、側壁リブ22と側壁接合溝11とを、および、外周リブ23と外周接合溝12とを各々溶着する。このようにして、インク流路接合部18および外周路接合部19において、変換プレ−ト2とタンクホルダ1とが溶融して接合し、インク流路16および外周路17が形成される。
次に、インク流路接合部18に微小隙間が生じていないかどうかの検査をおこない(ステップ63〜67)、所定の判定値を満足した場合、さらに外周部に封止剤を注入する(ステップ70〜74)。図7には、これらの検査および封止剤注入に用いる検査・注入装置の概略構成図を示す。変換プレ−ト2の取り付けられたタンクホルダ1は固定治具201に支持される。このとき、連通口26(ここでは2つ設けられている。)は上面を向いている。一方の連通口26には、封止剤注入口203が接続することができる。封止剤注入口203の先端には、運転時の気密性を確保するシールゴム204が備えられている。封止剤注入口203は、2つのラインに分岐し、一方のラインは、外周路17を減圧する、圧力センサ付きの減圧ポンプ205に接続している。他方のラインは、封止剤タンク206に接続している。封止剤タンク206は開閉用のバルブ(図示せず)を有している。他方の連通口26には、圧力測定用口202が接続することができる。圧力測定口202の先端にも、運転時の気密性を確保するシールゴム204が備えられている。圧力測定口202は、漏洩測定用圧力センサ207に接続している。また、圧力測定口202と封止剤注入口203は、独立して上下に移動可能である。
引き続いて、インク流路接合部18に微小隙間が生じていないかどうかを検査する方法について、図6および7を参照して説明する。まず、変換プレ−ト2が取り付けられたタンクホルダ1を固定治具201にセットし、圧力測定口202と封止剤注入口203とを各々連通口26に接続する(ステップ63)。次に、減圧ポンプ205を作動させ、外周路17を減圧、すなわち外周路17の負圧度を上昇させる(ステップ64)。具体的には、減圧ポンプ205に備えられている圧力計で監視しながら、所定の負圧まで減圧する。その後、所定の減圧保持時間をおく(ステップ65)。そして、所定時間経過後の外周路17の負圧を漏洩測定用圧力センサ207で測定する(ステップ66)。設定された圧力以上の(負圧が減少した)状態であれば、インク流路接合部18に微小隙間が生じて外周路17に空気が流入している可能性が高いと判断し(ステップ67)、外周路17を大気開放し(ステップ68)、不良品として排出する(ステップ69)。一方、設定された圧力以下の(負圧が維持された)状態であれば、インク流路接合部18での漏洩はないと判断し(ステップ67)、封止剤の注入工程(ステップ70〜74)に進む。一実施例では、ステップ64の減圧設定値は約−79990Pa(−600mmHg)、ステップ65の減圧保持時間は3秒、ステップ67の漏洩判別の圧力設定値は約−73330Pa(−550mmHg)とした。この漏洩判別の圧力設定値約−73330Pa(−550mmHg)は、非常に小規模の微小隙間が存在する可能性はあるが、封止剤41の注入により漏洩を防止できるという観点から設定した。
次に、漏洩検査で問題ないとされたものを対象に、以下の工程に進む。まず、封止剤タンク206のバルブを開放し(ステップ70)、外周路17へ封止剤41の注入を行う(ステップ71)。このとき、外周路17は負圧に保たれているので、効果的な注入が可能である。所定時間保持し(ステップ72)、封止剤タンク206のバルブを閉め、封止剤注入口203と圧力測定口202とを退避させる(ステップ73)。その後、封止剤41の注入されたタンクホルダ1を、封止剤41を硬化するための滞留位置へ移動させる(ステップ74)。所定時間が経過すると、封止剤41が硬化して、インク流路接合部18は硬化した封止剤41でシールされる。なお、このとき、封止剤41がインク流路16内に流れ込んだ場合には、インク流路接合部18に無視できない大きさの微小隙間が存在することになるため、不良品と判定され、次工程に進むことが阻止される。
なお、一実施例では、封止剤には、常温硬化型、粘度20Pa・s(200ps)のシリコ−ン封止剤を用いた。また、ステップ72における保持時間は3秒とした。
このように、本発明のインク供給機構の製造方法においては、外周路17内を減圧後、封止剤41を注入するため、外周路17内全域に封止剤41を効率的に行き渡らせることが可能となり、信頼性の高いインク流路接合部18を形成することが可能となる。ただし、注入方法は、インク流路接合部18の全域に封止剤41が行き渡れば、上述の負圧利用方式に限定されるものではなく、減圧ポンプ205で常に引きながら負圧を維持して注入する方法や、加圧して注入する方法や、大気圧で注入する方法も可能である。
以上説明した本発明のインク供給機構、インク供給機構の製造方法の効果をまとめると、以下のとおりである。
まず、インク流路の外周を囲んで外周路を設けているので、万一インク流路接合部に微小隙間が生じても、インクは外周路で留まり、外部へのインクの漏洩が発生しにくくなる。外周部に封止剤を充填すれば、インク流路接合部の微小隙間がシールされるので、インク流路内にインクが充填されている状態で長期保管や長時間の停止を行っても、再使用時に、インクのにじみや漏洩による、記録媒体やプリンタ本体の汚染の可能性が低減し、信頼性が向上する。同様に、2つのインク流路のインク流路接合部の微小隙間を介してインクが他のインク流路に流入して、インクの混色を生じるおそれも低減する。
また、外周路を減圧して漏洩検査を行うため、検査時に、変換プレ−トとタンクホルダとの接合部に引張力が発生しない。このため、検査による破損や、微小隙間の発生等の不具合を防止することができる。
この他、インク流路部に封止剤が流れ込ん場合には、ただちに不良品であると判定できるため、不良品が次工程に行くことが阻止され、無駄なコスト上昇を抑えることができるという効果もある。さらに、外周路に連通した連通口を外周路の任意の位置に設けることができるため、タンクホルダや変換プレートの製品個別の形状等に影響されることなく、連通口位置を合わせることが可能であり、検査・注入装置を製品別に持ったり、製品別に調整する必要がなくなり、検査・注入装置の汎用性が高まる。
1 タンクホルダ
2 変換プレ−ト
3 プリントヘッド
4 インク受入部材
4a 入口側の面
4b 出口側の面
11 側壁接合溝
12 外周接合溝
13 インク流路形成凸部
14 外周路形成凸部
15 インク受入開口
16 インク流路
17 外周路
18 インク流路接合部
19 外周路接合部
21 インク排出口
22 側壁リブ
23、23a 外周リブ
24 インク流路形成溝
25、25a 外周路形成溝
26 連通口
31 インク受入口
41 封止剤
101 インクタンク
102 インク供給口
201 固定治具
202 圧力測定口
203 封止剤注入口
204 シ−ルゴム
205 減圧ポンプ
206 封止剤タンク
207 漏洩測定用センサ
2 変換プレ−ト
3 プリントヘッド
4 インク受入部材
4a 入口側の面
4b 出口側の面
11 側壁接合溝
12 外周接合溝
13 インク流路形成凸部
14 外周路形成凸部
15 インク受入開口
16 インク流路
17 外周路
18 インク流路接合部
19 外周路接合部
21 インク排出口
22 側壁リブ
23、23a 外周リブ
24 インク流路形成溝
25、25a 外周路形成溝
26 連通口
31 インク受入口
41 封止剤
101 インクタンク
102 インク供給口
201 固定治具
202 圧力測定口
203 封止剤注入口
204 シ−ルゴム
205 減圧ポンプ
206 封止剤タンク
207 漏洩測定用センサ
Claims (10)
- インク供給部から供給されたインクが通るインク受入開口が配置されたインク受入部材と、
該インク受入部材の該インク受入開口の出口側の面に対向し、密着して設けられた変換プレートであって、一端が前記インク受入開口と連通し、該出口側の面に沿って延び、他端にプリントヘッドと接続するインク排出口を有するインク流路を、該出口側の面とともに形成する変換プレートとを有する、プリンタのプリントヘッドへのインク供給機構であって、
該インク流路の外周が、外周路に囲まれているインク供給機構。 - 前記外周路には、大気と連通する連通口が少なくとも1つ設けられている、請求項1に記載のインク供給機構。
- 前記外周路には、前記インク流路から該外周路への前記インクの漏洩を防止する封止剤が注入されている、請求項1または2に記載のインク供給機構。
- 前記インク流路は、色毎に複数個設けられた前記インク供給部に対応して、複数個設けられ、
前記外周路は、該インク流路の各々の、または2以上もしくはすべての該インク流路の外周を囲んで設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載のインク供給機構。 - 前記インク受入部材は、インクタンクを設置するタンクホルダの底板である、請求項1から4のいずれか1項に記載のインク供給機構。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載のインク供給機構とインクジェットヘッドとを有するヘッドユニット。
- 請求項6に記載のヘッドユニットを保持する保持部を有するプリンタ。
- インク供給部から供給されたインクが通るインク受入開口が配置されたインク受入部材と、該インク受入部材の該インク受入開口の出口側の面に対向し、密着して設けられた変換プレートであって、一端が前記インク受入開口と連通し、該出口側の面に沿って延び、他端にプリントヘッドと接続するインク排出口を有するインク流路を、該出口側の面とともに形成する変換プレートとを有する、プリンタのプリントヘッドへのインク供給機構であって、該インク流路の、該出口側の面の面内方向の全周が、外周路に囲まれているインク供給機構の製造方法であって、
前記インク受入部材または前記変換プレートのいずれかに、前記インク流路の側壁を構成する側壁リブを設け、他方に、該側壁リブと対向する位置に、該側壁リブを受け入れて前記インク流路を形成する側壁接合溝を設ける工程と、
前記インク受入部材または前記変換プレートのいずれかに、前記外周路の外壁を構成する外周リブを設け、他方に、該外周リブと対向する位置に、該外周リブを受け入れて前記外周路を形成する外周接合溝を設ける工程と、
前記側壁リブと前記側壁接合溝とを、および、前記外周リブと前記外周接合溝とを溶着して、前記インク流路と前記外周路とを形成する工程とを有する、インク供給機構の製造方法。 - あらかじめ、前記インク受入部材または前記変換プレートのいずれかに、前記外周路が大気と連通する連通口を少なくとも1つ設ける工程と、
前記インク流路と前記外周路とが形成された後に、前記連通口を介して前記外周路を減圧する工程と、
所定時間経過後に、前記外周路が所定の負圧を維持しているか否かによって、前記側壁リブと前記側壁接合溝との接合状態を検査する工程とをさらに有する、請求項8に記載のインク供給機構の製造方法。 - 前記所定の負圧に達している前記インク供給機構について、負圧を維持しながら、前記連通口から、前記インク流路から前記外周路への前記インクの漏洩を防止する封止剤を注入する工程をさらに有する、請求項9に記載のインク供給機構の製造方法。
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JP2004128123A JP2005305908A (ja) | 2004-04-23 | 2004-04-23 | プリンタのプリントヘッドへのインク供給機構、ヘッドユニット、プリンタ、およびインク供給機構の製造方法 |
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JP2018083353A (ja) * | 2016-11-24 | 2018-05-31 | キヤノン株式会社 | 液体吐出ヘッドの製造方法および液体吐出ヘッド |
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