JP2005305889A - セミアンダーウォーターカット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 溶融比重が水より小さな樹脂のペレット同士の互着及びアグロメを防止する。
【解決手段】 カッターボックス16内に、これの軸方向及び円周方向に所定間隔をあけて複数個の散布ノズル24を配設し、散布ノズル24から散布される液体又は気体により、カッターボックス16内周面を水の遠心力により勢いよく流れる水膜流22面全体を均等に加圧し、ペレットの水膜流22面上への浮上を防止する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、押出機先端部に取付けられたダイスから、加熱溶融した樹脂をストランド状に押出し、この押出された樹脂を空中でカッターによりペレット状に切断する空中ホットカット法の造粒装置に関するものである。
空中ホットカット法の造粒装置において、押出機先端部に取付けられたダイスのダイス穴より押出された棒状のストランドを空中でカッターによりペレット状に切断後、素早くペレットを冷却し、ペレット同士の互着や互着したペレット同士が集積し固まりになるアグロメを防止することが、品質の安定したペレットを製造するためには必要なことである。このため、ペレットの冷却方法としては様々な工夫がなされている。
その一例を、図5、図6、図7及び図8に示す。
押出機10先端部に、押出機内で溶融加熱された樹脂をストランド状に吐出するダイス孔12と、ダイス孔12から吐出されたストランドを空中でペレット状に切断するカッター14と、が設けられており、ダイス孔12とカッター14とは、カッターボックス16により覆われている。カッターボックス16の押出機10側端部には、カッターボックス16の内周面に水の遠心力により勢いよく流れる主水流(水膜流)22を供給する注水口18が配設されており、カッターボックス16の注水口18とは軸方向反対側の端部には、ペレットとともにカッターボックス16内の水を排出する排出口20が配設されている。
この装置の場合、ダイス孔12から吐出されたストランドは、空中でカッター14によるペレット状に切断され、遠心力によりペレットがカッターボックス16の内壁面に吹き飛ばされる。カッターボックス16の内壁面には、注水口18から供給された水が、遠心力により内壁面に沿って流れる水膜流が形成されており、内壁面に吹き飛ばされたペレットが、水膜流中に没入して冷却されつつ水膜流とともに排水口20から排出される。
しかしながら、注水口18から供給される水により形成する水膜流だけでは、カッターボックス16の中心部に位置するカッター14を回転可能に保持する図示してないカッター軸、ならびにカッター軸を保持する図示してないカッターホルダー部分は水膜流の死角となりやすい。このため、この死角部分に飛散してきたペレットが、この箇所に付着し、さらに次々と飛来するペレットと合着して、アグロメが発生する可能性がある。
この改善策として、前記従来技術の冷却水をカッターボックス16内周面に沿って流しペレットの冷却、搬送用の水膜流を形成する構造に加え、カッターボックス16側垂直側面及びカッターボックス16内に向かって一方向から冷却水を噴出させる冷却水噴出し口と、カッターボックス16の内周面に形成した螺旋溝と、を有するものがある。
この装置の場合、前記従来技術で発生していた死角に冷却水噴出し口から噴出させた冷却水をかけることができ、死角部分にペレットが付着することを防止することができるとともに、螺旋溝により水膜流の流路を構成し、ペレットを排出口に導くことができる(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−277237号公報
しかしながら上述の従来の技術においては、水より溶融比重が小さく、例えば溶融比重ρ<1.0g/cm3の樹脂の場合、遠心力により通常重力下よりさらに水膜流の水面上に浮き上がるため冷却されず、ペレット同士が互着したりアグロメが発生したりする可能性があるという問題がある。
すなわち、図8に示されるように、水膜流同士が合流する部分は、水膜流が一定方向に流れず、乱流部分Aとなり、また、水膜流をカッターボックス内と排出口とに分岐させる壁の部分は、この壁の影響で、乱流部分Bとなる。このため、これら乱流部分A及びBでペレットの互着が発生する。
また、冷却水噴出し口を設けて冷却水を噴出させるものにおいては、噴出し口のノズルが一方向を向いており、ペレットの押付け方向が一方向となるので、水膜粒状にペレットが浮き上がり、冷却が不十分となる。
さらには、水膜流の死角部でのペレットの互着防止が一方向のみであるので、全ペレットの互着防止としては不十分である。
本発明は、カッターボックスの水膜流面全体、すなわち、水膜流の周方向及び流れ方向に均等に水又は気体を散布する複数のノズルを設置することを最も主要な特徴とする。
本発明のセミアンダーウォーターカット装置は、カッターボックスの水膜流面全体を均等に加圧するように水又は気体を散布する複数のノズルを有するので、水膜流周面へのペレットの押付けが水膜流全体で均一になる。このため、溶融比重が水より軽い水に浮き易いペレットや、水膜流の乱流により浮き上がってくるペレットを水膜流内へ封じ込めることができ、各ペレットを確実に冷却することができる。また、水膜流の死角自体もなくなり、ペレット同士の互着やアグロメが確実に防止され,品質の安定したペレット製造が可能となる。
本発明の実施の形態では、カッターボックスの水膜流面全体を均等に加圧するように水又は気体を散布する複数のノズルを設けることにより、溶融比重が水より軽いペレットの冷却及びアグロメを防止した。
図1、図2、図3及び図4に本発明の実施例を示す。
押出機10先端部に、押出機内で溶融加熱された樹脂をストランド状に吐出するダイス孔12と、ダイス孔12から吐出されたストランドを空中でペレット状に切断するカッター14と、が設けられており、ダイス孔12とカッター14とは、カッターボックス16により覆われている。カッターボックス16の押出機10側端部には、カッターボックス16の内周面に水の遠心力により勢いよく流れる主水流(水膜流)22を供給する注水口18が配設されており、カッターボックス16の注水口18とは軸方向反対側の端部には、ペレットとともにカッターボックス16内の水を排出する排水口20が配設されている。カッターボックス16には、水膜流22面全体を均等に加圧可能な水又は気体を散布する散布ノズル24が、カッターボックス16の軸方向及び円周方向に所定間隔をあけて複数個配設されている。
散布ノズル24の形状は、銃円錐、扇状及び空円錐など、用途に応じて選択可能であり、散布ノズル24から散布する流体は、水などの液体及び気体などである。また、散布ノズル24は、水膜流22面に対し、垂直方向、水膜流と同流方向又は逆流方向に液体又は気体の散布方向を可変であり、散布前にあらかじめ手動で散布ノズル24の向きを変更しておく。
本実施例の動作について説明すると、ダイス孔12から吐出されたストランドは、空中でカッター14によるペレット状に切断され、遠心力によりペレットがカッターボックス16の内壁面に吹き飛ばされる。カッターボックス16の内壁面には、注水口18から供給された水が、遠心力により内壁面に沿って流れる水膜流が形成されており、内壁面に吹き飛ばされたペレットが、水膜流中に没入する。この際、散布ノズル24から、図3及び図4に示されるように流体が散布され水膜流面全体を加圧するので、ペレットが水膜流面上に浮上することなく冷却されつつ水膜流とともに排水口20から排出される。
次に、以下の条件で行った実験について説明する。
ペレットを製造する樹脂;原料:LLDPE、溶融比重:0.76g/cm3
散布ノズル24の形状:銃円錐形、
散布ノズル24の性能:流量:2リットル/min、圧力:3kg/cm2、粒径:380μm、噴角:65度(すなわち、散布ノズル24から径方向に65度の角度を持って水を散布する)
散布ノズル24から散布する流体:水
散布ノズル24の配設位置:水膜流22全体に散布可能に配置
この結果、互着ペレットは2%程度に大幅に減少した。一方、上記実験と同じ原料の樹脂を使用し、散布ノズル24を用いない従来方法で製造したペレットでは互着ペレットが正規品に対して20%以上であった。
なお、溶融比重が1.0g/cm3以上の樹脂、すなわち、水よりも比重の大きな樹脂では、散布ノズル24なしでもペレットの互着は少ない。しかしながら、溶融比重が水よりも小さな場合には、散布ノズル24の効果が非常に高いといえる。
実施例1の側断面図である。 実施例1の正面図である。 実施例1の斜視図である。 実施例1の散布ノズルからの流体の散布状態を示す斜視図である。 従来技術を示す部分側断面図である。 従来技術の正面図である。 従来技術のカッターボックス内を示す側断面図である。 従来技術を示す斜視図である。
符号の説明
10 押出機、12 ダイス孔、14 カッター、16 カッターボックス、18 注水口、20 排水口、24 散布ノズル。

Claims (4)

  1. 押出機(10)先端部に配設され、加熱溶融した樹脂をストランド状に押出し可能なダイス孔(12)と、前記押出された樹脂を空中でペレット状に切断するカッター(14)と、を有し、前記カッター(14)及び前記ダイス孔(12)を覆うように配設されるカッターボックス(16)の内周面に沿って流れる水膜流により前記ペレットを冷却及び搬送するセミアンダーウォーターカット装置において、
    前記カッターボックス(16)には、前記水膜流面全体を均等に加圧可能な液体又は気体を散布する散布ノズル(24)が設けられていることを特徴とするセミアンダーウォーターカット装置。
  2. 前記散布ノズル(24)は、複数設置されていることを特徴とする請求項1記載のセミアンダーウォーターカット装置。
  3. 前記散布ノズル(24)は、充円錐、扇状及び空円錐などの形状を有し、用途に応じて選択可能であることを特徴とする請求項1又は2記載のセミアンダーウォーターカット装置。
  4. 前記散布ノズル(24)は、水膜流面に対し、垂直方向、水膜流と同流方向又は逆流方向に液体又は気体の散布方向を可変であることを特徴とする請求項1〜3の内のいずれか記載のセミアンダーウォーターカット装置。
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