JP2005305607A - 微小機械素子の製造方法および当該微小機械素子を備えた物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】犠牲層の水平方向と垂直方向の厚さを独立の値に精度良く設定し、リリース後の構造体の微細ピッチ化と可動ストロークの拡大とを両立した微小機械素子を製造する。基板の凹部内に犠牲層を形成する際に、凹部の底部に厚く犠牲層を形成しながら凹部の側面に薄く均一に犠牲層を形成する。
【解決手段】犠牲層を、凹部1aの底部に第1の犠牲層2を形成する工程と、この上に均一な厚さで第2の犠牲層3を形成する工程の2工程に分けて形成し、それぞれの工程での犠牲層厚みt1、t2を独立に設定する。
【選択図】図1
【解決手段】犠牲層を、凹部1aの底部に第1の犠牲層2を形成する工程と、この上に均一な厚さで第2の犠牲層3を形成する工程の2工程に分けて形成し、それぞれの工程での犠牲層厚みt1、t2を独立に設定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロマシニング技術を用いて基板上に形成される微小機械素子の製造方法および当該微小機械素子を備えた物品に関する。
従来、基板に形成された凹部に犠牲層を介して構造体を埋め込んだ後、この犠牲層を除去して構造体をリリースすることにより、高アスペクト比の微小機械素子を得る技術が知られている。こうした技術は、例えば基板に垂直な方向に高剛性を有するヒンジや垂直櫛形電極を形成する際に有用である。
このような微小機械素子の製造方法の例として、犠牲層を無電解メッキにより基板の凹部に均一な厚さで成膜したものがある(特許文献1参照)。特許文献1には、ガラス等の基板に凹部を形成し、銅の無電解メッキ膜を凹部の側面および底部に均一な厚みで形成してこれを犠牲層とし、その上からニッケルの無電解メッキ膜を埋め込んで構造体とした垂直櫛形電極の構成が開示されている。銅の犠牲層は硝酸銅のアンモニア溶液で除去され、この犠牲層の部分が空隙となる。従って、空隙の厚さは、水平方向および垂直方向のいずれの方向にもほぼ等しくなるように構成されている。
また、特許文献1には、比較対象として、犠牲層を銅の蒸着膜で形成した事例も記載されている。蒸着によれば、犠牲層の厚みが不均一となり、構造体がうまくリリースされないことが記載されている。
また、犠牲層を基板の凹部に均一な厚さで成膜し、リリース時にこの犠牲層と凹部の下部を含む基板の一部とを除去するものがある(非特許文献1参照)。この構成を図9を用いて説明する。図9は従来の微小機械素子の模式断面図である。ここでは、微小機械素子としてジャイロスコープを形成した例が記載されている。
シリコン基板201にはDRIE(Deep Reactive Ion Etching)を施し、凹部201aを形成する。次にLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)により犠牲層202を均一な厚さで成膜する。犠牲層202の材質は酸化シリコンである。さらにLPCVDにより構造体203を埋め込む。構造体203の材質はポリシリコンである。次に、凹部201aの下部を含む基板201の一部を除去するが、この際にはフォトレジスト204をマスクとしてDRIEを行い、破線で示される穴201bを形成し、さらに等方性エッチングでこれを拡大して大きな空洞部201cをつくる。このとき、犠牲層202は構造体203を保護するマスクの作用をする。図の状態からフォトレジスト204を除去した後、犠牲層202をHF(フッ化水素)溶液でエッチングし、構造体203をリリースする。このとき、基板上部201dが大きな幅W1を持っている場合には、接続部201eが除去されきらずに残るため、基板上部201dは基板下部201fと繋がって固定部となる。基板上部201d’が小さな幅W2を持っている場合には、空洞部201cにより基板上部201d’と基板下部201fとが分離されてしまうため、基板上部201d’は可動部となる。
また、垂直櫛形電極アレイを形成した別の従来例がある(非特許文献2参照)。
非特許文献2には、次の構成が開示されている。まず、シリコン基板表面に深さ10μmのボロンドープ層を形成する。このボロンドープ層はリリース時のエッチストッパとして作用する。次にボロンドープ層上に絶縁層を介してポリシリコン制御電極を形成する。次に、DRIE(Deep Reactive Ion Etching)によりボロンドープ層を貫通する深い凹部を形成する。次に、LPCVDにより凹部の側面および底部に均一な厚みの犠牲層を形成する。犠牲層は薄い酸化膜にサンドイッチされたポリシリコン層である。次に、構造体であるポリシリコンをLPCVDにより凹部に埋め込んだ後、上部をエッチング除去する。除去されなかった下部が可動電極となる。この後、犠牲層と基板とをEDP(Ethylene Diamine Pyrocathecol water)をエッチャントとして一括除去し、可動電極をリリースする。このとき除去されなかった基板上部のボロンドープ層は固定電極となり、これより下側に構成された可動電極との間で垂直櫛形電極アレイが形成される。
特開平10−148644号公報
F. Ayazi and K. Najafi, "High Aspect-Ratio Combined Poly and Single Crystal Silicon (HARPSS) MEMS Technology", IEEE Journal of Microelectromechanical Systems, Vol. 9, No.3, pp.288-294 (September, 2000)
A. Selvakumar and K. Najafi, "Vertical Comb Array Microactuators", IEEE Journal of Microelectromechanical Systems, Vol. 12, No.4, pp.440-449 (August, 2003)
しかしながら、上記のような微小機械素子の製造方法では、製造プロセスに起因する基板、構造体、空隙の形状制約が大きいという課題があった。特に、空隙の水平ギャップ距離(基板主面に平行な方向の空隙厚さ)、垂直ギャップ距離(基板主面に垂直な方向の空隙厚さ)、基板形状の3つの要素を独立して所望の値に設定することが難しく、これが微小機械素子の性能向上の妨げとなっていた。
まず、特許文献1には犠牲層を無電解メッキにより均一な厚さで成膜した垂直櫛形電極が記載されているが、こうした製造方法では水平ギャップ距離と垂直ギャップ距離とは必然的にほぼ等しい値をとり、これらを独立に所望の値に設定することが難しかった。一般的に垂直櫛形電極では、静電力を大きくするために水平ギャップ距離を微細化し、同時に可動ストロークを大きくするために垂直ギャップ距離を拡大することが望まれる。しかしながら、均一な厚さの犠牲層を除去して空隙を形成する製造方法によっては、水平ギャップ距離の微細化と垂直ギャップ距離の拡大とを両立することは困難であった。
また、特許文献1には犠牲層を蒸着により不均一な厚さで成膜した場合も記載されているが、こうした製造方法では凹部の側面に犠牲層がほとんどつかなかったり膜厚のばらつきが大きかったりして安定した品質で犠牲層を成膜することが難しかった。特に凹部のアスペクト比が大きい場合(例えば1.5以上)、このことは顕著であった。蒸着による犠牲層の典型的な断面形状を図10に示す。図10は従来の蒸着法による犠牲層の断面形状である。基板211の凹部211aの側面に堆積する犠牲層212の厚みは上部に近いほど厚く、底部に近いほど薄い。こうした凹部211a内の犠牲層212の厚みは気化した犠牲層粒子が基板に入射する角度に顕著に依存するため、ウェハ内でのばらつきも大きく極めて不安定である。また、内部にボイド213を残したような形状となるため、その後の構造体の埋め込みに失敗することも多かった。このように、犠牲層を蒸着により不均一な厚さで成膜した場合、凹部211aの側面と底部に堆積させる犠牲層212の厚みを所望の値で精度良く形成することは極めて難しかった。
また、非特許文献1には犠牲層を除去すると共に空洞部を形成して水平ギャップ距離と垂直ギャップ距離とを異ならせる製造方法が記載されているが、空洞部の存在が基板の形状自由度を大幅に制約していた。例えば、図9において、基板上部201d、201d’の幅W1、W2によって基板下部201fと接続するか分離するかが決まってしまったり、凹部201aの幅W3によってリリースに必要な空洞部201cの深さ方向の最小寸法gCが決まってしまったりといった多くの制約関係があり、基板201の形状自由度が大変狭かった。従って、例えば垂直櫛形電極を構成する場合でも、基板側に狭ピッチの櫛歯形状を形成すると櫛歯の上部と下部が分離されないような構成をとるのが困難だったり、垂直ギャップ距離gVの値を自由に設定できなかったり、垂直ギャップ距離gVの値の精度が得られなかったりといった課題があった。さらに、犠牲層202の除去だけでなく空洞部201cを形成する工程を必要とするために、工程が複雑で、必要なマスク枚数やプロセス工数が多いという課題もあった。
また、非特許文献2に記載された製造方法も、非特許文献1に記載された製造方法と同様に犠牲層を除去すると共に基板の一部を除去したものとなっている。このため、非特許文献1とほぼ同様の課題を有していた。すなわち、実現可能な基板の形状自由度が狭かったり、EDPエッチングによる基板の形状精度が低かったり、工程が複雑で必要なマスク枚数やプロセス工数が多かったりという課題があった。基板の形状制約が垂直櫛形電極の性能向上を妨げる例としては、例えば以下のようなことがあった。固定側の櫛形電極は基板と垂直方向に接続できす、水平方向に接続せざるを得ないため、狭ピッチの櫛形電極を形成しようとした場合に櫛歯の強度を得るのが難しく、櫛歯の不要な変形によりプルインと呼ばれる静電吸着現象が発生し易かった。あるいは、櫛歯を水平方向に接続した場合には、櫛歯の領域とは別に櫛歯の支持のための支持領域が必要で、静電力を発生させるための平面面積の使用効率が低かった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空隙の水平ギャップ距離、垂直ギャップ距離、基板形状を精度良く簡易に所望の値に設定することができる微小機械素子の製造方法および当該微小機械素子を備えた物品を提供することにある。
前記従来の課題を解決するために、本発明の微小機械素子の製造方法は、基板に垂直な方向に凹部を形成する工程と、前記凹部の底部に第1の犠牲層を形成する工程と、少なくとも前記凹部の側面に実質的に均一に第2の犠牲層を形成する工程と、前記第1および第2の犠牲層が形成された前記凹部にさらに構造体を埋め込む工程と、前記第1および第2の犠牲層を除去して前記構造体をリリースする工程とを含む。
好ましい実施の形態において、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、前記凹部に前記第1の犠牲層を堆積して前記凹部を埋め込む工程と、前記第1の犠牲層の上部を除去し、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を残す工程とを含む。
好ましい実施の形態において、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、さらに前記凹部に埋め込まれた前記第1の犠牲層をリフローする工程を含む。
好ましい実施の形態において、前記第2の犠牲層の厚さを前記第1の犠牲層の厚さよりも小さくする。
好ましい実施の形態において、前記第2の犠牲層を形成する工程が、LPCVD法もしくはPECVD法を用いる工程を含む。
好ましい実施の形態において、前記第2の犠牲層を形成する工程が、熱酸化法を用いる工程を含む。
好ましい実施の形態において、前記第2の犠牲層を形成する工程が、無電解メッキ法を用いる工程を含む。
好ましい実施の形態において、前記基板に深さを有する凹部を形成する工程に先立ち、前記基板にマスク層を形成する工程と、前記マスク層に前記凹部の開口形状を形成する工程とを備え、前記基板に深さを有する凹部を形成する工程が、前記マスク層の開口形状に合わせて前記基板をエッチングする工程を含み、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、前記マスク層の上から前記第1の犠牲層を堆積して前記凹部を埋め込む工程と、前記マスク層の開口形状に合わせて前記第1の犠牲層の上部を除去し、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を残す工程とを含む。
好ましい実施の形態において、前記マスク層の少なくとも一部を第3の犠牲層とし、前記構造体をリリースする工程において、さらに前記第3の犠牲層を除去する。
好ましい実施の形態において、前記マスク層がNi、Cr、Ti、W、Mo、Cu、Ag、Alのいずれかを主成分とするハードマスク層を含む。
好ましい実施の形態において、前記マスク層が感光性有機材料層を含む。
好ましい実施の形態において、前記第2の犠牲層の厚さを前記第3の犠牲層の厚さよりも小さくする。
好ましい実施の形態において、前記第3の犠牲層の厚さを前記凹部の底部に残す前記第1の犠牲層の厚さよりも小さくする。
好ましい実施の形態において、前記凹部に構造体を埋め込む工程が、前記凹部に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の上に導電性の構造体を形成する工程とを含む。
好ましい実施の形態において、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、少なくとも前記凹部の側面と底部とを覆う保護層を形成する工程と、前記凹部の側面にある前記保護層を実質的に残したまま、前記凹部の底部にある前記保護層を除去して前記基板を露出させる工程と、前記露出した基板を変質して前記第1の犠牲層を形成する工程とを含む。
好ましい実施の形態において、前記基板の変質を熱酸化によって行う。
好ましい実施の形態において、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、前記基板上に前記第1の犠牲層を形成する工程と、前記第1の犠牲層に前記基板に達する複数の貫通穴を形成する工程と、前記複数の貫通穴に第2の構造体を埋め込んで、前記基板と一体化された前記第2の構造体による突起を複数形成する工程と、前記複数の突起の間の谷間を前記凹部とし、前記凹部に存する前記第1の犠牲層の上部を除去し、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を残す工程とを含む。
好ましい実施の形態において、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、さらに、前記貫通穴に埋め込まれた前記突起の上部を除去する工程と、前記突起の上部が除去された後の前記貫通穴にマスク層を埋め込む工程と、前記マスク層の開口形状に合わせて前記第1の犠牲層の上部を除去し、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を残す工程とを含む。
好ましい実施の形態において、前記基板の上の一部の領域に第4の犠牲層を形成する工程と、前記基板および前記第4の犠牲層の上に前記第1の犠牲層を形成する工程と、前記第1の犠牲層に前記第4の犠牲層に達する貫通穴を形成する工程と、前記貫通穴に前記第2の構造体を埋め込む工程と、前記第2の構造体と接続するように前記構造体を形成する工程と、前記第4の犠牲層を除去する工程とを含み、前記第2の構造体の一部を前記構造体と一体にリリースする。
好ましい実施の形態において、前記第2の構造体の一部に閉環状の平面形状を具備させる。
好ましい実施の形態において、前記第1の犠牲層が感光性有機材料である。
好ましい実施の形態において、前記基板がCMOS回路を形成した回路基板である。
また、本発明の微小機械素子を備えた物品は、基板と、前記基板に垂直な方向に形成された凹部と、前記凹部に対して水平方向と垂直方向に異なる距離の空隙を介して変位可能に形成された構造体とを備え、上記の製造方法を用いて製造される。
本発明の微小機械素子の製造方法によれば、犠牲層の水平方向と垂直方向の厚さを独立の値に精度良く設定し、リリース後の構造体の水平方向と垂直方向との空隙距離および基板形状を精度良く簡易に所望の値に設定することができる。また、当該微小機械素子を備えた物品によれば、安価に可動ストロークや静電感度などの電気機械特性を両立させた特性を得ることができる。
以下本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における微小機械素子の製造工程を説明するための説明図である。図1は基板1の断面図となっている。
図1は本発明の実施の形態1における微小機械素子の製造工程を説明するための説明図である。図1は基板1の断面図となっている。
図1(a)に示すように、まず基板1に、凹部1aを形成する。基板1はシリコンウェハとし、凹部1aはDRIEにより形成している。凹部1aの幅Hは1〜5μmの範囲内に設定されるのが好ましく、凹部1aの深さdは3μm以上に設定されるのが好ましい。また、凹部1aのアスペクト比d/Hは1.5以上と高くする。ここではH=2.5μm、d=5μmとして説明する。
次に、凹部1aに第1の犠牲層2を堆積して、凹部1aを埋め込む。凹部1aを第1の犠牲層2で完全に埋め込むために、第1の犠牲層2の堆積厚みは少なくともH/2以上にとる。ここでは堆積厚みは1.8μmである。第1の犠牲層2の材質はBSG (Boro Silicate Glass)、PSG (Phospho Silicate Glass)等のIII族もしくはV族の元素を含む酸化シリコンである。第1の犠牲層2は、段差被覆性を高めるためにTEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を主材料ガスとし、この中にB2H6やPH3などのガスを添加してLPCVD法もしくはPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法で形成するのが好ましい。より望ましくは、基板1にバイアス電圧を印加し、プラズマ源からのイオンを基板1に入射させるバイアスCVD法を用いる。この場合、基板1の表面で堆積とスパッタとが同時に進行し、凹部1aへの埋め込みがより安定に行われる。あるいは、リフローによる埋め込みを併用することも好ましい。すなわち、第1の犠牲層2を凹部1a内に堆積した後、第1の犠牲層2のガラス転移点以上の温度でアニール処理を行う。これにより第1の犠牲層が流動し、仮に小さなボイドがあってもこれを埋めることができる。この場合B、P等の添加物の濃度を数%以上と高くしておくと、ガラス転移点温度を低く設定できる。
次に、図1(b)に示すように、第1の犠牲層2の上部をエッチングにより除去し、凹部1aの底部に、第1の犠牲層2を第1の厚さt1で残す。このエッチングは例えばSTS(Surface Technology Systems)社のAOE(Advanced Oxide Etch)装置、あるいはAlcatel社のMicro Machining System 200等の酸化膜エッチング装置を用いて行う。エッチング条件を適正化すると、酸化膜とシリコンとのエッチング選択比は約20程度となるため、基板1の凸部1bの形状をほぼ残したまま、第1の犠牲層2の上部を除去することができる。第1の犠牲層2を厚さt1で残すことは、エッチング時間の管理によって行う。ここではt1=3μmとする。
次に、図1(c)に示すように、第2の犠牲層3を凹部1aの側面に第2の厚さt2で形成する。第2の厚さt2は、ここでは0.3μmであり、第1の厚さt1よりも小さい。また凹部1aが完全に埋め込まれてしまわないように、第2の厚さt2はH/2よりも小さく設定される。第2の犠牲層3の材質は、第1の犠牲層2と同様、BSG、PSGである。第2の犠牲層3はLPCVDによって凹部1aの側面および第1の犠牲層2上に実質的に均一な厚さで形成される。
次に、第2の犠牲層3が形成された凹部1aに、さらに構造体4を埋め込む。構造体4の堆積厚みは2μmであり、凹部1aへの埋め込みが完全に行われるように、(H/2−t2)で与えられる値よりも大きく設定されている。構造体4は、ここではLPCVDで形成されたポリシリコンである。この後1050℃で1時間アニールし、内部残留応力を緩和すると共に、第1の犠牲層2および第2の犠牲層3中に存在する不純物を拡散して基板1および構造体4に導電性を与える。構造体4は、側面4aが上から下までほぼ同一面を形成するように凹部1aの形状に合わせて精密にパターニングされ、可動電極としての形状を付与される。
最後に、図1(d)に示すように、第1の犠牲層2と第2の犠牲層3とを除去し、構造体4をリリースする。第1の犠牲層2と第2の犠牲層3との除去は、例えばHF溶液によるウェットエッチングか、HFガスあるいはH2(またはO2、CO)を添加したCF系ガスによるドライエッチングにより行われる。これにより、基板1と構造体4との間には水平ギャップ距離がt2=0.3μm、垂直ギャップ距離がt1+t2=3.3μmの空隙5が形成される。
このように形成された構造体4と基板1とは垂直櫛形電極を形成し、構造体4と基板1との間に電位差を与えると、静電力が発生して構造体4は下方向に移動する。水平ギャップ距離t2は0.3μmと小さいため、発生する静電力は十分大きくすることができ、垂直ギャップ距離t1+t2は3.3μmと大きいため、可動ストロークは大きくとることができる。これまでの説明から自明であるが、この水平/垂直ギャップ距離はそれぞれ独立に任意の値に設定できる。従って、水平ギャップ距離の微細化と垂直ギャップ距離の拡大とを極めて簡単に両立することができ、高い性能の垂直櫛形電極を簡単に実現することができる。
また、水平ギャップ距離と垂直ギャップ距離とを異ならせるために基板1に大きな空洞部を形成する必要もない。このため、固定電極の櫛歯を形成する凸部1bの幅Wを極めて小さな値に設定しても、凸部1bは確実に基板1と上下方向に接続されており、極めて簡易に櫛歯の強度を得ることができる。
また犠牲層を形成する工程を、凹部1aの底部に第1の犠牲層2を形成するための工程と、凹部1aの側面に実質的に均一に第2の犠牲層3を形成するための工程との2工程に分けたため、凹部1aの側面の犠牲層厚の不均一性に伴う不良などの発生を極めて効果的に低減させることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、凹部1aの底部のみに第1の犠牲層2を形成する工程と、凹部1aの側面に第2の犠牲層3を均一に形成する工程と、この上にさらに構造体4を埋め込む工程と、第1の犠牲層2と第2の犠牲層3とを除去して構造体4をリリースする工程とを備えているので、基板1の形状に大きな制約を与えることなく、犠牲層が形成する空隙の水平ギャップ距離と垂直ギャップ距離とを独立に任意の値に精度良く設定することができる。
また、凹部1aの底部のみに第1の犠牲層2を形成する工程が、一旦凹部1aを第1の犠牲層2で埋め込む工程と、この第1の犠牲層2の上部のみを除去する工程とを備えているため、安定した品質で凹部1aの底部のみに第1の犠牲層2を形成することができる。
また、凹部1aに埋め込まれた第1の犠牲層2をリフローする工程を設けているので、よりボイドの少ない安定した品質で凹部1aの底部のみに第1の犠牲層2を形成することができる。
また、第2の犠牲層3の厚さt2を、第1の犠牲層2の厚さt1よりも小さくしているので、水平ギャップ距離の微細化と垂直ギャップ距離の拡大とを簡易に両立でき、例えば垂直櫛形電極等を形成する際に、静電力や可動ストローク範囲などの特性を高いレベルで両立させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、第2の犠牲層3はLPCVD法もしくはPECVD法を用いて形成したが、本発明はこれに限定されるものではなく、凹部1aの側面に均一な厚さで成膜が可能な方法ならば、他の方法によっても良い。例えば、熱酸化により凹部1aの側面に酸化膜を形成しても良い。乾燥酸素雰囲気において900℃程度の温度で熱酸化を行うと良い結果が得られる。あるいは無電解メッキにより均一に成膜された金属を犠牲層としてもよい。
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における微小機械素子の製造工程を説明するための説明図である。図2は基板11の断面図となっている。本実施の形態においては、基板11に凹部11aを形成する工程に先立ち、基板に第3の犠牲層12と上部マスク層13とを形成している。第3の犠牲層12と上部マスク層13とを合わせたものが、特許請求の範囲で記載したマスク層に相当する。本実施の形態では、マスク層の開口形状を凹部11aの作成に利用するだけでなく、一旦第1の犠牲層14を埋め込んだ後にこれの上部のみを除去する際にも再利用しているため、マスク枚数や製造工数が削減できると共に、マスクのアライメントずれに伴う性能劣化を防止することができる。さらに、マスク層の少なくとも一部が第3の犠牲層12として作用し、第1の犠牲層14と協働してリリース後の構造体17のための垂直ギャップ距離を確保することができる。
図2は本発明の実施の形態2における微小機械素子の製造工程を説明するための説明図である。図2は基板11の断面図となっている。本実施の形態においては、基板11に凹部11aを形成する工程に先立ち、基板に第3の犠牲層12と上部マスク層13とを形成している。第3の犠牲層12と上部マスク層13とを合わせたものが、特許請求の範囲で記載したマスク層に相当する。本実施の形態では、マスク層の開口形状を凹部11aの作成に利用するだけでなく、一旦第1の犠牲層14を埋め込んだ後にこれの上部のみを除去する際にも再利用しているため、マスク枚数や製造工数が削減できると共に、マスクのアライメントずれに伴う性能劣化を防止することができる。さらに、マスク層の少なくとも一部が第3の犠牲層12として作用し、第1の犠牲層14と協働してリリース後の構造体17のための垂直ギャップ距離を確保することができる。
図2(a)に示すように、基板11はシリコンウェハとし、この上に第3の犠牲層12を第3の厚さt3で形成する。第3の犠牲層12は、熱酸化もしくはECR−PACVD (Electron Cyclotron Resonance Plasma−Assisted Chemical Vapor Deposition)により形成した厚い酸化膜である。ECR−PACVDを用いた場合には、B、Pを添加してBSG、PSGとしても良い。第3の犠牲層12の厚さt3は2〜8μmの範囲から選ばれるのが好ましく、ここでは3μmとする。
上部マスク層13は、第3の犠牲層12の上に形成される。本実施の形態では第3の犠牲層12を厚い酸化膜としたため、上部マスク層13は酸化膜DRIEでの選択比が得られやすいNiのハードマスクとしている。Ni以外にも、Cr、Ti、W、Mo、Cu、Ag、Alのいずれかを主成分とするものを用いることができる。上部マスク層13にはリソグラフィによって開口形状が形成される。開口形状の幅Hは2.5μmである。
第3の犠牲層12は、上部マスク層13の開口形状に合わせてエッチングされる。
次に、図2(b)に示すように、上部マスク層13および第3の犠牲層12の開口形状に合わせて基板11にDRIEを施し、凹部11aを形成する。凹部11aの深さdは5〜30μmの範囲内から選ばれる。
そして、凹部11aに第1の犠牲層14を堆積して、凹部11aを埋め込む。第1の犠牲層14の堆積厚みは1.8μmである。第1の犠牲層14の材質はBSGもしくはPSGである。第1の犠牲層14は、上部マスク層13の上から形成され、これを内在するように設けられている。
次に、図2(c)に示すように、第1の犠牲層14の上部をエッチングにより除去し、凹部11aの底部に、第1の犠牲層14を第1の厚さt1で残す。第1の犠牲層14の厚さt1は、第3の犠牲層12の厚さt3よりも少し大きな値にするのが好ましく、ここではt1=3.5μmとする。このように設定することにより、後述する構造体17をリリースしたときに構造体17が凹部11aの底面と接触することを防止することができる。
また、第1の犠牲層14の上部をエッチングにより除去する際に、上部マスク層13がストッパとなり第3の犠牲層12が除去されるのを防止する。このように、上部マスク層13は凹部11aの作成時だけでなく、第1の犠牲層14の上部を除去する際にも再利用されている。このため、マスク枚数や製造工数が削減できると共に、マスクのアライメントずれに伴う性能劣化を防止することができる。
図2(c)の状態の後、上部マスク層13は除去される。
次に、図2(d)に示すように、まず第2の犠牲層15を凹部11aの側面に第2の厚さt2で形成する。第2の厚さt2は、0.3μmである。第2の犠牲層15の材質は、第1の犠牲層14と同様、BSGもしくはPSGである。第2の犠牲層15はLPCVDによって凹部11aの側面および第1の犠牲層14上に実質的に均一な厚さで形成される。
次に、第2の犠牲層15が形成された凹部11aに、0.1μm厚の絶縁層16を形成する。絶縁層16の材質は窒化シリコンである。絶縁層16は基板11と構造体17とが接触した場合に電気的な短絡を防止するために設けられる。
絶縁膜16の上には、構造体17を埋め込む。構造体17の堆積厚みは2μmである。構造体17は、LPCVDで形成されたポリシリコンであり、in−situドープにより不純物が導入されて導電性を有している。構造体17の堆積後、1050℃で1時間のアニール処理が施される。その後、構造体17および絶縁層16は、フォトリソグラフィにより所望の形状にパターニングされる。構造体17および絶縁層16の形状は、凹部11a内に形成された幅h1(=1.9μm)よりも、上部の幅h2(=4μm)の方が大きくなるように設けている。
最後に、図2(e)に示すように、第1の犠牲層14、第2の犠牲層15、第3の犠牲層12を除去し、絶縁層16および構造体17をリリースする。これらの犠牲層が除去されてできた空隙18の水平ギャップ距離はt2=0.3μmである。空隙18の垂直ギャップ距離は、第1の犠牲層14と第2の犠牲層15の厚さの和で決まる距離t1+t2=3.8μmと、第3の犠牲層12と第2の犠牲層15の厚さの和で決まる距離t3+t2=3.3μmとの2つがある。これらの値は、どちらも水平ギャップ距離t2よりも十分大きく設けられており、構造体17が下方向に変位する場合の可動ストロークが確保されている。
このように、凹部11aの底部に設けた第1の犠牲層14だけでなく、凸部11bの上に設けた第3の犠牲層12によっても、水平ギャップ距離t2よりも大きな垂直ギャップ距離を設けることができるので、例えば凹部11a内の幅h1よりも上部の幅h2の方が大きい構造体17に対しても、リリース後の可動ストロークを確保することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、凹部11aを形成する工程に先立ち、基板11にマスク層を形成し、マスク層の開口形状を凹部11aの作成に利用すると共に、一旦第1の犠牲層14を埋め込んだ後にこれの上部のみを除去する際にも再利用しているため、マスク枚数や製造工数が削減できると共に、マスクのアライメントずれに伴う性能劣化を防止することができる。
また、マスク層の少なくとも一部を第3の犠牲層12とし、第1の犠牲層14および第2の犠牲層15と共にこれを除去して空隙18を形成しているため、例えば凹部11a内の幅h1よりも上部の幅h2の方が大きい構造体17に対しても、リリース後の構造体17の可動ストロークを確保することができる。
また、第3の犠牲層12の厚さt3を第1の犠牲層14の厚さt1よりも小さく設定したため、リリースされた構造体17が凹部11aの底面と接触することを防止することができる。
また、絶縁層16を導電性の構造体17の表面に形成したため、基板11と構造体17とが接触した場合に電気的な短絡を防止することができる。
なお、本実施の形態では第3の犠牲層12は、第1の犠牲層14と同じ酸化シリコン系の材料で形成し、上部マスク層13との2層構造にして第1の犠牲層14に対するエッチング選択比を得ているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第3の犠牲層12の材質を第1の犠牲層14と異なる材質で形成し、これによって両者にエッチング選択比を与えることによってマスク層を単層構造にすることができる。例えば、第1の犠牲層14と第2の犠牲層15とを酸化シリコン系の材料で形成し、第3の犠牲層12をAl材料で形成して上部マスク層13を省略してもよい。
また、本実施の形態では上部マスク層13を金属系のハードマスク層としたが、例えば上部マスク層13をフォトレジストや感光性ポリイミド等の感光性有機材料層としてもよい。第1の犠牲層14はPECVD法により、これらの有機材料層の耐熱温度以下で形成する。このように、上部マスク層13を直接、感光性有機材料層で形成することにより、プロセスを大幅に簡素化することができる。さらに、これに第3の犠牲層12の作用を果たさせることで、マスク層を単層構造にしてもよい。
(実施の形態3)
図3は本発明の実施の形態3における微小機械素子の製造工程を説明するための説明図である。図3は基板21の断面図となっている。本実施の形態においては、基板21の凹部21aの側面を保護したまま底部を熱酸化し、基板21を変質させることで第1の犠牲層23を形成している。こうした製造方法によっても、凹部21aの底部に第3の犠牲層24を形成することが可能である。
図3は本発明の実施の形態3における微小機械素子の製造工程を説明するための説明図である。図3は基板21の断面図となっている。本実施の形態においては、基板21の凹部21aの側面を保護したまま底部を熱酸化し、基板21を変質させることで第1の犠牲層23を形成している。こうした製造方法によっても、凹部21aの底部に第3の犠牲層24を形成することが可能である。
図3(a)に示すように、シリコン基板である基板21上にフォトレジスト(不図示)を塗布し、開口形状に合わせてDRIEにより凹部21aを形成する。
次に、LPCVDを用いて保護層22を形成する。保護層22は窒化シリコン膜であり、厚みは0.1μmである。保護層22は、基板21の上面、凹部21bの側面および底面に均一な厚みで形成される。ここでは保護層22が形成された場所に応じて、それぞれ上面保護層22a、側面保護層22b、底面保護層22cと呼ぶ。
次に、図3(b)に示すように、RIEもしくはイオンミリング等の異方性エッチングにより、上面保護層22aと底面保護層22cとを選択的に除去する。側面保護層22bは除去されずに残される。
この状態で、基板21を高温の酸化性雰囲気において、熱酸化を行う。凹部21aの側面は側面保護層22bによって保護されているため、酸化速度は遅く、基板21の上面と凹部21aの底面とは上面保護層22aおよび底面保護層22cが除去されてシリコンが露出しているため、酸化速度は速い。このため、基板21の上部と凹部21aの底部に選択的に酸化膜が形成されることになる。凹部21aの底部に形成された酸化膜は第1の犠牲層23として作用し、基板21の上部に形成された酸化膜は第3の犠牲層24として作用する。第1の犠牲層23の厚さおよび第3の犠牲層24の厚さは2μmである。
図の状態の後、熱リン酸等によりエッチングを行い、側面保護層22bを除去する。
次に、図3(c)に示すように、第2の犠牲層25を凹部21aの側面に厚さ0.3μmで形成する。第2の犠牲層25の材質は、BSGもしくはPSGであり、LPCVDによって均一な厚さで形成される。
次に、第2の犠牲層25が形成された凹部21aに、構造体26を埋め込む。構造体26は、LPCVDで形成されたポリシリコンであり、堆積厚みは2μmである。構造体26は、成膜後、1050℃で1時間のアニール処理が施され、第2の犠牲層25中の不純物が拡散して導電性が付与される。その後、構造体26は、フォトリソグラフィにより所望の形状にパターニングされる。
最後に、図3(d)に示すように、第1の犠牲層23、第2の犠牲層25、第3の犠牲層24を除去し、構造体26をリリースする。これらの犠牲層が除去されてできた空隙27の水平ギャップ距離0.3μmであり、垂直ギャップ距離は2.3μmである。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基板21の凹部21aの側面を保護したまま底部を熱酸化し、基板21を変質させることで第1の犠牲層23を形成している。こうした製造方法によっても、凹部21aの底部に第3の犠牲層24を形成することが可能である。
なお、本実施の形態においては、基板21を変質させて第1の犠牲層を形成する際に、熱酸化によってこれを実現しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、窒化、塩化をはじめとする各種の化学変化によっても同様の効果を奏することができることは言うまでもない。
(実施の形態4)
図4から図8を用いて、本発明の実施の形態4における微小機械素子の製造工程を説明する。本実施の形態では、CMOS回路を形成したシリコン基板上に、垂直櫛形電極構造を持つマイクロミラーを形成した例を示す。このマイクロミラーは1軸のチルトミラーであり、2つの電極にそれぞれ独立に駆動電圧を印加され、所定の角度傾動するものである。全ての工程はCMOS回路の一般的な耐熱温度である450℃よりも低い温度で実施される。
図4から図8を用いて、本発明の実施の形態4における微小機械素子の製造工程を説明する。本実施の形態では、CMOS回路を形成したシリコン基板上に、垂直櫛形電極構造を持つマイクロミラーを形成した例を示す。このマイクロミラーは1軸のチルトミラーであり、2つの電極にそれぞれ独立に駆動電圧を印加され、所定の角度傾動するものである。全ての工程はCMOS回路の一般的な耐熱温度である450℃よりも低い温度で実施される。
図4は本発明の実施の形態4における微小機械素子の第1の製造工程を説明するための説明図である。図4(a)は基板31の平面図であり、図4(b)は一点鎖線B−Bにおける断面図であり、図4(c)は一点鎖線C−Cにおける断面図である。
基板31はCMOS駆動回路を形成したシリコン基板で、図では最上層のアルミニウム電極層のみが記載されている。固定電極31a、31bはマイクロミラーを駆動するための駆動電極であり、それぞれCMOS駆動回路(不図示)に接続して、設定された駆動電圧を印加される。ランド31cおよび31dは接地電極であり、後述する可動電極に接続してこれを接地するものである。
基板31には、第4の犠牲層32を形成する。ここでは第4の犠牲層32をフォトレジストで形成する。第4の犠牲層32の厚さは5μmとし、平面形状としては固定電極31a、31bの周りを取り囲むように設けられている。第4の犠牲層32は、後述する可動電極の補強リブの下端を基板31から所定の距離だけ離すためのスペーサの役割を果たす。
次に、図5を用いて第2の製造工程を説明する。図5は本発明の実施の形態4における微小機械素子の第2の製造工程を説明するための説明図である。図5(a)は基板31の平面図であり、図5(b)は一点鎖線B−Bにおける断面図であり、図5(c)は一点鎖線C−Cにおける断面図である。
基板31には、第1の犠牲層33を形成する。ここでは第1の犠牲層33もフォトレジストもしくは感光性ポリイミド等の感光性有機材料で形成する。好ましくは、MicroChem社製SU−8、SU−10(いずれも商品名)といった高アスペクト形状が得られる高粘度タイプのものを用いる。第1の犠牲層33の厚さは10〜150μmの範囲内から選ばれ、ここでは20μmとする。
第1の犠牲層33は露光、現像されて、貫通穴が形成される。このうち、貫通穴33a、33bはそれぞれ固定電極31a、31bの上に複数設けられ、固定電極31a、31bに複数の櫛歯34a、34bを形成するために用いられる。また、貫通穴33c、33dはそれぞれランド31c、31dの上に設けられ、可動電極を弾性的に支持するヒンジの垂直部分34c、34dを形成するために用いられる。また、貫通穴33eは第4の犠牲層32の上に設けられ、可動電極の補強リブ34eを形成するために用いられる。
次に、第1の犠牲層33上に第2の構造体34を形成する。第2の構造体34は貫通穴33a〜33eを埋め込んで、突起形状を形成する。特に貫通穴33a、33bに埋め込まれた第2の構造体34は、それぞれ固定電極31a、31bと一体化されて複数の櫛歯34a、34bを形成する。隣接する櫛歯34aの間の谷間は実質的に凹部34hと見なすことができ、本実施の形態では凹部34hが請求項に記載された凹部に相当する。もちろん、隣接する櫛歯34bの間の谷間も同様に凹部と見なされる。
第2の構造体34の材質はアルミニウムであり、低温スパッタリングにより成膜する。スパッタリング条件は、貫通穴33a〜33eへの埋め込み性を高めるために、貫通穴33a〜33eの側面に均一な厚みで成膜が可能な条件を選ぶ。こうした条件は、例えば下記の文献に開示されたものを用いることができる。
K.A.Shaw et al., "SCREAM I: a single mask, single-crystal silicon, reactive ion etching process for microelectromechanical structures", Sensors & Actuators A, 40, pp.63-70 (1994)
さらに埋め込み性を高めるために、コリメーション法(collimated sputtering)やロングスロー法(long through sputtering)を用いて、Alターゲットから基板31に入射するスパッタ粒子の方向性を基板31に垂直な方向に揃えてもよい。
さらに埋め込み性を高めるために、コリメーション法(collimated sputtering)やロングスロー法(long through sputtering)を用いて、Alターゲットから基板31に入射するスパッタ粒子の方向性を基板31に垂直な方向に揃えてもよい。
第2の構造体34の上には、第1のマスク層35を形成する。第1のマスク層35は0.2μm厚程度の薄い酸化シリコン膜である。これをフォトリソグラフィによりパターニングして第2の構造体34をエッチングする際のマスクとして用いる。このAlエッチングはウェットエッチングによってもよいが、ここでは塩素系のガスを用いたプラズマエッチングとする。エッチング条件は、第2の構造体34と第1の犠牲層33との選択比を大きくするように選び、第1の犠牲層33があまり侵されないようにする。
エッチング後に残された第2の構造体34の平面形状を、図5(a)において斜線部として示す。固定電極の櫛歯34a、34bは第1のマスク層35を除去した状態でAlエッチングが行われるため、貫通穴33a、33b内の上部が除去された状態となる。すなわち、固定電極の櫛歯34a、34bの上端は第1の犠牲層33の上面よりも低い位置までエッチバックされる。ヒンジの水平部分34f、34gおよび補強リブ34eの上面は第1のマスク層35に保護された状態でAlエッチングが行われるため、第1の犠牲層33の上面にパターンが残された状態となる。
この後、第1のマスク層35は除去される。
次に、図6を用いて第3の製造工程を説明する。図6は本発明の実施の形態4における微小機械素子の第3の製造工程を説明するための説明図である。図6(a)は基板31の平面図であり、図6(b)は一点鎖線B−Bにおける断面図であり、図6(c)は一点鎖線C−Cにおける断面図である。
ここではまず第2のマスク層36を形成する。第2のマスク層36は特許請求の範囲に記載したマスク層に対応し、第1の犠牲層33をエッチングする際のマスクとして作用すると共に、第3の犠牲層としてリリース後の空隙を形成する作用を果たす。第2のマスク層36は酸化シリコン膜とするが、BCB(Benzo Cyclo Butene)、PAE(Poly Arylene Ether)、Aromatic hydrocarbon、Parylene、PTFE(Ppoly Tetra Fluoro Ethylene)などの有機材料でもよい。
このとき、第2のマスク層36は、図5で示した櫛歯34a、34bが除去された後の貫通穴33a、33b上部の空隙に埋め込まれて、この部分において基板31と垂直の方向に厚い厚みをもつ。この部分を第3の犠牲層36a、36bと呼ぶことにする。
次に、フォトレジスト(不図示)を塗布し、露光、現像して、図6(a)において斜線部として示した部分に開口を設ける。この状態で、第2のマスク層36を所定時間エッチングする。すると、櫛歯34a、34bの上にある厚い厚みを持つ第3の犠牲層36a、36bの部分では所定の厚さで残されて、他の部分では除去される。
次に、第1の犠牲層33のエッチングを行う。第2のマスク層36を酸化シリコン膜とした場合には、酸素プラズマによるドライエッチングが好ましい。第2のマスク層36を第1の犠牲層と異なる材質の有機材料とした場合には、有機溶剤等によるウェットエッチングを用いてもよい。第2のマスク層36に保護されていない第1の犠牲層33はその上部が除去されて、底部に第1の厚さt1が残される。また、このとき残された第3の犠牲層36a、36bの厚さを第3の厚さt3とする。
次に、図7を用いて第4の製造工程を説明する。図7は本発明の実施の形態4における微小機械素子の第4の製造工程を説明するための説明図である。図7(a)は基板31の平面図であり、図7(b)は一点鎖線B−Bにおける断面図であり、図7(c)は一点鎖線C−Cにおける断面図である。
ここではまず第2の犠牲層37を実質的に均一な第2の膜厚t2で形成する。ここでは第2の犠牲層37はフォトレジストもしくは感光性ポリイミドである。第2の犠牲層37を均一な厚みで形成するには、パルススプレー法(登録商標、ノードソン社)や蒸着重合法を用いるのが好ましい。
第2の犠牲層37は露光、現像され、穴37a、37bおよび溝37cが形成される。穴37a、37bは、可動電極である構造体38とヒンジの水平部分34f、34gとを接続するためのビアである。溝37cは、構造体38と補強リブ34eとを接続し、構造体38の剛性を高めるために用いられる。穴37a、37bおよび溝37cはどれも基板31面からの高さはほぼ等しい位置に形成されているため、露光時のデフォーカスによるエッジのボケは十分小さく、正確なパターン形状が形成される。第2の犠牲層37をマスクとして、第2のマスク層36がエッチングされ、穴37a、37b、溝37cに対応する位置の第2の構造体34が露出する。
次に、構造体38を形成する。構造体38は、特許請求の範囲に記載した構造体に対応し、可動電極として作用する。構造体38の材質はアルミニウムであり、第2の構造体34と同様に低温スパッタリングにより成膜する。構造体38の埋め込みにより形成された可動電極側の櫛歯38a、38bは、それぞれ固定電極の櫛歯34a、34bと水平ギャップ距離t2を持って対向し、垂直櫛形電極を形成する。
構造体38は、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理によって表面が平滑化された後、フォトリソグラフィにより外形が決定される。構造体38の外形は、図7(a)で斜線部に示すように矩形形状をしている。外形の1辺の長さは40〜200μmの範囲内から選ばれ、外形面積は1600μm2以上となる。この外形全体が光反射面として作用する。垂直櫛形電極やヒンジは、この光反射面の背面に形成されているため、ミラーの面積効率を高くすることができる。
次に、図の状態から構造体38のリリースを行う。リリースは2段階の工程で実施し、まず酸素プラズマエッチングにより、第4の犠牲層32、第1の犠牲層33、第2の犠牲層37を除去する。第1の犠牲層33の厚みを10〜150μmの範囲内と厚くとっているため、エッチャントの流路が確保しやすく、外形面積が1600μm2以上と大きな面積の構造体38でも上部にエッチング用の穴を設けることなく、これらの犠牲層の除去が可能である。次に、フッ化水素ガスを用いて第2のマスク層36を除去する。これにより、構造体38のリリースが完了する。
最後に、図8に完成状態における微小機械素子の構成を示す。図8は本発明の実施の形態4における微小機械素子の構成図である。図8(a)は基板31の平面図であり、図8(b)は一点鎖線B−Bにおける断面図であり、図8(c)は一点鎖線C−Cにおける断面図である。
2つの固定電極31a、31bは共に複数の櫛歯34a、34bを備え、可動電極である構造体38に形成された複数の櫛歯38a、38bと共に垂直櫛形電極を形成している。構造体38は一対のヒンジ(垂直部分34c、34d、水平部分34f、34g)に弾性的に支持され、C−C軸周りに回動が可能である。固定電極31aもしくは31bに駆動電圧を印加すると、構造体38は電圧に応じた角度だけ傾く。構造体38は閉環状の平面形状を持つ補強リブ34eに補強されているので、剛性が高い。また補強リブ34eは凹部内で垂直方向に成膜された薄膜のサンドイッチ構造となっているので残留応力が小さく、ミラーとしての平面度を得るのに好適な構成となっている。櫛歯38aの高さと補強リブ34eの高さとは互いに異ならせることが可能であるため、それぞれの静電的あるいは剛性的な要求に応じて最適な構成をとらせることができる。
櫛歯34a、34bは固定電極31a、31bと垂直方向に最短距離で接続し、櫛歯38a、38bは構造体38と垂直方向に最短距離で接続しているため、櫛歯自身の変形に対する強度は非常に高く、櫛歯の間隔を狭ピッチ化しても櫛歯の不要な変形によるプルインを防止することができる。
また、水平方向のギャップ距離と垂直方向のギャップ距離とを任意に設定できるので、水平方向の微細ギャップ化による静電力の増大と、垂直方向の可動ストロークの拡大とを両立できることは、本実施の形態でも同じである。
以上説明したように、本実施の形態によれば、基板31上に第1の犠牲層33を形成し、この第1の犠牲層33に複数の貫通穴33a(もしくは33b)を形成し、この貫通穴に第2の構造体34を埋め込んで基板31と一体化された櫛歯34a(もしくは34b)を複数形成し、櫛歯間の谷間を凹部34hとし、凹部34hに存する第1の犠牲層33の上部を除去し、凹部34hの底部に第1の犠牲層33を残すように設けたので、基板31上に積み上げていく工法で微小機械素子を作成することができる。
このため、CMOS回路を形成した基板に対しても、基板と微細機械素子との一体化をより容易に行うことができる。
本発明の微小機械素子の製造方法および当該微小機械素子を備えた物品は、マイクロアクチュエータやマイクロセンサやこれらを含むシステムに適用できる。
1,11,21,31 基板
1a,11a,21a,34h 凹部
2,14,23,33 第1の犠牲層
3,15,25,37 第2の犠牲層
4,17,26,38 構造体
12,24,36a 第3の犠牲層
1a,11a,21a,34h 凹部
2,14,23,33 第1の犠牲層
3,15,25,37 第2の犠牲層
4,17,26,38 構造体
12,24,36a 第3の犠牲層
Claims (23)
- 基板に垂直な方向に凹部を形成する工程と、
前記凹部の底部に第1の犠牲層を形成する工程と、
少なくとも前記凹部の側面に実質的に均一に第2の犠牲層を形成する工程と、
前記第1および第2の犠牲層が形成された前記凹部にさらに構造体を埋め込む工程と、
前記第1および第2の犠牲層を除去して前記構造体をリリースする工程とを含む微小機械素子の製造方法。 - 前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、
前記凹部に前記第1の犠牲層を堆積して前記凹部を埋め込む工程と、
前記第1の犠牲層の上部を除去し、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を残す工程とを含む請求項1記載の微小機械素子の製造方法。 - 前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、さらに前記凹部に埋め込まれた前記第1の犠牲層をリフローする工程を含む請求項2記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記第2の犠牲層の厚さを前記第1の犠牲層の厚さよりも小さくした請求項1から3のいずれか一項に記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記第2の犠牲層を形成する工程が、LPCVD法もしくはPECVD法を用いる工程を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記第2の犠牲層を形成する工程が、熱酸化法を用いる工程を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記第2の犠牲層を形成する工程が、無電解メッキ法を用いる工程を含む請求項1から4のいずれか一項に記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記基板に深さを有する凹部を形成する工程に先立ち、
前記基板にマスク層を形成する工程と、
前記マスク層に前記凹部の開口形状を形成する工程とを備えた微小機械素子の製造方法であって、
前記基板に深さを有する凹部を形成する工程が、
前記マスク層の開口形状に合わせて前記基板をエッチングする工程を含み、
前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、
前記マスク層の上から前記第1の犠牲層を堆積して前記凹部を埋め込む工程と、
前記マスク層の開口形状に合わせて前記第1の犠牲層の上部を除去し、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を残す工程とを含む請求項1から7のいずれか一項に記載の微小機械素子の製造方法。 - 前記マスク層の少なくとも一部を第3の犠牲層とし、
前記構造体をリリースする工程において、さらに前記第3の犠牲層を除去する請求項8記載の微小機械素子の製造方法。 - 前記マスク層がNi、Cr、Ti、W、Mo、Cu、Ag、Alのいずれかを主成分とするハードマスク層を含む請求項9記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記マスク層が感光性有機材料層を含む請求項9記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記第2の犠牲層の厚さを前記第3の犠牲層の厚さよりも小さくした請求項9記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記第3の犠牲層の厚さを前記凹部の底部に残す前記第1の犠牲層の厚さよりも小さくした請求項9記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記凹部に構造体を埋め込む工程が、前記凹部に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の上に導電性の構造体を形成する工程とを含む請求項1から13のいずれか一項に記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、
少なくとも前記凹部の側面と底部とを覆う保護層を形成する工程と、
前記凹部の側面にある前記保護層を実質的に残したまま、前記凹部の底部にある前記保護層を除去して前記基板を露出させる工程と、
前記露出した基板を変質して前記第1の犠牲層を形成する工程とを含む請求項1記載の微小機械素子の製造方法。 - 前記基板の変質を熱酸化によって行う請求項15記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、
前記基板上に前記第1の犠牲層を形成する工程と、
前記第1の犠牲層に前記基板に達する複数の貫通穴を形成する工程と、
前記複数の貫通穴に第2の構造体を埋め込んで、前記基板と一体化された前記第2の構造体による突起を複数形成する工程と、
前記複数の突起の間の谷間を前記凹部とし、前記凹部に存する前記第1の犠牲層の上部を除去し、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を残す工程とを含む請求項1記載の微小機械素子の製造方法。 - 前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を形成する工程が、さらに、
前記貫通穴に埋め込まれた前記突起の上部を除去する工程と、
前記突起の上部が除去された後の前記貫通穴にマスク層を埋め込む工程と、
前記マスク層の開口形状に合わせて前記第1の犠牲層の上部を除去し、前記凹部の底部に前記第1の犠牲層を残す工程とを含む請求項17に記載の微小機械素子の製造方法。 - 前記基板の上の一部の領域に第4の犠牲層を形成する工程と、
前記基板および前記第4の犠牲層の上に前記第1の犠牲層を形成する工程と、
前記第1の犠牲層に前記第4の犠牲層に達する貫通穴を形成する工程と、
前記貫通穴に前記第2の構造体を埋め込む工程と、
前記第2の構造体と接続するように前記構造体を形成する工程と、
前記第4の犠牲層を除去する工程とを含み、
前記第2の構造体の一部を前記構造体と一体にリリースする請求項17または18に記載の微小機械素子の製造方法。 - 前記第2の構造体の一部に閉環状の平面形状を具備させた請求項19に記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記第1の犠牲層が感光性有機材料である請求項1から20のいずれか一項に記載の微小機械素子の製造方法。
- 前記基板がCMOS回路を形成した回路基板である請求項1から21のいずれか一項に記載の微小機械素子の製造方法。
- 基板と、前記基板に垂直な方向に形成された凹部と、前記凹部に対して水平方向と垂直方向に異なる距離の空隙を介して変位可能に形成された構造体とを備え、請求項1から22のいずれか一項に記載の製造方法を用いて作製された微小機械素子を備えた物品。
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