JP2005305532A - 部分的に成分の異なる鋼材の製造方法および加工製品 - Google Patents
部分的に成分の異なる鋼材の製造方法および加工製品 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 鋼鋳片の一部を誘導加熱、プラズマ加熱のいずれか一方または双方により溶融させ、溶融部に、添加元素もしくはその合金を添加することを特徴とする部分的に成分の異なる鋼材の製造方法。また、少なくともプラズマ加熱を用いる場合、添加元素もしくはその合金を、プラズマ内に供給し、加熱または溶融してから、鋼の溶融した部分に供給する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、鋼の連続鋳造鋳片の表層の任意の一部を選択的に溶融改質処理することによって、部分的に成分が異なる複合鋼材を安価に得ることができる製造方法とその加工製品を提供することを目的とする。
また、本発明に係る部分的に成分の異なる加工製品は、上記に記載した方法により得られた鋼材を加工した製品であって、表層或いは任意の一部が純金属もしくは合金を含有した成分であることを特徴とする。
本発明で対象とする鋼の鋳片について、その改質する部分の厚さは、特に規定するものではないが、通常は0.5〜20mm程度である。これは、0.5mm未満の場合は通常の加熱・圧延工程で表面が酸化して失われてしまうこと、また20mm超の場合は一般に目的とする複合鋼材の製造において、特に要求がないことや、本プロセスによって溶融処理する上で、溶融処理コストが増大することが、その理由である。また、上記鋳片は連続鋳造により製造されたものが多い。
鋼の鋳片表層の一部を溶融させる方法として、誘導加熱単独、プラズマ加熱単独、誘導加熱とプラズマ加熱の併用のいずれを用いても良い。
また、本発明は、連続鋳造機端、すなわち連続鋳造後の鋳片が水平に移動している際に、或いは連続鋳造機内、すなわち鋳片が垂直に移動している際にも、本発明方法を適用することが可能である。
連続鋳造機で得られた鋳片は、切断後、溶融処理場に輸送され、添加元素もしくはその合金をプラズマに供給することで、プラズマで鋳片表層を部分的に溶融しつつ、添加元素もしくはその合金を供給し、鋼の溶融した部分に供給することで、溶着される。その後再度冷却され凝固する。
また、鋳片部分溶融部に添加元素もしくはその合金を添加して溶着させる場合、鋳片の酸化を防止することが好ましいため、チャンバー内のガス雰囲気は上記と同様であることが好ましい。
連続鋳造機で連続鋳造を完了した鋳片は、切断後、溶融処理場に輸送され、図3のように溶融対象部である鋳片5の一部を選択的に加熱溶融するように配置された誘導コイル3により加熱され、さらに添加元素もしくはその合金10をプラズマトーチ1からのプラズマ2に供給することで、鋳片部分溶融部に添加元素もしくはその合金を添加して溶着させる。添加元素もしくはその合金10はプラズマ2に供給する以外に、通常の供給方法で添加してもよい。誘導コイル3は鋳片部分溶融部7で電磁力により溶融部分を内面に向かって電磁力によって押さえつけることにより安定した溶融部表面を作り、その後再度冷却され凝固し、安定した元素添加部9を形成する。
また、鋳片表層溶融部に添加元素もしくはその合金10を添加して溶着させる場合、鋳片の酸化を防止することが好ましいため、雰囲気ガス容器6内のガス雰囲気は上記と同様に不活性ガス雰囲気4とすることが好ましい。さらに、誘導コイルによる電磁力は先に記載している通り、作用する。
また、本発明では溶融加熱時に鋳片の一部である溶融部に窒素ガスを吹き込みことによって、その部分の窒素成分を他の部分よりも高めにし、部分的に異質の鋳片を得ることができる。
炭素:鋼材の強度を上げる働きがある。例えば、極低炭素鋼の表層のみに炭素を添加することにより、加工性を内部の鋼で維持し、表層で強度を増すことにより強度の双方に優れる鋼板の製造が可能である。
ニッケル、クロム:鋼材の耐食性を向上させる作用がある。例えば、低炭素鋼の表層にニッケル、クロムを添加することにより、表層をステンレスとすることができる。
モリブデン:上記のニッケル、クロムに加えてモリブデンを添加することで、さらに耐食性を向上させる作用がある。
シリコン、マンガン:特に鉄系合金に対して強度を向上させる作用がある。
リン:極低炭素鋼に添加して、強度を上げる作用がある。
硫黄:鋼の切削性を高める作用がある。
銅:極低炭素鋼にニッケルと併せて添加することにより加工性と強度を同時に増すことができる。
金:抗菌性を高めることができる。
銀:抗菌性を高めることができる。
ボロン:鋼の焼入れ性を改善することができる。
アルミニウム:普通鋼に添加することにより、耐食性を増すことができる。
マグネシウム、チタン、ニオブ、レアアースメタル:鋼中の酸素や硫黄と結びつき、微細な酸化物や硫化物を生成して、鋼材の組織を小さくし、また鋼管材など溶接される材料に用いられる場合、溶接の熱影響部では組織が粗くなって強度が低下するが、これを微細な化合物で抑制することなどができる。
さらに、添加元素成分と窒素との化合物については、例えばフェライト系ステンレス鋼では、鋳片端部の組織が粗く表面性状が悪い問題があるが、オーステナイト形成元素である窒素を添加することによりこれらの組織を小さくすることができる。即ち、窒化鉄の様な窒素を合金の形で添加することで、結晶粒を小さくする作用があるため、圧延時の表面粗さが均一に保たれ鋼の表面形状を良好にできる。また、添加元素成分と酸素との化合物については、例えばマグネシウム酸化物の様な酸素を合金の形で添加することで、組織を微細化する作用があるため、加工割れの防止や溶接時の強度低下防止などができる。
これは、誘導加熱は単に予熱機能として使用し、その後のプラズマ加熱で添加元素もしくはその合金を溶融合金化させるものであり、プラズマで一般に加熱溶融するには添加元素もしくはその合金の形状がパウダー状であり、プラズマ内に吹き込むのが一般的であるのに対し、この方法の場合には添加元素もしくはその合金の形状にかかわらず実施できるという利点がある。
従って、上記の一部改質複合鋼材鋳片を加工することにより得られる加工製品について、部分的に性質が異なる鋼の特性を併せ持つ低コスト製品が得られる。加工製品とは薄板、厚板等の鋼板、形鋼、鋼管等が挙げられるが、通常の鉄鋼プロセスで鋳片を加工して得られる鉄鋼製品すべてを対象とする。また、熱延コイル等の半製品も含まれる。
得られた鋳片は、断面分析したところ、深さ方向のばらつきプラスマイナス1mm、元素成分のばらつきは3%以内であった。本鋳片を加工することにより、図1(a)に示すような、中央部のみ疲労強度に優れ、同時に加工性が悪い端部を含めて、全体に良好な加工性を有する薄板用鋼板を得ることができた。
得られた鋳片は、断面分析したところ、深さ方向のばらつきプラスマイナス1mm、元素成分のばらつきは5%以内であった。本鋳片を加工することにより、図1(b)に示すような、端部の表面性状が良好な薄板用ステンレス鋼板を得ることができた。
2 プラズマ
3 電磁誘導コイル
4 不活性ガス雰囲気
5 鋳片
6 雰囲気ガス容器
7 溶融部
8 加熱部
9 元素添加部
10 合金等による元素添加
11 移動
12 磁束
Claims (5)
- 鋼の連続鋳造鋳片の一部を、誘導加熱、プラズマ加熱のいずれか一方または双方を用いて溶融し、該溶融部に純金属もしくは合金を添加することを特徴とする、部分的に成分の異なる鋼材の製造方法。
- 添加する純金属もしくは合金中の金属成分が、炭素、シリコン、マンガン、リン、硫黄、ニッケル、クロム、モリブデン、銅、金、銀、ボロン、アルミニウム、マグネシウム、チタン、ニオブ、レアアースメタル(REM)、合金中の非金属成分が少なくとも窒素、のいずれか1つもしくは複数の組合せであることを特徴とする、請求項1記載の部分的に成分の異なる鋼材の製造方法。
- 鋼の連続鋳造鋳片の一部を、誘導加熱、プラズマ加熱のいずれか一方または双方を用いて溶融し、該溶融部に窒素ガスを添加することを特徴とする、部分的に成分の異なる鋼材の製造方法。
- プラズマ加熱に際し、プラズマ内で純金属もしくは合金を予め加熱溶融し添加することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の部分的に成分の異なる鋼材の製造方法。
- 表層の任意の一部が純金属もしくは合金を含有した成分であることを特徴とする、部分的に成分の異なる加工製品。
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