JP2005305216A - 排ガス浄化用触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】活性の低下を抑制しつつ、排ガス温度が低下した場合にも保温特性を向上させ高い浄化率を確保する。
【解決手段】多孔質酸化物よりなる主担体と主担体より比表面積が小さくかつ熱容量が大きな副担体とからなる担体と、主として主担体に担持された触媒金属と、を含む。
副担体は熱容量が大きいので、実走行時に排ガス温度が低下しても触媒の温度を高く維持することができ、副担体に担持される触媒金属量が抑制され主として主担体に担持されることで活性の低下が抑制される。
【選択図】 図1
【解決手段】多孔質酸化物よりなる主担体と主担体より比表面積が小さくかつ熱容量が大きな副担体とからなる担体と、主として主担体に担持された触媒金属と、を含む。
副担体は熱容量が大きいので、実走行時に排ガス温度が低下しても触媒の温度を高く維持することができ、副担体に担持される触媒金属量が抑制され主として主担体に担持されることで活性の低下が抑制される。
【選択図】 図1
Description
本発明は排ガス浄化用触媒に関し、詳しくはアンダーフロア触媒として実用的な排ガス浄化用触媒に関する。
自動車の排気系には、エンジン直下に配置されたスタート触媒と、その下流側に配置されたアンダーフロア触媒とからなる排ガス浄化用触媒が搭載されている。このうちスタート触媒にはHC及びCOを低温域から酸化可能な酸化触媒が用いられ、アンダーフロア触媒には三元触媒、NOx 吸蔵還元触媒などが用いられている。このような二段構成とすることで、始動時などの低温域ではスタート触媒が早期に活性化され、その反応による発熱によって排ガス温度が上昇する。したがってアンダーフロア触媒も早期に活性化されるので、低温域におけるエミッションが向上する。
従来の排ガス浄化用触媒では、スタート触媒及びアンダーフロア触媒ともに、担体として高比表面積のアルミナ、セリアなどが用いられている。しかしこれらの担体は、熱容量が比較的小さいために、エンジン停止後には放熱によって早期に温度が低下し、次の始動時に再び活性化するまでに有害成分が排出される可能性がある。
そこで特開2001−138417号公報には、金属箔製のハニカム体の表面にセラミック層をコーティングしたメタルハニカム体が提案されている。金属箔製のハニカム体は熱伝導性が高いために、暖機性には優れているものの放熱し易いという問題がある。そこでセラミック層をコーティングすることで、熱容量を大きくすることができ、暖機性を確保しつつ温度低下速度を低下させることができる。
しかしながら、ターボ付きエンジンやディーゼルエンジンなどでは、実走行時においても排ガス温度が低くなる場合がある。このような場合には、上記したハニカム体を用いた触媒であっても温度が低下し、極端な場合には活性化温度以下となって浄化率が低下するという問題があった。特にアンダーフロア触媒の場合には、このような場合にも温度低下をさらに抑制し、浄化率を確保することが望まれる。
そこで担体基材あるいはコート層の熱容量を大きくすることが考えられるが、セラミック製の担体基材はコージェライトが主流であり、これ以上熱容量を大きくすることが困難である。またアルミナなどからなるコート層の熱容量を大きくするには、熱容量の大きな材料を混合することが考えられるが、触媒金属がそのような材料にまで担持されるために、活性が低下するという問題が発生する。
特開2001−138417号
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、活性の低下を抑制しつつ、排ガス温度が低下した場合にも保温特性を向上させ高い浄化率を確保することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する本発明の排ガス浄化用触媒の特徴は、多孔質酸化物よりなる主担体と主担体より比表面積が小さくかつ熱容量が大きな副担体とからなる担体と、主として該主担体に担持された触媒金属と、を含むことにある。
主担体は Al2O3、TiO2、CeO2、ZrO2、SiO2及びこれらから選ばれる複数種の複合酸化物から選ばれる少なくとも一種であり、副担体はFe2TiOx、NaSO4 、Nb2O3及びSrTiO2から選ばれる少なくとも一種であることが望ましい。
また副担体は、担体中に20重量%以下の割合で含まれることが好ましい。
本発明の排ガス浄化用触媒によれば、副担体は比表面積が小さいので、触媒金属は主として主担体に担持される。したがって活性の低下が抑制される。また副担体は熱容量が大きいので、ターボ付きエンジンやディーゼルエンジンなどの実走行時に排ガス温度が低下した場合でも、触媒の温度を高く維持することができ、保温特性が向上するため浄化率を高く確保することができる。
多孔質酸化物からなる主担体は、従来の排ガス浄化用触媒の担体として用いられているものであり、 Al2O3、TiO2、CeO2、ZrO2、SiO2及びこれらから選ばれる複数種の複合酸化物から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。触媒金属は、主担体に担持されることで活性が最大に引き出される。
一方の副担体は、主担体より比表面積が小さくかつ熱容量が大きなものであり、各種材料を用いることができるが、Fe2TiOx、NaSO4 、Nb2O3及びSrTiO2から選ばれる少なくとも一種であることが望ましい。これらの材料は特に比表面積が小さく触媒金属が担持され難い。副担体に担持された触媒金属は活性が低いので、副担体に担持される触媒金属量を抑制することで活性の低下を確実に抑制することができる。
表1に、代表的な担体材料の比表面積と熱容量を示す。主担体及び副担体は、比表面積と熱容量の両条件が上記範囲となるように、これらの中から選択することができる。
触媒金属は、Pt、Rh、Pd、Ir、Ruなどの貴金属、あるいはFe、Co、Cu、W、Niなどの遷移金属の中から任意に選択することができる。貴金属のみを担持してもよいし、貴金属と遷移金属の両方を担持することもできる。また、貴金属と共にアルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類元素から選ばれるNOx 吸蔵材を担持すれば、NOx 吸蔵還元型触媒とすることができる。なお触媒金属の担持量は、貴金属の場合には 0.1〜10重量%の範囲が好ましく、遷移金属の場合には10〜90重量%の範囲が好ましい。またNOx 吸蔵材の担持量は、担体 100重量部に対して0.05〜1モルの範囲とすることが好ましい。
本発明の触媒は、ハニカム形状の担体基材を用いたハニカム触媒とすることが好ましいが、場合によってはペレット触媒とすることもできる。ハニカム触媒とする場合、担体基材としては熱容量が大きなコージェライトなどセラミック製のものが特に好ましい。そして主担体粉末と副担体粉末との混合物粉末から担体基材のセル表面にコート層を形成し、そのコート層に触媒金属を担持することで本発明の触媒を製造することができる。また場合によっては、副担体粉末からなる下層と、主担体粉末からなる上層との二層構造とし、上層に触媒金属を担持することもできる。
主担体粉末と副担体粉末との混合物粉末からなるコート層に触媒金属を担持する場合には、コート層に吸着法あるいは含浸法で触媒金属を担持すれば、触媒金属は比表面積の大きな主担体粉末に優先的に担持される。また予め主担体粉末に触媒金属を担持しておき、その触媒粉末と副担体粉末の混合粉末からコート層を形成すれば、触媒金属を主担体粉末のみに担持することも可能である。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
先ずRhを 0.5重量部含む塩化ロジウム水溶液を50重量部のZrO2に吸水させ、蒸発・乾固後 250℃で1時間焼成して、Rh/ZrO2粉末を調製した。次に主担体粉末としてのγ-Al2O3粉末 100重量部、TiO2−ZrO2固溶体粉末 100重量部及びCeO2−ZrO2複合酸化物粉末20重量部と、副担体粉末としての Nb2O3粉末30重量部と、上記Rh/ZrO2粉末50重量部と、硝酸アルミニウム20重量部と、水酸化アルミニウム10重量部と、水 200重量部と、を混合し、ボールミルでミリングしてスラリーを調製した。
先ずRhを 0.5重量部含む塩化ロジウム水溶液を50重量部のZrO2に吸水させ、蒸発・乾固後 250℃で1時間焼成して、Rh/ZrO2粉末を調製した。次に主担体粉末としてのγ-Al2O3粉末 100重量部、TiO2−ZrO2固溶体粉末 100重量部及びCeO2−ZrO2複合酸化物粉末20重量部と、副担体粉末としての Nb2O3粉末30重量部と、上記Rh/ZrO2粉末50重量部と、硝酸アルミニウム20重量部と、水酸化アルミニウム10重量部と、水 200重量部と、を混合し、ボールミルでミリングしてスラリーを調製した。
容積2Lのコージェライト製のハニカム基材を用意し、上記スラリーをウォッシュコートした後、 120℃で2時間乾燥し、 500℃で1時間焼成して、Rhを含むコート層を形成した。コート層は、ハニカム基材1Lあたり 270g形成された。
続いてPtを4g含むジニトロジアンミン白金溶液をコート層に吸水させ、 250℃で1時間焼成してPtを担持した。その後、酢酸バリウム水溶液、硝酸カリウム水溶液、硝酸リチウム水溶液を用い、Baが 0.4モル、Kが 0.3モル、Liが 0.2モルとなるようにそれぞれコート層に吸水させ、 500℃で2時間焼成してNOx 吸蔵還元型の実施例1の触媒を調製した。
(比較例1)
Nb2O3粉末を混合しなかったこと以外は実施例1と同様にスラリーを調製し、そのスラリーを用いてハニカム基材1Lあたり 250gのコート層を形成したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の触媒を調製した。
Nb2O3粉末を混合しなかったこと以外は実施例1と同様にスラリーを調製し、そのスラリーを用いてハニカム基材1Lあたり 250gのコート層を形成したこと以外は実施例1と同様にして比較例1の触媒を調製した。
<試験・評価>
実施例1及び比較例1の触媒を排気量2Lのディーゼルエンジンの排気管にそれぞれ配置し、エンジンベンチにて市場を模擬した耐久パターンにて50時間の耐久試験を行った。その後、触媒への入りガス温度を10分間で 400℃→ 200℃→ 400℃となるように過渡的に変化させ、触媒床温をそれぞれ測定するとともに、HC浄化率をそれぞれ測定した。結果を図1及び図2に示す。
実施例1及び比較例1の触媒を排気量2Lのディーゼルエンジンの排気管にそれぞれ配置し、エンジンベンチにて市場を模擬した耐久パターンにて50時間の耐久試験を行った。その後、触媒への入りガス温度を10分間で 400℃→ 200℃→ 400℃となるように過渡的に変化させ、触媒床温をそれぞれ測定するとともに、HC浄化率をそれぞれ測定した。結果を図1及び図2に示す。
図1より、実施例1の触媒は入りガス温度が低下しても触媒床温の変化量が小さく、過渡試験中の平均温度が比較例1より高いことがわかる。そのため図2からわかるように、実施例1の触媒は比較例1の触媒に比べて高いHC浄化率が発現されている。これらの差は、 Nb2O3粉末の有無に起因していることが明らかであり、 Nb2O3粉末を含むことで熱容量が増大したことによる効果が明らかである。
(実施例2)
Nb2O3粉末の量を種々変更したこと以外は実施例1と同様にして、各種の触媒を調製した。なお Nb2O3粉末の量とγ-Al2O3粉末の合計量が、各触媒で一定となるようにした。そして、それぞれの触媒について上記試験と同様にして耐久試験を行い、同様にして過渡試験中のHC浄化率を測定し、 Nb2O3の含有量についてまとめた結果を図3に示す。
Nb2O3粉末の量を種々変更したこと以外は実施例1と同様にして、各種の触媒を調製した。なお Nb2O3粉末の量とγ-Al2O3粉末の合計量が、各触媒で一定となるようにした。そして、それぞれの触媒について上記試験と同様にして耐久試験を行い、同様にして過渡試験中のHC浄化率を測定し、 Nb2O3の含有量についてまとめた結果を図3に示す。
図3より、 Nb2O3の含有量が20重量%を超えるとHC浄化率が急激に低下していることがわかり、副担体の含有量は20重量%以下が好ましいことが明らかである。すなわち Nb2O3の含有量が20重量%を超えると、比表面積の大きいγ-Al2O3の含有量が相対的に減少し、それに伴って Nb2O3に担持されたPt量が増大したため、Ptの活性が十分に引き出されずHC浄化率が低下したと考えられる。
本発明の排ガス浄化用触媒は、酸化触媒、三元触媒、NOx 吸蔵還元触媒などに利用でき、ターボ付きエンジンやディーゼルエンジンなどの実走行時に排ガス温度が活性温度を下回るようなシステムのアンダーフロア触媒に用いることが特に好ましい。
Claims (3)
- 多孔質酸化物よりなる主担体と該主担体より比表面積が小さくかつ熱容量が大きな副担体とからなる担体と、主として該主担体に担持された触媒金属と、を含むことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
- 前記主担体は Al2O3、TiO2、CeO2、ZrO2、SiO2及びこれらから選ばれる複数種の複合酸化物から選ばれる少なくとも一種であり、前記副担体はFe2TiOx、NaSO4 、Nb2O3及びSrTiO2から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の排ガス浄化用触媒。
- 前記副担体は前記担体中に20重量%以下の割合で含まれる請求項1又は請求項2に記載の排ガス浄化用触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004122218A JP2005305216A (ja) | 2004-04-16 | 2004-04-16 | 排ガス浄化用触媒 |
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JP2004122218A Pending JP2005305216A (ja) | 2004-04-16 | 2004-04-16 | 排ガス浄化用触媒 |
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- 2004-04-16 JP JP2004122218A patent/JP2005305216A/ja active Pending
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