JP2005304467A - 関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウスおよびこのマウスを使用した関節リウマチの予防・治療薬のスクリーニング方法。 - Google Patents

関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウスおよびこのマウスを使用した関節リウマチの予防・治療薬のスクリーニング方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】 関節リウマチによる関節の強直・変形および機能障害の実験的研究素材として広く、かつ反復的に利用することができ、また、関節リウマチによる関節の強直・変形および機能障害の発症機構、予防、診断、治療などの究明に関する研究に利用される関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウスの提供。
【解決手段】 関節リウマチを自然発症するという形質を有し、かつその形質が親系BXSB雌マウスとNZB雄マウスのH−2ヘテロ接合体を持つ雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスに由来することを特徴とする、関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウスを作出する。
【選択図】 図15

Description

この発明は、ヒトに発症する関節リウマチに酷似した病態を自然発症するマウスに関するものであり、ヒト関節リウマチ疾患のモデル動物として、実験的研究素材として使用することができる。
自己免疫疾患のなかでも、関節リウマチは、最も頻度の高い疾患であり、罹患者は世界人口の約1%、わが国人口の0.6%(約70万人)にも達する。この疾患は関節滑膜における慢性的炎症の結果、関節の破壊が起こり、関節の強直、変形および機能障害になる。
しかし、その病因と発症機構は、現在のところまだ明らかにされていない。
多くの人が罹患している関節リウマチの病因および病態解析、あるいは治療薬剤開発のスクリーニングには、タイプが異なる複数のモデル動物を使い分けることが望まれている。特に、ヒトの関節リウマチ疾患と最も類似して自然発症する関節リウマチの免疫病理学的特徴を備えたモデル動物が必要とされている。関節リウマチと同様に全身性自己免疫性疾患である全身性エリテマトーデス(SLE)のモデルとして(NZB x NZW)F1マウスやBXSBマウスなどが広く用いられ(Andrews,B.S.らJ.Exp.Med.148:1198−1215,1978)、その疾患の原因、発症機構の解明におおいに寄与している。
関節リウマチに関しても、該疾患に類似した病態を示すモデル動物が既にいくつか知られている。例えば、自然発症関節リウマチモデル(Spontaneous RA models)マウスとして、MRL−lpr/lprマウスとSKGマウスが知られている。MRL−lpr/lprマウスは、主として足関節に関節炎が自然発症する(Hang,L.らJ.Exp.Med.155:1690−1701,1982)。さらに、SKGマウスは、自己免疫性関節炎を自然発症するという形質を有し、かつその形質がSKG系統に由来するモデルマウスも知られている(Sakaguchi,N.らNature 426:4454−4460,2003、国際公開WO9/15173号公報)。
しかしながら、MRL−lpr/lprマウスの関節炎は一般に軽度であり、しかも細胞のアポトーシス死を誘導するFas分子の遺伝子変異によるリンパ節の異常増殖性腫脹により、6ヶ月以上の生存が困難であるため、関節炎モデルとして広く用いられるには至っていない。また、SKGマウスは、BALB/cマウスから分離樹立されたマウス系で、常染色体劣性の単一遺伝子の突然変異により3ヶ月〜4ヶ月の若齢期から発症するが、多遺伝子疾患であるヒト関節リウマチモデルとして適切でない欠点を有する。
従来、関節リウマチ疾患モデルマウスとしては、人工誘導関節炎(コラーゲン関節炎、アジュバント関節炎)や遺伝子改変マウス(トランスジェニックマウス:K/BxN Tg、HTLV−1Tg、ヒトIL−1αTg、ヒトTNF−αTg、ノックアウトマウス:IL−1ra Ko)モデルなども提案されている。関節にII型コラーゲンを強力なアジュバントとともにマウスに免疫して発症させるコラーゲン関節炎(Stuart,J.M.らAnnual Rev.Immnuol.2:199−218,1984)、結核死菌をラットに免疫して誘導するアジュバント関節炎(Taurog,J.D.らCell Immunol.80:198−204,1983)などは関節リウマチと類似した病態を示すが、ヒトの関節リウマチでII型コラーゲンの異常、また結核菌の感染との関係は証明されていない。従って、ヒト関節リウマチの素因遺伝子解析のモデルと成り得るかが疑問視されている。
また、遺伝子改変マウスとしては、マウスの体細胞および生殖細胞に導入遺伝子として、機能的に再編成されたT細胞レセプターのαサブユニットおよびβサブユニットの発現を指向するトランスジェニックマウス(特表平10−504701号公報)、HTLV−1トランスジェニックマウス(Iwakura,Y,らScience 253:1026−1028,1991)、ヒトIL−1αトランスジェニックマウス(Niki,Y.らJ.Clin.Invest 107:1127−1135,2001)、IL−1raノックアウトマウス(Horai,R.らJ.Exp.Med.191:313−320,2000、特表2001−523467号公報)、外来MMP−19遺伝子又はその変異遺伝子を組み込んだDNAを有する関節疾患を発症している非ヒト動物(特開2002−360117号公報)等が知られている。
これら遺伝子改変マウスは、遺伝子の個体レベルでの解析を可能にし、ヒト疾患モデル動物として広く産業への応用を期待されているが、多遺伝子疾患のヒト関節リウマチ発症機構などを全面解析するには、まだ不十分というのが現状である。その他の関節リウマチモデルマウスとしては、自己免疫疾患患者由来の病原性Tリンパ球をTリンパ球活性化物質とともに培養し、活性化Tリンパ球を得、該リンパ球を免疫不全モデル動物に移入した慢性関節リウマチモデル動物(特開平8−289699号公報)や、慢性関節リウマチ患者の滑膜組織から滑膜浸潤細胞を回収し、その細胞浮遊液を免疫不全マウスであるSCIDbg.マウスの膝関節内に局所注射し、成育させてなる慢性関節リウマチ病態モデルマウス(特開平9−154435号公報)、特定の遺伝子が欠損した動物と該動物と同様の野生型コラーゲン関節炎発症性動物とを戻し交配することにより得られ、II型コラーゲンをマウスに免疫し、誘導して発症させるモデルマウス(特開2001−178308号公報)が知られている。
しかしながら、これらは、関節リウマチ患者および免疫不全マウスを必要とし、一定の病態を示す関節リウマチモデル動物を得るには困難である。即ち、ヒト関節リウマチは単一遺伝子ではなく、多遺伝子疾患、つまりいくつかな素因遺伝子の総合作用の上に発症する疾患であり、今までヒトと同様に多遺伝子の関与で関節リウマチを自然発症し、しかも一定の病態を示すモデル動物は知られていなかった。
国際公開WO9/15173号公報 特表平10−504701号公報 特開2002−360117号公報 特表2001−523467号公報 特開平8−289699号公報 特開平9−154435号公報 特開2001−178308号公報
Andrews,B.S.らJ.Exp.Med.148:1198−1215,1978 Hang,L.らJ.Exp.Med.155:1690−1701,1982 Sakaguchi,N.らNature 426:4454−4460,2003 Stuart,J.M.らAnnual Rev.Immunol.2:199−218,1984 Taurog,J.D.らCell Immunol.80:198−204,1983 Iwakura,Y,らScience 253:1026−1028,1991 Niki,Y.らJ.Clin.Invest 107:1127−1135,2001 Horai,R.らJ.Exp.Med.191:313−320,2000
ヒト関節リウマチ発症機構の解明や治療法の開発のためにはヒト関節リウマチに酷似した病態を同様に自然発症し、関節リウマチの免疫病理学的特徴を備えたモデル動物が必要とされる。
この発明の課題は、かかる要望に応えるものであり、その目的とするところは、ヒト関節リウマチ疾患と酷似した病態を自然発症する関節リウマチ疾患モデルマウスを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、自己免疫疾患素因を持つBXSB雌マウスとNZB雄マウスを交配した雑種一代(F1)の中に関節腫脹と強直、変形のみられるマウスを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係る関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウスにおいては、関節リウマチを自然発症するという形質を有し、かつその形質が親系BXSB雌マウスとNZB雄マウスのH−2ヘテロ接合体を持つ雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスに由来することを特徴とするものである。
なお、更に、前記雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスがヒトの関節リウマチと酷似した病態を自然発症することを特徴とするものである。
なお、更に、関節リウマチは血中リウマトイド因子など自己抗体の産生を伴う多発性・末梢性・対称性・慢性関節炎を自然発症し、滑膜増殖、炎症性細胞の浸潤、パンヌスの形成、軟骨・骨組織の融合と破壊、関節の変形や強直などからなる症状のうちの1つ以上を呈することを特徴とするものである。
なお、更に、BXSB雌マウスとNZB雄マウス由来のH−2ヘテロ接合体であることを特徴とするものである。
また、この発明に係る関節リウマチの予防・治療薬のスクリーニング方法においては、関節リウマチを自然発症するに関して親系BXSB雌マウスとNZB雄マウス由来のH−2ヘテロ接合体を持つ、雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスであることを特徴とする関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウスに、関節リウマチが自然発症前あるいは発症後、被検物質を投与し、関節リウマチの程度を評価するものである。
なお、この関節リウマチの予防・治療薬のスクリーニング方法において使用される前記雑種一代(F1)のBXB−khsがヒトの関節リウマチと酷似した病態を自然発症することを特徴とすることもできる。
本発明に係る関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウスは上記のように構成されているため、関節リウマチによる関節の破壊に基づく、関節の強直・変形および機能障害の発症機構、予防、診断、治療などを究明するためのヒト疾患モデルとしてマウスを円滑に供給することができるものである。
よって、この発明に係る関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウスを使用すれば、当該マウスを関節リウマチによる関節の強直・変形および機能障害の実験的研究素材として広く、かつ反復的に利用することができるとともに、また、そのために当該マウスを円滑供給することができる結果、関節リウマチによる関節の強直・変形および機能障害の発症機構、予防、診断、治療などの究明に関する研究が促進されるものである。
また、この発明に係る関節リウマチの予防・治療薬のスクリーニング方法は上記のように構成されているため、関節リウマチの予防・治療薬のスクリーニングが従来よりもヒトに発症する関節リウマチと酷似した病態で評価できる結果、関節リウマチによる関節の強直・変形および機能障害の発症機構、予防、診断、治療などの究明に関する研究が促進されるものである。
発明者は、BXSB雌マウスとNZB雄マウス由来のH−2ヘテロ接合体である、雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスを作成することによって、このマウスが関節リウマチを自然発症することを明らかにした。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のマウスは関節リウマチを自然発症する、BXSB雌マウスとNZB雄マウス由来のH−2ヘテロ接合体である、かつ:その発症は雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスのみ見られることを特徴とする。
関節リウマチの発症時期は、個体間で差異があるが、通常生後5ヶ月〜7ヶ月程度で発症し、7ヶ月〜9ヶ月頃関節の変形や強直に至る。
従来技術の欄で述べたように、関節リウマチを自然発症するマウスとしては、MRL−lpr/lprマウスとSKGマウスが知られている。しかし本発明のマウスとこれらのマウスはその病態において相違する。例えばMRL−lpr/lprマウスは、一般に関節炎が軽度であり、慢性に進行しても関節強直に至ることはない。
また、SKGマウスは、慢性に進行して関節強直に至るが、程度が比較的に軽度である。本発明のマウスは多発性・末梢性・対称性関節炎を自然発症し、慢性に経過し、寛解(remission)と悪化(exacerbation)を繰り返し、関節変形や強直が進行し、重篤な関節破壊に至る。また、本発明のマウスでは、雄のみ発症する、SLE様病態は見られない。(一方、雌マウスは関節リウマチを発症しないが、軽いSLE様病態が見られた。)
本発明のマウスにみられる関節炎は、ヒトに発症する関節リウマチと酷似した病態を示す。具体的には、以下のような類似点がある。
1) 臨床的に、前後肢関節が多発性・対称性関節炎を起こす点、病態が慢性的に経過し、寛解(remission)と悪化(exacerbation)を繰り返す点、関節変形や強直が進行し重篤な関節破壊に至る点、リンパ節腫脹、皮膚炎など関節外の病態がみられ、SLE様病態は見られない点で、ヒトの関節リウマチと似ている(図1、図3、図5、図7および図9を参照のこと)。
2) 血中におけるリウマトイド因子の力価が高い点、またSLE固有自己抗体IgGクラス抗dsDNA抗体の力価が高くない点で、ヒトの関節リウマチど似ている(図17および図18を参照のこと)。
3) 炎症性細胞の浸潤、滑膜増殖する点、パンヌスの形成と関節腔への侵入する点、軟骨・骨組織の融合と破壊が慢性進行する点で、病理組織学的にヒトの関節リウマチと酷似している(図11および図13を参照のこと)。
4) レントゲン写真撮影所見には、前後肢関節の変化が多発性、対称性にある点、関節軟骨の消失による関節裂隙の狹小化・癒合、骨性強直が見られる点、骨粗鬆化、脱臼、骨折が見られる点で、ヒトの関節リウマチと酷似している(図7および図9を参照のこと)。
以上の類似点から、本発明のマウスは、ヒト関節リウマチの疾患モデルマウスとして使用できる。
本発明のマウスは、BXSB雌マウスとNZB雄マウス交配により、雑種一代(F1)で作出することできる。
なお、本出願人は雄BXB−khsマウスを特許法施行規則第27条の3第1項の規定に準じて分譲する用意がある。
2003年、順天堂大学医学部疾患モデルクリーン施設において、BXSB雌マウスとNZB.H−2コンジェニク雄マウス(BXSBとNZBマウスはもともと日本エスエルシー株式会社・静岡県浜松市湖東町3371番地の8より購入)を交配した雑種一代(BXSB x NZB)F1雄マウスの内、H−2b/d型は5ヶ月〜7ヶ月程度で関節リウマチを自然発症し、8ヶ月頃91%を発症したことを見出した。一方、H−2の違うH−2b/g2型は殆ど発症しなかった(図15を参照のこと)。従って、この雑種一代(F1)マウスが関節リウマチを自然発症する原因は親系BXSB雌マウスとNZB雄マウス由来のH−2ヘテロ接合体b/dであるという遺伝的素因にあると考えられた。この雑種一代(F1)マウスをBXB−khsと命名し、その遺伝的素因を調べるため、以下の実験を行った。
(注:BXBはマウスの系統を示す、BXSBとNZBを交配(X)によって得られたマウスの意味。その右についたkhsは発明者の名前kohashiを示す。)
市販のBXSB雌マウスとNZB雄マウス(前記日本エスエルシー株式会社より購入)を交配した。その結果、前回と同じ様にF1の雄マウスが5ヶ月〜7ヶ月程度で関節リウマチを自然発症し、8ヶ月頃ほぼ100%発症した。一方、F1の雌マウスは関節リウマチを発症しなかった。本発明の自然発症する関節リウマチ疾患モデルマウスの原因遺伝子解明のため、BXB−khsマウスの雌雄を交配し、F2マウスを作製して、遺伝子解析する予定である。
関節炎を発症したマウス(8ヶ月齢)の前肢および後肢を肉眼で観察した。前肢の写真を図3に、後肢の写真を図5にそれぞれ示す。また、対照として正常マウスの前肢および後肢の写真を図4および図6に示す。
図3および図5が示すように、関節炎を発症したマウスの関節には腫脹や発赤および変形などが見られる。
関節炎を発症したマウス(10ヶ月齢)の前肢および後肢のレントゲン写真を撮影した。前肢の写真を図7に、後肢の写真を図9にそれぞれ示す。また、対照として正常マウスの前肢および後肢の写真を図8および図10に示す。図7および図9が示すように、関節軟骨の消失による関節裂隙の狹小化・癒合、骨性強直、さらに、骨粗鬆化、脱臼、骨折が生じている。
関節炎を発症したマウス(8ヶ月齢)の後肢部分の足関節を10%ホルマリンで3日間固定後、パラフィンで包埋し、これより作製した薄切切片をヘマトキシリンエオジンで染色した。また、正常マウスからも同様の切片を作製し、染色した。 関節炎を発症したマウスの関節組織切片の顕微鏡写真を図11(倍率x100)、および図13(倍率x400)に、正常マウスの同切片の顕微鏡写真を図12(倍率x100)、および図14(倍率x400)に示す。
図11には、関節腔の消失、炎症性細胞の浸潤、滑膜増殖および軟骨・骨組織の融合、破壊が見られる。また、更に倍率を上げた図13では、パンヌスの形成と関節腔への侵入、軟骨・骨組織の融合、破壊が見られる。
関節炎を発症したマウスおよび発症しないマウス(7ヶ月齢)の足関節の厚さを測定した。関節炎を発症したマウス14個体,発症しないマウス15個体それぞれについて測定に供した。この結果を図16に示す。
図16に示すように、関節炎を発症したマウスは、発症しないマウスに比べ、足の厚さが厚くなり、関節炎による組織腫脹が生じていることがわかる。
関節炎を発症したマウスおよび発症しないマウスの血中免疫グルブリンG(IgG)のFc段に対するIgGクラス抗体(IgGリウマトイド因子)の力価を5ヶ月齢にELISA法で測定した。関節炎を発症したマウス11個体、発症しない雉マウス9個体および雌マウス36個体を測定に供した。この結果を図17に示す。
図17に示すように、関節炎を発症したマウスは、発症しないマウスに比べ、有意にリウマトイド因子の力価が上昇している。
関節炎を発症したマウスおよび発症しないマウスの血中IgGクラス抗dsDNA抗体の力価を5ヶ月齢にELISA法で測定した。関節炎を発症したマウス11個体、発症しない雄マウス9個体および雌マウス36個体を測定に供した。この結果を図18に示す。
図18に示すように、関節炎を発症したマウスは、発症しないマウス(この2種類マウスはSLEを発症する)に比べ、SLE固有自己抗体、IgGクラス抗dsDNA抗体が有意に力価が低かった。
関節リウマチによる関節の強直・変形および機能障害の実験的研究素材として広く、かつ反復的に利用することができる。また、そのために、当該マウスを円滑供給することができる結果、関節リウマチによる関節の強直・変形および機能障害の発症機構、予防、診断、治療などの究明に関する研究が促進される。
図1は、左足趾の関節炎を発症したマウスの写真である。 図2は同系統の正常マウスの写真である。 図3は関節炎を発症したマウスの前肢の写真である。 図4は正常マウスの前肢の写真である。 図5は関節炎を発症したマウスの後肢の写真である。 図6は正常マウスの後肢の写真である。 図7は関節炎を発症したマウスの前肢のレントゲン写真である。 図8は正常マウスの前肢のレントゲン写真である。 図9は関節炎を発症したマウスの後肢のレントゲン写真である。 図10は正常マウスの後肢のレントゲン写真である。 図11は関節炎を発症したマウスの後肢から作製した関節組織切片の顕微鏡写真(倍率x100)である。 図12は正常マウスの後肢から作製した関節組織切片の顕微鏡写真(倍率x100)である。 図11は関節炎を発症したマウスの後肢から作製した関節組織切片の顕微鏡写真(倍率x400)である。 図14は正常マウスの後肢から作製した関節組織切片の顕微鏡写真(倍率x400)である。 図15は関節炎の自然発症率を示すグラフである。 図16は関節炎を発症したマウスの足の厚さを示すグラフである。 図17は関節炎を発症したマウスの血中IgGクラスリウマトイド因子の力価を示すグラフである。 図18は関節炎を発症したマウスの血中IgGクラス抗DNA抗体の力価を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 関節リウマチを自然発症するという形質を有し、かつその形質が親系BXSB雌マウスとNZB雄マウスのH−2ヘテロ接合体を持つ雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスに由来することを特徴とする、関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウス。
  2. 前記雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスが、ヒトの関節リウマチと酷似した病態を自然発症することを特徴とする、請求項1記載の関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウス。
  3. 関節リウマチは血中リウマトイド因子など自己抗体の産生を伴う多発性・末梢性・対称性・慢性関節炎を自然発症し、滑膜増殖、炎症性細胞の浸潤、パンヌスの形成、軟骨・骨組織の融合と破壊、関節の変形や強直などからなる症状のうちの1つ以上を呈する、請求項1又は請求項2記載の関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウス。
  4. BXSB雌マウスとNZB雄マウス由来のH−2ヘテロ接合体であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウス。
  5. 関節リウマチを自然発症するに関してBXSB雌マウスとNZB雄マウス由来のH−2ヘテロ接合体を持つ、雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスであることを特徴とする関節リウマチを自然発症する疾患モデルマウスに、関節リウマチが自然発症前あるいは発症後、被検物質を投与し、関節リウマチの程度を評価することを特徴とする関節リウマチの予防・治療薬のスクリーニング方法。
  6. 前記雑種一代(F1)のBXB−khs雄マウスがヒトの関節リウマチと酷似した病態を自然発症することを特徴とする請求項5記載の関節リウマチの予防・治療薬のスクリーニング方法。
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