JP2005301618A - 寄生容量抽出方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 寄生容量抽出のためのデータベースのデータ量を減少させ、複雑な形状の導体断面構造に対応し、ばらつき範囲を含む寄生容量を高精度で算出し、他の設計ツールの抽出結果に対する抽出精度向上のための補正ができる寄生容量抽出方法を提供する。
【解決手段】 積層構造を有する電子回路をサンプリングし、サンプリングされた電子回路の配線導体を観測し、観測に基づく寄生容量のシミュレーションを行い、寄生容量の近似式を導出し、さらに寄生容量の補正式を導出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、集積回路(Integrated Circuit:略称:IC)および超集積回路(Large
Scale Integrated circuit;略称:LSI)などの半導体集積回路、ガラス基板およびプラスティック基板に形成される半導体回路の配線、半導体パッケージ内の接続配線ならびに多層プリント基板の配線などのように、回路素子間を結線する導体に発生する寄生容量素子の容量を抽出する方法に関する。
典型的な従来技術が特許文献1に記載されている。特許文献1の配線寄生負荷算出方法では、基準配線の周囲に、3次元領域を決定し、3次元領域内における各配線の存在する位置において、マッチングに必要なデータを抽出すると共に、当該データに応じた寄生負荷の値をリファレンスパターンデータとしてデータベース化しておく。このリファレンスパターンデータと対象パターンとの間のパターンマッチングを行うことにより、一致したリファレンスパターンデータを得る。このリファレンスパターンデータの寄生負荷の値から、対象パターンにおける配線負荷を検出する。
特許第2800881号公報
パターンの微細化が進む昨今の電子回路においては、微細化のために製造プロセスが複雑化し、その結果として配線導体の断面形状が複雑となっている。前述のような従来の配線の寄生容量素子抽出方法では、パターンマッチングによって寄生素子等価回路をデータベースから検索する手法をとっている。この方法では、断面形状の複雑化した種々の配線パターンに対応するためには、非常に多くの断面形状を有する配線パターンとその等価回路を準備する必要があり、実用的パターンへの対応にはデータ量が膨大となる。
そのため従来の配線の寄生容量素子抽出方法では、配線断面構造を比較的単純な形状に制限することによって、データ量をおさえていると考えられる。その結果、従来の配線の寄生容量素子抽出方法を用いると、配線断面構造設定の自由度が低く、抽出精度を向上することが困難である。また、製造プロセスでの条件の揺らぎによってパターンにばらつきが生じ、結果として、寄生容量値にもばらつきを生じ、注目配線を含む電子回路の動作特性にも影響を及ぼすこととなり、回路設計時に寄生容量のばらつきを考慮することが重要である。
本発明の目的は、寄生容量抽出のためのデータベースのデータ量を減少させ、複雑な形状の導体断面構造に対応し、ばらつき範囲を含む寄生容量を高精度で算出し、他の設計ツールの抽出結果に対する抽出精度向上のための補正ができる寄生容量抽出方法およびプログラムを提供することである。
本発明は、積層構造を有する電子回路の配線導体における寄生容量を抽出する方法であって、
電子回路内の配線導体の断面構造を観測する観測ステップと、
観測ステップ以前に想定していた配線導体の断面構造である想定断面構造の予め定める参照部分と、観測ステップで観測された断面構造である観測断面構造の前記参照部分に対応する部分である注目部分とを比較して、観測断面構造の注目部分の形状と想定断面構造の参照部分の形状とが異なる場合には、注目部分の参照部分に対する変位量を求め、観測断面構造の注目部分の形状と想定断面構造の参照部分の形状とが同じ場合には、注目部分の寸法を求める比較ステップと、
想定断面構造における参照部分の寸法を可変として、想定断面構造における配線導体間容量を算出する第1容量算出ステップと、
観測断面構造の注目部分の寸法および変位量を可変として、観測断面構造における配線導体間容量を算出する第2容量算出ステップと、
第2容量算出ステップで可変とした寸法および変位量をパラメータとする観測断面構造における配線導体間容量の近似式を導出する近似式導出ステップと、
観測断面構造における配線導体間容量と、想定断面構造における配線導体間容量との差を表す数式であって、前記第2容量算出ステップで可変とした寸法および変位量をパラメータとする配線導体間容量の補正式を導出する補正式導出ステップとを含むことを特徴とする寄生容量抽出方法である。
また本発明は、配線導体間容量の近似式は、観測断面構造の配線導体間容量ならびに第2容量算出ステップで可変とした寸法および変位量を変数とする数式で表わされ、
配線導体間容量の補正式におけるパラメータは、観測断面構造および想定断面構造の配線導体間容量を決定する寸法および変位量を含み、配線導体間容量の補正式は、観測断面構造の配線導体間容量から想定断面構造の配線導体間容量を減算したものであって、前記パラメータを変数とする数式で表されることを特徴とする。
また本発明は、観測ステップでは、前記注目部分の寸法および変位量のばらつき範囲を求め、
配線導体間容量の近似式が、前記ばらつき範囲を求めた寸法および変位量をパラメータとして含む場合、前記ばらつき範囲を代入することによって、近似式から配線導体容量のばらつき範囲を算出するばらつき容量導出ステップをさらに含むことを特徴とする。
また本発明は、前述の寄生容量抽出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、観測ステップでは、電子回路内の配線導体の断面構造を観測する。比較ステップでは、観測ステップ以前に想定していた配線導体の断面構造である想定断面構造の予め定める参照部分と、観測ステップで観測された断面構造である観測断面構造の前記参照部分に対応する部分である注目部分とを比較して、観測断面構造の注目部分の形状と想定断面構造の参照部分の形状とが異なる場合には、注目部分の参照部分に対する変位量を求め、観測断面構造の注目部分の形状と想定断面構造の参照部分の形状とが同じ場合には、注目部分の寸法を求める。第1容量算出ステップでは、想定断面構造における参照部分の寸法を可変として、想定断面構造における配線導体間容量を算出する。第2容量算出ステップでは、観測断面構造の注目部分の寸法および変位量を可変として、観測断面構造における配線導体間容量を算出する。近似式導出ステップでは、第2容量算出ステップで可変とした寸法および変位量をパラメータとする観測断面構造における配線導体間容量の近似式を導出する。補正式導出ステップでは、観測断面構造における配線導体間容量と、想定断面構造における配線導体間容量との差を表す数式であって、前記第2容量算出ステップで可変とした寸法および変位量をパラメータとする配線導体間容量の補正式を導出する。これによって観測断面構造が複雑であっても、配線導体間容量の近似式によって、寄生容量を高精度に求めることができる。また観測断面構造の注目部分の寸法および変位量を可変として、これらをパラメータとして配線導体間容量の近似式を導出することによって、前記注目部分の形状が変化するような観測断面構造に対しても、寄生容量を抽出することができる。この結果、多数の配線導体のパターンから寄生容量を抽出するために予め用意しておくデータベースのデータ量を大幅に減少させるとともに、短期間でデータベースを構築することができる。また導出した補正式を用いて、他の設計ツールによる寄生容量の値を高精度に補正することができる。
また本発明によれば、配線導体間容量の近似式は、観測断面構造の配線導体間容量ならびに第2容量算出ステップで可変とした寸法および変位量を変数とする数式で表わされる。これによって観測断面構造の注目部分の形状が変化するような観測断面構造に対しても、寄生容量を抽出することができる。配線導体間容量の補正式におけるパラメータは、観測断面構造および想定断面構造の配線導体間容量を決定する寸法および変位量を含み、配線導体間容量の補正式は、観測断面構造の配線導体間容量から想定断面構造の配線導体間容量を減算したものであって、前記パラメータを変数とする数式で表される。このように導出した補正式を用いて、他の設計ツールによる寄生容量の値を高精度に補正することができる。
また本発明によれば、観測ステップでは、前記注目部分の寸法および変位量のばらつき範囲を求める。配線導体間容量の近似式が、前記ばらつき範囲を求めた寸法および変位量をパラメータとして含む場合、前記ばらつき範囲を代入することによって、近似式から配線導体容量のばらつき範囲を算出するばらつき容量導出ステップをさらに含むことを特徴とする。これによって前記ばらつき範囲を含む配線導体間容量を高精度に求めて、寄生容量を高精度に抽出することができる。
また本発明によれば、プログラムをコンピュータに実行させることによって、前述の寄生容量抽出方法の効果を達成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態の寄生容量抽出方法の手順を示すフローチャートである。本実施の形態では、行われる製造工程によって作製された積層構造を有する電子回路をサンプリングし、サンプリングされた電子回路の配線導体を観測し、観測に基づく寄生容量のシミュレーションを行い、寄生容量の近似式を導出し、さらに寄生容量の補正式を導出して、成果物である近似式および補正式を以後の設計に適用する。また本実施の形態では、配線導体の断面を観測することによって、高精度な寄生容量抽出を行い、他のツールで抽出した寄生容量の値の補正も行う。
以後、観測のためにサンプリングする電子回路を単に「サンプル」と表記することがある。また他のツールが想定しているサンプルにおける配線導体の断面構造を、「想定断面構造Sp」と表記し、サンプルを観測することで判明した配線導体の断面構造を、「観測断面構造Sm」と表記することがある。また配線導体の断面形状が台形となる場合、台形の互いに平行となる2つ底辺以外の2辺を、「台形斜辺」と表記することがある。また配線導体のパターンの寸法において、配線幅および配線間隔に関して、設計寸法と仕上がり寸法との差をシフト量と呼び、シフト量が負の値となる場合は、設計寸法に対して仕上がり寸法が小さくなるとともに、配線幅に対しては幅が狭くなり、さらに配線間隔に対しては配線間隔が狭くなることを意味する。通常、マスク、露光装置およびエッチングなどによって回路のパターンを生成する場合、同一配線幅のシフト量と配線間隔のシフト量とは相反関係にある。換言すれば、仕上がり寸法で配線幅が狭くなるとき、配線間隔は同一寸法で広くなる。
図2は、配線導体1A,1Bの想定断面構造Spを示す断面図である。図2では、誘電体2内に配置され、同一幅に形成され、互いに平行に延びる2つの配線導体1A,1Bをサンプルとしている。想定断面構造Spの参照部分となる部分の形状は、長方形状であるとし、導体配線1A,1Bの幅を配線幅Wとし、導体配線1A,1Bの厚みを配線導体厚Tとし、一方の導体配線1Aと他方の導体配線1Bとの間隔を配線間隔Wとし、誘電体2の厚み方向一方側の表面部に設けられるグランド3と導体配線1A,1Bとの間隔をグランド距離dとする。本実施の形態では、配線導体厚Tは0.5マイクロメートル、グランド距離dは0.7ミリメートル、誘電体2の比誘電率εは4.9である。
再び図1を参照して、ステップs0で寄生容量抽出方法の手順が開始されて、ステップs1に進む。
図3は、配線導体1A,1Bの観測断面構造Smを示す断面図である。観測ステップであるステップs1では、サンプルの配線導体1A,1Bの断面を実際に観測して、配線導体1A,1Bの各寸法を測定して、ステップs2に進む。
比較ステップであるステップs2では、図2に示す想定断面構造Spと観測断面構造Smとの比較を行い、想定断面構造Spに対する観測断面構造Smの変形部分およびその変位量を算出して、ステップs3に進む。本実施の形態では、図2に示す長方形状の想定断面構造Spに対して、観測断面構造Smの注目部分である部分は、上底が下底よりも短い台形状である。
詳細に述べると、ステップs2では、導体配線1A,1Bの想定断面構造Spと観測断面構造Smとの形状の対応関係を調べ、想定断面構造Spに対する観測断面構造Spの変位部分および変位量を調べる。本実施の形態では、観測断面構造Smにおける台形状の下底辺および上底辺が、想定断面構造Spにおける長方形の厚み方向一方側の辺および厚み方向他方側の辺に対応し、観測断面構造Smの台形状の台形斜辺が、想定断面構造Spの長方形状の幅方向一方側の辺および幅方向他方の辺に対応する。ここでは想定断面構造Spにおける長方形の幅方向の2辺は、その中点C1,C2,C3,C4を中心に角変位して台形状になっているものとみなすことができる。観測断面構造Smにおいて、図3に示すように、配線幅Wは、各導体配線1A,1Bの各台形斜辺の中点間の距離、すなわち中点C1〜C2の距離および中点C3〜C4の距離とする。また配線間隔Wは、2つの導体配線1A,1Bの隣接する台形斜辺の中点間の距離、すなわちC2〜C3の距離とする。したがって想定断面構造Spに対する観測断面構造Smの変形部分は、断面形状の幅方向一方側の辺および幅方向他方側の辺となり、その変位量は観測断面構造Smにおける台形斜辺幅(以後「斜辺幅」と略することがある)D,D,D,Dとなり、これらを測定する。また、その他の部分の寸法として、観測断面構造Smにおける配線幅Wおよび配線間隔Wを測定する。
図4は、複数のサンプルを観測したときの観測断面構造Smにおける台形斜辺幅Dの分布を示すグラフである。図4では、斜辺幅D,D,D,Dはそれぞれ等しくなるとして、その台形斜辺幅をDとしている。このとき台形斜辺幅Dの平均値は0.80マイクロメートルであり、台形斜辺幅Dの標準偏差σは0.12マイクロメートルである。
図5は、複数のサンプルを観測したときの観測断面構造Smにおける配線幅Wのシフト量ΔWの分布を示すグラフである。配線幅Wのシフト量ΔWの平均値は0.60マイクロメートル、配線幅Wのシフト量ΔWの標準偏差σは0.11マイクロメートルである。
再び図1を参照して、ステップs3では、観測断面構造Smにおいて、その値の増減が配線導体間容量に影響すると考えられる注目変位量および注目寸法を選択して、ステップs4に進む。図3に示すように、配線導体厚Tおよびグランド距離dは、電子回路のパターン設計時には固定となるため、製造プロセスが安定している状態では一定値と考えられるので、配線導体間容量の増減には関係せず、注目寸法から除外してもよい。したがって本実施の形態では、注目変位量として観測断面構造Smの台形状の斜辺幅Dを選択し、注目寸法として配線幅Wおよび配線間隔Wを選択する。
図6は、想定断面構造Spにおいて配線幅Wおよび配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cpを示すグラフである。第1容量算出ステップであるステップs4では、後述する導体間配線容量の補正式を導出するために、想定断面構造Spにおいて、前述のステップs3で選択した注目寸法である配線幅Wおよび配線間隔Wを変化させるシミュレーションを行って、配線導体間容量Cpを算出して、ステップs5に進む。
図6において曲線L61は、配線幅Wを5マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cpである。また曲線L62は、配線幅Wを10マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cpである。また曲線L63は、配線幅Wを20マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cpである。
図7は、観測断面構造Smにおいて配線幅Wおよび配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmを示すグラフである。第2容量算出ステップであるステップs5では、後述する観測断面構造Smにおける配線導体間容量の近似式および補正式を導出するために、観測断面構造Smにおいて、前述のステップs3で選択した注目変位量である斜辺幅Dならびに注目寸法である配線幅Wおよび配線間隔Wを変化させるシミュレーションを行って、配線導体間容量Cmを算出してステップs6に進む。
図6において、曲線L71は、配線幅Wを5マイクロメートル、斜辺幅Dを0.4マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmである。また曲線L72は、配線幅Wを5マイクロメートル、斜辺幅Dを0.8マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmである。また曲線L73は、配線幅Wを5マイクロメートル、斜辺幅Dを1.2マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmである。また曲線L74は、配線幅Wを10マイクロメートル、斜辺幅Dを0.4マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmである。また曲線L75は、配線幅Wを10マイクロメートル、斜辺幅Dを0.8マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmである。また曲線L76は、配線幅Wを10マイクロメートル、斜辺幅Dを1.2マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmである。また曲線L77は、配線幅Wを20マイクロメートル、斜辺幅Dを0.4マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmである。また曲線L78は、配線幅Wを20マイクロメートル、斜辺幅Dを0.8マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmである。また曲線L79は、配線幅Wを20マイクロメートル、斜辺幅Dを1.2マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmである。
再び図1を参照して、近似式導出ステップでは、ステップs6では、前述のステップs5で算出した観測断面構造Smにおける配線導体間容量Cmを近似する近似式を、最小二乗法を用いて導出して、ステップs7に進む。このようにして導出された配線導体間容量Cmの近似式は、次式(1)で表される。
Figure 2005301618
最小二乗法での離散点に対する前式(1)の近似誤差は5.0パーセントである。
図8は、配線幅Wを5マイクロメートル、斜辺幅Dを0.8マイクロメートルとして配線間隔Wを変化させたときの、想定断面構造Spにおける配線導体間容量Cpと、観測断面構造Smにおける配線導体間容量Cmと、式(1)による観測断面構造Smにおける配線導体間容量の近似値Cm(W,W,D)とを示すグラフである。図8において、曲線L81は、配線間隔Wを変化させたときの想定断面構造Spにおける配線導体間容量Cpであり、曲線L82は、配線間隔Wを変化させたときの観測断面構造Smにおける配線導体間容量Cmであり、曲線L83は、配線間隔Wを変化させたときの観測断面構造Smにおける配線導体間容量の近似値Cm(W,W,D)である。
図9は、配線幅Wを10マイクロメートル、斜辺幅Dを0.8マイクロメートルとして配線間隔Wを変化させたときの、想定断面構造Spにおける配線導体間容量Cpと、観測断面構造Smにおける配線導体間容量Cmと、式(1)による観測断面構造Smにおける配線導体間容量の近似値Cm(W,W,D)とを示すグラフである。図9において、曲線L91は、配線間隔Wを変化させたときの想定断面構造Spにおける配線導体間容量Cpであり、曲線L92は、配線間隔Wを変化させたときの観測断面構造Smにおける配線導体間容量Cmであり、曲線L93は、配線間隔Wを変化させたときの観測断面構造Smにおける配線導体間容量の近似値Cm(W,W,D)である。
図8および図9に示すように、前記近似式(1)は、配線導体1A,1Bの断面形状が台形状であることを考慮しているので、測定結果に近い値を算出でき、高精度であることが分かる。一方、配線導体1A,1Bの断面形状を長方形状とした場合、すなわち想定断面構造Spでの配線導体容量Cpは、観測断面構造Smの配線導体容量Cmとの誤差が大きく、前記近似式(1)の有効性を確認できる。
再び図1を参照して、補正式導出ステップであるステップs7では、ステップs5で算出した観測断面構造Smにおける配線導体間容量値Cmからステップs4で算出した想定断面構造Spにおける配線導体間容量Cpを減算して、容量値差Cm−Cpを求め、容量値差Cm−Cpを近似する近似式Caを、最小二乗法を用いて導出してステップs8に進み、全ての手順を終了する。このようにして導出された容量値差Cm−Cpを近似する近似式は、次式(2)で表される。
Figure 2005301618
最小二乗法での離散点に対する前式(2)の近似誤差は3.2パーセントである。
図10は、配線幅Wを5マイクロメートルとして配線間隔Wおよび斜辺幅Dを変化させたときの、式(2)による容量差Cm−Cpの近似値Ca(W,W,D)を示すグラフである。図10において、曲線L101は、斜辺幅Dを0.4マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの容量値差Cm−Cpの近似値であり、曲線L102は、斜辺幅Dを0.8マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの容量値差Cm−Cpの近似値であり、曲線L103は、斜辺幅Dを1.2マイクロメートルとして、配線間隔Wを変化させたときの容量値差Cm−Cpの近似値である。
式(2)は、前述の配線導体容量抽出方法以外の結果を適用することを目的としており、他の方法が算出した配線導体容量に式(2)の値を加算する、すなわち式(2)を補正式として用いることによって、配線導体1A,1Bの断面形状を考慮した配線導体容量を得ることができる。すなわち式(2)は、容量値差Cm−Cpの近似曲線となっており、観測断面構造Smにおける配線導体容量Smから想定断面構造Spにおける配線導体間容量Cpを減算していることから、式(2)にCpを加算すれば、式(1)の値に近くなることは明らかであり、図8および図9に示す結果と同様の精度となると考えられる。
以上のように求めた近似式(1)および補正式(2)を用いて、電子回路の寄生容量を抽出することができる。
図11は、配線導体間容量Cmの近似式(1)に、図1のステップs2で求めた変位量および寸法のばらつき範囲を代入したときの値を示すグラフである。ばらつき容量導出ステップに関する説明をする。図1のステップs2で求めた変位量および寸法のばらつき範囲として、台形斜辺幅Dの平均値0.80マイクロメートル、台形斜辺幅Dの標準偏差σ=0.12マイクロメートル、配線幅Wのシフト量ΔWの平均値0.60マイクロメートル、配線幅Wのシフト量ΔWの標準偏差σ=0.11マイクロメートルを得た。変位量および寸法のばらつき範囲として、平均値±3σ(σは標準偏差)とする。斜辺幅Dの平均値0.80マイクロメートルにばらつき範囲を加算すると、斜辺幅Dのばらつき範囲は、0.45マイクロメートル以上、1.15マイクロメートル以下となる。設計値である配線幅W=5マイクロメートルにシフト量ΔWおよびそのばらつきを加算すると、配線幅Wのばらつき範囲は、4.08マイクロメートル以上、4.71マイクロメートル以下となる。
図11において、曲線L111は、観測断面構造Smにおける配線導体容量Cmである。曲線L112は、配線幅Wおよび斜辺幅Dのばらつき範囲で最小となる場合の配線幅Wおよび斜辺幅Dを近似式(1)に代入して、配線間隔Wを変化させたときの配線導体容量Cmである。曲線L113は、配線幅Wおよび斜辺幅Dのばらつき範囲で最大となる場合の配線幅Wおよび斜辺幅Dを近似式(1)に代入して、配線間隔Wを変化させたときの配線導体容量Cmである。曲線L113は、配線幅Wおよび斜辺幅Dのばらつき範囲で中間値となる場合の配線幅Wおよび斜辺幅Dを近似式(1)に代入して、配線間隔Wを変化させたときの配線導体容量Cmである。図11に示すように、ばらつき範囲に観測された観測断面構造Smの配線導体容量Cmが入っており、本発明の予測機能の有効性が確認できる。
図12は、寄生容量抽出方法を実行するためのコンピュータシステム10を示す斜視図である。コンピュータシステム10は、コンピュータ本体11、キーボード12、マウス13およびディスプレイ14を含んで構成される。コンピュータ本体11は、中央演算処理装置(Central Processing Unit;略称:CPU)、主記憶部、固定ディスクドライブ、フレキシブルディスク(Flexible Disk;略称:FD)駆動装置15、CD−ROM(
Compact Disc-Read Only Memory)駆動装置16、および通信インターフェイスを備える。
CPU(図示せず)は、コンピュータシステム10を統括的に制御する。主記憶部(図示せず)は、リードオンリーメモリ(Random Access Memory;略称:RAM)で実現され、コンピュータ本体11における演算処理で用いるプログラムおよびデータを一時的に記憶する。固定ディスクドライブ(図示せず)は、ハードディスクドライブで実現され、オペレーティングシステム(Operating System;略称:OS)および演算処理で用いるプログラムを記憶する。FD駆動装置16は、着脱可能に装着されるFD17にデータを記録したり、FDに記録されている情報を読み出したりする。CD−ROM駆動装置16は、着脱可能に装着されるCD−ROM18に記録されている情報を読出す。FD17およびCD−ROM18には、前述の寄生容量抽出方法を実行するためのソフトウェアのプログラムおよび前記寄生容量抽出方法に必要なデータベースが記録されている。通信インターフェイス(図示せず)は、コンピュータシステム10に接続される他のコンピュータシステムとの通信制御を行う。
キーボード12およびマウス13は、コンピュータ本体11に電気的に接続され、コンピュータシステム10の操作者による入力操作によって、各種情報が入力される。ディスプレイ14は、たとえば陰極線管(Cathode Ray Tube;略称:CRT)を有する表示装置および液晶表示装置(Liquid Crystal Display;略称:LCD)などの表示装置で実現され、演算処理の結果を表示する。
寄生容量抽出方法は、コンピュータシステム10がソフトウェアのプログラムを実行することによって実現される。このようなソフトウェアのプログラムは、FD17およびCD−ROM18などの記録媒体に記録されて配布され、FD駆動装置15またはCD−ROM駆動装置16によってFD17およびCD−ROM18から読出されて、固定ディスクドライブに一旦記録される。さらに前記ソフトウェアのプログラムは、前記固定ディスクドライブから主記憶部に読出されて、CPUによって実行される。またこのようなソフトウェアのプログラムは、インターネットなどの通信回線を介してコンピュータシステム10配布され、コンピュータシステム10の固定ディスクドライブに記録されるようにしてもよい。
本発明の実施の一形態の寄生容量抽出方法の手順を示すフローチャートである。 配線導体1A,1Bの想定断面構造Spを示す断面図である。 配線導体1A,1Bの観測断面構造Smを示す断面図である。 複数のサンプルを観測したときの観測断面構造Smにおける台形斜辺幅Dの分布を示すグラフである。 複数のサンプルを観測したときの観測断面構造Smにおける配線幅Wのシフト量ΔWの分布を示すグラフである。 想定断面構造Spにおいて配線幅Wおよび配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cpを示すグラフである。 観測断面構造Smにおいて配線幅Wおよび配線間隔Wを変化させたときの配線導体間容量Cmを示すグラフである。 配線幅Wを5マイクロメートル、斜辺幅Dを0.8マイクロメートルとして配線間隔Wを変化させたときの、想定断面構造Spにおける配線導体間容量Cpと、観測断面構造Smにおける配線導体間容量Cmと、式(1)による観測断面構造Smにおける配線導体間容量の近似値Cm(W,W,D)とを示すグラフである。 配線幅Wを10マイクロメートル、斜辺幅Dを0.8マイクロメートルとして配線間隔Wを変化させたときの、想定断面構造Spにおける配線導体間容量Cpと、観測断面構造Smにおける配線導体間容量Cmと、式(1)による観測断面構造Smにおける配線導体間容量の近似値Cm(W,W,D)とを示すグラフである。 配線幅Wを5マイクロメートルとして配線間隔Wおよび斜辺幅Dを変化させたときの、式(2)による容量差Cm−Cpの近似値Ca(W,W,D)を示すグラフである。 配線導体間容量Cmの近似式(1)に、図1のステップs2で求めた変位量および寸法のばらつき範囲を代入したときの値を示すグラフである。 寄生容量抽出方法を実行するためのコンピュータシステム10を示す斜視図である。
符号の説明
1A,1B 導体配線
Sp 想定断面構造
Sm 観測断面構造
10 コンピュータシステム

Claims (4)

  1. 積層構造を有する電子回路の配線導体における寄生容量を抽出する方法であって、
    電子回路内の配線導体の断面構造を観測する観測ステップと、
    観測ステップ以前に想定していた配線導体の断面構造である想定断面構造の予め定める参照部分と、観測ステップで観測された断面構造である観測断面構造の前記参照部分に対応する部分である注目部分とを比較して、観測断面構造の注目部分の形状と想定断面構造の参照部分の形状とが異なる場合には、注目部分の参照部分に対する変位量を求め、観測断面構造の注目部分の形状と想定断面構造の参照部分の形状とが同じ場合には、注目部分の寸法を求める比較ステップと、
    想定断面構造における参照部分の寸法を可変として、想定断面構造における配線導体間容量を算出する第1容量算出ステップと、
    観測断面構造の注目部分の寸法および変位量を可変として、観測断面構造における配線導体間容量を算出する第2容量算出ステップと、
    第2容量算出ステップで可変とした寸法および変位量をパラメータとする観測断面構造における配線導体間容量の近似式を導出する近似式導出ステップと、
    観測断面構造における配線導体間容量と、想定断面構造における配線導体間容量との差を表す数式であって、前記第2容量算出ステップで可変とした寸法および変位量をパラメータとする配線導体間容量の補正式を導出する補正式導出ステップとを含むことを特徴とする寄生容量抽出方法。
  2. 配線導体間容量の近似式は、観測断面構造の配線導体間容量ならびに第2容量算出ステップで可変とした寸法および変位量を変数とする数式で表わされ、
    配線導体間容量の補正式におけるパラメータは、観測断面構造および想定断面構造の配線導体間容量を決定する寸法および変位量を含み、配線導体間容量の補正式は、観測断面構造の配線導体間容量から想定断面構造の配線導体間容量を減算したものであって、前記パラメータを変数とする数式で表されることを特徴とする請求項1記載の寄生容量抽出方法。
  3. 観測ステップでは、前記注目部分の寸法および変位量のばらつき範囲を求め、
    配線導体間容量の近似式が、前記ばらつき範囲を求めた寸法および変位量をパラメータとして含む場合、前記ばらつき範囲を代入することによって、近似式から配線導体容量のばらつき範囲を算出するばらつき容量導出ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1または2記載の寄生容量抽出方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の寄生容量抽出方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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