JP2005299707A - トルク伝達系の発進制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両の発進要素として、電磁力により締結可能な電磁多板クラッチを備えたトルク伝達系の発進制御装置において、車速検出手段と、スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、検出されたスロットル開度に基づいて、車両の目標車速軌跡を設定する目標車速設定手段と、車速に基づくフィードバック制御量演算部とを設け、フィードバック制御量演算部は、車速が目標車速軌跡に追従するよう、目標車速設定手段によって得られる目標車速と、車速検出手段によって得られる実車速の差分にロバスト制御を施すことでクラッチ締結トルク値を演算する。
【選択図】 図6
Description
図1は、実施例1のトルク伝達系の発進制御装置のシステム図である。実施例1におけるトルク伝達系の制御装置は、運転者のアクセルペダル操作に応じて作動するスロットル1と、スロットル開度TVOに応じて駆動するエンジン2と、エンジン2からの回転数を無段階に変速し駆動輪4に出力する無段変速機(CVT)3と、エンジン2とCVT3の間に介在され伝達トルクを制御する電磁多板クラッチ(EMSC)20と、EMSC20に対し指令信号を出力するEMSCコントロールユニット10を有する。
図2に示すように、EMSCコントロールユニット10のフィードバック制御においては、入力に対し直接応答するスロットル開度TVOを検出し、予め設定された目標速度軌跡を目標速度設定部12が読み込んで目標車速Voを設定する。
図5は、従来例のGセンサを用いたフィードバック制御図を示す制御ブロック図であり、図6は、車両情報のフィードバック制御における従来例と本願実施例の制御ブロック図の対比を示す図である。図5(a)、(b)及び図6(a)に従来例のフィードバック制御のブロック図を、図6(b)に本願実施例におけるEMSCコントロールユニット10におけるフィードバック制御のブロック図を示す。図5及び図6においては制御対象をvehicleとしているが、実際の車両においては図2に示すように電磁多板クラッチの電流値を制御対象としている。
図5(a)に示されるPIコントローラC1において目標加速度Goと実加速度Gの差分Go-GにPIゲインK(s)を施す。
このとき、PIコントローラC1におけるゲインK(s)は、定常ゲインをKとしてラプラス変換表記を用いれば
K(s)=(1/s)・K
と表されるため、図5(b)に示すようにPIコントローラC1においては
∫K(Go-G)dt=K(Vo-V+C) (C:積分定数)・・・(1)
K(Vo-V+C)=T ・・・(2)
として電磁多板クラッチの目標伝達トルクTを算出している。
このとき、積分の線形性から、PIコントローラC1における積分要素のみを分離して(1)式の左辺のみを表記すると
K・∫(Go-G)dt ・・・(3)
となり、比例要素である定常ゲインと積分要素を分離することが可能である。この積分要素の演算をIコントローラC2、比例要素の演算をPコントローラC3により行うことで、図5(a)のブロック図で表される制御を図6(a)のブロック図に変形できる。
図6(a)のブロック図で示されるように、目標加速度Goと実車両加速度Gの差分値Go-GをIコントローラC2により積分して
∫(Go-G)dt=Vo-V+C ・・・(4)
として加速度偏差の積分値Vo-V+Cを算出する。このとき、積分によりVo-V+Cの位相は速度の位相となる。PコントローラC3によってVo-V+Cに所定の定常ゲインKを乗じ
T = K(Vo-V+C) ・・・(5)
として、(2)式と同様に電磁多板クラッチの目標伝達トルクTを算出できる。以上から、図5(a)で示される従来例の制御ブロックは、図6(a)で示される制御ブロックに変換可能である。
ここで、定常ゲインKの次元は、分母が速度、分子がトルクの次元であり
K {Nm/(m/s)}
となる。
このとき、ゲインK'の次元を従来例の定常ゲインKと同じく分母が速度、分子がトルクの次元を持つもの
K' {Nm/(m/s)}
として、入力されるパラメータVo-VSPにK'(s)を乗じ
T = K'(s)(Vo-VSP)
として、車速VSPを目標車速Voに漸近させるよう電磁多板クラッチの目標伝達トルクTを決定する。
図7は、実施例1のトルク伝達系の発進制御装置における制御の流れを示すフローチャートである。
(1) 車速センサ判断部11において車速センサが正常であると判断された場合、図7のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS8へと進み、並行してステップS1→ステップS6→ステップS7→ステップS8へと進む。ステップS8において一つの流れとなり、ステップS8→ステップS9→ステップS10と進む流れとなる。
すなわち、ステップS5においてVo-VSP値のロバスト制御が実行され、ステップS7においてTo値の逆位相補償が実行され、ステップS8において最終目標締結トルクTが決定されて終了する。
これにより、車速VSPの値を関与させたフィードバック制御によるロバストトルクT∞と、応答性の高いフィードフォワード制御による逆位相補償トルクTinvを重ね合わせて最終目標締結トルクTを決定できる。
すなわち、ステップS7においてTo値の逆位相補償が実行され、ステップS8において最終目標締結トルクTが決定されて終了する。
これにより、車速センサに異常が発生しても、逆位相補償部17によりフィードフォワード制御を行う。
図8(a)は、スロットル1から入力されるスロットル開度TVOを示すタイムチャートであり、図7のフローチャートではステップS1における制御である。
車両発進時に発生する振動を抑えるため、目標締結トルク設定部16により設定された目標締結トルクToを逆位相補償部17に通過させ、逆位相補償トルクTinvとする。
上述のフィードフォワード制御で得られた逆位相補償トルクTinvによっても発生する車両の振動や外乱の影響を抑えることが可能な制御を行うため、目標速度設定部12で設定された目標車速Voと車速VSPの差分Vo-VSPを第1加算部14で算出し、ロバスト制御部15に通過させてロバストトルクT∞とする。
図9(a)に示すように、車速VSPは目標車速Voに比べ時間的遅れが生じており、それによってVoとVSPの差分Vo-VSPがエラー車速となって図9(b)に示されている。
実施例1のトルク伝達系の制御装置にあっては、次に列挙する効果を得ることができる。
これにより、高価なGセンサを用いることなく適切な最終目標締結トルクTを決定することが可能となり、発進及び再加速時におけるドライブシャフト等の捩り振動を抑制し、かつ安価な発進制御装置を提供することができる。
これにより、車速VSPの値を関与させたフィードバック制御によるロバストトルクT∞と、応答性の高いフィードフォワード制御による逆位相補償トルクTinvを重ね合わせて最終目標締結トルクTを決定することが可能となり、発進及び再加速時における振動制御の精度と応答性を高めることができる。
これにより、車速センサに異常が発生し、車速信号が正常でなくなった場合であっても、フィードフォワード制御は実行され、安定的な走行を行うことができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明してきたが、本発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
T = K∞・T∞ + Kinv・Tinv
で表される。
発進制御部19で行われるトルク・電流変換のゲインをKTとすれば、EMSC20の最終目標電流i(T)は
i(T) = KT・T = KT・(K∞・T∞ + Kinv・Tinv)
と表される。
よって、車速センサが正常でなくロバストトルクT∞が算出されない場合
T∞ = 0
T = Kinv・Tinv
であり、最終目標電流i(T)は
i(T) = KT・T = KT・(Kinv・Tinv)
となる。
よって、上式におけるKTの値を増幅させ、i(T)を増加させてもよい。このとき、ランプ制御や一次遅れ制御を用いることにより、ロバストトルクT∞が算出されず逆位相補償トルクTinvをそのまま最終目標締結トルクTとする際の入力変化を滑らかにできる。
2 エンジン
3 CVT
4 駆動輪
10 EMSCコントロールユニット
11 速度センサ判断部
12 目標速度設定部
13 反転部
14 第1加算部
15 ロバスト制御部
16 目標締結トルク設定部
17 逆位相補償部
18 第2加算部
19 発進制御部
20 電磁多板クラッチ
Claims (4)
- 車両の発進要素として、電磁力により締結可能な電磁多板クラッチを備えたトルク伝達系の発進制御装置において、
車速検出手段と、
スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、
検出されたスロットル開度に基づいて、車両の目標車速軌跡を設定する目標車速設定手段と、
車速に基づくフィードバック制御量演算部と
を設け、
前記フィードバック制御量演算部は、車速が目標車速軌跡に追従するよう、前記目標車速設定手段によって得られる目標車速と、前記車速検出手段によって得られる実車速の差分にロバスト制御を施すことで目標クラッチ締結トルク値を演算することを特徴とするトルク伝達系の発進制御装置。 - 請求項1に記載のトルク伝達系の発進制御装置において、
前記スロットル開度検出手段により検出されたスロットル開度に基づいて、車両の目標車速軌跡を設定する目標車速設定手段と、
検出されたスロットル開度に基づいて、前記電磁多板クラッチの目標締結トルクを設定する目標クラッチ締結トルク設定手段と、
スロットル開度に基づくフィードフォワード制御量演算部と
を設け、
前記フィードフォワード制御量演算部は、車両の加速度が所望の値となるよう目標クラッチ締結トルクを演算することを特徴とするトルク伝達系の発進制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載のトルク伝達系の発進制御装置において、
前記電磁多板クラッチの最終目標締結トルクを決定する発進制御手段を設け、
前記発進制御手段は、前記フィードバック制御量演算部により得られたクラッチ締結トルク値と、前記フィードフォワード制御量演算部により得られたクラッチ締結トルク値を重ね合わせることで、電磁多板クラッチの最終目標締結トルクとすることを特徴とするトルク伝達系の発進制御装置。 - 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のトルク伝達系の発進制御装置において、
前記車速検出手段の異常を判断する異常検出手段を設け、
前記異常検出手段により、前記車速検出手段に異常があると判断された場合、前記フィーフォワード制御量演算部により得られたクラッチ締結トルクのみを前記電磁多板クラッチの最終目標締結トルクとすることを特徴とするトルク伝達系の発進制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004112526A JP2005299707A (ja) | 2004-04-06 | 2004-04-06 | トルク伝達系の発進制御装置 |
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Family
ID=35331492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2004112526A Pending JP2005299707A (ja) | 2004-04-06 | 2004-04-06 | トルク伝達系の発進制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005299707A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007247417A (ja) * | 2006-03-13 | 2007-09-27 | Nissan Motor Co Ltd | 車両の駆動力制御装置 |
JP2008069851A (ja) * | 2006-09-13 | 2008-03-27 | Honda Motor Co Ltd | 車両用発進クラッチのトルク推定および制御装置 |
JP2015075151A (ja) * | 2013-10-08 | 2015-04-20 | 日産自動車株式会社 | 車両のクラッチスリップ発進制御装置 |
JP2016118290A (ja) * | 2014-12-24 | 2016-06-30 | アイシン・エーアイ株式会社 | 車両用動力伝達制御装置 |
-
2004
- 2004-04-06 JP JP2004112526A patent/JP2005299707A/ja active Pending
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