JP2005299450A - ポンプ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低コスト化を図りつつ、作動油の温度に応じたポンプモータの回転制御を簡単に行うことができるポンプ制御装置を提供する。
【解決手段】 ポンプ制御装置14は、油圧ポンプ4を駆動するポンプモータ15と、このポンプモータ15の回転制御を行うポンプモータ用コントローラ16とを有している。ポンプモータ15は、モータ温度特性を補正するための温度センサ17が組み込まれた温度センサ付きモータであり、温度センサ17は、ポンプモータ15自体の温度を検出するものである。ポンプモータ用コントローラ16は、温度センサ17の検出信号を入力し、予めメモリに記憶されたポンプモータ15の温度と油圧ポンプ4から吐出される作動油の温度との関係を示した推定用データを用いて、作動油の温度を推定し、この推定温度に従ってポンプモータ15の回転数を制御する。
【選択図】 図1



Description

本発明は、油圧ポンプを制御するポンプ制御装置に関するものである。
油圧ポンプを制御するポンプ制御装置においては、油圧ポンプから吐出される作動油の温度(粘度)に応じてポンプモータの回転数を制御することがある。このようなポンプ制御装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。この文献に記載のポンプ制御装置では、ポンプモータを駆動するためのドライバ素子の温度を検出すると共に、ポンプモータに流れる電流を検出し、作動油温度(油温)に対する温度上昇値を求め、この温度上昇値とドライバ素子の温度とから油温を推定するようにしている。
特開2000−142434号公報
しかしながら、上記従来技術においては、油温を推定するために多くの計算を行うので、ポンプモータの制御処理が全体として複雑になってしまう。また、ドライバ素子の温度を検出するセンサとポンプモータに流れる電流を検出するセンサという2つのセンサが必要になるので、部品点数が多くなり、コストアップにつながる。
本発明の目的は、低コスト化を図りつつ、作動油の温度に応じたポンプモータの回転制御を簡単に行うことができるポンプ制御装置を提供することである。
本発明者らは、実験等を行って鋭意検討を重ねた結果、油圧ポンプを駆動するポンプモータの温度と油圧ポンプから吐出される作動油の温度との間には、ある一定の関係が存在することを見出した。本発明は、そのような知見に基づいて為されたものである。
即ち、本発明は、作動油を吐出する油圧ポンプを制御するポンプ制御装置において、油圧ポンプを駆動するポンプモータと、ポンプモータの温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段により検出されたポンプモータの温度から作動油の温度を推定し、作動油の推定温度に応じてポンプモータの回転数を制御する制御手段とを備えることを特徴とするものである。
このようなポンプ制御装置においては、温度検出手段によりポンプモータの温度を検出し、そのポンプモータの温度と作動油の温度との間に存在する上記の関係を用いて、ポンプモータの温度検出値に対応する作動油の温度を推定する。これにより、特に複雑な計算を行わなくても作動油の温度を推定できるので、制御手段の処理を簡素化し、作動油の温度に応じたポンプモータの回転制御を簡単に行うことが可能となる。また、作動油温度の推定に必要な検出手段としては、ポンプモータの温度を検出する温度検出手段だけで良いので、部品点数を削減し、低コスト化を図ることができる。
好ましくは、ポンプモータは、温度センサが組み込まれた温度センサ付きモータであり、温度検出手段は、ポンプモータに組み込まれた温度センサである。この場合には、ポンプモータの他に、ポンプモータの温度を検出する温度センサを別途設ける必要がないので、部品点数を更に削減することができる。
また、好ましくは、制御手段は、ポンプモータの温度と作動油の温度との関係を示す推定用データを予め記憶しておき、推定用データを用いて作動油の温度を推定する。ポンプモータの温度と作動油の温度との関係は、油圧ポンプ及びポンプモータ等を含む油圧駆動装置ごとに異なるものとなる。そこで、ポンプモータの温度と作動油の温度との関係を示す推定用データを前もって実験等により求め、制御手段のメモリに記憶させておくことにより、実際のポンプ制御装置の動作時には、その推定用データを用いて作動油の温度を容易に且つ確実に推定することができる。
さらに、好ましくは、制御手段は、作動油の推定温度とポンプモータの目標回転数との関係を示すモータ指令用データを予め記憶しておき、モータ指令用データを用いてポンプモータの回転数を制御する。これにより、複雑な計算等を施すことなく、ポンプモータの回転制御をより簡単に行うことができる。
本発明によれば、ポンプ制御装置の低コスト化を図りつつ、作動油の温度(粘度)に応じたポンプモータの回転制御を簡単に行うことができる。
以下、本発明に係わるポンプ制御装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わるポンプ制御装置の一実施形態を含む油圧駆動装置を示す構成図である。同図において、油圧駆動装置1は、産業車両であるフォークリフトのフォーク2を昇降させる油圧式リフトシリンダ3を駆動するものである。
油圧駆動装置1は、リフトシリンダ3に作動油を供給する油圧ポンプ4を備え、この油圧ポンプ4は、オイルタンク5内に溜まっている作動油を吸引して吐出する。リフトシリンダ3と油圧ポンプ4とは、作動油の流れを制御するコントロールバルブ6を介して接続されている。なお、油圧ポンプ4の吐出側とオイルタンク5とは、安全弁としてのリリーフ弁7を介して接続されている。
コントロールバルブ6は3ポジション型のスプール弁であり、スプール8の両側には、パイロット弁としての比例電磁弁9A,9Bがそれぞれ設けられている。スプール8が中立位置Pにあるときは、油圧ポンプ4とリフトシリンダ3との間を作動油が流れず、リフトシリンダ3のピストン3aの位置が保持される。スプール8が作動位置Pにあるときは、油圧ポンプ4から吐出された作動油がリフトシリンダ3に供給され、リフトシリンダ3のピストン3aがA方向に移動し、これに伴ってフォーク2が上昇する。また、スプール8が作動位置Pにある状態で、フォーク2が自重または負荷により下降し、リフトシリンダ3のピストン3aがB方向に移動すると、リフトシリンダ3内の作動油がオイルタンク5に戻される。
油圧ポンプ4と比例電磁弁9A,9Bとは、減圧弁10を含むパイロット回路11を介して接続されている。このパイロット回路11は、スプール8を動かすためのパイロット圧を発生させる油圧回路である。比例電磁弁9A,9Bは、バルブ用コントローラ12によって制御される開閉弁である。
バルブ用コントローラ12には、フォーク2の昇降動作を手動操作するためのリフトレバー13が接続されている。バルブ用コントローラ12は、リフトレバー13の操作信号に応じて比例電磁弁9A,9Bを制御する。フォーク2を上昇させるべくリフトレバー13を操作すると、その操作量に応じた電気信号がバルブ用コントローラ12から比例電磁弁9Aに供給され、比例電磁弁9Aが開き、パイロット圧によってスプール8が中立位置Pから作動位置Pに切り換えられる。一方、フォーク2を下降させるべくリフトレバー13を操作すると、その操作量に応じた電気信号がバルブ用コントローラ12から比例電磁弁9Bに供給され、比例電磁弁9Bが開き、パイロット圧によってスプール8が中立位置Pから作動位置Pに切り換えられる。
また、油圧駆動装置1は、油圧ポンプ4を制御するポンプ制御装置14を備えている。ポンプ制御装置14は、油圧ポンプ4を駆動するポンプモータ15と、このポンプモータ15の回転制御を行うポンプモータ用コントローラ16とを有している。ポンプモータ用コントローラ16には、上記のリフトレバー13の操作信号が入力される。
ポンプモータ15は、モータ温度特性を補正するための温度センサ17が組み込まれた温度センサ付き誘導モータである。温度センサ17は、ポンプモータ15自体の温度を検出するものである。温度センサ17は、例えばサーミスタであり、ポンプモータ15の固定子巻線に埋め込まれている。温度センサ17の検出信号は、ポンプモータ用コントローラ16に送られる。
ポンプモータ用コントローラ16は、リフトレバー13の操作信号及び温度センサ17の検出信号に基づいて、油圧ポンプ4から吐出される作動油の温度を推定し、この推定温度に従ってポンプモータ15の回転数を制御する。このポンプモータ用コントローラ16の制御処理手順の詳細を図2に示す。
同図において、まずリフトレバー13の操作が開始されると、ポンプモータ15に組み込まれた温度センサ17の検出値を入力する(手順101)。そして、この温度センサ17の検出値から、油圧ポンプ4から吐出される作動油の温度を推定する(手順102)。この作動油温度の推定は、以下のようにして行う。
即ち、ポンプモータ用コントローラ16のメモリには、図3に示すような推定用データが記憶されている。この推定用データは、ポンプモータ15の温度と油圧ポンプ4から吐出される作動油の温度との関係をマップ化したものである。ポンプモータ15の温度と作動油の温度との間には、図3に示すように、ポンプモータ15の温度が高くなるに従って作動油の温度が高くなるという関係がある。但し、その関係は、油圧ポンプ4、オイルタンク5及びポンプモータ15等の機器全体によって決まるものである。このため、推定用データとしては、それらの機器を含む油圧駆動装置1を組み上げた状態で実験して得たものを用いる。
そして、このような推定用データを使用して、温度センサ17の検出値から作動油の温度を推定する。例えば、温度センサ17で検出されたポンプモータ15の温度が80℃のときは、作動油の温度を約70℃と推定する。
続いて、その作動油の推定温度に応じたポンプモータ15の目標回転数を決定する(手順103)。この手法の1つとしては、図示はしないが作動油の推定温度とポンプモータ15の目標回転数との関係をマップ化したモータ指令用データをメモリに記憶しておき、そのモータ指令用データを用いてポンプモータ15の目標回転数を決定する。このとき、モータ指令用データは、作動油の推定温度が高くなるに従ってポンプモータ15の目標回転数が高くなるように設定されている。そして、ポンプモータ15の目標回転数に応じた制御信号をポンプモータ15に送出し、ポンプモータ15を回転駆動させる(手順104)。
以上のように構成した油圧駆動装置1において、フォーク2を下降させるようにリフトレバー13を操作すると、その操作量に応じた電気信号がバルブ用コントローラ12からコントロールバルブ6の比例電磁弁9Bに供給され、比例電磁弁9Bが開くようになる。また、ポンプモータ用コントローラ16によりポンプモータ15が回転駆動され、ある程度の流量の作動油が油圧ポンプ4から流れ出る。この作動油は、パイロット回路11を介してコントロールバルブ6の比例電磁弁9Bに送り込まれるため、比例電磁弁9Bの出力側にパイロット圧が立ち、コントロールバルブ6のスプール8が中立位置Pから作動位置Pに切り換えられる。これにより、フォーク2の自重等によりフォーク2が下降すると共に、リフトシリンダ3のピストン3aがB方向に移動する。
ところで、減圧弁10等の油圧機器において作動油のリークが多いと、比例電磁弁9Bに送り込まれる作動油の流量が少なくなり、パイロット圧がスプール8を駆動できる圧力に達しなくなり、フォーク2による荷役動作が困難になる。作動油のリークが多くなる要因の一つとしては、作動油の粘度が低い(作動油の温度が高い)ことが挙げられる。従って、所望のパイロット圧を確保するための作動油の流量は、作動油の粘度が低い状態における作動油のリークを考慮して設定する必要がある。しかし、この場合には、作動油の粘度が高い(作動油の温度が低い)状態でも、必要以上に油圧ポンプ4を回転させることになるので、ポンプモータ15の消費電力が増大してしまう。これを回避するためには、作動油の温度を検出する油温センサを設け、作動油の温度に応じてポンプモータ15の回転数を制御することが考えられるが、油温センサは非常に高価である。
これに対し本実施形態では、ポンプモータ15に組み込まれた温度センサ17によりポンプモータ15の温度を検出し、予めメモリに記憶した推定用データを用いて作動油の温度を推定する。これにより、高価な油温センサを設けなくても、作動油の温度を得ることができる。そして、その推定した作動油の温度が高い(粘度が低い)ときは、ポンプモータ15を高回転とし、油圧ポンプ4の吐出流量を多くする。一方、推定した作動油の温度が低い(粘度が高い)ときは、ポンプモータ15を低回転とし、油圧ポンプ4の吐出流量を少なくする。
ここで、作動油の粘度が高いときは、油圧機器で作動油のリークが生じにくいため、必要以上に油圧ポンプ4を回転させなくても、比例電磁弁9Bには、ある程度の流量の作動油が送り込まれる。従って、作動油の温度(粘度)に係わらず、比例電磁弁9Bの出力側には十分なパイロット圧が立つようになるので、フォーク2による荷役動作を損なうことが防止される。また、作動油の粘度が高いときは、ポンプモータ15の回転数を下げるので、ポンプモータ15の消費電力が低減される。
以上のように本実施形態によれば、ポンプモータ15に組み込まれた温度センサ17を用いて作動油の温度を推定するので、作動油温度の推定のための温度センサ等を別途設けなくて済む。従って、部品点数が削減されるため、コストダウン化を図ることができる。
また、ポンプモータ15の温度と作動油の温度との関係を利用して、作動油の温度を推定するので、ポンプモータ用コントローラ16において複雑な演算を行うことは無く、必要とする制御パラメータも少なくて済む。これにより、ポンプモータ用コントローラ16の制御処理を簡素化でき、作動油の温度に応じたポンプモータ15の回転数の制御を簡単に行うことが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態のポンプ制御装置は、リフトシリンダを駆動する油圧駆動装置に適用されたものであるが、本発明は、図4に示すような油圧駆動装置にも適用できる。
図4に示す油圧駆動装置20は、フォークリフトのマスト21を前後傾させるティルトシリンダ22を駆動するものであり、上記のコントロールバルブ6の代わりにコントロールバルブ23を有し、上記のリフトレバー13の代わりにティルトレバー24を有している。ポンプモータ用コントローラ16の制御処理は、上記実施形態と同様である。このような油圧駆動装置20によれば、作動油の温度によらず、一定のティルト速度を確保することができる。
また、本発明のポンプ制御装置は、特にフォークリフトの油圧駆動装置に限られず、他の産業車両等の油圧駆動装置についても適用可能である。
さらに、上記実施形態では、ポンプモータ15として温度センサ付き誘導モータを用いたが、温度センサが組み込まれていないポンプモータも使用可能であり、この場合には、ポンプモータの温度を検出する温度センサを別に設けるようにする。そのような構成としても、作動油の温度を推定するために必要なセンサは一つで良いので、部品点数を減らし、コストダウン化を図ることができる。
本発明に係わるポンプ制御装置の一実施形態を含む油圧駆動装置を示す構成図である。 図1に示すポンプモータ用コントローラの制御処理手順の詳細を示すフローチャートである。 図2に示す作動油温度の推定処理において使用する推定用データを示す図である。 本発明に係わるポンプ制御装置の一実施形態を含む油圧駆動装置の変形例を示す構成図である。
符号の説明
4…油圧ポンプ、14…ポンプ制御装置、15…ポンプモータ、16…ポンプモータ用コントローラ(制御手段)、17…温度センサ(温度検出手段)。

Claims (4)

  1. 作動油を吐出する油圧ポンプを制御するポンプ制御装置において、
    前記油圧ポンプを駆動するポンプモータと、
    前記ポンプモータの温度を検出する温度検出手段と、
    前記温度検出手段により検出された前記ポンプモータの温度から前記作動油の温度を推定し、前記作動油の推定温度に応じて前記ポンプモータの回転数を制御する制御手段とを備えることを特徴とするポンプ制御装置。
  2. 前記ポンプモータは、温度センサが組み込まれた温度センサ付きモータであり、
    前記温度検出手段は、前記ポンプモータに組み込まれた前記温度センサであることを特徴とする請求項1記載のポンプ制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記ポンプモータの温度と前記作動油の温度との関係を示す推定用データを予め記憶しておき、前記推定用データを用いて前記作動油の温度を推定することを特徴とする請求項1または2記載のポンプ制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記作動油の推定温度と前記ポンプモータの目標回転数との関係を示すモータ指令用データを予め記憶しておき、前記モータ指令用データを用いて前記ポンプモータの回転数を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のポンプ制御装置。
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