JP2005298948A - 電子機器用銅合金及びこの合金からなる銅合金箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Crが0.05質量%以上0.66質量%未満、Zrが0.05質量%以上0.25質量%未満であり、回折強度I220/I0が4以上であり、(Crの質量百分率/0.66)2 +(Zrの質量百分率/0.25)2<1を満たし、残部がCu及び不可避的不純物からなり、さらに結晶粒間の回転角θ2が2°<θ2<5°である小角粒界の割合に対する、結晶粒間の回転角θ1がθ1≧15°である大角粒界の割合が、0.7以上である。
Description
このような事実を考慮して、上記回転角の適正化により、従来に比して強度、曲げ加工性、及び導電性のバランスを高いレベルで実現し得る。
Cr、Zrは、合金を溶体化処理後、時効を施すことにより、銅母相中に析出して強度を向上させる元素である。Crの含有量が0.05質量%未満では、この析出作用による効果が得られず、一方、その添加量が0.66質量%以上では、更なる強度の向上は得られない。Zrの含有量が0.05質量%未満では、上記析出作用による効果が得られず、その添加量が0.25質量%以上では、更なる強度上昇は得られない。また、Cr、Zrの各添加量の上記好適範囲は固溶限を超えているが、この過飽和状態によって、未固溶のCr、Zr析出物もしくは晶出物が熱間圧延や溶体化処理等の熱処理を施す際に、結晶粒の粗径大化を防止することができる。
Cu−Cr−Zr系銅合金は静的不連続再結晶を行った後、圧延板面方向に{110}面は発達しない。静的再結晶では大角粒界が発達するが粒径が1μm以上に発達してしまうこと、加工硬化の寄与が小さいことなどから強度が低い。{110}面の集合度を表す回折強度I220/I0を4以上とすることで静的不連続再結晶組織ではないことの指標とした。I220は220回折強度であり、I0は粉末などランダムな方位を持つCu−Cr−Zrの220回折強度である。I0は純銅紛で代用してもよい。
回折強度の測定はXRD、EBSPどちらでもできるが、XDRは広い領域を測定しており、厚さ方向の浸透率も大きいため、EBSPのそれとは値が異なってくる。ここではXRD、EBSPともに測定を行ったがどちらも4以上となる。
上述したように、本発明の電子機器用銅合金は、銅合金中のCr及びZrの組成の適正化と結晶粒間の回転角の適正化とを図ることにより、銅合金の、特に、高強度、高曲げ加工性、及び高導電性を実現したものである。具体的には、Cr添加量及びZr添加量が共に0.05質量%以上の条件等の下では、大角粒界が発達し易いことに鑑みてなされている。
なお、本発明においては、冷間圧延においては、例えば、厚みの調整のため、あるいは表面の作りこみのための加工に寄与しないパスを実施することがあるが、そのようなパスは、本発明における冷間圧延のパスには含まないものとする。また、本発明では高加工度が要求され、冷間圧延は多パスとなることが多いが、例えば、5パス以上であれば、圧延中の材料温度が高くなっても本発明の実施の形態に含まれる。
(銅合金の組成の影響)
表1に示す組成の各インゴットを作製し、980℃の均質化焼鈍後、熱間圧延を行った。その後、面削を行い、冷間圧延、時効、及び酸洗を順次行った。ここで冷間圧延は全加工度を85%以上とし、各パス加工度は、20%以上(平均23%)、各パス終了後の温度を150℃以下とした(製造例1〜24)。上記各実施例で特性の評価としては、強度は、引張試験により0.2%耐力を算出、曲げ加工性はW曲げ試験により、さらに導電率は4端子法によりそれぞれ評価した。これらの結果を表1に併記する。なお、曲げ加工性の評価については、表1中、MBR/t≦1で肌荒れのみられない場合には○とし、MBR/t≦1でも割れは発生しないが肌荒れの状態が顕著な場合には△とし、そしてMBR/t>1の場合は×とした。
表2に示す組成の各インゴットを作製した(製造例25〜46)。これらの各製造例について、下記に示す製造方法により、各合金を作製した。その後、本発明の構成要素である回転角を測定し、小角粒界の割合に対する大角粒界の割合を算出した。測定に際しては、FE−SEM/EBSP若しくはTEM菊池線回折解析を用いた。また、上記各特性の判断としては、合金の強度、曲げ試験、及び導電率は実施例1と同様に判断した。これらの結果を表2に併記する。なお、回転角の評価については、表2中、結晶粒間の回転角が2°超5°未満である小角粒界の割合に対する、結晶粒間の回転角が15°以上である大角粒界の割合をθ1/θ2とした。
なお、上記条件を満たすには、各パスの加工度を大きくすると圧延温度が上昇するため、ロール径、圧延速度、及び圧延油等を制御した。
Claims (3)
- Crが0.05質量%以上0.66質量%未満、Zrが0.05質量%以上0.25質量%未満であり、回折強度I220/I0が4以上である合金において、(Crの質量百分率/0.66)2 +(Zrの質量百分率/0.25)2<1を満たし、残部がCu及び不可避的不純物からなり、さらに結晶粒間の回転角θ2が2°<θ2<5°である小角粒界の割合に対する、結晶粒間の回転角θ1がθ1≧15°である大角粒界の割合が、0.7以上であることを特徴とする電子機器用銅合金。
- Zn、Ag、Fe、Si、Mg、Sn、Mnを1種もしくは2種以上合計で0.05質量%超2.0質量%未満含有することを特徴とする請求項1に記載の電子機器用銅合金。
- 請求項1又は2に記載の電子機器用銅合金からなる銅合金箔。
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