JP2005298714A - オレフィン重合触媒成分及びオレフィン重合体の製造方法 - Google Patents

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高広 日野
Shusuke Hanaoka
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Abstract

【課題】 オレフィン重合触媒を提供すること。
【解決手段】 式(1)
Figure 2005298714

(式中、R1及びRはそれぞれ独立に水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基又は置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基等を示し、これらは結合して環を形成していてもよい。nは1〜6の整数を示す。)で示されるイミンアルコール化合物と、周期表第8−10族の遷移金属を含む遷移金属化合物とを組合わせてなるオレフィン重合触媒成分。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規な重合触媒成分、及びこれを用いたオレフィン重合体の製造方法に関する。
周期律表の第10族遷移金属化合物を用いた触媒は、オレフィン重合触媒として有用であることが知られており(例えば、非特許文献1参照)、例えば、ジイミンが配位したニッケル、パラジウム化合物を用いた触媒系(例えば、特許文献1参照)等が知られている。
WO96/23010 Chem. Rev. 2000, 110巻, 1169-1203頁
オレフィン重合体はその用途が様々で、多岐にわたっているため、それを製造する触媒もまた多岐にわたり様々な構造の触媒が求められている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、新規な後周期金属触媒を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記式(1)

Figure 2005298714

(式中、R1及びRはそれぞれ独立に水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基又は置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素で2置換されたアミノ基又は置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素で置換されたシリル基を示し、これらは結合して環を形成していてもよい。nは1〜6の整数を示す。)
で示されるイミンアルコール化合物と、周期表第8−10族の遷移金属を含む遷移金属化合物とを組合わせてなることを特徴とするオレフィン重合触媒成分、及びこれを用いることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法を提供するものである。
本発明により新規なオレフィン重合触媒を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
式(1)で示されるイミンアルコール化合物において、R、R、R及びRにおける置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基 、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、及び、これらの基がハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭化水素で置換されたアミノ基もしくは炭化水素で置換されたシリル基で置換された置換基が例示され、その具体例としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロデシル基、トリクロロメチル基、メトキシメチル基、フェノキシメチル基、ジメチルアミノメチル基、トリメチルシリルメチル基などが例示される。
置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基のうち、メチル基、エチル基、イソプロピル基、 tert−ブチル基、アミル基等が好ましいものとして例示され、さらに好ましくはメチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
、R、R及びRにおける置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基の具体例としては、ベンジル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、ジフェニルメチル基、及び、これらの基が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭化水素で置換されたアミノ基もしくは炭化水素で置換されたシリル基で置換されたものが例示され、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基の具体例としては、例えば、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−ドデシルフェニル)メチル基、(フルオロフェニル)メチル基、(ジフルオロフェニル)メチル基、(ペンタフルオロフェニル)メチル基、(クロロフェニル)メチル基、(メトキシフェニル)メチル基、(フェノキシフェニル)メチル基、(ジメチルアミノフェニル)メチル基、(トリメチルシリルフェニル)メチル基などが例示され、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基の好ましものとしてはベンジル基が挙げられる。
、R、R及びRにおける置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等、及び、これらの置換基が、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭化水素で置換されたアミノ基もしくは炭化水素で置換されたシリル基等で置換されたものが例示され、その具体例としては、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、 n−ペンチルフェニル基、 ネオペンチルフェニル基、 n−ヘキシルフェニル基、 n−オクチルフェニル基、 n−デシルフェニル基、 n−ドデシルフェニル基、 n−テトラデシルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシ−4−メチル−6−tert−ブチルフェニル基、2−ヒドロキシ−6−tert−ブチルフェニル基、2−ヒドロキシ−4−クロロ−6−tert−ブチルフェニル基、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−tert−ブチルフェニル基、2−ヒドロキシナフチル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、4−フェノキシフェニル基、4−ジメチルアミノフェニル基、4−トリメチルシリルフェニル基などが例示され、置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基の好ましいものとしては、フェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2−メトキシフェニル基等が挙げられる。
及びRにおける置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、及びこれらの基が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭化水素で置換されたアミノ基もしくは炭化水素で置換されたシリル基等で置換されたものが例示され、その具体例としては、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フルオロエトキシ基、ジフルオロエトキシ基、トリフルオロエトキシ基、テトラフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロプロポキシ基、パーフルオロブチルオキシ基、パーフルオロペンチルオキシ基、パーフルオロヘキシルオキシ基、パーフルオロオクチルオキシ基、パーフルオロデシルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、メトキシメトキシ基、フェノキシメトキシ基、ジメチルアミノメトキシ基、トリメチルシリルメトキシ基などが例示される。置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルコキシ基の好ましいものとしては、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。
及びRにおける置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基の具体例としては、ベンジルオキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基、ジフェニルメトキシ基、及び、これらの基が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭化水素で置換されたアミノ基もしくは炭化水素で置換されたシリル基等で置換されたものが例示され、その具体例としては、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ペンチルフェニル)メトキシ基、(ネオペンチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−ドデシルフェニル)メトキシ基、(フルオロフェニル)メチル基、(ジフルオロフェニル)メチル基、(ペンタフルオロフェニル)メチル基、(クロロフェニル)メチル基、(メトキシフェニル)メチル基、(フェノキシフェニル)メチル基、(ジメチルアミノフェニル)メチル基、(トリメチルシリルフェニル)メチル基などが例示される。置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基の好ましいものとしてはベンジルオキシ基等が例示される。
及びRにおける置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基の具体例としては、フェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基、及び、これらの基が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、炭化水素で置換されたアミノ基もしくは炭化水素で置換されたシリル基等で置換されたものが例示され、その具体例としては、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、2−フルオロフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基、3,5−ジフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、4−クロロフェノキシ基、2−メトキシフェノキシ基、3−メトキシフェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−フェノキシフェノキシ基、4−ジメチルアミノフェノキシ基、4−トリメチルシリルフェノキシ基などが例示される。置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアリールオキシ基の好ましいものとしては、フェノキシ基等が例示される。
及びRにおける置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素で2置換されたアミノ基とは、2つの炭化水素基で置換されたアミノ基であって、ここでの炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基 、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基などの炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜20のアリール基等が挙げられる。かかる炭素数1〜20の炭化水素で置換されたアミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、 tert −ブチルイソプロピルアミノ基、 ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられ、好ましくはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
及びRにおける置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素で置換されたシリル基における炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、アミル基 、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基などの炭素原子数1〜10のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜20のアリール基等が挙げられ、かかる炭素数1〜20の炭化水素で置換されたシリル基としては、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基、フェニルシリル基などの1置換シリル基、ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジフェニルシリル基などの2置換シリル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリ−イソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などの3置換シリル基等が挙げられ、置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素で置換されたシリル基の好ましいものとしてはトリメチルシリル基、 tert−ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。これらの炭化水素で置換されたシリル基はいずれもがその炭化水素基がハロゲン原子、例えば、フッ素原子で置換されたものも例示される。
、R、R及びRにおいて隣接する基は互いに結合して環を形成していてもよい。
式(1)で示されるイミンアルコール化合物の具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005298714
Figure 2005298714
Figure 2005298714
Figure 2005298714
Figure 2005298714
式(1)で示されるイミンアルコール化合物は、例えば等モルのカルボニル化合物とアミン化合物を、Dean−Stark装置を用いて加熱するなど、文献Journal of Organometallic Chemistry(2000),598(1),87に記載の方法に準じて製造できる。
周期表第8−10族の遷移金属を含む遷移金属化合物における遷移金属としては、例えば、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、白金が挙げられ、好ましくは、鉄、コバルト、ニッケル、パラジウムであり、さらに好ましくはニッケル、パラジウムであり、最も好ましくはニッケルである。
遷移金属化合物はアニオン性の配位子を有していてもよく、かかるアニオン性配位子としては、ハロゲン、アルキル基、アリル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、アミノ基、アシルオキシ基、スルホニオキシ基、1,3−ジケトナート基、ボレート基、ホスフェート基、アンチモネート基等が挙げられ、具体的には、塩素、臭素、ヨウ素、メチル基、トリメチルシリルメチル基、エチル基、アリル基、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基、エチレンジオキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、1,2−フェニレンジオキシ基、1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオキシ基、ベンジルオキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、トリフルオロアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、2−トルエンスルホニルオキシ基、3−トルエンスルホニルオキシ基、4−トルエンスルホニルオキシ基、アセチルアセトナート基、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナート基、3−メチル−2,4−ペンタンジオナート基、テトラフルオロボレート基、テトラフェニルボレート基、テトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート基、ヘキサフルオロホスフェート基、ヘキサフルオロアンチモネート基が例示され、好ましくは、塩素、臭素、アセチルアセトナート基、3−メチル−2,4−ペンタンジオナート基であって、さらに好ましくはアセチルアセトナート基である。
遷移金属化合物はまた、中性配位子を有していてもよい。
かかる中性配位子としては、例えば、エーテル、スルフィド、アミン、ホスフィン、オレフィン、ニトリルなどの中性官能基を有する分子が挙げられ、また、分子内に複数箇所の配位官能基を有していてもよく、具体的には、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル tert−ブチルエーテル、フラン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジメトキシエタン、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、メチル tert−ブチルスルフィド、チオフェン、テトラヒドロチオフェン、エチレンジチオール ジメチルスルフィド、エチレンジチオール ジエチルスルフィド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、トリシクロヘキシルアミン、ピリジン、2,2’−ビピリジン、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、トリフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビス(ジフェニルホスフィノ)ビナフチル、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、オクテン、オクタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ベンゾニトリル、アセトニトリル等が挙げられる。
かかる遷移金属化合物の具体例としては、二塩化鉄、三塩化鉄、酢酸鉄(II)、トリイソプロポキシ鉄、ジメシチル鉄、鉄(II) アセチルアセトナート、鉄(III) アセチルアセトナート、ビス(トリフルオロアセトキシ)鉄、トリス(トリフルオロアセトキシ)鉄、鉄(II)フェキサフルオロアセチルアセトナート
二塩化ルテニウム、三塩化ルテニウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム ジヒドリド、ルテニウム(III) アセチルアセトナート、二塩化ルテニウム(シクロオクタジエン)
二塩化コバルト、酢酸コバルト(II)、ジメシチルコバルト、トリメシチルコバルト、コバルト(II) アセチルアセトナート、コバルト(III) アセチルアセトナート、ビス(トリフルオロアセトキシ)コバルト、トリス(トリフルオロアセトキシ)コバルト
ビス(トリス[トリメチルシリル]メチル)コバルト、トリス(トリフェニルホスフィン)コバルト メチル
二塩化ニッケル、酢酸ニッケル(II)、ニッケル(II) アセチルアセトナート、アリルニッケルクロライド、ニッケル(0) ジシクロオクタジエン、テトラキス(トリフェニルホスフィン) ニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)フェニルニッケルクロライド、ビス(トリメチルシリルメチル)ニッケル ジピリジン、ジメチルニッケル テトラメチルエチレンジアミン、ジブロモニッケル ジメトキシエタン、ビス(トリフルオロアセトキシ)ニッケル、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナート)ニッケル
酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ビスパラジウム、パラジウム(II) アセチルアセトナート、(シクロオクタジエン)メチルパラジウム クロライド、(シクロオクテン)メチルパラジウム クロライド、(シクロオクタジエン)メチルパラジウム トリフラート、アリルパラジウム クロライド、ジメチルパラジウム テトラメチルエチレンジアミン、テトラキス(アセトニトリル)パラジウムビス(テトラフルオロボレート)
ビス(エチレンジアミン)白金(II)クロライド、シクロオクタジエン白金(II)ブロマイド、シクロオクタジエン白金(II)クロライド、ビス(ベンゾニトリル)白金(II)クロライド、ビス(ピリジン)白金(II)クロライド、ビス(トリフェニルホスフィン)白金(II)クロライド、ジメチル白金(シクロオクタジエン)、ジシクロペンタジエン白金(II)クロライド等が例示され、好ましくはニッケル化合物、さらに好ましくはニッケル(II) アセチルアセトナートである。
本発明で用いられる重合触媒成分は式(1)で示されるイミンアルコール化合物と周期表第8−10族の遷移金属を含む遷移金属化合物とを組合わせてなるが、通常、両者を混合することにより調製される。
式(1)で示されるイミンアルコール化合物と周期表第8−10族の遷移金属を含む遷移金属化合物のモル比は特に限定されないが、1:0.1から1:10の範囲が好ましく、さらに好ましくは1:0.3から1:3の範囲である。
重合触媒成分の調製は、通常、溶媒中で行われる。かかる溶媒としては、例えばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ヘキサメチルホスホリックアミド、ジメチルホルムアミドなどのアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの極性溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒といった非プロトン性溶媒などが挙げられる。かかる溶媒はそれぞれ単独もしくは2種以上を混合して用いられ、溶媒の使用量は特に限定されない。
得られた反応混合物を、濃縮して固形物を析出させ、場合によっては再結晶精製するなどの手法により、重合触媒成分を取り出すことができるが、取り出すことなく重合に用いることもできる。
かくして調製される重合触媒成分は、活性化共触媒と反応させることにより、重合に用いることができ、活性化共触媒としては、亜鉛化合物、アルミ化合物、ホウ素化合物など通常用いられる化合物が挙げられる。
好ましい活性化共触媒としては、アルミニウム化合物、遷移金属と対になってイオン対を形成する非アルミニウム化合物を挙げることができ、単独あるいは組み合わせた化合物と重合触媒成分とを反応させることにより、重合に用いることができる。
重合触媒成分、アルミニウム化合物、遷移金属と対になってイオン対を形成する非アルミニウム化合物を、重合時に任意の順序で仕込み、使用することができるが、任意の化合物の組合せを予め接触させて得られた反応物を用いることもできる。
本発明において用いられるアルミニウム化合物としては、公知の有機アルミニウム化合物、例えば、次式(A1)、(A2)、(A3)で示される化合物、及びアルミネート化合物が挙げられ、単独、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。
(A1): 式 E1 a Al(Z)3-a で示される有機アルミニウム化合物、
(A2): 式 {−Al(E2 )−O−}b で示される構造を有する環状のアルミノキサン、
(A3): 式 E3 {−Al(E3 )−O−}c Al(E3) 2 で示される構造を有する線状のアルミノキサン
(式中、E1 〜E3 は同一又は相異なり、炭素原子数1〜8の炭化水素基であり、Zは同一又は相異なり、水素原子又はハロゲン原子を表し、aは1、2又は3で、bは2以上の整数を、cは1以上の整数を表す。)
式 E1 a AlZ3-a で示される有機アルミニウム化合物(A1)の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド等を例示することができる。好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが挙げられる。
式 {−Al(E2 )−O−}b で示される構造を有する環状のアルミノキサン(A2)又は、式 E3 {−Al(E3 )−O−}c Al(E3) 2 で示される構造を有する線状のアルミノキサン(A3)における、E2 、E3 の具体例としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ノルマルペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基を例示することができる。bは2以上の整数であり、cは1以上の整数である。好ましくは、E2又はE3 はメチル基、イソブチル基であり、bは2〜40、cは1〜40である。これらの具体例としてはメチルアルミノキサン(MAO)、修飾メチルアルミノキサン(MMAO)、ブチルアルミノキサン(BAO)などが挙げられる。
上記のアルミノキサンは市販品又は各種の方法による調製で入手することができる。その方法については特に制限はなく、公知の方法に準じて造ればよい。例えば、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を適当な有機溶剤(ベンゼン、脂肪族炭化水素など)に溶かした溶液を水と接触させて造る。また、トリアルキルアルミニウム(例えば、トリメチルアルミニウムなど)を結晶水を含んでいる金属塩(例えば、硫酸銅水和物など)に接触させて造る方法が例示できる。
本発明で用いることのできるアルミネート化合物としては、例えば、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミネート、トリフェニルカルベニウム トリス(2,2’,2’’−ナノフルオロビフェニル)フルオロアルミネート、トリフェニルカルベニウム テトラキス(ペンタフルオロフェノキシ)アルミネート等が挙げられる。
遷移金属と対になってイオン対を形成する非アルミニウム化合物としては、嵩高く、及び/又は電気吸引性の置換基を有し、遷移金属と対になってアニオン性を帯びる原子を有する化合物が挙げられ、かかる原子としてはホウ素原子を挙げることができ、例えば次式(B1)、(B2)、(B3)で示される化合物を挙げることができ、単独、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。
(B1)式BQ1 Q2 Q3 で表されるホウ素化合物、
(B2)式Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合物、
(B3)式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合物
式 BQ1 Q2 Q3 で表されるホウ素化合物(B1)において、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1 〜Q3 はハロゲン原子、炭素数1〜20個の炭化水素基、炭素数1〜20個のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20個の炭化水素で置換されたシリル基、炭素数1〜20個のアルコキシ基又は炭素数1〜20個の炭化水素で2置換されたアミノ基であり、それらは同じであっても異なっていてもよい。好ましいQ1 〜Q3 はハロゲン原子、炭素数1〜20個の炭化水素基、炭素数1〜20個のハロゲン化炭化水素基が挙げられる。
(B1)の具体例としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等が挙げられるが、好ましくは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられる。
式Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合物(B2)において、Z+ は無機又は有機のカチオンであり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1 〜Q4 は上記の(B1)におけるQ1 〜Q3 と同様のものが挙げられる。
式 Z+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表される化合物の具体例としては、無機のカチオンであるZ+ には、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオンなどが、有機のカチオンであるZ+ には、トリフェニルメチルカチオンなどが挙げられる。(BQ1 Q2 Q3 Q4 )- には、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,2,4−トリフルオロフェニル)ボレート、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−ト、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられる。
これらの具体的な組み合わせとしては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1'−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、好ましくは、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
また、式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表されるホウ素化合物(B3)においては、Lは中性ルイス塩基であり、(L−H)+ はブレンステッド酸であり、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q1 〜Q4 は上記の(B1)におけるQ1 〜Q3 と同様のものが挙げられる。
式(L−H)+ (BQ1 Q2 Q3 Q4 )- で表される化合物の具体例としては、ブレンステッド酸である(L−H)+ には、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられ、(BQ1 Q2 Q3 Q4 )- には、前記と同様のものが挙げられる。
これらの具体的な組み合わせとしては、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることができるが、好ましくは、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。
本発明において用いられるホウ素化合物には、架橋基を介して分子内に2原子以上のホウ素原子を含むホウ素化合物も同様に含まれる。架橋基としては置換されていてもよいフェニレン基やイミダゾールなどの複素環を挙げることができ、具体例としては、ビス(トリフェニルカルベニウム) [2,3,5,6−テトラフルオロフェニレン−1,4−ビス[トリス(ペンタフルオロフェニル)ボレート]]、リチウム イミダゾール−ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)付加体、トリエチルアンモニウム イミダゾール−ビス(トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン)付加体などが挙げられる。
各触媒成分の使用量は、化合物(A)[前記(A1)−(A3)を総称して(A)とする]/前記重合触媒成分中の遷移金属とのモル比が0.1〜10000で、好ましくは5〜2000、化合物(B)/重合触媒成分中の遷移金属のモル比が0.01〜100で、好ましくは0.5〜10の範囲にあるように、各成分を用いることが望ましい。
各触媒成分を溶液状態で使う場合の濃度については、重合触媒成分中の遷移金属が、0.0001〜5ミリモル/リットルで、好ましくは、0.001〜1ミリモル/リットル、化合物(A)が、Al原子換算で、0.01〜500ミリモル/リットルで、好ましくは、0.1〜100ミリモル/リットル、化合物(B)は、0.0001〜5ミリモル/リットルで、好ましくは、0.001〜1ミリモル/リットルの範囲にあるように、各成分を用いることが望ましい。
本発明において、重合に使用するモノマーは、炭素原子数2〜20個からなるオレフィン、ジオレフィン等のいずれをも用いることができ、同時に2種類以上のモノマーを用いることもできる。かかるモノマーを以下に例示するが、本発明は下記化合物に限定されるものではない。かかるオレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、5−メチル−2−ペンテン−1、ビニルシクロヘキセン等が例示される。ジオレフィン化合物としては、炭化水素化合物の共役ジエン、非共役ジエンが挙げられ、かかる化合物の具体例としては、非共役ジエン化合物の具体例として、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン等が例示され、共役ジエン化合物の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等を例示することができる。
共重合体を構成するモノマーの具体例としては、エチレンとプロピレン、エチレンとブテン−1、エチレンとヘキセン−1、プロピレンとブテン−1等、及びそれらにさらに5−エチリデン−2−ノルボルネンを使用する組み合わせ等が例示されるが、本発明は、上記化合物に限定されるものではない。
本発明では、モノマーとして芳香族ビニル化合物も用いることができる。芳香族ビニル化合物の具体例としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o,p−ジメチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、o−クロロスチレン、p−クロロスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
本発明では、モノマーとして極性官能基を持つオレフィンも用いることができる。極性官能基を持つオレフィンの具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アリルアルコール、5−ノルボルネン−2−メタノール、5−ノルボルネン−2−カルボキシリックアシッド、アリルアミン、アクリルアミド、5−ノルボルネン−2−カルボキシリックアシッドメチルエステル、N,N−ジメチルアクリルアミド等が例示される。
重合方法も、特に限定されるものではないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、又はメチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素を溶媒として用いる溶媒重合、又はスラリー重合、ガス状のモノマー中での気相重合等が可能であり、また、連続重合、回分式重合のどちらでも可能である。
重合温度は、−50℃〜200℃の範囲をとり得るが、特に、−20℃〜100℃程度の範囲が好ましく、重合圧力は、常圧〜6MPa(60kg/cm2 G)が好ましい。重合時間は、一般的に、目的とするポリマーの種類、反応装置により適宜選定されるが、1分間〜20時間の範囲をとることができる。また、本発明は共重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することもできる。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、実施例におけるポリマーの性質は、下記の方法により測定した。
[分子量及び分子量分布]
RapidGPC(Symyx社製)を用いて以下の条件により測定した。
送液装置 :(LCポンプ)Gilson社製
Model305(ポンプヘッド25.SC)
カラム :PolymerLaboratories (PL)社製
PLgel Mixed−B 10μm
7.5mmφ×300mm
移動相 :o-ジクロロベンゼン
溶解溶媒 :1,2,4-トリクロロベンゼン
流量 :2ml/分
カラム温度:160℃
検量線 :PL社標準品 ポリスチレン(PS) 8試料
(標準PS分子量)5,000、10,050、28,500、65,500
185,400、483,000、1,013,000、3,390,000
[融点]
SAMMS(Sensor Array Modular System)(Symyx社製)を用いて以下の条件により測定した。
測定モード :熱容量スペクトロスコピーによる融解温度測定
雰囲気ガス :真空条件(3.0×10―4Torr以下)
温度プログラム:(スタート)室温
(昇温速度)約50℃/分
(ホールド)200℃(0分)
[Me分岐]
IR(Bruker社製EQUINOX55)を用いて以下の条件により測定した。
測定モード:反射透過法(鏡面にフィルム作成)
ブランク :鏡面(Air)
測定条件 :(分解能)2cm―1、(積算回数)128回、
(波長)400〜4000cm―1
[実施例1]
[下記配位子1を用いた重合]
Figure 2005298714
配位子1の0.02Mトルエン溶液、ビス(アセチルアセトナート)ニッケル(II)0.02Mトルエン溶液を0.3mlずつバイアル瓶にサンプリングし、室温で2分間混合させた。
オートクレーブに窒素下で、トルエン5.0mLを仕込み、40℃で安定させた後、エチレンを0.60MPaまで加圧し安定させた。ここに、MMAO(0.25M、100μmol)、上記に記載の重合触媒成分溶液(ニッケル濃度0.01M、3μmol)を加え、44分間重合した。重合の結果、分子量(Mw)=2.2×10のポリマーをニッケル1mol当たり、1時間当たり、3.6×10g製造した。

Claims (10)

  1. 式(1)
    Figure 2005298714

    (式中、R1及びRはそれぞれ独立に水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基又は置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基を示し、R及びRはそれぞれ独立に水素原子、置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキル基、置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリール基、置換されていてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基、置換されていてもよい炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、置換されていてもよい炭素原子数6〜20のアリールオキシ基、置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素で2置換されたアミノ基又は置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素で置換されたシリル基を示し、これらは結合して環を形成していてもよい。nは1〜6の整数を示す。)
    で示されるイミンアルコール化合物と、周期表第8−10族の遷移金属を含む遷移金属化合物とを組合わせてなることを特徴とするオレフィン重合触媒成分。
  2. 式(1)で示されるイミンアルコール化合物において、nが2である請求項1記載のオレフィン重合触媒成分。
  3. 式(1)で示されるイミンアルコール化合物と遷移金属化合物とのモル比が、1:0.3〜1:3の範囲である請求項1又は2に記載のオレフィン重合触媒成分。
  4. 遷移金属化合物がニッケル化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合触媒成分。
  5. 遷移金属化合物がアセチルアセトナート型アニオンを有するニッケル化合物である請求項1〜3のいずれかに記載のオレフィン重合触媒成分。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の重合触媒成分に活性化共触媒を組合わせてなることを特徴とするオレフィン重合触媒。
  7. 活性化共触媒がアルミニウム化合物である請求項6に記載のオレフィン重合触媒。
  8. 活性化共触媒がアルミニウム化合物、及び/又は遷移金属と対になってイオン対を形成する非アルミニウム化合物である請求項6に記載のオレフィン重合触媒。
  9. 遷移金属と対になってイオン対を形成する非アルミニウム化合物がホウ素化合物である請求項8に記載のオレフィン重合触媒。
  10. 請求項6から9のいずれか1項に記載のオレフィン重合触媒を用いてオレフィンを重合させることを特徴とするオレフィン重合体の製造方法。
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