JP2005298595A - 成形体および成形体の製造方法 - Google Patents

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穂高 横溝
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Abstract

【課題】高結晶化速度を有することにより高い生産性を有し、高い結晶化度を満足することにより高剛性、良好な耐熱性、良好な耐衝撃性とを有するPET樹脂組成物、殊にかかる樹脂組成物からなるシートを熱成形して製造される成形体、中でも耐熱容器を提供する。
【解決手段】1.2gをo−クロロフェノール15cm中に加熱溶解した後、冷却して25℃で調整された溶液における対数粘度値(IV値)が0.85〜1.4dl/gであるポリエチレンテレフタレート(A成分)82〜98重量部、並びに不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位で変性された、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンの共重合体(B成分)2〜18重量部の合計100重量部当たり、0.5〜5重量部の結晶核剤(C成分)からなる樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、成形体および成形体の製造方法、並びに多層成形体および多層成形体の製造方法に関する。より詳しくは本発明は、好ましくは非晶状態のポリエチレンテレフタレートを主体とするシートを熱成形しかつ該成形時に熱固定することにより得られた、高結晶性のポリエチレンテレフタレートからなる成形体であり、かつ特定の共重合体を含有することにより良好な耐衝撃性を有する成形体である。かかる成形体は特にオーブンでの加熱調理が可能であることから耐熱容器に好適である。
ポリエチレンテレフタレート(以下単に“PET”と称する場合がある)を主体とし非晶状態にあるシートを熱成形しかつ該成形時に熱固定して得られた、高結晶性のPETからなる耐熱性の成形体は、従来より幅広く利用されている。その主たる利用はオーブン加熱可能な耐熱容器である。かかる耐熱容器は、オーブンでの加熱調理に耐え得る耐熱性、冷凍された状態で容器の割れを生じないための耐衝撃性、および食品に衛生的な悪影響を与えないための衛生性などが必要とされる。一方、かかる耐熱容器は、食品の加熱調理後または食後に廃棄される短い製品寿命を有する製品であり、更に製品自体の価値を求めて購入されるものでもない。したがってかかる耐熱容器は、更なる薄肉化によって環境に対する負荷を低減すること、並びに生産性を高めてコストダウンすることが望まれている。
かかる要求に対しては、容器におけるPETを結晶化させ耐熱性を上げると同時に容器自体の剛性を高めると共に、容器を構成する組成物の結晶化速度を高めて生産性を高めることが対応策として考えられる。しかしながら、PETを結晶化させ耐熱性を向上させると必要な耐衝撃性が得られにくく、一方、衝撃改良剤を多く配合すると容器の剛性や耐熱性が低下する。即ち求められる特性を十分に満足して更に剛性の高い容器を得ることは未だ十分に達成されていなかった。
PET、ポリオレフィンの如きクラック抑制剤、および結晶核剤からなる耐衝撃性の良好な樹脂組成物が提案されていることは公知である(特許文献1参照)。しかしながらその具体的開示においては、該クラック抑制剤としてのポリ(4−メチルペンテン−1)が、および該結晶核剤としての酸化チタンが開示されるに留まる。
PET、無機充填材、金属塩およびアイオノマーから選択される1種以上の核剤、および脂環式カルボン酸変性のポリオレフィンからなる、結晶性の良好な樹脂組成物は公知である(特許文献2参照)。しかしながらかかる樹脂組成物は、特に該樹脂組成物からなるシートを熱成形して得られる成形体において、未だ十分な耐衝撃性と結晶性の両立を達成し得るものではなかった。
PET、および直鎖状低密度ポリエチレンからなる電子レンジおよび従来のオーブン(電熱式オーブン)のいずれの熱処理にも耐え得る容器は公知である(特許文献3参照)。しかしながら、かかる文献では無機充填材との組合せによる結晶化挙動や、更なる高剛性化、または耐衝撃性の向上に対する十分な知見を開示するとはいい難かった。
PETおよび無水マレイン酸変性エチレン・ブテンランダム共重合体を溶融混合した後に、有機酸金属塩を配合して製造される樹脂組成物は公知である(特許文献4参照)。しかしながらかかる文献において、耐熱容器に適した樹脂組成物の知見は十分に開示されているとはいい難かった。
PET、ポリオレフィン(具体的には低密度ポリエチレン)および脂肪酸ジエステルまたは脂肪酸金属塩からなる耐熱容器は公知である(特許文献5参照)。しかしながらかかる容器も未だ十分な剛性および耐衝撃性との両立が達成されているとはいい難かった。
PETおよびアイオノマーからなるオーブン加熱調理可能な耐熱容器は公知である(特許文献6参照)。しかしながらかかる容器も未だ十分な剛性および耐衝撃性との両立が達成されているとはいい難かった。
ポリエステル樹脂および特定の条件を満足するエチレン・1−ブテン共重合体のグラフト変性混合物からなり、耐衝撃性に優れた樹脂組成物は公知である(特許文献7参照)。しかしながらかかる文献において、耐熱容器に適した樹脂組成物の知見が十分に開示されているとはいい難かった。
PETと無機微粒子(具体的にはタルク)とを含み、ポリオレフィン樹脂を実質的に含有しない表層と、PETと無機微粒子(具体的にはタルク)とポリオレフィン樹脂を含む内層から構成され、その内層と表層における無機微粒子の割合が特定範囲である多層の耐熱容器は公知である(特許文献8参照)。しかしながらかかる耐熱容器も未だ十分な耐衝撃性を有しているとはいい難かった。
米国特許第3960807号明細書 特開昭58−63743号公報 米国特許第4572852号明細書 特開昭63−128059号公報 特開平2−255757号公報 特開平4−345656号公報 WO96/01873号パンフレット 特開2003−225981号公報
本発明の課題は、第1に高結晶化速度を有することにより高い生産性を有し、高い結晶化度を満足することにより高剛性および良好な耐熱性を有し、更にかかる高剛性と良好な耐衝撃性とを両立したPETを主成分とする組成物からなる成形体、殊にかかる樹脂組成物からなるシートを熱成形した製造される成形体、中でも耐熱容器を提供することにある。本発明の課題は、第2にPETを主成分とする上記成形体を提供可能な組成物を提供することにあり、第3に上記成形体(殊に耐熱容器)の製造方法を提供することにある。更に本発明の課題は高結晶化速度を有することにより高い生産性を有し、高い結晶化度を満足することにより高剛性および良好な耐熱性を有し高剛性と良好な耐衝撃性とを両立したPETを主成分とする組成物からなる層とPETからなる層が積層された多層成形体を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、特定のオレフィン系重合体を含有し、かつ結晶核剤を含有することにより特定の条件を満足する結晶化度を達成した成形体が上記の課題を解決できることを見出し、更に検討を進めて本発明を完成するに至った。
本発明は、(1A)下記組成物−Iよりなり、下記式(I)を満足することを特徴とする成形体にかかるものである。
ここで組成物−Iは1.2gをo−クロロフェノール15cm中に加熱溶解した後、冷却して25℃で調整された溶液における対数粘度値(IV値)が0.85〜1.4dl/gであるポリエチレンテレフタレート(A成分)82〜98重量部、並びに不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位で変性された、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンの共重合体(B成分)2〜18重量部の合計100重量部当たり、0.5〜5重量部の結晶核剤(C成分)からなる樹脂組成物であり、
下記式(I)におけるρはA成分が実質的に非晶状態にあるときの組成物−Iの23℃における密度を、ρは成形体における組成物−Iの23℃における密度を、並びにρは実質的に非晶状態にあるときの組成物−Iを220℃で30分間空気中において熱処理した後の組成物−Iの密度を表し、単位はいずれもg/cmである。
0.65≦(ρ−ρ)/(ρ−ρ)≦0.85 (I)
かかる構成(1)によれば、上記課題を解決した成形体、殊に好適にはオーブンで加熱調理可能な耐熱容器が提供される。上記式(I)においてρは組成物−Iの最高の結晶化度における密度を示す簡便な指標として導入されている。即ちρは、組成物−Iにおけるほぼ最高の密度を表す。もちろん更に熱処理を加えることにより結晶化は更に進み得るが要する時間に対するその誤差を考慮すれば実用的な指標とはなりにくい。したがって上記式(I)は、密度より算出される成形体における組成物−Iの結晶化の状態を表す指標といえる。そして本発明の成形体は比較的高い結晶化度を有する成形体であるといえる。かかる高い結晶化度によって成形体はより高い剛性、および初期の耐熱性が得られる。かかる成形体は、殊にオーブンで加熱調理可能な耐熱容器(以下単に“耐熱容器”と称する場合がある)を提供し、極めて短期間に廃棄され得る該容器の環境に対する負荷を低減させられる。薄い容器は、オーブンに代表される熱負荷が与えられた際に変形を生じやすいが、本発明の容器はその剛性および耐熱性により変形に対しても十分な耐性を有する。尚、ρ、ρおよびρ、並びに後述するρ’はいずれも、JIS K7112のD法に準拠する密度勾配管法により、硝酸カルシウム溶液中、23℃において測定される密度(g/cm)である。
一方で、通常PET系樹脂組成物における高い結晶化は、耐衝撃性は損ないやすい。更に耐衝撃性を付与するための衝撃改良剤の増量は、成形体全体の剛性が低下すると共に耐熱性の低下を招きやすい。本発明の組成物−Iは、特定の衝撃改質成分(B成分)を特定IV値を有するポリエチレンテレフタレート中に特定割合配合することによって、比較的小割合のB成分から高い耐衝撃性を得ている。これにより組成物−Iは高い剛性、耐熱性および耐衝撃性の併有を可能としている。
上記式(I)の下限はより好適には0.70、更に好適には0.75である。
本発明の好適な態様の1つは、(2A)上記成形体は、実質的に非晶状態にある組成物−Iからなるシートを熱成形することにより製造された上記構成(1)の成形体である。かかるシートの厚みは、好適には0.5〜1mm、より好適には0.6〜0.9mm、更に好適には0.65〜0.75mmである。本発明の成形体は射出成形に代表される熱成形以外の方法によって製造されることもできる。しかしながら本発明の組成物−Iの有する特性は熱成形およびその成形品において最も有効に発揮される。したがって上記構成(2A)によれば、高い剛性、耐熱性および耐衝撃性を併有する熱成形品、殊にオーブンで加熱可調理可能な耐熱容器が提供される。
本発明の別の態様は、(3A)下記組成物−Iよりなり、下記式(II)を満足する層(α層)と該α層の少なくとも片面に形成されたポリエチレンテレフタレート(X成分)からなる層(β層)からなり、該α層とβ層との厚みの比(α/β)が(α層の両面にβ層が形成されている場合には、いずれのβ層においても)、α/β=99/1〜80/20の範囲である多層構造を有する多層成形体にかかるものである。
ここで組成物−Iは1.2gをo−クロロフェノール15cm中に加熱溶解した後、冷却して25℃で調整された溶液における対数粘度値(IV値)が0.85〜1.4dl/gであるポリエチレンテレフタレート(A成分)82〜98重量部、並びに不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位で変性された、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンの共重合体(B成分)2〜18重量部の合計100重量部当たり、0.5〜5重量部の結晶核剤(C成分)からなる樹脂組成物であり、
下記式(II)におけるρはA成分が実質的に非晶状態にあるときの組成物−Iの23℃における密度を、ρ’は多層成形体における組成物−Iの23℃における密度を、並びにρは実質的に非晶状態にあるときの組成物−Iを220℃で30分間空気中において熱処理した後の組成物−Iの密度を表し、単位はいずれもg/cmである。
0.65≦(ρ’−ρ)/(ρ−ρ)≦0.85 (II)
かかる構成(3A)によれば、上記課題を解決し更に意匠性や質感にも優れた成形体、殊に好適にはオーブンでの加熱調理可能な耐熱容器が提供される。上記成形体においては、高度に結晶化していることから、成形体表面が平滑になりにくい。したがって成形体は光沢に欠け、その質感が低下しやすい。β層としてポリエチレンテレフタレートを成形体であるα層の上に設けて多層成形体とすることにより、成形体表面の結晶化は抑制され、成形体に光沢感が付与される。
また食品包装用のトレイにおいては食品へ異物混入を防ぐ目的で、トレイ開口部にはフィルム状の蓋がヒートシールに代表される方法で接合されるのが一般的である。かかる接合は、成形品表面が荒れていたり成形品の結晶化度が高くなるほど困難となりやすい。したがってかかる構成(3A)よれば、ヒートシールに代表される接合処理がより容易となった成形品が提供される。更にβ層はポリエチレンテレフタレート単体で十分にその機能が発揮されることから、衛生上の観点からもより有利な場合がある。例えば組成物−I中に回収材料を混入する場合に、β層を(特に両面側に)設けることは好ましい。
多層成形体におけるβ層のポリエチレンテレフタレート(X成分)は、上述の如く単体であることがより好ましいが、目的とする効果を損なわない範囲において従来公知の各種添加剤が含有されてもよい。特に離型剤としての脂肪酸エステル、並びに滑剤(アンチブロッキング剤)としてのシリカおよびカオリンなどの無機粒子などは好ましく含有される。脂肪酸エステルの量は100重量%のX成分中好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%、滑剤としての無機粒子は0.01〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.2重量%である。かかる脂肪酸エステルの製造に使用される脂肪族カルボン酸の原料となる油脂は、植物性油脂がより好ましい。かかる植物性油脂としては、パーム油、アマニ油、サフラワー油、ヒマワリ油、大豆油、トウモロコシ油、落花生油、綿実油、ゴマ油、およびオリーブ油などが例示される。
同様に上記成形体における組成物−Iにおいても離型剤としての脂肪酸エステルが配合されることが好ましく、その量は100重量%の組成物−I中好ましくは0.01〜1重量%、より好ましくは0.05〜0.5重量%である。
本発明の好適な態様の1つは、(4A)上記成形体は、実質的に非晶状態にある組成物−Iからなる層(α層)と該α層の少なくとも片面に形成されたポリエチレンテレフタレート(X成分)からなる層(β層)からなり、該α層とβ層との厚みの比(α/β)が(α層の両面にβ層が形成されている場合には、いずれのβ層においても)、α/β=99/1〜80/20の範囲である多層構造を有するシートを熱成形することにより製造された上記構成(3A)の多層成形体である。かかるシートの厚みは、一概に規定されるものではないが、間口が20cm以上の大型容器では0.5mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.7〜1.2mmの範囲であり、間口10cm以上20cm未満の中型容器では、0.3mm以上であることが好ましく、より好ましくは0.3〜0.6mmの範囲であり、更に間口10cm未満の小型容器では0.4mm以下であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.4mmの範囲である。
上記構成(4A)によれば、高い剛性、耐熱性および耐衝撃性を併有し、かつ質感にも優れた熱成形品、殊にオーブンでの加熱調理可能な耐熱容器が提供される。
本発明の別の態様は、(1B)上記組成物−Iを押出成形することにより実質的に非晶状態である組成物−Iからなる厚み0.2〜1mmのシートを製造する工程(工程I-1)、該シートを熱成形可能な状態に状態調節する工程(工程I-2)、状態調節されたシートを熱成形機に備えられた金型を用いて賦形すると共に上記式(I)を満足するまで金型内に保持し、組成物−I中のA成分の結晶化を進行させる工程(工程I-3)、並びにかかる結晶化後の成形体を金型より取り出す工程(工程I-4)からなる成形体の製造方法にかかるものである。
本発明の好適な態様の1つは、(2B)上記工程I-3における金型温度は150〜175℃の範囲であり、かつ金型への保持時間は2〜10秒の範囲である上記構成(1B)の製造方法である。
更に本発明の別の態様は、(3B)上記組成物−Iおよびポリエチレンテレフタレート(X成分)を共押出成形して、実質的に非晶状態にある組成物−Iからなる層(α層)と該α層の少なくとも片面に形成されたポリエチレンテレフタレート(X成分)からなる層(β層)からなり、該α層とβ層との厚みの比(α/β)が(α層の両面にβ層が形成されている場合には、いずれのβ層においても)、α/β=99/1〜80/20の範囲である、厚み0.2〜1mmの多層構造を有するシートを製造する工程(工程II-1)、該シートを熱成形可能な状態に状態調節する工程(工程II-2)、状態調節されたシートを熱成形機に備えられた金型を用いて賦形すると共に上記式(II)を満足するまで金型内に保持し、組成物−I中のA成分の結晶化を進行させる工程(工程II-3)、並びにかかる結晶化後の成形体を金型より取り出す工程(工程II-4)からなる多層成形体の製造方法にかかるものである。
本発明の好適な態様の1つは、(4B)上記工程II-3における金型温度は150〜175℃の範囲であり、かつ金型への保持時間は2〜10秒の範囲である上記構成(3B)の製造方法である。
かかる構成(1B)〜(4B)によれば、高い剛性、耐熱性および耐衝撃性を併有し、殊にオーブンにて加熱調理可能な耐熱容器が極めて効率的に生産されかつ低コストで提供される。
本発明の好適な態様の1つは、(5)上記成形体におけるA成分または多層成形体におけるX成分は、実質的にアンチモン化合物を含有しないポリエチレンテレフタレートである、(5A)上記構成(1A)〜(4A)の成形体、および(5B)上記構成(1 B)〜(4B)の製造方法である。
更に本発明の好適な態様の1つは、(6)上記A成分またはX成分はチタン化合物またはゲルマニウム化合物の重合触媒を用いて重合され、かつ該重合後に触媒失活処理がなされて製造されたポリエチレンテレフタレートである、(6A)上記構成(5A)の成形体、および(6B)上記構成(5B)の製造方法である。
かかる構成(5)および(6)によれば、成形体使用時におけるアンチモン化合物の溶出がないことから衛生的により優れ、更に熱安定性においてより優れた成形体が提供される。
本発明の好適な態様の1つは、(7)上記組成物−IにおけるB成分は、その炭素数4〜8のα−オレフィンが1−ブテンである、(7A)上記構成(1A)〜(6A)の成形体、および(7B)上記構成(1B)〜(6B)の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(8)上記組成物−IにおけるB成分は、その不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位の量が、共重合体全量に基づき0.1〜5重量%である、(8A)上記構成(1A)〜(7A)の成形体、および(8B)上記構成(1B)〜(7B)の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(9)上記組成物−IにおけるB成分は、炭素数4〜8のα−オレフィンから誘導される単位の割合が、エチレンおよびα−オレフィンから誘導される単位の合計100モル%中11〜19モル%である、(9A)上記構成(1A)〜(8A)の成形体、および(9B)上記構成(1B)〜(8B)の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(10)上記組成物−IにおけるB成分は、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、X線回折法によって測定される結晶化度が10%未満である、(10A)上記構成(1A)〜(9A)の成形体、および(10B)上記構成(1B)〜(9B)の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(11)上記組成物−IにおけるB成分は、(i)該B成分におけるα−オレフィンが1−ブテンであり、該1−ブテンから誘導される単位をエチレンおよび1−ブテンから誘導される単位の合計100モル%中11〜19モル%含有し、(ii)デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、(iii)ガラス転移温度が−50℃以下であり、(iv)X線回折法によって測定される結晶化度が10%未満であり、かつ(v)23℃における密度が0.865〜0.880g/cmの範囲である、(11A)上記構成(1A)〜(7A)の成形体、および(11B)上記構成(1B)〜(7B)の製造方法である。
本発明の好適な態様の1つは、(12)上記組成物−IにおけるB成分は、2種のエチレン・1−ブテンランダム共重合体の混合物からなり、その少なくとも1つの共重合体が不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位で変性され、かつ上記構成( 11)の条件を満足するものであって、第1のエチレン・1−ブテンランダム共重合体は、1−ブテンから誘導される単位を5〜15モル%含有し、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、ガラス転移温度が−50℃以下であり、X線回折法によって測定される結晶化度が40%未満であり、第2のエチレン・1−ブテンランダム共重合体は、1−ブテンから誘導される単位を16〜25モル%含有し、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、ガラス転移温度が−50℃以下であり、X線回折法によって測定される結晶化度が15%未満である、(12A)上記構成(11A)の成形体、および(12B)上記構成(11B)の製造方法である。
上記構成(7)〜(12)によれば、特に耐衝撃性に優れた成形体が提供される。即ち上述のとおり、上記好適なB成分が配合されることにより、A成分が高い結晶化度を有し、かつB成分の配合量が比較的少量であるときも、組成物−Iは良好な耐衝撃性を有する。その結果高い剛性、耐熱性および耐衝撃性を併有する成形体、特に耐熱容器が提供される。更にかかる特性によればより薄肉の成形体が提供される。更に成形体が高い結晶化度であるときも良好な耐衝撃性を有することは、特に成形体の結晶化度を安定化させることにも役立つ。即ち組成物の耐衝撃性が低い場合には、成形体における耐衝撃性を保持するために結晶化度を低い状態で熱固定する方法も取られるが、かかる方法においては結晶化度のバラツキが大きくなり、したがって成形体の品質のバラツキが大きくなりやすい。上記構成(7)〜(12)によれば、かかる点も解決された成形体、特に耐熱容器が提供される。
本発明の好適な態様の1つは、(13)上記C成分は粒径0.5〜20μmの無機微粒子(c1成分)を少なくとも含有し、その量はA成分とB成分との合計100重量部あたり、0.3〜2重量部である、(13A)上記構成(1A)〜(12A)の成形体、および(13B)上記構成(1B)〜(12B)の製造方法である。更に好適な態様の1つは、(14)上記C成分は、粒径0.5〜20μmの無機微粒子(c1成分)並びにB成分以外のポリオレフィン、脂肪酸金属塩および炭素数6〜30のグリコールから誘導される単位を有するポリエステルから選択された少なくも1種の成分(c2成分)からなり、A成分とB成分との合計100重量部あたり、c1成分の量は0.3〜2重量部であり、c2成分の量は0.1〜2重量部である、(14A)上記構成(13A)の成形体、および(14B)上記構成(13B)の製造方法である。特に好適な態様の1つは、(15)上記c2成分は、直鎖状低密度ポリエチレンである(15A)上記構成(15A)の成形体、および(15B)上記構成(15B)の製造方法である。
かかる構成(13)〜(15)によれば、より高い結晶化速度および結晶化度を有する成形体が提供される。特に構成(15)によれば、優れた結晶化速度を有し、短時間での熱処理によっても、十分な剛性および耐熱性を有する成形体が提供される。同様に優れた生産性の成形体が提供される。IV値の比較的高いポリエチレンテレフタレートと特定のエチレン系共重合体とからなる組成物において、直鎖状低密度ポリエチレンとタルクの如き無機微粒子との組合せが結晶性に著しく有効な作用をもたらすことは予想外の効果であった。
本発明を実施するに当り、工程I-1および工程II-1に関しては、一般的なTダイ製膜機を用いてシートを製造することが可能である。かかるTダイとしては、マニホールドダイ、フィッシュテールダイ、およびコートハンガーダイなどの通常シートの製造に使用される各種の構造のものが使用される。好ましくは、本発明に用いる各種添加剤を十分に分散させることが可能である同方向回転2軸スクリュ、および可塑化過程でポリマー中に残存する水分またはガス成分を脱気しIV値低下を防ぐ真空ベント孔を設置したバレルを備えたTダイ製膜機である。また工程II-1における積層された多層シートの製造方法としては、タンデム式押出方法および共押出方法などが例示され、中でも層間密着に優れる点から共押出方法が好ましい。ダイ内部で溶融樹脂を合流させる方式として、マルチマニホールドダイ式、フィードブロックダイ式、およびスタックプレートダイ式のいずれも選択できる。
本発明の効果を得るためには、工程I-1および工程II-1で得られたシートは非晶状態である必要がある。肉厚0.8mm以上のシートでは製膜過程での冷却速度の低下によって、シートの結晶化が進行してしまう場合がある。かかる場合には、冷却ロールに冷却媒体を流す、複数の冷却ロールで冷却する、および冷却エアーを吹き付けるなどの手法でシートの冷却速度を向上させる必要がある。
工程I-2およびII-2、並びに工程I-3およびII-3においては、公知の熱成形機または公知の原理を使用して成形することが可能である。具体的には、工程I-2およびII-2の状態調整方法としては、熱板接触による加熱方法、並びに電熱線や赤外線ヒーターなどのヒーターによる間接加熱方法などによって加熱し、成形可能である状態まで軟化させる方法が例示される。またシートの面方向および肉厚方向に均一に加熱する目的で、局所ヒーターの設置およびその調整、並びに空冷しながらの加熱などの手法を採用することができる。状態調整の温度としては、成形品形状などにより変化するため一概には規定できないが、本発明のシートが工程I-2およびII-2で結晶化しない範囲に加熱する必要がある。過剰に加熱すると工程I-2およびII-2で結晶化が進行し工程1-3およびII-3でシートは金型への賦型不良を生ずる。工程I-3およびII-3においてシートを金型形状に賦型し更には金型内に保持し結晶化を進める工程においては、通常の熱成形用金型を使用することができる。かかる工程において本発明の効果を得るためには金型温度を上記のように150〜175℃の範囲で温度調整を行うことが好ましい。
また本発明の効果である耐衝撃性と耐熱性の両者を発現させるには、上述の式(I)および(II)に示される成形品の結晶化の指標が0.65〜0.85の範囲、好ましくは0.7〜0.8の範囲であることが必要である。上述の式(I)および(II)に示される結晶化の指標が0.65以下の場合、結晶化が不足しているため耐熱性が発現しない。一方上述の式(I)および(II)に示される結晶化の指標が0.85以上の場合、結晶化が過剰に進んでいるため耐衝撃性が低下する。そのため工程I-3およびII-3における金型温度および金型接触時間を調整し、上述の式(I)および(II)に示される結晶化の指標を式の範囲に調整する必要がある。
成形に用いられる具体的な金型としては、雌型、雄型、合わせ型、およびプラグつき金型などが例示される。またシートを金型形状に賦型させる手段としては、機械的な圧縮、真空による吸引、および圧空による押出しなどが例示される。かかる成形法は、より具体的には、それぞれストレート成形法、リバースドロー成形法、プラグアシスト成形法、プラグアシストリバースドロー成形法、ドレープ成形法、エアスリップ成形法、マッチモールド成形法、および接触加熱式圧空成形法などが例示される。かかる成形方法を所望の成形品形状に合わせて選択することができる。
工程I-4およびII-4の成形品を取り出す過程では、工程I-3およびII-3で用いた高温の金型から成形品を取り出す方法、および工程I-3およびII-3の高温金型から冷却された金型に成形品を移し、シートを該金型形状に賦型させて成形品を冷却せしめた後取り出す方法が例示され、いずれの方法も好適に利用することができる。
なお上記工程I-1および工程II-1において、組成物−Iを押出機に供給する方法として、各種成分を予め公知の方法で溶融混練してから供給する方法、PETからなるベースポリマーに各成分を高濃度で含有するマスターバッチを作成したうえでかかるマスターバッチを混合し供給する方法、並びに固体状の各成分をドライブレンドした状態で供給する方法などが例示される。
以下、本発明の詳細について説明する。
(ポリエチレンテレフタレートについて)
本発明のA成分またはX成分において使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであって、そのジカルボン酸成分100モル%中、テレフタル酸成分を80モル%以上(好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上)含有し、そのジオール成分100モル%中、エチレングリコール成分を80モル%以上(好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上)含有してなるポリエステルである。ここで、ジカルボン酸成分(もしくはテレフタル酸成分)とは、PETのジカルボン酸(もしくはテレフタル酸)またはそのエステル形成性誘導体に由来する構成単位を示し、またジオール成分(もしくはエチレングリコール成分)とは、PETのジオール(エチレングリコール)またはそのエステル系形成性誘導体に由来する構成単位を示す。
本発明のPETは、テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分を含有することができる。かかるジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、およびジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、およびデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、並びにシクロヘキサンジカルボン酸の如き脂環式ジカルボン酸などが挙げられる。
本発明のPETは、エチレングリコール成分以外のジオール成分を含有することができる。かかるジオールとしては、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、およびドデカメチレングリコールなどの脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノールの如き脂環式ジオール、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、パラキシレングリコール、およびビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール、並びにビスフェノール類およびハイドロキノンなどの二価フェノールが挙げられる。
本発明のPETの重縮合は、従来公知の各種方法が採用される。例えば次のような方法が例示される。まず、テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、エチレングリコールまたはそのエステル形成性誘導体とを含むスラリーが調製される。かかるスラリーは、テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体1モルに対して、1.02〜1.4モル好ましくは1.03〜1.3モルのエチレングリコールを主成分とするジオールまたはそのエステル形成性誘導体を含むように調整される。かかるスラリーは、エステル化反応工程に連続的に供給される。エステル化反応は、少なくとも2個のエステル化反応器を直列に連結した装置を用いてエチレングリコールが還流する条件下で、反応によって生成した水を精留塔で系外に除去しながら実施される。エステル化反応を行なう際の反応条件において、第1段目のエステル化反応の温度は通常240〜270℃(好ましくは245〜265℃)であり、その圧力は通常2〜30kPa(好ましくは5〜20kPa)である。また最終段目のエステル化反応の温度は通常250〜280℃(好ましくは255〜275℃)であり、その圧力は通常0〜15kPa(好ましくは0〜13kPa)である。したがって、エステル化反応を2段階で実施する場合には、第1段目および第2段目のエステル化反応条件がそれぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終段の1段前までエステル化反応の反応条件は、上記第1段目の反応条件と最終段目の反応条件の間の条件である。例えば、エステル化反応が3段階で実施される場合には、第2段目のエステル化反応の反応温度は通常245〜275℃(好ましくは250〜270℃)であり、圧力は通常0〜20kPa(好ましくは2〜15kPa)である。
エステル化反応の反応率は、それぞれの段階においては、とくに制限はないが、各段階におけるエステル化反応率の上昇と度合が滑らかに分配されることが好ましく、さらに最終段目のエステル化反応生成物においては通常90%以上、好ましくは93%以上に達することが望ましい。以上のエステル化工程によりエステル化物 (低次縮合物)が得られ、このエステル化物の数平均分子量は、通常500〜5,000である。
かかるエステル化反応はテレフタル酸を主成分とするジカルボン酸およびエチレングリコールを主成分とするジオール並びにこれらのエステル形成性誘導体以外の添加物を添加せずに実施することも可能であり、また後述する重合触媒の共存下に実施することも可能である。さらにエステル化反応はトリエチルアミン、トリn−ブチルアミン、およびベンジルジメチルアミンなどの第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラn−ブチルアンモニウム、および水酸化トリメチルベンジルアンモニウムなどの水酸化第4級アンモニウム、並びに炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、および酢酸ナトリウムなどの塩基性化合物の少なくともいずれかを少量添加して実施するとPET主鎖中のジオキシエチレンテレフタレート成分単位の割合を比較的低水準に保持できるので好ましい。
次いで得られたエステル化物は、重合触媒の存在下に減圧下で、得られるポリエチレンテレフタレートの融点以上の温度に加熱し、この際生成するグリコールを系外に留去させて重縮合する液相重縮合工程に供給される。このような液相での重縮合反応は、1段階で行なっても、複数段階に分けて行なってもよい。複数段階で行なう場合の重縮合反応条件においては、第1段階目の重縮合の反応温度は通常250〜290℃(好ましくは260〜280℃)、およびその圧力は通常65〜2kPa(好ましくは25〜4kPa)であり、また最終段階の重縮合反応の温度は通常265〜300℃(好ましくは270〜295℃)、およびその圧力は通常1.3〜0.01kPa(好ましくは0.7〜0.05kPa)である。重縮合反応を2段階で実施する場合には、第1段目および第2段目の重縮合反応条件はそれぞれ上記の範囲であり、3段階以上で実施する場合には、第2段目から最終段目の1段前までの重縮合反応の反応条件は上記1段目の反応条件と最終段目の反応条件との間の条件である。たとえば、重縮合反応が3段階で実施される場合には、第2段目の重縮合反応の反応温度は通常260〜295℃(好ましくは270〜285℃)、およびその圧力は通常6.5〜0.2kPa(好ましくは5.5〜0.6kPa)の範囲である。
これらの重縮合反応工程の各段階において到達される対数粘度値(IV値)はとくに制限はないが、各段階におけるIV値の上昇の度合が滑らかに分配されることが好ましい。さらに最終段目の重縮合反応器から得られるPETのIV値は通常0.35〜0.80dl/g、好ましくは0.45〜0.75dl/g、さらに好ましくは0.55〜0.75dl/gの範囲である。本明細書においてIV値は、PET1.2gをo−クロロフェノール15cm中に加熱溶解した後、冷却して25℃で測定された溶液粘度から算出される。また重縮合反応工程後に得られたPETの密度は、1.33〜1.35g/cmであることが好ましい。本発明において、PETの密度は、JIS K7112のD法に準拠した硝酸カルシウム溶液を用いた密度勾配管法により、23℃の温度で測定される。
上記のような重縮合反応は重合触媒および安定剤の存在下に実施されることが好ましい。かかる重合触媒としては、二酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、およびゲルマニウムテトラn−ブトキシドなどのゲルマニウム化合物、三酸化アンチモンの如きアンチモン化合物、並びにチタニウムテトラブトキサイドの如きチタン化合物が例示され、いずれもPETの重合触媒として広く知られている。これらの触媒の中で、上述の如くアンチモン化合物を触媒としたPETはその衛生性に劣ることから、ゲルマニウム化合物およびチタン化合物が重合触媒として好ましく使用される。殊に二酸化ゲルマニウム化合物は、生成するPETの色相および透明性が優れるので好ましい。また、安定剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリn−ブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、およびトリクレジルホスフェートなどの燐酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリスドデシルホスファイト、およびトリスノニルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル類、メチルアシッドホスフェート、イソプロピルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブチルホスフェート、およびジオクチルホスフェートなどの酸性リン酸エステル、並びにリン酸やポリリン酸などのリン酸に例示される各種のリン化合物が用いられる。
ジカルボン酸成分およびジオール成分の合計量100重量%中、触媒は触媒中の金属の重量として通常0.0005〜0.2重量%(好ましくは0.001〜0.05重量%)の範囲で使用され、また安定剤は安定剤中のリン原子の重量として通常0.001〜0.1重量%(好ましくは0.002〜0.02重量%)の範囲で使用される。これらの触媒および安定剤の供給方法は、エステル化反応工程の段階において供給することもできるし、重縮合反応工程の第1段目の反応器に供給することもできる。
本発明で用いられるPETには、上述のようにテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分やエチレングリコール成分以外のジオール成分が各々20モル%以下の量で含まれていてもよい。特に好ましく用いられるPETは、エチレンテレフタレート単位の含有率が、95.0〜99.0モル%(より好ましくは97.5〜99.0モル%)の範囲にあり、ジオキシエチレンテレフタレート単位の含有率が、1.0〜5.0モル%(好ましく1.0〜2.5モル%)の範囲にあることを満足する。このようにして、最終重縮合反応器から得られたPETは、通常、溶融押出成形法によって粒状(チップ状)に成形される。このような粒状PETは、通常2.0〜5.0mm(好ましくは2.2〜4.0mm)の平均粒径を有することが望ましい。このようにして液相重縮合工程を経た粒状PETは、更に固相重縮合工程が加えられる。
固相重縮合工程に供給される粒状PETは、予め固相重縮合を行なう場合の温度より低い温度に加熱して予備結晶化を行なった後、固相重縮合工程に供給されてもよい。かかる予備結晶化工程としては、例えば、粒状PETを乾燥状態で通常120〜200℃(好ましくは130〜180℃)の温度に1分〜4時間加熱する方法、あるいは粒状PETを、水蒸気、水蒸気含有不活性ガス、あるいは水蒸気含有空気などの雰囲気下において、通常120〜200℃の温度に1分間以上加熱する方法などが例示される。
かかる粒状PETが供給される固相重縮合工程は、少なくとも1段からなり、その重縮合温度は通常190〜230℃(好ましくは195〜225℃)、その圧力は通常、常圧〜1kPa(好ましくは常圧〜10kPa)、並びにその雰囲気は窒素ガス、アルゴンガス、炭酸ガスなどの不活性ガス雰囲気の条件下で実施される。これらの不活性ガスの中では窒素ガスが好ましい。
かくして得られたPETにおいて、組成物−IのA成分たるPETのIV値は、0.85〜1.4dl/gであり、好ましくは0.95〜1.2dl/gである。かかるPETのIV値が0.85g/dl未満である場合には、成形体の低温下での耐衝撃性に劣り、殊に耐熱食品容器で求められる特性を満足しないため好ましくない。かかるIV値が1.4dl/gを超える場合には、耐衝撃性が飽和する一方で溶融成形性の悪化が顕著になりやすい。
一方、X成分たるPETのIV値は、好ましくは0.7〜1.4dl/gであり、より好ましくは0.85〜1.2dl/gである。X成分においては、ジカルボン酸成分またはジオール成分の共重合量が75モル%以上の場合、得られるポリエステルの結晶性が不足し、オーブン加熱を行った場合にX成分で構成されたスキン層が溶融するため、その使用が困難となりやすい。またX成分に使用するPETのIV値が0.7dl/g未満の場合、得られた成形品の耐衝撃性が低下しやすくなる。
更に固相重縮合工程を経て得られた粒状PETには、水処理または水蒸気処理などの触媒失活処理が行われることが好ましい。かかる処理のなされたPETは改良された溶融熱安定性を有するようになる。かかる水蒸気処理は、粒状PETを水蒸気、水蒸気含有不活性ガス、または水蒸気含有空気などと接触させることにより行なわれる。かかる水蒸気または水蒸気含有ガスとの接触は、通常70〜150℃(好ましくは70〜110℃)の温度の水蒸気、水蒸気含有不活性ガス、あるいは水蒸気含有空気を、好ましくは粒状PET1kg当り、水蒸気量0.5g以上の割合で粒状PETと通常5分間〜10時間接触させることにより行なわれる。一方、水処理とは水との接触、より好適にはPETを50〜110℃の熱水に3分間〜5時間、好ましくは5分間〜3時間浸漬することにより行われる。
(B成分について)
本発明のB成分は、不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体(このB成分の説明において“酸単量体”と称する場合がある)から誘導される単位で変性された、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンの共重合体である。以下、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンの共重合体を単にエチレン・α−オレフィン共重合体と称する場合がある。かかる酸単量体の含有量は、共重合体全量に基づき好ましくは0.1〜5重量%、より好ましくは0.2〜4重量%、更に好ましくは0.3〜3重量%である。酸単量体の含有量が上記範囲を超えて少ないとPET樹脂との親和性が低下し、本発明の成形品の特徴である耐衝撃性が低下し、逆に含有量が上記範囲を超えて多い場合、組成物の溶融熱安定性の低下またはゲル状未溶融物の発生などが生じる。
不飽和カルボン酸の誘導体からなる官能基としては、カルボキシル基の水酸基を(i)金属イオンで置換した金属塩(キレート塩を含む)、(ii)塩素原子で置換した酸塩化物、(iii)−ORで置換したエステル(Rは一価の炭化水素基)、(iv)−O(CO)Rで置換した酸無水物(Rは一価の炭化水素基)、(v)−NRで置換したアミド(Rは水素または一価の炭化水素基)、(vi)2つのカルボキシル基の水酸基を=NRで置換したイミド(Rは水素または一価の炭化水素基)等、を挙げることができる。特に好ましいのは酸無水物である。
酸単量体から誘導される単位が結合する位置には特に限定はなく、共重合体を構成する任意の炭素原子に結合することができる。B成分の共重合体の製造方法としては、従来公知の各種の方法を取ることができる。例えば、(a)酸単量体、エチレン、および炭素数4〜8のα−オレフィンを共重合する方法、並びに(b)エチレン・α−オレフィン共重合体に対して酸単量体を結合または共重合する方法等が挙げられる。
上記(a)の共重合においては、ランダム共重合体の他に交互共重合体、ブロック共重合体、およびテーパード共重合体等の各種形態を取ることができる。また共重合の方法においても溶液重合、懸濁重合、塊状重合等のラジカル重合法の他、リビング重合法の如き各種重合方法をとることができる。さらに一旦マクロモノマーを形成した後重合する方法も可能である。
上記(b)の方法としては、一般的にはエチレン・α−オレフィン共重合体に必要に応じて、パーオキサイドや2,3−ジメチル−2,3ジフェニルブタン(通称ジクミル)等のラジカル発生剤を加えて、高温化で反応または共重合する方法が代表的に例示される。かかる方法はエチレン・α−オレフィン共重合体に熱的に反応活性点を生成させ、かかる活性点に反応する化合物を反応させるものである。反応に要する活性点を生成するその他の方法として、放射線や電子線の照射、並びにメカノケミカル手法による外力の付与等の方法も挙げられる。さらに活性点を生成するとしては、エチレン・α−オレフィン共重合体中に予め反応に要する活性点を生成する単量体を共重合しておく方法も挙げられる。反応のための活性点としては不飽和結合、パーオキサイド結合、および立体障害が高く熱的に安定なニトロオキシドラジカル等を挙げることができる。
更に他の方法としては、(c)エチレン・α−オレフィン共重合体に、別途作成された酸単量体並びにエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンからなる共重合体をグラフトさせる方法も例示される。かかる場合にいずれかの重合体を上記の活性点を有する重合体として、他方の主鎖となる重合体にグラフトさせる方法も例示される。
尚、上記のいずれの製造方法においても、得られる重合体は酸単量体から誘導される成分を含有する重合体と含有しない重合体との混合物となり得る。したがって上記の酸単量体の含有量を満足する範囲において、上記の如く酸単量体を含んで製造された重合体と、別途酸単量体を含有することなく製造されたエチレン・α−オレフィン共重合体とを混合し、B成分としてもよい。
上記酸単量体としては、例えば、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドラフラン酸、イタコン酸、およびナジック酸などの不飽和カルボン酸を挙げることができる。また誘導体としては、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、およびグリシジルマレエートなどが例示される。これらの中で不飽和ジカルボン酸またはその無水物が好適であり特にマレイン酸、ナジック酸、無水マレイン酸および無水ナジック酸が好適であり、中でも無水マレイン酸が好適である。
また、炭素数4〜8のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、および1−オクテンなどが例示される。これらの中でも特に1−ブテンが好適である。
更に本発明のB成分は、少量であれば、他の共重合可能な化合物、例えばシアン化ビニル化合物、ジエン化合物、および上記以外のオレフィン等を共重合成分として使用しても差し支えない。これらの共重合成分の含有量は、共重合体全量に基づき好ましくは3重量%以下である。
上記の如く、本発明のB成分においてエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレン・1−ブテン共重合体が最も好ましい。更にB成分は上述の構成(11)で示した如く次の要件(i)〜(v)を満足することが好ましい。即ち、(i)該B成分におけるα−オレフィンが1−ブテンであり、該1−ブテンから誘導される単位をエチレンおよび1−ブテンから誘導される単位の合計100モル%中11〜19モル%含有し、(ii)デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、(iii)ガラス転移温度が−50℃以下であり、(iv)X線回折法によって測定される結晶化度が10%未満であり、かつ(v)23℃における密度が0.865〜0.880g/cmの範囲であることを満足するB成分が好ましい。
更に好適なB成分は、上述の構成(12)で示した如く、2種のエチレン・1−ブテンランダム共重合体の混合物からなり、その少なくとも1つの共重合体が酸単量体から誘導される単位で変性され、かつ上記構成(11)の条件を満足するものであって、第1のエチレン・1−ブテンランダム共重合体は、1−ブテンから誘導される単位を5〜15モル%含有し、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、ガラス転移温度が−50℃以下であり、X線回折法によって測定される結晶化度が40%未満であり、第2のエチレン・1−ブテンランダム共重合体は、1−ブテンから誘導される単位を16〜25モル%含有し、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、ガラス転移温度が−50℃以下であり、X線回折法によって測定される結晶化度が15%未満であることを満足するものである。より好適なB成分はかかる混合物においていずれか1の共重合体のみが酸単量体で変性された態様であり、更に好適なB成分は、上記の第2のエチレン・1−ブテンランダム共重合体が酸単量体で変性された態様である。上記の混合物における変性されていない共重合体と酸単量体で変性された共重合体との重量比は、好ましくは10/90〜95/5、より好ましくは15/85〜50/50である。
上記のようなエチレン・1−ブテン共重合体は、公知のバナジウム系触媒またはメタロセン系触媒を用いて製造することができる。
(C成分について)
本発明に用いられる結晶核剤(C成分)は、PETに対する核剤作用を有し、その配合により結晶化が促進され、その結果組成物の結晶化速度が増加する。具体的にはより低温およびより短時間で非晶状態から結晶状態へ転移することが可能となるが、この現象を評価する手法としてはDSC分析による昇温時の結晶化ピーク温度によって比較することが可能である。即ち、結晶化ピーク温度が低温側に移行するほど、結晶化速度は高まるといえる。結晶核剤効果が認められる物質としては、(i)無機化合物としてグラファイト、カーボンブラック、酸化マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、炭酸カルシウム、および炭酸マグネシウムなどが例示され、(ii)天然鉱物粒子としてタルクおよびカオリンなどが例示され、並びに、(iii)有機化合物としては有機カルボン酸のアルカリ(土類)金属塩、カルボキシル基含有重合体のアルカリ(土類)金属塩、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、およびポリメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール誘導体が主鎖を構成する成分の一部であるポリエステル、並びに数平均炭素数2〜6個のオレフィンモノマー(6個を超えるオレフィンモノマーを含有できる)より誘導された繰り返し単位を有するポリオレフィン類が例示される。かかるポリオレフィン類としては、具体的には低密度ポリチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン、およびポリメチルペンテンなどが例示され、中でも直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。
上述のとおり、本発明に用いる好適な結晶核剤は、粒径0.5〜20μmの無機微粒子(c1成分)を少なくとも含有し、その量はA成分とB成分との合計100重量部あたり0.3〜2重量部(より好ましくは0.5〜1.5重量部)である。更に好適な結晶核剤は、粒径0.5〜20μmの無機微粒子(c1成分)並びにB成分以外のポリオレフィン、脂肪酸金属塩および炭素数6〜30のグリコールから誘導される単位を有するポリエステルから選択された少なくも1種の成分(c2成分)からなり、A成分とB成分との合計100重量部あたり、c1成分の量は0.3〜2重量部(より好ましくは0.5〜1.5重量部)であり、c2成分の量は0.1〜2重量部(より好ましくは0.8〜1.8重量部)である。
上記c1成分として好適な無機微粒子としては、カオリンおよびタルクが例示され、かかる粒子径はより好適には1〜5μmである。かかる粒子径は、液相沈降法の1つであるX線透過法で測定されたD50(粒子径分布のメジアン径)をいう。かかる測定を行う装置の具体例としてはマイクロメリティックス社製Sedigraph5100などを挙げることができる。ここで粒子径0.5〜20μmの範囲では、良好な結晶化効果が得られる。更にc1成分の無機微粒子は、極度に高い酸性またはアルカリ性を呈しないものが好ましい。c1成分の無機微粒子のpH値は好ましくは4〜11の範囲、より好ましくは5〜10の範囲である。
上記c2成分としては、酸単量体で変性されていない直鎖状低密度ポリエチレン(以下“LLDPE”と称する場合がある)が最も好適である。かかるLLDPEは、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体であり、エチレン87〜98モル%(好ましくは90〜97モル%)と他のα−オレフィン2〜13モル%(好ましくは3〜10モル%)からなる。かかるLLDPEの密度は0.905〜0.940g/cm(好ましくは0.91〜0.935g/cm)であり、そのASTM D−1238、190℃、荷重2140gで測定したメルトインデックスは好ましくは0.1〜15g/10分、より好ましくは0.2〜5g/10分の範囲である。LLDPEにおける他のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、および4−メチル−1−ペンテンなどが好適に例示される。かかるα−オレフィンの好ましい炭素数は4〜20、より好ましい炭素数は4〜8である。更に、α−オレフィン以外の共重合可能な成分、例えば酢酸ビニル、アクリル酸エチル、およびメタクリル酸メチルなどが5モル%以下の割合で共重合されていてもよい。LLDPEは、公知のチーグラー触媒、フィリップス触媒、およびメタロセン触媒を用いて、溶液重合、スラリー重合、および気相重合などの重合法により製造されることができる。特にメタロセン触媒を用いて気相重合法により製造されたLLDPEが好ましい。
本発明の樹脂組成物および成形品は、本発明の効果を失わない範囲で、着色剤、安定剤および帯電防止剤などの機能性添加剤を配合することが可能である。更には成形品表面に導電剤、帯電防止剤、およびアンチブロッキング剤等を塗布することも可能である。更に他の表面処理、例えば蒸着(物理蒸着、化学蒸着など)、メッキ(電気メッキ、無電解メッキ、溶融メッキなど)、塗装、コーティング、および印刷などを行うこともできる。
本発明の成形体は、該成形体を構成する樹脂組成物が高結晶化速度を有することにより高い生産性を有し、該成形体が高い結晶化度を満足することにより高剛性および良好な耐熱性を有し、更に良好な耐衝撃性をも有する、PET樹脂組成物からなる成形体である。殊にかかる樹脂組成物からなり実質的に非晶状態であるシートを熱成形し製造される成形体は、オーブン加熱可能な耐熱容器を提供することが可能である。したがって、その奏する工業的効果は格別なものである。
本発明者らが現在最良と考える本発明の形態は、前記の各要件の好ましい範囲を集約したものとなるが、例えば、その代表例を下記の実施例中に記載する。もちろん本発明はこれらの形態に限定されるものではない。
以下、実施例により本発明を詳述する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例中の各種特性の測定は、以下の方法によった。原料は以下の原料を用いた。
(I)評価方法
(1)耐衝撃性
後述される方法により作成された熱成形品より60mm×60mmの試験片を切り出し、(株)島津製作所製高速衝撃試験機HTM−1型を使用し、ポンチ直径12.7mm(先端半球の半径6.35mm)、打ち抜き速度4.3m/sec、および試験片温度−40℃の条件において打ち抜き衝撃試験を行い、その破壊までに消費された破壊エネルギーを各試験片の厚みで除することにより単位厚み当たりの耐衝撃値(J/mm)を求めた。尚、−40℃の測定は次のように行った。ポリエチレンビーズの充填されたステンレス容器を準備し、かかるビーズ中に試験片を埋めた。これは熱伝導の偏りによる影響を低減するためである。このステンレス容器を−40℃の冷凍庫に保管し、試験片を−40℃とした。試験時には冷凍庫から試験片をすばやく取出し、衝撃試験機に装着し、試験を実施した。試験片の温度がほぼ−40℃の状態で試験されていることはサーモグラフィーにより確認した。
(2)式(I)および(II)で示される結晶化の指標
後述される方法により作成された熱成形品より試験片を切り出し、JIS K7112のD法に準拠して、硝酸カルシウム溶液を用いた密度勾配管法により、23℃における密度を測定した。ここでρは、熱成形前のシートから切り出された試験片を用いて測定された。かかるρは、いずれのサンプルにおいても、試験片を窒素置換されたアンプルに入れて300℃程度にボイドを含まないよう均一に加熱して溶融し、該アンプルを液体窒素に浸漬して溶融物を急冷し、得られた試験片の密度を測定する方法において同じ値を示すことから、実質的に非晶状態にあるときの密度であるとした。ρは成形体より切り出された試験片を用いて測定された。ρは熱成形前のシートを220℃で30分間、熱風乾燥機を用いて空気中において熱処理した後、該シートより切り出された試験片を用いて測定した。更にρ’は、成形体表面のPET層を削って、組成物−Iのみからなる試験片を切り出し、該試験片の密度を測定することにより算出された。得られたρ、ρ、およびρ、並びにρ’から、下式の結晶化の指標を求めた。
(単層の場合:実施例1および2、比較例1〜9)
(結晶化の指標)=(ρ−ρ)/(ρ−ρ
(多層の場合:実施例3および4)
(結晶化の指標)=(ρ’−ρ)/(ρ−ρ
(3)剛性測定
後述される方法により作成された熱成形品より試験片を切り出し、恒温槽つき引張試験機((株)島津製作所製 オートグラフAG5000A)にて220℃雰囲気下での20mm/minの試験速度にて引張試験を行い、歪み0の点における応力−歪み曲線の接線から引張弾性率(MPa)を測定した。
(4)結晶化速度
前述の方法で作成されたシートから試験片を切り出し(多層シートの場合はシート表面のPET層を削って、組成物−Iのみからなる試験片を切り出した)、JIS K−7121に準拠するDSC測定法(昇温速度10℃/min)により結晶化ピーク温度を計測し、結晶化速度の目安とした。
(5)耐熱性
後述される方法により成形された成形品を220℃に設定した強制通風循環式オーブン内に30分間保管し、成形品の変形状態を目視観察にて評価した。変形の認められるものを×、変形の認められないものを○とした。
表に記載された符号の各原料は下記のとおりである。
(A成分)
PET−1(比較用):ゲルマニウム化合物の重合触媒を用いて重合されたIV値0.74のポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人化成(株)製、TR−8550T(商品名))
PET−2(比較用):ゲルマニウム化合物の重合触媒を用いて重合されたIV値0.83のポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人化成(株)製、TR−8580H(商品名))
PET−3:ゲルマニウム化合物の重合触媒を用いて重合されたIV値0.65のポリエチレンテレフタレート樹脂をバッチ式のタンブラー型固相重合設備を用いて固相重合されたIV値1.03のポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人化成(株)製、TR−PA(商品名))
(B成分)
B−1(比較用):無水マレイン酸変性エチレン・プロピレン共重合体樹脂(三井化学(株)製、タフマーMP0610(商品名))
B−2:上述の構成(12)に示された条件を満足する無水マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体樹脂(三井化学(株)製、タフマーMH0710(商品名))
B−3:無水マレイン酸変性水素添加(スチレン−ブタジエン)共重合体樹脂(シェル社製、クレイトンFG1901X(商品名))
(C成分)
C1−1:タルク(林化成(株)製、タルカンパウダーPK−NN(商品名))
C2−1:密度0.923g/cmのメタロセン触媒を用いて製造された直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(三井・住友ポリオレフィン(株)製、EVOLUE SP−2510(商品名))
C2−2:ポリ(テトラメチレンオキサイド)グリコールとポリブチレンテレフタレートとの共重合よりなるポリエステルエラストマー(帝人化成(株)製、ヌーベランB4032AN(商品名))
(熱成形用シートの製造)
評価を実施するための熱成形用多層シートを、多層シート用共押出機を用いて製造した(実施例3および4)。かかる共押出機は、コア層用としてスクリュ径105mmのベント付2軸押出機ユニットを、およびスキン層用としてスクリュ径65mmのベント付2軸押出機ユニットを備えていた。それぞれの押出機ユニットから溶融混練されて送り出された溶融樹脂を、ダイ内で合流し2種3層の積層構造とした後Tダイより吐出した。Tダイより吐出された溶融樹脂を、エアギャップ100mmを有して配置された2本の冷却ロール間を通過させて冷却し、実質的に延伸することなく引取りしてシート厚み0.7mm、シート幅1000mmの多層シートを得た。ここで冷却ロールは40℃に温度調整し、冷却不足によるシートの結晶化を防止した。さらにベント付2軸押出機ユニットのベント吸引度はいずれも約10kPaとし各原料中に含まれる水分を真空に減圧されたベントより脱気しPET樹脂の加水分解を防止した。各原料を押出機に供給するに当たり、予め配合された原料をV型ブレンダーを用いて均一に混合した後、ベルト式定量供給機を用いて押出機に供給した。押出機の運転条件は、バレル温度約270℃、Tダイ温度約280℃、コア層用押出機の吐出量560Kg/h、およびスキン層用押出機の吐出量140Kg/hとし、スキン層/コア層/スキン層の厚み比は1/8/1とした。尚、実施例中で単層構成のシートを得る場合は、スキン層押出機およびコア層押出機に同一の原料を投入し単層構成のシートを製造した(実施例1および2、並びに比較例1〜9)。
(熱成形方法)
上記の方法により作成された熱成形用多層シートをMD方向に平行な長さ300mmおよびその直角方向の幅200mmの大きさに切り出し、(株)成和テクニカ製真空成形機を用いて真空成形を行い、その成形性を評価した。
状態調節工程(上述の工程I-2およびII-2)ではかかる真空成形機の上下に設置された最大出力18kWのクォーツヒーターを各9本取り付けたヒーターボックスにより、出力30%で28秒加熱しシートを成形可能となる状態まで加熱し軟化させた。金型への賦型の工程(上述の工程I-3およびII-3)では、幅17cm、横13cm、高さ3.5cmの箱状雌型の金型を用いた。かかる金型は埋め込み型カートリッジヒータにて160℃に温度調整された。加熱により軟化されたシートをかかる金型に密着させ金型内部に設けられた真空孔から瞬時に金型内の空気を脱気することより金型にシートを密着させ賦型した。金型に密着させている時間をタイマーにて調整することより結晶化度を調整した。実施例および比較例における金型密着時間はいずれも10秒間とした。次に成形品の取り出し工程(上述の工程I-4およびII-4)は、金型に設けられた真空孔に逆に50KPaの圧空を導入し離型させ成形品を取り出した。
評価結果を下記表1〜2に示す。
Figure 2005298595
Figure 2005298595
上記表から次のことが明らかである。実施例1および2と比較例1および2との比較から、成形品の結晶化が式(I)を満足しない場合には、220℃における耐熱試験において変形が生じ、オーブンでの加熱調理に耐える十分な耐熱性を有していないことがわかる。一方、実施例1および2の組成物は、結晶核剤としてタルクとポリオレフィンまたは炭素数6〜30のグリコールから誘導される単位を有するポリエステルとを併用することにより、結晶化温度が低下しより高い結晶化速度を有する。かかる結晶化速度により同一の熱成形条件においても本発明の式(I)を満足する十分な結晶化を有する熱成形品が得られていることが分かる。
実施例1および2と比較例3および4との比較から、組成物−Iにおける成分AのPETのIV値が不十分な場合には、結晶化は十分である一方、低温における耐衝撃性が不十分となることが分かる。かかる耐衝撃性の不足は、容器が冷凍保管および搬送された際の容器の割れを生じ、容器に求められる特性を満足していない。
実施例1および2と比較例5〜8との比較から、B成分の量が適切な範囲にあることが耐熱性や耐衝撃性において重要であること、並びに他のB成分に類似する成分ではB成分を含有する際の特性(特に耐衝撃性)が得られないことが分かる。
また実施例3および4の多層シートより熱成形させた容器は、単層シート品に比較して良好なヒートシール特性を有していた。
以上より明らかなように、本発明の成形体は従来技術にはない優れた耐熱性、剛性、および耐衝撃性を有し、更にその生産性にも優れる。かかる特性により本発明の成形体はオーブンでの加熱調理がされ得る耐熱容器に特に好適である。更に本発明の成形体は、その特性を活かし、各種の輸送用容器、冷凍保存用容器、部品搬送用容器(特に工場内で使用される製造工程内搬送用の容器)、商品展示用容器、熱源カバー(エンジンや高輝度ランプ周囲のカバーなど)、並びに車両用のホイールカバーなどにおいても好適に利用可能である。
実施例において成形した耐熱容器を示す。該容器はシートを熱成形後に打ち抜き処理を行い所定の形状とした。[1−A]は正面図を示し、[1−B]は側面図を示す。
符号の説明
1 耐熱容器本体(厚み0.7mm)
2 耐熱容器の底面部分
3 耐熱容器の上部縁部分
4 耐熱容器の短辺部側面
5 耐熱容器の底面部長さ(160mm)
6 耐熱容器の間口長さ(170mm)
7 耐熱容器の上部縁部分幅(15mm)
8 耐熱容器の底面部分幅(120mm)
9 耐熱容器の間口幅(130mm)
10 耐熱容器の上部縁部分幅(15mm)
11 耐熱容器の深さ(35mm)

Claims (15)

  1. 下記組成物−Iよりなり、下記式(I)を満足することを特徴とする成形体。
    ここで組成物−Iは1.2gをo−クロロフェノール15cm中に加熱溶解した後、冷却して25℃で調整された溶液における対数粘度値(IV値)が0.85〜1.4dl/gであるポリエチレンテレフタレート(A成分)82〜98重量部、並びに不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位で変性された、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンの共重合体(B成分)2〜18重量部の合計100重量部当たり、0.5〜5重量部の結晶核剤(C成分)からなる樹脂組成物であり、
    下記式(I)におけるρはA成分が実質的に非晶状態にあるときの組成物−Iの23℃における密度を、ρは成形体における組成物−Iの23℃における密度を、並びにρは実質的に非晶状態にあるときの組成物−Iを220℃で30分間空気中において熱処理した後の組成物−Iの密度を表し、単位はいずれもg/cmである。
    0.65≦(ρ−ρ)/(ρ−ρ)≦0.85 (I)
  2. 上記成形体は、実質的に非晶状態にある組成物−Iからなるシートを熱成形することにより製造された上記請求項1に記載の成形体。
  3. 上記成形体におけるA成分は、実質的にアンチモン化合物を含有しないポリエチレンテレフタレートである請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の成形体。
  4. 上記A成分はチタン化合物またはゲルマニウム化合物の重合触媒を用いて重合され、かつ該重合後に触媒失活処理がなされて製造されたポリエチレンテレフタレートである請求項3に記載の成形体。
  5. 上記組成物−IにおけるB成分は、その炭素数4〜8のα−オレフィンが1−ブテンである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の成形体。
  6. 上記組成物−IにおけるB成分は、その不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位の量が、共重合体全量に基づき0.1〜5重量%である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の成形体。
  7. 上記組成物−IにおけるB成分は、炭素数4〜8のα−オレフィンから誘導される単位の割合が、エチレンおよびα−オレフィンから誘導される単位の合計100モル%中11〜19モル%である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の成形体。
  8. 上記組成物−IにおけるB成分は、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、X線回折法によって測定される結晶化度が10%未満である請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の成形体。
  9. 上記組成物−IにおけるB成分は、(i)該B成分におけるα−オレフィンが1−ブテンであり、該1−ブテンから誘導される単位をエチレンおよび1−ブテンから誘導される単位の合計100モル%中11〜19モル%含有し、(ii)デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、(iii)ガラス転移温度が−50℃以下であり、(iv)X線回折法によって測定される結晶化度が10%未満であり、かつ(v)23℃における密度が0.865〜0.880g/cmの範囲である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の成形体。
  10. 上記組成物−IにおけるB成分は、2種のエチレン・1−ブテンランダム共重合体の混合物からなり、その少なくとも1つの共重合体が不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位で変性され、第1のエチレン・1−ブテンランダム共重合体は、1−ブテンから誘導される単位を5〜15モル%含有し、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、ガラス転移温度が−50℃以下であり、X線回折法によって測定される結晶化度が40%未満であり、第2のエチレン・1−ブテンランダム共重合体は、1−ブテンから誘導される単位を16〜25モル%含有し、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、ガラス転移温度が−50℃以下であり、X線回折法によって測定される結晶化度が15%未満であり、かつB成分全体として1−ブテンから誘導される単位をエチレンおよび1−ブテンから誘導される単位の合計100モル%中11〜19モル%含有し、デカリン溶媒中135℃で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.5dl/gであり、ガラス転移温度が−50℃以下であり、X線回折法によって測定される結晶化度が10%未満であり、23℃における密度が0.865〜0.880g/cmの範囲である請求項9に記載の成形体。
  11. 上記C成分は粒径0.5〜20μmの無機微粒子(c1成分)を少なくとも含有し、その量はA成分とB成分との合計100重量部あたり、0.3〜2重量部である請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の成形体。
  12. 上記C成分は、粒径0.5〜20μmの無機微粒子(c1成分)並びにB成分以外のポリオレフィン、脂肪酸金属塩および炭素数6〜30のグリコールから誘導される単位を有するポリエステルから選択された少なくも1種の成分(c2成分)からなり、A成分とB成分との合計100重量部あたり、c1成分の量は0.3〜2重量部であり、c2成分の量は0.1〜2重量部である請求項11に記載の成形体。
  13. 上記c2成分は、直鎖状低密度ポリエチレンである請求項12に記載の成形体。
  14. 下記組成物−Iを押出成形することにより実質的に非晶状態である組成物−Iからなる厚み0.5〜1mmのシートを製造する工程(工程I-1)、該シートを熱成形可能な状態に状態調節する工程(工程I-2)、状態調節されたシートを熱成形機に備えられた金型を用いて賦形すると共に上記式(I)を満足するまで金型内に保持し、組成物−I中のA成分の結晶化を進行させる工程(工程I-3)、並びにかかる結晶化後の成形体を金型より取り出す工程(工程I-4)からなる成形体の製造方法。
    ここで組成物−Iは1.2gをo−クロロフェノール15cm中に加熱溶解した後、冷却して25℃で調整された溶液における対数粘度値(IV値)が0.85〜1.4dl/gであるポリエチレンテレフタレート(A成分)82〜98重量部、並びに不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位で変性された、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンの共重合体(B成分)2〜18重量部の合計100重量部当たり、0.5〜5重量部の結晶核剤(C成分)からなる樹脂組成物である。
  15. 下記組成物−Iよりなり、下記式(II)を満足する層(α層)と該α層の少なくとも片面に形成されたポリエチレンテレフタレート(X成分)からなる層(β層)からなり、該α層とβ層との厚みの比(α/β)が(α層の両面にβ層が形成されている場合には、いずれのβ層においても)、α/β=99/1〜80/20の範囲である多層構造を有する多層成形体。
    ここで組成物−Iは1.2gをo−クロロフェノール15cm中に加熱溶解した後、冷却して25℃で調整された溶液における対数粘度値(IV値)が0.85〜1.4dl/gであるポリエチレンテレフタレート(A成分)82〜98重量部、並びに不飽和カルボン酸およびその誘導体から選択される少なくとも1種の単量体から誘導される単位で変性された、エチレンおよび炭素数4〜8のα−オレフィンの共重合体(B成分)2〜18重量部の合計100重量部当たり、0.5〜5重量部の結晶核剤(C成分)からなる樹脂組成物であり、
    下記式(II)におけるρはA成分が実質的に非晶状態にあるときの組成物−Iの23℃における密度を、ρ’は多層成形体における組成物−Iの23℃における密度を、並びにρは実質的に非晶状態にあるときの組成物−Iを220℃で30分間空気中において熱処理した後の組成物−Iの密度を表し、単位はいずれもg/cmである。
    0.65≦(ρ’−ρ)/(ρ−ρ)≦0.85 (II)
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