JP2005298411A - 光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 プロキラルなカルボニル化合物、特にアミノ基を有するカルボニル化合物を不斉水素化して対応する光学活性アルコールを得る際に、実用的な反応速度で、かつ高い鏡像体過剰率で工業的に有利に製造する方法を提供する。
【解決手段】 プロキラルなカルボニル化合物をロジウム錯体または塩、光学活性ジホスフィン、光学活性ジアミン及びカルボニル化合物に対して100モル%未満の酸の存在下に水素添加する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬、農薬、液晶材料あるいはその原料や合成中間体として有用な光学活性アルコールを、高い光学純度で、かつ効率よく短時間で製造する方法に関するものである。
光学活性アルコールの製造方法として、対応する窒素置換基を有するプロキラルなカルボニル化合物を不斉金属錯体触媒の存在下で水素化する方法がある。特許文献1には、遷移金属触媒、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物などの塩基、及び光学活性含窒素化合物の存在下でカルボニル化合物を水素化する方法が開示されている。特許文献2には、特定の光学活性ホスフィンと特定の光学活性ジアミンが配位したルテニウム錯体を触媒として使用し、カルボニル化合物を水素化する方法が開示されている。しかしながら、カルボニル化合物や触媒によっては、塩基を添加することにより、反応の進行を抑制することや、得られる光学活性アルコールの鏡像体過剰率の低下を引き起こすこともあった。また、カルボニル化合物によっては、特許文献2に記載されている特定の光学活性ホスフィンと特定の光学活性ジアミンが配位したルテニウム錯体を使用した場合でも、満足する鏡像体過剰率を有するアルコールが得られないことがあった。
また、光学活性アミノアルコールの製造方法として、非特許文献1には、特定の光学活性(ヒドロキシアルキルフェロセニル)ホスフィンを配位したロジウム錯体の存在下に、アミノメチル芳香族炭化水素ケトン塩酸塩類を水素化する方法が開示されている。非特許文献2には、特定の光学活性ホスフィノピロリジン類を配位したロジウム錯体の存在下に、α−アミノケトン塩酸塩類を水素化する方法が開示されている。しかしながら、窒素置換基を有するプロキラルなカルボニル化合物によっては、満足する鏡像体過剰率で窒素置換基を有する光学活性アルコールが得られないことがあり、さらに非特許文献1の方法では反応の完結に2乃至4日を有し反応速度が極めて遅いという問題があった。
本発明者らは、特許文献3により、ロジウム錯体あるいは塩、光学活性ジホスフィン及び光学活性ジアミンの存在下に、塩基を添加せずにプロキラルなカルボニル化合物を水素化することを特徴とする光学活性アルコールの製造方法について出願した。この製造方法を窒素置換基を有するプロキラルなカルボニル化合物のひとつである3−キヌクリジノンの水素化に適用すると、高収率かつ高い鏡像体過剰率で医薬の原料・中間体として有用な光学活性3−キヌクリジノールを得ることができる。しかし、水素化の速度が遅く、場合によっては水素化がほとんど進行しないこともあり、工業的に満足できる方法ではなかった。
特開平8−225466号公報 特開平11−189600号公報 特願2004−59915号明細書 Tetrahedron Lett.,425(1979) Tetrahedron Lett.,363(1989)
本発明が解決しようとする課題は、プロキラルなカルボニル化合物、特にアミノ基を有するカルボニル化合物を不斉水素化して対応する光学活性アルコールを得る際に、実用的な反応速度で、かつ高い鏡像体過剰率で工業的に有利に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、プロキラルなカルボニル化合物をロジウム錯体またはその塩、光学活性ホスフィンおよび光学活性ジアミンの存在下に水素化して対応する光学活性アルコールを製造する方法において、カルボニル化合物に対して0モル%超100モル%未満の酸の存在下に水素添加することにより、実用的な反応速度で、かつ高い鏡像体過剰率で対応する光学活性アルコールが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記課題を解決するための第1の発明は、プロキラルなカルボニル化合物を、ロジウム錯体または塩、光学活性ジホスフィンおよび一般式(1)
Figure 2005298411
(ただし、R1、R2、R3、R4は、互いに独立に、水素原子または置換基を有してよい炭化水素基を、Zは炭化水素基を表す)で表される光学活性ジアミンの存在下に水素化して対応する光学活性アルコールを製造する方法においてカルボニル化合物に対して0モル%超100モル%未満の酸を添加することを特徴とする光学活性アルコールの製造方法に関するものである。
上記課題を解決するための第2の発明は、上記第1の発明であって、前記プロキラルなカルボニル化合物が、一般式(2)
Figure 2005298411
(ただし、Rは置換基を有してもよい飽和もしくは不飽和の鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい単環もしくは多環の芳香族炭化水素基もしくはヘテロ芳香族炭化水素基または置換基を有してもよいアラルキル基を表し、R及びRは互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよい飽和もしくは不飽和の鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基または置換基を有してもよい単環もしくは多環の芳香族炭化水素基もしくはヘテロ芳香族炭化水素基を表す。RとRは結合した置換基を有してもよい環状の基を形成してもよく、nは1乃至3の整数を表す。nが1の場合は、RあるいはRの少なくともいずれか一方がRと結合して環を形成してもよい)あるいは一般式(3)
Figure 2005298411
(ただし、R及びRは前記定義に同じ。mは1または2の整数を表す)で表されるアミノ基を有するプロキラルなカルボニル化合物であることを特徴とするものである。
上記課題を解決するための第3の発明は、上記第1あるいは第2の発明であって、前記光学活性ジホスフィンが、一般式(4)
Figure 2005298411
(ただし、R、R、R10、及びR11は互いに独立に炭素数1乃至10の炭化水素基、R12及びR13は互いに独立に水素原子または置換基として水酸基、カルボニル基、アルコキシ基、アミノ基もしくはアミド基を有してもよい炭素数2乃至10の炭化水素基を表す)で表される光学活性ジホスフィンであることを特徴とするものである。
上記課題を解決するための第4の発明は、上記第1、第2あるいは第3の発明であって、前記一般式(2)で表されるカルボニル化合物が3−キヌクリジノンであることを特徴とするものである。
本発明によれば、プロキラルなカルボニル化合物から、実用的な反応速度で、高収率かつ高い鏡像体過剰率で、対応する光学活性アルコールを製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプロキラルなカルボニル化合物について説明する。プロキラルなカルボニル化合物としては、例えば2−ブタノン、3−メチル−2−ブタノン、シクロヘキシルメチルケトン、4−アミノ−2−ブタノン、3−アセチルテトラヒドロフラン、N,N−ジメチルアミノアセトンなどカルボニル基に置換基を有していてもよい飽和炭化水素基が結合したプロキラルなケトン;メチルベンジルケトン、アセトフェノン、4’−メチルアセトフェノン、3’−アミノアセトフェノン、2−アセチルナフタレン、2−アセチルフラン、3−アセチルピリジンなどカルボニル基に置換基を有していてもよい飽和炭化水素基、および、置換基を有していてもよい単環もしくは多環の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい単環もしくは多環のヘテロ芳香族炭化水素基など不飽和炭化水素基が結合したプロキラルなケトン;2−ベンゾイルナフタレン、1−イソキノリニルフェニルケトンなどカルボニル基に置換基を有していてもよい単環もしくは多環の芳香族炭化水素基または置換基を有していてもよい単環もしくは多環のヘテロ芳香族炭化水素基など不飽和炭化水素基が結合したプロキラルなケトン;2−メチルシクロヘキサノン、β−テトラロン、2,3−ジヒドロ−1H−キノリン−4−オン、3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4−オン、3−キヌクリジノンなど置換基を有してもよいプロキラルな環状ケトンなどを挙げることができる。置換基としては、水酸基、アミノ基、アルコキシ基、カルボニル基、アミド基などが例示できる。好ましくは、前記一般式(2)あるいは(3)で表されるアミノ基を有するプロキラルなカルボニル化合物である。
前記一般式(2)中のnは1乃至3の整数であり、カルボニル基のα位、β位、あるいはγ位の炭素に窒素原子が結合している化合物である。前記一般式(2)中のRとしては、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロヘキシルメチル基、アリル基など置換基を有してもよい飽和もしくは不飽和の鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基;置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フルオレニル基など置換基を有してもよい単環または多環の芳香族炭化水素基;置換基を有してもよいフリル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ジヒドロベンゾフラニル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基など置換基を有してもよい単環または多環のヘテロ芳香族炭化水素基;ベンジル基など置換基を有してもよいアラルキル基を包含し、R及びRとしては、互いに独立に、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、アリル基など置換基を有してもよい飽和もしくは不飽和の鎖状または環状の脂肪族炭化水素基;置換基を有してもよいフェニル基、ナフチル基、インデニル基、フルオレニル基など置換基を有してもよい単環または多環の芳香族炭化水素基;置換基を有してもよいフリル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、インドリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ジヒドロベンゾフラニル基、アクリジニル基、フェノキサジニル基など置換基を有してもよい単環または多環のヘテロ芳香族炭化水素基;ベンジル基など置換基を有してもよいアラルキル基;NRがピペリジニル基、ピペラジニル基、モルホリル基などRとRが結合した置換基を有してもよい環状の基を包含する。
また、nが1の場合は、RあるいはRの少なくともいずれか一方がRと結合して環を形成してもよく、前記一般式(2)で表される化合物には、3−ピロリジノン類、3−ピペリジノン類、3−キヌクリジノン類などが包含される。
「置換基を有してもよい」とは、1乃至5個のそれぞれが異なってもよい置換基を有してもよいことを意味する。置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ニトロ基、アミノ基、シアノ基、アミド基、アルコキシあるいはアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル化されたアミノ基、アルキルスルホニル化されたアミノ基などを包含する。
前記一般式(2)で表される化合物としては、4−メチルアミノ−2−ブタノン、アミノメチルフェニルケトン、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メチルアミノ−1−エタノン、3−ベンジルメチルアミノ−1−フェニル−1−プロパノン、4−ジメチルアミノ−1−フェニル−1−ブタノン、1−シクロヘキシル−3−ジメチルアミノ−2−プロパノン、3−エチルアミノ−1−(9−フルオレニル)−1−プロパノン、2−メチルアミノ−1−(3−ピリジル)−1−エタノン、1−(4−フルオロフェニル)−4−(1−ピペラジニル)−1−ブタノン、1−エチル−3−ピペリジノン、3−キヌクリジノンなどが例示できる。
前記一般式(3)中のmは1または2の整数であり、シクロペンタノンあるいはシクロヘキサノンのα位に窒素原子が結合している化合物である。R及びRは前記と同様である。
前記一般式(3)で表される化合物としては、2−(ジメチルアミノ)シクロペンタノン、2−(ベンジルメチルアミノ)シクロヘキサノンなどが例示できる。
本発明で使用するロジウム錯体あるいは塩については、光学活性ジホスフィン及び光学活性ジアミンが容易に配位子置換できる構造の化合物であれば、特に制限はない。例えば、クロロ(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー、ブロモ(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー、ヨード(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー、クロロ(シクロオクタジエン)(ピペリジン)ロジウム(I)、クロロ(シクロオクタジエン)(p−トルイジン)ロジウム(I)、クロロ(ノルボルナジエン)ロジウム(I)ダイマー、アセタト(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー、L-マンデレート(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー、ジクロロテトラエチレンニロジウム(I)、ビス(ノルボルナジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレートなどが挙げられる。ロジウムの原子価は、配位子の種類及び溶媒等の外的条件により変化するために、原子状態から種々のイオンの価数までとり得る。具体的には0〜+3であり、水素化反応における触媒使用時において、ロジウムの原子価が+1であることが望ましい。
本発明でのロジウム錯体あるいは塩の使用量は、カルボニル化合物や触媒の種類によって異なるが、カルボニル化合物に対して、通常、1/50〜1/10000倍モル、好ましくは、1/500〜1/2000倍モルである。1/10000倍モル未満では反応が極めて遅くなり未反応のカルボニル化合物が残存し易くなるので好ましくない。1/50倍モルを越えて使用しても、特段の効果は見られず、経済的に不利なので好ましくない。
本発明の光学活性ジホスフィンとしては、(2R,3R)−CHIRAPHOS:(2R,3R)−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、(2R,3R)−DIOP:(2R,3R)−2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、(2S,4S)−MCCPM:(2S,4S)−N−メチルカルバモイル−2−ジフェニルホスフィノメチル−4−ジシクロヘキシルホスフィノピロリジン、(S)−BINAP:(S)−2,2‘−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル及びその誘導体(ナフタレン環あるいはリン原子と結合するベンゼン環にアルキル基など置換基を有する化合物)、(R)−BICHEP:(R)−2,2‘−ビス−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル、前記一般式(4)で表される光学活性フェロセニルホスフィン類などが例示できる。好ましくは、前記一般式(4)で表される光学活性フェロセニルホスフィン類である。
本発明の前記一般式(4)で表される光学活性ジホスフィン中のリン原子に結合するR8、R9、R10及びR11としては、互いに独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基;ベンジル基などを挙げることができる。フェロセン骨格内のシクロペンタジエニル基に結合するR12及びR13としては、互いに独立に、水素原子、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基などのアルキル基;ビニル基などの芳香族炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基、2−メチルフェニル基などの芳香族炭化水素基;2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシエチル基、(1R)−1−ヒドロキシエチル基、(1S)−1−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、(1R)−1−ヒドロキシプロピル基、(1S)−1−ヒドロキシプロピル基、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、(1R)−1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、(1S)−1−(N,N−ジメチルアミノ)エチル基、2−メトキシエチル基、1−メトキシエチル基、(1R)−1−メトキシエチル基、2−アセチルエチル基、1−アセチルエチル基、(1R)−1−アセチルエチル基、(1S)−1−アセチルエチル基、1−フェニルヒドロキシメチル基、(1R)−1−フェニルヒドロキシメチル基、(1S)−1−フェニルヒドロキシメチル基、アセチル基、アセトアミド基などの置換基として水酸基、アミノ基、アルコキシ基、カルボニル基、アミド基を有する炭化水素基を挙げることができる。具体的には、(R)−1’,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニルエタン、(S)−1’,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニルエタン、(S,R)−BPPFOH:(S)−1−[(R)−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エタノール、(R,S)−BPPFOH:(R)−1−[(S)−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エタノール、(S,R)−BPPFA:(S)−N,N−ジメチル−1−[(R)−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルアミン、(R,S)−BPPFA:(R)−N,N−ジメチル−1−[(S)−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]エチルアミンなどを挙げることができる。好ましくは、(S,R)−BPPFOH、(R,S)−BPPFOH、(S,R)−BPPFA、(R,S)−BPPFAなど、R12あるいはR13が不斉中心を有する基である前記一般式(4)で表される光学活性フェロセニルホスフィン類である。
本発明での光学活性ジホスフィンの使用量は、ロジウムに対して、1.0〜1.5倍モルであることが望ましい。1.0倍モル未満では、得られる光学活性アルコールの鏡像体過剰率が著しく低下する。1.5倍モルを超えて使用すると、触媒の反応性が著しく低下させるので好ましくない。
本発明の前記一般式(1)で示される光学活性ジアミンとしては、(1S,2S)−DPEN:(1S,2S)−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン、(1R,2R)−DPEN:(1R,2R)−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン、(1S,2S)−1,2−シクロヘキサンジアミン、(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジアミン、(2S,3S)−2,3−ブタンジアミン、(2R,3R)−2,3−ブタンジアミン、(S)−DAIPEN:(2S)−1,1−ビス(p−メトキシフェニル)−2−イソプロピル−1,2−エタンジアミン、(R)−DAIPEN:(2R)−1,1−ビス(p−メトキシフェニル)−2−イソプロピル−1,2−エタンジアミン、(2S)−1,1−ビスナフチル−2−メチル−1,2−エタンジアミン、(2R)−1,1−ビスナフチル−2−メチル−1,2−エタンジアミン、(1S,2S)−TsDPEN:N−(p−トルエンスルホニル)−(1S,2S)−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミン、(1R,2R)−TsDPEN:N−(p−トルエンスルホニル)−(1R,2R)−1,2−ジフェニル−1,2−エタンジアミンなどを挙げることができる。より好ましくは、光学活性DPEN、光学活性DAIPEN、もしくは光学活性TsDPENである。
本発明での前記一般式(1)で表される光学活性ジアミンの使用量は、ロジウムに対して0.5〜2.0倍モルであることが望ましい。0.5倍モル未満では、得られる光学活性アルコールの光学収率が著しく低下する。2.0倍モルを超えて使用すると、触媒の反応性を著しく低下させるので好ましくない。
本発明で使用する酸としては、塩酸、硫酸、リン酸、クロロスルホン酸などの無機酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸(以下、p−TsOH)などのアルキルあるいはアリールスルホン酸;メチルホスホン酸、ベンゼンホスホン酸などのアルキルあるいはアリールホスホン酸;酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、安息香酸などのカルボン酸などを包含する。ただし、マロン酸などロジウムとキレート錯体を形成する可能性がある酸は触媒活性を低下させるので、不適当である。好ましくは、無機酸、アルキルあるいはアリールスルホン酸である。
本発明での酸の使用量は、プロキラルなカルボニル化合物に対して0モル%超100モル%未満であり、好ましくは0モル%超50モル%以下であり、さらに好ましくは0モル%超10モル%以下である。プロキラルなカルボニル化合物に対して100モル%以上の酸を添加すると、水素化速度が低減したり副生成物が生じ易くなるので好ましくない。同様に、前記一般式(2)あるいは(3)で表されるアミノ基を有するプロキラルなカルボニル化合物と、それに対して100モル%以上の酸を添加することにより得られるアミノ基を有するプロキラルなカルボニル化合物の塩も好ましくない。
不斉水素化反応に使用する溶媒は、カルボニル化合物及び触媒を可溶化するものであれば、特に制限はない。その具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンのような脂肪族及び芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、1,4−ジオキサンなどのエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、γ−ブチロラクトンなどのエステル及びラクトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンのようなカルボキサミド及びラクタム類である。これらの溶媒は単独で、あるいは2種類以上を混合して使用することもできる。基質が液体でかつ、触媒を可溶化するものであれば、溶媒を使用しなくてもよい。
本発明での溶媒の使用量は、カルボニル化合物に対して1/10〜10000重量倍であるが、好ましくは1/10〜100倍重量である。溶媒の使用量がカルボニル化合物に対して1/10未満の場合は、カルボニル化合物を溶解するのに不十分で反応性を著しく低下させるので好ましくない。カルボニル化合物に対して、溶媒を10000重量倍を越えて使用しても特段の効果は見られず、経済的に不利なので好ましくない。
水素圧は、0.1〜20MPaの範囲で適宜選択すればよく、好ましくは0.5〜10MPaの範囲で適宜選択すればよい。水素圧が0.1MPa未満の場合は、反応が極めて遅くなり未反応のカルボニル化合物が残存し易くなるので好ましくない。水素圧が20MPaを超えて使用しても特段の効果は認められず、経済的に不利であるので好ましくない。
反応温度は、通常−50℃〜100℃の範囲で適宜選択すればよく、好ましくは10〜40℃である。温度が−50℃未満の場合は、反応が極めて遅くなり未反応のカルボニル化合物が残存し易くなるので好ましくない。温度が100℃を越えると、錯体触媒の安定性が著しく低下し、得られる光学活性アルコールの鏡像体過剰率が低下するので好ましくない。
反応終了後は、溶媒抽出、蒸留、再結晶、クロマトグラフィーなど通常の有機合成化学的手法により、単離・精製を行い、目的物を得ることができる。目的物の構造は、1H−NMR、旋光度測定、高速液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフなどの公知の分析手段によって決定することができる。
次に、実施例を示し、更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお実験に際して、窒素ガスで置換したグローブボックス内で触媒溶液を調製して、水素化反応に使用した。
水素化反応でのカルボニル化合物の転化率は、ガスクロマトグラフで決定した。得られる光学活性アルコールの鏡像体過剰率(%ee)は、高速液体クロマトグラフで決定した。
試験管にクロロ(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー4.9mg(0.01mmol)、(S,R)−BPPFOH13.2mg(0.02mmol)、(1R,2R)−DPEN4.5mg(0.02mmol)、p−TsOH・HO30.4mg(0.04mmol)をエタノール1mLに溶解し、触媒溶液を調製した。つづいて、別の試験管に3−キヌクリジノン500mg(4mmol)をエタノール4mLに溶解し、基質溶液を調製した。2つの溶液を混合し、内容積200mLのステンレス製耐圧反応容器内に入れ、水素を水素圧3.5MPaとなるように導入し、30℃で2時間攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、溶媒を留去した。残渣10mgをメタノール1mLに溶解し、ガスクロマトグラフにより分析したところ、転化率は99%であった。反応液の残渣を無水酪酸と反応させて、3−キヌクリジノール酪酸エステルに変換後、高速液体クロマトグラフにより分析したところ、R−3−キヌクリジノールが鏡像体過剰率64%eeで生成していた。
クロロ(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマーの量を2.0mg(0.004mmol)、(S,R)−BPPFOHの量を5.3mg(0.009mmol)、(1R,2R)−DPENの量を1.9mg(0.009mmol)、p−TsOH・HOの量を15.2mg(0.08mmol)、3−キヌクリジノン1.00g(8mmol)、反応時間を14時間に代えて実施例1と同様に水素化して反応物を処理した。3−キヌクリジノンの転化率は67%で、鏡像体過剰率60%eeでR−3−キヌクリジノールが得られた。
p−TsOH・HOの量を7.6mg(0.04mmol)に代えて実施例2と同様に反応した。3−キヌクリジノンの転化率は16%であった。
p−TsOH・HOの量を30.4mg(0.16mmol)に代えて実施例2と同様に反応した。3−キヌクリジノンの転化率は33%であった。
比較例1
p−TsOH・HOを添加しない以外は、実施例1と同様に反応した。3−キヌクリジノンの転化率は56%で、鏡像体過剰率58%eeでR−3−キヌクリジノールが得られた。
比較例2
試験管にクロロ(シクロオクタジエン)ロジウム(I)ダイマー4.9mg(0.01mmol)、(S,R)−BPPFOH13.2mg(0.02mmol)、(1R,2R)−DPEN4.5mg(0.02mmol)をエタノール1mLに溶解し、触媒溶液を調製した。つづいて、別の試験管に3−キヌクリジノン塩酸塩647mg(4mmol)をエタノール4mLに溶解し、基質溶液を調製した。2つの溶液を混合し、内容積200mLのステンレス製耐圧反応容器内に入れ、水素を水素圧3.5MPaとなるように導入し、25℃で3日間攪拌した。実施例1と同様に後処理して分析したところ、3−キヌクリジノン塩酸塩の転化率は7%であった。
上記の結果を、表1にまとめた。比較例1から、酸を添加せずに水素化した場合は、反応が極めて遅いことは明らかである。また、比較例2から、アミノ基を有するプロキラルなカルボニル化合物と酸からなる塩も、反応が極めて遅いことは明らかである。
Figure 2005298411
本発明によれば、プロキラルなカルボニル化合物から、実用的な反応速度で、高収率かつ高い鏡像体過剰率で、医薬、農薬、液晶材料あるいはその原料や合成中間体として有用な対応する光学活性アルコールを製造することができる。

Claims (4)

  1. プロキラルなカルボニル化合物を、ロジウム錯体または塩、光学活性ジホスフィンおよび一般式(1)
    Figure 2005298411
    (ただし、R1、R2、R3、R4は、互いに独立に、水素原子または置換基を有してよい炭化水素基を、Zは炭化水素基を表す)で表される光学活性ジアミンの存在下に水素化して対応する光学活性アルコールを製造する方法において、カルボニル化合物に対して0モル%超100モル%未満の酸を添加することを特徴とする光学活性アルコールの製造方法。
  2. 前記プロキラルなカルボニル化合物が、一般式(2)
    Figure 2005298411
    (ただし、Rは置換基を有してもよい飽和もしくは不飽和の鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基、置換基を有してもよい単環もしくは多環の芳香族炭化水素基もしくはヘテロ芳香族炭化水素基または置換基を有してもよいアラルキル基を表し、R及びRは互いに独立に、水素原子、置換基を有してもよい飽和もしくは不飽和の鎖状もしくは環状の脂肪族炭化水素基または置換基を有してもよい単環もしくは多環の芳香族炭化水素基もしくはヘテロ芳香族炭化水素基を表す。RとRは結合した置換基を有してもよい環状の基を形成してもよく、nは1乃至3の整数を表す。nが1の場合は、RあるいはRの少なくともいずれか一方がRと結合して環を形成してもよい)あるいは一般式(3)
    Figure 2005298411
    (ただし、R及びRは前記定義に同じ。mは1または2の整数を表す)で表されるアミノ基を有するプロキラルなカルボニル化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光学活性アルコールの製造方法。
  3. 前記光学活性ジホスフィンが、一般式(4)
    Figure 2005298411

    (ただし、R、R、R10、及びR11は互いに独立に炭素数1乃至10の炭化水素基、R12及びR13は互いに独立に水素原子または置換基として水酸基、カルボニル基、アルコキシ基、アミノ基もしくはアミド基を有してもよい炭素数2乃至10の炭化水素基を表す)で表される光学活性ジホスフィンであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学活性アルコールの製造方法。
  4. 前記一般式(2)で表されるカルボニル化合物が3−キヌクリジノンであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光学活性アルコールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7687630B2 (en) * 2006-09-29 2010-03-30 Kanto Kagaku Kabushiki Kaisha Method for producing optically active quinuclidinols having one or more substituted groups at the 2-position

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