JP2005297821A - 車両用灯具システム - Google Patents

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政輝 林
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Abstract

【課題】 車両の走行状況に応じて追加灯具の照明光量を所望の光量に制御することが可能な車両用灯具システムを提供すること。
【解決手段】 本発明に係る車両用灯具システム10は、車両の前側方を照明する追加灯具4、5と、追加灯具4、5の光量を可変制御する制御手段13と、ハンドルの舵角を検出する舵角検出手段11と、車両速度を検出する車速検出手段12とを備えている。制御手段13は、舵角検出手段11により検出された舵角の増加に応じて光量を増大させ、舵角の減少に応じて光量を低減させる。さらに制御手段13は、車速検出手段12により検出された車両速度に応じて、追加灯具4、5の点灯を開始する点灯開始舵角を決定し、舵角検出手段11により検出された舵角が点灯開始舵角以上となった場合に追加灯具4、5の光量制御を開始する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、前側方を照光するために追加灯具を備えた車両用灯具システムに関する。
交差点等の右左折時やカーブ走行時に、前照灯では十分に照光されない前側方を照光するための追加灯具を備えた車両が知られている。今日では、追加灯具の照明光量をハンドルの舵角に応じて変更させるものが開発されており、ハンドルの舵角の増加(ハンドル回転量の増加)に応じて照明光量を増加させ、ハンドルの舵角の減少(ハンドルの回転量の減少(ハンドルの戻し量))に応じて照明光量を減少させる追加灯具が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2003−170777号公報
しかしながら、上述した追加灯具では、ハンドルの舵角に応じて追加灯具の照射光量が一定の光量増減率で変化するので、高速走行時のように低速走行時に比べて遠方視界が要求される場合でも、旋回初期状態であってハンドルが十分に操舵されていない場合(ハンドルを切り始めた直後等)には、追加灯具が低光量で点灯し、十分な照明光量を得ることができない。このため、高速走行等に前側方の歩行者や障害物等を発見し難い場合もあり得るという問題があった。
また、車両速度に拘わらずハンドルの操舵量に応じて追加灯具の光量制御が行われるので、追加灯具の点灯が必要とされない状況(例えば、ゆるやかな浅いカーブ等)であってもハンドルの操舵に応じて追加灯具が点消灯してしまい、無用な電力消費を招き、運転状況に応じた適切な追加灯具点消灯制御がなされないという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、車両の走行状況に応じて追加灯具の照明光量を所望の光量に制御することが可能な車両用灯具システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、車両の前側方を照明する追加灯具と、該追加灯具の光量を可変制御する制御手段と、ハンドルの舵角を検出する舵角検出手段と、車両速度を検出する車速検出手段とを備え、前記制御手段が、前記舵角検出手段により検出された舵角の増加に応じて前記光量を増大させ、当該舵角の減少に応じて前記光量を低減させる車両用灯具システムであって、前記制御手段は、前記車速検出手段により検出された車両速度に応じて、前記追加灯具の点灯を開始する点灯開始舵角を決定し、前記舵角検出手段により検出された舵角が前記点灯開始舵角以上となった場合に前記追加灯具の光量制御を開始することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車両用灯具システムにおいて、前記制御手段が、前記点灯開始舵角を決定したときの前記車両速度に応じて、前記ハンドルの舵角量に応じて増減させる追加灯具の光量増減率を変更することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の車両用灯具システムにおいて、前記制御手段が、前記点灯開始舵角を決定したときの前記車両速度が、所定中速度域内の速度であるときのみ、前記光量増減率の変更を行うことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、車両の前側方を照明する追加灯具と、該追加灯具の光量を可変制御する制御手段と、ハンドルの舵角を検出する舵角検出手段と、車両速度を検出する車速検出手段とを備え、前記制御手段が、前記舵角検出手段により検出された舵角の増加に応じて前記光量を増大させ、当該舵角の減少に応じて前記光量を低減させる車両用灯具システムであって、前記制御手段は、前記車速検出手段により検出された前記追加灯具の点灯開始時の車両速度に応じて、前記ハンドルの舵角量に応じて増減させる追加灯具の光量増減率を変更することを特徴とする。
本発明に係る車両用灯具システムによれば、車速検知手段により検出された車両速度に応じて追加灯具の点灯を開始する点灯開始舵角を変化させることによって、高速走行時に僅かな舵角で追加灯具の点灯を開始させ、低速走行時よりもはやく前側方遠方を照明することができる。特に、高速走行中はハンドルを大きく操舵させることが困難であるため、高速走行時に大きくハンドル操舵させなくても追加灯具を高光量で点灯させることが可能となる。
また、追加灯具の点灯が必要とされないゆるやかな浅いカーブ等を走行する場合に安易に追加灯具が点灯しないように点灯開始舵角を設定することによって、無用な電力消費を防止することが可能となる。
さらに、本発明に係る車両用灯具システムでは、点灯開始舵角を決定したときの車両速度に応じて、ハンドルの舵角量に応じて増減させる追加灯具の光量増減率を変更するので、高速走行時に点灯開始操舵角度以上ハンドルが操舵されれば、その後の僅かな操舵量の変化に対応させて追加灯具の照明光量を増減させることができる。このため、高速走行時の車線変更等の僅かなハンドルの操舵に対応させて追加灯具を高光量で点灯させて遠方視界を確保させることが可能となり、歩行者や障害物を早期に発見できるようになる。
一方で、低速走行時には、高速走行時に比べてハンドルの操舵角量が大きくなるとともに、光量増減率が低くなってハンドルの操舵角に応じて増減する光量の割合が小さくなるので、ハンドルの操舵に応じて追加灯具の光量増減を緩やかに変化させることができ、運転者に自然な点灯感を与えることが可能となる。
以下、本発明に係る車両用灯具システムについて説明する。
図1は、本発明に係る車両用灯具システムを備えた車両を示す正面図である。車両1には、車両前方を照明する前照灯としてのヘッドランプ2、3が左右に設置されており、各ヘッドランプ2、3の下側にはヘッドランプでは照明され難い前側方を照明するための追加灯具4、5が設けられている。ヘッドランプ2、3による照明範囲は、図2に示すように車両前方の範囲S1に限られるのに対して、追加灯具4、5による照明範囲は、ヘッドランプ2、3の照明範囲S1の左右前側方の範囲S3、S2である点で範囲が異なっている。追加灯具4、5は常時点灯しているのではなく、ハンドルの回転方向及び操舵角度等に応じて点灯タイミング及びその照明光量が変更される。
図3は、車両用灯具システムの構成を示したブロック図である。車両用灯具システム10は、舵角検出部(舵角検出手段)11と、車速検出部(車速検出手段)12と、コントローラ(制御手段)13と、左右ヘッドランプ2、3と、左右追加灯具4、5とを備えている。
舵角検出部11は、ハンドルに設けられて回転角度信号用スリットを備える回転円盤と、光学センサとにより構成されている。舵角検出部11は、ハンドルが回転されると、ハンドルの操舵に連動して「High」レベル及び「Low」レベルの交互する舵角パルス信号をコントローラ13に送出し、コントローラ13は舵角検出部11より受信する舵角パルス信号に基づいて、ハンドルの操舵状態を常時判断する。
車速検出部12は、車両の走行状態に応じて車速パルス信号を発生する装置であり、コントローラ13は車速パルス信号を受信することによって車両の走行速度を常時判断する。
コントローラ13は、左右ヘッドランプ2、3及び左右追加灯具4、5の点消灯制御を行う制御装置である。コントローラ13は、舵角検出部11、車速検出部12からの情報に基づいて、追加灯具4,5を点灯させ、消灯又は調光消灯させる。なお、調光消灯とは、点灯している追加灯具4,5の光量(照明度)を少しずつ連続的に減少させることによって、追加灯具4、5が消灯を開始してから消灯を完了するまでに一定の時間を要する消灯方法である。追加灯具4、5を調光消灯させることによって、追加灯具4,5の瞬時消灯に伴う運転者の視認性の低下を防止することができるとともに、急激な光量変化に伴う運転者の不安を低減させることが可能となる。
また、追加灯具4、5は、光軸が固定される灯具であっても、光軸を左右に可変させることによって照光範囲を変更することが可能な灯具であっても良い。
図4は、コントローラ13の制御処理を示した第1のフローチャートであり、図5はハンドルの操舵角に応じて変化する追加灯具4,5の照明光量変化を示した図である。
コントローラ13は、舵角検出部11より受信した舵角パルス信号に基づいてハンドルの操舵状態を判断し、ハンドルが左右どちらかに操舵された状態にある場合には、その操舵方向を記憶するとともにその操舵角を求める(ステップS.1)。続いて、コントローラ13は、車速検出部12により発生された車速パルス信号に基づいて車両速度を検出する(ステップS.2)。
コントローラ13は、予め追加灯具4,5の点灯を開始するハンドルの操舵角を、検出される車両速度毎にテーブル化(このテーブルを第1テーブルとする。)して記憶している。コントローラ13は、検出された車両速度における追加灯具4,5の点灯開始操舵角を、第1テーブルに基づいて求める(ステップS.3)。コントローラ13は、検出された操舵角が、第1テーブルにより求められた点灯開始操舵角以上であるか否かを判断し(ステップS.4)、検出された操舵角(検出操舵角)が点灯開始操舵角未満である場合(ステップS.4においてNOの場合)には、追加灯具4,5を消灯又は調光消灯させる(ステップS.5)。
検出された操舵角が点灯開始操舵角以上である場合(ステップS.4においてYESの場合)、コントローラ13は、検出された操舵角の舵角量に応じて照明光量を算出し(ステップS.6)、算出された照明光量で、追加灯具4,5を点灯させる。
図5は、検出された車両速度に応じて変化する追加灯具4,5の点灯開始操舵角度とその照明光量との関係を示したグラフである。図5に示すように、車両速度が遅い場合には、追加灯具4,5が点灯を開始する操舵角度が大角度となり、車両速度が速い場合には、追加灯具4,5が点灯を開始する操舵角度が小角度となる。このように検出された車両速度に応じて(図5においては20km/h未満から80km/h以上までの8区分)、追加灯具4,5の点灯を開始する操舵角を変化させることによって(θ1からθ8まで)、高速走行時には僅かな舵角で追加灯具4,5の点灯を開始させ、低速走行時よりもはやく前側方遠方を照明することができる。特に、高速走行中は、ハンドルを大きく操舵させることが困難であるため、高速走行時に大きくハンドル操舵させなくても追加灯具4,5を高光量で点灯させることが可能となる。さらに、車両速度に応じて追加灯具4,5の点灯を開始させる操舵角を記憶しているので、追加灯具4,5の点灯が必要とされないゆるやかな浅いカーブ等を走行する際に操舵されるハンドルの操舵量では追加灯具4,5が点灯しないように第1テーブルの操舵角度を設定することによって、無用な電力消費を防止することが可能となる。
なお、図5に示すグラフでは、追加灯具4,5の点灯開始操舵角度が、(1)20km/h未満、(2)20km/h以上30km/h未満(3)30km/h以上40km/h未満(4)40km/h以上50km/h未満(5)50km/h以上60km/h未満(6)60km/h以上70km/h未満(7)70km/h以上80km/h未満(8)20km/h以上の8通りに区分けされているが、点灯開始操舵角度の区分けは、この8段階に限定されるものではなく、また、区分けする車両速度範囲も上述のものに限定されるものではない。上記区分よりも多くても、少なくても良く、また、車両速度に応じて連続的に点灯開始操舵角度が変化するようにしても良い。
図6は、コントローラ13の制御処理を示した第2のフローチャートであり、図7はハンドルの操舵角に応じて変化する追加灯具4,5の照明光量変化を示した図である。
実施例2に係る車両用灯具システムの処理は、図7に示すように、車両速度に応じて追加灯具4,5の点灯が開始される操舵角度が変更されるだけでなく、追加灯具4,5の照明光量をハンドルの操舵角に応じて増減させる比率を示す光量増減率が、車両速度に応じて異なる点で実施例1と相異する。なお、第2のフローチャートの判断において用いる車両速度V1、V2の関係は、V1>V2であり、V1以上の車両速度は高速走行時の車両速度を示し、V1未満V2以上の車両速度は中速走行時の車両速度を示し、V2未満の車両速度は低速走行時の車両速度を示すものとする。
コントローラ13は、舵角検出部11より受信した舵角パルス信号に基づいてハンドルの操舵状態を判断し、ハンドルが左右どちらかに操舵された状態にある場合には、その操舵方向を記憶するとともにその操舵角を求める(ステップS.1)。続いて、コントローラ13は、車速検出部12により発生された車速パルス信号に基づいて車両速度を検出する(ステップS.2)。
コントローラ13は、予め追加灯具4,5の点灯を開始するハンドルの操舵角を、検出される車両速度毎にテーブル化(実施例2におけるテーブルを第2テーブルとする。)して記憶している。コントローラ13は、検出された車両速度における追加灯具4,5の点灯開始操舵角を第2テーブルに基づいて求める。また、コントローラ13は、車両速度毎に最適な光量増減率を予め記憶している。
まず、コントローラ13は、検出された車両速度(検出車両速度)がV1よりも高い速度であるか否かを判断する(ステップS.10)。検出車両速度がV1よりも高い速度である場合、コントローラ13は、車両速度がV1以上の場合に追加灯具4,5の点灯が開始される操舵角(点灯開始操舵角)を第2テーブルより求め、検出された操舵角が第2テーブルより求められる点灯開始操舵角θ11以上の角度であるか否かの判断を行う(ステップS.11)。検出操舵角が操舵角θ11未満の場合には、追加灯具4,5を消灯または調光消灯させる(ステップS5)。ステップS.5の処理は、検出操舵角が僅かな操舵角θ11以下である場合に、追加灯具4,5を消灯又は調光消灯させることによって、高速走行中の僅かなハンドル操作で追加灯具4,5が点消灯してしまうことを防止するものである。
検出操舵角が操舵角θ11以上の場合、コントローラ13は、車両速度がV1以上であることから車両が高速走行しているものと判断し、高速走行に最適な光量増減率を用いて、検出操舵角に応じた照明光量を算出し(ステップS.12)、算出された照明光量で追加灯具4,5を点灯させる(ステップS.7)。追加灯具4,5を点灯させた後には、再度操舵角検出処理(ステップS.1)を繰り返し実行する。図7に示した点灯開始操舵角がθ11となるグラフが、検出車両速度がV1以上の場合の追加灯具4,5の光量変化を示したものである。図7に示すように、高速走行時(V1以上の車両速度の場合)の点灯開始操舵角を、中速走行時(V1未満V2以上の車両速度の場合)及び低速走行時(V2未満の車両速度の場合)の点灯開始操舵角に比べて低角度に設定することにより、高速走行時は中速走行時及び低速走行時に比べて僅かな舵角で追加灯具4,5の点灯を開始させることができ、低速走行時よりもはやく前側方遠方を照明させることができる。さらに、高速走行中はハンドルを大きく操舵させることが困難であるため、高速走行時に大きくハンドル操舵させなくても追加灯具4,5を高光量で点灯させることができる。
一方、検出車両速度がV1未満であった場合(ステップS.10においてNOの場合)、コントローラ13は、検出車両速度がV2以上であるか否かの判断を行う(ステップS.13)。検出車両速度がV2よりも高い速度である場合、コントローラ13は、車両速度がV2以上V1未満であるから車両が中速走行しているものと判断する。そして、コントローラ13は、車両速度がV2以上V1未満の場合に追加灯具4,5の点灯が開始される操舵角(点灯開始操舵角)を第2テーブルより求め、検出された操舵角が第2テーブルより求められる点灯開始操舵角θ12以上の角度であるか否かの判断を行う(ステップS.14)。検出操舵角が操舵角θ12未満の場合には、追加灯具4、5を消灯または調光消灯させる(ステップS5)。ステップS.5に示す処理は、中速走行中に頻繁に追加灯具4,5が点消灯することを防止するため、操舵角θ12以下の操舵角範囲では、追加灯具4,5を消灯又は調光消灯させるものである。
検出操舵角が操舵角θ12以上の場合、コントローラ13は、中速走行に最適な光量増減率を用いて、検出操舵角に応じた照明光量を算出し(ステップS.15)、算出された照明光量で追加灯具4,5を点灯させる(ステップS.7)。追加灯具4,5を点灯させた後には、再度操舵角検出処理(ステップS.1)を繰り返し実行する。図7に示した点灯開始操舵角がθ12となるグラフが、検出車両速度がV2以上V1未満の場合の追加灯具4,5の光量変化を示したものである。
検出車両速度がV2未満であった場合(ステップS.13においてNOの場合)、コントローラ13は、検出車両速度がV2以下であることから、車両が低速走行しているものと判断する。そして、コントローラ13は、車両速度がV2未満の場合に追加灯具4,5の点灯が開始される操舵角(点灯開始操舵角)を第2テーブルより求め、検出された操舵角が第2テーブルより求められる点灯開始操舵角θ13以上の角度であるか否かの判断を行う(ステップS.16)。検出操舵角が操舵角θ13未満の場合には、追加灯具4、5を消灯または調光消灯させる(ステップS5)。低速走行中に頻繁に追加灯具4,5が点消灯することを防止するために、追加灯具4,5を消灯又は調光消灯させる処理である。
検出操舵角が操舵角θ13以上の場合、コントローラ13は、低速走行に最適な光量増減率を用いて、検出操舵角に応じた照明光量を算出し(ステップS.17)、算出された照明光量で追加灯具4,5を点灯させる(ステップS.7)。追加灯具4,5を点灯させた後には、再度操舵角検出処理(ステップS.1)を繰り返し実行する。図7に示した点灯開始操舵角がθ13となるグラフが、検出車両速度がV2未満の場合の追加灯具4,5の光量変化を示したものである。
図7に示すように、車両速度に応じて追加灯具4,5の点灯開始操舵角度が変更され、さらに車両速度に応じて、ハンドルの操舵角に応じて変更される追加灯具4,5の照明光量の光量増減率が変化されるため、高速走行時には点灯開始操舵角度以上ハンドルが操舵されれば、その後の僅かな操舵量の変化に対応させて追加灯具4,5の照明光量を増減させることができ、高速走行時の車線変更等の僅かなハンドルの操舵に対応させて追加灯具4,5を高光量で点灯させて遠方視界を確保させることが可能となる。一方で、低速走行時には、高速走行時に比べてハンドルの操舵角量が大きくなるので、ハンドルの操舵に応じて追加灯具4,5の光量増減を緩やかに変化させることによって、運転者に自然な点灯感を与えることが可能となる。
なお、図6、図7に示したコントローラ13の制御処理では、車両速度の判断を(1)V1以上(高速走行)の場合、(2)V2以上V1未満(中速走行)の場合、(3)V2未満(低速走行)の場合の3段階に区分けしたが、実施例1で説明した図5と同様に多段階に区分けを行っても良く、また、車両速度に応じて連続的に点灯開始操舵角度が変化するようにしても良い。
図8は、実施例1と同様に8段階に区分けを行った場合を示したグラフであり、車両速度範囲が20km/h未満から80km/h以上までの8段階に分かれ、各車両速度に応じて追加灯具4,5の点灯開始操舵角がθ21〜θ28となっている。図8においては、20km/h未満の車両速度の場合には、車両速度が0km/hであっても10km/hであっても光量増減率は常に一定とし、車両速度が80km/h以上の場合には、車両速度が100km/hであっても、150km/hであっても光量増減率を常に一定としている。これは、超低速走行時(20km/h未満)又は超高速走行時(80km/h以上)の場合に車両速度に応じて光量増減率を変更させると、超低速走行時には追加灯具4,5を最高光量で点灯させることがほとんどできず、超高速走行時には追加灯具4,5が最高光量の状態で点灯され続けてしまう虞があるので、このような不具合を回避するためのものである。
図9は、コントローラ13の制御処理を示した第3のフローチャートであり、図10はハンドルの操舵角に応じて変化する追加灯具4,5の照明光量変化を示した図である。
実施例3に係る車両用灯具は、図10に示すように、車両速度に拘わらず追加灯具4,5の点灯を開始する操舵角度は角度θ30で同一であるが、追加灯具4,5が点灯した後にハンドルの操舵角に応じて増減する照明光量の光量増減率が検出車両速度に応じて異なる点で、実施例1及び実施例2と相異する。以下、図9に示すフローチャートを用いて実施例3に係る車両用灯具システムについて説明を行う。
コントローラ13は、舵角検出部11より受信した舵角パルス信号に基づいてハンドルの操舵状態を判断し、ハンドルが左右どちらかに操舵された状態にある場合には、その操舵方向を記憶するとともにその操舵角を求める(ステップS.1)。続いて、コントローラ13は、検出された操舵角がθ30以上であるか否かの判断を行う(ステップS.20)。検出操舵角がθ30未満であった場合(ステップS.20のNOの場合)には、追加灯具4,5が消灯又は調光消灯される(ステップS.5)。検出操舵角がθ30未満である場合に、追加灯具4,5を消灯又は調光消灯させることによって、僅かなハンドルの操舵に応じて追加灯具4,5が点消灯することを防止することができる。
検出操舵角がθ30以上である場合(ステップS.20のYESの場合)、コントローラ13は、車速検出部12により発生された車速パルス信号に基づいて車両速度を検出する(ステップS.2)。その後、コントローラ13は、検出車両速度が20km/h以上であるか否かの判断を行う(ステップS.21)。コントローラ13には、ハンドルの操舵角に応じて増減させる追加灯具4,5の照明光量の比率(光量増減率)が車両速度毎に予め記憶されている。検出車両速度が20km/h未満である場合、コントローラ13は、車両速度が20km/h未満の場合に最適な光量増減率を読み出し、この光量増減率を用いて検出操舵角に応じた照明光量を算出し(ステップS22)、算出された照明光量で追加灯具4,5を点灯させる(ステップS.7)。その後、コントローラ13は、再度操舵角検出処理(ステップS.1)を繰り返し実行する。
検出車両速度が20km/h以上であった場合(ステップS21でYESの場合)、コントローラ13は、検出車両速度が30km/h以上であるか否かの判断を行う(ステップS.23)。検出車両速度が30km/h未満(つまり、20km/h以上30km/h未満)であった場合(ステップS23でNOの場合)、コントローラ13は、車両速度が20km/h以上30km/h未満の場合に最適な光量増減率を用いて検出操舵角に応じた照明光量を算出し(ステップS24)、算出された照明光量で追加灯具4,5を点灯させる(ステップS.7)。その後、コントローラ13は、再度操舵角検出処理(ステップS.1)を繰り返し実行する。
同様に、検出車両速度が30km/h以上であった場合(ステップS23でYESの場合)、コントローラ13は、検出車両速度が45km/h以上であるか否かの判断を行う(ステップS.25)。検出車両速度が45km/h未満(つまり、30km/h以上45km/h未満)であった場合(ステップS25でNOの場合)、コントローラ13は、車両速度が30km/h以上45km/h未満の場合に最適な光量増減率を用いて検出操舵角に応じた照明光量を算出し(ステップS26)、算出された照明光量で追加灯具4,5を点灯させる(ステップS.7)。その後、コントローラ13は、再度操舵角検出処理(ステップS.1)を繰り返し実行する。
検出車両速度が45km/h以上であった場合(ステップS25でYESの場合)、コントローラ13は、検出車両速度が60km/h以上であるか否かの判断を行う(ステップS.27)。検出車両速度が60km/h未満(45km/h以上60km/h未満)であった場合(ステップS27でNOの場合)、コントローラ13は、車両速度が45km/h以上60km/h未満の場合に最適な光量増減率を用いて検出操舵角に応じた照明光量を算出し(ステップS26)、検出車両速度が60km/h以上の場合(ステップS27でYESの場合)、コントローラ13は、車両速度が60km/h以上の場合に最適な光量増減率を用いて検出操舵角に応じた照明光量を算出する(ステップS29)。その後、コントローラ13は、ステップS.28又はステップS.29で算出された照明光量で追加灯具4,5を点灯させ(ステップS.7)、再度操舵角検出処理(ステップS.1)を繰り返し実行する。
図10は、車両速度毎の光量増減率を図示したグラフであり、車両速度が増加するに従って光量増減率が増加している(傾きが急になっている)ので、高速走行時には僅かなハンドルの操舵角で追加灯具4,5が高光量で点灯するのに対して、低速走行時にはハンドルを大きく操舵させないと同様の光量を得ることができない。このように、低速走行時に比べて高速走行時の操舵に対する追加灯具4,5の光量増減率を高めることにより、高速走行時に歩行者や障害物を早期に発見できるようになる。また、低速走行時には高速走行時に比べて光量増減率が低くなるので、運転者に自然な点灯感を与えることができ、煩わしさを与え難くすることができる。なお、光量増減率の変化は、車両速度に応じて多段的に変化するものに限定されるものではなく、車両速度に応じて連続的に変化するものであっても良い。
以上、本発明に係る車両用灯具システムを、図面を用いて説明したが、本発明に係る車両用灯具システムは上述したものに限定されるものではない。本実施例では、追加灯具4,5が車両正面左右にそれぞれ設置されていたが、左右一方のみに設置するだけでも良く、さらに、追加灯具4,5の光量増減率を左右の追加灯具4,5毎に異なる変化率となるように設定しても良い。
車両の左右ヘッドランプ及び左右追加灯具を示した正面図である。 ヘッドランプと追加灯具の照明範囲を図示した平面図である。 本発明に係る車両用灯具システムを示したブロック図である。 コントローラの制御処理を示した第1のフローチャートである。 図4に示したコントローラの制御制御におけるハンドルの舵角量と追加灯具の光量との関係を示したグラフである。 コントローラの制御処理を示した第2のフローチャートである。 図6に示したコントローラの制御処理におけるハンドルの舵角量と追加灯具の光量との関係を示したグラフである。 コントローラの制御処理におけるハンドルの舵角量と追加灯具の光量との関係を示した他のグラフである。 コントローラの制御処理を示した第3のフローチャートである。 図9に示したコントローラの制御処理におけるハンドルの舵角量と追加灯具の光量との関係を示したグラフである。
符号の説明
1 車両
2、3 ヘッドランプ
4、5 追加灯具
10 車両用灯具システム
11 舵角検出部(舵角検出手段)
12 車速検出部(車速検出手段)
13 コントローラ(制御手段)

Claims (4)

  1. 車両の前側方を照明する追加灯具と、
    該追加灯具の光量を可変制御する制御手段と、
    ハンドルの舵角を検出する舵角検出手段と、
    車両速度を検出する車速検出手段とを備え、
    前記制御手段が、前記舵角検出手段により検出された舵角の増加に応じて前記光量を増大させ、当該舵角の減少に応じて前記光量を低減させる車両用灯具システムであって、
    前記制御手段は、前記車速検出手段により検出された車両速度に応じて、前記追加灯具の点灯を開始する点灯開始舵角を決定し、前記舵角検出手段により検出された舵角が前記点灯開始舵角以上となった場合に前記追加灯具の光量制御を開始することを特徴とする車両用灯具システム。
  2. 前記制御手段は、前記点灯開始舵角を決定したときの前記車両速度に応じて、前記ハンドルの舵角量に応じて増減させる追加灯具の光量増減率を変更することを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具システム。
  3. 前記制御手段は、前記点灯開始舵角を決定したときの前記車両速度が、所定中速度域内の速度であるときのみ、前記光量増減率の変更を行うことを特徴とする請求項2に記載の車両用灯具システム。
  4. 車両の前側方を照明する追加灯具と、
    該追加灯具の光量を可変制御する制御手段と、
    ハンドルの舵角を検出する舵角検出手段と、
    車両速度を検出する車速検出手段とを備え、
    前記制御手段が、前記舵角検出手段により検出された舵角の増加に応じて前記光量を増大させ、当該舵角の減少に応じて前記光量を低減させる車両用灯具システムであって、
    前記制御手段は、前記車速検出手段により検出された前記追加灯具の点灯開始時の車両速度に応じて、前記ハンドルの舵角量に応じて増減させる追加灯具の光量増減率を変更することを特徴とする車両用灯具システム。
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