JP2005297724A - 燃料電池自動車の水素タンク支持装置及び方法 - Google Patents

燃料電池自動車の水素タンク支持装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料電池車のさらなる衝突安全性を高め、事故などに遭遇した場合でも、水素タンクの破損、破壊を招くことがなく、かつ燃料電池車の大幅な性能低下、あるいは高額化をきたすことのない燃料電池自動車の水素タンク支持装置及び方法を提供する。
【解決手段】 水素タンク13を強度を有する容器11の内部に、同容器の内壁面に対して適当な隔離距離を設けて固定し、同容器がある規定値以上の衝撃を受けた場合に同固定部14が切断されるような構造又は強度とし、前記容器の内壁面を、前記水素タンクが前記規定値以上の衝撃を受けて前記固定部が切断した後、前記水素タンクが同内壁面に衝突して減衰振動を起こす構造としたことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃料電池自動車が事故を起こした場合など、燃料電池自動車に搭載されている高圧水素タンクにきわめて大きな衝撃が加わった場合においても、高圧水素タンクの破損、破壊を確実に防止し得る水素タンクの支持装置及び方法に関する。
最近開発が急ピッチで進められている燃料電池自動車において、その水素貯蔵方式は、高圧水素タンクのほか、水素吸蔵合金タンクや液体水素タンクに貯蔵する方式が考えられるが、現時点では、高圧水素タンク方式が主流となっている。
燃料電池車の衝突時の水素タンクの安全性を高めるため種々の方策がなされており、そのひとつとして、たとえば、次の3層からなる3シールド積層構造の高強度の水素タンクが採用されている。
(1)軽量の高分子材料で、水素の気密を保つ層
(2)抗張力鋼の数倍の高強度カーボンファイバーで高圧下での強度を完全に保持する層
(3)表層にケブラー系高弾性繊維により、事故などの際に異物がぶつかった際の衝撃を吸収する層
また衝突時には、すべての高圧電気回路と水素元バルブを遮断するシステムも採用されている。
また、特許文献1(特開2003−211982号公報)においては、高圧水素タンクと水素が供給される燃料電池とを高圧水素配管及び低圧水素配管で接続し、高圧水素配管には衝撃によって閉じる電磁弁及び高圧水素を低圧水素に減圧する調圧弁が介装され、調圧弁より下流側の低圧水素配管には脆弱部を設け、車両衝突時などに車体が変形しても、このとき発生する応力を低圧水素配管の脆弱部が受けて変形により吸収し、高圧水素配管の変形を防止するとともに、車両衝突時などに前記電磁弁を閉じることで、脆弱部への水素の供給が停止され、脆弱部で破損が生じたとしても、水素タンク内の燃料の漏れを防止する水素配管構造が記載されている。
特開2003−211982号公報
しかしながら上記の従来の衝突時の対策では、ある程度の衝撃に対しては有効であるかもしれないが、燃料電池車が、事故等により大きな衝撃を受けた場合、上記の手段では不十分な場合もある。
本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、燃料電池車のさらなる衝突時の安全性を高め、事故などに遭遇した場合、あるいは車体が崖から転落したような場合でも、水素の引火を引き起こすような水素タンクの破損、破壊を招くことがなく、かつ燃料電池車の大幅な性能低下、あるいは構造の複雑化をまねくことのない燃料電池自動車の水素タンク支持装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明はかかる目的を達成するもので、その第1の手段は、水素タンクを強度を有する容器の内部に、同容器の内壁面に対して適当な隔離距離を設けて固定し、同容器がある規定値以上の衝撃を受けた場合に同固定部が切断されるような構造又は強度とし、前記容器の内壁面を、前記水素タンクが前記規定値以上の衝撃を受けて前記固定部が切断した後、前記水素タンクが同内壁面に衝突して減衰振動を起こす構造としたことを特徴とする。
かかる第1の手段において、好ましくは、前記固定部を割りピン構造とする。また別な好ましい実施形態としては、前記固定部を弾性体で構成し、前記水素タンクを弾力性をもって支持するようにする。さらに別な好ましい実施形態としては、前記容器の内壁面に、ケブラー系高弾性繊維をコーティングした炭素繊維層を貼り付ける。
かかる第1の手段においては、前記固定部が耐え得るある規定以上の衝撃力を受けるまでは、水素タンクは容器内で固定され、ある規定以上の衝撃力を受けた場合、水素タンクの前記固定部が切断し、水素タンクが前記容器の中で容器の内壁面と衝突を繰り返しながら、衝撃を吸収し、減衰振動する。そのため水素タンクの破損、破断には至らない。
その際固定部を割りピン構造とすれば、簡単な構造で、固定部が切断する衝撃力を正確に設定できる。また固定部を弾性体で構成し、前記水素タンクを弾力性をもって支持すれば、固定部が切断されるまでの衝撃吸収力をさらに向上できる。また容器の内壁面に、ケブラー系高弾性繊維をコーティングした炭素繊維層を貼り付けるようにすれば、最も軽量で高強度の高圧容器とすることができるとともに、固定部が切断した後の減衰振動の効果も格段に向上できる。
また、本発明の第2の手段は、水素タンクの支持方法として、水素タンクを強度を有する容器の内部に、同容器の内壁面に対して適当な隔離距離を設けて固定し、同水素タンクがある規定値以上の衝撃を受けた場合に同固定部が切断されるような構造又は強度とし、前記容器が前記規定値以上の衝撃を受けて前記固定部が切断した後、同容器の内部で前記水素タンクに減衰振動を起させて、衝撃を吸収させることを特徴とする。
係る方法として、好ましくは、前記水素タンクを囲む前記容器内の空間部に衝撃緩衝材を充填する。
かかる方法によれば、同水素タンクがある規定値以上の衝撃を受け、水素タンクを容器に固定する固定部が切断した場合でも、容器の内部で水素タンクが減衰振動を起こし、衝撃を吸収するので、水素タンクが破損、破断するまでには至らない。
減衰運動を起こすための具体的な手段としては、たとえば容器の内部に気泡を含んだ発泡スチロールなどの衝撃吸収材を充填すれば、簡単かつ安価な構造で、大幅な改造等を要することなく、大きな減衰効果が得られる。
本発明の第3の手段は、水素タンクの両端にある固定部をガイド部材に摺動可能に嵌合し、同ガイド部材の両端にそれぞれ一端が取り付けられ、他端にストッパーを取り付けた一対のダンパースプリングによって、前記固定部をストッパーを介し両側から付勢するようにしたことを特徴とする。
この構成により、前記固定部が切断されない間は、前記ガイド部材が水素タンクを摺動可能にガイドする方向に沿った衝撃に対して、優れた吸収性能が発揮される。
以上のように、本発明によれば、水素タンクを強度を有する容器の内部に、同容器の内壁面に対して適当な隔離距離を設けて固定し、同容器がある規定値以上の衝撃を受けた場合に同固定部が切断されるような構造又は強度とし、前記容器の内壁面を、前記水素タンクが前記規定値以上の衝撃を受けて前記固定部が切断した後、前記水素タンクが同内壁面に衝突して減衰振動を起こす構造としたことにより、容器が規定値を越す大きな衝撃を受けた場合でも、水素タンクに減衰振動を起こして衝撃を吸収することができ、そのため水素タンク自体の破損、破断に至ることはなく、水素タンクへの引火等の危険を招くことはない。
またその際、固定部を割りピン構造とすれば、固定部が切断する衝撃力を正確に設定できるとともに、構造が簡単で安価となる。さらに固定部の構成により、切断可能な衝撃力の方向を選定でき、必要とあれば、全周方向に対する衝撃に対して、衝撃吸収力を発揮できるような構造とすることも可能である。
また固定部を弾性体で構成し、前記水素タンクを弾力性をもって支持すれば、固定部が切断されるまでは、衝撃吸収力を向上できる。また容器の内壁面に、ケブラー系高弾性繊維をコーティングした炭素繊維層を貼り付けるようにすれば、ケブラー系高弾性繊維の高弾性特質を生かして、減衰効果を飛躍的に向上できるとともに、最も軽量で高強度の高圧容器とすることができる、等の長所がある。
また本発明の防護方法として、水素タンクを強度を有する容器の内部に、同容器の内壁面に対して適当な隔離距離を設けて固定し、同水素タンクがある規定値以上の衝撃を受けた場合に同固定部が切断されるような構造又は強度とし、前記容器が前記規定値以上の衝撃を受けて前記固定部が切断した後、同容器の内部で前記水素タンクに減衰振動を起させて、衝撃を吸収させることにより、上記の本発明装置と同様に、高い衝撃吸収能力を有し、水素タンクの破損、破断を招くことがない。
また水素タンクを囲む前記容器内の空間部に、たとえば容器の内部に気泡を含んだ発泡スチロールなどの衝撃吸収材を充填すれば、簡単かつ安価で大きな衝撃吸収効果が得られる。
本発明の第3の手段として、水素タンクの両端にある固定部をガイド部材に摺動可能に嵌合し、同ガイド部材の両端にそれぞれ一端が取り付けられ、他端にストッパーを取り付けた一対のダンパースプリングによって、前記固定部をストッパーを介し両側から付勢するようにしたことにより、簡易な構造で、特に、前記固定部が切断されない間は、前記ガイド部材が水素タンクを摺動可能にガイドする方向に沿った衝撃に対して、優れた吸収性能が発揮される。
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
図1は高圧水素タンクを搭載した燃料電池自動車の説明図、図2は本発明の第1実施例に係る高圧水素タンクの支持装置の縦断面図、図3の(a)及び(b)は前記第1実施例に係る遮断部15の具体例を示す断面図、図4は本発明の第3実施例に係る高圧水素タンクの支持装置の斜視図、図5の(a)及び(b)は本発明の第3実施例に係る高圧水素タンクの支持装置の平面図及び左側面図である。
高圧水素タンクを搭載した燃料電池自動車を示す図1において、1は、車体の後方下部に設けられた高圧水素タンク2に水素を供給する水素充填口であり、水素タンク2に貯蔵された水素は、車体の前輪付近に設けられた燃料電池スタック3に送られる。燃料電池スタックで発生した電気は、パワーコントロールユニット4の指令に従って、車輪を駆動するモータ5、及び2次電池6に供給される。
図2は、本発明の第1実施例に係る高圧水素タンクの防護装置の縦断面図であり、図2において、11はケブラー系高弾性繊維層12で内張りされた高強度カーボンファイバー製の筐体で、同筐体11の内部に、前述の3層シールド積層構造を有する高圧水素タンク13が、固定金具14により、筐体11の内壁面から適当な隔離距離を設けて固定されている。
固定金具14は、衝撃がある既定値を越えると切断する遮断部15を有し、そのためある既定値以上の衝撃を受けると、水素タンク13は筐体11から切り離されて、筐体11内で、筐体11の内壁面に衝突を繰り返しながら、減衰振動をすることで、衝撃を吸収していく。
かかる第1実施例において、ある既定値以上の衝撃を受けると、水素タンク13は筐体11から切り離されて、筐体11内で、筐体11の内壁面に衝突を繰り返しながら、減衰振動をすることで、衝撃を吸収していくため、水素タンク自体は保護され、破損や破断から免れることができる。上記遮断部15の具体的構成として、車両のステアリングコラムシャフトの衝撃吸収機構に採用されている、割りピンなどを使用できる。割りピンの具体的な構造としては、図3の(a),(b)に示す切り欠き15a又は15bを有するものがある。
このような構造の切り欠きは、たとえば車体が崖から落ちた場合なども含めて、全周方向からの衝撃に対応可能である。
また車体の各所に車体が衝突した際に邀撃力を検知する衝突センサーを取り付け、衝突センサーと同期するアクチュエータを設けて、衝突時アクチュエータを動作させて、水素タンクを容器から切り離すようにしてもよい。
また衝突時に水素配管が破損した場合、水素配管内の残存水素ガスについては、バキュームポンプで自動的に残存水素を吸い込むようにしておく。
また特許文献1に記載されているように、衝突時に水素タンクを開閉するバルブを自動的に閉鎖する手段、たとえば車体に衝突検知センサーを設け、同センサーの作動により、水素タンクを開閉する電磁弁を閉鎖するようにしてもよい。
かかる第1実施例によれば、筐体11は、ケブラー系高弾性繊維層12で内張りされた高強度カーボンファイバー製であるため、最も軽量でかつ高強度を有し、水素タンク13が衝突した際の減衰効果が著しい。また水素タンク13自体も前述の3層シールド積層構造をなしているため、きわめて軽量かつ高強度を有し、相当の耐衝撃能力を有するとともに、ある規定値以上の衝撃を受けて、遮断部15が切断された後でも、ケブラー系高弾性繊維層12の高い衝撃吸収性能により、衝撃力を吸収し、破損、破断を招くことがない。
また切り欠き部15a,15bの構造により、全周方向の衝撃に対して対応可能である。
図4は本発明の第2実施例に係る斜視図であり、図4において、高圧水素タンク33は高強度の容器31内に、図3と同様な切り欠き部35a,35bを有する固定金具34a,34bにより、容器31の内壁面に対して適当な隔離距離を設けて固定されている。
また水素タンク33を囲む容器31内の空間部に、適当な衝撃吸収材が充填されている。この衝撃吸収材により、水素タンク33が減衰振動を起こし、衝撃が吸収される。
図5は本発明装置の第3実施例に係り、図5において、水素タンク23の両端は、ころ23a,23bを具備し、ガイド部材24a,24bのガイド溝25a,25b内を摺動自在にガイドされる。ガイド部材24a,24bの溝の両端にそれぞれダンパースプリング26a,26bの一端が取り付けられ、ダンパースプリング26a,26bの多端にはストッパー27a,27bが取り付けられている。
かかる第2実施例において、通常は水素タンク23の両側ころ23a,23bが両側からストッパー27a,27bに付勢されて支持されており、ガイド部材24a,24bの長尺方向の衝撃力に対し、ガイド部材24a,24bを破壊するような、ある規定値以上の衝撃力が水素タンク23に加わらなければ、水素タンク23はガイド部材24a,24bの溝25a,25b内を摺動し、ころ23a,23bの両側に位置するダンパースプリング26a,26bによって衝撃力を吸収される。
なお上記第3実施例の装置を前記第1実施例あるいは第2実施例のような筐体内に、適当な隔離距離を設けて固定してもよい。このような構造とすれば、ある一定値を越えた衝撃力が水素タンク23に加わったとき、水素タンク23がガイド部材24a,24bによる固定状態から外れても、水素タンク23は、筐体の内壁面と衝突を繰り返しながら、衝撃力が吸収され、その作用で、水素タンク23が破損、破壊されることはない。
本発明によれば、燃料電池車のさらなる衝突安全性を高め、事故などに遭遇した場合の一方向の衝撃、あるいは崖から転落したような全周方向の衝撃を受けた場合でも、燃料電池自動車に搭載されている水素タンクの破損、破壊を招くことがなく、かつ燃料電池車の大幅な性能低下、あるいは高額化をきたすことのない水素タンクの支持装置及び方法を提供することができる。
高圧水素タンクを搭載した燃料電池自動車の説明図である。 本発明の第1実施例に係る高圧水素タンクの防護装置の縦断面図である。 (a)及び(b)はそれぞれ前記第1実施例に係る遮断部15の具体例を示す断面図である。 本発明の第3実施例に係る高圧水素タンクの防護装置の斜視図である。 (a)及び(b)は本発明の第2実施例に係る高圧水素タンクの防護装置の平面図及び左側面図である。
符号の説明
1 水素充填口
2 高圧水素タンク
3 燃料電池スタック
4 パワーコントロールユニット
5 モータ
6 2次電池
11 高強度カーボンファイバー筐体
12 ケブラー系高弾性繊維層
13,23,33 高圧水素タンク
14,34a,34b 固定金具
15 遮断部
15a,15b,35a,35b 切り欠き部
24a,24b ガイド部材
25a,25b 溝
26a,26b ダンパースプリング
27a,27b ストッパー
31 高強度容器

Claims (7)

  1. 水素タンクを強度を有する容器の内部に、同容器の内壁面に対して適当な隔離距離を設けて固定し、同容器がある規定値以上の衝撃を受けた場合に同固定部が切断されるような構造又は強度とし、前記容器の内壁面を、前記水素タンクが前記規定値以上の衝撃を受けて前記固定部が切断した後、前記水素タンクが同内壁面に衝突して減衰振動を起こす構造としたことを特徴とする燃料電池自動車の水素タンク支持装置。
  2. 水素タンクを強度を有する容器の内部に、同容器の内壁面に対して適当な隔離距離を設けて固定し、同水素タンクがある規定値以上の衝撃を受けた場合に同固定部が切断されるような構造又は強度とし、前記容器が前記規定値以上の衝撃を受けて前記固定部が切断した後、同容器の内部で前記水素タンクに減衰振動を起させて、衝撃を吸収させることを特徴とする燃料電池自動車の水素タンク支持方法。
  3. 前記固定部を割りピン構造としたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池自動車の水素タンク支持装置。
  4. 前記固定部を弾性体で構成し、前記水素タンクを弾力性をもって支持するようにしたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池自動車の水素タンク支持装置。
  5. 前記容器の内壁面に、ケブラー系高弾性繊維をコーティングした炭素繊維層を貼り付けたことを特徴とする請求項1記載の燃料電池自動車の水素タンク支持装置。
  6. 前記水素タンクを囲む前記容器内の空間部に衝撃緩衝材を充填したことを特徴とする請求項2記載の燃料電池自動車の水素タンク支持方法。
  7. 水素タンクの両端にある固定部をガイド部材に嵌合し、同ガイド部材の両端にそれぞれ一端が取り付けられ、他端にストッパーを取り付けた一対のダンパースプリングによって、前記固定部をストッパーを介し両側から付勢するようにしたことを特徴とする燃料電池自動車の水素タンク支持装置。
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