JP2005297706A - カーエアコン用電動コンプレッサおよびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 カーエアコン用電動コンプレッサが長期間使われないとき、制御システム内部での待機電力を減らすこと。
【解決手段】 本発明の電動コンプレッサ1では、外部のECU4から緊急停止信号A,Bがあると、制御手段9がブリッジ回路7の駆動を止めて停止状態にはいる。緊急停止信号が所定時間続くと、制御手段9は電源手段8を止めて制御システム70全体を休眠状態に入れる。休眠状態では待機電力が微少であり、ほとんど電力消費がない。逆に緊急停止信号が解除されると、待機していた回復手段14が電源手段8を再起動させ、もって電動コンプレッサ1全体を駆動状態に戻す。
【選択図】 図2
【解決手段】 本発明の電動コンプレッサ1では、外部のECU4から緊急停止信号A,Bがあると、制御手段9がブリッジ回路7の駆動を止めて停止状態にはいる。緊急停止信号が所定時間続くと、制御手段9は電源手段8を止めて制御システム70全体を休眠状態に入れる。休眠状態では待機電力が微少であり、ほとんど電力消費がない。逆に緊急停止信号が解除されると、待機していた回復手段14が電源手段8を再起動させ、もって電動コンプレッサ1全体を駆動状態に戻す。
【選択図】 図2
Description
本発明は、カーエアコン用の電動コンプレッサ制御技術の分野に属し、特に消費電力を節約する必要がある車両に搭載された空調機の電動コンプレッサを制御する技術の分野に属する。
本発明の電動コンプレッサを搭載するのに好適な車両は、主に電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池車などのように、主機(車両駆動用の電動機)をもつ自動車もしくは車両である。しかし、本発明の適用が可能な車両は、これらに限定されない。すなわち、必要性に差があるものの、旧来通りのエンジン駆動の自動車や外部から電力の供給を受ける鉄道車両を含め、あらゆる車両で電力を節約する必要が生じるので、電動コンプレッサを搭載している車両であれば、おおむね本発明の適用が可能である。
(一般論)
ふつう、外部から電力の供給を受けない自動車などの車両においては、限られた電力を節約して上手に使う必要性がある。また、最近では、電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池車などのように、主機をもつ車両が登場しているが、これらの車両でも、やはり供給可能な電力は限られているから、電力を節約して上手に使わなければならない。もちろん、このような節電機能は、車載装置のすべてに対して要求され、カーエアコン用の電動コンプレッサも例外ではない。
ふつう、外部から電力の供給を受けない自動車などの車両においては、限られた電力を節約して上手に使う必要性がある。また、最近では、電気自動車やハイブリッド自動車、燃料電池車などのように、主機をもつ車両が登場しているが、これらの車両でも、やはり供給可能な電力は限られているから、電力を節約して上手に使わなければならない。もちろん、このような節電機能は、車載装置のすべてに対して要求され、カーエアコン用の電動コンプレッサも例外ではない。
(従来技術)
そこで、従来技術としては、主機を持つ車両に搭載された電動コンプレッサの制御システムには、アクセルペダルがいっぱいに踏まれた場合などには緊急停止信号が入力され、電動コンプレッサの電動機への電力供給が停止されるようになっているものがある。すると、カーエアコンのメインスイッチが入っていても、電動コンプレッサの電動機を止めることによって、限られた電力を主機の駆動に集中することができるので、主機の瞬発力が高まって車両の加速性がよくなる。
そこで、従来技術としては、主機を持つ車両に搭載された電動コンプレッサの制御システムには、アクセルペダルがいっぱいに踏まれた場合などには緊急停止信号が入力され、電動コンプレッサの電動機への電力供給が停止されるようになっているものがある。すると、カーエアコンのメインスイッチが入っていても、電動コンプレッサの電動機を止めることによって、限られた電力を主機の駆動に集中することができるので、主機の瞬発力が高まって車両の加速性がよくなる。
ただし、このような従来の電動コンプレッサの制御システムでは、緊急停止信号が入力された場合に、電動機への駆動電力の供給こそは停止していても、この制御システムの機能が停止しているわけではなく、制御システムは稼働したままになっている。それゆえ、緊急停止信号が解除された場合には、この制御システムは速やかに電動機への電力供給を再開して圧縮機を作用させ、電動コンプレッサの作用を回復させることができる。
しかるに、このような従来技術では、カーエアコンのメインスイッチが入っているのに電動コンプレッサの電動機を止める場合には、それが長く止める場合であっても、やはり緊急停止信号によって止めている。それゆえ、冬季のように長期間にわたって除湿や冷房が必要とされないときにも、メインスイッチが入っている限りは、電動機が駆動されていなくても、制御システムが稼働し続けている。
すなわち、従来技術では、カーエアコンのメインスイッチが入っていながら、その電動コンプレッサを長く停止している場合には、その制御システムの内部で無駄に電力が消費され続けている。
(代替案)
ところで、特許文献1には、主機への駆動電力を供給する回路とバッテリの間の接続を開閉する継電器(リレー)を備えた技術が開示されている。そこで、カーエアコン用電動コンプレッサにも専用の継電器を設けて、冬季などには電動コンプレッサへの電力供給を完全に絶ってしまうという代替案も考え得る。
ところで、特許文献1には、主機への駆動電力を供給する回路とバッテリの間の接続を開閉する継電器(リレー)を備えた技術が開示されている。そこで、カーエアコン用電動コンプレッサにも専用の継電器を設けて、冬季などには電動コンプレッサへの電力供給を完全に絶ってしまうという代替案も考え得る。
しかしながら、主機駆動用バッテリの高電圧に耐えることができる専用の継電器を設けるとなると、高価な継電器とそれを制御する制御手段とが別途に必要となり、カーエアコン用電動コンプレッサの価格増大につながる。そればかりではなく、継電器とその制御手段の分だけ部品点数が増えるから、カーエアコン用電動コンプレッサの信頼性がいくらか低下することも危惧される。
特許第3328509号公報
前述の従来技術では、長期間にわたって電動コンプレッサが必要とされないときにも、カーエアコンのメインスイッチが入っている限りは制御システムが稼働し続けており、無駄に電力を消費してしまうという不都合がある。一方、前述の代替案では、このような不都合は解消される代わりに、装置価格が高くなるばかりではなく、信頼性が低下する恐れもある。
そこで本発明は、装置価格の高騰や信頼性の低下をほとんど招くことなしに、長期間使用しないときなどには、無駄な電力消費をほとんどなくすことができるカーエアコン用電動コンプレッサの制御技術を提供することを、解決すべき課題とする。
前記課題を解決するために、発明者は以下の手段を発明した。
[方法発明]
(第1手段の構成)
本発明の第1手段は、カーエアコン用電動コンプレッサの電動機を駆動する制御システムが、緊急停止信号を検知すると、カーエアコンのメインスイッチがオンになっていても、この電動機への給電を停止して電力消耗を軽減する「カーエアコン用電動コンプレッサの制御方法」である。本手段の特徴は、前記緊急停止信号が所定時間以上に及んだ場合に、前記制御システムは、自らの状態を電力消費が少ない休眠状態にし、この休眠状態においてこの緊急停止信号が解除された場合には、この制御システムは、自らの状態を通常の状態に復帰させることである。
(第1手段の構成)
本発明の第1手段は、カーエアコン用電動コンプレッサの電動機を駆動する制御システムが、緊急停止信号を検知すると、カーエアコンのメインスイッチがオンになっていても、この電動機への給電を停止して電力消耗を軽減する「カーエアコン用電動コンプレッサの制御方法」である。本手段の特徴は、前記緊急停止信号が所定時間以上に及んだ場合に、前記制御システムは、自らの状態を電力消費が少ない休眠状態にし、この休眠状態においてこの緊急停止信号が解除された場合には、この制御システムは、自らの状態を通常の状態に復帰させることである。
ここで、前述の緊急停止信号は、電動コンプレッサの電動機を駆動すべきか停止すべきかを制御システムが判定することができる信号であればよく、その形式については特に限定されない。また、ここでいう所定時間以上とは、所定時間に達した場合を含む場合と、所定時間を超えた場合とのいずれでもよいものとし、判定条件の設計事項であるとする。なお、カーエアコン用電動コンプレッサとは、車両に搭載された空調機用の電動コンプレッサを指し、本明細書では単に電動コンプレッサと略すことも多い。
(第1手段の作用)
本手段では、前述の通常技術のように、アクセルペダルがいっぱいに踏み込まれたときなど、電動コンプレッサの消費電力の節減をする必要がある場合には、電動コンプレッサ制御用の上位ECUなどから、緊急停止信号が電動コンプレッサの制御システムに入力される。この緊急停止信号を検知すると、この制御システムは、カーエアコンのメインスイッチがオンになっていても、電動コンプレッサの電動機への給電を停止し、電動コンプレッサでの電力消耗を軽減する。
本手段では、前述の通常技術のように、アクセルペダルがいっぱいに踏み込まれたときなど、電動コンプレッサの消費電力の節減をする必要がある場合には、電動コンプレッサ制御用の上位ECUなどから、緊急停止信号が電動コンプレッサの制御システムに入力される。この緊急停止信号を検知すると、この制御システムは、カーエアコンのメインスイッチがオンになっていても、電動コンプレッサの電動機への給電を停止し、電動コンプレッサでの電力消耗を軽減する。
さらに、前記緊急停止信号が所定時間以上に及んだ場合には、前記制御システムは、自らの状態を電力消費が少ない休眠状態にする。この際、所定時間というのは、過積載状態での加速時や登坂時などにも、アクセルペダルを踏み続けることができないような長さに設定しておくとよい。こうすれば、緊急停止信号がこの所定時間を超えて長く続く場合には、冬季などのように長期間にわたってカーエアコン用電動コンプレッサを使用することがない場合であることを判定することができる。そして、このように制御システムを休眠状態にしておけば、電動コンプレッサの電動機で消費される電力がなくなるばかりではなく、その制御システム自体の内部でも電力の消費が抑制されている。それゆえ、前述の通常技術とは異なって、長期間にわたって電動コンプレッサを使用することがない場合には電力の無駄遣いが最低限に抑制される。
逆に、この休眠状態においてこの緊急停止信号が解除された場合には、この制御システムは、自らの状態を通常の状態に復帰させる。ここで、通常の状態とは、制御システムが電動機に駆動電力を供給している駆動状態と、緊急停止信号を受けて電動機へ駆動電力の供給は停止しているものの制御システム自体には通常通り通電されている停止状態とのいずれでもよいものとする。こうして制御システムが通常の状態に復帰すると、制御システムは再び、必要に応じて電動機に適正な駆動電力を供給することができるようになる。なお、制御システムが通常の状態に復帰するには少しの時間がかかるのがふつうであるが、カーエアコンの温度や湿度の変動に関する時定数に比較すればごく短時間であって、全く問題にはならない。
(第1手段の効果)
以上のように本手段では、長期間使用しないときには制御システムが休眠状態になり、電動機での消費電力がなくなるばかりではなく、制御システム自体の内部でも電力の消費が抑制されている。その結果、冬季など電動コンプレッサを長期間使用しないときには、待機中の電動コンプレッサでの無駄な電力消費をほとんどなくすことができる。また、前述の代替案とは異なって、高価なリレーやその制御手段を新設しなくてすむので、装置価格の高騰や信頼性の低下をほとんど招くことがない。
以上のように本手段では、長期間使用しないときには制御システムが休眠状態になり、電動機での消費電力がなくなるばかりではなく、制御システム自体の内部でも電力の消費が抑制されている。その結果、冬季など電動コンプレッサを長期間使用しないときには、待機中の電動コンプレッサでの無駄な電力消費をほとんどなくすことができる。また、前述の代替案とは異なって、高価なリレーやその制御手段を新設しなくてすむので、装置価格の高騰や信頼性の低下をほとんど招くことがない。
したがって本手段によれば、装置価格の高騰や信頼性の低下をほとんど招くことなく、長期間使用しないときには待機電力を微弱として無駄な電力消費をほとんどなくすことができるという効果がある。
[装置発明]
(第2手段の構成)
本発明の第2手段は、カーエアコンの作動流体を圧縮する圧縮機と、この圧縮機を駆動する電動機と、適正に制御された駆動電力をこの電動機に供給する制御システムとを有する「カーエアコン用電動コンプレッサ」である。そして、前記制御システムは、前記電動機に前記駆動電力を供給するブリッジ回路と、このブリッジ回路の駆動を制御する制御手段と、この制御手段に直流電源を供給する電源手段とをもつ。さらに、前記制御システムに緊急停止信号が入力されると、前記制御手段は前記ブリッジ回路の駆動を停止する停止機能を持つ。
(第2手段の構成)
本発明の第2手段は、カーエアコンの作動流体を圧縮する圧縮機と、この圧縮機を駆動する電動機と、適正に制御された駆動電力をこの電動機に供給する制御システムとを有する「カーエアコン用電動コンプレッサ」である。そして、前記制御システムは、前記電動機に前記駆動電力を供給するブリッジ回路と、このブリッジ回路の駆動を制御する制御手段と、この制御手段に直流電源を供給する電源手段とをもつ。さらに、前記制御システムに緊急停止信号が入力されると、前記制御手段は前記ブリッジ回路の駆動を停止する停止機能を持つ。
前記制御システムの状態には、駆動状態および停止状態に加えて、さらに休眠状態がある。まず、駆動状態は、前記制御手段に制御された前記ブリッジ回路が、前記電動機に駆動電力を供給している状態である。次に、停止状態は、前記緊急停止信号がこの制御手段に入力されると、この制御手段がこのブリッジ回路の駆動を停止して前記電動機を停止させている状態である。さらに、休眠状態は、前記制御手段が所定の判定基準に従って行う判定に基づいて、前記電源手段および前記制御手段のうち少なくとも一方が機能を停止し、この制御システムの消費電力が前記停止状態での消費電力よりもさらに小さくなっている状態である。
そして、前記制御システムは、前記緊急停止信号が解除された場合に前記制御システムの状態を前記休眠状態から前記駆動状態もしくは前記停止状態に回復させる回復手段をさらにもつ。
すなわち、本手段の特徴は、前述のように、制御システムの状態として駆動状態および停止状態に加えて休眠状態があり、この休眠状態から回復するための回復手段を制御システムがもっていることである。
(第2手段の作用)
ここでは、制御システムがとる三つの状態とその切り替えとに重点を置いて、本手段の「カーエアコン用電動コンプレッサ」がもつ作用を説明する。
ここでは、制御システムがとる三つの状態とその切り替えとに重点を置いて、本手段の「カーエアコン用電動コンプレッサ」がもつ作用を説明する。
(1)駆動状態
まず、駆動状態では、電源手段が、走行用バッテリ等の高い直流電圧を適正に降圧するなど電源電圧の調整をしてから、電力を制御手段に供給する。すると、通電された制御手段が作動して、外部のECUなどから電動機の回転数の目標値などの信号を取り込み、ゲート電圧などを通じてブリッジ回路を適正な周波数で駆動する。こうして駆動されたブリッジ回路は電動機に駆動電力を供給して電動機を回転させ、さらに電動機が圧縮機を駆動して作動流体が圧縮される。
まず、駆動状態では、電源手段が、走行用バッテリ等の高い直流電圧を適正に降圧するなど電源電圧の調整をしてから、電力を制御手段に供給する。すると、通電された制御手段が作動して、外部のECUなどから電動機の回転数の目標値などの信号を取り込み、ゲート電圧などを通じてブリッジ回路を適正な周波数で駆動する。こうして駆動されたブリッジ回路は電動機に駆動電力を供給して電動機を回転させ、さらに電動機が圧縮機を駆動して作動流体が圧縮される。
この駆動状態は、電動コンプレッサがその本来の機能を発揮している状態であり、三つの状態の中でもっとも消費電力が大きい状態である。すなわち、駆動状態では、制御システムを構成する電源手段、制御手段およびブリッジ回路と、圧縮機を駆動する電動機とのいずれにおいても、電力が消費されている。そして、電動コンプレッサを構成するこれらの構成要素の中では、もちろん電動機での電力消費が最も大きい。
(2)停止状態
次に、停止状態では、外部のECUなどから緊急停止信号が制御システムに入力され、制御手段が緊急停止信号を検知すると、制御手段がブリッジ回路の駆動を停止させる。すると、ブリッジ回路から電動機への駆動電力の供給が途絶えるので、電動機は停止し、これの伴って圧縮機の作用も停止する。
次に、停止状態では、外部のECUなどから緊急停止信号が制御システムに入力され、制御手段が緊急停止信号を検知すると、制御手段がブリッジ回路の駆動を停止させる。すると、ブリッジ回路から電動機への駆動電力の供給が途絶えるので、電動機は停止し、これの伴って圧縮機の作用も停止する。
この停止状態は、いうなれば電動コンプレッサが待機している状態であり、この状態での消費電力は、前述の駆動状態よりもずっと小さい。すなわち、この状態では、電動コンプレッサの圧縮機は作用しておらず、電動機にも駆動電力は供給されていないが、制御システムのうち電源手段および制御手段には通電されている。それゆえ、電動機およびブリッジ回路での電力消費はほとんどないが、電源手段および制御手段は稼働しているので、制御システムの内部では電源手段および制御手段での電力消費がある。なお、電源手段および制御手段が停止状態で消費する電力のレベルは、両装置が駆動状態で消費する電力とほぼ同等かやや小さいといったレベルである。
このように、停止状態においては、ブリッジ回路および電動機での電力消費はないものの、制御システムの電源手段および制御手段では電力が消費され続けている。それゆえ、車両の加速中などの短時間であれば、停止状態での電力消費はあまり問題視されず、むしろ駆動状態への復帰が速いという利点さえもたらす。しかし、前述の従来技術のように、冬季など長期間にわたって停止状態が続く場合には、停止状態での電力消費を時間積分すると電力の無駄遣いが大きくなりすぎ、見過ごしにすることができない。
(3)休眠状態
そこで、発明者は制御システムの第三の状態として、休眠状態という、前述の停止状態よりもさらに消費電力が少ない待機状態を発案した。
そこで、発明者は制御システムの第三の状態として、休眠状態という、前述の停止状態よりもさらに消費電力が少ない待機状態を発案した。
すなわち、休眠状態では、電動コンプレッサの制御手段が、所定の判定基準に従って、ブリッジ回路から電動機への駆動電力の供給を停止するだけではなく、制御手段自身やその電源手段をも機能停止させるべきかどうかの判定を行う。この判定を行う目的は、長期間にわたって電動コンプレッサを使用しないときなどに、その制御システムでの無駄な消費電力を低減して電力を節約することである。
そして、この判定に基づいて、前記電源手段および前記制御手段のうち少なくとも一方が機能を停止して、電動コンプレッサの制御システムは休眠状態に入る。すると、この制御システムの消費電力が前記停止状態での消費電力よりもさらに小さくなる。なお、制御手段にはデジタルプロセッサが多用されているから、このような判定機能や停止機能を制御手段に持たせても、制御手段の価格への影響はあまりない。
この休眠状態は、電動コンプレッサの電動機を停止してその駆動電力をなくしただけではなく、制御システムの機能をもほぼ全面的に停止して、制御システムでの消費電力をも低減した状態である。この状態では、電動機に通電されていないだけではなく、制御システムにもほとんど通電されていない。それゆえ、休眠状態では、待機中の電動コンプレッサでの電力消費がほとんどなくなり、前述の停止状態に比べても、よりいっそう消費電力が小さくなっている。
(4)休眠状態からの回復
ところで、前述のように、緊急停止信号が入力されると制御システムの状態を駆動状態から停止状態に切り替えるのは制御システムのうち制御手段であり、同様に停止状態から休眠状態に切り替える判定も制御手段が行う。ところが、休眠状態では、電源手段および制御手段のうち少なくとも一方が機能を停止しており、電源手段が機能停止すれば制御手段も電源がなくなってしまうから、いずれが機能停止しても制御手段は機能しなくなる。すると、ここでさらに工夫を重ねなければ、せっかく制御システムの状態として新たに休眠状態を設けて節電に努めても、いったん休眠状態に入ってしまったら電動コンプレッサが再起動しなくなってしまう。
ところで、前述のように、緊急停止信号が入力されると制御システムの状態を駆動状態から停止状態に切り替えるのは制御システムのうち制御手段であり、同様に停止状態から休眠状態に切り替える判定も制御手段が行う。ところが、休眠状態では、電源手段および制御手段のうち少なくとも一方が機能を停止しており、電源手段が機能停止すれば制御手段も電源がなくなってしまうから、いずれが機能停止しても制御手段は機能しなくなる。すると、ここでさらに工夫を重ねなければ、せっかく制御システムの状態として新たに休眠状態を設けて節電に努めても、いったん休眠状態に入ってしまったら電動コンプレッサが再起動しなくなってしまう。
このような不都合に対して、発明者は、制御システムが休眠状態にあっても機能しており、緊急停止信号が解除されたらそれを検知して制御システムの状態を休眠状態から回復させる何らかの手段が、制御手段とは別に必要になることに思い至った。その結果、発明者は、制御システムの構成要素として、休眠状態において緊急停止信号が解除された場合には、それを検知して制御システムの状態を休眠状態から回復させる回復手段を、新たに設けることにした。
すると、制御システムが休眠状態にあっても、この回復手段だけは制御システムの中にあって機能しているから、制御システムは緊急停止信号が解除されるのを検知することができるようになる。そして、緊急停止信号が解除されたならば、それを回復手段が検知して、起動用のトリガー信号を生成するなり起動用に微少電力の電源を投入するなりすれば、休眠状態にあって機能を停止している電源手段や制御手段が再び起動する。すると、制御システムの電源手段や制御手段が再び機能するようになり、待機中であった制御システムは、休眠状態から停止状態や駆動状態に回復して、いつでも電動機に駆動電力を供給することができるようになる。
ここで、回復手段の機能は、緊急停止信号の解除を検知することと、電源手段などが再起動できるように信号を送ることだけであるから、回復手段での消費電力は極めて僅かにすることができる。それゆえ、回復手段は制御システムが休眠状態にあっても稼働しているが、稼働中の回復手段が必要とする電力はごく小さいから、節電効果を十分に上げることができる。
また、前述のように、回復手段に要求される機能はごく単純であるから、回復手段の構成はごく単純にすることができ、しかも回復手段には微少電流しか流れないから、回復手段を安価な部品を使って構成することができる。それゆえ、制御システムに回復手段を付加しても、価格や信頼性などの面でのデメリットはほとんどない。
(第2手段の効果)
前述のように、本手段の電動コンプレッサ全体で消費される電力が大きい順に制御システムの状態を並べると、駆動状態、停止状態、休眠状態である。すなわち、第一に駆動状態での消費電力はおおむね定格消費電力の桁にあり、第二に停止状態での消費電力は定格消費電力よりも桁違いに小さく、第三に休眠状態での消費電力は停止状態のそれよりもなおいっそう小さい。
前述のように、本手段の電動コンプレッサ全体で消費される電力が大きい順に制御システムの状態を並べると、駆動状態、停止状態、休眠状態である。すなわち、第一に駆動状態での消費電力はおおむね定格消費電力の桁にあり、第二に停止状態での消費電力は定格消費電力よりも桁違いに小さく、第三に休眠状態での消費電力は停止状態のそれよりもなおいっそう小さい。
したがって、本手段の「カーエアコン用電動コンプレッサ」によれば、装置価格の高騰や信頼性の低下をほとんど招くことなしに、長期間使用しないときなどに無駄な待機電力の消費をほとんどなくすことができ、節電効果が向上するという効果がある。
(第3手段)
本発明の第3手段は、前述の第2手段において、前記判定基準は、前記緊急停止信号もしくは前記停止状態が所定時間以上に及ぶ場合に、前記制御システムを前記休眠状態に入れるべきことであるを特徴とする。
本発明の第3手段は、前述の第2手段において、前記判定基準は、前記緊急停止信号もしくは前記停止状態が所定時間以上に及ぶ場合に、前記制御システムを前記休眠状態に入れるべきことであるを特徴とする。
本手段では、制御手段が制御システムを休眠状態に入れる際の判定基準が極めて単純であるから、制御手段に判定ロジックを組み込むことによる価格の増大や信頼性の低下がほとんどない。それでいて、冬季などのようにカーエアコンの電動コンプレッサを長く使わない場合には、この制御手段が確実に制御システムを休眠状態に入れることができ、電動コンプレッサでの消費電力を停止状態よりもいっそう節約することができる。
したがって本手段によれば、前述の第2手段の効果に加えて、電動コンプレッサを長く使わない場合には確実に休眠状態に入れる判定が可能でありながら、価格の増大や信頼性の低下がほとんどないという効果がある。
(第4手段)
本発明の第4手段は、前述の第2手段に記載された「電動コンプレッサ」である。本手段の特徴は、前記制御システムが前記休眠状態に入る際には、前記制御手段が前記電源手段の機能を停止させ、逆にこの制御システムがこの休眠状態を脱する際には、前記緊急停止信号の解除を検知した前記回復手段がこの電源手段の機能を回復させることである。
本発明の第4手段は、前述の第2手段に記載された「電動コンプレッサ」である。本手段の特徴は、前記制御システムが前記休眠状態に入る際には、前記制御手段が前記電源手段の機能を停止させ、逆にこの制御システムがこの休眠状態を脱する際には、前記緊急停止信号の解除を検知した前記回復手段がこの電源手段の機能を回復させることである。
本手段では、制御システムが休眠状態に入る際には、先ず制御手段が電源手段の機能を停止させてしまう。すると、制御手段は電源手段から電源を供給されているから、自然に制御手段も機能停止する。その結果、休眠状態では、ブリッジ回路だけではなく電源手段および制御手段の両方もその機能を停止して通電されなくなり、休眠状態にある制御システムでは、機能しているのは消費電力が微弱な回復手段だけになる。前述のように、回復手段はごく小さな消費電力で機能するように構成することができるから、回復手段だけが機能している電動コンプレッサにおいては、待機電力による電力消費をほとんどなくすことができる。
逆に、制御システムがこの休眠状態を脱する際には、回復手段が緊急停止信号の解除を検知して電源手段の機能を回復させる。すると、電源手段が再び制御手段に電力を供給するようになり、制御手段も自然に機能を回復するに至る。そして、制御手段が機能を回復すれば、制御手段に駆動されるブリッジ回路もその機能を回復して電動機を駆動することができるようになる。すなわち、回復手段が電源手段の機能を回復すれば、電源手段に続いて制御手段が機能を回復し、制御システムが駆動状態または停止状態にまで回復する。そして、制御システムが機能回復して駆動状態になれば、ブリッジ回路から再び駆動電力が供給されるようになって、電動機および圧縮機までもが機能を回復し、電動コンプレッサ全体が機能を回復するに至る。
したがって本手段によれば、前述の第2手段の効果に加えて、休眠状態では電動コンプレッサのうち回復手段だけが機能しているので、休眠状態での待機電力による電力消費をほとんどなくすことができるという効果がある。
本発明の「カーエアコン用電動コンプレッサおよびその制御方法」がもつ実施形態については、当業者に実施可能な理解が得られるように、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。
[装置発明の実施例]
(実施例1の装置構成)
本発明の実施例1としてのカーエアコン用電動コンプレッサ1は、電気自動車(図略)に搭載された空調機用の電動コンプレッサ1である。本実施例の電動コンプレッサ1は、図1に示すように、上位のECU4によって制御され、主機(図略)を駆動するための走行用バッテリ2によって駆動される。
(実施例1の装置構成)
本発明の実施例1としてのカーエアコン用電動コンプレッサ1は、電気自動車(図略)に搭載された空調機用の電動コンプレッサ1である。本実施例の電動コンプレッサ1は、図1に示すように、上位のECU4によって制御され、主機(図略)を駆動するための走行用バッテリ2によって駆動される。
本実施例の電動コンプレッサ1は、カーエアコンの作動流体(図略)を圧縮する圧縮機5と、圧縮機5を回転駆動する三相交流電動機6と、適正に制御された駆動電力を電動機6に供給する制御システム70とを有する。すなわち、本実施例の電動コンプレッサ1の主要な構成要素は、インターフェース回路10、電源手段8、制御手段9、回復手段14および三相全波ブリッジ回路7をもつ制御システム70と、三相交流電動機6および圧縮機5とである。これらのうち、制御システム70の制御手段9とこれに駆動されるブリッジ回路7とは、電動機6に三相交流電力を提供するインバータを形成している。
そして、制御システム70は、電動機6に三相交流の駆動電力を供給する三相全波ブリッジ回路7と、ブリッジ回路7の駆動を制御する制御手段9と、制御手段9に15Vの直流電源を供給する電源手段8とをもつ。制御システム70はさらに、後で説明するように、緊急停止信号が解除された場合に制御システムの状態を休眠状態から駆動状態に回復させる回復手段14をもつ。制御システム70はまた、アースされた補機用バッテリ3の側とは絶縁しながらECU4と各種信号のやりとりをするためのインターフェース回路10をもつ。
なお、制御システム70のこれらの構成要素8,9,10,14は、一纏めにされており、さらに制御システム70のブリッジ回路7と一緒に、ケース(図略)の中に収納されている。そして、このケースは圧縮機5および電動機6に付設されている。もちろん、設計事項として、このケースを圧縮機5および電動機6のユニットとは離して独立させてある場合や、上位のECU4に付設させている場合などもありうる。
制御システム70のうち、制御手段9と回復手段14と、それぞれ次のような機能を持つ。すなわち、上位ECU4から制御システム70に緊急停止信号(加速カット信号ともいう)が入力されると、制御手段9は、ブリッジ回路7の駆動を停止させる機能を持つ。制御手段9はさらに、所定の判定基準に従って判定して、電源手段8および制御手段9の機能を停止させる機能を持つ。逆に、回復手段14は、電源手段8を休眠状態から回復させることによって、制御手段9およびブリッジ回路7を順次回復させる機能を持つ。このような機能については、後ほど「実施例1の作用」の項で、制御システム70の状態と併せて詳しく説明する。
ここで、ブリッジ回路7は、六組のIGBTおよびダイオードからなる三相全波ブリッジ回路であり、走行用バッテリ2を直流電源として三相交流電動機6に駆動電力を供給する。また、ブリッジ回路7を各ゲート電圧を介して駆動する制御手段9は、図示しないマイクロコンピュータを中核として、各種検出回路やゲート駆動回路などをもった制御装置である。さらに、制御手段9に電源を供給する電源手段8は、走行用バッテリ2からの変動が大きい288V直流電源を安定した15V直流電源に降圧する電源装置であり、後述するように制御手段9からの休眠信号により遮断される。なお、回復手段14も、本質的には走行用バッテリ2からの直流電圧を5Vに下げる予備的な電源装置であるが、後述するように、休眠状態で緊急停止信号が解除された場合にトリガー信号を電源手段8に送って、電源手段8を再起動する。
さて、制御システム70の状態には三つあり、駆動状態と停止状態とに加えて、さらに休眠状態がある。まず、駆動状態は、制御手段9に制御されたブリッジ回路7が、電動機6に駆動電力を供給している通常の状態である。次に、停止状態は、ECU4から緊急停止信号が制御手段9に入力されると、制御手段9がブリッジ回路7の駆動を停止して電動機6を停止させる臨時の状態である。さらに、休眠状態は、制御手段9が、所定の判定基準に従って行う判定に基づいて、電源手段8および制御手段9の両方が機能を停止させ、制御システム70の消費電力が、その停止状態での消費電力よりもさらに小さくなっている待機状態である。ここで、この判定基準とは、緊急停止信号が所定時間以上に及ぶ場合に制御システム70を休眠状態に入れるべきことである。
すなわち、本実施例の電動コンプレッサ1について特記すべきことは、前述のように、制御システム70の状態として駆動状態および停止状態に加えて休眠状態があることと、この休眠状態から駆動状態に回復するための回復手段14を制御システム70がもつこととである。
そして、電動コンプレッサ1は、負極側がアースされた低電圧(12V)の補機用バッテリ3を電源とする外部のECU4から、緊急停止信号線12とシリアル通信線13とを通じて制御される。また、電動コンプレッサ1は、主機駆動用に車載された高電圧(288V)かつ大容量の走行用バッテリ2を電源として作動する。なお、電動コンプレッサ1のうち大半の部分が、車両の車体(図略)から絶縁されており、電動コンプレッサ1のうちインターフェース回路10の絶縁を示す破線11から図中左側の部分だけが、負極側で接地されている。
(実施例1の作用)
本実施例のカーエアコン用電動コンプレッサ1は、以上のように構成されているので、以下のように作用する。ここでは、制御システム70がとる三つの状態とその切り替えとに重点を置いて、本実施例の作用について説明する。
本実施例のカーエアコン用電動コンプレッサ1は、以上のように構成されているので、以下のように作用する。ここでは、制御システム70がとる三つの状態とその切り替えとに重点を置いて、本実施例の作用について説明する。
(1)駆動状態
第一に駆動状態では、同じく図1に示すように、電源手段8が、走行用バッテリ2の高い直流電圧を適正に降圧して安定した直流電源を制御手段9に供給する。すると、通電された制御手段9が作動し、外部のECU4からシリアル通信線13,13’を通じて電動機6の回転数の目標値などの信号を取り込み、ゲート電圧を通じてブリッジ回路7を適正な周波数で駆動する。こうして駆動されたブリッジ回路7は電動機6に駆動電力を供給して回転させ、さらに電動機6が圧縮機5を駆動して、カーエアコンの作動流体(図略)が圧縮されるに至る。
第一に駆動状態では、同じく図1に示すように、電源手段8が、走行用バッテリ2の高い直流電圧を適正に降圧して安定した直流電源を制御手段9に供給する。すると、通電された制御手段9が作動し、外部のECU4からシリアル通信線13,13’を通じて電動機6の回転数の目標値などの信号を取り込み、ゲート電圧を通じてブリッジ回路7を適正な周波数で駆動する。こうして駆動されたブリッジ回路7は電動機6に駆動電力を供給して回転させ、さらに電動機6が圧縮機5を駆動して、カーエアコンの作動流体(図略)が圧縮されるに至る。
この駆動状態は、電動コンプレッサ1がその本来の機能を発揮している状態であり、三つの状態のうちでもっとも消費電力が大きい。すなわち、駆動状態では、電動コンプレッサ1のうち電動機6での消費電力が最も大きいが、制御システム70自体でもある程度の電力が消費されている。
(2)停止状態
第二に停止状態では、図2に示すように、先ず、外部のECU4で生成された緊急停止信号A,Bが、電動コンプレッサ1のインターフェース回路10から制御システム70に入力される。すると、制御システム70のうち制御手段9が、この緊急停止信号を検知してブリッジ回路7の駆動を停止する。すると、ブリッジ回路7から電動機6への駆動電力の供給が途絶えて電動機6は停止し、これの伴って圧縮機5の圧縮作用も停止する。
第二に停止状態では、図2に示すように、先ず、外部のECU4で生成された緊急停止信号A,Bが、電動コンプレッサ1のインターフェース回路10から制御システム70に入力される。すると、制御システム70のうち制御手段9が、この緊急停止信号を検知してブリッジ回路7の駆動を停止する。すると、ブリッジ回路7から電動機6への駆動電力の供給が途絶えて電動機6は停止し、これの伴って圧縮機5の圧縮作用も停止する。
この停止状態は、いうなれば電動コンプレッサ1が臨時に停止させられている状態であり、この状態での消費電力は、前述の駆動状態よりもずっと小さい。すなわち、停止状態では、電動コンプレッサ1の圧縮機5は作用しておらず、電動機6にも駆動電力は供給されていない。ただし、停止状態にある制御システム70では、電源手段8および制御手段9に通電され続けている。それゆえ、電動機6およびブリッジ回路7での電力消費はほとんどないが、電源手段8および制御手段9は稼働しているので、制御システム70の内部では電源手段8および制御手段9での電力消費がある。なお、電源手段8および制御手段9が停止状態で消費する電力のレベルは、両装置8,9が駆動状態で消費する電力とほぼ同等かやや小さいといったレベルである。
このように、停止状態においては、前述のように、ブリッジ回路7および電動機6での電力消費はないものの、制御システム70の電源手段8および制御手段9では電力が消費され続けている。それゆえ、車両の加速中などの短時間であれば、停止状態での電力消費はあまり問題視されず、むしろ駆動状態への復帰が速いという利点さえもたらすが、従来技術のように、長期間にわたって電動コンプレッサ1が使われないのに停止状態を続けていては、待機電力が比較的大きくて電力の無駄遣いが生じていた。
(3)休眠状態
第三に休眠状態では、電動コンプレッサ1の制御手段9が、所定の判定基準に従って、ブリッジ回路7から電動機6への駆動電力の供給を停止するだけではなく、電源手段8および制御手段9をも機能停止させるべきかどうかの判定を行う。前述のように、この判定基準とは、緊急停止信号が所定時間以上に及んだら、制御システム70のうち電源手段8および制御手段9を休眠状態に入れることである。また、この判定を行う目的は、前述のように長期間にわたって電動コンプレッサ1を使用しないときに、制御システム70での無駄な消費電力を低減して待機電力を節約することである。
第三に休眠状態では、電動コンプレッサ1の制御手段9が、所定の判定基準に従って、ブリッジ回路7から電動機6への駆動電力の供給を停止するだけではなく、電源手段8および制御手段9をも機能停止させるべきかどうかの判定を行う。前述のように、この判定基準とは、緊急停止信号が所定時間以上に及んだら、制御システム70のうち電源手段8および制御手段9を休眠状態に入れることである。また、この判定を行う目的は、前述のように長期間にわたって電動コンプレッサ1を使用しないときに、制御システム70での無駄な消費電力を低減して待機電力を節約することである。
そして、再び図2に示すように、この判定に基づいて制御手段9は、電源手段8に休眠信号Cを送って電源手段8をシャットダウンし、もって制御手段9への通電Dをもシャットダウンする。すなわち、制御システム70のうち、前述の停止状態から機能停止しているブリッジ回路7だけではなく、電源手段8および制御手段9の両方までもが機能を停止して、電動コンプレッサ1の制御システム70は休眠状態に入る。すると、制御システム70の消費電力(待機電力)は、前述の停止状態での消費電力よりも、いっそう小さくなる。なお、制御手段9の中核にはマイクロコンピュータ(図略)が使用されているから、このような判定機能や停止機能を制御手段9に持たせても、制御手段9の価格への影響はほとんどない。
この休眠状態は、電動コンプレッサ1の電動機6を停止してその駆動電力をなくしただけではなく、制御システム70の機能をもほぼ全面的に停止して、制御システム70での消費電力をも極力低減した待機状態である。すなわち、この休眠状態では、電動機6に通電されていないだけではなく、制御システム70にもほとんど通電されていない。それゆえ、休眠状態では電動コンプレッサ1での電力消費がほとんどなくなり、前述の停止状態に比べてもずっと消費電力(待機電力)が小さくなっている。
(4)休眠状態からの回復
ところで、前述のように、緊急停止信号(図2中のA,B)が入力されると、制御システム70の状態を駆動状態から停止状態に切り替えるのは、制御システム70のうち制御手段9であり、同様に停止状態から休眠状態に切り替える判定も制御手段9が行う。ところが、休眠状態では電源手段8および制御手段9が共に機能を停止しているから、休眠状態からの復帰に制御手段9の機能を利用することができない。そこで、本実施例では前述のように、制御システム70が休眠状態にあっても機能し続けて緊急停止信号を監視する回復手段14が、制御システム70の構成要素に付加されている。
ところで、前述のように、緊急停止信号(図2中のA,B)が入力されると、制御システム70の状態を駆動状態から停止状態に切り替えるのは、制御システム70のうち制御手段9であり、同様に停止状態から休眠状態に切り替える判定も制御手段9が行う。ところが、休眠状態では電源手段8および制御手段9が共に機能を停止しているから、休眠状態からの復帰に制御手段9の機能を利用することができない。そこで、本実施例では前述のように、制御システム70が休眠状態にあっても機能し続けて緊急停止信号を監視する回復手段14が、制御システム70の構成要素に付加されている。
すると、制御システム70が休眠状態にあっても、回復手段14だけは機能し続けて緊急停止信号を監視し続けている。それゆえ、図3に示すように、ECU4からの緊急停止信号(図3中のA,B)が解除されて、制御システム70を駆動状態にすることを要求する信号に切り替わると、それを回復手段14が検知する。そして回復手段14は、ステップ状に電圧が加わるトリガー信号(図3中のC)を電源手段8に加えて電源手段8を再起動する。再起動した電源手段8は、再び直流電源(図3中のD)を制御手段9に加えるので、続いて制御手段9も自然に再起動される。さらに、ECU4からシリアル信号線13,13’を通じて電動機6を回転数いくつで駆動すべしとの信号が制御手段9に加わっていれば、制御手段9はブリッジ回路7を駆動して電動機6に駆動電力を供給させる。
このようにして、緊急停止信号(図3中のA,B)が解除されると、回復手段14がトリガー信号(図3中のC)を電源手段8に送ることから始まって、電源手段8、制御手段9およびブリッジ回路7が順にその機能を回復する。すると、制御システム70が全面的に休眠状態から回復して電動機6を駆動することができるようになり、電動コンプレッサ1はその圧縮機能を回復するに至る。
(実施例1の効果)
前述のように、回復手段14の機能は、緊急停止信号の解除(図3中のA,B)を検知することと、電源手段8が再起動できるようにトリガー信号(図3中のC)を送ることとの二つだけである。そのうえ、このトリガー信号の電流は微弱であるから、回復手段14での消費電力は極めて僅かである。それゆえ、回復手段14は制御システム70が休眠状態にあっても稼働しているが、稼働中の回復手段14が必要とする電力は微少であるうえに、制御システム70には他に電力を消費する構成要素がない。その結果、本実施例によれば、冬季などのように長期間にわたって電動コンプレッサ1を使用しない場合には、その待機電力が微弱になっているから、かなりの節電効果をあげることができる。
前述のように、回復手段14の機能は、緊急停止信号の解除(図3中のA,B)を検知することと、電源手段8が再起動できるようにトリガー信号(図3中のC)を送ることとの二つだけである。そのうえ、このトリガー信号の電流は微弱であるから、回復手段14での消費電力は極めて僅かである。それゆえ、回復手段14は制御システム70が休眠状態にあっても稼働しているが、稼働中の回復手段14が必要とする電力は微少であるうえに、制御システム70には他に電力を消費する構成要素がない。その結果、本実施例によれば、冬季などのように長期間にわたって電動コンプレッサ1を使用しない場合には、その待機電力が微弱になっているから、かなりの節電効果をあげることができる。
また、前述のように、回復手段14の機能はごく単純であるからその構成もごく単純であり、しかも回復手段14には微少電流しか流れないから、回復手段14をごく安価な少数の部品を使って構成することができる。さらに、制御手段9が制御システム70を休眠状態に入れる際の判定基準は、極めて単純である。したがって、本実施例の電動コンプレッサ1では、その制御システム70に特徴があって、制御手段9に休眠状態への判定ロジックなどが付加されており、さらに回復手段14が付設されているが、これによる装置価格や信頼性への影響はほとんどない。
以上詳述したように、本実施例の電動コンプレッサ1によれば、装置価格の増大や信頼性の低下をほとんど伴わずに、冬季などのように電動コンプレッサ1を長く使わない場合には、その待機電力を微弱にすることにより、よりいっそうの節電効果を上げることができるようになるという効果がある。
[方法発明の実施例]
(実施例1の制御方法)
以上では、本実施例を装置発明の実施例として説明してきたが、ここからは本実施例を方法発明の実施例として説明する。
(実施例1の制御方法)
以上では、本実施例を装置発明の実施例として説明してきたが、ここからは本実施例を方法発明の実施例として説明する。
本発明の実施例1としての「カーエアコン用電動コンプレッサの制御方法」は、次のような特徴を有する。すなわち、再び図2に示すように、カーエアコン用電動コンプレッサ1において、電動機6を駆動する制御システム70が緊急停止信号(同図中B)を検知すると、カーエアコンのメインスイッチ(図略)がオンになっていても、電動機6への給電を停止して電力消耗を軽減する。そして、この緊急停止信号が所定時間以上に及んだ場合には、制御システム70は、自らの状態を電力消費が少ない休眠状態にする。さらに、この休眠状態において前述の緊急停止信号が解除された場合には、制御システム70は自らの状態を再び前述の駆動状態に復帰させる。
ここで、図2ならびに図3にAで示すように、この緊急停止信号は、上位ECU4によって生成され、外部の緊急停止信号線12を通じて電動コンプレッサ1に提供される。そして、緊急停止信号は、制御システム70のインターフェース10を介した後、両図中にBで示すように、内部の緊急停止信号線12’を通じて制御手段9および回復手段14に伝達される。緊急停止信号は、電動コンプレッサ1の電動機6を駆動すべきか停止すべきかを制御システム70に伝達する信号であり、その内容は、図4および図5の上段に示すように、電位が高い駆動命令と電位が低い停止命令とのうちいずれかである。
(第1手段の作用)
本実施例でも、前述の従来技術と同様に、アクセルペダルがいっぱいに踏み込まれたときなど、電動コンプレッサの消費電力の節減をする必要がある場合には、電動コンプレッサ制御用の上位ECU4などから、緊急停止信号が生成される。この緊急停止信号は加速カット信号とも呼ばれ、電動コンプレッサ1の制御システム70がこの緊急停止信号を検知すると、カーエアコンのメインスイッチ(図略)がオンになっていても、電動機6への給電を停止する。その結果、電動機6への駆動電力の供給が止まるので、電動コンプレッサ1での電力消費が軽減され、この車両では主機(図略)に電力を集中して投入することができるようになるから、車両の加速性能が向上する。
本実施例でも、前述の従来技術と同様に、アクセルペダルがいっぱいに踏み込まれたときなど、電動コンプレッサの消費電力の節減をする必要がある場合には、電動コンプレッサ制御用の上位ECU4などから、緊急停止信号が生成される。この緊急停止信号は加速カット信号とも呼ばれ、電動コンプレッサ1の制御システム70がこの緊急停止信号を検知すると、カーエアコンのメインスイッチ(図略)がオンになっていても、電動機6への給電を停止する。その結果、電動機6への駆動電力の供給が止まるので、電動コンプレッサ1での電力消費が軽減され、この車両では主機(図略)に電力を集中して投入することができるようになるから、車両の加速性能が向上する。
さらに、本実施例では、従来技術とは異なり、前述の緊急停止信号が所定時間以上に及んだ場合には、制御システム70は自らの状態を電力消費がより小さい休眠状態にする。この際、所定時間というのは、過積載状態での急加速時や登坂時などにも、アクセルペダルを踏み続けることができないような長さ(車両や国情によって異なるが例えば100秒間とか200秒間とか)に設定しておくとよい。こうすれば、緊急停止信号がこの所定時間を超えて長く続く場合には、冬季などのように長期間にわたってカーエアコン用電動コンプレッサ1を使用することがない場合であることを判定することができる。
そして、このように制御システム70を休眠状態にしておけば、電動コンプレッサ1の電動機6で消費される電力がなくなるばかりではなく、制御システム70の内部でも待機電力の消費が抑制されている。それゆえ、前述の通常技術とは異なって、本実施例では、冬季などの長期間にわたって電動コンプレッサを使用することがない場合には、電力の無駄遣いが最低限に抑制される。
逆に、この休眠状態においてこの緊急停止信号が解除された場合には、この制御システム70は自らの状態を通常の駆動状態に復帰させる。こうして制御システム70が通常の駆動状態に復帰すると、制御システム70は再び電動機6に適正な駆動電力を供給することができるようになる。なお、制御システム6が通常の駆動状態に復帰するには少しの時間がかかるのがふつうであるが、カーエアコン(図略)の温度や湿度に関する時定数に比較して問題となるほどの時間がかかることはない。
なお、駆動状態と停止状態と休眠状態とで制御システム70の各構成要素がどのように作用しているかについてはすでに詳しく述べたが、ここではさらに図4および図5にタイムチャートを示して作用の説明を補足する。
(実施例1のタイムチャート)
再び図4に示すように、車両の急加速時などで、停止状態にある時間(T2−T1)が前述の所定時間TC(図略)に満たない場合には、制御システム70が駆動状態から停止状態に入っても、休眠状態に入らずに再び駆動状態に復帰する。
再び図4に示すように、車両の急加速時などで、停止状態にある時間(T2−T1)が前述の所定時間TC(図略)に満たない場合には、制御システム70が駆動状態から停止状態に入っても、休眠状態に入らずに再び駆動状態に復帰する。
すなわち、図4の上段に示すように、先ず、制御システム70が駆動状態にある時に、時刻T1で緊急停止信号の停止命令が入力されたとしよう。すると、同図中段に示すように、制御システム70は、電源手段8による制御手段9への給電を続けたまま、同図下段に示すように、圧縮機5への駆動電力の供給を停止する。
しかる後、時刻T1から所定時間TCが経過しないうちに、時刻T2(<T1+TC)で緊急停止信号の停止命令が解除されて駆動命令に切り替わると、制御システム70は即刻、駆動状態に復帰する。この間に、停止状態にある時間(T2−T1)は所定時間TCに満たないので、制御システム70は、いったん駆動状態から停止状態に入っても休眠状態に入らずに再び駆動状態に復帰する。その結果、再び同図下段に示すように、制御システム70は電動機6へ電力提供を再開し、電動機6に駆動される圧縮機5も再びその圧縮機能を回復する。
一方、再び図5に示すように、冬季などで長く電動コンプレッサ1が使われず、停止状態にある時間(T2−T1)が所定時間TCに達した場合には、制御システム70が停止状態から休眠状態に入ってから、再び駆動状態に復帰する。
すなわち、図5の上段に示すように、先ず、制御システム70が駆動状態にある時に、時刻T1で緊急停止信号の停止命令が入力されたとしよう。すると、しばらくの間は前述の場合と同様であって、同図中段に示すように、制御システム70は、電源手段8による制御手段9への給電を続けたまま、同図下段に示すように、圧縮機5への駆動電力の供給を停止する。
そして、緊急停止信号が停止命令である状態が続いて時刻T1から所定時間TCが経過すると、時刻T3(=T1+TC)で、制御手段9の判定機能が働く。その結果、制御手段9は電源手段8に命じてその機能を停止させ(同図中段参照)、制御システム70は休眠状態に入る。
この休眠状態が続いた後、時刻T4で緊急停止信号の停止命令が解除されて駆動命令に切り替わると、制御システム70は駆動状態に復帰する。すなわち、図5上段に示すように、緊急停止信号が解除されて駆動命令に復帰すると、回復手段14が電源手段8にトリガー信号を送る。すると、電源手段8はその機能を回復して(同じく同図中段参照)制御手段9に電源を供給し始め、続いて制御手段9およびブリッジ回路7の機能が回復して、制御システム70は駆動状態に戻る。その結果、同図下段に示すように、電動機6および圧縮機5はその機能を回復し、電動コンプレッサ1は再び通常の圧縮機能を発揮するようになる。
したがって、同じく図5に示すように、停止状態が所定時間に達して制御システム70が休眠状態に入ってしまうと、制御システム70での電力消費がほとんどなくなる。その結果、緊急停止信号の停止命令が長く続いても、休眠状態に入った電動コンプレッサ1では待機電力が微弱となっているので、電力の無駄遣いが防止される。
(実施例1の効果)
以上詳述したように、本実施例の電動コンプレッサ1で消費される電力が大きい順に制御システム70の状態を並べると、駆動状態、停止状態、休眠状態の順である。すなわち、駆動状態での消費電力はおおむね定格消費電力の桁にあり、停止状態での消費電力は定格消費電力よりも桁違いに小さく、休眠状態での待機電力は停止状態での消費電力よりもなおいっそう小さい。そして、冬季などのように長期間にわたって電動コンプレッサ1を使用しないときには、前述のように、制御システム70は休眠状態に入ってしまうから、電動機6での消費電力がなくなるばかりではなく、制御システム70の内部でも電力の消費が大幅に抑制されている。その結果、電動コンプレッサ1が長期間にわたって待機する場合には、待機電力が微弱になっているので、従来技術とは異なって無駄な電力消費が発生することがない。
以上詳述したように、本実施例の電動コンプレッサ1で消費される電力が大きい順に制御システム70の状態を並べると、駆動状態、停止状態、休眠状態の順である。すなわち、駆動状態での消費電力はおおむね定格消費電力の桁にあり、停止状態での消費電力は定格消費電力よりも桁違いに小さく、休眠状態での待機電力は停止状態での消費電力よりもなおいっそう小さい。そして、冬季などのように長期間にわたって電動コンプレッサ1を使用しないときには、前述のように、制御システム70は休眠状態に入ってしまうから、電動機6での消費電力がなくなるばかりではなく、制御システム70の内部でも電力の消費が大幅に抑制されている。その結果、電動コンプレッサ1が長期間にわたって待機する場合には、待機電力が微弱になっているので、従来技術とは異なって無駄な電力消費が発生することがない。
したがって、本実施例の「カーエアコン用電動コンプレッサ」もしくはその制御方法によれば、冬季など長期間使用しないときに無駄な電力の消費をほとんどなくすことができ、従来技術よりも節電効果がさらに向上するという効果がある。しかも、本実施例は、このような効果を発揮するにあたり、前述の代替案とは異なって高価なリレーやその制御回路を新設しなくてすむので、その装置価格が増えたり信頼性が減ったりする不都合はほとんど生じない。
1:カーエアコン用電動コンプレッサ
5:圧縮機
6:三相交流電動機
70:制御システム
7:三相全波ブリッジ回路(IGBTおよびダイオードで構成)
8:電源手段(降圧電源装置であって大電力を制御手段に供給)
9:制御手段(三相全波ブリッジ回路および電源手段を制御)
10:インターフェース回路 11:絶縁を示す破線
12’:緊急停止信号線(インターフェース回路→制御手段)
13’:シリアル通信線(主機用電源側)
14:回復手段(予備的な降圧電源装置であって電源手段を起動)
12:緊急停止信号線(ECU→インターフェース回路)
13:シリアル通信線(補機用電源側)
2:走行用バッテリ(比較的高電圧の主機用電源であって車体から絶縁されている)
3:補機用バッテリ(比較的低電圧の補機用電源であって車体に接地されている)
4:上位のECU(カーエアコン用電動コンプレッサを制御)
5:圧縮機
6:三相交流電動機
70:制御システム
7:三相全波ブリッジ回路(IGBTおよびダイオードで構成)
8:電源手段(降圧電源装置であって大電力を制御手段に供給)
9:制御手段(三相全波ブリッジ回路および電源手段を制御)
10:インターフェース回路 11:絶縁を示す破線
12’:緊急停止信号線(インターフェース回路→制御手段)
13’:シリアル通信線(主機用電源側)
14:回復手段(予備的な降圧電源装置であって電源手段を起動)
12:緊急停止信号線(ECU→インターフェース回路)
13:シリアル通信線(補機用電源側)
2:走行用バッテリ(比較的高電圧の主機用電源であって車体から絶縁されている)
3:補機用バッテリ(比較的低電圧の補機用電源であって車体に接地されている)
4:上位のECU(カーエアコン用電動コンプレッサを制御)
Claims (4)
- カーエアコン用電動コンプレッサの電動機を駆動する制御システムが、緊急停止信号を検知すると、カーエアコンのメインスイッチがオンになっていても、この電動機への給電を停止して電力消耗を軽減するカーエアコン用電動コンプレッサの制御方法において、
前記緊急停止信号が所定時間以上に及んだ場合に、前記制御システムは、自らの状態を電力消費が少ない休眠状態にし、
この休眠状態においてこの緊急停止信号が解除された場合には、この制御システムは、自らの状態を通常の状態に復帰させることを特徴とする、
カーエアコン用電動コンプレッサの制御方法。 - カーエアコンの作動流体を圧縮する圧縮機と、この圧縮機を駆動する電動機と、適正に制御された駆動電力をこの電動機に供給する制御システムとを有し、
前記制御システムは、前記電動機に前記駆動電力を供給するブリッジ回路と、このブリッジ回路の駆動を制御する制御手段と、この制御手段に直流電源を供給する電源手段とをもち、
前記制御システムに緊急停止信号が入力されると、前記制御手段は前記ブリッジ回路の駆動を停止するカーエアコン用電動コンプレッサにおいて、
前記制御システムの状態には、
前記制御手段に制御された前記ブリッジ回路が、前記電動機に駆動電力を供給する駆動状態と、
前記緊急停止信号がこの制御手段に入力されると、この制御手段がこのブリッジ回路の駆動を停止して前記電動機を停止させる停止状態とに加えて、
前記制御手段が所定の判定基準に従って行う判定に基づいて、前記電源手段および前記制御手段のうち少なくとも一方が機能を停止し、この制御システムの消費電力が前記停止状態での消費電力よりもさらに小さくなる休眠状態があり、
前記制御システムは、前記緊急停止信号が解除された場合に前記制御システムの状態を前記休眠状態から前記駆動状態もしくは前記停止状態に回復させる回復手段を、さらにもつことを特徴とするカーエアコン用電動コンプレッサ。 - 前記判定基準は、前記緊急停止信号もしくは前記停止状態が所定時間以上に及ぶ場合に、前記制御システムを前記休眠状態に入れるべきことである、
請求項2記載のカーエアコン用電動コンプレッサ。 - 前記制御システムが前記休眠状態に入る際には、前記制御手段が前記電源手段の機能を停止させ、
逆にこの制御システムがこの休眠状態を脱する際には、前記緊急停止信号の解除を検知した前記回復手段がこの電源手段の機能を回復させる、
請求項2記載のカーエアコン用電動コンプレッサ。
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---|---|---|---|---|
CN103502649A (zh) * | 2011-02-25 | 2014-01-08 | 惠而浦股份公司 | 一种远程连接和断开用于在冷却系统中采用的可变容量压缩机的频率变换器的辅助电源的系统和方法 |
JP2015505778A (ja) * | 2011-12-19 | 2015-02-26 | ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | ハイブリッド車両の電気的駆動装置の電力管理のための方法及び装置 |
WO2017022626A1 (ja) * | 2015-07-31 | 2017-02-09 | 株式会社デンソー | 電動圧縮機の制御装置および冷凍サイクル装置 |
-
2004
- 2004-04-09 JP JP2004115403A patent/JP2005297706A/ja active Pending
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CN107850349B (zh) * | 2015-07-31 | 2020-02-07 | 株式会社电装 | 电动压缩机的控制装置以及制冷循环装置 |
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