JP2005296001A - 調理方法およびそれを用いた調理機器 - Google Patents

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起子 中村
Yoshiko Yasunobu
淑子 安信
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Shinji Fujimoto
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Abstract

【課題】従来の調理方法では、調味液の食品への染み込み状態をよくすることによって、調味液の染み込みやすい食品を調理する場合には調味液が食材に染み込みすぎて、出来上がった調理物は塩分や糖分が過多となってしまう傾向があった。
【解決手段】食品を加熱することにより95℃〜200℃の温度に加熱する加熱工程29と、それを一定時間維持する沸騰維持工程30と、沸騰維持工程30後、冷却を行う冷却工程31と、冷却工程31後に60℃〜80℃の温度で一定時間維持する保温維持工程32とを有し、前記沸騰維持工程30と前記冷却工程31と前記保温維持工程32とを食品の種類によって制御することによって、食品の種類に応じて最適な調理工程時間を制御する。
【選択図】図4

Description

本発明は、食品を調理するための調理方法および調理機器に関するものである。
近年の食文化の多様化や質の向上にともなって、食品をより美味しく調理する為に様々な方法が提案されている。
一般に言われている調理とは、鍋等の容器に、食品等の調理物を収納して、加熱操作を行うことにより、組織の温度を急速に上げ、組織破壊や成分変化を生じさせることである。このように食品を組織破壊により軟らかくするためには、所定の温度以上で所定の時間維持する必要があり、調理操作の過程では、成分変化が生じた調理物内部の破壊された組織から一般に旨味と言われる成分が溶出される。
さらに、調味液とともに所定の時間加熱操作を行った調理物を冷却すると、その冷却過程において調味液が食品内部に染み込むことも一般によく知られている。
よってこの原理を応用して、加熱操作を行った調理物を、さらに断熱容器内に収納して、冷却過程を経て保温状態で調理を行うようにした保温調理機器もある。
上記構成の保温調理機器では、調味液とともに所定の時間、加熱操作により沸騰状態に維持した調理物を、断熱容器内に収納することにより所定の温度まで冷却され、その冷却過程において、調味液を食品内部に染み込ませ、食べるときに再加熱を行うことができるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−146834号公報
しかしながら、上記従来の調理機器では、調味液の食品への染み込み状態をよくすることができたが、特に調味液の染み込みやすい食品を調理する場合には調味液が食材に染み込みすぎて、出来上がった調理物は塩分や糖分が過多となってしまう傾向があった。
このように調理物の塩分や糖分が過多となると、特に現代社会においては、その調理物を摂取する人間が健康を害し、糖尿病をはじめとする生活習慣病になりやすいという問題を抱えていた。
また、生活習慣病になりにくくするために、カルシウム、ビタミン等の栄養成分の積極的摂取も有効であると考えられているが、上記調理機器では、これら栄養成分の積極的摂取を実現することはできない。
本発明は、上記従来の課題を考慮して、出来上がった調理物の塩分や糖分が過多とならないように、食品の種類によって最適な調理工程を行うことで、出来上がった調理物に含有されている塩分や糖分を低減し、かつ食品内部まで調味液を染み込ませることで官能的に美味しい調理物を得ることができる。更に、調理工程として食品の種類によって最適な温度制御を行うことで、食材に含まれる酵素を活性化し、栄養成分の増加を促進させることができる調理方法および調理機器を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の調理方法は、食品を95℃〜200℃の温度まで加熱する加熱工程と、前記加熱工程に続いて食品を95℃〜200℃の温度で一定時間維持する沸騰維持工程と、前記沸騰維持工程に続いて食品を60℃〜80℃の温度まで冷却する冷却工程と、前記冷却工程に続いて60℃〜80℃の温度で一定時間維持する保温維持工程とを有し、前記加熱工程および前記沸騰維持工程および前記冷却工程および前記保温維持工程の各工程時間を食品の種類によって制御するものである。
これによって、食品の種類に応じて最適な調理工程時間を制御することができるので、調味液の食品への過剰な染み込みを防止した上で、官能的に美味しいと感じられる最適な量の調味液を食品に染み込ませ、さらに栄養成分の増加を促進させることができる調理方法を実現することができる。
また、本発明の調理機器は、断熱構造で構成された調理室と、前記調理室内に収納された食品を95℃〜200℃の温度まで加熱する加熱手段と、前記加熱手段によって加熱された前記食品を95℃〜200℃の温度で一定時間維持する沸騰維持手段と、前記沸騰維持手段によって沸騰維持された前記食品を60℃〜80℃の温度まで冷却を行う冷却手段と、前記冷却手段によって冷却された前記食品を60℃〜80℃の温度で一定時間維持する保温維持手段と、前記加熱手段および前記沸騰維持手段および前記冷却手段および前記保温維持手段の各作動時間を前記食品の種類によって制御する制御装置とを備えたものである。
これによって、食品の種類に応じて最適な調理工程時間を制御することができるので、調味液の食品への過剰な染み込みを防止した上で、官能的に美味しいと感じられる最適な量の調味液を食品に染み込ませ、さらに栄養成分の増加を促進させることができる調理を実現する調理機器を得ることができる。
本発明の調理方法は、食品の種類に応じて最適な調理工程時間を制御することができるので、調味液の食品への過剰な染み込みを防止した上で、官能的に美味しいと感じられる最適な量の調味液を食品に染み込ませ、さらに栄養成分の増加を促進させることができる調理方法を実現することができ、健康的でかつ美味しい調理物を提供することができる。
また、本発明の調理機器は、食品の種類に応じて最適な調理工程時間を制御することができるので、調味液の食品への過剰な染み込みを防止した上で、官能的に美味しいと感じられる最適な量の調味液を食品に染み込ませ、さらに栄養成分の増加を促進させることができる調理を実現することができる調理機器を提供することができる。
請求項1に記載の発明は、食品を95℃〜200℃の温度まで加熱する加熱工程と、加熱工程に続いて食品を95℃〜200℃の温度で一定時間維持する沸騰維持工程と、沸騰維持工程に続いて食品を60℃〜80℃の温度まで冷却する冷却工程と、冷却工程に続いて60℃〜80℃の温度で一定時間維持する保温維持工程とを有し、加熱工程および沸騰維持工程および冷却工程および保温維持工程の各工程時間を食品の種類によって制御することにより、食品組織全体に調味液が染み込んだ上で調味液の食品への過剰な染み込みを防止し、さらに栄養成分の増加を促進させることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1の発明に加えて、加熱工程の前に0℃〜10℃の温度で冷却保存する保存工程とをさらに備えたものであり、請求項1の発明の作用に加えて、食品を調理前に保存しておいても食品の鮮度が低下することを防ぐことができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明に加えて、保温維持工程の後に95℃〜200℃の温度に加熱する再加熱工程とをさらに備えたものであり、調理後の食品を温かい状態にすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3に記載の発明に加えて、少なくとも加熱工程と沸騰維持工程と冷却工程と保温維持工程とを食品の種類に加えて、さらに食品の重量によって制御するものであり、各調理工程を食品の種類に加えて重量によって制御することにより、食品の重量に応じてさらに精度良く食品組織全体に調味液が染み込んだ上で調味液の食品への過剰な染み込みを防止することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4に記載の発明に加えて、少なくとも加熱工程と沸騰維持工程と冷却工程と保温維持工程とを食品の種類に加えて、さらに食品の温度によって制御するものであり、各調理工程を食品の種類に加えて温度によって制御することにより、外気温や食品の温度に応じてさらに精度良く食品組織全体に調味液が染み込んだ上で調味液の食品への過剰な染み込みを防止することができる。
請求項6に記載の発明は、断熱構造で構成された調理室と、前記調理室内に収納された食品を95℃〜200℃の温度まで加熱する加熱手段と、前記加熱手段によって加熱された前記食品を95℃〜200℃の温度で一定時間維持する沸騰維持手段と、前記沸騰維持手段によって沸騰維持された前記食品を60℃〜80℃の温度まで冷却を行う冷却手段と、前記冷却手段によって冷却された前記食品を60℃〜80℃の温度で一定時間維持する保温維持手段と、前記加熱手段および前記沸騰維持手段および前記冷却手段および前記保温維持手段の各作動時間を前記食品の種類によって制御する制御装置とを備えたものであり、食品組織全体に調味液が染み込んだ上で調味液の食品への過剰な染み込みを防止し、さらに栄養成分の増加を促進させる調理機器を実現することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明に加え、加熱手段によって食品を加熱する前に、0℃〜10℃の温度で冷却保存する保存手段とをさらに備えたものであり、食品を調理前に保存しておいても食品の鮮度が低下することを防ぐ調理機器を実現することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の発明に加え、保温維持手段によって食品を60℃〜80℃の温度で一定時間維持した後に95℃〜200℃の温度に加熱する再加熱手段とをさらに備えたものであり、調理後の食品を温かい状態にする調理機器を実現することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項6から8の発明に加えて、少なくとも加熱手段と沸騰維持手段と冷却手段と保温維持手段とを食品の種類に加えて、さらに食品の重量によって制御する制御装置を備えたものであり、各調理手段を食品の種類に加えて重量によって制御することにより、食品の重量に応じてさらに精度良く食品組織全体に調味液が染み込んだ上で調味液の食品への過剰な染み込みを防止する調理機器を実現することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項6から9の発明に加えて、少なくとも加熱手段と沸騰維持手段と冷却手段と保温維持手段とを食品の種類に加えて、さらに食品の温度によって制御する制御装置を備えたものであり、外気温や食品の温度に応じてさらに精度良く食品組織全体に調味液が染み込んだ上で調味液の食品への過剰な染み込みを防止する調理機器を実現することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項6から10のいずれか一項に記載の発明に加え、断熱構造として、ウレタン発砲材で形成されたものであり、さまざまな形状の調理室に応じた断熱構成を容易に形成することができる。
請求項12に記載の発明は、請求項6から10のいずれか一項に記載の発明に加え、断熱構造として、真空断熱材で形成されたものであり、調理室の断熱性能を向上させることができる。
(実施の形態1)
以下、本実施の形態1における調理機器の構成および作用について、図1を参照にしながら説明する。尚、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
図1は、本実施の形態1における調理機器を示す断面図である。
調理機器は、調理する調理物10が収容されている鍋11と、調理物の温度を非接触で検知する赤外線センサー12と、調理する調理物を収容する鍋を加熱する電気ヒーター13を備えており、図には示していないが、圧縮機、凝縮器、キャピラリーチューブを有し、強制対流式蒸発器14により、調理室15内を冷却できる構造になっている。
強制対流式蒸発器14で冷却された冷気は送風機16により調理室15内に強制通風される。ダンパーサーモ17は調理室入口に設けて電気的入力で冷気流入量を調整するものであり、モーター18の駆動力によってダンパーサーモ17を開閉するように構成されている。吐出ダクト19は前記送風機からの冷気を前記調理室15内に導くものであり、また吹き出し口20は調理室15内に冷気を吹き込むものであり、吸い込みダクト21は調理室15内の冷却した冷気を前記強制対流式蒸発器14に戻すために備えられている。
また、調理室15はウレタン発砲あるいは、真空断熱材で形成された断熱構造を有している。
図2は、本実施の形態1における調理機器本体外殻の一部に設けたコントロールパネル22であり、調理する調理物のメニューを選択するメニュー選択キー23、選択したメニューを決定するメニュー決定ボタン24、選択したメニューを表示するメニュー表示パネル25、調理を開始する開始ボタン26、調理が終了したことを知らせる終了ランプ27を備えている。
調理物を調理室15内の鍋11に収容し、コントロールパネル22のメニュー選択キー23によりメニューを選択し、開始ボタン26を押すことにより、選択されたメニューの情報に基づいて、赤外線センサー12で検知した調理物の温度を制御することより、調理物に最適な加熱と冷却を組み合わせた調理が行われる。
以下、本実施の形態1における調理機器の調理室15にて調理する工程を従来の調理方法と比較しながら説明する。
(表1)は、従来の調理方法で調理した食品に関するデーターである。
Figure 2005296001
(表1)において、従来の調理方法で、調味液とともに調理した大根の調理後の調味液の染み込み状態、煮崩れ状態、官能評価による軟らかさを示している。
(表1)における調味液の染み込み状態の評価は、調理した食品の組織全体に調味液が染み込んでいるときには○、組織全体の1/2以上のときには△、1/2未満のときには×とした。また、調理後の食品の見栄えや食感として重要な項目である煮崩れ状態は、調理した食品の組織全体がほとんど煮崩れていないときには○、煮崩れが組織全体の1/2未満のときは△、1/2以上のときは×とした。
軟らかさの官能評価は、調理前の状態を0ポイントとし、1ポイント違うと軟らかさの差は明確に認識される。
総合評価は、調理物として染み込み状態、煮崩れ状態、軟らかさから総合的に判断して評価を行い、染み込み状態が○、煮崩れが1/2未満、軟らかさが2ポイント以上のときに○、いずれか一項目でも満足しないときには×とした。
(表1)により従来の調理方法1では、鍋等に調理物として筑前煮の材料と調味液を収容し、加熱操作により沸騰状態にした調理物をそのまま所定の時間維持したもので、煮崩れはほとんどなかったものの、染み込みは悪く、軟らかさも1ポイントと食べることは可能であるが十分軟らかい状態にはなっておらず、総合評価も×であった。
(表1)に示したように、従来の調理方法1では、沸騰状態にある調理物を所定の時間維持しているが、その時間が不充分であったため、染み込みが悪く、十分軟らかい状態にならなかった。
また従来の調理方法2では、従来の調理方法1と同様に鍋等に調理物として筑前煮の材料と調味液を収容し、加熱操作により沸騰状態にした調理物をそのまま所定の時間維持したもので、染み込み状態及び軟らかさは従来の調理方法1と比較して良くなった。
これは、(表1)により沸騰維持時間を2時間と従来の調理方法より長くすることにより、食品の組織の破壊を促進し、その結果軟らかくなり、破壊された組織から調味液が染み込んだためである。しかし、沸騰状態を2時間維持したため、調理物の外側から煮崩れが生じ調理物本来の形を維持することができず、調理物の総合的な評価としては悪かった。
従来の調理方法3で調理した筑前煮は、染み込み状態も良く、軟らかくなり、煮崩れもほとんどない状態が実現でき、総合評価も良かった。
従来の調理方法3では、断熱容器内の調理物を収容している内鍋を加熱する加熱手段と、前記内鍋の温度検知する検知手段とその温度情報をもとに加熱工程と保温工程を制御する制御手段を備えた保温調理機器を用いることにより、加熱操作により筑前煮の材料を煮崩れが生じない時間沸騰維持し、その後冷却過程を経て保温工程を行うことにより染み込みを促進させることができた。また、保温工程の間も、所定の温度が維持するができ、十分に軟らかくすることができた。
しかし従来の調理方法4では、従来の調理方法3と同様の保温調理機器を用い、筑前煮の材料の重量を減らして調理を行ったが、染み込み状態は従来の調理方法3より悪くなり、軟らかさも硬くなった。
これは、従来の調理方法3、4の保温調理機器においては、筑前煮の材料が収容されている内鍋の温度を検知して、筑前煮の重量に適した温度および時間で加熱工程、保温維持工程を行うことができるが、筑前煮の材料の重量を減らすことにより、加熱工程から保温維持工程に冷却されるときの冷却速度が1.0℃/minと従来の調理方法3の冷却速度0.5℃/minより速くなり、その結果調味液を調理物に十分染み込ませることができなかった。
また、冷却速度が速くなった分、保温維持工程にいたる冷却工程の時間が短くなり、従来の調理方法3と比較して硬くなった。
さらに、従来の調理方法5では、従来の調理方法3、4と同様の保温調理機器で従来の調理方法3の筑前煮の材料と同じ重量の肉じゃがの材料を調理したもので、染み込みは良く、軟らかさも十分軟らかい状態になったが、煮崩れが生じ、筑前煮のときより総合評価は悪くなった。
これは、食品の種類によって、組織破壊の状態や調味液が染み込む状態が異なるためである。
次に、従来の調理方法4と同等の重量の筑前煮を例にとって、本実施の形態1における調理機器の調理室15にて調理する工程を説明する。
まず、調理物10である筑前煮の材料を、調理室15内の、鍋11に収容し、メニュー選択キー23で筑前煮を選択し、選択したメニューをメニュー決定ボタン24で決定する。その後開始ボタン26を押すことにより、選択されたメニューの情報に基づいて調理が開始され、筑前煮の場合は、まず調理室15内の加熱手段としての電気ヒーター13が作動し、鍋11の加熱が行われることにより鍋11に収容された調理物10の温度が上昇し、筑前煮の温度は、赤外線センサーにより、沸騰維持手段としての電気ヒーター13の入力を制御することによって、所定の値で所定の時間維持される。その後、調理室15内の強制対流式蒸発器14が作動し、冷却手段として強制対流式蒸発器14で冷却された冷気が送風機16により調理室15内に強制通風され、筑前煮は冷却され、選択されたメニューの情報に基づいて、赤外線センサーにより保温維持手段としてダンパーサーモ17を制御することによって冷気量が調整され、所定の温度で所定の時間保温維持される。また、保温維持手段としては、ダンパーサーモ17を制御することで冷気量を調整するとともに、温度が下がりすぎた場合には電気ヒーター13を組み合わせて温度調節を行う。そして保温維持時間が、終了すると終了ランプが点灯する。
図3は、本発明の実施の形態1,2の調理工程図であり、図4は本発明の実施の形態1,2の調理工程の温度変化を示すタイムチャートである。
調理物の温度Tが、温度Tk1より低いことを検知したとき加熱手段である電気ヒーター13が作動し、加熱手段によって、調理物は温度Tk1以上でt1時間沸騰維持工程として維持される。次に、調理物の温度Tが温度Tk2以上であることを検知したとき冷却手段である強制対流式蒸発器14が作動し冷却された冷気が調理室に強制通風される。その後t2時間が経過したときに調理物の温度Tが温度Tk2より高ければ、さらに冷却が継続しておこなわれ、調理物の温度Tが温度Tk2前後でt3時間保温維持されるように制御され、t3時間経過したら終了表示される。
まず、0℃〜10℃の保存工程28によって食品の鮮度低下を防ぎ、次に95℃〜200℃まで加熱する加熱工程29によって、食品の温度を上げ、次に95℃〜200℃の温度で一定時間維持する沸騰維持工程30を経た後、食品を60℃〜80℃まで冷却する冷却工程31で味を染み込ませた後、60℃〜80℃の温度で維持する保温維持工程32によってさらに食品内部まで味を染み込ませる。また、このようにして調理した調理物を再加熱する再加熱工程33によって、再び食品を温めることができる。
なお調理物10を加熱する加熱手段は、電気ヒーター13に限定されるものでなく、食品の温度を検知するセンサーは、赤外線センサー12に限定されるものではない。さらに、冷却手段は強制対流式蒸発器14に限定されるものでない。
(表2)は、実施の形態1、2の調理物に関するデーターである。
Figure 2005296001
(表2)により実施の形態1では、調理後の染み込み状態は良く、十分軟らかくなっており、煮崩れもない調理物が得られ、総合評価も良かった。
これは、(表2)の実施の形態1と同じ重量の筑前煮の従来の調理方法4の冷却速度1.0℃/minと比較すると、(表2)の実施の形態1の冷却速度は0.5℃/minと遅くなり、重量に関わらず、従来の調理方法3と同等の冷却速度が実現できたことにより、調味液の染み込みも良くなり、煮崩れもなく十分軟らかい調理物を得ることが出来た。
(表3)は食品の種類による最適な調理方法の一例である。
Figure 2005296001
(表3)の食品の種類は調味液の食品への染み込みやすい順にA、B、C、Dとしている。
調味液が食品へ最も染み込みやすいAのいも類、葉、果、茎野菜は沸騰維持工程の沸騰維持時間は最も短くてよく、その後冷却工程において、ゆっくりと60分から70分かけて冷却していくことで食品への味の染み込みが十分に図れる。この冷却工程においては冷却速度を食品の重量や温度を検知しながら制御していくことでより、食品の種類に応じた染み込みを図ることができる。その後、保温工程においては保温温度を65℃前後に保った上で、保温維持時間を100分程度とることで、さらに食品への最適な染み込みを図ることができた。
Aの次に食品に調味液が染み込みやすいBの根菜については沸騰維持工程をAよりも長くとったあと、Aと同様にゆっくりと60分から70分かけて冷却していくことで食品への味の染み込みが十分に図れる。この冷却工程においては冷却速度を食品の重量や温度を検知しながら制御していくことでより、食品の種類に応じた染み込みを図ることができる。その後、保温工程においては保温温度を70℃前後に保った上で、保温維持時間を110分程度とることで、さらに食品への染み込みを最適に図ることができた。
Cの豆類についてはAやBよりも食品に調味液が染み込みにくいが、沸騰維持時間をより長く取った上で、保温温度を若干高めの75℃前後に保った上で保温維持時間を少し長めの130分にすることで染み込みを図ることができた。
Dの肉類についてはA、B、Cよりも食品に調味液が染み込みにくく、また保温工程において硬化しやすいものであるが、沸騰維持時間をA、B、Cよりも長く取った上で、保温温度をやや低めの65℃とし、さらに保温時間は180分程度まで長くとることで染み込みを図ることができた。
また、メニューや食品の重量、種類、大きさによっては、保温維持時間終了後、さらに加熱を行うことによって、調味液の染み込みも良くなり、煮崩れもなく十分軟らかい調理物を得ることが出来る。
また、保存ボタンを備えたコントロールパネル22においては、保存ボタンを調理前に押すことにより、調理室15の鍋11内に収容された調理物10は冷却保存され、予め調理物10をセットしておくことができる。また、再加熱ボタンを備えたコントロールパネル22においては、調理が終了した調理物10を、食べる直前に、再加熱ボタンを押すことにより、食べごろ温度にまで加熱維持することができる。さらに、タイマー等の所定の時間を自由に制御できる制御基板を備えた調理機器においては、保存時間、調理開始時間、再加熱時間を設定することができることにより、保存、調理、再加熱を自動で行うことができる。
(表4)は、従来の調理方法で調理した調理物の栄養成分と、本実施の形態で調理した調理物の栄養成分を示したものである。
Figure 2005296001
いわしの生姜煮については、いわしの身に含まれるカルシウム量を測定した。従来の調理方法では92mg/100gであるが、実施の形態で調理したものは、146mg/100gであり、従来の調理法より、58.4%カルシウムが多く含まれていた。本実施の形態では、いわしの生姜煮の最適な調理行程を行ったことで、いわしの骨からカルシウムが溶け出し、身の部分に移行したことで、カルシウムを効率良く摂取することができる。
根菜煮については、人参に含まれるビタミンA量を測定した。従来の調理方法では1.5mg/100gであるが、実施の形態で調理したものは、1.8mg/100gであり、従来の調理法より、20%ビタミンAが多く含まれていた。本実施の形態では、根菜煮の最適な調理行程を行ったことで、熱に弱いビタミンAの損失を抑え、ビタミンAを効率良く摂取することができる。
鶏の手羽煮込みについては、スープに含まれるコラーゲン量を測定した。従来の調理方法では、720mg/100gであるが、実施の形態で調理したものは、1280mg/100gであり、従来の調理法より、77.8%コラーゲンが多く含まれていた。本実施の形態では、鶏の手羽煮込みの最適な調理行程を行ったことで、鶏に含まれるコラーゲンをより多く抽出し、コラーゲンを効率良く摂取することができる。
牛肉の味噌煮については、牛肉に含まれる遊離グルタミン酸量を測定した。従来の調理方法では、14mg/100gであるが、実施の形態で調理したものは、16mg/100gであり、14.3%遊離グルタミン酸が多く含まれていた。本実施の形態では、牛肉の味噌煮の最適な調理行程を行ったことで、牛肉に含まれる遊離グルタミン酸がより多く抽出され、遊離グルタミン酸を効率良く摂取することができる。
以上述べたところから明らかなように、本実施の形態の調理機器は、材料の重量に関わらず最適な加熱と冷却を組み合わせた調理を実現することにより、調味液の染み込みも良く、煮崩れもなく、十分軟らかい総合評価が良い調理物を得ることができ、栄養成分を効率良く摂取できることを特徴とするものである。
(実施の形態2)
本実施の形態2における調理機器は、本実施の形態1の調理機器と同様の図1に示すような構成になっている。
従来の調理方法3と同等の重量の肉じゃがを例にとって、本実施の形態2における調理機器の調理室15にて調理する工程を説明する。まず、調理物10である肉じゃがの材料を、調理室15内の、鍋11に収容し、メニュー選択キー23で肉じゃがを選択し、選択したメニューをメニュー決定ボタン24で決定する。その後開始ボタン26を押すことにより、選択されたメニューの情報に基づいて調理が開始され、肉じゃがの場合は、まず調理室15内の電気ヒーター13が作動し、鍋の加熱が行われることにより鍋に収容された調理物の温度が上昇し、肉じゃがの温度は、赤外線センサーにより、電気ヒーターの入力を制御することによって、所定の値で所定の時間維持される。その後、調理室15内の強制対流式蒸発器14が作動し、強制対流式蒸発器14で冷却された冷気は送風機16により調理室15内に強制通風され、肉じゃがは冷却され、選択されたメニューの情報に基づいて、赤外線センサーによりダンパーサーモ17を制御することによって、所定の温度で所定の時間保温維持される。保温維持時間が終了すると終了ランプが点灯する。
調理物を加熱する加熱手段は、電気ヒーターに限定されるものでなく、食品の温度を検知するセンサーは、赤外線センサーに限定されるものではない。さらに、冷却手段は強制対流式蒸発器に限定されるものでない。
(表1)により実施の形態2では、調理後の染み込み状態は良く、十分軟らかくなっており、煮崩れもない調理物が得られ、総合評価も良かった。
これは、(表1)の実施の形態2と同じ重量の肉じゃがの従来の調理方法5の沸騰維持時間と比較すると、(表1)の実施の形態2の沸騰維持は30分と短くなり、肉じゃがに最適な加熱状態が実現できたことにより、調味液の染み込みも良くなり、煮崩れもなく十分軟らかい調理物を得ることが出来た。
また、保存ボタンを備えたコントロールパネル22においては、保存ボタンを調理前に押すことにより、調理室15の鍋11内に収容された調理物10は冷却保存され、予め調理物10をセットしておくことができる。また、再加熱ボタンを備えたコントロールパネル22においては、調理が終了した調理物10を、食べる直前に、再加熱ボタンを押すことにより、食べごろ温度にまで加熱維持することができる。さらに、タイマー等の所定の時間を自由に制御できる制御基板を備えた調理機器においては、保存時間、調理開始時間、再加熱時間を設定することができることにより、保存、調理、再加熱を自動で行うことができる。
以上述べたところから明らかなように、実施の形態2の調理機器は、調理物として肉じゃがを調理するとき、食品の種類に関わらず最適な加熱と冷却を組み合わせた調理を実現することにより、調味液の染み込みも良く、煮崩れもなく、十分軟らかい総合評価が良い調理物を得ることができることを特徴とするものである。
以上のように、本発明にかかる調理機器は、食品を調理するとき、食品の種類に応じた最適な加熱と冷却を組み合わせた調理を実現することにより、調味液の食品への染み込みすぎを防止した上で、食品内部への染み込みを十分に図ることができ、栄養成分を効率良く抽出することができるので、食品以外の有機物や無機物の加熱や冷却の制御を実現する用途にも適用できる。
本発明実施の形態1,2の調理機器の断面図 本発明実施の形態1,2のコントロールパネルの正面図 本発明実施の形態1,2の調理工程図 本発明の実施の形態1,2の調理工程の温度変化を示すタイムチャート
符号の説明
10 調理物
11 鍋
12 赤外線センサー
13 電器ヒーター(加熱手段)
14,41 強制対流式蒸発器(冷却手段)
15 調理室
16 送風機
17 ダンパーサーモ
18 モーター
19 吐出ダクト
20 吹き出し口
21 吸い込みダクト
22 コントロールパネル
23 メニュー選択キー
24 メニュー決定ボタン
25 メニュー表示パネル
26 開始ボタン
27 終了ランプ
28 保存工程
29 加熱工程
30 沸騰維持工程
31 冷却工程
32 保温維持工程
33 再加熱工程
40 室温センサー
41 強制対流式蒸発器
42 送風機
43 ダンパーサーモ
44 モーター
45 吐出ダクト
46 吹き出し口
47 吸い込みダクト

Claims (12)

  1. 食品を95℃〜200℃の温度まで加熱する加熱工程と、前記加熱工程に続いて食品を95℃〜200℃の温度で一定時間維持する沸騰維持工程と、前記沸騰維持工程に続いて食品を60℃〜80℃の温度まで冷却する冷却工程と、前記冷却工程に続いて60℃〜80℃の温度で一定時間維持する保温維持工程とを有し、前記加熱工程および前記沸騰維持工程および前記冷却工程および前記保温維持工程の各工程時間を食品の種類によって制御する調理方法。
  2. 加熱工程の前に0℃〜10℃の温度で冷却保存する保存工程とをさらに備えた請求項1に記載の調理方法。
  3. 保温維持工程の後に95℃〜200℃の温度に加熱する再加熱工程とをさらに備えた請求項1または2に記載の調理方法。
  4. 少なくとも加熱工程と沸騰維持工程と冷却工程と保温維持工程とを食品の種類に加えて、さらに食品の重量によって制御する請求項1から3のいずれか一項に記載の調理方法。
  5. 少なくとも加熱工程と沸騰維持工程と冷却工程と保温維持工程とを食品の種類に加えて、さらに食品の温度によって制御する請求項1から4のいずれか一項に記載の調理方法。
  6. 断熱構造で構成された調理室と、前記調理室内に収納された食品を95℃〜200℃の温度まで加熱する加熱手段と、前記加熱手段によって加熱された前記食品を95℃〜200℃の温度で一定時間維持する沸騰維持手段と、前記沸騰維持手段によって沸騰維持された前記食品を60℃〜80℃の温度まで冷却を行う冷却手段と、前記冷却手段によって冷却された前記食品を60℃〜80℃の温度で一定時間維持する保温維持手段と、前記加熱手段および前記沸騰維持手段および前記冷却手段および前記保温維持手段の各作動時間を前記食品の種類によって制御する制御装置とを備えた調理機器。
  7. 加熱手段によって食品を加熱する前に、0℃〜10℃の温度で冷却保存する保存手段とをさらに備えた請求項6に記載の調理機器。
  8. 保温維持手段によって食品を60℃〜80℃の温度で一定時間維持した後に95℃〜200℃の温度に加熱する再加熱手段とをさらに備えた請求項6または7に記載の調理機器。
  9. 少なくとも加熱手段と沸騰維持手段と冷却手段と保温維持手段とを食品の種類に加えて、さらに食品の重量によって制御する制御装置を備えた請求項6から8のいずれか一項に記載の調理機器。
  10. 少なくとも加熱手段と沸騰維持手段と冷却手段と保温維持手段とを食品の種類に加えて、さらに食品の温度によって制御する制御装置を備えた請求項6から9のいずれか一項に記載の調理機器。
  11. 前記断熱構造として、ウレタン発砲材で形成されたことを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の調理機器。
  12. 前記断熱構造として、真空断熱材で形成されたことを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の調理機器。
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