JP2005295822A - 培養スケジュール設定方法および細胞培養方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 骨髄液の培養開始後早期に骨髄液の品質の良否を判定でき、無駄な培養工程を行うことを防止し、効率よく細胞を培養する。
【解決手段】 培養容器内に骨髄液を播種して培養する際の培養スケジュールを設定する方法であって、培養開始直後の所定期間内に、複数の幹細胞の塊からなる初期コロニーを検出し(ステップS22)、培養容器内において検出された初期コロニー数に基づいて、培養を継続するか否かの判断を行う培養スケジュール設定方法を提供する。
【選択図】 図1
【解決手段】 培養容器内に骨髄液を播種して培養する際の培養スケジュールを設定する方法であって、培養開始直後の所定期間内に、複数の幹細胞の塊からなる初期コロニーを検出し(ステップS22)、培養容器内において検出された初期コロニー数に基づいて、培養を継続するか否かの判断を行う培養スケジュール設定方法を提供する。
【選択図】 図1
Description
この発明は、培養スケジュール設定方法および細胞培養方法に関するものである。
近年、いわゆる再生医療において、術後の生体組織における欠損部の修復速度を高めるために、患者から採取した骨髄液等から間葉系幹細胞を取り出して、βリン酸三カルシウム(β−TCP)やハイドロキシアパタイト(HAP)等の生体組織補填材とともに培養することにより、培養骨に代表される生体組織補填体を製造することが提案されている。生体組織補填体は、移植時に、すでに生体組織補填材を足場にして増殖した多くの間葉系幹細胞を含んでいるので、手術後に体内で細胞を増殖させる方法と比較すると、自家組織に置換されるまでの日数を大幅に短縮することができる(例えば、非特許文献1参照。)。
生体組織補填体を製造するには、一般に、まず、患者の骨髄液を培養容器内で一次培養して内部に含まれている間葉系幹細胞を必要細胞数まで増加させる。この過程において、成長した間葉系幹細胞は、少なくとも1回以上、培養容器から剥がされて、さらに大きな培養容器に移し替えられる。そして、最終的に必要細胞数まで増加したところで、再度、培養容器から剥離させられ、生体組織補填材に付着させられて、二次培養が行われる。これにより、生体組織補填体が製造される(例えば、非特許文献2参照。)。
植村他2名,「生分解性β−TCP多孔材料を用いた骨におけるティッシュエンジニアリング−生体内で強度を増す新しい材料オスフェリオン−」,メディカル朝日,朝日新聞社,2001年10月1日,第30巻,第10号,p.46−49 吉川,「骨髄間葉系細胞による培養真皮、培養骨−骨髄間葉系細胞による再生医療−」,バイオインダストリー,株式会社シーエムシー出版,2001年,第18巻,第7号,p.46−53
植村他2名,「生分解性β−TCP多孔材料を用いた骨におけるティッシュエンジニアリング−生体内で強度を増す新しい材料オスフェリオン−」,メディカル朝日,朝日新聞社,2001年10月1日,第30巻,第10号,p.46−49 吉川,「骨髄間葉系細胞による培養真皮、培養骨−骨髄間葉系細胞による再生医療−」,バイオインダストリー,株式会社シーエムシー出版,2001年,第18巻,第7号,p.46−53
従来、骨髄液を培養して必要細胞数まで増殖させる一次培養工程において、実際にその骨髄液内に含有されている間葉系幹細胞が必要細胞数まで増殖するか否かについては、培養容器内に形成される間葉系幹細胞のコロニーを目視にて観察し、その大きさを測ることによって判断するのが一般的であった。この場合、コロニーの目視による判断には、一次培養工程がある程度進行する必要があり、少なくとも1週間以上の培養期間が必要であった。
しかしながら、間葉系幹細胞が必要細胞数まで増殖するか否か、すなわち、骨髄液の品質の良否が、培養開始から1週間経過しなければ判断できないのでは、仮に1週間経過後に必要細胞数まで増殖しないと判断される場合には、それまでの培養工程が無駄になるという不都合がある。また、必要細胞数まで増殖する時期が予測できれば、細胞の培養スケジュールを設定でき、また、最終的な手術日を決定できるので便利である。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、骨髄液の培養開始後早期に骨髄液の品質の良否を判定でき、無駄な培養工程を行うことを防止し、効率よく細胞を培養できる培養スケジュール設定方法および細胞培養方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、培養容器内に骨髄液を播種して培養する際の培養スケジュールを設定する方法であって、培養開始直後の所定期間内に、複数の幹細胞の塊からなる初期コロニーを検出し、培養容器内において検出された初期コロニーの数に基づいて培養を継続するか否かを判断する培養スケジュール設定方法を提供する。
本発明は、培養容器内に骨髄液を播種して培養する際の培養スケジュールを設定する方法であって、培養開始直後の所定期間内に、複数の幹細胞の塊からなる初期コロニーを検出し、培養容器内において検出された初期コロニーの数に基づいて培養を継続するか否かを判断する培養スケジュール設定方法を提供する。
発明者は、培養開始直後の所定期間内に形成される微細なコロニー(以下、初期コロニーともいう。)の数が、その骨髄液内に含まれる幹細胞の増殖能と相関しているという知見を得た。この初期コロニーは、幹細胞数50個程度、数100μm程度の大きさを有するため目視で観察することはできないが、顕微鏡観察により検出することができる。そこで、培養開始直後の所定期間内に初期コロニーを検出して、その数を計数することにより、幹細胞の増殖能を判断でき、精度よく培養スケジュールを設定することが可能となる。
その結果、例えば、幹細胞の増殖能が極めて低いことが判明した場合には、それ以上の培養工程継続を中止して、培養作業の無駄を省くことができ、また、骨髄液の再採取等の次善の策を講じることができる。また、幹細胞の増殖能が低いが、必要細胞数まで達することができる程度の増殖能を有すると判断できる場合には、それに合わせた培養スケジュールを設定し、適正な培養を行うことができる。さらには、移植日の設定や変更等を行うことが可能となる。
上記発明においては、前記培養開始直後の所定期間が3日以内であることが好ましい。
培養開始後2〜3日程度で初期コロニーが形成されることが判明した。このため、この期間に初期コロニーの検出、計数を行うことで、極めて早期に幹細胞の増殖能を判定することができる。
培養開始後2〜3日程度で初期コロニーが形成されることが判明した。このため、この期間に初期コロニーの検出、計数を行うことで、極めて早期に幹細胞の増殖能を判定することができる。
また、上記発明においては、前記初期コロニーの検出が、培養容器内の骨髄液に光を照射し、骨髄液を透過した光を検出することにより行われることとしてもよい。培養開始直後は、培養容器内の骨髄液に光を照射しても、幹細胞が赤血球等に覆われているために透過する光が少ない。しかしながら、所定の期間、例えば2〜3日経過して初期コロニーが形成されると、該初期コロニーが盛り上がって、それを覆っている赤血球等にひびが入る。このため、照射された光がひびを透過するようになり、この光を観察することによって、初期コロニーを簡易に検出することが可能となる。
また、上記発明においては、前記初期コロニーの検出前に、培養容器内の骨髄液を溶血処理することとしてもよい。
溶血処理により、赤血球の血球成分が除去されるので、初期コロニーの顕微鏡観察が容易になる。
溶血処理により、赤血球の血球成分が除去されるので、初期コロニーの顕微鏡観察が容易になる。
また、上記発明においては、検出された初期コロニーの数が所定のしきい値より少ないときに、培養中止を判断することとしてもよい。培養中止を判断することにより、それ以上の無駄な培養作業が不要となり、コストおよび時間の無駄の発生を防止することができる。
さらに、上記発明においては、検出された初期コロニーの数が所定のしきい値以上のときに、培養継続を判断することとしてもよい。
さらに、上記発明においては、検出された初期コロニーの数が所定のしきい値以上のときに、培養継続を判断することとしてもよい。
また、上記発明においては、骨髄液提供者の年齢によって前記しきい値を補正することが好ましい。幹細胞の増殖能は、年齢とともに変化するため、一律に同一のしきい値を設定したのでは、実情に沿わない場合があるからである。例えば、一般には、骨髄液提供者の年齢が高まるにつれて細胞増殖能は低下していくことになる。したがって、年齢とともにしきい値を上げ、培養中止または培養継続を判断することにより、培養作業の無駄を省くことができる。
また、本発明は、上記培養スケジュール設定方法により設定された培養スケジュールに基づいて細胞を培養する細胞培養方法を提供する。
この発明によれば、細胞の増殖能に基づいて設定された培養スケジュールに沿って細胞を培養するので、効率的に培養することができ、また、最終的に製品として出荷可能な時期あるいは移植手術が可能となる時期を精度よく予測することが可能となる。
この発明によれば、細胞の増殖能に基づいて設定された培養スケジュールに沿って細胞を培養するので、効率的に培養することができ、また、最終的に製品として出荷可能な時期あるいは移植手術が可能となる時期を精度よく予測することが可能となる。
本発明によれば、骨髄液の培養開始後早期に骨髄液の品質の良否を判定でき、無駄な培養工程を行うことを防止して、細胞を効率よく培養することができるという効果を奏する。
この発明の一実施形態に係る培養スケジュール設定方法および細胞培養方法について図1〜図5を参照して以下に説明する。
本実施形態に細胞培養方法は、図1に示されるように、培養開始前に暫定的に設定する初期スケジュール設定ステップS1と、該初期スケジュール設定ステップS1において設定された暫定的なスケジュールに従って細胞の培養を開始する培養ステップS2とを含んでいる。また、本実施形態に係る培養スケジュール設定方法は、培養を開始した後に行われる初期コロニー検出ステップS22と培養スケジュール設定ステップS23とを含んでいる。
本実施形態に細胞培養方法は、図1に示されるように、培養開始前に暫定的に設定する初期スケジュール設定ステップS1と、該初期スケジュール設定ステップS1において設定された暫定的なスケジュールに従って細胞の培養を開始する培養ステップS2とを含んでいる。また、本実施形態に係る培養スケジュール設定方法は、培養を開始した後に行われる初期コロニー検出ステップS22と培養スケジュール設定ステップS23とを含んでいる。
初期スケジュール設定ステップS1は、骨髄液提供者の年齢や生活習慣等の種々のファクターを考慮して、培地の交換時期や培養容器の切替時期等、さらには移植手術予定日等の培養スケジュールを設定する。
そして、骨髄液提供者から提供された骨髄液を所定の培地と混合して細胞懸濁液を製造し、製造された細胞懸濁液を所定の培養容器内に投入して、前記暫定的な培養スケジュールに基づいて細胞の培養が開始される(ステップS21)。
そして、骨髄液提供者から提供された骨髄液を所定の培地と混合して細胞懸濁液を製造し、製造された細胞懸濁液を所定の培養容器内に投入して、前記暫定的な培養スケジュールに基づいて細胞の培養が開始される(ステップS21)。
ここで、使用される培地は、例えば、MEM(Minimal
Essential Medium:最小必須培地)、FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)、抗生剤を84:15:1の配合比率で混合したものである。なお、この配合比率は任意であり、また、ウシ胎児血清に代えてヒト血清を用いてもよい。
また、培養条件は、温度37℃±0.5℃、湿度100%、CO2濃度5%である。
Essential Medium:最小必須培地)、FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)、抗生剤を84:15:1の配合比率で混合したものである。なお、この配合比率は任意であり、また、ウシ胎児血清に代えてヒト血清を用いてもよい。
また、培養条件は、温度37℃±0.5℃、湿度100%、CO2濃度5%である。
次に、初期コロニー検出ステップS22について説明する。
初期コロニー検出ステップS22は、培養開始直後の所定期間、例えば、2〜3日以内に行われるステップであり、培養容器内に静置された状態で形成される50個以上の幹細胞の塊からなる初期コロニーを検出する。初期コロニーは、数100μm程度の塊であり、目視では観察できないので、以下の方法により検出する。
初期コロニー検出ステップS22は、培養開始直後の所定期間、例えば、2〜3日以内に行われるステップであり、培養容器内に静置された状態で形成される50個以上の幹細胞の塊からなる初期コロニーを検出する。初期コロニーは、数100μm程度の塊であり、目視では観察できないので、以下の方法により検出する。
すなわち、倒立顕微鏡を用いて培養容器内の細胞懸濁液の上方から光を照射し、培養容器の下方に対物レンズを配置して観察する。骨髄液と培地とを混合してなる細胞懸濁液には、赤血球等の血球成分も多く含まれているため、培養初期においては赤血球が全面を膜状に覆っていて上方からの光が通過できない状態になっている。この場合に、初期コロニーが形成されると、該初期コロニーの部分において表面を覆っている赤血球等からなる層(layer)が盛り上がり、その層(layer)に亀裂が生じるため、上方からの光が通過できるようになる。
そこで、倒立顕微鏡によって培養容器を全面にわたって走査し、光が漏れている箇所を探すことにより、初期コロニーが検出されることになる。そして、検出された初期コロニーの数を計数して初期コロニー数Cを求めることにより、初期コロニー検出ステップS22が終了する。
次に、培養スケジュール設定ステップS23について説明する。
初期コロニー数Cと幹細胞の増殖能とは図2に示される関係がある。図2は、幹細胞が継代可能な細胞世代数と、初期コロニー数との関係を示している。これによれば、初期コロニー数が多いほど細胞世代数が多く、幹細胞の増殖能が高いということがわかる。
また、図3に、骨髄液提供者の年齢と細胞増殖速度との関係を示す。この図3によれば、細胞提供者の年齢が40歳を超えて高くなるほど、細胞増殖速度が低下していくことがわかる。
初期コロニー数Cと幹細胞の増殖能とは図2に示される関係がある。図2は、幹細胞が継代可能な細胞世代数と、初期コロニー数との関係を示している。これによれば、初期コロニー数が多いほど細胞世代数が多く、幹細胞の増殖能が高いということがわかる。
また、図3に、骨髄液提供者の年齢と細胞増殖速度との関係を示す。この図3によれば、細胞提供者の年齢が40歳を超えて高くなるほど、細胞増殖速度が低下していくことがわかる。
そこで、培養スケジュール設定ステップS23においては、上記事実を考慮して、図4に示されるように、まず、その後の培養を継続するか中止するかの判断を行う(ステップS231)。
すなわち、原則としては、初期コロニー検出ステップS22において検出された初期コロニー数Cが所定のしきい値Xより大きいか否かによって培養を継続するか否かを判断する。初期コロニー数Cがしきい値Xより小さい場合には、細胞増殖能が低いと判断できるため、培養を中止することにより、その後の培養作業の無駄を省くことができる。
すなわち、原則としては、初期コロニー検出ステップS22において検出された初期コロニー数Cが所定のしきい値Xより大きいか否かによって培養を継続するか否かを判断する。初期コロニー数Cがしきい値Xより小さい場合には、細胞増殖能が低いと判断できるため、培養を中止することにより、その後の培養作業の無駄を省くことができる。
また、しきい値Xの設定に際しては、骨髄液提供者の年齢Aを考慮している。すなわち、図5に示されるように、骨髄液提供者の年齢Aおよび上記初期コロニー検出ステップS22において計数された初期コロニー数Cが入力され(ステップS2311)、骨髄液提供者の年齢Aが40歳より高いか否かが判断される(ステップS2312)。
ステップS2312において骨髄液提供者の年齢Aが40歳を超える場合には、骨髄液提供者の年齢Aに応じて、しきい値Xを補正する年齢係数Bが算出される(ステップS2313)。年齢係数Bは、例えば、B=(10/(Aー20)+1/2)であり、年齢Aが高くなるにしたがって小さくなる係数である。そして、この年齢計数Bを用いてしきい値Xが算出される(ステップS2314)。しきい値Xは、基準となるしきい値X0を年齢係数Bで除した値である。
一方、骨髄液提供者の年齢Aが40歳以下の場合には、ステップS2312において、しきい値Xを基準となるしきい値X0自体とする設定がなされる(ステップS2315)。
一方、骨髄液提供者の年齢Aが40歳以下の場合には、ステップS2312において、しきい値Xを基準となるしきい値X0自体とする設定がなされる(ステップS2315)。
次いで、上記により設定されたしきい値Xと初期コロニー数Cとが比較される(ステップS2316)。初期コロニー数Cが少ない場合であっても、骨髄液提供者の年齢Aが40歳以下の場合には、十分な細胞増殖能が期待できるので、年齢係数Bを考慮することなくしきい値Xを基準となるしきい値X0に保ち、比較的少ない初期コロニー数Cの場合にも培養継続の判断が可能となる(ステップS2316)。
一方、初期コロニー数Cが多い場合であっても、骨髄液提供者の年齢Aが40歳を超える場合には、細胞増殖能が低く、培養中止の判断をした方がよい場合がある。したがって、しきい値Xを高くして、初期コロニー数Cが十分ではない場合には培養の中止を判断する(ステップS2317)。
一方、初期コロニー数Cが多い場合であっても、骨髄液提供者の年齢Aが40歳を超える場合には、細胞増殖能が低く、培養中止の判断をした方がよい場合がある。したがって、しきい値Xを高くして、初期コロニー数Cが十分ではない場合には培養の中止を判断する(ステップS2317)。
また、培養スケジュール設定ステップS23においては、初期コロニー数Cがしきい値Xに対して大きい場合には、培養を継続する判断が行われ(ステップS231)、さらに、初期コロニー数Cおよび骨髄提供者の年齢Aによって定まる細胞増殖速度に応じて、その後の1次培養終了までの時間、2次培養に要する時間、手術日までに要する時間を予測し再設定する(ステップS232)。
そして、このように設定された培養スケジュールに基づいて、その後の培養を継続する(ステップS24)ことにより、細胞が培養されることになる。
そして、このように設定された培養スケジュールに基づいて、その後の培養を継続する(ステップS24)ことにより、細胞が培養されることになる。
本実施形態に係る培養スケジュール設定方法および細胞培養方法によれば、初期コロニー数Cに基づいて培養スケジュールを設定するので、培養開始直後3日以内という、極めて早期に培養を継続するか否かを判断でき、培養を中止する場合には、その後の培養作業を行わずに済むので、時間およびコストの無駄を省くことができる。
また、培養開始直後に検出される初期コロニー数Cによってその後の培養スケジュールを設定できるので、細胞増殖能の高い細胞に対しては、必要細胞数まで迅速に増殖させて移植手術までに要する時間を短縮することができる。また、細胞増殖能の低い細胞に対しては、必要細胞数に達するまでに要する時間が長いことが予想されるので、十分な培養期間を確保して、細胞を確実に増殖させることができる。
なお、本発明に係る 培養スケジュール設定方法および細胞培養方法は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、初期コロニー検出ステップS22において、培養容器の全面にわたって走査することとしたが、培養容器が大きい場合には、全面にわたる走査に時間がかかることが考えられる。この場合には、培養容器内部を複数の領域に区画して、その領域のいくつかを選択的に走査することにより、領域毎の初期コロニー数を求め、該領域毎の初期コロニー数に基づいて全体の初期コロニー数Cを推定することにしてもよい。
例えば、上記実施形態においては、初期コロニー検出ステップS22において、培養容器の全面にわたって走査することとしたが、培養容器が大きい場合には、全面にわたる走査に時間がかかることが考えられる。この場合には、培養容器内部を複数の領域に区画して、その領域のいくつかを選択的に走査することにより、領域毎の初期コロニー数を求め、該領域毎の初期コロニー数に基づいて全体の初期コロニー数Cを推定することにしてもよい。
また、骨髄液を培養する培養容器の他に、サンプル用の小さい培養容器を用いて同条件で培養する場合には、このサンプル用の培養容器に対して全面にわたる走査を行うことにしてもよい。
また、赤血球の膜に生ずる亀裂の検出は、顕微鏡を扱う観察者が、接眼レンズを通して、あるいは、撮影されモニタに表示された画像を通して行ってもよいが、撮影された画像を処理して亀裂発生部を検出することとすれば、自動的に検出することができる。また、画像処理により亀裂発生部を直接検出する場合の他、亀裂発生により漏れる光が増大することを利用して、対物レンズ側で検出される光の総光量を取得することにより、その総光量に基づいて、初期コロニー数を推定することにしてもよい。
また、培養開始前に、細胞懸濁液に塩化アンモニウム等の溶血剤を添加して攪拌する溶血処理を施すことにより、赤血球を除去してもよい。このようにすることで、初期コロニーの形状を顕微鏡により直接観察することができる。
また、上記実施形態においては、培養スケジュールの設定ステップにおいて、培養の継続か否かの判断や、各培養工程や移植手術の時間的なスケジュールについて再設定することとしたが、これに加えて、添加する成長因子や栄養剤等の量や種類を変更することにしてもよい。
また、上記実施形態においては、培養スケジュールの設定ステップにおいて、培養の継続か否かの判断や、各培養工程や移植手術の時間的なスケジュールについて再設定することとしたが、これに加えて、添加する成長因子や栄養剤等の量や種類を変更することにしてもよい。
A 骨髄液提供者の年齢
C 初期コロニー数
S22 初期コロニー検出ステップ
S23 培養スケジュール設定ステップ
S2315 培養中止判断ステップ
S24 培養継続判断ステップ
X しきい値
C 初期コロニー数
S22 初期コロニー検出ステップ
S23 培養スケジュール設定ステップ
S2315 培養中止判断ステップ
S24 培養継続判断ステップ
X しきい値
Claims (8)
- 培養容器内に骨髄液を播種して培養する際の培養スケジュールを設定する方法であって、
培養開始直後の所定期間内に、複数の幹細胞の塊からなる初期コロニーを検出し、
培養容器内において検出された初期コロニーの数に基づいて、培養を継続するか否かの判断を行う培養スケジュール設定方法。 - 前記所定期間が3日以内である請求項1に記載の培養スケジュール設定方法。
- 前記初期コロニーが、培養容器内の骨髄液に光を照射し、骨髄液を透過した光を検出することにより検出される請求項1または請求項2に記載の培養スケジュール設定方法。
- 前記初期コロニーの検出前に、培養容器内の骨髄液を溶血処理する請求項1または請求項2に記載の培養スケジュール設定方法。
- 検出された初期コロニーの数が所定のしきい値より少ないときに、培養中止を判断する請求項1から請求項4のいずれかに記載の培養スケジュール設定方法。
- 検出された初期コロニーの数が所定のしきい値以上のときに、培養継続を判断する請求項1から請求項5のいずれかに記載の培養スケジュール設定方法。
- 骨髄液提供者の年齢によって前記しきい値を補正する請求項5または請求項6に記載の培養スケジュール設定方法。
- 請求項1から請求項7のいずれかに記載の培養スケジュール設定方法により設定された培養スケジュールに基づいて細胞を培養する細胞培養方法。
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