JP2005295740A - 回転電機のステータ構造 - Google Patents

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康宏 柳原
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Abstract

【課題】ステータとアウターロータまたはインナーロータとの間に発生するコギングトルクを低減できる回転電機のステータ構造を提供する。
【解決手段】電磁鋼板201を積層して構成されるステータティース101Bにコイル101Aを巻回してなる複数の積層コアを放射状に配置してなるステータ101と、ステータの外側に設けたアウターロータ103と、ステータの内側に設けたインナーロータ101と、から構成される回転電機のステータ構造において、ステータティース101Bを積厚方向にn分割し、各分割されたステータティースの磁束の方向がそれぞれ異なる傾きを持つよう構成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、電磁鋼板を積層して構成されるステータティースにコイルを巻回してなる複数の積層コアを放射状に配置してなるステータと、ステータの外側に設けたアウターロータと、ステータの内側に設けたインナーロータと、から構成される回転電機のステータ構造に関するものである。
従来、円筒状のステータを挟み、内外周にアウターロータ及びインナーロータが配置され、ステータに巻回された多相コイルに複合電流を流すことで、アウターロータとインナーロータを独立して回転制御可能な複軸多層構造を有する回転電機が知られている(例えば、特許文献1参照)。この回転電機では、1個のステータと2個のロータとが3重構造をなしており、アウターロータとインナーロータとの中間に配置されたステータ構造は、電磁鋼板を積層して構成されるステータティースにコイルを巻回してなる複数の積層コアを放射状に配置した構造となっている。
特開2001−112221号公報
上述した従来の回転電機のステータ構造では、ステータティースを複数の電磁鋼板を堰そうして構成するにあたり、電磁鋼板の磁化の方向については何も考慮されていなかった。そのため、従来の複軸多層構造の回転電機では、ステータとアウターロータとの間、および、ステータとインナーロータとの間、に発生する磁気吸引力により、トルクの発生にムラが生じるいわゆるコギングトルクが発生し易い問題があった。
本発明の目的は上述した問題点を解消して、ステータとアウターロータまたはインナーロータとの間に発生するコギングトルクを低減できる回転電機のステータ構造を提供しようとするものである。
本発明の回転電機のステータ構造は、電磁鋼板を積層して構成されるステータティースにコイルを巻回してなる複数の積層コアを放射状に配置してなるステータと、ステータの外側に設けたアウターロータと、ステータの内側に設けたインナーロータと、から構成される回転電機のステータ構造において、ステータティースを積厚方向にn分割し、各分割されたステータティースの磁束の方向がそれぞれ異なる傾きを持つよう構成したことを特徴とするものである。
本発明の回転電機のステータ構造では、n分割されたステータティースは、各々規制された方向に対する磁束の流れが良いことから、それらを組み合わせることによって内外ロータに対して磁束の指向性を大きくすることができる。その結果、コギングトルクを低減することができる。
なお、本発明の回転電機のステータ構造の好適例においては、ステータティースを積厚方向に2分割し、分割されたステータティースの磁束方向角度を、それぞれ絶対値は同じで符号が異なる角度とすることができる。このように構成すれば、従来と全く同じ構造で内外のロータの回転に伴うコギングトルクを低減できる磁気回路を形成することができる。
また、本発明の回転電機のステータ構造の好適例においては、電磁鋼板として方向性電磁鋼板を適用することができる。このように構成すれば、上述した効果に加えて、無方向性鋼板よりも厚さが薄いことにより渦電流損失を低減することができる。また、電磁鋼板の打ち抜き角度さえ変えればよいので、組み付けは従来と同じ方法でよい。
さらに、本発明の回転電機のステータ構造の好適例においては、積層した電磁鋼板のうち磁束の流れに影響しない部位をかしめてステータティースを一体化することができる。このように構成すれば、磁束の流れを妨げることなく電磁鋼板を積厚方向に固定することができる。
以下に、この発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明のステータ構造を備える回転電機の一例としての複軸多層モータが適用されたハイブリッド駆動ユニットの全体図である。なお、以下に説明する複軸多層モータはその基本的な構成を説明するためのものであり、本発明の特徴部分については、後に詳細に説明する。図1において、Eはエンジン、Mは複軸多層モータ、Gはラビニョウ型複合遊星歯車列、Dは駆動出力機構、1はモータカバー、2はモータケース、3はギヤハウジング、4はフロントカバーである。
前記エンジンEは、ハイブリッド駆動ユニットの主動力源であり、エンジン出力軸5とラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2リングギヤR2とは、回転変動吸収ダンパー6及び多板クラッチ7を介して連結されている。
前記複軸多層モータMは、外観的には1つのモータであるが2つのモータジェネレータ機能を有する副動力源である。この複軸多層モータMは、前記モータケース2に固定され、コイルを巻いた固定電機子としてのステータSと、前記ステータSの内側に配置し、永久磁石を埋設したインナーロータIRと、前記ステータSの外側に配置し、永久磁石を埋設したアウターロータORと、を同軸上に三層配置することで構成されている。前記インナーロータIRに固定の第1モータ中空軸8は、ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第1サンギヤS1に連結され、前記アウターロータORに固定の第2モータ軸9は、ラビニョウ型複合遊星歯車列Gの第2サンギヤS2に連結されている。
前記ラビニョウ型複合遊星歯車列Gは、二つのモータ回転数を制御することにより無段階に変速比を変える無段変速機能を有する遊星歯車機構である。このラビニョウ型複合遊星歯車列Gは、互いに噛み合う第1ピニオンP1と第2ピニオンP2を支持する共通キャリヤCと、第1ピニオンP1に噛み合う第1サンギヤS1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2サンギヤS2と、第1ピニオンP1に噛み合う第1リングギヤR1と、第2ピニオンP2に噛み合う第2リングギヤR2との5つの回転要素を有して構成されている。前記第1リングギヤR1とギヤハウジング3との間には多板ブレーキ10が介装されている。前記共通キャリヤCには、出力ギヤ11が連結されている。
前記駆動出力機構Dは、出力ギヤ11と、第1カウンターギヤ12と、第2カウンターギヤ13と、ドライブギヤ14と、ディファレンシャル15と、ドライブシャフト16,16により構成されている。そして、出力ギヤ11からの出力回転及び出力トルクは、第1カウンターギヤ12→第2カウンターギヤ13→ドライブギヤ14→ディファレンシャル15を経過し、ドライブシャフト16,16から図外の駆動輪へ伝達される。
すなわち、ハイブリッド駆動ユニットは、前記第2リングギヤR2とエンジン出力軸5を連結し、前記第1サンギヤS1と第1モータ中空軸8とを連結し、前記第2サンギヤS2と第2モータ軸9とを連結し、前記共通キャリヤCに出力ギヤ11を連結することにより構成されている。
図2は、ラビニョオ型遊星歯車列と組み合わされて車両用ハイブリッド変速機を構成する、この発明の対象となる複軸多層モータの一例をより詳細に示す図である。この複軸多層モータに、この発明の積層コア構造を適用することができる。図2に示す構成の複軸多層モータは、一個の円環状のステータ101と、その半径方向内方および外方にそれぞれ互いに同軸の所定回転軸線O上にて回転自在に配置したインナーロータ102およびアウターロータ103とよりなる三重構造とし、これらをハウジング104内に収納して構成する。
ここにおけるインナーロータ102およびアウターロータ103はそれぞれ、電磁鋼板などをプレス成形して造った板材のロータ軸線方向への積層になる積層コア124,125を具え、これら積層コア124,125に、ロータ軸線方向に貫通する永久磁石を円周方向等間隔に配置して設けた構成となす。インナーロータ102とアウターロータ103とでは、配置する磁極数を変えることで、両者の極対数を異ならせている。一例を示すと、磁石の個数自体はインナーロータ102とアウターロータ103で同一であり、12個ずつであるが、インナーロータ102は2個の磁石で1極を成しているため、極対数としては3極対となり、アウターロータ103は1個の磁石で1極を成しているため、極対数としては6極対となる。
そしてハウジング104内へのインナーロータ102およびアウターロータ103の収納に当たっては、アウターロータ103は、積層コア125の外周にトルク伝達シェル105を駆動結合して具え、該トルク伝達シェル105の両端をそれぞれベアリング107,108によりハウジング104に回転自在に支持し、トルク伝達シェル105をベアリング107の側でアウターロータシャフト109に結合する。
インナーロータ102は積層コア124の中心に、内部に上記アウターロータシャフト109を回転自在に貫通した中空のインナーロータシャフト110を貫通して具え、これらインナーロータ102の積層コア124およびインナーロータシャフト110間を駆動結合する。そしてインナーロータシャフト110の中間部をベアリング112により、固定のステータブラケット113内に回転自在に支持し、一端部(図1では左端部)をベアリング114によりトルク伝達シェル105の対応端壁に回転自在に支持する。
ステータ101は、電磁鋼板をプレス成形して造ったI字状のステータ鋼板をステータ軸線方向に積層してなる多数のステータティースを具える。個々のステータティースには、アウターロータ側ヨークおよびインナーロータ側ヨーク間におけるティースの箇所において図2に示す如く電磁コイル117を巻線し、これらコイル巻線済のステータティースを同一円周方向等間隔に、つまり円形に配列してステータコアとなし、このステータコアをステータ軸線方向両側のブラケット113,118間に何らかの手段で挟持すると共に全体的に樹脂120でモールドすることにより一体化してステータ101を構成する。
本発明のステータ構造の特徴は、ステータティースの構成にある。この特徴については、後に詳細に説明する。
なお、このモータの駆動に当たっては、回転センサ148および回転センサ147が検出するインナーロータ102およびアウターロータ103の回転位置、つまりこれらに上記のごとく設けられる永久磁石の位置に応じた両ロータ102,103用の位相の異なる駆動電流を複合して得られる複合電流をステータ101の電磁コイル117に供給し、これにより両ロータ102,103用の回転磁界をステータに個別に発生させることで、回転磁界に同期してロータ102,103を個別に回転駆動させることができる。
次に、上述した構成の複軸多層モータにおいて、複数の積層コアから構成されるステータ101として利用できる本発明のステータ構造について説明する。なお、説明の都合上、図1および図2に示す部材と以下の説明で示す部材とは、同一の部材であっても異なる符号を付す場合がある。
図3は本発明の回転電機のステータ構造の一例を説明するための図である。図3では、図2に示す例における回転電機の横断面の一部を示している。図3に示す例において、ステータ101は、ステータコイル101A、ステータティース101B、支持部材101Cから構成されている。インナーロータ102は、永久磁石102A、電磁鋼板102B、シャフト102Cから構成されている。アウターロータ103は、永久磁石103A、電磁鋼板103B、シェル103Cから構成されている。このうち、本発明の対象となるのは、ステータティース101Bの構造である。
図4〜図6はそれぞれステータティース101Bの一例を説明するための図である。図4および図5はそれぞれステータティース101Bを構成する一枚の電磁鋼板の一例を示しており、図6は図4および図5に示す電磁鋼板からなるステータティース101Bの一例を示す。図4および図5に示す例において、電磁鋼板201は方向性電磁鋼板から構成されており、磁化の容易方向202はステータティース101Bの中心軸Cに対してそれぞれ角度θ、−θだけ傾いている。そのため、図4に示す例では、ステータティース101Bを通過する磁束204はステータティース101Bの中心軸Cに対して角度θだけ傾くこととなる。。これに対し、電磁鋼板201の磁化の容易方向202が図4に示す例と左右対称となるように異なる図5に示す例では、ステータティース101Bを通過する磁束205はステータティース101Bの中心軸Cに対して角度−θだけ傾くこととなる。
そして、図6に示すように、ステータティース101Bを積厚方向に2分割して上ティース部分101B−1と下ティース部分101B−2とを構成し、例えば、上ティース部分101B−1は図4に示す電磁鋼板201を積層することで構成し、下ティース部分101B−2は図5に示す電磁鋼板201を積層することで構成する。これにより本発明の回転電機のステータ構造で使用するステータティース101Bを得ることができる。本例では、インナーロータ102およびアウターロータ103を通る磁束は2θの角度を持つことになり、両ロータの回転に伴うコギングトルクを低減できる磁気回路を形成することができる。すなわち、積厚方向に分割された積層鋼板を通る磁束が1方向でないため、磁石が誘引される際の誘引力を分配させることができ、コギングトルクを低減させることができる。
本発明の回転電機のステータ構造では、好適例として、電磁鋼板201をステータティース101Bに積層一体化するため、図4および図5に示す例では、所定のかしめ位置206でかしめて固定している。電磁鋼板201はそれぞれ磁化の容易方向202が傾きθを持っていることから、かしめ位置206の磁気抵抗が高くなると考えられ、磁気の通過を妨げることなくステータティース101Bをかしめて一体化することができる。
なお、図6に示す例では、ステータティース101Bを積厚方向に2分割し、互いに逆方向にθだけ磁束の方向が異なる例を示したが、本発明はこの例に限定されるものではない。例えば、ステータティース101Bの積厚方向に2分割以上のn分割し、各分割されたステータティース101Bの部分の磁束の方向をそれぞれ異なる傾きを持たせさえすれば、コギングトルクを低減させることができる。
本発明の回転電機のステータ構造は、内外にロータを有し、ロータ間にステータを有する3層構造の回転電機において、コギングトルクを低減させる用途に好適に使用することができる。
複軸多層モータが適用されたハイブリッド駆動ユニットを示す概略全体図である。 ラビニョオ型遊星歯車列と組み合わされて車両用ハイブリッド変速機を構成する、本発明のステータ構造の対象となる複軸多層モータを示す縦断側面図である。 本発明の回転電機のステータ構造の一例を説明するための図である。 ステータティース101Bの一例を説明するための図である。 ステータティース101Bの他の例を説明するための図である。 ステータティース101Bのさらに他の例を説明するための図である。
符号の説明
101 ステータ
101A ステータコイル
101B ステータティース
101B−1 上ティース部分
101B−2 下ティース部分
101C 支持部材
102 インナーロータ
102A、103A 永久磁石
102B、103B 電磁鋼板
102C シャフト
103 アウターロータ
103C シェル
201 電磁鋼板
202 磁化の容易方向
204、205 磁束
206 かしめ位置


Claims (4)

  1. 電磁鋼板を積層して構成されるステータティースにコイルを巻回してなる複数の積層コアを放射状に配置してなるステータと、ステータの外側に設けたアウターロータと、ステータの内側に設けたインナーロータと、から構成される回転電機のステータ構造において、ステータティースを積厚方向にn分割し、各分割されたステータティースの磁束の方向がそれぞれ異なる傾きを持つよう構成したことを特徴とする回転電機のステータ構造。
  2. ステータティースを積厚方向に2分割し、分割されたステータティースの磁束方向角度を、それぞれ絶対値は同じで符号が異なる角度としたことを特徴とする請求項1に記載の回転電機のステータ構造。
  3. 電磁鋼板として方向性電磁鋼板を適用することを特徴とする請求項1または2に記載の回転電機のステータ構造。
  4. 積層した電磁鋼板のうち磁束の流れに影響しない部位をかしめてステータティースを一体化することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機のステータ構造。


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