JP2005295736A - ファン・ブロワ - Google Patents

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Shoji Oiwa
昭二 大岩
Keishin Igarashi
敬信 五十嵐
Kanji Yamamoto
完治 山本
Tomokazu Uchiyama
友和 内山
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Abstract

【課題】小形ファン・ブロワの中心に位置する駆動用モータを小形化することで,ファン・ブロワの風量・騒音特性を大きく改善することが可能で,希土類系ゴムマグネットを採用することで達成できるが,ロータヨークの磁気飽和やコスト等の問題が生じる。
【解決手段】ロータヨークは素材となる軟磁性鋼板の板厚tを汎用性のある1.2mmまたは1.6mmを使用して,絞り加工によりカップ状に形成する。希土類系マグネットは軟質でフレキシブル特性を有し,厚みが1.2mm以下で,且つ残留磁束密度0.4〜0.8テスラとし,内外周の表面にNS交互に多極着磁を施し,着磁極対数を4(磁極数8)とする。これを磁極数と等しいステータティース数の単相モータに適用する。また,ステータティース数6または9または12の3相モータに適用しセンサレス駆動を行う。
【選択図】図1

Description

本発明はファンとブロワの静音化と高効率化のニーズに応えるため、それに使用されるアウターロータ形のブラシレスDCモータ(以下モータと称する)の構造で,特に縦横の寸法が40から140mmで,駆動源となるモータがほぼ中央に配置される小形ファンとブロワに関するものである。
ファンとブロワの高効率化手段には多くの工夫が提案され,ファン・ブロワの流体特性を改善すべく,羽根やケーシングの検討が行われている。ファン・ブロワは駆動源であるモータが羽根の中心に存在し,そのモータ形状が通風流路に大きく影響する。
小形ファンにおいて,本発明者等は,特開2004−007866号公報の従来例にて下記のように説明している。小形ファンにおいて高効率・低騒音化を図るには,風の通路を大きくして。モータ回転数を下げて風量を確保することが得策である。図5は小形ファンの外観図であり,50はファンケースであり,51はロータヨーク52と固着された羽根である。図において風の吸い込みを大きく取るために,ファンの中心に配置され駆動源となるブラシレスDCモータのロータヨーク52の外径は,羽根51の外径に対して55%以下が好ましいとされている。然しながら,ファンが小形になるにつれて,ロータ52の径寸法が問題となる。
また,ブロワについては本発明者等は,特願2003−398527号の従来例にて下記のように説明している。図6は従来のブロワの外形であり,図7は断面図である。図7において,78は羽根車であり,75はモータ軸,76は軸受け,72はモータ部のロータヨークであり,リング状のマグネット71が固定されている。74はステータコアであり,73はマグネットの磁極位置を検出するホール素子,77はモータ巻線である。図6に示すように,ブロワは、羽根車78の回転による遠心力で側方の吸込口60から羽根車78の外周面への空気の流れを生じさせて,吐出口61から排出するものである。気流を生じる羽根車78を構成するブレードの形状や,羽根車と一体に固定されるロータヨーク72の形状によって送風性能や送風に伴う騒音レベルが異なる。
ロータヨーク72の軸方向高さと外径寸法は,ブロワの駆動源であるモータの大きさにより決まり,吸込の気流もロータヨーク72の高さと径で影響される。一般的に羽根車への吸気量は,図7に示すようにブレード内周面とロータヨーク外周面の有効流路面積が減少するに従って減少する。また吸気口部分に気流の障害物があると,乱流が増加し送風性能が更に低下し,送風に伴う騒音も大きくなる。
そこで小形ファン・ブロワに従来から使用されているモータ構造を図8に示す。82はロータヨーク,81はフェライト系プラスチック材からなるマグネットで4極に着磁が施されている。83はマグネット81の磁極を検出するホール素子で,プリント基板(図示せず)に取り付けられている。84は珪素鋼板を打ち抜いて積層したステータコアで,4個のティース86と突極85を有し,突極85とマグネット81の間の空隙は,図8に示すように,一定ではなく不均一になっている。87はティース86に巻かれた巻線である。このように従来のモータは,構造を簡易化することによって,コストの低減を図っている。すなわち,マグネットの極数とステータコアのティース数を4とし,ロータマグネットの磁極位置を検出する磁気センサに1個のホール素子を用い,半導体により単相のモータ巻線に交互方向に通電してロータを回転させている。また,このホール素子により2サイクル/回転の回転信号を生成している。この信号は回転パルスとしてモータの回転数等を検出するために使用されている。
上述したファン・ブロワの特性改善をモータの小形化で実現するために,近年特性改善がめざましい希土類マグネットの使用を検討した。
上述のフェライト系プラスチック材からなるマグネットの残留磁束密度Brが0.2〜0.4テスラに対して,希土類系マグネットは0.5〜1.2テスラである。モータの巻線仕様(線材径,巻線数等)同一として,マグネット材質の違いによるモータ出力を比較する。モータの出力トルクTは,モータの逆起電力をe,モータ巻線に流れる電流をiとすると
Figure 2005295736
と表せる。iを一定とするとeを大きくすることがトルクアップとなる。
そこで,モータの逆起電力の大きさを検討する。モータの逆起電力をe,巻線数n,マグネットの極対数P,巻線鎖交磁束φ,回転角速度ω,巻線されるステータコアのティース数をNとすると
Figure 2005295736
と表される。ティース数N,巻線数n,回転角速度ωを一定とすると,マグネットの極対数Pと巻線鎖交磁束φの積に逆起電力eは比例する。マグネットを起磁力とする磁気回路に飽和と漏洩がなければ,マグネットの極対数Pと巻線鎖交磁束φの積は大きく変化することは無く,マグネット素材の残留磁束密度Brと逆起電力eはほぼ比例することになる。
表1−(a)は従来のフェライト系プラスチックマグネットでモータを構成した場合の逆起電力eを計算したものである。図9はモータ部の断面図であり,表1で使用する部品の寸法を示すもので,Aはステータコア4の外径,Bはマグネット1の厚み,Cはステータコア4の積厚み,Dはロータヨーク2の外径,hは巻線7のコイルエンド高さである。モータの回転数が1000r/mで回転角速度ωが105rad/sの場合で,巻線鎖交磁束φは電磁場解析を用いて算出している。その結果,逆起電力eの大きさは3.9vである。
Figure 2005295736
また,表1−(b)は希土類系ボンドマグネットを使用した場合で,マグネット厚みを1mmとし,ステータコアの外径を大きくし,ロータヨーク外径は同一としている。その場合の逆起電力eの大きさは5.5vである。希土類系ボンドマグネットの残留磁束密度Brを2.5倍に大きくしているが,逆起電力eの増加は1.4倍である。その原因は,ロータヨークの磁極境界位置で磁気飽和現象が生じているためである。
図10は表1−(b)での磁気回路を1/2カットモデルで電磁場解析したものである。1は希土類系ボンドマグネット,2はロータヨーク,5はステータコアの突極である。希土類系ボンドマグネット磁極中央部と接するロータヨーク2の磁束密度は0.2テスラで最小であり,希土類系ボンドマグネットの磁極境界部と接するロータヨーク2の磁束密度は2テスラで最大値を示し,ロータヨークに磁気飽和が生じることが分かる。この状態では,巻線鎖交磁束φが増加せず,逆起電力eもアップ出来ない。このロータヨークの磁気飽和現象を低減するにはロータヨークの板厚を増す必要がある。
しかしながら,ロータヨークの絞り加工性の問題とロータヨークの外径寸法アップの問題が生じるため実現性は少なく,一般的にはマグネット極対数Pを増加させて逆起電力のアップを図る場合が多い。
ここで,ロータヨークの板厚とマグネット磁束密度の関係について述べる。図11はカップ状のロータヨーク12の側面とリング状マグネット11を展開したものである。ロータヨークの板厚をt,多極着磁されたマグネットの1磁極が前記ロータの内径と接する円弧長さをLとすると,ロータヨークの側面高さとリング状マグネット高さをCとする。
マグネットの1磁極とロータヨーク間の磁束量をφs,磁束密度をBsとすると,
Figure 2005295736
と表される。また,ロータヨークに流入し,マグネット磁極N・S境界位置 でのロータヨークの磁束量をφc,最大磁束密度をBcとすると
Figure 2005295736
と表せる。また,マグネット1磁極からの磁束量φsは,2つのロータヨークの磁極境界位置に流入するため,ロータヨークの磁束量φcとφsには
Figure 2005295736
の関係がある。5式に3式,4式を代入して
Figure 2005295736
が得られる。これを整理すると
Figure 2005295736
となる。一般的な小形ファン・ブロワ用モータにおいては,フェライト系ボンドマグネットが使用され,そのBsとBcには
Figure 2005295736
の関係が存在する。7式と8式からtとLの関係に表示すると
Figure 2005295736
と表される。簡略化すると
Figure 2005295736
となる。
マグネットに残留磁束密度Brが0.26テスラ程度のフェライト系プラスチック材を使用し,ロータヨークの板厚tを1.2mmとするとマグネット1磁極の円弧長Lは約16から40mmとなる。マグネットの磁極4とするとマグネット外径約20から50mmに相当し,磁極数6では約30から75mmとなり,実使用状態に一致している。
特開2004−007866号公報 特願2003−398527号公報
上述のロータヨークの磁気飽和現象を低減するには,一般的に下記の方法がある。
(1)ロータヨークの肉厚を増す
(2)マグネットの肉厚を薄くして起磁力を下げる
(3)マグネット磁極対数Pを増加させて逆起電力のアップを図る
しかしながら,小形ファン・ブロワ用モータへの適用を考慮すると,(1)についてはロータヨークの絞り加工性の問題があり,更にロータヨークの外径寸法アップとなり風量特性の劣化となる。
(2)については,巻線鎖交磁束φが増加できず,逆起電力eもアップできない。 (3)マグネットの磁極数を増加させると,1極あたりのマグネット面積が少なくなりロータヨークのNSの磁極境界での磁束集中が低減され,磁気飽和が解消され,逆起電力eも増加可能である。しかし小形ファン・ブロワでは回転信号を要求される場合が多い。従来からこの市場では,マグネット磁極数は4極にほぼ統一されていて,回転信号は2パルス/回転が要求されるため安易に磁極数を増加させられない。
また,高価な希土類系マグネットを使用する際には,コストの面から極力マグネット重量を少なくする必要がある。そのためには,マグネットの肉厚を適度に薄くしてロータヨーク内周に取り付ける必要がある。
本発明の目的は、小形ファン・ブロワ用モータに希土類マグネットを使用する際の最適な構造を提供し,吸込の気流が十分に、且つ滑らかに羽根車に吸込できて、風量特性が大幅に改善され,結果として小形ファン・ブロワの高効率化を図ることを目的とするものである。
小形ファン・ブロワに要求される回転信号2パルス/回転を比較的容易に分周して生成できるように,マグネット極対数Pが2のn乗(nは2以上の整数)とし,従来の磁極対数を2から4以上に増加させる。
薄肉に成型が可能で,軟質でフレキシブル特性を有する希土類系ゴムマグネットを選定することで,容易にロータヨーク内径に配置できる。
また,ロータヨークの肉厚は絞り加工性と流通性に問題のない1.6mmまたは1.2mmとし磁気飽和が生じないマグネット肉厚と磁極対数を決定することで,小形ファン・ブロワに最適なモータが設計可能となる。
本発明に成る小形ファン・ブロワ用モータは下記の特徴がある。
(1)軟質でフレキシブル特性を有する希土類系ゴムマグネットを使用することで薄肉化が実現でき,モータの小形化と薄形化が可能になる。
(2)マグネット磁極対数Pが2のn乗(nは2以上の整数)とすることで,回転信号2パルス/回転は分周により容易に生成できる。
(3)マグネット磁極対数アップにより,ステータコアの突極数とティース数も増加されるため,従来とほぼ同一の巻線を巻き込む場合,1ティースでの巻数が減りコイルエンド部の高さが減少させることが可能で,更に薄形化が可能になる。
(4)高価な希土類系ボンドマグネットを駆動用に,磁極位置検出は安価なフェライト系プラスチックマグネットと分離することで,結果としてコストダウンが可能となる。
(5)さらに,3相モータの構成ではセンサレス駆動を採用することで,磁極位置検出用マグネットが不要になり,更に安価に構成することが可能である。
また,ファン・ブロワにおいては,その中心に配置される駆動源モータが,上記のような特徴を有するため,下記のような特長を有するものとなる。
(6)小形ファン・ブロワ中央部の吸込の気流が十分になり,風量特性が大幅に改善され,結果として効率が大幅にアップし,市場から要求が強い高風量化が可能となる。
(7)小形ファン・ブロワ中央部の吸込気流が滑らかに羽根車に吸込できて、乱流による騒音が低減される。
小形ファン・ブロワの羽根の駆動源として、中央に配置するアウターロータ形ブラシレスDCモータを次のように構成する。ロータは素材となる軟磁性鋼板の板厚tを汎用性のある1.2mmまたは1.6mmを使用して,絞り加工によりカップ状に形成する。希土類系マグネットは軟質でフレキシブル特性を有する板状のシートをリング状に成形しロータヨークに挿入接着し,その表面を接着力のあるコーテング材で補強する。希土類系マグネットの厚みは1.2mm以下で,且つ残留磁束密度0.4〜0.8テスラとし,内外周の表面にNS交互に多極着磁を施し,その着磁極対数を4(磁極数8)とする。
請求項6に係わる方式としては,ステータコアの突極数とティース数を8とし,単相モータを構成し,多極着磁の1磁極が前記ロータヨークの内径と接する円弧長さをLとすると、前記ローヨークタの板厚tがL/40からL/60の間となるように設計する。また,マグネットの磁極位置を検出する磁気センサを有し,モータ駆動用マグネットと別に磁気センサ用マグネットを配置し,磁気センサ用マグネットにフェライト系のゴムマグネットまたはプラスチックマグネットをモータ軸方向に並べて配置し,同磁極数に着磁を施す。
請求項7に係わる方式として,ステータコアの突極数とティース数を6または9または12とし,3相モータを構成し,多極着磁の1磁極が前記ロータヨークの内径と接する円弧長さをLとすると、前記ロータヨークの板厚tがL/40からL/60の間となるように設計し,モータをセンサレス駆動する。
図1は、本発明になる小形ファン・ブロワ用のモータの横断面図で,図2はブロワに使用される場合の縦断面図である。1は希土類系で軟質でフレキシブル特性を有する板状のマグネット(以下,希土類系ゴムマグネットと称する)で厚み1mm,残留磁束密度Br0.62テスラであり,リング状に曲げてロータヨーク2の内径面に接着後,内周の表面にNS交互に着磁極対数4(磁極数8)に着磁されている。薄肉の希土類系マグネットを直接リング状にインジェクション成型で形成することも考えられるが,成型条件の難しさや磁気特性のバラツキ,組立工程での破損等を考慮すると難点が多く,本用途には希土類系ゴムマグネットが最適である。また,希土類系マグネットは板状のシートをリング状に成形しロータヨークに接着している。また,希土類系マグネットとステータコア間の吸引反発力による,希土類系マグネットの欠けや変形等を防止する目的でその表面をコーテングし補強している。
2は厚み1.6mmの軟磁性特性を有する圧延鋼板を使用して,絞り加工によりカップ状に形成されたロータヨークである。小形モータのロータヨークに使用される軟磁性圧延鋼板においては,1.2mmと1.6mmが大量に使用されているため入手性と価格の面で優位性がある。また,比較的小径でカップ状に絞り加工を施すため1.6mmを超えると加工工程が増加しコストアップの要因となる。
また,請求項6に係わる方式として,ステータのテース6と突極5の数を8とし,希土類系ゴムマグネット1の磁極数と一致させて単相モータを構成したもので説明する。図3はこの磁気回路を1/4カットモデルで電磁場解析したものである。1は希土類系ボンドマグネット,2はロータヨーク,5はステータコアの突極である。希土類系ボンドマグネット磁極中央部と接するロータヨーク2の磁束密度は0.2テスラで最小あり,希土類系ボンドマグネットの磁極境界部と接するロータヨーク2の磁束密度は1.2テスラで最大値を示す。従来のマグネット磁極数が4では,ロータコアに磁気飽和が生じていたが,本発明のようにマグネット磁極数を8にすることで磁気飽和が解消されていることが分かる。
その結果,表1−(c)に計算される。巻線数nはティース数Nが増加し,巻線スペースが減少するため減っている。しかし,ティース数Nと極対数Pの増加により逆起電力eはフェライト系プラスチックマグネット表1−(a)の約1.9倍となっている。
上記を一例として,1磁極がロータヨークの内径と接する円弧長さをLとすると、前記ロータヨークの板厚をtとして,tがL/40からL/60の寸法となるように設計することで,トルクアップを達成することが可能であると言える。また,希土類系ボンドマグネットの残留磁束密度Brは磁粉とコンパウンドの混合比で調整が可能であり,ロータヨーク材の板厚み1.2mmと1.6mmを考慮し,希土類系ボンドマグネットの着磁極対数4とした場合のシミュレーションにより,上記のtとLの関係式L/60<t<L/40が成立する。
さらに,表1−(c)では,1ティースでの巻線数nが従来の表1−(a)に対して半分になり,図9のh示すコイルエンド部の高さが1/2程度に減少させることが可能で,薄形化が可能になる。
本発明では,モータの小形化が目的であり,従来と同じトルクの仕様であればモータのロータヨーク外径を同じに仮定した場合を検討すると,ステータコア厚みの差と上記コイルエンド厚みの差を考慮すると,表1−(d)は従来の表1−(a)に対してモータ部の厚みは1/2以下にすることが可能である。従来のブロワの断面図7と本発明になるブロワの断面図2を比較すると,小形ブロワに本発明を使用することでブロワ中央部の吸込の気流が十分になり,風量特性が大幅に改善され,結果として効率が大幅にアップし,市場から要求が強い高風量化が可能となり,また吸込気流が滑らかに羽根車に吸込できて、乱流による騒音も低減されることが分かる。
また,従来の表1−(e)に示すように,従来と同じトルクの仕様であればモータの厚みを同じに仮定するとモータの外径を90%程度に小さくすることが可能であり,小形ファンに本発明を使用することでファン中央部の吸込の気流が増加し,風量特性が改善され,結果として効率アップ・高風量化・低騒音化が可能になる。
また,希土類系ゴムマグネットの磁極極対数4であるから,4パルス/回転の回転パルスが生成され,ファン・ブロワに要求される2パルス/回転の回転パルスは1/2分周回路を挿入することで容易に得ることが可能である。
また,請求項5に係わる方式としては,図2の9はマグネットの磁極を検出するホール素子3のための磁気センサ用マグネットである。この磁気センサ用マグネット9は安価なフェライト系のゴムまたはボンドマグネットであり,希土類系ゴムマグネットと共にモータ軸方向に並べて配置され,同位相で同磁極数に着磁が施されている。希土類系ゴムマグネット1と磁気センサ用マグネット9を分離することでコストダウンを図っている。
図4は請求項7に係わる3相モータの断面図を示すものである。希土類系ゴムマグネット1の磁極対数Pが4で,3相ブラシレスDCモータを構成する場合,ステータのティース6の数は6または9または12である。図4はステータのティース数が6の場合である。
希土類系ボンドマグネットの1磁極がロータヨークの内径と接する円弧長さLとロータヨークの板厚tの関係は上述の単相モータの場合と同一であり,トルクアップを達成することが可能であることは言うまでもない。
更に,センサレス駆動することで,磁極位置センサであるホール素子と磁気センサ用マグネットが不要になり,少量の希土類系ゴムマグネットのみでモータが構成され更に構造が簡略化される。
本発明によれば、軟質でフレキシブル特性を有する希土類系ゴムマグネットを使用することで薄肉化が実現でき,モータの小形化と薄形化が可能になる。また,マグネット極対数Pが2のn乗(nは2以上の整数)とすることで,回転信号2パルス/回転は分周により容易に生成できる。マグネット極対数アップにより,ステータコアの突極数とテース数も増加されため,従来とほぼ同一の巻線を巻き込む場合のコイルエンド部の高さが減少させることが可能で,更に薄形化が可能になる。高価な希土類系マグネットを駆動用に,磁極検出は安価なフェライト系マグネットと分離することで,結果としてコストダウンが可能となる。さらに,3相モータの構成ではセンサレス駆動を採用することで,磁極検出用マグネットが不要になり,更に安価に構成することが可能である。このように特徴を有するモータを小形ファン・ブロワに使用することで,ファン・ブロワの中央部の吸込の気流が十分になり,風量特性が大幅に改善され,結果として効率が大幅にアップし,市場から要求が強い高風量化が可能となる。さらに,吸込気流が滑らかに羽根車に吸込できて、乱流による騒音が低減される。以上のように小形ファン・ブロワの基本的な特性が改善可能であるため、あらゆる小形ファン・ブロワに適用することができる。
本発明の単相モータの横断面図 本発明の単相モータの縦断面図 磁気回路の電磁場解析 本発明の3相モータの横断面図 小形ファンの外観図 小形ブロワの外観図 小形ブロワとモータの断面図 従来の単相モータの横断面図 表1で使用する部品寸法図 磁気回路の電磁場解析 ロータコアとマグネットの展開図
符号の説明
1:希土類系ゴムマグネット
2:ロータヨーク
3:ホール素子
4:ステータコア
5:突極
6:ティース
7:巻線
9:磁気センサ用マグネット
11:ロータヨーク(展開図)
12:リング状マグネット(展開図)
50:ファンケース
51:羽根
52:ロータヨーク
60:吸込口
61:吐出口
71:マグネット
72:ロータヨーク
73:ホール素子
74:ステータヨーク
75:モータ軸
76:軸受け
77:モータ巻線
78:羽根車
81:マグネット
82:ロータヨーク
83:ホール素子
84:ステータコア
85:突極
86:ティース
87:巻線
A:ステータコア外径
B:マグネット厚
C:ステータコア厚
D:ロータヨーク外径

Claims (7)

  1. 小形ファン・ブロワの羽根の駆動源として、中央に配置するアウターロータ形ブラシレスDCモータにおいて,リング状の希土類系マグネットと,該マグネットを内径に固着するカップ状のロータヨークを具備し,該ロータヨークは板厚tの軟磁性鋼板からなり,絞り加工等によりカップ状に形成され、前記ロータヨークの中心にモータ軸が植設され,前記希土類系マグネットは内周表面周方向にNS交互に多極着磁が施され,該多極着磁の1磁極が前記ロータヨークの内径と接する円弧長さをLとすると、前記ロータヨークの板厚tがL/40からL/60の間にあり,且つ前記マグネットの磁極対数Pが2のn乗(nは2以上の整数)としたことを特徴とする小形ファン・ブロワ。
  2. 前記ロータヨークの素材となる軟磁性鋼板の板厚tが1.2mmまたは1.6mmであり,前記希土類系マグネットの磁極対数Pが4としたことを特徴とする請求項1に記載の小形ファン・ブロワ。
  3. 前記リング状の希土類系マグネットは軟質でフレキシブル特性を有する板に素材から成形され,且つ厚みが1.2mm以下で,且つ残留磁束密度0.4〜0.8テスラであることを特徴とする請求項1または2に記載の小形ファン・ブロワ。
  4. 前記板状の希土類系マグネットをリング状に成型して,ロータヨークに挿入後,希土類系マグネット表面を薄膜にコーテングして補強したことを特徴とする請求項3に記載の小形ファン・ブロワ。
  5. 前記ブラシレスDCモータにマグネットの磁極位置を検出する磁気センサを有し,前記希土類系マグネットと別に磁気センサ用マグネットを具備し,該磁気センサ用マグネットにフェライト系のゴムマグネットまたはボンドマグネットをモータ軸方向に並べて配置し,同磁極数に着磁されていることを特徴とする請求項1から3に記載の小形ファン・ブロワ。
  6. ステータコアのティース数が前記希土類系マグネットの磁極対数Pの2倍であり,該ステータの突極と前記希土類系マグネットエアギャップが不均一ある単相モータであって,請求項1から4に記載の小形ファン・ブロワ。
  7. ステータコアのティース数が6または9または12であり,前記マグネットの磁極対数Pが4である3相ブラシレスDCモータであって,且つセンサレス駆動することを特徴とする請求項1から3に記載の小形ファン・ブロワ。
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