JP2005295628A - インサート成形品 - Google Patents

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仁 高梨
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Abstract


【課題】 ポッティング加工を廃止して作業性を改善する。
【解決手段】 ナット30の外周面にはキー溝31が設けられている。ナット30をインサートとしてインサート成形を施すにあたり、キー溝31にスライドピン70の先端を突入させてナット30を遊動規制した状態で位置決め保持させる。スライドピン70の引き抜きに伴ない成形品にピン抜き孔27が形成される。ピン抜き孔27は、キー溝31に通じるとともに端子金具40が挿入される挿入孔25に沿って延びる。挿入孔25に端子金具40が挿入されると、ピン抜き孔27は端子金具40に装着されたシール部材90の閉止部93によって閉止される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、インサート成形品に関する。
従来より、例えば、ケース内に電子制御回路を搭載したプリント基板や各種電子部品等を収容して車両のボディに取り付けられる電子制御ユニットが知られている。この種の電子制御ユニットのうちアース経路を形成する部分の構造については、以下の特許文献1に記載されている。
この電子制御ユニットを製造するには、まず電子制御回路からのアース線に接続可能な金属製のナットとケースの取付孔に嵌装される金属製カラーとを、中継バスバーにそれぞれ接触した状態で成形金型に装着する。そして、これらをインサートとしてインサート成形することでケースを形成し、もってナット、中継バスバー及び金属カラーを順次に接続した状態で埋設している。したがって、アース線をナットに接続しておき、ケースをボディに固定すると、アース線は、ナット、中継バスバー、及び金属製カラーを介してボディに電気的に接続され、アースがとられた状態となる。
特開2004−40945公報
ところで、上記の場合には、ナットを成形金型にセットする際に、ナットの底部を金型に突成された押えピンにより位置決め保持していた。しかるにこの方法によれば、成形品におけるナットの底部下方に押えピンの引き抜きに起因する抜き孔が残るため、インサート成形後には気密性を確保するべくポッティング加工等を施して抜き孔を閉止する必要があった。そうすると、ポッティング材が別途必要とされるので原料コストが高くつき、またポッティング加工を施す分だけ作業負担が増すという事情があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、ポッティング加工を廃止して作業性を改善することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、第一導体部が挿入される挿入孔を有する挿通部と、前記挿通部に連設され前記第一導体部及びその相手側となる第二導体部の接続を行うための締結用のインサート部材が埋設された接続部とを備えるインサート成形品であって、前記インサート部材にはインサート成形時における支持のための受け部が形成される一方、前記挿通部を構成する壁部には前記受け部に通じるよう前記第一導体部の挿入方向に沿って延び、前記インサート成形時にはその先端が前記受け部と係止して前記インサート部材を遊動規制した状態で位置決め保持するスランドピンが挿通可能なピン抜き孔が形成され、さらに、前記第一導体部にはシール部材が設けられ、このシール部材は前記挿入孔に対する閉止部と前記ピン抜き孔に対する閉止部とからなる構成としたところに特徴を有する。
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記インサート部材はナットによって構成され、前記受け部は、前記ナットの外周面に形成されて前記スライドピンの先端が突入可能なキー溝によって構成されているところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記ピン抜き孔と前記挿入孔とは互いに連通しており、この連通する部分を介して前記挿入孔に対する閉止部と前記ピン抜き孔に対する閉止部とが一体的に連なっているところに特徴を有する。
<請求項1の発明>
インサート部材に設けられた受け部にスライドピンを係止させることでインサート部材を遊動規制した状態で位置決め保持させ、その状態でインサート成形を施す。その後、型開きをすると、挿通部を構成する壁部にはスライドピンの引き抜きに伴なって受け部と通じるように延びるピン抜き孔が形成されるが、このピン抜き孔は挿通部の挿入孔に挿入される第一導体部に設けられたシール部材の閉止部によって閉止される。したがって、インサート成形後に、ピン抜き孔に対してポッティング加工等を施す必要がないから、作業性が良好となる。
<請求項2の発明>
スライドピンの先端をナットの外周面に形成されたキー溝に突入させることで、ナットの遊動を簡単かつ確実に規制することができる。
<請求項3の発明>
ピン抜き孔と挿入孔とは互いに連通しており、この連通する部分を介して挿入孔に対する閉止部とピン抜き孔に対する閉止部とが一体的に連なっているから、端子金具を挿入孔に挿入するに伴なって端子金具に設けられたシール部材によって挿入孔とピン抜き孔とを一挙に閉止でき、作業性がより一層良好となる。
本発明の実施形態を図1ないし図7によって説明する。本実施形態は、電子制御ユニットに適用された場合の一例を示すものであり、電子制御ユニットは、図1に示すように、合成樹脂製のケース10を備えている。
ケース10は、上面が開放された箱型に形成されており、その内部には、プリント基板11を載置しつつ接続する基板用コネクタやコンデンサ等の電気部品12が収容されている。ケース10は、図示しないカバーが被せられたのち、これも図示しないボディに取付けられる。
ケース10の周壁のうちの一側壁には機能部20が側方へ張り出して設けられており、この機能部20には、図4に示すように、2つの導体間の接続を行うための締結用のナット30が埋設されている。導体のうちの一つはケース10外から延びる電線Wの端末に接続された端子金具40(本発明の第一導体部に相当)により構成され、残りの一つはケース10内から延びるバスバー80(本発明の第二導体部に相当)によって構成されている。
ナット30は、金属製の細長い袋ナットからなり、機能部20内にて縦向きの姿勢で横並びに左右一対となって設けられている。機能部20には、図2ないし図4に示すように、ナット30の周囲をその開口部を余して被覆する第一筒部21(本発明の接続部に相当)が各ナット30毎に対応して設けられている。また、機能部20には、第一筒部21に一体的に連なってナット30の開口上に通じるねじ部材挿通用の通し孔23を備えた第二筒部22が各ナット30毎に対応して一対設けられるとともに、第一筒部21及び第二筒部22に一体的に連なってナット30の開口上に通じる端子金具挿通用の挿入孔25を備えた第三筒部24(本発明の挿通部に相当)が各ナット30毎に対応して一対設けられている。前記した端子金具40は、後述するように、第三筒部24の挿入孔25に挿入されてその先端部がナット30の開口上に臨むこととなる。
第二筒部22は縦向きに配置されて上方へ向けて開口する一方、第三筒部24は横向きに配置されて側方へ向けて開口し、第二筒部22において略垂直に延びる通し孔23と第三筒部24において略水平に延びる挿入孔25とがナット30の開口上で略直角に交差するようにして連通している。そして、隣り合う第二筒部22同士はその端部で一体的に接合され、また、第三筒部24の外周面には周方向に間隔をおいて複数のリブ26が立てられており、このうちの一のリブ26Aは隣り合う第三筒部24間にて略水平に架設されている。
第二筒部22の通し孔23にはねじ部材50が挿通されたあと略円柱状のゴム栓60が嵌着される。ゴム栓60の外周面には周方向に複数条のリップ61が設けられ、これらリップ61が通し孔23の内壁に密着することで通し孔23のシールがとられるようになっている。通し孔23の内壁の高さ方向途中には段差部23Aが設けられており、この段差部23A上にゴム栓60が載置可能とされている。
そして、ナット30の外周面にはキー溝31が周方向に沿った所定範囲に設けられている。詳しくはキー溝31は、第三筒部24の最下位面よりも高い位置にてナット30の外周面上部を略水平に切り欠くようにして構成され、最も深く切り欠かれた部分はナット30の肉厚の半分ほどの深さを有している。このキー溝31にはケース10のインサート成形時にナット30を支持するためのスライドピン70の先端部が突入可能とされている。キー溝31は、スライドピン70の先端形状と対応する方形状をなし、スライドピン70の先端部をほぼ緊密に嵌め込み可能としている。また、第三筒部24には、インサート成形時のスライドピン70の引き抜きに伴ない、キー溝31に通じるよう挿入孔25に沿ってつまり端子金具40の挿入方向に沿って略水平に延びるとともに挿入孔25と連通するピン抜き孔27が形成されている。ピン抜き孔27は挿入孔25と連通することで全体として鍵孔形を呈し、かかる鍵孔形をもって第三筒部24の端面に開口している。
第三筒部24の挿入孔25に挿入される端子金具40は、金属板を折り曲げ加工等して形成され、電線Wの端末に露出された芯線部分にかしめ付けられるバレル部41と、その先端に連なってフラット状かつ略水平に配置された接続本体部42とを備えている。接続本体部42の先端部は、ナット30の開口上に臨んでナット30側にねじ部材50のねじ部51の挿通を許容する透孔43を備えた環状をなしている。一方、端子金具40の接続相手となるバスバー80は、その一端部が同じくナット30の開口上に臨んでナット30側にねじ部材50のねじ部51の挿通を許容する透孔81を備えた環状をなし、その他端部がケース10内に配されてプリント基板11の導体路と接続可能とされ、その途中部がケース10内に埋設されている。バスバー80の一端部と接続本体部42の先端部とはナット30の開口上で上下に重ね合わされ、互いの連通する透孔43,81に対して上方からねじ部材50のねじ部51が挿通される。
端子金具40の後方にはシール部材90が電線Wの被覆周りに嵌着されている。シール部材90は、軸中心に電線Wが貫通可能な貫通孔91を有する円筒状の第一閉止部92(本発明の挿入孔に対する閉止部に相当)と、この第一閉止部92を拡張するようにして第一閉止部92の外周面から径方向外向きに突出する中実リブ状の第二閉止部93(本発明のピン抜き孔に対する閉止部に相当)とから一体的に構成されている。第一閉止部92の外周面には周方向に複数条(図示する場合は二条)のリップ94が設けられ、これらリップ94が挿入孔25の内壁に密着することで挿入孔25とのシールがとられる。また、貫通孔91の内壁が電線Wに被覆に密着することで電線Wとのシールがとられる。
第二閉止部93は断面方形状をなして第一閉止部92の長さ方向に沿って形成され、第一閉止部92と連続する形態でその外周面には周方向に複数条のリップ94が設けられている。この第二閉止部93は、端子金具40の挿入孔25への挿通に伴なってピン抜き孔27に進入され、この進入によってピン抜き孔27の内壁にリップ94が密着してピン抜き孔27とのシールがとられるようになっている。
次に、本実施形態にかかるケース10の製造方法について説明する。まず、インサート成形のための金型として、図5に示すように、下型71と、上昇可能な上型72と、側方へ移動可能なスライド型73とを準備する。このうち下型71には多段円柱状をなす支持柱74が上方へ向けて突出して設けられ、この支持柱74は、基端側にて第二筒部22の通し孔23を形成するための大径部74Aと先端側にてナット30を上下逆さに嵌めて同ナット30を支持するための小径部74Bとからなる。スライド型73は第三筒部24の挿入孔25を形成するための円柱部73Aを備え、この円柱部73Aの先端下面には抉れ部73Bを介してスライドピン70が略水平に突出して設けられる。
上記の金型を用いてインサート成形を行うには、まず支持柱74の小径部74Bにバスバー80の一端部を嵌め込むとともにナット30を被せるようにして嵌め込み、大径部74Aの上面にナット30とバスバー80とを上下に重ねる。続いて、スライド型73の移動により、スライドピン70の先端をキー溝31内に突入させ、このスライドピン70によるキー溝31の係止によってナット30を遊動規制した状態で位置決め保持する。このとき、スライドピン70の先端がキー溝31の溝底に当接するまでスライドピン70の先端をキー溝31内に深く差し入れる。
そして、上型72を下降して型閉じし、その状態から金型内に構成されたキャビティ75内に溶融樹脂を射出充填することで、図6に示すように、ナット30及びバスバー80をインサートとしたインサート成形を施し、機能部20を含めたケース10全体を形成する。合成樹脂を冷却固化させたのち型開きし、図7に示すように、成形品を取り出して上下反転させると、ケース10が得られる。
スライド型73の図6に示す矢線方向への移動により、第三筒部24にはスライドピン70の引き抜きに起因するピン抜き孔27が形成される。その後、第二筒部22の挿入孔25に電線Wの端末に接続された端子金具40をシール部材90とともに挿入し、その端子金具40の接続本体部42の先端部をバスバー80の一端部に重ね合わせ、互いの連通する透孔43,81に対し、通し孔23の開口からねじ部材50を挿入してねじ部51をナット30にねじ込むことにより、ねじ部材50の頭部52とナット30との間に端子金具40とバスバー80とを厚み方向に押付け固定する。これにより、端子金具40とバスバー80とが電気的に接続される。このねじ部材50による螺合が完了したあと第二筒部22の通し孔23にはゴム栓60が嵌合され、ゴム栓60と通し孔23の内壁との間が液密状にシールされる。
また、端子金具40の挿入孔25への挿入により、シール部材90の第一閉止部92が挿入孔25に進入して第一閉止部92と挿入孔25の内壁との間が液密状にシールされるとともに、シール部材90の第二閉止部93がピン抜き孔27に進入して第二閉止部93とピン抜き孔27の内壁との間が液密状にシールされる。
以上、説明したように本実施形態によれば、ナット30をインサートとしてインサート成形を施すにあたり、ナット30のキー溝31にスライドピン70を係止させることでナット30を遊動規制した状態で位置決め保持しているから、インサート成形時におけるナット30の位置ずれを防止することができる。また、スライドピン70の引き抜きによってピン抜き孔27が形成されるものの、かかるピン抜き孔27は端子金具40に装着されたシール部材90によって閉止されるから、インサート成形後にポッティング加工等を施す必要がなく、作業性が良好となる。
さらに、ピン抜き孔27と挿入孔25とは互いに連通しており、この連通する部分を介して第一閉止部92と第二閉止部93とが一体的に連なっているから、端子金具40を挿入孔25に挿入するに伴ないこの端子金具40に設けられたシール部材90によって挿入孔25とピン抜き孔27とを一挙に閉止でき、作業性がより良好となる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本発明においてシール部材は、挿入孔に対する閉止部とピン抜き孔に対する閉止部とを備えていればよく、例えば、ジェル材によって構成されても構わない。また、本発明においてシール部材は、挿入孔及びピン抜き孔の開口を覆いつつ第三筒部の端部に装着可能なグロメットによって構成されていてもよい。
(2)上記実施形態では、ナットをインサートとしてインサート成形を施していたが、本発明においては、ねじ部材をインサートとしてインサート成形を施してもよい。
(3)上記実施形態では、導体が端子金具とバスバーとにより構成されていたが、本発明においては、導体が双方ともバスバーでもよく、あるいは、双方とも端子金具でもよい。
(4)上記実施形態は、スライドピンの先端がキー溝に突入可能となっていたが、本発明においては、スライドピンの先端がナットの壁を貫通する長孔等の孔に突入可能となっていてもよい。
本発明の実施形態を示す平面図 要部正面図 端子金具を挿入した状態を示す一部破断した要部正面図 端子金具を挿入した状態を示す要部側断面図 ナットを金型にセットした状態を示す要部断面図 インサート成形が施された状態の要部断面図 要部側断面図
符号の説明
10…ケース
20…機能部
21…第一筒部(接続部)
24…第三筒部(挿通部)
25…挿入孔
27…ピン抜き孔
30…ナット
31…キー溝
40…端子金具
50…ねじ部材
70…スライドピン
90…シール部材
92…第一閉止部(挿入孔に対する閉止部)
93…第二閉止部(ピン抜き孔に対する閉止部)

Claims (3)

  1. 第一導体部が挿入される挿入孔を有する挿通部と、
    前記挿通部に連設され前記第一導体部及びその相手側となる第二導体部の接続を行うための締結用のインサート部材が埋設された接続部とを備えるインサート成形品であって、
    前記インサート部材にはインサート成形時における支持のための受け部が形成される一方、前記挿通部を構成する壁部には前記受け部に通じるよう前記第一導体部の挿入方向に沿って延び、前記インサート成形時にはその先端が前記受け部と係止して前記インサート部材を遊動規制した状態で位置決め保持するスランドピンが挿通可能なピン抜き孔が形成され、さらに、前記第一導体部にはシール部材が設けられ、このシール部材は前記挿入孔に対する閉止部と前記ピン抜き孔に対する閉止部とからなることを特徴とするインサート成形品。
  2. 前記インサート部材はナットによって構成され、前記受け部は、前記ナットの外周面に形成されて前記スライドピンの先端が突入可能なキー溝によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインサート成形品。
  3. 前記ピン抜き孔と前記挿入孔とは互いに連通しており、この連通する部分を介して前記挿入孔に対する閉止部と前記ピン抜き孔に対する閉止部とが一体的に連なっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインサート成形品。
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