JP2005294892A - アンテナ装置及びギャップフィラーシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも,基体3と,当該基体3の一方の面側に誘電体を介して装着された放射導体部材2とから構成されるアンテナ装置1において,前記基体3の他方の面には,当該基体より大きく形成された導体部材10aと,当該導体部材の端面に連設して前記アンテナ取付方向に突設させた導体壁11とからなる導電性を有したフード10が備えられており,前記フード10は前記基体3に着脱自在に固着するように形成したアンテナ装置。
【選択図】図1
Description
ところが上述のKuバンドを受信してSバンドに変換して再送信するギャップフィラーシステムでは,Kuバンドは信号形式がTDM(時分割多重)方式であり,Sバンドは信号形式がCDM(符号分割荷重)方式であるので,ギャップフィラーシステムには,TDM/CDM変換部等が必要となる。
ギャップフィラーシステムは,中・広範囲の地域をカバーする中・広域ギャップフィラーと,当該ギャップフィラーでカバーできない地域をカバーする狭域ギャップフィラーがあり,何れのギャップフィラーシステムも送信電力の大小にかかわらず,上記TMD/CDM変換部等を備える必要があった。
このため,上記衛星デジタル音楽放送のシステムを簡単な構成で低コストにすることが望ましい。その為に,広域ギャップフィラーでカバーできない地域に対して,衛星から送信されたSバンドの信号を直接受信して,当該受信信号を同一周波数のSバンドで再送信する方法が考えられた。
また,同様に地上波デジタル放送におけるSFN(Single Frequency Network)方式においても,親局からの送信波と,中継局からの送信波が,同一周波数で中継するようシステムが構成されている。(例えば,特許文献1参照)
これに対して,上述の特許文献のように,中継局の受信用アンテナと送信アンテナをアレーアンテナ系で構成する素子アンテナの,振幅及び位相を調整して回り込みの受信レベルを低減する方法等が考えられたが,複雑な回路構成が必要となり,コスト低減が難しかった。また,調整が必要となるため設置の容易性にも問題があった。
そこで本発明においては,上記従来の技術の問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,前後比の良いアンテナ装置を提供することにある。
他の目的は,マイクロストリップアンテナにおいて前後比の良いアンテナを提供することにある。
他の目的は,前後比特性を簡単な方法で可変可能なアンテナ構造を提供することにある。
他の目的は,水滴や埃,砂粒等に対して信頼性の高いアンテナ装置を提供することにある。
他の目的は,ギャップフィラーシステムにおいて,受信アンテナと送信アンテナとの間の回り込みによる発振障害を無くすシステムを提供することにある。
他の目的は,衛星からの信号を受信して,当該信号が直接受信できないビル影等の地域に同一周波数若しくは異なるで中継するギャップフィラーシステムにおいて,受信アンテナと送信アンテナとの間の回り込みによる発振障害を無くしたギャップフィラーシステムを提供することにある。
前記衛星からの信号の受信アンテナと,前記中継用のアンテナは,請求項1乃至請求項4に記載のアンテナ装置を用いてシステムを構成する。
図1は本発明の実施例を示す斜視図である。図2は図1におけるA−A線一部断面概略図を示す。図3は異なる実施例を示す。図4は本発明のアンテナ装置の特性を示す。図5は本発明の第2の実施例である。図6は本発明のその他の実施例を示す概略斜視図である。図7は本発明のアンテナ装置を用いたシステム図である。
4は給電点であり,上記放射素子2に対して,基体3の裏面側から同軸コネクタ5を介して給電して,上記放射素子2から例えば2.6GHz帯の電波を放射するように構成されている。14は放射素子を覆うと共に,前記基体3とでもってアンテナの防水,防塵等を施すためのカバーであり,合成樹脂材を用いて金型で成形したものである。
このフード10は金属等の導電材料をプレス成型したものであり,導体部材10aと導体壁11とからなる。前記導体部材10aは前記基体3よりやや大きくなるように外形が形成されており,この導体部材10aと基体3とは任意の手段によって着脱自在に構成してある。この実施例における係止方法は螺子棒等の固着手段を用いており,基体3の裏面と導体部材10aとを固着させている。
この基体3の四方向の端部には,当該端部から連設させた導体壁11が前記放射素子2を取り囲むように,前記基体3の上方に向けて突設されている。
この導体壁11は,本発明のアンテナ装置1の特長とするところで,この導体壁11を用いることで,放射素子2から基体3の裏面側への電界の回り込みをなくすことができ,これによって本発明によれば,指向特性,特に前後比の良いアンテナ装置1を実現することが可能となる。
尚,この例には切欠部12を四隅に設ける例を示したがこれに限定されるものではなく,切欠部12を設けず導体壁11を連設させて設けてもよい。
尚,上述の実施例では,放射素子2には金属材料をプレス成形したものを,誘電体としての空気層介して配設したアンテナの例を示したが,この実施例の変わりに,図3に示す如く,両面に導電材を備えた誘電体基板8を用いて,一方の側に放射素子2を形成する方法でもよい。
この実験結果からも分かるように,導体壁11がない場合(h=0mm)においては,前後比は水平面が16dB,垂直面が14.5dBであるが,導体壁11を取付けた場合(例えばh=36.5mm)においては,水平面,垂直面夫々24.5dBとなり,この導体壁11によって,本発明のアンテナ装置1の前後比が8.5〜10dB改善されることが確認できた。本実施例では直線偏波で実験したが,円偏波でも同様の効果が得られる。
また,導体壁11は,上記基体3から波長λの0.2〜0.5倍の寸法となるように説明したが,この寸法に4分の1波長の奇数倍の寸法を加えてもよい。
このシステム100は,衛星101からの信号を受信する衛星放送システムである。この実施例のシステムでは,衛星からの信号はSバンドである2.6GHz帯を用い,この信号を直接,移動体105や携帯端末において受信して,音楽放送等を受信するものである。
ところが,都市部のビル106の影やトンネル等により,電波が直接届かずに,直接受信できない地域において,上記サービスを受けるために,衛星からの信号を見通しの良い場所で受信し,改めて,直接電波がとどかない地域に中継する必要がある。
この中継方式には,広い地域をカバーする中・広域用と,狭い地域をカバーする狭域用があり,いずれも,上記衛星からSバンドと放送内容が同じであるが,送信周波数がKuバンドで送信された信号を受信して,更にこの信号をSバンドに変換して,直接受信できない地域に中継する方法があった。しかしながらこのシステムにおいては,変調方式がKuバンドはTDM方式であり,SバンドはCDM方式と変調方式が異なり,中継装置において変換する必要があった。
更に,本発明のアンテナ装置はこの例に示すように同一周波数中継に使用するばかりでなく,KuバンドからSバンドに変換して行う中継システムにも利用できる事は言うまでもない。
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,例えば図6(a)に示すように円形状のアンテナに対応させてもよい。また,(b)に示すように一対の導体壁を基体の端部対向させて備えさせたアンテナ装置でもよい等,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更して実施可能である。
Claims (7)
- 少なくとも,基体と,
当該基体の一方の面側に誘電体を介して装着された放射導体部材とから構成されるアンテナと,
からなるアンテナ装置において,
前記基体の他方の面には,当該基体より大きく形成された導体部材と,当該導体部材の端面に連設して前記アンテナ取付方向に突設させた導体壁と,からなる導電性を有したフードが備えられており,
前記フードは前記基体に着脱自在に固着するように形成したことを特徴としたアンテナ装置。
- 前記導体壁は,前記アンテナを取り囲むように,前記導体部材の端面全周に連設されたことを特徴とした請求項1に記載のアンテナ装置。
- 前記導体壁には,当該導体壁の先端部と前記導体部材に達する寸法の範囲内で連通させた切欠部を少なくとも1つ備えたことを特徴とした請求項1又は請求項2に記載のアンテナ装置。
- 前記アンテナの基本共振周波数の波長をλとすると,前記導体壁は,前記導体部材から波長λの0.2〜0.5倍の寸法となるように,前記導体部材からアンテナ取付方向に突出させるように設けたことを特徴とした請求項1乃至請求項3の何れかに記載のアンテナ装置。
- 衛星からの信号を受信して,当該衛星からの信号を受信不能なエリアを含む特定エリア向けに,前記衛星からの信号と同一の周波数若しくは異なる周波数でもって信号を中継するギャップフィラーシステムにおいて,
前記衛星からの信号の受信アンテナと,前記中継用のアンテナは,請求項1乃至請求項4に記載のアンテナ装置を用いたことを特徴としたギャップフィラーシステム。
- 前記衛星からの信号は2.6GHz帯であり,再送信の信号は2.6GHz帯であるギャップフィラーシステムにおいて,前記受信アンテナと前記中継用アンテナは,請求項1乃至請求項4の何れかに記載のアンテナ装置を用いたことを特徴とした請求項5に記載のギャップフィラーシステム。
- 前記衛星からの信号は12GHz帯であり,再送信の信号は2.6GHz帯であるギャップフィラーシステムにおいて,前記中継用アンテナは,請求項1乃至請求項4の何れかに記載のアンテナ装置を用いたことを特徴とした請求項5に記載のギャップフィラーシステム。
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