JP2005294811A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料から構成された相変化層における相変化を利用して、相変化層にレーザ光を照射して導電性線路を形成し、より寸法の小さい微細なビアや配線を形成する。また、後からの修正や作り直し、又はトリミングも容易な配線基板及び配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の配線基板100は、基板上に、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料を含む相変化層10の少なくとも一部に、前記相変化層10の相変化により導電状態にされた導電性線路20,21が形成されており、前記相変化材料は、カルコゲナイド半導体を含み、レーザ光の照射によって電気絶縁状態と導電状態とに変化し、結晶相で導電状態となり、アモルファス相で電気絶縁状態となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば半導体素子等の電子部品を実装するための配線基板及びその製造方法に関する。
近年の電子機器の小型化、高機能化に伴って、電子機器を構成する半導体素子の多ピン化及び各種部品の小型化が進み、それらを搭載するプリント基板の配線数と密度は飛躍的に増加している。特に、半導体素子から引き出されるリード数・端子数が急速に増加したことによって、プリント基板(配線基板)の微細化が進んでいる。
今日の最先端のファインピッチのレベルは、半導体素子をFC(フリップチップ)実装する場合において40〜50μmピッチであり、そのときの層間接続技術として用いられるビア及びランドとの寸法はそれぞれ50μm及び100μmである。また、2010年には、FC実装において20μmピッチ、BGA(ボール・グリッド・アレイ)実装において36μmピッチになるであろうことが予想されている。
配線の微細化技術を達成するにあたっては、エッチングを用いる場合には銅箔の薄型化を図ったり、メッキを用いる場合にはセミアディティブ法やフルアディティブ法を利用して行うことが多い。配線の微細化技術は、コストが高くなる等の課題はあるものの、技術的な課題は比較的克服されつつある。なお、関連する文献として、特許文献1から7を挙げることができる。
下記特許文献1から4には、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料を用いたものではないものの、レーザ照射によって抵抗値を変化させて回路パターンの導体部を形成する技術が開示されている。しかし、これらの技術には以下のような問題がある。
特許文献1には、AlN(窒化アルミニウム)基板表面の所定領域をレーザにより照射し、当該AlNのレーザ照射部分の抵抗率を低下させ、それによって、回路パターンの導体部を形成する技術が開示されている。この技術によれば、確かにレーザによって回路パターンを形成することができるが、高エネルギー出力のレーザ(最高出力100WのNd:YAGレーザ)が必要であるとともに、通常のプリント基板に使用する材料コストよりも材料コストが高くなってしまうので、設備コスト・材料コストを含めて製造コストが高くなってしまい、今日使用されているプリント基板に代替できるようなものを作製することは極めて困難である。また、これは基板表面に配線パターンを形成する技術であり、レーザによってビアを形成する記載は特許文献1にはない。さらに、この配線は、抵抗値が比較的大きいという問題もある。これは100μm幅で10mmの長さにおいて両端の抵抗値が約1Ωとなるからである。
下記特許文献2から4では、基板表面をダイヤモンド薄膜で被覆したダイヤモンドコートプリント配線板にエネルギービームを照射して、配線を形成する技術が開示されている。特許文献4では、ダイヤモンドを相変化させてグラファイトからなるビアを形成する技術も開示している。しかし、ダイヤモンドコートプリント配線版は、今日普及しているプリント基板と比べて、ダイヤモンド薄膜を形成するための特殊な製造工程が必要となり、そして製造コストの面でも問題が大きい。また、レーザ照射を行う場合にアルゴンレーザにより照射を行うので、アルゴンレーザよりもかなり出力が小さい半導体レーザによるレーザ照射と比べると、レーザ照射工程も比較的大がかりなものとなる。加えて、レーザ照射による黒っぽく変色した配線パターン形成部(グラファイト)の抵抗値は約3Ω/cmであり、抵抗値が比較的大きいという問題も生じる。なお、周知のとおり、ダイヤモンドからグラファイトへの相変化は不可逆的なものであり、グラファイトからダイヤモンドへの相変化は起こらない。
また、下記特許文献4及び5には、電気絶縁体表面にイオン照射を行うことによって導体パターンを形成する技術が開示されている。しかし、この技術では、配線として利用することができる導電率を得ることが難しいか又は煩雑となる。そして、これは基板表面に導体パターンを形成する技術であり、この技術によりビアを形成する記載は下記特許文献5にはない。さらに、下記特許文献6〜7には、光照射により重合させて、照射部分のみを導電性に変化させた成型性又はフィルム形成性組成物が開示されている。しかし、この導電性高分子からなる材料では、プリント基板中の配線として利用できる導電率を得るのは困難である。
特開平1−173505号公報 特開平3−268477号公報 特開平5−175359号公報 特開平5−36847号公報 特開平2−184095号公報 特開平3−297191号公報 特開平7−188399号公報
一方、ビアによる層間接続技術において、現在のレベル以上に微細化したビアを形成することは、単にコスト的な課題があるだけでなく、技術的な困難性を持っている。これは、現在ビアを形成する場合、ドリル加工の後にメッキによるビアを形成する手法を用いるか、あるいは、レーザ加工の後にメッキによるビアを形成する手法を用いるので、物理的な穴加工を行う関係上、ビア形成の微細化に限界があるからである。
つまり、ドリルによる穴加工ではせいぜい100μm程度の寸法のビアホールしか形成できず、CO2レーザを用いた穴加工でやっと30〜50μm程度の寸法のビアホールを形成することが可能となる。ここで、エキシマレーザ等を用いる手法も存在するが、コスト面を考えると、実際に利用可能性の高い手法ではない。また、フォトリソ工程を用いてビアホールを形成する場合には、アスペクト比による限界があり、アスペクト比を例えば2以下にしなければならないときには、電気絶縁層の厚さが30μmならば、ビアホールの直径は15μmにするのが限度となる。
また、穴(ビアホール)が小さくなればなるほど、穴に導電性物質を充填するのが困難になるという問題も生じる。メッキによって穴に導電性物質を充填する場合、メッキ液の浸透の具合を考慮して、アスペクト比が2以下の穴でなければ良好に充填することは難しい。導電性ペーストを用いて穴に導電性物質を充填する場合でも、穴の直径はせいぜい50μmで、30μm以下の穴に導電性物質を充填するのは技術的に極めて困難である。
ビア径を現在のレベルよりも微細化できない場合、電子機器の小型化にあわせて、配線基板の面積を小さくしたい場合でも、ビア径の限界寸法が設計上のネックになってしまう。換言すると、より微細化したビアを容易に形成できないことが、配線基板の小型化に対して阻害要因となっている。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、より寸法の小さいビア又は配線を形成することができる配線基板及び配線基板の製造方法を提供する。
本発明の配線基板は、基板上に、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料を含む相変化層の少なくとも一部に、前記相変化層の相変化により導電状態にされた導電性線路が形成されており、前記相変化材料は、カルコゲナイド半導体を含み、レーザ光の照射によって電気絶縁状態と導電状態とに変化し、結晶相で導電状態となり、アモルファス相で電気絶縁状態となることを特徴とする。
本発明の配線基板の製造方法は、基板上に、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料を含む相変化層の少なくとも一部に、前記相変化層の相変化により導電状態にされた導電性線路が形成されており、前記相変化材料は、カルコゲナイド半導体を含み、レーザ光の照射によって電気絶縁状態と導電状態とに変化し、結晶相で導電状態となり、アモルファス相で電気絶縁状態となる配線基板の製造方法であって、
(a)電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料を堆積することによって、相変化層を形成する工程と、
(b)前記相変化層にレーザ光を照射することによって、前記相変化材料からなる導電性線路を前記相変化層に形成する工程と
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料から構成された相変化層における相変化を利用して、相変化層にレーザ光を照射して導電性線路を形成するので、より寸法の小さい微細なビアや配線を形成することができる。また本発明のカルコゲナイド半導体の相変化は可逆的であるので、後からの修正や作り直し、又はトリミングも容易である。この結果、製品の歩留まりを向上できる。
本発明の配線基板は、それ自体単体で使用することもできるし、基板の上に形成して使用することもできる。それ自体単体で使用する場合は、仮基板上で作成し、本基板の上に転写する。
好適な実施形態において、前記導電性線路は、ビア及び配線の少なくとも一方であり、前記相変化材料は、レーザ光の照射によって電気絶縁状態と導電状態とが変化する材料であり、前記導電性線路は、前記導電状態の前記相変化材料から構成されている。
前記相変化材料は、結晶相とアモルファス相との相転移を行う材料である。前記相変化材料は、カルコゲナイド半導体である。
好適な実施形態において、前記相変化層には、前記導電性線路としてビアが形成されており、前記相変化層の表面には、前記ビアに接続し、金属からなる配線が形成されている。
好適な実施形態において、前記相変化層には、前記導電性線路としてビアが形成されており、かつ、前記相変化層には、前記相変化材料からなる配線も形成されている。
好適な実施形態において、前記配線は、前記ビアと連続して形成されている。
好適な実施形態において、前記導電性線路として複数のビアが形成されており、前記複数のビアのうち少なくとも一つは、前記配線基板の法線方向から傾いて形成されている。
好適な実施形態では、さらに、前記相変化層の下地基板として、少なくとも表面に配線層が形成されたベース基板を備えている。
好適な実施形態では、前記相変化層の上には、更なる相変化層が形成されており、前記更なる相変化層にも、当該更なる相変化層内に形成され、かつ、前記相変化材料からなる導電性線路が形成されている。
本発明の配線基板の製造方法において、前記工程(b)における前記レーザ光の照射は、半導体レーザによって実行することが好ましい。
前記工程(b)における前記レーザ光の照射は、前記相変化層を回転可能な状況下で実行されることが好ましい。
好適な実施形態では、前記工程(b)において、前記相変化層の表面に、前記導電性線路として配線を形成するとともに、当該配線の一部から延びる、前記導電性線路としてのビアを形成する。
本発明の配線基板の製造方法においては、さらに、前記第2の相変化層上に、前記相変化材料からなる第3の相変化層を形成する工程と、前記第3の相変化層に半導体レーザからのレーザ光を照射することによって、前記第3の相変化層に、前記相変化材料からなるビアを形成する工程と、前記第3の相変化層上に、前記相変化材料からなる第4の相変化層を形成する工程と、前記第4の相変化層に、半導体レーザからのレーザ光を照射することによって、前記第4の相変化層に、前記相変化材料からなる配線を形成する工程と含んでもよい。
本発明の配線基板の製造方法においては、第2の相変化層を形成する工程は、前記金属からなる配線を覆うように、前記第1の相変化層上に、相変化材料を堆積するステップと、堆積された前記相変化材料を平坦化するステップとを含んでもよい。
本発明者らは、より寸法の小さいビアを形成できる配線基板の実現を鋭意検討した。前記したように、従来の手法では、ドリルを利用して直径100μm程度のビアや、CO2レーザを利用してせいぜい30〜50μm程度のビアを形成することが可能であるが、それよりも小さい寸法のビアを形成することは技術的にかなり難しい。
そのような状況下、本発明者らは、従来の手法とは異なるアプローチでビアを形成することを検討し、本発明に至った。それは、基板に穴を形成した後、その穴に導電性材料を充填する手法ではなく、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化できる相変化材料からなる相変化層に半導体レーザによる照射を行って、穴を形成することなく、ビアを形成する手法である。このような方法を用いると、例えば1μm程度の直径を有する微細のビアを形成できることがわかった。
ビアが形成される相変化材料は、相転移(結晶相とアモルファス相との相転移)によって抵抗値が変化する物質から構成されており、レーザ光の照射によって電気絶縁状態(アモルファス相)から導電状態(結晶相)に変化させることができ、この導電状態の相変化材料によってビアが構成されている。相変化材料としては、結晶相とアモルファス相との相転移を行うことができるカルコゲナイド半導体を用いることができる。
カルコゲナイド半導体の導電率は、室温で結晶相とアモルファス相との間で4桁〜5桁の差を持たせることができ、またカルコゲナイド半導体では結晶相とアモルファス相との状態を室温で安定して保持することができるので、電気絶縁状態と導電状態との相変化によって電気絶縁部と導電部(ビアなど)を形成することができる。
本発明の導電性線路(ビアや配線)を形成する方法は、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料に半導体レーザで照射を行うことによって導電性線路を形成できるので効率がよく、かつドリル加工やレーザ加工によって穴を形成した後に導電性部材を充填するわけではないので、微細なビアを正確に形成することが可能である。
前記相変化材料層の厚みは0.5〜20μm程度の範囲が好ましく、さらに1〜10μmの範囲が好ましい。この相変化材料層は、スピンコート、真空蒸着、スパッタリングなどの方法により形成できる。また、前記相変化材料の上に保護層を設けても良い。保護層としては厚みが10〜100nmの誘電体材料を使用できる。誘電体材料としては、例えばZnS−SiO2を使用できる。
本発明は、フレキシブルプリント基板、両面基板、多層基板など様々な用途に適用できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。本発明は以下の実施形態に限定されない。以下の図面においては、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。
図1及び図2を参照しながら、本発明の実施形態に係る配線基板について説明する。図1は、本実施形態の配線基板100の構成を模式的に示す断面図である。
図1に示した配線基板100は、相変化層10と、相変化層10に形成された導電性線路20とから構成されている。相変化層10は、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化できる相変化材料からなる。図1に示した例における導電性線路20はビア21であり、ビア21は相変化材料から構成されている。この相変化材料は、結晶相とアモルファス相との相転移を行う材料であり、この相転移は、例えば、光(レーザ光)、熱、電気的パルスなどによって引き起こされる。
相変化層10及び導電性線路20(ビア21)を構成する相変化材料は、少なくともレーザ光の照射によって電気絶縁状態と導電状態とが変化する材料である。図1に示した例において、導電性線路20(ビア21)は、高導電率の結晶状態からなり、それ以外の相変化層10の部位は、導電性線路20よりも低導電率のアモルファス状態からなる。導電性線路20と、それ以外の相変化層10との導電率の差は、例えば104以上が好ましく、さらに好ましくは105以上である。
前記導電性線路の電気的抵抗値は、101〜104 S/cmの範囲が好ましい。
本実施形態において、導電性線路20(ビア21)は、図1に示すように半導体レーザ50のレーザ光52の照射で相変化材料の相転移を起こさせることによって形成されている。半導体レーザ50の出力は、穴あけ加工の用途に用いられる固体レーザ(例えば、YAGレーザ)や気体レーザ(例えば、CO2レーザ)の出力と比べてかなり低く、それゆえ、半導体レーザ50は低出力レーザと称してもよい。YAGレーザの出力が例えば500Wで、CO2レーザの出力が例えば200Wであるのに対して、半導体レーザ50の出力は、例えば100mW以下(一例を挙げると50〜80mW)である。半導体レーザ50としては、例えば、GaAs系、InGaAsP系、GaN系のものを用いることができる。
本実施形態では、相変化材料としてカルコゲナイド半導体を用いている。カルコゲナイド半導体は、カルコゲン元素(すなわち、6族元素)を少なくとも一種必須元素として含む合金である。カルコゲナイド半導体では、混ぜ合わせる比率、構成する元素によって特徴の異なものにすることができる。本実施形態のカルコゲナイド半導体は、主成分であるカルコゲン元素(S、Se、Te)と、準成分であるピニコゲン元素(As、Sbなど)とを含む。主成分と準成分との好ましい存在割合は、元素比でカルコゲン元素:ピニコゲン元素=1:0.1〜1:1の範囲である。
前者の主成分は二配位、後者の準成分は三配位となって共有結合的な二次元ネットワーク構造を作り、これにより相変化を起こしやすくすることができる。つまり、カルコゲナイド半導体においては、結合が鎖状構造となるために構造が柔軟となり、構造の組み替えが起こりやすく、その結果として、結晶状態とアモルファス状態の両方の状態を持つことができる。なお、ネットワーク同士はファン・デル・ワールス力で結合しているので、すべてが共有結合からなるアモルファス半導体と比べて構造的に柔軟性がある。非晶質カルコゲナイドは、カルコゲナイドガラス(カルコゲン化合物ガラス)と呼ばれることもある。
Te−Ge−Sn−Au系、Sn−Te−Se系のカルコゲナイド半導体は、光照射によって非結晶(アモルファス)・結晶相変化を起こすことができる。また、Te−As−Ge−Si系では、例えば電流の発熱によって、非結質・結晶相変化を起こすことができる。他には、Ge−Sb−Te系や、TeをベースにしてAs、Sbを添加したものを挙げることができる。その他、相変化を起こす合金としては、例えば、二成分系では、GaSb、InSb、InSe、Sb2Te3、GeTeを挙げることができ、三成分系では、Ge2Sb2Te5、InSbTe、GaSeTe、SnSb2Te4、InSbGeを挙げることができ、四成分系では、AgInSbTe、(GeSn)SbTe、GeSb(SeTe)、Te81Ge15Sb22を挙げることができる。
図2A−Bは、カルコゲナイド半導体における相転移の様子を説明するための模式図である。低導電率のアモルファス状態51(図2A)に、例えばジュール熱が加わって結晶化温度では原子の組み替えが起こり(矢印53参照)、高導電率の結晶状態55(図2B)となる。一方、高導電率の結晶状態55(図2B)を融点以上に温度を上げて結晶を溶融し、その直後に急激に温度を下げると、その急激な温度勾配により過冷却液体状態を経て(矢印54参照)、低導電率のアモルファス状態51となる(図2A)。
相変化材料から構成された相変化層10は、ベース基板30上に形成されている。ベース基板30は、例えば、少なくとも表面に配線層が形成された基板である。本実施形態では、ビア21の底面となる領域に、ベース基板30の配線層の一部(例えば、ランド)が位置している。ベース基板30は、例えば、リジッド基板(典型的なプリント基板)であり、本実施形態では、片面又は両面のリジッド基板を用いている。なお、図1においては、ビア21を一つだけ示しているが、ビア21を複数形成してもよい。
本実施形態の配線基板100では、相変化層10にレーザ光52を照射することによってビア21が形成されるので、ビア21の寸法(例えば、直径)を小さくすることができる。つまり、ドリル加工又はレーザ加工によって穴を形成した後に導電性材料を充填することによってビアを形成する場合には実現困難であったビア寸法を有する配線基板を実現することができる。
ビア21の寸法(直径)は、例えば100μm〜30μm程度又はそれ以上に大きくしても特に問題はないが、比較的小さくする方が技術的意義は大きい。ビア21の形状が略円形である場合、ビア21の直径は、例えば、10μm以下であり、小さいビア径にしたい場合には、例えば1μm以下(一例を挙げると0.1〜0.5μm)である。
ビア寸法を小さくできるということは、ビアに接するランドとの合致精度に余裕がうまれ、その結果、配線基板の設計における制限が緩和され、製造段階において誤差(公差)の見積もりが楽になるという効果も得られる。すなわち、ビアとランドとの合致精度が±25μmの場合、典型的な製造方法においてビア径50μmのビアを形成しようとすれば、ランドの寸法(例えば直径)は少なくとも100μmを要する。一方、本実施形態の構成を用いてビア径10μmのビアを形成する際には、ランドの寸法(例えば直径)は60μmあればよいので、ランドを小さくできる分、設計自由度を増やすことができる。また、ランドの寸法を100μmのままにした場合には、その分、合致精度に余裕がうまれ、製造工程の実行が楽になり、歩留まりを向上させることが可能となる。
さらに、レーザ光52の照射源として半導体レーザ50を用いることができるので、設備コストを低く抑えることができるという効果ももたらす。レーザ光52の照射源として、高出力レーザ装置(例えば、CO2レーザ)を用いる場合と比較して、半導体レーザ50を用いる場合は、その設備コストを100分の1以下にすることができる。また、半導体レーザ50は取り扱いも容易であるので、製造工程におけるメリットはその意味でも大きい。
加えて、導電性線路20は、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化できる相変化材料からなるので、一度形成した後であっても、特定のプロセスを経ることにより、また消すことが可能であるという特殊な性質を持っている。つまり、導電性線路20を構成するカルコゲナイド半導体は、アモルファス状態(図2中の符号“51")から結晶状態(図2中の符号“55")に相変化した後であっても、また、結晶状態(図2中の符号“55")からアモルファス状態(図2中の符号“51")に相変化させることができるので、一度形成した導電性線路20を消去することができる。これにより、間違って位置に導電性線路20を形成した場合でも、一度消去して、再び正しい位置に導電性線路20を形成することが可能となり得る。
本実施形態の配線基板100を製造する場合には、まず、ベース基板30上に相変化材料を堆積することによって、アモルファス状態の相変化材料からなる相変化層10を形成し、その後、相変化層10にレーザ光52を照射して、結晶状態の相変化材料からなるビア21(導電性線路20)を形成するようにすればよい。ビア21の寸法(直径)は、レーザのビーム径によって規定することができる。相変化層10の厚さは、特に限定されないが、本実施形態では、5〜30μmとした。ビア21の上面及び下面がそれぞれ相変化層10の上面及び下面に露出する場合には、相変化層10の厚さがビア21の高さとなる。
図1に示した構成において、相変化層10の表面に、ビア21に接続する金属配線を形成することもできる。また、相変化層10に、ビア21と別に、相変化材料からなる配線(導電性線路)を形成することも可能である。
さらに、相変化層10に、ビア21と、ビア21と連続して延びる配線とを形成することも可能である。これについて、図3A及びBを参照しながら説明する。
まず、図3Aに示すように、ベース基板30上の相変化層10にレーザ光52を移動させて、相変化層10の表面に配線22(導電性線路20)を形成する。この配線22は、相変化材料から構成されている。配線22の幅は、レーザ光52のビーム径によって規定することができ、配線22の経路は、レーザ光52の移動を制御することによって規定することができる。
次に、図3Bに示すように、ビア21を形成したい領域にレーザ光52が達したら、そこで半導体レーザ50の移動を停止して、レーザ光52の固定照射によってビア21を相変化層10に形成する。このようにして、配線22とビア21とが一体となった導電性線路20を実現することができる。なお、ビア21の位置は配線22の端部に限らず中央部であってもよいし、ビア21を形成した後に、ビア21と連続して延びる配線22を形成することも可能である。
この構成では、配線22とビア21との間に継ぎ目がないので、配線22とビア21との間の接続信頼性に優れているという利点もある。すなわち、通常のビア接続の場合、ビア部(導電性ペーストやメッキ)と、ビア部の上に形成されるランド部との接触によって結合しているため、基板が厚さ方向に熱膨張すると、信頼性が低下してしまう。一方、図3Bに示した構成の場合、ビア21と配線22と一体となって連続して形成されているので、接続箇所がなく、接続信頼性に優れている。
また、そもそも、配線22、ビア21は、相変化層10と同様に相変化材料から形成されているので、配線22、ビア21の熱膨張係数と、相変化層10の熱膨張係数と同じであるか、あるいは極めて近い。したがって、その意味においても信頼性に優れている。加えて、配線22とビア21とが継ぎ目なく同一材料で連続して形成されているので、ビアと配線との間のインピーダンスの不整合の問題も回避することができる。
本実施形態の配線基板100は、多層構造にすることも可能である。図4は、ベース基板30の上に、第1の相変化層10aと第2の相変化層10bとが形成されている配線基板100を示している。
第1の相変化層10aには、導電性線路20(21、22)が形成されており、そして、第2の相変化層10bにも、導電性線路20(21、22)が形成されている。図4に示した例では、第2の相変化層10bに形成されたビア21の底面は、第1の相変化層10aに形成された導電性線路20(21、22)に接触している。また、図4に示したベース基板30には、金属からなるビア32と、ビア32の上面及び下面に位置するランド34とが形成されている。ランド34は、金属配線の一部であってもよい。第1の相変化層10aに形成されたビア21は、ベース基板30のランド34に電気的に接続している。
次に、図5Aから図6Cを参照しながら、多層構造を有する本実施形態の配線基板100の製造方法について説明する。
まず、図5Aに示すように、ベース基板30を用意した後、図5Bに示すように、ベース基板30の表面に第1の相変化層10aを形成する。第1の相変化層10aは、相変化材料を真空蒸着又はスパッタリングして堆積することによって形成される。第1の相変化層10aは、アモルファス状態のカルコゲナイド半導体から構成されており、最初は電気絶縁状態である。
次に、図5Cに示すように、半導体レーザ50からレーザ光52を照射することによって、第1の相変化層10aに配線22を形成する。次いで、図5Dに示すように、第1の相変化層10aの所定箇所に、配線22に続けてビア21を形成する。
次に、図6Aに示すように、配線22及びビア21が形成された第1の相変化層10aの上に、第2の相変化層10bを積層する。次いで、図6Bに示すように、半導体レーザ50からのレーザ光52によって第2の相変化層10bに配線22を形成する。その後、図6Cに示すように、第2の相変化層10bにビア21を形成して、第1の相変化層10aの配線22と、第2の相変化層10bの配線22とを電気的に接続すると、多層構造を有する本実施形態の配線基板100を作製することができる。
なお、さらに同様の工程を行って、3層構造又はそれ以上の多層構造を有する配線基板100を作製することも可能である。
さらに、本実施形態の配線基板100は、図7Aから図8Cに示すようにして作製することも可能である。
まず、図7Aに示すように、ベース基板30を用意した後、図7Bに示すように、ベース基板30上に第1の相変化層10aを形成する。次に、図7Cに示すように、第1の相変化層10aにレーザ光52を照射してビア21を形成する。その後、図7Dに示すように、ビア21が形成された第1の相変化層10a上に、もう一層の第1の相変化層10a’を形成し、次いで、第1の相変化層10a’に配線22を形成して、配線22の一部とビア21とを接続する。
次に、図8Aに示すように、配線22が形成された第1の相変化層10a’上に、第2の相変化層10bを形成する。次いで、図8Bに示すように、第2の相変化層10bにビア21を形成する。その後、図8Cに示すように、ビア21が形成された第2の相変化層10b上に、もう一層の第2の相変化層10b’を形成し、次いで、第2の相変化層10b’に配線22を形成して、第2の相変化層10b’の配線22の一部と第2の相変化層10bのビア21とを接続する。
このようにして、本実施形態の配線基板100を作製することができる。同様の工程を繰り返して、3層以上の多層構造の配線基板100を作製することも可能である。図7Aから図8Cに示した製造方法の場合、ビア21と配線22とを独立して作製することができるので、ビア及び配線の厚さが制御しやすいという利点がある。一方、図5Aから図6Cに示した製造方法の場合、一度に形成することができるので、生産性に優れているという利点がある。なお、図5Aから図6Cに示した製造方法と、図7Aから図8Cに示した製造方法とを組み合わせて用いることも可能である。
また、ビア21のみを相変化材料から形成して、配線は金属材料から形成することも可能である。この製造方法について、図9Aから図10Dを参照しながら説明する。
まず、図9Aに示すように、ベース基板30を用意した後、図9Bに示すように、ベース基板30上に第1の相変化層10aを形成し、次いで、図9Cに示すように、第1の相変化層10aにレーザ光52でビア21を形成する。
次に、図9Dに示すように、ビア21が形成された第1の相変化層10aの上に、金属層24を形成する。次いで、この金属層24をパターニングして、図9Eに示すように金属配線26を形成する。金属層24の形成は、例えば、メッキ法よって行うことができる。また、金属配線26の形成は、例えば、フォトリソ法によって行うことができる。
次に、図10Aに示すように、金属配線26を覆うように第1の相変化層10aの上に、相変化材料11を堆積し、次いで、図10Bに示すように、堆積した相変化材料11の表面を平坦化して、第2の相変化層10bを形成する。平坦化工程は、例えば、研磨によって行えばよい。
次に、図10Cに示すように、第2の相変化層10bにレーザ光52でビア21を形成する。その後、図10Dに示すように、ビア21が形成された第2の相変化層10bの上に、金属配線26を形成すると、2層以上の多層構造を有する本実施形態の配線基板100が得られる。金属配線26の形成は、図9D及びEに示したように、金属層24を堆積した後にパターニングを行えばよい。
この製造方法で得られた配線基板100は、配線として金属配線(例えば、銅配線)26を用いているので、相変化材料からなる配線22よりも、抵抗を小さくすることができる。また、配線26上に半田にて部品を接続するための半田付け性に優れるという利点がある。
なお、図9E及び図10Dに示したように、配線をすべて金属から構成してもよいが、相変化材料からなる配線の一部(例えば、上部)を金属から構成して、抵抗値を下げて導電率を上げるようにすることも可能である。
また、図10A及び図10Bに示した平坦化の工程は、多層構造の配線基板100を製造する場合だけでなく、単層構造の配線基板100を製造する場合に行ってもよい。例えば、図11Aに示すように、ベース基板30のランド(又は配線の一部)34が、ベース基板30の表面よりも突出している場合には、ベース基板30の上に相変化材料11を堆積すると、図11Bに示すように、相変化材料11の表面が平担でなくなることが多い。
そのとき、平坦化工程を実行して、図11Cに示すように、相変化材料11の表面を平坦化して、相変化層10を得ることができる。その後、図11Dに示すように、相変化層10に導電性線路20(ビア21)を形成したりすればよい。図11Dに示した構造において、相変化層10上にさらに金属配線を形成してもよいし、更なる相変化層(第2の相変化層)を形成することも可能である。
本実施形態の配線基板100を製造する場合、レーザ光52の照射によって導電性線路20(21、22)を形成する際には、相変化層10を回転可能な状況下において実行することもできる。例えば、図12に示すように、相変化層を有し、配線基板100となる基板(又はベース基板30)を配列してウェハ200とし、そして、図13に示すように、そのウェハ200を回転できる状況にセットする。半導体レーザ50から照射されるレーザ光52の書き込みによって、ウェハ200上の相変化層10に導電性線路20(21、22)を形成する。半導体レーザ50は、一つに限らず、複数設けてもよい。
図12及び図13に示した構成を用いると、ウェハ200の回転(矢印210参照)によってレーザ光52の位置を移動できるとともに、ウェハ200の回転によって相変化層10の温度を調整することが可能となる。上述したとおり、相変化層10の相変化は温度に影響を受けるので、ウェハ200の回転によって温度制御も行えることのメリットは大きい。
本実施形態の導電性線路20は、レーザ光52によって形成されるので、典型的なビアや配線の形成方法によって得られる線路とは異なり、比較的自由な線路(例えば立体的に斜め)を採択することができる。
例えば、図14Aに示すように、相変化層10の中央にレーザ光52の焦点54をあわせ、そこを導電性線路20の始点とすることも可能である。そして、図14Bに示すように、レーザ光52の焦点54を斜めに移動して(この例では斜め上方に移動して)、ベース基板30の法線方向から傾いた線路にて導電性線路20を形成することができる。レーザ光52の焦点54は、相変化層10の底面の部位に合わせてもよい。あるいは、相変化層10の表面に最初レーザ光52の焦点54をあわせて、その後、下方斜めに焦点54を移動させるようにしてもよい。図15は、斜めに傾いた導電性線路20が複数本相変化層10に形成された配線基板100を示している。
図14B及び図15に示した導電性線路20を用いれば、端子と端子とを最短距離で結ぶことが可能であり、その結果、配線長を短くすることができるという別の効果も有している。この導電性線路20は、分類するとビアに近いものといえるが、機能的には、ビアの機能とともに配線の機能も兼ねている。
さらに、本実施形態の導電性線路20は、トリミング技術にも適用することができる。トリミング技術とは、一般に、少数の抵抗の微調整によって回路全体の製造誤差が補正できるように回路を構成しておき、製造後にそれらの抵抗値を調整することによって高精度回路を実現する技術をいう。トリミングとしては、レーザトリミング法が一般に用いられており、高価な高出力レーザ装置を用いて、例えば印刷された電気部品を部分的に除去したりすることによって行われる。一方、本実施形態の構成を用いれば、大がかりなレーザトリミング法を用いなくても、簡便に且つ正確にトリミングを行うことができる。図16A及びBを参照しながら、以下説明する。
まず、図16Aに示すように、所定の回路(不図示)が形成された配線基板40の一部に、相変化層10を形成しておく。相変化層10は、端子42の間に形成されている。そして、図16Bに示すように、端子42間の電気的特性を測定しながら、半導体レーザ50を用いてレーザ光52を照射して、相変化層10に導電性線路(配線)20を形成する。所望の電気的特性が得られるように、端子42間の抵抗値を調整して、トリミングが完了する。この方法でトリミングを行えば、高価な高出力レーザ装置もいらず、また簡便にトリミングを行うことができて非常に便利である。
さらに、近年、移動体通信機器やノートパソコンに代表される電子機器の小型高密度実装技術の発達にともなって、SMT(表面実装技術)に適用可能な配線基板が益々普及し、これに実装されるVCO(電圧制御型発振器)やTCXO(温度補償型水晶発振器)などのような、トリミングが必須の複合回路部品が数多く用いられつつあるので、本実施形態の構成を用いたトリミングの技術的意義は大きくなっていくものと思われる。
図17Aは本発明の別の実施形態における相変化ビアによる回路基板の断面図であり、図17Bは同平面図である。電気絶縁状態の相変化材料層61の厚み方向に導電状態のビア62a,62bが形成されており、前記相変化材料層61の両面に配線層63,64が形成されている。ランド部はとくに必要なく、配線のみでビアの電気的接続を取ることができる。
比較のため、従来のめっき工法による接続構造を図23A(断面図)、図23B(平面図)に示す。基板81の両面に配線82,83をエッチングにより形成し、厚さ方向にスルーホール85を空け、めっきにより厚さ方向にビアを形成するとともにランド84を形成していた。このため、ランドの面積分を余分にとる必要があり、全体としてコンパクトにすることは困難であった。
別の比較例として、従来の導電性ペーストによる接続構造を図24A(断面図)、図24B(平面図)に示す。基板81の厚さ方向にスルーホールを空け、導電性ペースト86を充填し、両面を銅板で挟み、加圧加熱して圧縮し、その後ランド87をエッチングにより残していた。82,83は配線である。この構造は、めっき工法と比較して、多層基板が作りやすく、コンパクト化できるメリットは大きいが、上下ランド87の合致精度の問題と、ランド87からビアがはみ出さないようにするため、ランド87は導電性ペースト充填部からなるビアより大きく形成する必要があり、このため、ランドの面積分を余分にとる必要があった。
図18Aは本発明のさらに別の実施形態における相変化ビアによる回路基板の断面図であり、図18Bは同平面図である。配線層63−64間を接続するために、電気絶縁状態の相変化材料層61の厚み方向に複数の導電状態のビア62を形成する。複数の導電状態のビア62が接続して配線層63−64間を接続する。
図18A,Bの構造は、配線層63を形成し、相変化層を形成し、ビアを形成し、配線層64を形成する、という順序で行っても良いが、配線層63を形成し、相変化層を形成し、配線層64を形成した後にビアを形成することでも実現できる。これは相変化ビアを形成するプロセスにおいて、レーザ光照射の熱により相変化層の材料を相変化させているのであるが、熱が拡散することにより配線層63、64の下部分も相変化を起こし導電領域が形成できるためである。これにより、上下の配線層を形成した後にビアを形成することができる。これにより、上下の配線層の配線パターンを認識した上でビア形成ができるため合致精度を向上することができる。
図19Aは本発明のさらに別の実施形態における相変化ビアによる回路基板の断面図であり、図19Bは同平面図である。上下の配線層63と64の位置がずれても、ビア形成工程を配線層を形成してから行うことができるため、配線層63と64のずれを補正した上で電気絶縁状態の相変化材料層61の厚み方向に複数の導電状態のビア62を形成することにより、配線層63−64間を接続できる。これにより配線のずれによる不良を低減でき、歩留まりを向上できる。
図20A−Eは本発明のさらに別の実施形態における相変化ビアによる回路基板の平面図である。図20Aは上下の配線層63と64の間にスペースを空け、このスペースの相変化材料層の厚み方向に複数の導電状態のビア62を形成した例である。図20Bは配線層63に窓部を形成し、この窓部に前記ビア62を形成した例である。図20Cは上下の配線層63と64との位置がずれた場合であり、配線層63と64との間に前記ビア62を形成した例である。図20Dは配線層63と64とが一部重なっている場合に、配線層63に窓部を形成し、ここに前記ビア62を形成した例である。図20Eは配線層63と64とが同心円状に重なっている場合に、重なり部分に前記ビア62を形成した例である。上記の構造も、相変化ビアがその形成プロセスにより配線層の下にも拡がるために可能となる。
図21A−Bは本発明のさらに別の実施形態における配線の修復を示す平面図である。図21Aに示すように、相変化材料層の上に配線71を形成する際に、72a−72dのような欠陥が発生した場合であっても、図21Bの修復部73a−73dに示すように配線を接続し、修復できる。上記の構造も、相変化ビアがその形成プロセスにより配線層の下にも拡がるために可能となる。
図22A−Dは本発明の別の実施形態を示す工程断面図であり、相変化材料層10の表面に配線層22,22を形成し(図22A)、裏面にも配線層22を形成し(図22B)、その後レーザ光52を照射してビア21を形成する。相変化材料からなるビアが、レーザ光の熱の拡散により配線下まで広がることにより、上下の配線は電気的に接合される。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
図1は本発明の一実施形態に係る配線基板構成を模式的に示す断面図である。 図2A及びBは、同カルコゲナイド半導体における相転移の様子を説明するための模式図であり、図2Aは非晶状態、図2Bは結晶状態を示す。 図3A及びBは、同ビアと、ビアから連続して延びる配線とを形成する工程を説明するための工程断面図である。 図4は同、第1の相変化層と第2の相変化層とが形成された配線基板の構成を模式的に示す断面図である。 図5A−Dは、本発明の別の実施形態における配線基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図6A−Cは、本発明の別の実施形態における配線基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図7A−Dは、本発明の別の実施形態における配線基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図8A−Cは、本発明の別の実施形態における配線基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図9A−Eは、本発明の別の実施形態における配線基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図10A−Dは、本発明の別の実施形態における配線基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図11A−Dは、本発明の別の実施形態の配線基板の製造方法を説明するための工程断面図である。 図12は、本発明の別の実施形態における配線基板の製造方法を説明するための平面図である。 図13は、本発明の別の実施形態における配線基板の製造方法を説明するための斜視図である。 図14A及びBは、本発明の別の実施形態における配線基板製造方法を説明するための工程断面図である。 図15は、本発明の別の実施形態における配線基板の構成を模式的に示す断面図である。 図16A及びBは、本発明の別の実施形態におけるトリミングを行う工程を説明するための工程斜視図である。 図17Aは本発明の別の実施形態における相変化ビアによる回路基板の断面図であり、図17Bは同平面図である。 図18Aは本発明の別の実施形態における相変化ビアによる回路基板の断面図であり、図17Bは同平面図である。 図19Aは本発明の別の実施形態における相変化ビアによる回路基板の断面図であり、図19Bは同平面図である。 図20A−Eは本発明の別の実施形態における相変化ビアによる回路基板の平面図である。 図21Aは本発明の別の実施形態における配線の欠陥を示す平面図であり、図21Bは同欠陥の修復を示す平面図である。 図22A−Dは本発明の別の実施形態を示す工程断面図である。 図23Aは従来のめっき工法による接続構造を示す断面図、図23Bは同平面図を示す。 図24Aは従来の導電性ペーストを用いた工法による接続構造を示す断面図、図24Bは同平面図を示す。
符号の説明
10 相変化層
11 相変化材料
20 導電性線路
21 ビア
22 配線
24 金属層
26 金属配線
30 ベース基板
32 ビア
34 ランド
40 配線基板
42 端子
50 レーザ(半導体レーザ)
51 アモルファス状態
52 レーザ光
53 矢印
54 焦点
54 矢印
55 結晶状態
61 電気絶縁状態の相変化材料層
62,62a,62b 導電状態のビア
63,64,71,82,83 配線層
72a,72b,72c,72d 欠陥部
73a,73b,73c,73d 修復部
81 基板
84,87 ランド
85 スルーホール
86 導電性ペースト
100 配線基板
200 ウェハ

Claims (30)

  1. 基板上に、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料を含む相変化層の少なくとも一部に、前記相変化層の相変化により導電状態にされた導電性線路が形成されており、
    前記相変化材料は、カルコゲナイド半導体を含み、レーザ光の照射によって電気絶縁状態と導電状態とに変化し、結晶相で導電状態となり、アモルファス相で電気絶縁状態となる配線基板。
  2. 前記導電性線路は、前記相変化層の厚さ方向に導通するビアである請求項1に記載の配線基板。
  3. 前記導電性線路は、前記相変化層の面方向に導通する配線である請求項1に記載の配線基板。
  4. 前記導電性線路は、前記相変化層の厚さ方向に導通するビアと前記相変化層の面方向に導通する配線を兼ねている請求項1に記載の配線基板。
  5. 前記カルコゲナイド半導体は、結晶相とアモルファス相との相移転を可逆的に行う請求項1に記載の配線基板。
  6. 前記導電性線路と、それ以外の電気絶縁層との導電率の差は、104 S/cm以上ある請求項1に記載の配線基板。
  7. 前記導電性線路の導電率は、101〜104 S/cmの範囲である請求項1に記載の配線基板。
  8. 前記カルコゲナイド半導体は、主成分がS、Se及びTeから選ばれる少なくとも一つのカルコゲン元素であり、準成分としてAs又はSbを含むピニコゲン元素を含み、主成分と準成分との配合割合は、元素比でカルコゲン元素:ピニコゲン元素=1:0.1〜1の範囲である請求項1に記載の配線基板。
  9. 前記カルコゲナイド半導体は、TeAs、TeSb、GaSb、InSb、InSe、Sb2Te3、GeTe、Ge2Sb2Te5、InSbTe、GaSeTe、SnSb2Te4、InSbGe、TeGeSnAu、SnTeSe、TeAsGeSi、GeSbTe、AgInSbTe、(GeSn)SbTe、GeSb(SeTe)及びTe81Ge15Sb22から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載の配線基板。
  10. 前記相変化層には、前記導電性線路としてビアが形成されており、
    前記相変化層の表面には、前記ビアに接続し、金属配線が形成されている請求項1に記載の配線基板。
  11. 前記配線は、前記ビアと連続して形成されている請求項3に記載の配線基板。
  12. 前記導電性線路として複数のビアが形成されており、
    前記複数のビアのうち少なくとも一つは、前記配線基板の法線方向から傾いて形成されている請求項1に記載の配線基板。
  13. 前記基板は、少なくとも表面に配線層が形成された配線基板である請求項1に記載の配線基板。
  14. 前記基板は、後に取り除く仮基板である請求項1に記載の配線基板。
  15. 前記相変化層の上には、更なる相変化層が形成されており、前記更なる相変化層にも前記導電性線路が形成されている請求項1に記載の配線基板。
  16. 基板上に、電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料を含む相変化層の少なくとも一部に、前記相変化層の相変化により導電状態にされた導電性線路が形成されており、
    前記相変化材料は、カルコゲナイド半導体を含み、レーザ光の照射によって電気絶縁状態と導電状態とに変化し、結晶相で導電状態となり、アモルファス相で電気絶縁状態となる配線基板の製造方法であって、
    (a)電気絶縁状態と導電状態とを相互に相変化可能な相変化材料を堆積することによって、相変化層を形成する工程と、
    (b)前記相変化層にレーザ光を照射することによって、前記相変化材料からなる導電性線路を前記相変化層に形成する工程と
    を含むことを特徴とする配線基板の製造方法。
  17. 前記(b)工程における前記レーザ光は、半導体レーザから照射したものである請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  18. 前記(b)工程における前記レーザ光は、前記相変化層を回転可能な状態で照射する請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  19. 前記(b)工程において、前記相変化層の表面に、前記導電性線路として配線を形成する請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  20. 前記(b)工程において、前記相変化層の内部にビアを形成する請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  21. 前記(b)工程において、前記相変化層の表面に前記導電性線路として配線を形成するとともに、当該配線の一部から延びる前記導電性線路としてのビアを形成する請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  22. 前記基板は、少なくとも表面に配線層が形成された配線基板又は後に取り除く仮基板である請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  23. 前記基板表面に金属配線が形成され、表面が凹凸の場合は、前記相変化材料層を形成した後、前記相変化材料を平坦化する請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  24. 前記相変化層の上には、更なる相変化層を形成し、前記更なる相変化層にも前記導電性線路を形成する請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  25. 前記相変化層には前記導電性線路としてビアを形成し、前記相変化層の表面には前記ビアに接続して金属配線を形成する請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  26. 前記金属配線の上に、さらに第2の相変化層を形成し、前記第2の相変化層に導電性線路であるビアを形成する請求項25に記載の配線基板の製造方法。
  27. 前記第2の相変化層を形成する際に、前記金属からなる配線を覆うように、第2の相変化材料層を形成した後、前記相変化材料を平坦化する請求項26に記載の配線基板の製造方法。
  28. 前記相変化層の内部にレーザ光の焦点を合わせて照射し、当該相変化層内部に、前記相変化材料からなる導電性線路を形成する請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  29. 前記導線性線路を形成する際、あらかじめ複数の電極を形成しておき、前記電極間の電気的特性を測定しながら、所定の電気的特性となるように、半導体レーザからのレーザ光を前記相変化層に照射して、前記相変化層に前記相変化材料からなる導電性線路を形成する請求項16に記載の配線基板の製造方法。
  30. 前記相変化材料層の両面に配線層を形成した後、レーザ光を照射してビアを形成し、前記レーザ光の熱の拡散により配線下まで広がることにより、上下の配線は電気的に接合させる請求項16に記載の配線基板の製造方法。
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