JP2005294177A - リチウムイオン蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】外装体に多層フィルムを使用しており高温環境下で形状を保持することができ低温環境下でも充放電可能なリチウムイオン蓄電池を提供する。
【解決手段】リチウムイオン蓄電池は、矩形状の2枚のラミネートフィルムを有しており、ラミネートフィルムの外縁部は熱溶着で封止されている。リチウムイオン蓄電池内には積層電極群及び非水電解液が封入されている。非水電解液には、エチレンカーボネート、高沸点の非水溶媒として炭酸エステル化合物の少なくとも1種、低温での充放電を許容する低沸点・低融点の非水溶媒として酢酸エステル化合物の少なくとも1種が混合された混合溶媒を用いた。高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合は、0.1以上0.3以下に設定した。非水電解液は、高温環境下で気化が抑制され、低温環境下で粘性増加が抑制される。
【選択図】なし

Description

本発明はリチウムイオン蓄電池に係り、特に、多層フィルムの外装体内に正負極板及び非水電解液が収容されたリチウムイオン蓄電池に関する。
従来、ニッケル水素蓄電池やリチウムイオン蓄電池等の繰り返し充放電可能な二次電池は、ノート型コンピュータや携帯電話等の携帯端末機の駆動用電源として普及している。このリチウムイオン蓄電池では有機(非水)電解液を用いるため、水溶液電解液を用いるニッケル水素蓄電池の電池電圧1.2Vに対して、電池電圧が約3倍の3V以上となることから、ニッケル水素蓄電池より容量当りのエネルギー密度が高くなる。また、リチウムイオン蓄電池では負極に炭素材を用いるため、負極に水素吸蔵合金を用いるニッケル水素蓄電池と比較して軽量となり、重量当りのエネルギー密度も高くなる。このため、携帯端末機の駆動用電源としてはリチウムイオン蓄電池の方がニッケル水素蓄電池より優れているので、近年殆どの携帯端末機では駆動用電源にリチウムイオン蓄電池を使用するに到っている。
一方、自動車産業界では、排ガス等による大気汚染が問題となっており、排ガスを抑制する技術の1つとして電気自動車の普及が期待されている。この駆動電源の1つとして燃料電池が挙げられるが、性能やコストに問題が残されており、現段階での実用化は難しい。このため、当面は二次電池を使用した電気自動車の普及が見込まれており、電気自動車の電源用途で二次電池の今後の成長が期待されている。既に、ニッケル水素蓄電池を使用したハイブリッド型電気自動車は量産化されているが、上述した理由からニッケル水素蓄電池よりリチウムイオン蓄電池の方が重量エネルギー密度や容量エネルギー密度に優れるため、リチウムイオン蓄電池を使用した電気自動車の開発が期待されている。
リチウムイオン蓄電池では、生産性の向上を図るため、正負極板が鉛蓄電池やニッケル水素蓄電池の正負極板と比較して長く、薄く成形され捲回されており、捲回された正負極板が主に円筒型の外装缶に収容されている。このような円筒型の電池では、限られたスペースに納める場合や、複数個の電池を接続して電池モジュールとする場合には、電池間にデッドスペースが生じてしまう。このため、最近では角型外装缶を使用するリチウムイオン蓄電池も数多く商品化されている。更に、外装缶の代わりに薄型のラミネート(多層)フィルム等を外装体(ケース)としたリチウムイオン蓄電池も徐々にではあるが、商品化されている。ラミネートフィルムを外装体とした電池では、外装体自体の体積減少やコストダウンのメリットがあるため、今後、電池の形の一つとして、商品化数量の増加が期待されている。
ところが、ラミネートフィルムを外装体とした場合、外装缶より外装体の肉厚が薄く、強度が小さいため、複数の原因でリチウムイオン蓄電池が膨張してしまうことがある。リチウムイオン蓄電池が膨張すると形状が変化するため、上述した電池モジュール等での使用に支障が生じる。リチウムイオン蓄電池が膨張する一つの原因として、非水電解液の気化が考えられる。一般に、リチウムイオン蓄電池の非水電解液では、非水溶媒である鎖状又は環状の炭酸エステル化合物、中でも、誘電率やイオン溶解度に優れるエチレンカーボネート(EC)に、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)や4フッ化硼酸リチウム(LiBF)等のリチウム塩が添加されている。ECは常温で固体(融点36.4°C)であり、液体の状態でも粘性を有するため、常温以下では非水溶媒として使用することができない。このため、ECは、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の低粘性、低融点の鎖状炭酸エステル化合物と混合した混合非水溶媒として使用され、例えば、EC、DMC、DECの組成比率を定めることで、常温以下での電池特性を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−283104号公報
しかしながら、電池の用途や動作環境にもよるが、例えば、電気自動車用電源の場合は、平均気温の高い地域では、電池の充放電反応に伴う発熱も生じるため、電池が50°C以上の高温環境下に曝される可能性は十分にあり、反対に平均気温の低い寒冷地では、0°C以下の低温環境下に曝されることとなる。このため、高温環境下では、非水溶媒の種類や組成により異なるが、非水電解液に低沸点の非水溶媒のみを使用すると、50°C前後で体積膨張が生じ、ガス発生に到る懸念がある。外装缶を使用した電池では外装缶が強度を有するため、一定までのガス発生なら膨張に対する影響は小さいが、ラミネートフィルムを外装体とした電池では上述したように膨張し形状変化が生じてしまう。非水電解液に高沸点の非水溶媒を使用すれば、高温環境下でのガス発生を抑制して膨張を低減することはできる。一方、高沸点の非水溶媒は融点も高くなるため、低温環境下では、非水電解液に高沸点の非水溶媒のみを使用すると、非水溶媒の粘性が増加してリチウムイオンの移動が阻害される。このため、非水電解液の抵抗が増大するので、電池が動作しなくなる(充放電不可能となる)可能性が大きい、という問題がある。上述した特許文献1の技術でも、高沸点の非水溶媒を混合しており常温以下程度の電池特性は改善されるものの、0°C以下の低温環境下では電池の動作が十分とはいえない。
上記事案に鑑み本発明は、外装体に多層フィルムを使用しており高温環境下で形状を保持することができ低温環境下でも充放電可能なリチウムイオン蓄電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、多層フィルムの外装体内に正負極板及び非水電解液が収容されたリチウムイオン蓄電池において、前記非水電解液は、高温環境下でガス化の抑制が可能な耐高温溶媒と、低温環境下で充放電を許容する耐低温溶媒とが含有されており、前記耐高温溶媒に対する前記耐低温溶媒の割合が0.1以上0.3以下であることを特徴とする。
本発明のリチウムイオン蓄電池では、非水電解液に、高温環境下でガス化の抑制が可能な耐高温溶媒と、低温環境下で充放電を許容する耐低温溶媒とが含有されており、耐高温溶媒に対する耐低温溶媒の割合が0.1以上0.3以下とすることで、高温環境下で耐低温溶媒がガス化しても全体としてリチウムイオン蓄電池の体積膨張を抑制して形状を保持することができると共に、低温環境下で非水電解液の粘性の上昇を抑制してリチウムイオンの移動性を許容してリチウムイオン蓄電池を充放電可能とすることができる。
この場合において、耐高温溶媒を少なくとも炭酸エステル化合物及びジメトキシ化合物の1種としてもよく、耐低温溶媒を少なくとも酢酸エステル化合物及びテトラヒドロフラン化合物の1種としてもよい。このとき、炭酸エステル化合物を少なくともプロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチカーボネート及びジメチルカーボネートの1種、ジメトキシ化合物をジメトキシエタン、酢酸エステル化合物をメチルアセテート、テトラヒドロフラン化合物をテトラヒドロフランとしてもよい。
本発明によれば、非水電解液に、高温環境下でガス化の抑制が可能な耐高温溶媒と、低温環境下で充放電を許容する耐低温溶媒とが含有されており、耐高温溶媒に対する耐低温溶媒の割合が0.1以上0.3以下とすることで、高温環境下で耐低温溶媒がガス化しても全体としてリチウムイオン蓄電池の体積膨張を抑制して形状を保持することができると共に、低温環境下で非水電解液の粘性の上昇を抑制してリチウムイオンの移動性を許容してリチウムイオン蓄電池を充放電可能とすることができる、という効果を得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係るリチウムイオン蓄電池の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態のリチウムイオン蓄電池1は、矩形状の2枚のラミネートフィルム2を有している。上側のラミネートフィルム2が凸状に、下側のラミネートフィルム2が略平坦状に形成されている。ラミネートフィルム2の外縁部は熱溶着で封止されており、リチウムイオン蓄電池1は密閉構造とされている。リチウムイオン蓄電池1内には、図示を省略した積層電極群及び後述する非水電解液が封入されている。リチウムイオン蓄電池1の外縁部の一辺には、正負極の外部端子3が、それぞれ先端部を外側に突出させて、2枚のラミネートフィルム2間に挟み込まれている。
ラミネートフィルム2は、絶縁保護用の厚さ25μmのナイロン製フィルムと、基材として厚さ40μmのアルミニウム箔と、熱溶着樹脂としてポリプロピレン製フィルムとが、この順に接着剤を介して積層されプレス加工されている。このため、ラミネートフィルム2は、ナイロン製フィルム/アルミニウム箔/ポリプロピレン製フィルムの三層構造となる。正極の外部端子3はアルミニウム製の板状に形成されており、負極の外部端子3はニッケル製の板状に形成されている。正負極の外部端子3の外周にはポリプロピレン製シールテープが貼り付けられている。シールテープの周囲には、熱溶着時に軟化したポリプロピレン製フィルムの樹脂が隙間なく密着している。
積層電極群は、10枚の正極板と11枚の負極板とが厚さ40μmのポリエチレン製セパレータを介して積層されている。正極板と負極板とは1枚ずつ交互に配設されており、積層電極群の積層方向の両端には負極が配設されている。また、積層電極群の一辺には一側に各正極板から延出された正極リード片が配設され、他側に各負極板から配設された負極リード片が配設されている。正極リード片及び負極リード片はそれぞれ集合されて正負極の外部端子3にそれぞれ超音波溶接されている。なお、積層電極群は、リチウムイオン蓄電池1の電池容量が3Ahとなるように設計されている。
正極板は、厚さ20μmの矩形状のアルミニウム箔(正極集電体)を有している。アルミニウム箔の両面には、正極合剤が塗着されている。正極合剤には、正極活物質のマンガン酸リチウム(LiMn)、導電剤の鱗片状黒鉛及び結着剤のポリフッ化ビニリデンが配合されている。アルミニウム箔の一辺の一側には、アルミニウム製で短冊状の正極リード片が超音波溶接されている。一方、負極板は、厚さ10μmの矩形状の圧延銅箔(負極集電体)を有している。圧延銅箔の両面には、負極合剤が塗着されている。負極合剤には、負極活物質の非晶質炭素粉末及び結着剤のポリフッ化ビニリデンが配合されている。圧延銅箔の一辺の一側には、銅製で短冊状の負極リード片が超音波溶接されている。
(非水電解液)
非水電解液には、誘電率、イオン溶解度に優れるエチレンカーボネート(EC)、50°C以上の高温環境下でガス化の抑制が可能な高沸点の非水溶媒(耐高温溶媒)及び0°C以下の低温環境下で充放電を許容する低沸点(及び低融点)の非水溶媒(耐低温溶媒)が混合された混合溶媒が用いられている。混合溶媒には電解質のリチウム塩として6フッ化リン酸リチウム(LiPF)が濃度1モル/リットルで溶解されている。高沸点の非水溶媒には少なくとも炭酸エステル化合物及びジメトキシ化合物の1種が用いられており、低沸点の非水溶媒には少なくとも酢酸エステル化合物及びテトラヒドロフラン化合物の1種が用いられている。高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合は、0.1以上0.3以下に設定されている。
本実施形態で用いる炭酸エステル化合物としては、環状又は鎖状の炭酸エステル化合物を挙げることができる。環状炭酸エステル化合物としては、プロピレンカーボネート(PC)を挙げることができ、鎖状炭酸エステル化合物としては、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)を挙げることができる。また、本実施形態で用いるジメトキシ化合物としては、ジメトキシエタン(DME)を挙げることができる。
本実施形態で用いる酢酸エステル化合物としては、酢酸と炭素数1〜2程度のアルコールとの反応物を挙げることができ、メチルアセテート(MA)、エチルアセテート(EA)を挙げることができる。また、本実施形態で用いるテトラヒドロフラン化合物としては、テトラヒドロフラン(THF)、メチルテトラヒドロフラン(MeTHF)を挙げることができる。
(作用等)
次に、本実施形態のリチウムイオン蓄電池1の作用等について説明する。
一般に、リチウムイオン蓄電池1の非水電解液には、非水溶媒として炭酸エステル化合物が広く用いられており、中でもECは誘電率、イオン溶解度が大きく、非水電解液のイオン導電率を高めることができる。ところが、ECの融点が36.4°Cであることから、常温では固体であるため、低温乃至常温では非水溶媒として使用することができず、また、液体の状態でも粘性を有するため、非水溶媒に使用するには支障が生じる。このため、非水溶媒にECを用いるときは、DMC、DEC、EMC等の低粘性、低融点の鎖状炭酸エステル化合物と混合して用いられる。このような混合非水溶媒では、各成分共に沸点が高いため、高温環境下でも気化しない。このため、ラミネートフィルムを外装体としたリチウムイオン蓄電池1が膨張することはなく、形状も変化しない。ところが、この混合非水溶媒は、各成分の融点がいずれも高いため、低温環境下では、混合非水溶媒の粘性が上昇してリチウムイオンの移動を阻害することとなる。このため、リチウムイオン蓄電池1は充放電することができなくなる。
本実施形態では、非水電解液の非水溶媒として、EC、高沸点の非水溶媒及び低沸点の非水溶媒を混合した混合溶媒が用いられる。このため、高沸点の非水溶媒は高温環境下でも気化しないので、リチウムイオン蓄電池1の膨張を抑制することができ、形状を保持することができる。混合溶媒に混合されている低沸点の非水溶媒は高温環境下では気化するが、低沸点の非水溶媒の混合割合が高沸点の非水溶媒に対して一定の範囲に定められているため、低沸点の非水溶媒が気化してもリチウムイオン蓄電池1の全体として膨張を抑制することができる。
また、本実施形態では、低沸点の非水溶媒が混合されているため、低温環境下でも非水電解液の粘性の上昇が抑制されるので、リチウムイオンの移動を許容することができる。このため、低温環境下でもリチウムイオン蓄電池1の充放電を行うことが可能となる。従って、本実施形態のリチウムイオン蓄電池1は、高温環境下から低温環境下までの広範囲に亘り形状変化することなく電池特性を発揮することができる。
更に、本実施形態の非水電解液で重要な点は、高沸点の非水溶媒と低沸点の非水溶媒との混合割合である。本実施形態では、高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合を0.1以上0.3以下とする。高沸点の非水溶媒が多くなる(割合が0.1より小さい)と、低温環境下でリチウムイオン蓄電池1の動作保証ができなくなり、低沸点の非水溶媒が多くなる(割合が0.3より大きい)と、室温より少し高い温度、例えば、50〜60°Cでガスが発生してリチウムイオン蓄電池1が膨張することとなる。高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合を0.1以上0.3以下とすることで、割合が0.3より大きい場合と比較して、低温環境下でのリチウムイオン蓄電池1の充放電特性は低下するものの、低下の程度をごく僅かとすることができる。また、割合が0.1より小さい場合と比較して、高温環境下でのリチウムイオン蓄電池1は膨張するものの、その差を僅かとすることができる。
なお、本実施形態では、非水溶媒にECを混合する例を示したが、本発明はECを混合することなく、高沸点の非水溶媒と低沸点の非水溶媒とが上述した割合で混合されていればよい。また、本実施形態では、電解質のリチウム塩としてLiPFを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、LiClO、LiAsF、LiBF、LiB(C、CHSOLi、CFSOLiやこれらの混合物を用いてもよい。
また、本実施形態では、矩形状の正負極板を積層した積層電極群を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、正負極板を捲回した捲回電極群をラミネートフィルムの外装体内に封入した電池にも適用することができる。更に、本発明は電池の形状、サイズにも特に制限されるものではない。
更に、本実施形態では、正極活物質にマンガン酸リチウムを、負極活物質に非晶質炭素を例示したが、本発明はこれらに限定されるものではない。正極活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等のリチウム遷移金属複酸化物を用いることができ、これらの結晶構造中のコバルト、マンガン、ニッケルやリチウムを他の元素で置換又はドープした材料としてもよい。また、負極活物質としては、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛等の炭素材を用いることができる。更に、正負極の活物質以外に用いる導電剤や結着剤についても特に制限されるものではなく、リチウムイオン蓄電池に通常用いられる材料を用いることができる。
以下、本実施形態に従い作製したリチウムイオン蓄電池1の実施例について説明する。なお、比較のために作製した比較例のリチウムイオン蓄電池についても併記する。
(実施例1)
実施例1では、EC、DMC、MAを3:3:1で混合した混合溶媒に、LiPFを1モル/リットルで溶解した非水電解液Aを用いて、実施例1の電池Aを作製した。高沸点の非水溶媒(EC、DMC)に対する低沸点の非水溶媒(MA)の割合は、1.7となる。
(比較例1)
比較例1では、EC、DMCを1:1で混合した混合非水溶媒に、LiPFを1モル/リットルで溶解した非水電解液Bを用いる以外は実施例1と同様にして、比較例1の電池Bを作製した。電池Bは、高沸点の非水溶媒のみを用いたリチウムイオン蓄電池である。
(比較例2)
比較例2では、EC、MAを1:1で混合した混合非水溶媒に、LiPFを1モル/リットルで溶解した非水電解液Cを用いる以外は実施例1と同様にして、比較例2の電池Cを作製した。電池Cは、高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合を1とした(低沸点の非水溶媒を多くした)リチウムイオン蓄電池である。
(電池特性)
得られた実施例及び比較例の各電池について、電池を充電状態100%まで充電した状態で50°Cの温度環境下に保存する保存試験を行い、保存日数に対する電池の厚みtの変化を計測した。電池の厚みtは、リチウムイオン蓄電池1の略中央部(図1の矢印の位置参照)で測定した。また、各電池について、0°Cで放電試験を行った。放電試験では、25°Cで充電状態100%まで充電を行った後、0°Cの温度環境下にて3Aの電流で放電を行い、放電時間に対する電圧の変化を計測した。図2に50°Cでの保存試験の試験結果を、図3に0°Cでの放電試験の試験結果をそれぞれ示す。
図2に示すように、高沸点の非水溶媒のみを用いた比較例2の電池Bでは、30日経過後も電池の厚みtはほとんど変化しなかった。また、高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合を1とした比較例2の電池Cでは、保存日数の経過と共に電池の厚みtが大きく増加した。これに対して、高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合を1.7とした実施例1の電池Aでは、30日経過後の電池の厚みtが若干増加するものの、電池Bと比較してその差は僅かであり、電池Cと比較すると電池Aの膨張は大きく低減することが判った。
図3に示すように、高沸点の非水溶媒のみを用いた電池Bでは、10分間程度で急速に電圧が低下するのに対して、高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合を1とした電池Cでは約50分間の放電が可能であった。これに対して、高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合を1.7とした電池Aでは、約40分間の放電が可能であり、電池Cと比較してもその差は僅かであり、電池Bと比較すると低温環境下での放電時間が大きく増加することが判った。
以上の試験結果から、高沸点の非水溶媒に対する低沸点の非水溶媒の割合を0.1以上0.3以下とすることで、高温環境下で保存した場合でも非水溶媒の気化によるリチウムイオン蓄電池1の膨張が小さく、かつ、低温環境下でも十分な放電が可能なリチウムイオン蓄電池1を得られることが判明した。
本発明は、外装体に多層フィルムを使用しており高温環境下で形状を保持することができ低温環境下でも充放電可能なリチウムイオン蓄電池を提供するものであり、リチウムイオン蓄電池が広範囲の温度環境下で使用可能なため、製造、販売に寄与し、産業上利用することができる。
ラミネートフィルムを外装体に用いた実施形態のリチウムイオン蓄電池の斜視図である。 リチウムイオン蓄電池の50°Cにおける保存日数と電池厚みtとの関係を示すグラフである。 リチウムイオン蓄電池の0°Cにおける放電曲線を示すグラフである。
符号の説明
1 リチウムイオン蓄電池
2 ラミネートフィルム(多層フィルム)

Claims (3)

  1. 多層フィルムの外装体内に正負極板及び非水電解液が収容されたリチウムイオン蓄電池において、前記非水電解液は、高温環境下でガス化の抑制が可能な耐高温溶媒と、低温環境下で充放電を許容する耐低温溶媒とが含有されており、前記耐高温溶媒に対する前記耐低温溶媒の割合が0.1以上0.3以下であることを特徴とするリチウムイオン蓄電池。
  2. 前記耐高温溶媒が少なくとも炭酸エステル化合物及びジメトキシ化合物の1種であり、前記耐低温溶媒が少なくとも酢酸エステル化合物及びテトラヒドロフラン化合物の1種であることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン蓄電池。
  3. 前記炭酸エステル化合物が少なくともプロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチカーボネート及びジメチルカーボネートの1種であり、前記ジメトキシ化合物がジメトキシエタンであり、前記酢酸エステル化合物がメチルアセテートであり、前記テトラヒドロフラン化合物がテトラヒドロフランであることを特徴とする請求項2に記載のリチウムイオン蓄電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112164826A (zh) * 2020-09-29 2021-01-01 中国科学院长春应用化学研究所 一种双离子电池低温型电解液以及一种双离子电池

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