JP2005294156A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐圧特性に優れ、表示性能及び信頼性を向上できる画像表示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 画像表示装置を構成する前面基板11は、蛍光体スクリーン15に重ねて設けられているとともに島状に分割された複数の分割電極によって構成されたメタルバック層20を有している。背面基板12は、蛍光体スクリーン15に向けて電子を放出する電子放出素子18を有している。この画像表示装置は、前面基板11と背面基板12との間で発生した放電による放電電流を検出する検出素子19を備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】 画像表示装置を構成する前面基板11は、蛍光体スクリーン15に重ねて設けられているとともに島状に分割された複数の分割電極によって構成されたメタルバック層20を有している。背面基板12は、蛍光体スクリーン15に向けて電子を放出する電子放出素子18を有している。この画像表示装置は、前面基板11と背面基板12との間で発生した放電による放電電流を検出する検出素子19を備えている。
【選択図】 図2
Description
この発明は、画像表示装置に係り、特に、耐圧特性を改善可能な構造を有する画像表示装置に関する。
近年、次世代の画像表示装置として、多数の電子放出素子を画像表示面と対向配置させた平面型の画像表示装置の開発が進められている。電子放出素子には様々な種類があるが、いずれも基本的には電界による電子放出を利用したもので、これらの電子放出素子を用いた画像表示装置は、一般に、フィールド・エミッション・ディスプレイ(以下、FEDと称する)と呼ばれている。このようなFEDの内、表面伝導型電子放出素子を用いた画像表示装置は、表面伝導型電子放出ディスプレイ(以下、SEDと称する)とも呼ばれているが、SEDも含む総称としてFEDという用語を用いる。
FEDは、一般に、所定の隙間を置いて対向配置された前面基板及び背面基板を有している。これらの基板は、矩形枠状の側壁を介してそれぞれの周縁部同士を互いに接合され、真空外囲器を構成している。真空外囲器の内部は、真空度が10−4Pa程度以下の高真空に維持されている。また、背面基板及び前面基板に加わる大気圧荷重を支えるために、これらの基板の間には複数の支持部材が配設されている。
前面基板の内面には、赤、青、緑にそれぞれ発光する蛍光体層を含む蛍光体スクリーンが形成されている。また、実用的な表示特性を得るために、蛍光体スクリーン上にメタルバック層と呼ばれるアルミ薄膜が形成されている。
背面基板の内面には、蛍光体層を励起して発光させるための電子を放出する多数の電子放出素子が設けられている。また、多数の走査線及び信号線がマトリックス状に形成され、各電子放出素子に接続されている。
このようなFEDでは、蛍光体スクリーン及びメタルバック層を含む画像表示面にはアノード電圧が印加され、電子放出素子から放出された電子ビームがアノード電圧により加速されて蛍光体層に衝突することにより、蛍光体層が発光する。これにより、画像表示面に画像が表示される。この場合、アノード電圧は、最低でも数kV、できれば10kV以上にすることが望まれる。
このようなFEDでは、前面基板と背面基板との隙間を1〜3mm程度に設定することができ、現在のテレビやコンピュータのディスプレイとして使用されている陰極線管(CRT)と比較して、大幅な軽量化、薄型化を達成することができる。
しかしながら、前面基板と背面基板との間の隙間は、解像度や電子放出効率の特性、支持部材の特性などの観点からあまり大きくすることはできず、1〜2mm程度に設定する必要がある。したがって、FEDでは、前面基板と背面基板との小さい隙間に強電界が形成されることを避けられず、両基板間の放電(絶縁破壊)が大きな問題となる。
両基板間で放電が起こると、瞬間的に100A以上の電流が流れることがあり、数多くの電子放出素子や画像表示面の破壊あるいは劣化を招くことになる。また、このような放電によって駆動回路の破壊を引き起こす可能性もある。これらをまとめて放電によるダメージと呼ぶことにする。このようなダメージは、画像品位の低下を招くため、不良発生につながる放電の発生は製品として許容されない。したがって、FEDを実用化するためには、長期間にわたって放電によるダメージが発生しないように構成しなければならない。しかしながら、小さい隙間に強電界が形成される構造において、長期間にわたって放電を完全に抑制することは非常に困難である。
一般に、放電が生じる電圧にはばらつきがある。また、長期間経過した後に放電が起こることもある。放電を抑制するということは、アノード電圧印加時に放電が全く起こらないようにするか、放電確率を実用上許容できる程度まで小さくすることを意味する。放電を抑制しつつ印加可能なアノード−カソード間の電位差を、以後、耐圧と称することとする。
一方、放電が発生しないようにするのではなく、放電が起きても電子放出素子や画像表示面、駆動回路などヘの影響を無視(軽減)できるよう、放電の規模を縮小するという対策がある。このような考え方に関連する技術として、例えば、特許文献1には、画像表示面に設けられたメタルバック層に切り欠きを入れてジグザグなどのパターンを形成し、画像表示面の実効的なインダクタンス・抵抗を高める技術が開示されている。また、特許文献2には、メタルバックを分割し、抵抗部材を介して共通電極と接続することで高電圧を印加する技術が開示されている。
特開2000−311642号公報
特開平10−326583号公報
しかしながら、これらの技術によっても画像表示面及び電子放出素子への放電ダメージを充分に抑制することは困難である。
この発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、耐圧特性に優れ、表示性能及び信頼性を向上できる画像表示装置を提供することにある。
この発明の様態による画像表示装置は、
蛍光体層及び遮光層を含む蛍光体スクリーンと、前記蛍光体スクリーンに重ねて設けられたメタルバック層と、を有する前面基板と、
前記前面基板に対向して配置されているとともに、前記蛍光体スクリーンに向けて電子を放出する電子放出素子が配置された背面基板と、を備えた画像表示装置であって、
前記前面基板と前記背面基板との間で発生した放電による放電電流を検出する検出素子を備えたことを特徴とする。
蛍光体層及び遮光層を含む蛍光体スクリーンと、前記蛍光体スクリーンに重ねて設けられたメタルバック層と、を有する前面基板と、
前記前面基板に対向して配置されているとともに、前記蛍光体スクリーンに向けて電子を放出する電子放出素子が配置された背面基板と、を備えた画像表示装置であって、
前記前面基板と前記背面基板との間で発生した放電による放電電流を検出する検出素子を備えたことを特徴とする。
このように構成された画像表示装置によれば、放電による放電電流を検出する検出素子を備えている。すなわち、放電が発生した時に検出素子に放電電流が流れるため、放電が発生したことを確実に検出できる。これにより、耐圧特性に優れ信頼性を向上した画像表示装置を得ることができる。また、高いアノード電圧を印加することができるとともに、前面基板と背面基板との間のギャップを小さくすることが可能となり、輝度や解像度などの表示性能を向上した画像表示装置を得ることができる。また、アノード電圧が低いほど蛍光体層の劣化が問題となるが、この画像表示装置によれば、アノード電圧を高く設定することが可能であることから、蛍光体層の劣化を緩和し、製品の寿命を延ばすことが可能となる。
この発明によれば、耐圧特性に優れ、表示性能及び信頼性を向上できる画像表示装置を提供することができる。
以下、この発明の一実施の形態に係る画像表示装置について図面を参照して説明する。なお、ここでは、画像表示装置として、表面伝導型の電子放出素子を備えたFEDを例にとって説明する。
図1及び図2に示すように、FEDは、1〜2mmの隙間を置いて対向配置された前面基板11及び背面基板12を備えている。これら前面基板11及び背面基板12は、絶縁基板としてそれぞれ板厚が1〜3mm程度の矩形状のガラス板を用いて構成されている。これらの前面基板11及び背面基板12は、矩形枠状の側壁13を介して周縁部同士が接合され、内部が10−4Pa程度以下の高真空に維持された偏平な矩形状の真空外囲器10を構成している。
真空外囲器10は、その内部に設けられ、前面基板11及び背面基板12に作用する大気圧荷重を支持するための複数のスペーサ14を備えている。このスペーサ14としては、板状あるいは柱状等の形状を採用可能である。
前面基板11は、その内面に画像表示面を備えている。すなわち、画像表示面は、蛍光体スクリーン15、蛍光体スクリーン15上に配置されたメタルバック層20などで構成されている。また、画像表示面は、必要に応じて、メタルバック層20上に配置されたゲッタ膜22を備えても良い。
蛍光体スクリーン15は、赤、緑、青にそれぞれ発光する蛍光体層16と、マトリクス状に配置された黒色遮光層17とを有している。メタルバック層20は、アルミニウム膜等で形成され、アノード電極として機能する。ゲッタ膜22は、ガス吸着特性を持った金属膜によって形成され、真空外囲器10の内部に残留したガス及び各基板からの放出ガスを吸着する。
背面基板12は、その内面に表面伝導型の電子放出素子18を備えている。この電子放出素子18は、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16を励起するための電子ビームを放出し、電子源として機能する。すなわち、複数の電子放出素子18は、背面基板12上において、画素毎に対応して複数列及び複数行に配列され、それぞれ蛍光体層16に向けて電子ビームを放出する。各電子放出素子18は、図示しない電子放出部、この電子放出部に電圧を印加する一対の素子電極等で構成されている。また、電子放出素子18に電位を供給するための多数本の配線21は、背面基板12の内面にマトリック状に設けられ、その端部は真空外囲器10の外部に引出されている。すなわち、配線21は、複数の走査線21A及び複数の信号線21Bを含んでいる。
このようなFEDでは、画像を表示する動作時においては、メタルバック層20を介して画像表示面にアノード電圧を印加する。そして、電子放出素子18から放出された電子ビームをアノード電圧により加速して蛍光体スクリーン15へ衝突させる。これにより、蛍光体スクリーン15の蛍光体層16が励起され、それぞれ対応する色に発光する。このようにして、画像表示面にカラー画像が表示される。
次に、上述したような構成のFEDにおけるメタルバック層20の詳細な構造について説明する。なお、ここではメタルバック層という用語を用いているが、この層は、金属(メタル)に限定されるものではなく、種々の材料を使うことが可能であるが、便宜上、メタルバック層という用語を用いる。
図3及び図4に示すように、蛍光体スクリーン15は、実質的に画像を表示する有効部40Aにおいて、それぞれ赤、青、緑に発光する多数のストライプ状の蛍光体層16を有している。これら蛍光体層16は、所定の隙間を置いて平行に並んで配列されている。また、蛍光体スクリーン15は、有効部40Aにおいて、多数のストライプ状の黒色遮光層17を有している。これらの黒色遮光層17は、それぞれ蛍光体層16の間に配置されている。
蛍光体スクリーン15に重ねて設けられたメタルバック層20は、島状に分割された複数の分割電極30によって構成されている。これらの分割電極30は、主に蛍光体層16上に配置され、蛍光体層16に対応して細長い短冊状に形成されている。このように配置することで、メタルバック層20は、蛍光体層16上には必ず形成され、蛍光体の輝度特性及び劣化に対して影響を与えない構造となっている。
メタルバック層20を分割するためには、蛍光体スクリーン15上にメタルバック層20を形成する際、予め黒色遮光層17上に薄膜を電気的に分割する特性を有した分割部材を配置しておくことで、メタルバック層20を形成すると同時に分割する手法がある。この手法は、メタルバック層20を真空蒸着法などの薄膜形成法で形成する場合に有効である。また、メタルバック層20を分割する他の手法としては、分割されていないメタルバック層20を形成した後に、レーザなどの熱処理や、化学的な処理、物理的な圧力の印加などにより分割しても良い。このように分割されたメタルバック層20は、図3に示すように、蛍光体層16が延出する方向と平行な一方向に細長い短冊状の分割電極30となって配置されることになる。
このような構成とすることで、分割されたメタルバック層20により、画像表示面のコンデンサ容量の分割が可能となり、前面基板11と背面基板12との放電時に流れる電流を小さくすることができる。これにより、蛍光体スクリーン15を含む画像表示面、電子放出素子18、駆動回路などへの放電ダメージを軽減することができる。
分割電極30は、島状に独立していることから、そのままでは外部からアノード電圧を供給することができない。そのため、すべての分割電極30にアノード電圧を供給するための共通電極41が設けられている。また、共通電極41の一部には、高圧供給部42が設けられ、適当な手段により高電圧が印加可能に構成されている。なお、高圧供給部42を別途設けるのではなく、共通電極41の一部を高圧供給部とすることも可能である。
この共通電極41は、有効部40の外側つまり周辺部40Bに配置され、各分割電極30の延出方向に対して直交する方向に延出されている。すなわち、共通電極41は、ストライプ状の分割電極30の一端部側に、各分割電極30と所定の間隔をおいてストライプ状に形成されている。共通電極41は、高い導電性を有する材料によって構成されている。
この共通電極41と分割電極30とを直接接続してしまうと、隣接する分割電極30が共通電極41を介して電気的に接続された状態となってしまうため、放電規模の抑制効果が無効になってしまう。そのため、各分割電極30は、接続抵抗43を介して共通電極41と電気的に接続されている。この接続抵抗43の抵抗値は、0.2MΩ以上5MΩの範囲に設定されることが望ましい。電気回路シミュレータを用いた検討によると、抵抗値が0.2MΩより小さい場合、放電が生じた際に放電電流が急増してしまい、抵抗値が5MΩより大きい場合、アノード電流を必要以上に抑制してしまい、輝度の低下が許容できなくなる。この抵抗値は、後述する電極間抵抗や輝度低下の許容量についての要求などを総合して決定される。
このような構造にすることで、分割電極30によるコンデンサ容量を分割した状態を保つ構成となっている。このため、前面基板11と背面基板12との間で発生する放電によるダメージは抑制される。
次に、背面基板12の構造についてより詳細に説明する。
すなわち、図2及び図5に示すように、背面基板12は、実質的に画像を表示する有効部40Aにおいて、画素の行方向に沿って延出された複数の走査線21A、及び、画素の列方向に沿って延出された複数の信号線21Bを備えている。有効部40Aを構成する各画素は、電子放出素子18を備えている。各画素の電子放出素子18は、走査線21A及び信号線21Bにより駆動される。
すなわち、図2及び図5に示すように、背面基板12は、実質的に画像を表示する有効部40Aにおいて、画素の行方向に沿って延出された複数の走査線21A、及び、画素の列方向に沿って延出された複数の信号線21Bを備えている。有効部40Aを構成する各画素は、電子放出素子18を備えている。各画素の電子放出素子18は、走査線21A及び信号線21Bにより駆動される。
また、背面基板12は、前面基板11と背面基板12との間で発生した放電による放電電流を検出する検出素子19A及び19Bを備えている。検出素子19A及び19Bは、この実施の形態では、有効部40Aの外側すなわち周辺部40Bに配置されている。すなわち、検出素子19Aは、周辺部40Bにおいて、走査線21Aと検出配線30Bとの交差部近傍に配置されている。これら検出素子19Aは、信号線21Bと平行に配列されている。また、検出素子19Bは、周辺部40Bにおいて、信号線21Bと検出配線30Aとの交差部近傍に配置されている。これら検出素子19Bは、走査線21Aと平行に配列されている。前面基板11は、これらの検出素子19A及び19Bに対向する領域に所定の薄膜50を備えている。この薄膜50を形成する材料は、必要な特性に合わせて適宜選択可能である。
なお、検出素子19A及び19Bは、必ずしも両方を設ける必要はなく、放電は走査線21A上に落ちることが多いことが実験結果から分かっているため、少なくとも検出素子19Aを配置すれば良いが、放電は信号線21B上に落ちることもあるので両方の検出素子19A及び19Bを配置することがより望ましい。
また、検出素子19A及び19Bは、放電電流を検出可能であれば特にその構造が限定されるものではなく、電子放出素子18と同一構造を有するように構成されても良い。この場合、電子放出素子18及び検出素子19A及び19Bを同一工程にて同時に形成することができ、製造コストを削減することが可能となるとともに、製造効率を向上することが可能となる。
ここでは、電子放出素子18と検出素子19Aとが同一構造を有する場合に、検出素子19Aにより放電を検出する方法について説明する。電子放出素子18は、10V付近の電位差から急激に電流が増加する特性を持っている。このような電子放出素子18の特性を考慮して、検出素子19Aに印加する電圧を設定することが望ましい。
すなわち、放電が落ちた時の走査線21Aの電位は、+電位へ数Vから数十Vへ急峻に上昇する。選択された走査線21上に放電が落ちる可能性は、圧倒的に少なく、ほとんどは非選択の走査線21Aに放電が落ちる。放電が落ちる直前の走査線21Aの電位は0Vであるから、放電が落ちた時は、必ず1V以上の電位上昇が起こる。
このことから、信号線21Bと平行に配置されている検出素子19Aに接続された検出配線30Bの電位を−10Vに設定しておけば、放電が起きた時、放電が落ちた走査線21Aと検出配線30Bとが交差している検出素子19には、11V以上の電位差が発生し、検出配線30Bに電流が流れることになる。この検出配線30Bに流れた電流は、放電が発生したことを知らせる信号となる(つまり検出素子19Aに放電電流が流れたこととなる)。
すなわち、検出配線30Bの端部は、電流検出器33に接続されている。この電流検出器33の出力をモニタすることにより、放電電流の検出つまり放電の発生を確実に検出することが可能となる。
放電は、必ず走査線21A上に落ちるとは限らず、信号線21B上に落ちることも有り得る。ここでは、電子放出素子18と検出素子19Bとが同一構造を有する場合に、検出素子19Bにより放電を検出する方法について説明する。検出素子19Aと同様に、電子放出素子18の特性を考慮して、検出素子19Bに印加する電圧を設定することが望ましい。
すなわち、走査線21Aと平行に配置されている検出素子19Bに接続された検出配線30Aに印加する電圧は、信号線21Bの印加電圧が+5Vとなっているので、通常駆動時に10V以上の電位差をかけない為に−5V程度までの印加となる。したがって、信号線21Bに放電が落ちた場合は、5V以上の電位上昇が起これば、放電が落ちた信号線21Bと検出配線30Aとが交差している検出素子19Bには、11V以上の電位差が発生し、検出配線30Aに電流が流れることになる。この検出配線30Aに流れた電流は、放電が発生したことを知らせる信号となる(つまり検出素子19Bに放電電流が流れたこととなる)。
すなわち、検出配線30Aの端部は、電流検出器33に接続されている。この電流検出器33の出力をモニタすることにより、放電電流の検出つまり放電の発生を確実に検出することが可能となる。
図3に示したように、メタルバック層20を分割して、接続抵抗43を介して共通電極41と接続し、高電圧を印加する技術においては、メタルバック層20と共通電極41との間の放電が問題となっている。これは、検出素子19を利用することで解決することができる。
すなわち、メタルバック層20と共通電極41との間の放電は、トリガとなる前面基板11と背面基板12との間の放電が起きてから早くても数百ns経過した後に起きている。このため、メタルバック層20と共通電極41との間の放電が起こる前に共通電極41の電位を降下させれば、放電を抑制することができる。
つまり、共通電極41には高電圧が印加されているのに対して、メタルバック層20と走査線21Aまたは信号線21Bとの間で放電が発生すると、メタルバック層20の電位は瞬間的に0Vとなり、共通電極41との間に大きな電位差が形成されてしまう。このため、共通電極41とメタルバック層20との間で放電が起こりやすい状態となる。
そこで、共通電極41の電位降下を起こさせるタイミングを決めるために検出素子19A及び19Bによる放電電流検出機能を利用する。つまり、電圧制御部60は、通常、高圧供給部42を介して共通電極41に比較的高電圧である第1電圧を供給する。電圧制御部60は、電流検出器33の出力をモニタし、検出素子19Aまたは19Bにより放電電流を検出したのに基づいて、走査線21A上または信号線21B上に放電が落ちたことを検知する。電圧制御部60は、メタルバック層20と走査線21Aまたは信号線21Bとの間で放電が発生したタイミングで、共通電極41への印加電圧を降下させる(つまり第1電圧より低い第2電圧を共通電極41に印加する)。これにより、メタルバック層20と共通電極41との間の電位差拡大を抑制することができ、これらの間の放電を抑制することができる。なお、検出素子19A及び19Bは、メタルバック層20と共通電極41との間の放電抑制に用いられるだけでなく、ほかにも用途はたくさんあると思われる。
なお、激しい放電が起きた時は、各検出配線上に配置された検出素子19A及び19Bは、過電圧によって破壊される可能性も有り得る。図5に示した例では、周辺部40bにおいて各走査線21A及び信号線21Bのそれぞれの端部に1個ずつの検出素子19を配列したが、スペースの許される限りつまり狭額縁化を妨げない範囲で同一配線上(同一検出配線上)のそれぞれの端部に複数個ずつ検出素子19を配列しても良い。これにより、1個の検出素子が破壊されたとしても同一配線上に接続された他の検出素子により確実に放電を検出することが可能となる。
上述した実施の形態では、これらの検出素子19A及び19Bは、前面基板11の高電圧が印加された領域(有効部40A内)に配置すると放電を検出した際、前面基板11への電流も発生してしまうことから、周辺部40Bに配置することが望ましいが、逆に前面基板11への電流を利用する用途がある場合は、有効部40A内に配置しても良い。
以上説明したように、この実施の形態に係る画像表示装置によれば、前面基板と背面基板との間で放電が生じた場合でもその際の放電規模を十分に抑制することができ、放電によるダメージを大幅に低減することができる。これにより、電子放出素子や画像表示面の破壊及び劣化、さらには、駆動回路系の破壊を防止することができ、信頼性を向上することが可能となる。
また、高いアノード電圧を印加することができるとともに、前面基板と背面基板との間のギャップを小さくすることが可能となり、輝度や解像度などの表示性能を向上することが可能となる。また、アノード電圧を高く設定することが可能であることから、蛍光体層の劣化を緩和し、製品の寿命を延ばすことが可能となる。さらに、追加の抵抗層を形成する必要がなく、コスト、量産性等の点で有利となる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、その実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
10…真空外囲器、11…前面基板、12…背面基板、15…蛍光体スクリーン、16…蛍光体層、17…黒色遮光層、18…電子放出素子、19A…検出素子、19B…検出素子、20…メタルバック層、21A…走査線、21B…信号線、30…分割電極、31A…検出配線、31B…検出配線、33…電流検出器、40A…有効部、40B…周辺部、60…電圧制御部
Claims (6)
- 蛍光体層及び遮光層を含む蛍光体スクリーンと、前記蛍光体スクリーンに重ねて設けられたメタルバック層と、を有する前面基板と、
前記前面基板に対向して配置されているとともに、前記蛍光体スクリーンに向けて電子を放出する電子放出素子が配置された背面基板と、を備えた画像表示装置であって、
前記前面基板と前記背面基板との間で発生した放電による放電電流を検出する検出素子を備えたことを特徴とする画像表示装置。 - 前記検出素子は、実質的に画像を表示する有効部の外側に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記検出素子は、前記電子放出素子と同一構造を有することを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 前記検出素子は、前記電子放出素子に電位を供給するための配線に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
- 同一配線上に複数の前記検出素子が接続されたことを特徴とする請求項4に記載の画像表示装置。
- 前記前面基板は、さらに、前記メタルバック層に電圧を印加するための共通電極を有し、
前記共通電極に第1電圧を供給するとともに、前記検出素子により放電電流を検出したのに基づいて前記第1電圧より低い第2電圧を前記共通電極に供給する電圧供給部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
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