JP2005293945A - プラズマ加熱装置およびノズル付き電極 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラズマ加熱処理可能な面積や深さを簡単に制御する。
【解決手段】プラズマ加熱装置1Aは、プラズマアークAa,Abを出力する先端に近いほど互いの距離が近接する向きに配置されている複数のノズル付き電極10A,10Bと、そのノズル付き電極の電極間またはノズル付き電極10Aまたは10Bの電極と被加熱物100との間に直流電圧を供給し、直流電流の経路となるプラズマアークAa,Abを出力させる直流電源8Aと、プラズマアークAa,Abの合流部付近にガスGを噴射し、当該プラズマアークAa,Abの被加熱物100への接触状態を制御する加熱部制御手段7,20とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、単数または複数のノズル付き電極から電子を含む高温ガス流であるプラズマアークを出力し、当該プラズマアークを被加熱物に接触させて加熱するプラズマ加熱装置、および、そのプラズマ加熱装置に好適に用いることが可能なノズル付き電極に関するものである。
プラズマ加熱を行うためのノズル付き電極としては、ノズル付き電極内部の電極間に電圧を印加して超高温度アークを発生させ被加熱物に対しては電子を殆ど含まない高温ガス流を噴射する非移行型のプラズマジェットと、ノズル付き電極内部の電極と被加熱物との間に電圧を印加して超高温度アークを発生させ、この超高温度アークを被加熱物の表面にまで移行させ(この移行後の超高温度アークを、以下、トーチプラズマアーク、または、単にプラズマアークという)により直接、被加熱物を加熱する移行型のノズル付き電極(プラズマトーチ)とに大別される。
移行型は被加熱物に電圧を印加する必要があることから導電性物質や高沸点物質の加熱に適しているが、電流が通しにくい非導電性物質の処理が苦手である。これに対し、非移行型は被加熱物が導電性であることを必要としないため非導電性物質の加熱も可能であるが、温度が低いことから高融点物質や無機物の処理が苦手である。
このようなプラズマ加熱のうち、とくにプラズマトーチから出力される移行型のトーチプラズマアークは、超高温熱源あるいは超高輝度放射源としての種々の用途がある。そして、一般には、複数のノズル付き電極を用いる場合が多い。たとえば導電性を有する溶融金属を加熱するために複数のノズル付き電極を用いる技術が知られている(特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の技術では、それぞれ棒状の金属電極を備える複数のノズル付き電極が、加熱対象物の離れた位置で、各先端部が所定間隔を隔てて加熱対象物に近接するように垂直状態に配置される。したがって電流が加熱対象物に流れ、そのジュール熱も加熱に寄与することから加熱効率は高い。ところが、加熱対象物が導電性の固体または流体に限定され、その点で用途が限定される。
これに対し、近年は超高温熱源として廃棄物処理などへの用途が注目され、そのために適した構成のプラズマ加熱装置が知られている(たとえば、特許文献2あるいは非特許文献1参照)。
産業廃棄物は無機物や有機物など導電性が異なる物質が混在することから、被加熱物の導電性に依存しないプラズマ加熱時の電流経路を確保する必要がある。そのため、複数のノズル付き電極を用い、かつ、正電極側のプラズマアークと負電極側のプラズマアークとを接触させ、プラズマアークを介する電流経路の形成が必要である。
特許文献2では、3本の電極棒(ノズル付き電極)を逆円錐状に配置し、各電極にはパルス波状の3相交流を通電しているが、ノズル付き電極の配置の詳細は示されていない。また、非特許文献1では、V字型プラズマアークが形成されるように2本のノズル付き電極を先端ほど互いの距離が近くなるように配置し、その一方に陽極側電圧を、他方に陰極側電圧を印加している。
このように複数のノズル付き電極を用いると、移行型でありながらプラズマ加熱時の電流経路を確保できる。そのため、被加熱物の導電性に依存しない高温度アークの生成が可能で、産業廃棄物などの様々な材質が混在している場合の加熱処理に適したプラズマ加熱装置を実現できる。このときのプラズマ加熱は移行型であることから極めて高い温度の処理が可能であり、埋め立てると周辺土壌に深刻な影響を与える重金属などの物質をスラグにすることにより閉じ込めて無害化できる。さらに、炉で焼却すると不完全燃焼によるダイオキシンなどの有害物質が発生しやすいが、プラズマ加熱ではダイオキシンなどの有害物質の無害化することが可能である。
特開2003−086351号公報 特開2001−047002号公報 "都市ゴミ焼却灰減容固化用溶融プラズマシステム"あるいは"医療廃棄物処理用加熱溶融プラズマシステム"、小池酸素株式会社、インターネット<URL:http://www.koikeox.co.jp/seihin/kankyo/kanetu.htm>
特許文献2に記載のプラズマ加熱装置では、交流電源により発生したプラズマアーク(以下、交流アークという)を用いている。しかし、交流アークでは、アークの発生、および、安定したアークの持続が困難である。このため、スタータとしての直流電源を別途設ける必要があり、装置規模やコストが増大するという欠点がある。
一方、非特許文献1に記載のプラズマ加熱装置では、直流電源により発生したプラズマアーク(以下、直流アークという)を用いることから、アークの発生および安定したアークの持続が容易である。
ところが従来のプラズマ加熱装置では、交流アーク、直流アークに限らず、プラズマアークを接触させて電流経路を確保する必要から、その接触点付近での加熱が基本となる。したがって、狭い領域にエネルギーが集中しやすいことから、処理面積が狭くなるという課題がある。つまり、このような複数のプラズマアークを1点に集中させて用いる場合は、ある程度大きな電流で高い温度まで加熱しやすいが、太いアークを得ようとして電流を上げると若干はアーク径を太くできるが、電流量を上げることだけでは処理のための高温領域の拡大に限度がある。また、大きな電流を流すための電源設備は高価でありコストが高くなる。このように、従来のプラズマ加熱装置は、設備コストを抑制しながら加熱面積を大きくすることが不可能である。
また、とくに従来のノズル付き電極は、電極の保護のために電極の先端以外をノズル枠体で覆った構造が採用されることが多く、その場合にアーク自体が細くなりがちである。さらに、いわゆるV字アークではプラズマアークの接触点付近での加熱を前提とすることから、加熱処理可能な深さ方向の距離も小さい。
本発明が解決しようとする課題は、直流電源により発生させた複数のプラズマアークを接触させて用いるタイプのプラズマ加熱装置において、その加熱処理可能な面積や深さを容易に大きくし、また、そのために適した構造のノズル付き電極を提供することにある。
本発明に係るプラズマ加熱装置は、単数または複数のノズル付き電極から電子を含む高温ガス流であるプラズマアークを出力し、当該プラズマアークを被加熱物に接触させて加熱するプラズマ加熱装置であって、複数のノズル付き電極の電極間またはノズル付き電極の電極と被加熱物との間に直流電圧を供給し、複数のノズル付き電極から直流電流の経路となるプラズマアークを出力させる直流電源と、前記プラズマアークにガスまたは高温ガス流を噴射し、当該プラズマアークの被加熱物への接触状態を制御する加熱部制御手段とを備える。
前記加熱部制御手段は、前記プラズマアークに高温ガス流を出力可能な加熱部制御用のノズル付き電極を含み、当該加熱部制御用のノズル付き電極からガスおよび/または高温ガス流を噴射することによってプラズマアークの被加熱物への接触状態を制御する構成が望ましい。
また、前記加熱部制御手段は、ガスを噴射可能なノズル付き電極またはノズルからなるガス噴射部と、当該ガス噴射部から加熱部制御用に噴射するガスの単位時間当たりの流量を制御する第1のガス流量制御部と、前記ノズル付き電極が、プラズマアークを出力する電極と当該電極の周囲にガスの通路となる隙間を形成するノズル枠体とを備えている場合に、当該ノズル付き電極から出力されるガスの単位時間当たりの流量を制御する第2のガス流量制御部と、を含む構成が望ましい。
このプラズマ加熱装置によれば、たとえば、複数のノズル付き電極のアーク出力端を互いに近接させた状態で、直流電源により、その少なくとも一つに陽極側電圧を印加し、その少なくとも一つに陰極側電圧を印加する。あるいは、ノズル付き電極と非加熱物の一方に陽極側電圧を印加し、他方に陰極側電圧を印加する。これによりプラズマアークが発生する。このプラズマアークに接触するように被加熱物の処理したい部分を近づけるのが今までの加熱方法であるが、本発明では、加熱部制御手段からガスまたは高温ガス流をプラズマアークに噴射する。本発明で「ガス」とは通常の非活性または活性のガスのことであり、「高温ガス流」とは、電子を含む超高温ガス流であるプラズマアーク、または、殆ど電子を含まない高温ガス流のことである。このときガスや高温ガス流の噴射範囲、流速あるいは噴射方向などに応じてプラズマアークの被加熱物への接触面積が大きくなる。また、噴射するガスなどの流速をある程度大きくすると、たとえば段差による深さのある形状の被加熱物の段差の表面部だけでなく底部も加熱される。
本発明に係るノズル付き電極は、プラズマアークを出力し、当該プラズマアークを被加熱物に接触させて加熱するノズル付き電極であって、プラズマアークを出力する電極と、当該電極の周囲にガスの通路となる隙間を形成するノズル枠体と、電極の先端がノズル枠体の端面より内側の位置から外側の位置まで軸方向にスライド可能な電極のスライド機構とを備える。
このノズル付き電極は、電極の先端がノズル枠体の端面より内側の位置から外側の位置まで軸方向にスライド可能な電極のスライド機構を備えることから、ガスの噴射口が広く、そこから多量のガスが一度に安定して噴射される。
本発明に係るプラズマ加熱装置によれば、加熱部制御手段を有していることから、そのガスの噴射範囲や流速などに応じてプラズマアークの被加熱物への接触面積を制御できる。また、被加熱物の表面から深い位置まで加熱が可能となる、さらには被加熱物が導電性物質からなる場合、ガスの噴射によってプラズマアークを分断して異なる箇所で被加熱物に接触させ、その結果、ジュール加熱効果が加わった効率が高いプラズマ加熱も可能となる。
このように、本装置によれば、被加熱物が導電性物質か非導電性物質かを問わず、その大きさや形状に応じて柔軟にプラズマアークの接触部を制御できるという効果が得られる。
また、本発明に係るノズル付き電極によれば、多量のガスを一度に安定して噴射できる形状であることから、加熱部制御用に用いるガスまたは高温ガス流の噴射部を、このノズル付き電極により実現できるという利点がある。このときプラズマアークと称される電子を含む超高温ガス流、あるいは、電子を殆ど含まない高温ガス流の出力が可能であり、この点でもプラズマの径の拡大に寄与できる。
また、ノズル枠体の径より小さい径の電極がノズル枠体の端面の内側の位置から外側の位置までスライド可能であることから、電極の先端同士を極限まで近づけ、電極同士を接触させ、あるいは、各電極が被加熱物に接触した状態でプラズマの発生を開始させることができるという利点がある。このため、プラズマアーク生成の開始が容易であるという効果が得られる。
本発明のプラズマ加熱装置は、複数のノズル付き電極の電極間またはノズル付き電極の電極と被加熱物との間に直流電圧を供給し、ノズル付き電極から直流電流の経路となるプラズマアークを出力させる直流電源と、当該プラズマアークにガスまたは高温ガス流を噴射し、当該プラズマアークの被加熱物への接触状態を制御する加熱部制御手段とを備えることを特徴とする。この加熱部制御手段は、好適に、ガス噴射部と、ガス流量制御部とを備える。
以下、被加熱部にも電圧を印加する場合にノズル付き電極は少なくとも1本で足りるが、ここでは、ノズル付き電極を2本組で用いるツイントーチプラズマアークを出力する2つのノズル付き電極をベースとして、その2つのノズル付き電極から出力されるツイントーチプラズマアークにガスを噴射する加熱部制御用のノズル付き電極を付加した3プラズマトーチ構成を主な例として、本発明の実施の形態を説明する。なお、加熱部制御用のノズル付き電極は、プラズマアークを出力する移行型のプラズマトーチ、プラズマアークと異なり電子を殆ど含まない高温ガス流を出力する非移行型のプラズマジェットの何れでもよい。この加熱部制御用のノズル付き電極に代えて、プラズマトーチとしての機能を備えていない通常のノズルを設けることもできる。本発明の“ガス噴射部”は、このノズルおよび加熱部制御用のノズル付き電極の総称である。また、後述するように3プラズマトーチ構成を複数設けることがきる。本実施の形態では、3プラズマトーチ構成を2つ設ける場合までを説明するが、3より多い数のノズル付き電極を有するマルチプラズマトーチ構成でもよい。
[第1の実施例]
図1(A)は、第1の実施例に係るプラズマ加熱装置の構成図である。また、図1(B)は、プラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。なお、図1(B)は、被加熱物の処理面に対して斜めの位置からプラズマアークを発生させているが、その角度は任意である。処理後のガス流を電極から遠ざけて当該ガス流の電極への影響を低減するという意味では、このような斜めからのプラズマアーク処理が望ましい。ただし、そのような電極への影響を考慮する必要がない場合は、被加熱物の処理面に対して垂直にプラズマアークを当てることも可能である。
図1(A)に示すプラズマ加熱装置1Aは、ロータリーポンプ2により内部が真空引きされるチャンバー3と、チャンバー3を支えるベース4とを備える。なお、とくに図示を省略しているが、チャンバー3内に所定の雰囲気ガスを導入し、処理時に発生するガスを排気して無害化する設備がチャンバー3に設けられている。
チャンバー3内に、被加熱物100を支持し、加熱後の溶湯およびスラグを集める、たとえば銅製の坩堝5が設けられている。被加熱物100に電圧を印加可能な電極6が坩堝5に接続され、チャンバー3外部に引き出されているが、この構成は、被加熱物100に電圧を印加する必要がない場合は省略可能である。また、とくに斜めからのプラズマアーク処理を行う場合に好適な機構として、プラズマアーク処理が被加熱物100に均一に行われるように坩堝5を自転させる機構を設けてもよい。
被加熱物100の処理面の上方に、2つの移行型のノズル付き電極10Aと10Bが設けられている。2つのノズル付き電極10Aと10Bは、それらのプラズマアークの出力端に近いほど互いの距離が近接する向きに配置されている。ノズル付き電極10Aと10Bのそれぞれは、詳細は後述するが、電極と、電極の周囲にガスの通路となる隙間を形成するノズル枠体とを備えている。電極からプラズマアークが出力されるときに、この隙間に不活性ガス(保護ガス)を流すと、電極とチャンバー内雰囲気とが隔離され、チャンバー内に活性ガスが存在している場合でも、その活性ガスによる電極の損耗を有効に防止できる。保護ガスとしては、たとえば、アルゴンAr、または、ヘリウムHeなどを用いる。ただし、電極材料によって、その保護の必要がない場合は、保護ガスを流すための構成は省略可能であり、また、保護ガス(不活性ガス)に代えて、加熱処理を促進する活性ガスを流すようにすることもできる。ここでは、2つのノズル付き電極10Aと10Bはどちらも、何らかのガスを電極周囲から出力可能な構成を備えている。
なお、プラズマアークの角度を変えるために、ノズル付き電極10Aと10B、坩堝5の少なくとも一方を傾ける機構を設けてもよい。
2つのノズル付き電極10Aと10Bとからそれぞれ出力されるプラズマアークの合流部付近にガスを噴射するノズル20が設けられている。このノズル20は、ノズル付き電極の機能、すなわち電子を含む超高温ガス流(プラズマアーク)を出力する移行型のプラズマトーチの機能、あるいは、電子を殆ど含まない高温ガス流を出力する非移行型のプラズマジェットの機能を有していてもよいが、第1の実施例では通常のガスを出力するガス噴射部としての機能のみで十分である。したがって、ノズル20からは噴射ガス流Gが出力される。なお、噴射ガス流Gは活性ガス、非活性のガスのどちらでもよいが、ノズル20が高温ガス流を出力可能な構成を有しているが、その電極に電圧が印加されていない場合は、電極保護のために保護ガス(非活性ガス)を出力させることが望ましい。なお、ノズル20の位置およびガス噴射角度は固定でもよいし、可変ででもよい。
ノズル20および2つのノズル付き電極10Aと10Bのそれぞれに、それぞれに必要なガスを必要な流量で供給するガス供給部7が設けられている。ガス供給部7は、ノズル付き電極10Aと10B、およびノズル20のそれぞれに供給するガスの流量を調整するガス流量制御部7a,7bおよび7cを備える。ガス流量制御部7cが本発明の“第1のガス流量制御部”の一実施態様を構成し、ガス流量制御部7aと7bが本発明の“第2のガス流量制御部”の一実施態様を構成する。
また、2つのノズル付き電極10Aと10B間に直流電圧を印加する直流源(DC Power supply)8Aが設けられている。ここでは、ノズル付き電極10Aに陰極(−)が接続され、ノズル付き電極10Bに陽極(+)が接続されている。なお、ノズル付き電極10Aと10Bの直流電源8Aの陽極と陰極に対する接続関係を入れ替えることも可能である。
この2つのノズル付き電極10Aと10Bに直流電圧が印加されることによって、ノズル付き電極10AからはプラズマアークAaが出力され、ノズル付き電極10BからプラズマアークAbが出力され、2つプラズマアークAaとAbが接触することで電流経路を構成する。そのため、被加熱物100の導電性を問わずに安定したプラズマアークの発生を実現できる。
このとき、ノズル20から流量が可変なガス(噴射ガス流G)が、2つのプラズマアークAaとAbの合流部付近に噴射される。
図2(A)に、この噴射ガス流Gの流速Fuを変更可能な本実施例の場合のプラズマアーク中心軸の基本形状を模式的に示す。また、図2(B)に比較例としてガス噴射を行わない場合(流速Fu=0)のプラズマアーク中心軸の基本形状を模式的に示す。
ガス噴射を行わない図2(B)の場合、2つのプラズマアークAaとAbとの合流部P付近での加熱処理を前提とし、このため、いわゆるV字アークと称される。
これに対し、図2(A)に示すように、本例ではガス流速Fuをゼロより大きく、最大流速Fu(max)以下の範囲で調整できる。したがって、プラズマアークAaとAbとの合流点がP0(破線)からPmax(実線)の範囲で変化する。なお、図示する実線と破線は、電子が存在しジュール加熱により超高温となるガス流(プラズマアーク)の中心線を示すが、実際のプラズマアークは太く長いことから、2本のプラズマアークがある程度近接する領域には、プラズマアークの周囲に電子は少ないが加熱された高温ガス流が存在する。したがって、プラズマアークの接触面積や位置、さらには、加熱された高温ガス流の接触面積の位置を被加熱物の処理したい部分に対しどのように設定するかに応じて加熱効率が変化する。本例では、被加熱物100の位置が固定の場合に、ガス流速Fuを変化させると、プラズマアークの接触面積や位置、その周囲の高温ガス流の接触面積や位置が変化する。これにより加熱状態が制御されるが、一般にガス流量を上げると、プラズマアークおよび高温ガス流の被加熱物100への接触面積が増えて入力可能なエネルギーも増加する。
図2(A)は、2つのノズル付き電極10A,10Bのそれぞれから吹き付けられるArまたはHeからなる保護ガス流Ga,Gbの流量Fa,Fbがほぼ同じ場合にも適用できる。ただし、2つのノズル付き電極10A,10Bからのガス流量を意図的に変えて、これによりプラズマアークの被加熱物への接触状態を変化させることもできる。
図3(A)は、ノズル付き電極10AからプラズマアークAaとともに出力される保護ガス流Gaの流速Faを、ノズル付き電極10BからプラズマアークAbとともに出力される保護ガス流Gbの流速Fbより十分大きくした場合の、プラズマアーク中心軸の基本形状を模式的に示す図である。
この場合、図2(B)の場合に比較して、プラズマアークの被加熱物への接触状態が変化する。このことから、この保護ガス流の流量比を制御する図1(A)に示すガス流量制御部7aと7bが、本発明の“加熱部制御手段”の一実施態様を構成する。さらに、ノズル20からの噴射ガス流量を制御する場合、ガス流量制御部7a〜7cが、本発明の“加熱部制御手段”の一実施態様を構成する。
なお、同じようにプラズマアークを斜めに変化させるためには、図3(B)に示すように、噴射ガス流Gを斜めから当てるようにしてもよい。
また、プラズマアークの被加熱物への接触状態を変化させるという意味では、被加熱物をプラズマアークに対して斜めにチルトさせる機構も採用できる。そのような機構は、ガス流量制御部7aと7b、あるいは、ガス流量制御部7a〜7cとともに、本発明の“加熱部制御手段”の一実施態様を構成する。
図4は、入力電流を一定とした場合に、ノズル20により真上からガスを吹き付ける流速(Gas flow rate)Fuを変化させたときの入力電圧値を測定し、グラフ化したものである。
このグラフから、ガス流速Fuを増大すると入力可能なエネルギーも増大していることが分かる。その結果、ガスの噴射によって加熱効率が向上するという効果が得られる。
前述したように、ノズル20から噴射するガスの種類は、アルゴンAr、ヘリウムHeなどの不活性ガスのほかに、たとえば酸素O、窒素N、あるいはアルゴンと窒素の混合ガス(Ar+N)などの活性ガスであってもよい。ノズル20から活性ガスを噴射すると、その化学反応により被加熱物の処理が促進されるという利点がある。とくに窒素を入れると熱伝導率が大きくなり、化学反応が起きやすくなる。一方、ノズルから不活性ガスを噴射する場合は、電極の損耗への影響が小さく、その意味では好ましい。ガスの種類は、そのような利点を考慮して適宜決定される。
また、ノズル20からガスを噴射すると、アーク接触状態の制御のほかに、いわゆるY字型のアーク形状が得やすいことから、処理面から発生する有害ガスを無害化するという意味でも好ましい作用がある。つまり、いわゆるV字型のアーク形状では、処理面から発生したガスがプラズマアークによって無害化される機会は少ないが、いわゆるY字型アーク形状の場合、相対的に、処理面から発生したガスがプラズマアークによって無害化される機会が増える。
なお、このような処理後のガスの無害化処理の効率を上げるために適した位置に、ガスの吸引口を設けるような変更も可能である。
また、Y字型のアークでは、被加熱物100の表面より深い箇所の加熱効率が高まり、段差のある物体の加熱が容易となる。
以下、本発明の実施の形態に係るプラズマ加熱装置の他の実施例を説明する。これらの実施例の説明では、先に説明した他の実施例と共通する構成は、同一符号を付して、その説明を省略する。
[第2の実施例]
図5(A)は、第2の実施例に係るプラズマ加熱装置1Bの構成図である。また、図5(B)は、プラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。なお、図5(B)は、被加熱物の処理面に対して斜めの位置からプラズマアークを発生させているが、その角度は任意であり、被加熱物の処理面に対して垂直にプラズマアークを当てることが可能である。
第2の実施例の第1の実施例(図1参照)に対する第1の相違点は、ノズル20に代えて加熱部制御用の第3のノズル付き電極11を備えることである。この加熱部制御用のノズル付き電極11は、他の2つのノズル付き電極10Aと10Bと同様、電極とノズル枠体を備え、その隙間から噴射ガス流Guが出力可能な構成を有する。ここで噴射ガス流Guは、第1の実施例で述べた通常のガスからなる噴射ガス流Gを含み、さらに、電子を含む移行型の超高温ガス流(プラズマアーク)、電子を殆ど含まない非移行型の高温ガス流を含む広い概念である。この噴射ガス流Guの定義は、後述する第3〜第8の実施例にも適用される。
第2の実施例の第1の実施例に対する第2の相違点は、直流電源8Bが、2つのノズル付き電極10Aおよび10Bの各電極と、加熱部制御用のノズル付き電極11の電極との間に接続されていることである。ここでは、直流電源8Bの陽極(+)を2つのノズル付き電極10Aと10Bに共通に接続し、その陰極(−)を加熱部制御用のノズル付き電極11に接続している。
なお、第1の実施例と同様、陽極と陰極の接続関係を図5(A)および図5(B)の場合と入れ替えることが可能である。ただし、プラズマアークでは、陰極の電極に比べ陽極の電極が損耗しやすいことから、陽極側の電流を分流することができるという理由により、図5(A)および図5(B)に示すように、陽極数を陰極数より増やすほうが望ましい。このようにすると、1つの陽極側電極に流れる電流が分流数に比例して小さくなり、損耗しにくくなるという利点が得られる。
このような構成のプラズマ加熱装置1Bにおいて、図5(B)に示すように、陽極側の2つのプラズマアークAaおよびAbと、加熱部制御用のノズル付き電極11から出力される陰極側のプラズマアークAuとにより電流経路が形成される。このため、プラズマアークの径自体が第1の実施例より太くなる。また、高温領域が保たれやすくなり、プラズマアークの解離や電離を加速させ、安定したY字アークが発生する。
これに加え、第1の実施例と同様に、噴射ガス流Guの流速Fu(および/または保護ガス流Ga,Gbの流速Fa,Fbの比)により、被加熱物へのアーク接触状態を制御する。このときプラズマアークが太い分、アーク接触面積を増大させて、より効率が高い加熱処理を実行することができる。
[第3の実施例]
図6(A)は、第3の実施例に係るプラズマ加熱装置1Cの構成図である。また、図6(B)は、プラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。なお、図6(B)は、被加熱物の処理面に対して斜めの位置からプラズマアークを発生させているが、その角度は任意であり、被加熱物の処理面に対して垂直にプラズマアークを当てることも可能である。
第3の実施例の第2の実施例(図5参照)に対する相違点は、加熱部制御用の第3のノズル付き電極11の電位を基準に、2つのノズル付き電極10Aと10Bに独立に直流電圧を印加する2つの直流電源8Cと8Dを備えることである。直流電源8Cの陽極(+)をノズル付き電極10Bに接続し、直流電源8Dの陽極(+)をノズル付き電極10Aに接続し、2つの直流電源8C,8Dの陰極(−)を加熱部制御用のノズル付き電極11に共通に接続している。なお、加熱部制御用のノズル付き電極11は、第2の実施例の場合と同様、電極とノズル枠体を備え、その隙間から噴射ガス流Guが出力可能な構成を有する。
このような構成のプラズマ加熱装置1Cにおいて、図6(B)に示すように、陽極側の2つのプラズマアークAaおよびAbと、加熱部制御用のノズル付き電極11から出力される陰極側のプラズマアークAuとにより電流経路が形成される。その結果、第2の実施例と同様、プラズマアークが太い分、アーク接触面積が大きく、より効率が高い加熱処理を実行することができるという利点がある。
さらに、第3の実施例では、2つの直流電源8Cと8Dを有することから、電圧印加の自由度が高く、その分、よりアーク接触状態の制御性が向上するという利点がある。
[第4の実施例]
図7(A)は、第4の実施例に係るプラズマ加熱装置1Dの構成図である。また、図7(B)は、プラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。なお、図7(B)は、被加熱物の処理面に対して斜めの位置からプラズマアークを発生させているが、その角度は任意であり、被加熱物の処理面に対して垂直にプラズマアークを当てることが可能である。
第4の実施例の第1の実施例(図1参照)に対する第1の相違点は、ノズル20に代えて加熱部制御用の第3のノズル付き電極11を備えることである。
また、第2の相違点は、直流電源8B以外の直流電源として、加熱部制御用のノズル付き電極11と坩堝5および被加熱物100との間に直流電圧を印加する直流電源8Eを備えることである。ここでは、直流電源8Eの陽極(+)を坩堝5および被加熱物100に接続し、その陰極(−)を加熱部制御用のノズル付き電極11に接続している。
このように被加熱物100に電圧を印加する構成では、被加熱物100がある程度高い導電性を有することが望ましい。ただし、導電性が低い場合でも、その電圧印加がアーク状態を多少とも安定させることに寄与するので、この加熱方法を有機物などの非導電性物質の加熱に適用することを排除するものではない。被加熱物100が導電性物質の場合、2つの直流電源8Aと8Eのそれぞれ、または、少なくとも一方で、陽極と陰極の接続関係を入れ替えることができる。また、被加熱物100が非導電性物質の場合、2つの直流電源8Aと8Eの双方で、陽極と陰極の接続関係を入れ替えることができる。
このような構成のプラズマ加熱装置1Bにおいて、図7(B)に示すように、2つのプラズマアークAaとAbの間、並びに、加熱部制御用のノズル付き電極11と被加熱物100との間に電流経路が形成される。その結果、第2,第3の実施例と同様、プラズマアークが太い分、アーク接触面積が大きく、より効率が高い加熱処理を実行することができるという利点がある。
さらに、第4の実施例では、2つの直流電源8Bと8Eを有することから、第3の実施例と同様に、電圧印加の自由度が高く、その分、よりアーク接触状態の制御性が向上するという利点がある。また、被加熱物100が電位的に固定可能であることからプラズマアークが安定するという利点がある。
[第5の実施例]
図8(A)は、第5の実施例に係るプラズマ加熱装置1Eの構成図である。また、図8(B)は、プラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。なお、図8(B)は、被加熱物の処理面に対して斜めの位置からプラズマアークを発生させているが、その角度は任意であり、被加熱物の処理面に対して垂直にプラズマアークを当てることが可能である。
第5の実施例の第4の実施例(図7参照)に対する相違点は、ノズル付き電極10Bに直流電圧を印加する直流電源8Aのほかに、ノズル付き電極10Aに直流電圧を印加する直流電源8Cを備えることである。直流電源8Aの陽極(+)をノズル付き電極10Bに接続し、直流電源8Cの陽極(+)をノズル付き電極10Aに接続し、2つの直流電源8A,8Cの陰極(−)を共通に接続している。第5の実施例は、この点で図6に示す第3の実施例と共通する。本実施例が第3の実施例と異なる点は、直流電源8A,8Cの陰極(−)を加熱部制御用のノズル付き電極11に接続しないで、第4の実施例の場合と同様、加熱部制御用のノズル付き電極11と坩堝5および被加熱物100との間に直流電圧を印加する直流電源8Eを備えることである。このようにすると、非導電物内に導電物が混在している場合でも、導電物に電流が流れやすくなることから、その確実な加熱処理が可能となる。
このような構成のプラズマ加熱装置1Eにおいて、図8(B)に示すように、陽極側のプラズマアークAaと加熱部制御用のノズル付き電極11から出力される陰極側のプラズマアークAuとの間、陽極側のプラズマアークAbと陰極側のプラズマアークAuとの間、さらには、加熱部制御用のノズル付き電極11と被加熱物100との間に電流経路が形成される。その結果、第2〜第4の実施例と同様、プラズマアークが太い分、アーク接触面積が大きく、より効率が高い加熱処理を実行することができるという利点がある。
さらに、第5の実施例では、3つの直流電源8A,8Cおよび8Eを有することから、第4の実施例よりさらに電圧印加の自由度が高く、その分、よりアーク接触状態の制御性が向上するという利点がある。また、被加熱物100が電位的に固定可能であることからプラズマアークが安定するという利点がある。
[第6〜第8の実施例]
前述した第1の実施例ではノズル20と2本のノズル付き電極10Aおよび10Bとを有し、上述した第2〜第5の実施例では3本のノズル付き電極10A,10Bおよび11を有するが、本実施の形態では、この3つの構成を1つの組として、当該組を複数設けることができる。この組の数に限定はないが、ここでは2組設けることを前提とした3つの実施例を述べる。
図9(A)〜図9(C)は、この3つの実施例において、プラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。なお、ここでは、第1の実施例の場合の3つの構成、すなわちノズル20と2本のノズル付き電極10Aおよび10Bとを1つの組として、これを2組備える場合を例示するが、ノズル20は加熱部制御用のノズル付き電極11により代替可能である。その場合、第2〜第5の実施例で述べた電圧印加方法が、任意に適用可能である。また、上述した実施例で述べた変更は全て適用可能である。
図9(A)に示す第6の実施例では、それぞれノズル20と2本のノズル付き電極10Aおよび10Bからなる組から出力されるプラズマアークを、被加熱物100の処理面に対して、それぞれ所定の角度で出力させ、これにより非常に広範な範囲でのプラズマ加熱処理を実現している。このとき、このプラズマアークの入射角度を変え、あるいは、噴射ガス流Guの流量、保護ガス流Gaの流量、保護ガス流Gbの流量の何れか1つまたは任意の組み合わせで複数の流量を制御することにより、被加熱物100に対するアーク接触状態を制御する。
図9(B)に示す第7の実施例では、さらに被加熱物100にも電圧、ここでは陽極の電圧を印加している。これにより、第6の実施例と同様、非常に広範な範囲でのプラズマ加熱処理が可能であるとともに、アークが安定するという利点が得られる。
図9(C)に示す第8の実施例では、たとえば中央に、加熱部制御用のプラズマアークを出力するノズル付き電極12を設け、これを陰極とした電圧印加を行う。このときノズル付き電極12から出力する噴射ガス流Gucを制御すると、さらに制御パラメータが1つ増えることになり、より広範な範囲でのプラズマ加熱処理が可能となるという利益が得られる。ここで噴射ガス流Gucは、第1の実施例で述べた通常のガスからなる噴射ガス流Gを含み、さらに、電子を含む移行型の超高温ガス流(プラズマアーク)、電子を殆ど含まない非移行型の高温ガス流を含む広い概念である。
以上述べてきた第1〜第8の実施例では、被加熱物100の加熱面積を制御できる、非加熱物の深い部分の加熱も可能である、被加熱物100の処理面から発生する有害ガスを無害化する機会が増えるなどの数々の利点があるほかに、直流電源は交流電源に比べ小型化が容易で、電力消費も少なくてすむ、さらにはアーク放電のスタートも容易である。
被加熱物100として産業廃棄物を処理する場合に、本発明の第1〜第8の実施例で述べたプラズマ加熱装置は、とくに医療産業廃棄物などのように雑固体廃棄物を処理するのに適している。医療産業廃棄物は、たとえば針などの導電物、たとえば、おむつ、プラスチック、ウイルスあるいは血液などの有機物、セラミックなどの様々な非導電物が混在する。そのような場合でも、導電物に適した加熱や、非導電物に適した加熱が有効かつ柔軟に行えるという利点がある。たとえば、図7のように、被加熱物100表面が非導電性物の場合は、2つのノズル付き電極10Aと10BからのプラズマアークAaとAbが電流経路となって、表面の非導電性物を溶かし、導電性物質が表面に現れると、その導電性物質を電流経路とするプラズマアークAuが機能してさらに加熱が進むことから、表面に現れる加熱対象の導電性に応じて効率がよい加熱を段階的に行うことができる。なお、表面に現れる加熱対象物の種類に応じて電源を切り換える制御も可能である。
つぎに、上述した第1〜第8の実施例で採用可能なノズル付き電極の構造を説明する。
図10(A)と図10(B)は、本実施の形態で採用可能なノズル付き電極の構造図である。この構造は、2つのノズル付き電極10Aと10B、加熱部制御用のプラズマアーク11または12のいずれに対しても任意に適用できる。
図10(A)に示すアーク構造は、熱伝導率が高い材料、たとえば銅からなる台座30に、たとえばハフニウム、ハフニウム合金、タングステンまたはタングステン合金からなる電極31が取り付けられた電極構造を有する。台座30には水冷用の水循環路が形成され、電極31の温度を冷やして損耗を防いでいる(間接冷却)。また、電極31に水循環路を設けることもできる(直接冷却)。電極構造の周囲に隙間をおいてノズル枠体32が形成され、これにより保護ガスまたは噴射ガス(以下、作動ガスと総称する)の通路が確保されている。ノズル本体32の先端部分は、アーク出力部分を残して閉じられており、これにより、雰囲気ガスが活性である場合に、その活性ガスによる電極の損耗を防いでいる。また、直流電流を流すことから安定したプラズマアークが生成される。このため図10(A)に示す電極構造をノズル閉鎖型と称する。なお、ノズル枠体32も間接冷却体として水循環路を備えてもよいし、そうでなくともよい。
これに対し、図10(B)に示す電極構造をノズル開放型と称する。
ノズル開放型電極構造では、ノズル枠体33の先端が開放された筒状になっている。このためタングステンまたはタングステン合金からなる棒状の電極34を、ノズル枠体33の開放端から外側に突出させて形成し、あるいは、棒状の電極34の先端をノズル枠体33内部空間から、外側の任意の長さまでスライド可能に構成することができる。この構成は、雰囲気ガスが活性でない場合に好適であるが、雰囲気ガスが活性の場合でも、電極34の長さを予め十分長く形成しておき、その先端が損耗すると、その分だけ電極34を外側にスライドさせて長期の使用に耐えられるようにできる。また、アーク発生後は、電極34の先端をノズル枠体34の内側に引っ込めて、電極34を保護することができる。さらに、作動ガスの圧力を下げて真空アークによる電極34のセルフクリーニングもできるなどの利点がある。
なお、ノズル枠体33の先端部分33Aは高沸点あるいは高抵抗の材料、たとえば炭素から形成され、これにより、この部分での不要なアーク放電を防止し、電極34が無駄に損耗し、さらにノズル枠体33やその先端部分33Aが損耗することを抑止している。また、この場合も、電極34を直接冷却する構成、ノズル枠体33や電極34に接触した不図示の部材を冷却して電極を間接的に冷却する構成のいずれか、または、両方の採用が可能である。
ノズル開放型電極構造では電極34を外側に突出させた状態で電極34同士を接触させた状態、あるいは、この電極34を被加熱物100に直接接触した状態からプラズマアークの発生を開始させる接触アークスタートが可能である。また、電極34をスライドさせて、その先端同士を極力近づけた状態でパイロットアークを発生させ、このパイロットアークに基づいてプラズマアークを発生させることが可能である。そのため、交流電源型の場合に比べてプラズマアークの発生が容易である。なお、接触アークスタートでない場合でも、本発明では直流電源を用いていることから、インダクタを電極と電源との間に接続させると、より安定したプラズマアークを発生させることができる。
ところで、電極34を、タングステンを含む材料から構成すると、そのタングステンの組成率が低くても、比較的低温で莫大な紫外線や赤外線が出る。ノズル開放型電極構造では、この電極部34が長く、その周囲に作動ガスが均一に流れる。このため、電極34からの紫外線発光、赤外線発光および、タングステン蒸気による紫外線放射が可能である。とくに、作動ガスに窒素やヘリウムといったガスを混合させると、タングステン蒸気の放射量を増大させることができる。
紫外線は殺菌効果があるため、たとえば医療用廃棄物の処理時に殺菌を行うことができるという利点がある。また、赤外線により被加熱物を加熱する効果が得られ、加熱効率が高まるという利点がある。このため電極34にタングステンを含む材料から構成することが、より望ましい。これらのノズル付き電極構造、紫外線や赤外線を利用するための電極材料の選択は、前述した第1〜第8の実施例のいずれにおいても適用できる。
前述した噴射ガス流の定義から明らかであるが、第1〜第8の実施例では、この電極構造の変更のほかに、噴射ガス流Gu,Gucを出力する加熱部制御用のノズル付き電極11,12を、非移行型に変更することができる。
非移行型のノズル付き電極(プラズマジェット)では、たとえば図10(A)に示すノズル閉鎖型の場合、ノズル32を電極材料から形成し、このノズルを陽極、電極31を陰極とする高温アーク放電がノズル内部で発生し、電子が殆ど存在しない高温ガス流が作動ガスとともにノズル先端の開放部から出力される。このプラズマジェットからの高温ガス流により、ノズル付き電極10A,10Bが出力するプラズマアークAa,Abの高温領域を保つと同時に、その解離や電離を加速させ、安定したY字アークを発生させる効果が得られる。なお、この場合でも作動ガスによる被加熱物100に対するアーク接触状態の制御効果は、上述した実施例と変わらない。
また、各直流電源8A〜8E内部または外部に、これらの電源の陽極、陰極の双方と、それに接続すべき各ノズル付き電極との間にインダクタを接続させてもよい。これにより、過渡的電流の増減(急激な電流値の変動)を抑え、安定したプラズマアークの発生が可能となる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
(A)は第1の実施例に係るプラズマ加熱装置の構成図、(B)はプラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。 (A)は実施例におけるプラズマアーク中心軸の基本形状を模式的に示す図、(B)は比較例としてガス噴射を行わない場合におけるプラズマアーク中心軸の基本形状を模式的に示す図である。 (A)は片側の保護ガス流の流速を相対的に大きくした場合の、プラズマアーク中心軸の基本形状を模式的に示す図である。(B)は、噴射ガス流を斜めに当てた場合の、プラズマアーク中心軸の基本形状を模式的に示す図である。 図4は、入力電流を一定とした場合に、噴射ガスの流量と入力電圧値の関係を示すグラフである。 (A)は第2の実施例に係るプラズマ加熱装置の構成図、(B)はプラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。 (A)は第3の実施例に係るプラズマ加熱装置の構成図、(B)はプラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。 (A)は第4の実施例に係るプラズマ加熱装置の構成図、(B)はプラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。 (A)は第5の実施例に係るプラズマ加熱装置の構成図、(B)はプラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図である。 (A)は第6実施例におけるプラズマアークの発生状態および電圧関係を示す模式図、(B)は第7実施例における同模式図、(C)は第8実施例における同模式図である。 (A)と(B)は、第1〜第8実施例で採用可能なノズル付き電極の構造図である。
符号の説明
1A〜1E…プラズマ加熱装置、3…チャンバー、5…坩堝、6…被加熱物への電圧印加のための電極、7…ガス供給部、7a〜7c…ガス流量制御部、8A〜8E…直流電源、10A,10B…ノズル付き電極、11,12…加熱部制御用のノズル付き電極、20…加熱部制御用のノズル、31,34…電極、32,33…ノズル枠体、Aa,Ab,Au…プラズマアーク、G,Gu,Guc…噴射ガス流、Ga,Gb…保護ガス流

Claims (9)

  1. 単数または複数のノズル付き電極から電子を含む高温ガス流であるプラズマアークを出力し、当該プラズマアークを被加熱物に接触させて加熱するプラズマ加熱装置であって、
    複数のノズル付き電極の電極間またはノズル付き電極の電極と被加熱物との間に直流電圧を供給し、ノズル付き電極から直流電流の経路となる前記プラズマアークを出力させる直流電源と、
    前記プラズマアークにガスまたは高温ガス流を噴射し、当該プラズマアークの被加熱物への接触状態を制御する加熱部制御手段と
    を備えるプラズマ加熱装置。
  2. 前記加熱部制御手段は、前記プラズマアークに高温ガス流を出力可能な加熱部制御用のノズル付き電極を含み、当該加熱部制御用のノズル付き電極からガスおよび/または高温ガス流を噴射することによってプラズマアークの被加熱物への接触状態を制御する
    請求項1に記載のプラズマ加熱装置。
  3. プラズマアークを出力する先端に近いほど互いの距離が近接する向きに配置されている複数のノズル付き電極と、前記加熱部制御用のノズル付き電極とを1つの組として、当該組が複数設けられている
    請求項2に記載のプラズマ加熱装置。
  4. 前記加熱部制御手段は、各組の加熱部制御用のノズル付き電極のほかに、各組の間に設けられ、各組のノズル付き電極群から出力されるプラズマアークに高温ガス流を出力可能な加熱部制御用の他のノズル付き電極を含み、当該加熱部制御用の他のノズル付き電極からガスを噴射し、あるいは、当該加熱部制御用の他のノズル付き電極から高温ガス流を出力することによって、各組のノズル付き電極群から出力されるプラズマアークの被加熱物への接触状態を制御する
    請求項3に記載のプラズマ加熱装置。
  5. 前記加熱部制御手段は、
    ガスを噴射可能なノズル付き電極またはノズルからなるガス噴射部と、
    当該ガス噴射部から加熱部制御用に噴射するガスの単位時間当たりの流量を制御する第1のガス流量制御部と、
    前記ノズル付き電極が、プラズマアークを出力する電極と当該電極の周囲にガスの通路となる隙間を形成するノズル枠体とを備えている場合に、当該ノズル付き電極から出力されるガスの単位時間当たりの流量を制御する第2のガス流量制御部と、
    を含む請求項1に記載のプラズマ加熱装置。
  6. 具備しているノズル付き電極のうち、直流電流の経路となるプラズマアークを出力する特定のノズル付き電極は、
    プラズマアークを出力する電極と、
    当該電極の周囲にガスの通路となる隙間を形成するノズル枠体と、
    電極の先端がノズル枠体の端面より内側の位置から外側の位置まで軸方向にスライド可能な電極のスライド機構と
    を備える請求項1に記載のプラズマ加熱装置。
  7. 前記特定のノズル付き電極の前記電極を、タングステンを含む電極材料から形成し、かつ、当該特定のノズル付き電極の前記ノズル枠体の少なくとも端部を炭素から形成している
    請求項6に記載のプラズマ加熱装置。
  8. プラズマアークを出力し、当該プラズマアークを被加熱物に接触させて加熱するノズル付き電極であって、
    プラズマアークを出力する電極と、
    当該電極の周囲にガスの通路となる隙間を形成するノズル枠体と、
    電極の先端がノズル枠体の端面より内側の位置から外側の位置まで軸方向にスライド可能な電極のスライド機構と
    を備えるノズル付き電極。
  9. 前記ノズル付き電極の電極を、タングステンを含む電極材料から形成し、かつ、当該ノズル付き電極のノズル枠体の少なくとも端部を炭素から形成している
    請求項8に記載のノズル付き電極。
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